以下に添付図面を参照して、この発明にかかる電源装置および画像形成装置の最良な実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置のシステム構成を示すブロック図である。画像形成装置は、コントローラ制御部1、エンジン制御部2、スキャナ制御部3、書き込み制御部4、操作制御部5、HDD制御部6、LANインターフェース回路7、および、電源電圧監視回路8を備えて構成されている。
コントローラ制御部1は、画像形成装置の全体を制御する。コントローラ制御部1には、画像形成装置の全体制御を行うCPU1a、システムコントローラボードの制御を行うROM(図示せず)、CPU1aが使用する作業用メモリであるRAM(図示せず)、リチウム電池と時計とを内臓し、RAMのバックアップを行うNV−RAM(図示せず)、システムコントローラボードのシステバス制御、フレームメモリー制御、FIFO等のCPU周辺を制御するASIC(図示せず)、および、そのインターフェース回路(図示せず)等が搭載されている。
エンジン制御部2は、汎用PCIバスでコントローラ制御部1に接続され、画像形成動作を行う。エンジン制御部2には、主に画像形成制御を行うCPU2a、CPU2aに内部バスで接続され、画像形成装置の入出力を制御する入出力ボード2b、シリアルコントローラ(図示せず)、A/Dコンバータ(図示せず)、割り込み制御回路(図示せず)、NV−RAM(図示せず)及びROM(図示せず)、RAM(図示せず)、タイマー(図示せず)等が搭載されている。
スキャナ制御部3は、コピー原稿(画像)を光学的に読み込む。書き込み制御部4は、画像データーをドラム上に書き込む。操作制御部5は、画像形成装置の操作を制御する。操作制御部5は、具体的には、CPU5aを有しており、CPU5aはコントローラ制御部1のCPU1aに接続され、使用者がパネル(図示せず)を操作してシステム設定を入力し、または、使用者にシステムの設定内容をパネルで表示することにより、画像形成装置の操作を制御する。
HDD制御部6は、画像データを記憶する。LANインターフェース回路7は、コントローラ制御部1と社内LANとの通信インターフェースボードであり、外部との通信を行う。電源電圧監視回路8は、電源電圧の瞬断・瞬低時または電源ON時にパワーオン・リセット信号を発生する電源電圧監視回路である。
ここで、コントローラ制御部1、エンジン制御部2、スキャナ制御部3、操作制御部5、HDD制御部6、LANインターフェース回路7、および、電源電圧監視回路8への電力供給は、ダイオードD1またはD2を介して行われる。なお、後述する定電圧生成回路22(蓄電部17)からの電力がダイオードD1へ出力され、後述するAC/DCコンバータ15からの電力がダイオードD2へ出力されている。
主電源が投入され定電圧生成回路22(蓄電部17)の電力がダイオードD1を介して、電源電圧監視回路8に供給されると、電源電圧監視回路8はパワーオン時のリセット信号9をコントローラ制御部1のCPU1aおよび周辺回路、エンジン制御部2のCPU2aおよび周辺回路、操作制御部5のCPU5aおよび周辺回路に出力する。このリセット信号9により各CPUは周辺回路の初期設定動作および起動動作を行う。
図2は、本実施の形態にかかる画像形成装置の電力供給を示す機能図である。本実施の形態にかかる画像形成装置では、省エネモード解除信号27により、定電圧電源(AC/DCコンバータ15)の立ち上げを開始すると同時に、蓄電部17に蓄電された電圧を定電圧生成回路22で定電圧化し、画像形成装置の各部への電力供給を開始する。そして、AC/DCコンバータ15の立ち上げが完了し、AC/DCコンバータ15からの電力供給が開始されると、定電圧生成回路22(蓄電部17)からの電力供給を中止する。これにより、画像形成装置が使用可能になるまでの時間を早くすることができる。以下、各部について説明する。
画像形成装置制御部10は、前述したコントローラ制御部1、エンジン制御部2、スキャナ制御部3、および、書き込み制御部4を便宜的にまとめて一つにしたものであり、以後の説明では、画像形成装置制御部10に統一して説明する。画像形成装置制御部10は、省エネモード時に画像形成装置を制御する省エネ制御部10aを備えて構成されている。
ADF制御部11は、自動原稿送り装置(ADF)を制御する。駆動系負荷12は、駆動系、例えば、モーターやファン等の負荷である。制御系負荷13は、制御系、例えば、センサー等の負荷である。立ち上げ時供給負荷14は、画像形成装置の主電源スイッチのオン時、または、省エネモードからの復帰時に、早く立ち上げを完了したい負荷であり、例えば、定着装置やプロセスコントローラ等の負荷である。
AC/DCコンバータ(定電圧回路)15は、商用交流電源であるAC16からの交流電圧を所定の直流電圧に変換し安定化し、後段の負荷に供給する。AC/DCコンバータ15は、外部からの信号により省エネモードに入り、省エネモード時に必要な負荷のみに電力を供給する機能と、外部からの信号により省エネモードを解除して、通常モード時に必要な負荷に電力を供給する機能も有している。なお、AC/DCコンバータ15から電力の供給を受ける負荷とは、具体的には、操作制御部5、HDD制御部6、LANインターフェース回路7、画像形成装置制御部10、ADF制御部11、駆動系負荷12、制御系負荷13、および、立ち上げ時供給負荷14である。AC/DCコンバータ15は、AC16から入力される電力の力率を改善する力率改善回路を内蔵している。
蓄電部17は、電気(電力)を蓄えるとともに、蓄えた電気(電力)を放電する。蓄電部17は、電気2重層コンデンサーを複数個直列に接続したキャパシタバンク17aを使用している。ここで、個々の電気2重層コンデンサーをセルと呼ぶ。なお、キャパシタバンク17aは、AC/DCコンバータ15の立ち上がり時に、電力を負荷に十分供給できる容量のセル構成となっている。また、蓄電部17は、電気2重層コンデンサー個々のセルが満充電になると充電をバイパスするバイパス回路、前記セルのいずれかが満充電になると単セル満充電信号を発生する回路、および、全ての電気2重層コンデンサーが満充電になると全セル満充電信号を発生する回路を有した均等化回路17bを備えている。
充電電圧検出回路18は、キャパシタバンク17aに充電された電圧を検出する。充電電圧検出回路18は、抵抗で構成された分割回路で構成され、キャパシタバンク17aの端子間電圧を検出する。そして、充電電圧検出回路18の出力は、後述する充電制御回路20に入力される。
充電電流検出回路19は、キャパシタバンク17aに充電する時の電流を検出する。充電電流検出回路19は、キャパシタバンク17aと直列に接続された抵抗を流れる電流を端子間電圧として検出する。そして、充電電流検出回路19の出力は、充電制御回路20に入力される。
充電制御回路20は、充電電圧検出回路18の出力と充電電流検出回路19の出力とを検出することにより、蓄電部17に対して、定電流充電、定電力充電、および、定電圧充電を行う。充電制御回路20は、AC16からの商用交流電力をキャパシタバンク17aに充電するための直流電圧を生成する回路と、この出力電圧を制御する出力電圧制御回路とを備えて構成されている。なお、本実施の形態では、充電制御回路20は、商用交流電力をAC/DCコンバータ15の前段から蓄電部17に充電している。
