以下に添付図面を参照して、本発明にかかる画像形成装置、電源装置及び画像形成装置の制御方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。第1の実施の形態にかかる画像形成装置のエンジン電源部は、商用電源から出力された電圧または蓄電部から出力された電圧を定電圧化して負荷に供給するものである。また、商用電源から出力された電圧を昇圧し、蓄電部を充電するものである。
まず、本発明が適用される画像形成装置の一例としてのプリンタのエンジン電源部の構成例について、図1、図2を用いて説明する。本実施の形態では、画像形成装置としてプリンタを例にとって説明する。なお、プリンタ以外の複写機、ファクシミリ装置、及び複写機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能を組み合わせた複合機(MFP:Multi Function Peripherals)などの画像形成装置に本発明を適用することができる。また、何らかの負荷部に電力を供給する電源装置に本発明を適用することができる。
図1は、第1の実施の形態にかかるプリンタのエンジン電源部の回路構成を示す回路図である。図2は、第1の実施の形態にかかるプリンタのエンジン電源部の詳細な回路構成を示す詳細回路図である。
本実施の形態にかかるプリンタのエンジン電源部100は、フィルタ1と、全波整流回路2と、定電圧生成回路(DC/DCコンバータ)13と、昇圧回路91と、昇圧充電制御回路95と、蓄電部9(以下、キャパシタバンク9という)と、充電電圧検出回路16と、充電電流検出回路12と、画像形成装置制御回路10(以下、エンジン制御部10)と、負荷20と、AC定着ヒータ29、30と、加熱部温度検出回路33、34と、AC定着ヒータ制御回路39と、第1開閉回路92と、第2開閉回路93と、第3開閉回路94と、を備えている。
本実施の形態にかかるエンジン電源部100の動作について説明する、商用電源は、主電源スイッチ3を介してフィルタ1に入力される。フィルタ1の出力は、全波整流回路2に接続され、全波整流される。全波整流回路2によって全波整流された出力は、平滑コンデンサC2に接続され、平滑コンデンサC2によってリップル成分等は除去される。
平滑コンデンサC2によってリップル成分等が除去された全波整流回路2の直流出力は、第1開閉回路92のFET(Field Effect Transistor)92aのソース側に接続される。第1開閉回路92の出力側、すなわちFET92aのドレイン側は、定電圧生成回路13の入力に接続される。定電圧生成回路13の出力は、搬送モータ等のパワー系の負荷20及び後処理装置22に接続されている。また、定電圧生成回路13の出力は、第3開閉回路94を介して昇圧回路91に供給される。昇圧回路91に供給(入力)された電圧は、昇圧充電制御回路95によって昇圧するよう制御され、キャパシタバンク9を充電する。キャパシタバンク9に蓄電された電力は、第2開閉回路93のFET93aのソース側に接続される。第2開閉回路93の出力側、すなわちFET93aのドレイン側は、定電圧生成回路13の入力に接続される。
定電圧生成回路13は、DC化された商用電源を負荷に供給する定格電圧(例えば、24V)まで降圧するトランスを有している。定電圧生成回路13は、一般的なDC/DCコンバータであるが、トランスの入力電圧制御範囲を一般的なDC/DCコンバータより広くしている。
昇圧回路91は、昇圧チョッパ回路91を使用している。なお、高周波トランスの一次側をスイッチングし、2次側に誘起する電圧を整流してDC化する回路を使用してもよい。昇圧チョッパ回路91は、第3開閉回路94の出力が供給されている(FET94のドレイン側に接続されている)。昇圧チョッパ回路91は、入力側に設けた昇圧チョークコイル71、FET72aを設けたスイチング回路72、整流ダイオード73、および出力側に設けた平滑コンデンサ74で構成され、昇圧された出力はキャパシタバンク9に供給される。
昇圧回路91は、昇圧充電制御回路95から出力されるPWM信号(パルス幅変調信号)によってFET72aがONにされると、昇圧チョークコイル71に電流が流れ、エネルギが蓄積される。続いてFET72aがOFFにされると、ON期間に昇圧チョークコイル71に蓄積したエネルギを入力電圧に重畳して出力する。この電流が、整流ダイオード73を通して、平滑用コンデンサ74に貯えられる。この動作が繰り返すことによって、昇圧が行われる。昇圧平滑された電圧が、キャパシタバンク9に供給される。