充電制御回路20による蓄電部17への充電は、以下の様に行われる。初めに、充電制御回路20は、キャパシタバンク17aの端子間電圧を充電電圧検出回路18の出力により検出し、キャパシタバンク17aの端子間電圧が、あらかじめ設定された電圧値より低い場合には、充電電圧検出回路18の電圧の検出を逐次行い、検出した充電電圧に対応するあらかじめ設定された電流値で定電流充電を行う。
次に、充電制御回路20は、キャパシタバンク17aの端子間電圧が、あらかじめ設定された電圧値以上になると、定電力充電を行うためにキャパシタバンク17aの充電電流の検出と、キャパシタバンク17aの端子間電圧の検出とを逐次行ない、検出した充電電流と充電電圧とに対応するあらかじめ設定された電力値で定電力充電を行う。
次に、充電制御回路20は、均等化回路17bから出力される、いずれかの単セル満充電信号を検出すると、再びあらかじめ設定された電流値で定電流充電を行う。なお、この定電流充電は前記した定電流充電より低い電流で充電を行う。最後に、充電制御回路20は、全てのキャパシタセルの満充電信号を検出すると、一定期間、あらかじめ設定された電圧値で定電圧充電または間欠定電流充電を行い、その後充電動作を停止する。
なお、上述した充電は、充電指示信号21が画像形成装置制御部10から充電制御回路20へ送信されることにより開始されるが、実際には、画像形成装置が画像形成動作を実行しておらず、電力的に余裕がある時に行われる。
定電圧生成回路22は、画像形成装置の主電源スイッチのオン時、または、省エネモードからの復帰時に、蓄電部17からの直流電圧を所定の直流電圧に変圧し、後述する蓄電力供給回路26を介して後段の負荷に供給する。なお、定電圧生成回路22から電力の供給を受ける負荷とは、具体的には、操作制御部5、HDD制御部6、LANインターフェース回路7、画像形成装置制御部10、ADF制御部11、および、立ち上げ時供給負荷14である。
ADF原稿検知スイッチ23は、自動原稿送り装置(ADF)に設けられており、原稿トレイに原稿が挿入されると原稿がセットされたことを検知する。具体的には、原稿トレイに原稿が挿入されると、原稿はその先端が原稿ストッパに突き当たられた状態でセットされるとともに、ADF原稿検知スイッチ23のフィラが持ち上げられることにより、原稿セットが検知される。ADF原稿検知スイッチ23による検知信号は、省エネ制御部10aへ送信されるとともに、ダイオードD5を介して、AC/DCコンバータ15および後述する蓄電力供給回路26のトランジスタ26aのベースへ送信される。
圧板開放検知スイッチ24は、ADFの圧板に設けられており、ADFの圧板が開放されるとその開放を検知する。具体的には、圧板が開放されると圧板開放検知スイッチ24である透過型センサーの受光素子の遮蔽が解除され、圧板開放が検知される。圧板開放検知スイッチ24による検知信号は、省エネ制御部10aへ送信されるとともに、ダイオードD4を介して、AC/DCコンバータ15および後述する蓄電力供給回路26のトランジスタ26aのベースへ送信される。
省エネ解除スイッチ25は、操作部に設けられており、使用者により省エネ解除スイッチ25が押下げされると省エネ解除の要求がされたことを検知する。省エネ解除スイッチ25による検知信号は、省エネ制御部10aへ送信されるとともに、ダイオードD3を介して、AC/DCコンバータ15および後述する蓄電力供給回路26のトランジスタ26aのベースへ送信される。
蓄電力供給回路26は、画像形成装置の主電源スイッチのオン時、または、省エネモードからの復帰時に、定電圧生成回路22からの出力を後段の負荷に供給する。蓄電力供給回路26は、トランジスタ26a、抵抗R1およびR2、および、ダイオードD1で構成されている。そして、トランジスタ26aのエミッタには、定電圧生成回路22からの出力が入力されるようになっている。
また、トランジスタ26aのベースには、前述したように、ADF原稿検知スイッチ23、圧板開放検知スイッチ24、および、省エネ解除スイッチ25による検知信号、および、ダイオードD6を介してLANインターフェース回路7からの連絡信号が入力されるようになっている。ここで、これらの検知信号および連絡信号を、まとめて、省エネモード解除信号27と呼ぶ。
また、トランジスタ26aのコレクタには、ダイオードD1を介して、操作制御部5、HDD制御部6、LANインターフェース回路7、画像形成装置制御部10、ADF制御部11、および、立ち上げ時供給負荷14が接続されている。
そして、省エネモード解除信号27がトランジスタ26aのベースに入力されると、トランジスタ26aがオンし、定電圧生成回路22からの出力がエミッタからコレクタへ流れる。さらに、定電圧生成回路22からの出力は、ダイオードD1を介して、後段の負荷に供給される。
(省エネモード解除時の電力供給)
次に、省エネモードから通常モードへ移行する場合の電力供給の仕組みについて説明する。省エネモード時には、AC/DCコンバータ15は、LANインターフェース回路7、省エネ制御部10a、ADF原稿検知スイッチ23、圧板開放検知スイッチ24、および、省エネ解除スイッチ25のみに省エネモード電力28を供給している。
そして、省エネモード解除信号27が、省エネ制御部10a、AC/DCコンバータ15、および、蓄電力供給回路26へ送信されると、省エネモードが終了し、画像形成装置は通常モードへの移行を開始する。AC/DCコンバータ15は、省エネモード解除信号27を受信すると、通常モードで必要な電力の生成を開始する。
省エネ制御部10aは、省エネモード解除信号27を受信すると、定電圧生成回路22に対して、蓄電部17の放電電圧を所定の直流電圧に変圧を開始するように制御信号29を送信し、定電圧生成回路22は、制御信号29を受信すると変圧を開始する。この時、AC/DCコンバータ15の稼働が安定し、所定の電力が生成されるまでの時間よりも、定電圧生成回路22が蓄電部17の放電電圧を所定の直流電圧に変圧するまでの時間の方が短い。そして定電圧生成回路22の出力は、蓄電力供給回路26のトランジスタ26aのエミッタに到達する。
蓄電力供給回路26のトランジスタ26aのベースに、省エネモード解除信号27が到達すると、トランジスタ26aがオンし、定電圧生成回路22からの出力がエミッタからコレクタへ流れる。さらに、定電圧生成回路22からの出力は、ダイオードD1を介して、後段の負荷、より詳しくは、操作制御部5、HDD制御部6、LANインターフェース回路7、画像形成装置制御部10、ADF制御部11、および、立ち上げ時供給負荷14に供給される。この時、ダイオードD2は、定電圧生成回路22の出力がAC/DCコンバータ15の出力側に流れ込まない役割を持っている。
通常モードへ切替え後、ある程度時間が経過し、AC/DCコンバータ15で、通常モードで必要な電力が生成されるようになると、AC/DCコンバータ15の出力は、制御系負荷13へ供給開始されるとともに、ダイオードD2を介して、操作制御部5、HDD制御部6、LANインターフェース回路7、画像形成装置制御部10、ADF制御部11、および、立ち上げ時供給負荷14へ供給開始される。この時、ダイオードD1は、AC/DCコンバータ15の出力が定電圧生成回路22の出力側に流れ込まない役割を持っている。
ここで、AC/DCコンバータ15の出力電圧と、定電圧生成回路22の出力電圧とが同じである場合、トランジスタ26aのコレクタ−エミッタ間に電圧(ON電圧)が発生するため、AC/DCコンバータ15からの出力と定電圧生成回路22からの出力とが交差する点Aでは、定電圧生成回路22からの出力電圧は、ON電圧分低くなっている。
そのため、AC/DCコンバータ15の出力供給が開始されると、定電圧生成回路22の出力供給は自動的に停止し、AC/DCコンバータ15からの出力供給に自然に切り替わる。なお、定電圧生成回路22の出力電圧をAC/DCコンバータ15の出力電圧より低く設定しておいてもよい。
その後、所定の時間が経過した段階で、AC/DCコンバータ15は駆動系負荷12への出力供給を開始する。これは、制御系の電源が立ち上がる前に、駆動系の電源が立ち上がると、不必要な駆動系の動作が発生する問題があることを想定したためであるが、この問題に対処可能であれば、AC/DCコンバータ15が通常モードで必要な電力を生成した段階で、駆動系負荷12へ出力供給を開始してもよい。
なお、このままでは、定電圧生成回路22は定電圧を生成し続けるため、画像形成装置制御部10は、AC/DCコンバータ15の出力供給開始を検知してから所定の時間が経過した段階で、定電圧生成回路22に対して、動作を停止するように制御信号29を送信する。定電圧生成回路22は、制御信号29を受信すると動作を停止する。
本実施の形態では、定電圧生成回路22は省エネモード解除後に省エネ制御部10aからの制御信号を受信すると変圧を開始しているが、省エネモード中に変圧し続けていてもよい。この場合、蓄電力供給回路26のトランジスタ26aはオンしておらず電流は流れないので、蓄電部17の電力はそれほど損失しない。
(変形例)
図3は、本実施の形態にかかる画像形成装置の電力供給の変形例を示す機能図である。変形例では定電圧生成回路22がなく、蓄電部17からの出力が直接蓄電力供給回路26へ入力される構成となっている。この場合、蓄電部17で蓄えられ、出力される電圧が、後段の負荷で使用される電圧と同じとなるように、あらかじめ設計しておく必要がある。また変形例では、画像形成装置制御部10は、場合により、蓄電部17へ動作の開始または停止を指示する制御信号29を送信する。
このように、第1の実施の形態にかかる画像形成装置によれば、蓄電力供給回路は、ADF原稿検知スイッチ、圧板開放検知スイッチ、省エネ解除スイッチ、または、LANインターフェース回路から直接、省エネモード解除信号を受信すると、AC/DCコンバータが生成する生成電力の電圧が所定の電圧になるまでの間、蓄電部の蓄電力を操作制御部、HDD制御部、LANインターフェース回路、画像形成装置制御部、ADF制御部、および、立ち上げ時供給負荷に出力することができるので、これらが立ち上がるまでの時間を短くすることができ、画像形成装置が使用可能となるまでの時間を短くすることができる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、省エネモードから通常モードへ移行する場合の電力供給の仕組みについて説明したが、第2の実施の形態では、主電源スイッチをオンした場合の電力供給の仕組みについて説明する。第2の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態にかかる画像形成装置の構成について、第1の実施の形態と異なる部分を説明する。他の部分については第1の実施の形態と同様であるので、同一の符号が付された箇所については、上述した説明を参照し、ここでの説明を省略する。
図4は、第2の実施の形態にかかる画像形成装置の電力供給を示す機能図である。本実施の形態にかかる画像形成装置では、主電源スイッチ31のオンにより、定電圧電源(DC/DCコンバータ34)の立ち上げを開始すると同時に、蓄電部17に蓄電された電圧を定電圧生成回路22で定電圧化し、画像形成装置の各部への電力供給を開始する。そして、DC/DCコンバータ34の立ち上げが完了し、DC/DCコンバータ34からの電力供給が開始されると、定電圧生成回路22(蓄電部17)からの電力供給を中止する。これにより、画像形成装置が使用可能になるまでの時間を早くすることができる。以下、各部について説明する。
主電源スイッチ31は、完全に停止している画像形成装置の動作を開始するためのスイッチである。全波整流回路32は、商用交流電源であるAC16からの交流電圧を全波整流する。力率改善回路33は、全波整流回路32から入力される電力の力率を改善する。
DC/DCコンバータ(定電圧回路)34は、力率改善回路33からの全波整流電圧を所定の直流電圧に変換し安定化し、後段の負荷に供給する。なお、DC/DCコンバータ(定電圧回路)34から電力の供給を受ける負荷とは、具体的には、操作制御部5、HDD制御部6、LANインターフェース回路7、画像形成装置制御部10、ADF制御部11、駆動系負荷12、制御系負荷13、および、立ち上げ時供給負荷14である。
なお、本実施の形態では、充電制御回路20は、DC/DCコンバータ34による変換後の直流電力を蓄電部17に充電している。
ゼロクロス検出回路35は、主電源スイッチ31のオンにより発生するゼロクロスを検出し、ゼロクロス信号36を発生する。図5は、ゼロクロス検出回路35の回路図である。ゼロクロス検出回路35は、フォトカプラ35aを使用しており、AC16からの交流電圧が高くなると抵抗R6を通して、フォトダイオード35bに電流が流れ、フォトトランジスタ35cはオンする。また、AC16からの交流電圧が低くなると、フォトダイオード35bに流れる電流値が低下し、フォトトランジスタ35cはオフする。ゼロクロス検出回路35は、主電源スイッチ31がオンした後、フォトトランジスタ35cが周期的にオフする瞬間、すなわち、交流電圧が0(ゼロ)Vになるタイミングにゼロクロス信号36を発生し、立上げ時供給回路37へ送信する。
立上げ時供給回路37は、ゼロクロス信号36を受信すると一定時間コンデンサに蓄えられていた蓄電力を蓄電力供給回路26へ供給する。図6は、立上げ時供給回路37の回路図である。立上げ時供給回路37は、ゼロクロス検出回路35からゼロクロス信号36が入力されると、トランジスタ37aがオンし、コンデンサC1に充電された蓄電力は、立上げ時供給回路37の抵抗R2へ放電される。
(主電源スイッチがオンされた時の電力供給)
次に、主電源スイッチがオンされた場合の電力供給の仕組みについて説明する。主電源スイッチ31がオフの場合、画像形成装置は完全に停止しているため、DC/DCコンバータ34も停止しており、負荷への電力供給は一切行われていない。