充電電圧検出回路16は、キャパシタバンク9に充電された電圧を検出する。充電電圧検出回路16は、抵抗R2と抵抗R3によって分圧回路を構成している。充電電圧検出回路16は、キャパシタバンク9の端子間電圧を検出し、その出力は昇圧充電制御回路95のA/Dコンバータ7c及びエンジン制御部10のA/Dコンバータ10bに入力される。
次に、キャパシタバンク9の充電電流検出方法について説明する。キャパシタバンク9の充電電流は、キャパシタバンク9と直列に接続された抵抗R1を流れる電流を端子間電圧として検出し、検出された充電電流は、昇圧充電制御回路95の充電電流検出回路7dに入力される。
次に、均等化回路17の動作説明を行う。均等化回路17は、キャパシタセル個々の満充電を検出し、バイパス回路17aを動作させ、各キャパシタセルの充電電圧を均等化するものである。キャパシタセル9aは、昇圧充電制御回路95によって充電される。均等化回路17aは、キャパシタセル9aが満充電の2.5Vに充電されると、充電電流をバイパスする。他のキャパシタセル9aに並列に接続されたバイパス回路も同様な動作を行ない、各キャパシタセル9aの充電電圧は2.5Vに均等化される。
均等化回路17は、何れかのキャパシタセル9aの満充電を検知し、バイパス回路を動作させると、昇圧充電制御回路95に単セル満充電信号5を出力する。また、均等化回路17は、全てのキャパシタセル9aの満充電を検知し、全てのバイパス回路を動作させると、昇圧充電制御回路95に全てのキャパシタセル9aの満充電信号6を出力する。
次に、昇圧充電制御回路95の動作説明を行う。昇圧充電制御回路95は、キャパシタバンク9の充電電圧検出、充電電流の検出およびバイパス回路の動作を検出し、キャパシタバンク9に定電流充電または定電力充電を行う。昇圧充電制御回路95は、CPU7a、シリアルコントローラ(SIC)7b、A/Dコンバータ7c、充電電流検出回路7d、PWM信号発生回路7e、ROM、RAM、タイマ、割り込み制御回路及び入出力ポートを備えている。
昇圧充電制御回路95は、キャパシタバンク9に定電流充電または定電力充電を行うためのPWM信号を発生させる機能を有している。昇圧充電制御回路95は、キャパシタバンク9の端子間電圧を充電電圧検出回路16の出力によって検出する。キャパシタバンク9の端子間電圧が予め設定された値より低い場合には、キャパシタバンク9と直列に接続された抵抗R1の端子間電圧を逐次検出し、この端子間電圧に対応した予め設定された定電流充電にするためのPWM信号を、FET72aのゲートに出力する。
なお、予め設定された定電流充電にするためのPWM信号は、抵抗R1の端子間電圧とPWM信号のONデューティとを関係付けて予め作成したテーブルを使用して決定してもよい。また、演算によって算出してもよい。また、充電電流のみを参照し、予め設定された充電電流になるようにPWM信号を制御してもよい。また、キャパシタバンク9が充電されてない場合は、大きな突入電流がキャパシタバンク9に流れることを防止しするために、充電電圧を低くし、徐々に充電電圧を高くするようにPWM信号を出力してもよい。
昇圧充電制御回路95は、キャパシタバンク9の端子間電圧が予め設定された値以上になると、定電力充電を行うためにキャパシタバンク9の充電電流と、キャパシタバンク9の端子間電圧の検出を逐次行なう。検出した充電電流と充電電圧から、予め設定された定電力充電を行うためのPWM信号をFET72aのゲートに出力する。なお、このPWM信号は、キャパシタバンク9の充電電流と、キャパシタバンク9の端子間電圧の検出を行い、検出した充電電流と充電電圧から予め設定された定電力充電を行うためのPWM信号を演算して決定する。
次に、昇圧充電制御回路95は、何れかの単セル満充電信号5を検出すると、再び予め設定された定電流充電にするPWM信号をFET72aのゲートに出力する。昇圧充電制御回路95は、全てのキャパシタセルの満充電信号6を検出すると、充電動作を停止する信号をFET72aのゲートに出力する。