そして、主電源スイッチ31がオンされると、画像形成装置は立ち上げを開始し、DC/DCコンバータ34は、通常モードで必要な電力の生成を開始する。また、主電源スイッチ31のオンと同時に、特定の回路(図示せず)で発生した信号を受信するなどし、定電圧生成回路22は、蓄電部17の直流電圧を所定の直流電圧に変圧を開始する。そして、定電圧生成回路22の出力は、蓄電力供給回路26のトランジスタ26aのエミッタに到達する。
また、ゼロクロス検出回路35は、主電源スイッチ31のオンにより発生するゼロクロス信号36を検出すると、ゼロクロス信号36を立上げ時供給回路37へ周期的に送信する。立上げ時供給回路37は、ゼロクロス信号36を受信するとコンデンサC1に蓄えられていた蓄電力を蓄電力供給回路26の抵抗R2へ放電する。
そして、放電された蓄電力が抵抗R2を介して、トランジスタ26aのベースに到達すると、トランジスタ26aがオンし、定電圧生成回路22からの出力がエミッタからコレクタへ流れる。さらに、定電圧生成回路22からの出力は、ダイオードD1を介して、後段の負荷、より詳しくは、操作制御部5、HDD制御部6、LANインターフェース回路7、画像形成装置制御部10、ADF制御部11、および、立ち上げ時供給負荷14に供給される。この時、ダイオードD2は、定電圧生成回路22の出力がDC/DCコンバータ34の出力側に流れ込まない役割を持っている。
ゼロクロス信号36を受信する度に、立上げ時供給回路37はコンデンサC1に蓄えられていた蓄電力を放電し、蓄電力供給回路26のトランジスタ26aはオンし、電圧生成回路22からの出力は、後段の負荷へ供給される。
主電源スイッチ31のオン後、ある程度時間が経過し、DC/DCコンバータ34で、通常モードで必要な電力が生成されるようになると、DC/DCコンバータ34の出力は、制御系負荷13へ供給開始されるとともに、ダイオードD2を介して、操作制御部5、HDD制御部6、LANインターフェース回路7、画像形成装置制御部10、ADF制御部11、および、立ち上げ時供給負荷14へ供給開始される。この時、ダイオードD1は、DC/DCコンバータ34の出力が定電圧生成回路22の出力側に流れ込まない役割を持っている。
ここで、DC/DCコンバータ34の出力電圧と、定電圧生成回路22の出力電圧とが同じである場合、トランジスタ26aのコレクタ−エミッタ間に電圧(ON電圧)が発生するため、DC/DCコンバータ34からの出力と定電圧生成回路22からの出力とが交差する点Aでは、定電圧生成回路22からの出力電圧は、ON電圧分低くなっている。
そのため、DC/DCコンバータ34の出力供給が開始されると、定電圧生成回路22の出力供給は自動的に停止し、DC/DCコンバータ34からの出力供給に自然に切り替わる。なお、定電圧生成回路22の出力電圧をDC/DCコンバータ34の出力電圧より低く設定しておいてもよい。
その後、所定の時間が経過した段階で、DC/DCコンバータ34は駆動系負荷12への出力供給を開始する。これは、制御系の電源が立ち上がる前に、駆動系の電源が立ち上がると、不必要な駆動系の動作が発生する問題があることを想定したためであるが、この問題に対処可能であれば、DC/DCコンバータ34が通常モードで必要な電力を生成した段階で、駆動系負荷12へ出力供給を開始してもよい。
なお、このままでは、定電圧生成回路22は定電圧を生成し続けるため、画像形成装置制御部10は、DC/DCコンバータ34の出力供給開始を検知してから所定の時間が経過した段階で、定電圧生成回路22に対して、動作を停止するように制御信号29を送信する。定電圧生成回路22は、制御信号29を受信すると動作を停止する。
そして、主電源スイッチ31がオフされ画像形成装置が停止すると、立上げ時供給回路37は、ゼロクロス信号36を受信しなくなる。そして、コンデンサC1は、蓄電部17からの電力により充電される。
図7は、DC/DCコンバータ34の電圧立ち上がりシーケンスを表す図である。それぞれ、後段の負荷における電圧、定電圧生成回路22の出力電圧、および、DC/DCコンバータ34の出力電圧の関係を表している。
このように、第2の実施の形態にかかる画像形成装置によれば、蓄電力供給回路は、立上げ時供給回路がゼロクロス信号を受信することにより放電した蓄電力を受信すると、DC/DCコンバータが生成する生成電力の電圧が所定の電圧になるまでの間、蓄電部の蓄電力を操作制御部、HDD制御部、LANインターフェース回路、画像形成装置制御部、ADF制御部、および、立ち上げ時供給負荷に出力することができるので、これらが立ち上がるまでの時間を短くすることができ、画像形成装置が使用可能となるまでの時間を短くすることができる。
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態では、各スイッチによる検知信号、および、LANインターフェース回路からの連絡信号が各部への省エネモード解除信号となって、省エネモードから通常モードへ移行したが、第3の実施の形態では、検知信号および連絡信号を受信した画像形成装置制御部の省エネ制御部が省エネモード解除信号を各部へ送信することにより、省エネモードから通常モードへ移行する。第3の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態にかかる画像形成装置の構成について、第1の実施の形態と異なる部分を説明する。他の部分については第1の実施の形態と同様であるので、同一の符号が付された箇所については、上述した説明を参照し、ここでの説明を省略する。
図8は、第3の実施の形態にかかる画像形成装置の電力供給を示す機能図である。本実施の形態にかかる画像形成装置では、第1の実施の形態と同様に、省エネモード解除信号により、定電圧電源(DC/DCコンバータ34)の立ち上げを開始すると同時に、蓄電部17に蓄電された電圧を定電圧生成回路21で定電圧化し、画像形成装置の各部への電力供給を開始する。しかし、第1の実施の形態と異なり、省エネモード解除信号は、画像形成装置制御部10の省エネ制御部10aから送信される。そして、DC/DCコンバータ34の立ち上げが完了し、DC/DCコンバータ34からの電力供給が開始されると、定電圧生成回路22(蓄電部17)からの電力供給を中止する。これにより、画像形成装置が使用可能になるまでの時間を早くすることができる。以下、各部について説明する。
全波整流回路32は、商用交流電源であるAC16からの交流電圧を全波整流する。力率改善回路33は、全波整流回路32から入力される電力の力率を改善する。
DC/DCコンバータ(定電圧回路)34は、力率改善回路33からの全波整流電圧を所定の直流電圧に変換し安定化し、後段の負荷に供給する。なお、DC/DCコンバータ(定電圧回路)34から電力の供給を受ける負荷とは、具体的には、操作制御部5、HDD制御部6、LANインターフェース回路7、画像形成装置制御部10、ADF制御部11、駆動系負荷12、制御系負荷13、および、立ち上げ時供給負荷14である。
なお、本実施の形態では、充電制御回路20は、DC/DCコンバータ34による変換後の直流電力を蓄電部17に充電している。
また、本図では図示していないが、ADF原稿検知スイッチ23、圧板開放検知スイッチ24、および、省エネ解除スイッチ25は、第1の実施の形態と同様に存在する。しかし、本実施の形態では、ADF原稿検知スイッチ23による検知信号、圧板開放検知スイッチ24による検知信号、省エネ解除スイッチ25による検知信号、さらには、LANインターフェース回路7からの連絡信号は、画像形成装置制御部10の省エネ制御部10aへ送信される。省エネ制御部10aは、検知信号または連絡信号を受信すると、省エネモード解除信号27を蓄電力供給回路26へ送信する。
そして、省エネモード解除信号27がトランジスタ26aのベースに入力されると、トランジスタ26aがオンし、定電圧生成回路22からの出力がエミッタからコレクタへ流れる。さらに、定電圧生成回路22からの出力は、ダイオードD1を介して、後段の負荷に供給される。
なお、省エネモードから通常モードへ移行する場合の電力供給のその他の仕組みについては、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
このように、第3の実施の形態にかかる画像形成装置によれば、蓄電力供給回路は、画像形成装置制御部の省エネ制御部から省エネモード解除信号を受信すると、AC/DCコンバータが生成する生成電力の電圧が所定の電圧になるまでの間、蓄電部の蓄電力を操作制御部、HDD制御部、LANインターフェース回路、画像形成装置制御部、ADF制御部、および、立ち上げ時供給負荷に出力することができるので、これらが立ち上がるまでの時間を短くすることができ、画像形成装置が使用可能となるまでの時間を短くすることができる。
(第4の実施の形態)
第2の実施の形態では、電圧生成回路の出力を直接後段の負荷に供給しているが、第4の実施の形態では、蓄電部からの出力を、DC/DCコンバータの入力側に直接供給している。第4の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態にかかる画像形成装置の構成について、第2の実施の形態と異なる部分を説明する。他の部分については第2の実施の形態と同様であるので、同一の符号が付された箇所については、上述した説明を参照し、ここでの説明を省略する。
図9は、第4の実施の形態にかかる画像形成装置の電力供給を示す機能図である。本実施の形態では、定電圧生成回路22は存在せず、蓄電部17からの出力が蓄電力供給回路26へ直接供給される。また、蓄電力供給回路26の出力側は、DC/DCコンバータ34の入力側に接続されており、ダイオードD1を介して、DC/DCコンバータ34に供給される。また、DC/DCコンバータ34の出力は、立ち上げ後に、操作制御部5、HDD制御部6、LANインターフェース回路7、画像形成装置制御部10、ADF制御部11、駆動系負荷12、および、制御系負荷13に供給される。
このような構成にすることにより、DC/DCコンバータ34が立ち上がるまで、後段の負荷に電力を供給することはできないが、力率改善回路33が全波整流回路32から入力された電力の力率を改善するまでの時間だけ、DC/DCコンバータ34を早く立ち上げることが可能となる。さらに、定電圧生成回路22や、蓄電力供給回路26から後段の負荷に電力を供給する専用回路が不要となり、設計が簡単となる。
図10は、DC/DCコンバータ34の電圧立ち上がりシーケンスを表す図である。それぞれ、DC/DCコンバータ34の出力電圧、定電圧生成回路22の出力電圧、および、力率改善回路33の出力電圧の関係を表している。
なお、主電源スイッチがオンされた場合の電力供給のその他の仕組みについては、第2の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。なお、画像形成装置制御部10は、DC/DCコンバータ34の出力供給開始を検知してから所定の時間が経過した段階で、蓄電部17に対して、動作を停止するように制御信号29を送信する。
このように、第4の実施の形態にかかる画像形成装置によれば、蓄電力供給回路は、立上げ時供給回路がゼロクロス信号を受信することにより放電した蓄電力を受信すると、DC/DCコンバータが生成する生成電力の電圧が所定の電圧になるまでの間、蓄電部の蓄電力を自らのDC/DCコンバータに出力することができるので、DC/DCコンバータが立ち上がるまでの時間を短くすることができ、画像形成装置が使用可能となるまでの時間を短くすることができる。
(第5の実施の形態)
第2の実施の形態では、主電源スイッチのオンにより発生するゼロクロス信号をトリガーとして、蓄電力供給回路のトランジスタがオンすることにより、電圧生成回路からの出力が後段の負荷へ供給されるが、第5の実施の形態では、主電源スイッチのオンにより発生する電源立ち上がり信号をトリガーとして、蓄電力供給回路のトランジスタがオンすることにより、電圧生成回路からの出力が後段の負荷へ供給される。第5の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態にかかる画像形成装置の構成について、第2の実施の形態と異なる部分を説明する。他の部分については第2の実施の形態と同様であるので、同一の符号が付された箇所については、上述した説明を参照し、ここでの説明を省略する。
図11は、第5の実施の形態にかかる画像形成装置の電力供給を示す機能図である。電源立ち上がり検出回路41は、主電源スイッチ31がオンすることによる全波整流回路32からの出力を検出して電源立ち上がり信号42を発生する。具体的には、電源立ち上がり検出回路41は、抵抗R12およびR13により構成されており、全波整流回路32から出力されたDC電圧は、抵抗R12およびR13により分圧され、この分圧電圧が電源立ち上がり信号42として、立上げ時供給回路43へ送信される。
立上げ時供給回路43は、電源立ち上がり信号42を受信すると、電源立ち上がり信号42を基とする特定の出力信号を蓄電力供給回路26へ供給する。具体的には、電源立ち上がり信号42が立上げ時供給回路43のトランジスタ43aに供給されると、トランジスタ43aがオンし、電源立ち上がり信号42を基とする特定の出力信号が蓄電力供給回路26のトランジスタ26aへ供給される。
なお、主電源スイッチがオンされた場合の電力供給のその他の仕組みについては、第2の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
このように、第5の実施の形態にかかる画像形成装置によれば、蓄電力供給回路は、立上げ時供給回路が電源立ち上がり信号を受信することにより出力した信号を受信すると、DC/DCコンバータが生成する生成電力の電圧が所定の電圧になるまでの間、蓄電部の蓄電力を操作制御部、HDD制御部、LANインターフェース回路、画像形成装置制御部、ADF制御部、および、立ち上げ時供給負荷に出力することができるので、これらが立ち上がるまでの時間を短くすることができ、画像形成装置が使用可能となるまでの時間を短くすることができる。
(第6の実施の形態)
第6の実施の形態では、第1、第2、第4および第5の実施の形態で説明した画像形成装置の電源部分を独立させた電源装置について説明する。第6の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図12は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置の電源部分を独立させた電源装置の構成を示す図である。第1の実施の形態にかかる画像形成装置と同一の符号が付された箇所については、その機能が同じであるため上述した説明を参照し、ここでの説明を省略する。