次に、エンジン制御部10の説明を行う。エンジン制御部10は、CPU10aに接続されたシリアルコントローラ(SCI)10d、入出力ポート10c、A/Dコンバータ10b及びROM、RAM、タイマ、割り込み制御回路(INT)等で構成されている。CPU10aのA/Dポート10bには、定着装置8の定着ローラの表面温度(定着温度)を検出する温度検出回路33、34が接続されている。
温度検出回路33は、ACヒータ用サーミスタ33aと直列に接続された抵抗R11とで構成され、AC定着ヒータ29に対応する測定領域の温度を検出する回路である。また、温度検出回路34は、ACヒータ用サーミスタ34aと直列に接続された抵抗R12とで構成され、AC定着ヒータ30に対応する測定領域の温度を検出する回路である。
入出力ポート10cは、開閉回路の開閉動作を行うバッファ回路、温度検出回路33、温度検出回路34の温度検出結果によってAC定着ヒータ29、30に電力を供給するACヒータ制御回路39、画像形成動作を行うために必要なモータ、ソレノイド、クラッチ等の負荷20、21、画像形成動作を行うために必要なセンサ、スイッチ回路15等が接続されている。なお、負荷20は、搬送モータ、現像モータ等の大きな電力を必要とするパワー系の負荷である。負荷21は、別電源から供給される負荷で、常時電源供給が必要な表示用LED、パルスモータの回転を保持する必要がある負荷である。勿論、充電時も負荷に電力を供給することが可能な回路構成の場合は、別電源から供給する必要はない。
また、CPU10aは、昇圧充電制御回路95とシリアルコントローラ(SCI)10dを介して信号の送受信を行ない、CPU10aは放電中ではない時、待機時、または省エネモード時等に、昇圧充電制御回路95に充電許可信号を送信する。CPU10aは、キャパシタバンク9の端子間電圧を充電電圧検出回路16によって検出し、キャパシタバンク9の電力使用が可能か否かを判断する。
次に、ACヒータ制御回路43の説明を行う。CPU10aは、温度検出回路33、温度検出回路34が予め設定された温度以下の温度を検出すると、フォトトライアックドライブ回路35、36にフォトトライアック35a、36aをONにする信号をポート1及びポート3より出力する。これにより、定着ヒータ29、30に電力が供給される。温度検出回路33、温度検出回路34が予め設定された温度以上の温度を検出すると、フォトトライアックドライブ回路35、36にフォトトライアック35、36をOFFにする信号をポート1及びポート3より出力する。これにより、定着ヒータ29、30への電力供給は停止される。
次に、CPU10aによる第1開閉回路92、第2開閉回路93、第3開閉回路94の動作説明を行う。第1開閉回路〜第3開閉回路はFETで構成される。勿論、リレー、IGBT等を使用した開閉回路にしてもよい。
CPU10aは、ポート10cからの信号によってFETのON/OFF制御を行う。FETをONにすると、開閉回路は閉じられ、FETをOFFにすると開閉回路は開放される。
CPU10aは、待機時または省エネモード時等の電力を必要としない時に、キャパシタバンク9に充電するために第3開閉回路94のFET94aをONにする信号をポート6から出力する。また、ポート5から第1開閉回路92のFET92aをONにする信号を出力し、ポート4から第2開閉回路93のFET93aをOFFにする信号を出力する。
CPU10aは、商用電源のAC電力定格を超えるような場合、画像形成装置のDC電力が不足する場合、または画像形成装置側の急激な負荷変動によってフリッカーが発生するような場合は、キャパシタバンク9の蓄電力を使用するために信号を出力する。具体的には、CPU10aは、ポート4からFET93aをONにする信号を出力し、ポート5からFET92aをOFFにする信号を出力し、ポート6からFET94aをOFFにする信号を出力する。この動作によって、DC負荷への電力供給を増加させることができる。
また、CPU10aは、充電または放電以外の通常時は、放電を停止するためにポート4からFET93aをOFFにする信号を出力し、DC化した商用電源を昇圧充電制御回路95に供給するためにポート5からFET92aをONにする信号を出力し、ポート6からFET84aをOFFにする信号を出力する。これにより、昇圧回路91への電源供給は遮断され、商用電源が昇圧充電制御回路95に接続され、その出力が負荷に供給される。