外部接続コネクタ51は、充電制御回路20と外部とを接続する。そして、外部接続コネクタ51には、外部から充電指示信号21が入力される。外部接続コネクタ52は、AC/DCコンバータ15と外部とを接続する。そして、省エネモード時には、外部接続コネクタ52から外部へ省エネモード電力28が出力される。外部接続コネクタ53は、AC/DCコンバータ15およびトランジスタ26aのベースと外部とを接続する。そして、外部接続コネクタ53には、外部から省エネモード解除信号27が入力される。外部接続コネクタ54は、定電圧生成回路22と外部とを接続する。そして、外部接続コネクタ54には、外部から制御信号29が入力される。
負荷接続コネクタ55は、AC/DCコンバータ15と駆動系負荷12とを接続し、AC/DCコンバータ15からの出力が駆動系負荷12へ供給される。負荷接続コネクタ56は、AC/DCコンバータ15と制御系負荷13とを接続し、AC/DCコンバータ15からの出力が制御系負荷13へ供給される。
負荷接続コネクタ57は、AC/DCコンバータ15および定電圧生成回路22と立ち上げ時供給負荷14とを接続し、AC/DCコンバータ15または定電圧生成回路22からの出力が立ち上げ時供給負荷14へ供給される。なお、本実施の形態では、立ち上げ時供給負荷14には、操作制御部5、HDD制御部6、LANインターフェース回路7、画像形成装置制御部10、ADF制御部11が含まれるものとする。
なお、省エネモードから通常モードへ移行する場合の電力供給のその他の仕組みについては、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
図13は、第2の実施の形態にかかる画像形成装置の電源部分を独立させた電源装置の構成を示す図である。第2の実施の形態にかかる画像形成装置と同一の符号が付された箇所については、その機能が同じであるため上述した説明を参照し、ここでの説明を省略する。
外部接続コネクタ61は、充電制御回路20と外部とを接続する。そして、外部接続コネクタ61には、外部から充電指示信号21が入力される。外部接続コネクタ62は、DC/DCコンバータ34と外部とを接続する。そして、省エネモード時には、外部接続コネクタ62から外部へ省エネモード電力28が出力される。外部接続コネクタ63は、定電圧生成回路22と外部とを接続する。そして、外部接続コネクタ63には、外部から制御信号29が入力される。
負荷接続コネクタ64は、DC/DCコンバータ34と駆動系負荷12とを接続し、DC/DCコンバータ34からの出力が駆動系負荷12へ供給される。負荷接続コネクタ65は、DC/DCコンバータ34と制御系負荷13とを接続し、DC/DCコンバータ34からの出力が制御系負荷13へ供給される。
負荷接続コネクタ66は、DC/DCコンバータ34および定電圧生成回路22と立ち上げ時供給負荷14とを接続し、DC/DCコンバータ34または定電圧生成回路22からの出力が立ち上げ時供給負荷14へ供給される。なお、本実施の形態では、立ち上げ時供給負荷14には、操作制御部5、HDD制御部6、LANインターフェース回路7、画像形成装置制御部10、ADF制御部11が含まれるものとする。
なお、主電源スイッチがオンされた場合の電力供給の仕組みについては、第2の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
図14は、第4の実施の形態にかかる画像形成装置の電源部分を独立させた電源装置の構成を示す図である。第4の実施の形態にかかる画像形成装置と同一の符号が付された箇所については、その機能が同じであるため上述した説明を参照し、ここでの説明を省略する。
外部接続コネクタ71は、充電制御回路20と外部とを接続する。そして、外部接続コネクタ71には、外部から充電指示信号21が入力される。外部接続コネクタ72は、DC/DCコンバータ34と外部とを接続する。そして、省エネモード時には、外部接続コネクタ72から外部へ省エネモード電力28が出力される。外部接続コネクタ73は、DC/DCコンバータ34およびトランジスタ26aのベースと外部とを接続する。そして、外部接続コネクタ73には、外部から制御信号29が入力される。
負荷接続コネクタ74は、DC/DCコンバータ34と駆動系負荷12とを接続し、DC/DCコンバータ34からの出力が駆動系負荷12へ供給される。負荷接続コネクタ75は、DC/DCコンバータ34と制御系負荷13とを接続し、DC/DCコンバータ34からの出力が制御系負荷13へ供給される。なお、本実施の形態では、制御系負荷13には、操作制御部5、HDD制御部6、LANインターフェース回路7、画像形成装置制御部10、ADF制御部11が含まれるものとする。
なお、主電源スイッチがオンされた場合の電力供給のその他の仕組みについては、第4の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
図15は、第5の実施の形態にかかる画像形成装置の電源部分を独立させた電源装置の構成を示す図である。第5の実施の形態にかかる画像形成装置と同一の符号が付された箇所については、その機能が同じであるため上述した説明を参照し、ここでの説明を省略する。
外部接続コネクタ81は、充電制御回路20と外部とを接続する。そして、外部接続コネクタ81には、外部から充電指示信号21が入力される。外部接続コネクタ82は、DC/DCコンバータ34と外部とを接続する。そして、省エネモード時には、外部接続コネクタ82から外部へ省エネモード電力28が出力される。外部接続コネクタ83は、定電圧生成回路22と外部とを接続する。そして、外部接続コネクタ83には、外部から制御信号29が入力される。
負荷接続コネクタ84は、DC/DCコンバータ34と駆動系負荷12とを接続し、DC/DCコンバータ34からの出力が駆動系負荷12へ供給される。負荷接続コネクタ85は、DC/DCコンバータ34と制御系負荷13とを接続し、DC/DCコンバータ34からの出力が制御系負荷13へ供給される。
負荷接続コネクタ86は、DC/DCコンバータ34および定電圧生成回路22と立ち上げ時供給負荷14とを接続し、DC/DCコンバータ34または定電圧生成回路22からの出力が立ち上げ時供給負荷14へ供給される。なお、本実施の形態では、立ち上げ時供給負荷14には、操作制御部5、HDD制御部6、LANインターフェース回路7、画像形成装置制御部10、ADF制御部11が含まれるものとする。
なお、主電源スイッチがオンされた場合の電力供給の仕組みについては、第5の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
また、上述した例において、AC/DCコンバータ15の代わりにDC/DCコンバータ34を使用しても、DC/DCコンバータ34の代わりにAC/DCコンバータ15を使用してもよい。
このように、第6の実施の形態にかかる電源装置によれば、AC/DCコンバータまたはDC/DCコンバータが生成する生成電力の電圧が所定の電圧になるまでの間、蓄電部の蓄電力を電源装置に接続された負荷、または、自らのAC/DCコンバータまたはDC/DCコンバータに出力することができるので、これらが立ち上がるまでの時間を短くすることができる。
(第7の実施の形態)
第1の実施の形態では、蓄電力供給回路の電力供給部の接点にトランジスタを使用しているが、第7の実施の形態では、蓄電力供給回路の電力供給部の接点にリレーを使用している。第7の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態にかかる画像形成装置の構成について、第1の実施の形態と異なる部分を説明する。他の部分については第1の実施の形態と同様であるので、同一の符号が付された箇所については、上述した説明を参照し、ここでの説明を省略する。
図16は、第7の実施の形態にかかる画像形成装置の電力供給を示す機能図である。蓄電力供給回路91は、画像形成装置の主電源スイッチのオン時、または、省エネモードからの復帰時に、定電圧生成回路22からの出力を後段の負荷に供給する。蓄電力供給回路91は、トランジスタ91a、抵抗R1およびR2、および、リレー92を備えて構成されている。トランジスタ91aには、耐圧の低い安価な製品が使用される。そして、トランジスタ91aのエミッタには、定電圧生成回路22からの出力の一部が入力されるようになっているが、後段の負荷に供給する電圧より低い値である。
また、トランジスタ91aのベースには、ADF原稿検知スイッチ23、圧板開放検知スイッチ24、および、省エネ解除スイッチ25による検知信号、および、ダイオードD6を介してLANインターフェース回路7からの連絡信号である省エネモード解除信号27が入力されるようになっている。また、トランジスタ91aのコレクタには、リレー92のコイルが接続されている。
リレー92の一端には、定電圧生成回路22からの出力が入力されるようになっており、もう一端には、操作制御部5、HDD制御部6、LANインターフェース回路7、画像形成装置制御部10、ADF制御部11、および、立ち上げ時供給負荷14が接続されている。
そして、省エネモード解除信号27がトランジスタ91aのベースに入力されると、トランジスタ91aがオンし、定電圧生成回路22からの出力の一部がエミッタからコレクタへ流れ、さらに、リレー92のコイルへ流れる。すると、リレー92の開閉接点が閉じられ、定電圧生成回路22の出力が後段の負荷に供給される。なお、本実施の形態では、あらかじめ定電圧生成回路22の出力電圧は、ダイオードD2の出力電圧より低く設定されている。
なお、省エネモードから通常モードへ移行する場合の電力供給のその他の仕組みについては、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
このように、第7の実施の形態にかかる画像形成装置によれば、蓄電力供給回路の電力供給部の接点にトランジスタの代わりにリレーを使用することができるので、蓄電力供給回路のトランジスタに耐圧の低い安価な製品を使用することができる。
(第8の実施の形態)
第8の実施の形態では、ゼロクロス信号または電源立ち上がり信号を使用して、画像形成装置の通常モードと省エネモードとを切替える方法について説明する。第8の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態にかかる画像形成装置の構成について、他の実施の形態と異なる部分を説明する。同一の符号が付された箇所については、他の実施の形態と同様であるので、上述した説明を参照し、ここでの説明を省略する。
図17は、第8の実施の形態にかかる画像形成装置の電力供給を示す機能図である。本実施の形態では、省エネモード時にはゼロクロス信号36が発生しないようにしておき、省エネモードが解除されるとゼロクロス信号36が発生するようにする。そして、ゼロクロス信号36により、定電圧生成回路22の出力が、後段の負荷、より詳しくは、操作制御部5、HDD制御部6、LANインターフェース回路7、画像形成装置制御部10、ADF制御部11、および、立ち上げ時供給負荷14に供給される。
主電源スイッチ31がオンされると、AC16からの商用交流電力がAC/DCコンバータ15に供給され、通常モードで必要な定電圧電力が生成される。この定電圧電力によりリレー93の開閉回路が閉じられ、商用交流電力がゼロクロス検出回路35へ供給され、ゼロクロス信号36が発生する。このゼロクロス信号36は、立上げ時供給回路37へ送信される。そして、立上げ時供給回路37は、ゼロクロス信号36を受信するとコンデンサC1に蓄えられていた蓄電力を蓄電力供給回路26へ供給し、以後、今までと同様の動作を行う。
次に、AC/DCコンバータ15は、画像形成装置制御部10から省エネモード移行信号94が入力されると、通常モードから省エネモードに移行し、定電圧電力の出力を停止する。定電圧電力の出力が停止されると、リレー93への電力供給は停止され、リレー93の開閉回路は開放され、商用交流電力のゼロクロス検出回路35への供給は停止され、ゼロクロス信号36は発生しなくなる。そして、立上げ時供給回路37は、ゼロクロス信号36を受信しなくなると、コンデンサC1は、蓄電力の供給を停止し、蓄電部17からの電力による充電を開始する。
その後、AC/DCコンバータ15は、画像形成装置制御部10から省エネ解除信号27が入力されると、省エネモードから通常モードに移行し、定電圧電力を出力する。この定電圧電力によりリレー93の開閉回路は閉じられ、商用交流電力がゼロクロス検出回路35へ供給され、ゼロクロス信号36が発生する。このゼロクロス信号36は、立上げ時供給回路37へ送信される。そして、立上げ時供給回路37は、ゼロクロス信号36を受信するとコンデンサC1に蓄えられていた蓄電力を蓄電力供給回路26へ供給する。このように、ゼロクロス信号36を使用することにより、通常モードと省エネモードの切替えが行われる。
図18は、本実施の形態にかかる画像形成装置の他の電力供給を示す機能図である。この場合、省エネモード時には電源立ち上がり信号42が発生しないようにしておき、省エネモードが解除されると電源立ち上がり信号42が発生するようにする。そして、電源立ち上がり信号42により、定電圧生成回路22の出力が、後段の負荷、より詳しくは、操作制御部5、HDD制御部6、LANインターフェース回路7、画像形成装置制御部10、ADF制御部11、および、立ち上げ時供給負荷14に供給される。
主電源スイッチ31がオンされると、AC16からの商用交流電力がAC/DCコンバータ15に供給され、通常モードで必要な定電圧電力が生成される。この定電圧電力によりリレー93の開閉回路が閉じられ、商用交流電力が電源立ち上がり検出回路41へ供給され、電源立ち上がり信号42が発生する。この電源立ち上がり信号42は、立上げ時供給回路43へ送信される。そして、立上げ時供給回路43は、電源立ち上がり信号42を受信すると電源立ち上がり信号42を基とする特定の信号を蓄電力供給回路26へ供給すし、以後、今までと同様の動作を行う。
次に、AC/DCコンバータ15は、画像形成装置制御部10から省エネモード移行信号94が入力されると、通常モードから省エネモードに移行し、定電圧電力の出力を停止する。定電圧電力の出力が停止されると、リレー93への電力供給は停止され、リレー93の開閉回路は開放され、商用交流電力の電源立ち上がり検出回路41への供給は停止され、電源立ち上がり信号42は発生しなくなる。そして、立上げ時供給回路43は、電源立ち上がり信号42を受信しなくなると、電源立ち上がり信号42を基とする特定の信号供給を停止する。
その後、AC/DCコンバータ15は、画像形成装置制御部10から省エネ解除信号27が入力されると、省エネモードから通常モードに移行し、定電圧電力を出力する。この定電圧電力によりリレー93の開閉回路は閉じられ、商用交流電力が電源立ち上がり検出回路41へ供給され、電源立ち上がり信号42が発生する。この電源立ち上がり信号42は、立上げ時供給回路43へ送信される。そして、立上げ時供給回路43は、電源立ち上がり信号42を受信すると電源立ち上がり信号42を基とする特定の信号を蓄電力供給回路26へ供給する。このように、電源立ち上がり信号42を使用することにより、通常モードと省エネモードの切替えが行われる。
このように、第8の実施の形態にかかる画像形成装置によれば、ゼロクロス信号または電源立ち上がり信号を使用して、画像形成装置の通常モードと省エネモードとを切替えることができる。
(第9の実施の形態)
第9の実施の形態では、主電源スイッチをオンした場合および省エネモードから通常モードへ移行する場合に、蓄電部における中間電圧の箇所からの電力が、後段の特定の負荷に供給される。第9の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態にかかる画像形成装置の構成について、他の実施の形態と異なる部分を説明する。同一の符号が付された箇所については、他の実施の形態と同様であるので、上述した説明を参照し、ここでの説明を省略する。
図19は、第9の実施の形態にかかる画像形成装置の電力供給を示す機能図である。本実施の形態では、主電源スイッチをオンした場合と、省エネモードから通常モードへ移行する場合の両方に対応しており、第1の実施の形態および第5の実施の形態の2つの電力供給機能を合わせた仕様となっている。
そして、主電源スイッチ31のオンにより、または、省エネモード解除信号27により、定電圧電源(DC/DCコンバータ34)の立ち上げを開始すると同時に、蓄電部101に蓄電された中間電圧を定電圧生成回路22で定電圧化し、画像形成装置の各部への電力供給を開始する。そして、DC/DCコンバータ34の立ち上げが完了し、DC/DCコンバータ34からの電力供給が開始されると、定電圧生成回路22(蓄電部101)からの電力供給を中止する。これにより、画像形成装置が使用可能になるまでの時間を早くすることができる。
蓄電部101は、電気(電力)を蓄えるため、電気2重層コンデンサーを複数個直列に接続したキャパシタバンク101aを使用している。ここで、個々の電気2重層コンデンサーをセル101bと呼ぶ。また、蓄電部101は、電気2重層コンデンサーの個々のセル101bが満充電になると充電をバイパスするバイパス回路101c、前記セルのいずれかが満充電になると単セル満充電信号を発生する回路、および、全ての電気2重層コンデンサーが満充電になると全セル満充電信号を発生する回路を有した均等化回路101dを備えている。
また、キャパシタバンク101aの最も高い電圧(例えば45V)の箇所には、トナー画像が形成された記録媒体を加圧および加熱してトナー画像の定着を行う定着装置(図示せず)の加熱ローラ内に備えられたDCヒータ102が接続され、DCヒータ102には直列にFET103、リレー104が接続されている。そして、画像形成装置制御部10からの制御信号29により、FET103およびリレー104がON/OFF制御され、キャパシタバンク101aの最も高い電圧による蓄電力はDCヒータ102に供給される。
また、キャパシタバンク101aの中間電圧(例えば5V)の箇所には、定電圧生成回路22が接続されている。そして、主電源スイッチ31のオンにより発生した信号、または、画像形成装置制御部10からの制御信号29により、定電圧生成回路22が変圧を開始すると、キャパシタバンク101aの中間電圧による蓄電力は定電圧生成回路22に供給される。
なお、キャパシタバンク101aの最も高い電圧を取り出す箇所は、DCヒータ102に、電力を負荷に十分供給できる容量のセル構成となっており、キャパシタバンク101aの中間電圧を取り出す箇所は、DC/DCコンバータ34の立ち上がり時に、電力を負荷に十分供給できる容量のセル構成となっている。
また、省エネモード電力28は、オープンコレクターのインバータ105にも供給されており、省エネモード時はこのインバータ105により、立上げ時供給回路43のトランジスタ43aはオフするので、蓄電力供給回路26のトランジスタ26aもオフする。このため、省エネモード開始直後で定電圧生成回路22の動作が停止していなくても、その出力が後段の負荷に供給されるのを防ぐことができる。
(変形例1)
図20は、本実施の形態にかかる画像形成装置の電力供給の変形例1を示す機能図である。変形例1では定電圧生成回路22がない構成となっており、蓄電部101からの出力が直接蓄電力供給回路26へ入力される構成となっている。この場合、蓄電部101の中間電圧の箇所から出力される電圧が、後段の負荷で使用される電圧と同じとなるように、あらかじめ設計しておく必要がある。また変形例では、画像形成装置制御部10は、場合により、蓄電部101へその動作の開始または停止を指示する制御信号29を送信する。
(変形例2)
図21は、本実施の形態にかかる画像形成装置の電力供給の変形例2を示す機能図である。変形例2では、変形例1と同じく定電圧生成回路22がない構成となっており、さらに、第4の実施の形態と同じく蓄電部101からの出力を、DC/DCコンバータ34の入力側に直接供給している。
このような構成にすることにより、DC/DCコンバータ34が立ち上がるまで、後段の負荷に電力を供給することはできないが、力率改善回路33が全波整流回路32から入力された電力の力率を改善するまでの時間だけ、DC/DCコンバータ34を早く立ち上げることが可能となる。さらに、定電圧生成回路22や、蓄電力供給回路26から後段の負荷に電力を供給する専用回路が不要となり、設計が簡単となる。
なお、第6の実施の形態と同様に、本実施の形態にかかる画像形成装置の電源部分を独立させ、電源装置とすることも可能である。
このように、第9の実施の形態にかかる画像形成装置によれば、蓄電部の中間電圧における蓄電力を後段の負荷、または、自らのDC/DCコンバータに出力することができる。
なお、本発明の画像形成装置は、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置、または、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機のいずれにも適用することができる。