CPU10aは、画像形成動作が終了後、一定時間が経過すると省エネモードに入るため、DC/DCコンバータ14に一部の電源出力停止信号をポート2から出力する。省エネモード解除は、省エネ解除SW24(圧版開放SW,ADFの原稿検知SW等)がONとなることによってDC/DCコンバータ14が通常の動作に復帰する。
次に、エンジン制御部10のROMに格納されている電力使用テーブル1および電力使用テーブルについて説明する。電力使用テーブル1は、商用電源からの供給電力では賄えない画像形成動作と、その処理を行うために必要な蓄電力使用時間を規定する。図3は、電力使用テーブル1のデータ構成の一例を示す説明図である。電力使用テーブル1は、通常の供給電力以上の電力を必要とする画像形成動作と、蓄電力使用時間とを対応付けて記憶している。通常の供給電力以上の電力を必要とする画像形成動作とは、例えば商用電源から通常の電力が供給され、複数枚の画像形成動作を行った場合に、定着装置の温度が低下するために連続して画像形成動作を行うことができなくなる用紙のサイズと枚数の組合せなどである。蓄電力使用時間とは、通常の供給電力を超える条件の画像形成処理を行うためにキャパシタバンク9から電力を供給する時間である。電力使用テーブル1を参照することによって、通常の電力で賄いきれない画像形成動作を行う前に、必要な電力をキャパシタバンク9から供給することができ、待ち時間の少ない画像形成動作を実施できる。また、定着温度の低下を防止することができるため、画像形成の品質が向上でき、フリッカーを防止することができる。
電力使用テーブル2は、電力供給が必要な後処理を規定する。図4は、電力使用テーブル2のデータ構成の一例を示す説明図である。電力使用テーブル2は、電力供給が必要な後処理種別を記憶している。電力使用テーブル2を参照することによって、これから実行する後処理に電力供給が必要であるか否かを判断することができ、後処理を行う際に電力を供給することができる。
次に、画像形成装置の全体を制御するコントロール回路8について説明する。コントロール回路8は、画像形成装置の全体を制御するCPU8aとCPU8aに接続されたシリアルコントローラ(SCI)8d、ROM、RAM、プリンタで使用する画像展開用のワークメモリ、書き込み画像のイメージデータを一時蓄えるフレームメモリ、CPU周辺を制御する機能を搭載したASIC及びそのインタフェース回路等で構成される。
CPU8aには、パネルを操作して使用者がシステム設定の入力を行う入力部と、使用者にシステムの設定内容状態を表示する表示部および入力部の制御を行う操作部制御回路25、エンジン制御部10が、シリアルコントローラ(SCI)を介して接続されている。
次に、上述したように構成されている画像形成装置による動作モード制御処理、充電制御処理について説明する。図5−1〜図5−4は、画像形成装置のエンジン制御部が行う動作モード制御処理手順を示すフローチャートである。
エンジン制御部10のCPU10aは、主電源ONまたは省エネモード解除によってDC電源が供給されると、エンジン制御部10のCPU10a、その周辺回路及びメモリ関連の初期設定を行う(ステップS501)。CPU10aは、充電電圧検出回路16の検出結果から充電電圧が満充電の状態か否かを判断する(ステップS502)。満充電であると判断した場合は(ステップS502:Yes)、開閉回路制御処理1を行う(ステップS503)。これにより、商用電源からの電力供給を停止し、キャパシタバンク9に蓄電された蓄電力を定電圧生成回路13に供給することができる。その結果、余った電力が定着装置の加熱部に供給される(ステップS504)。満充電でないと判断した場合は(ステップS502:No)、ステップS504に進む。
次に、CPU10aは、充電電圧検出回路16の検出結果から充電電圧が予め設定された電圧以上か否かを判断する(ステップS505)。予め設定された電圧以上であると判断した場合は(ステップS505:Yes)、蓄電力が使用できると判断し、加熱部温度が予め設定された温度以上(例として175℃)か否かを判断する(ステップS506)。予め設定された温度に達してないと判断した場合は(ステップS506:No)、ステップS504に戻り、引き続き定着ヒータ29、30にヒータ定格の最大電力を供給する。
次に、加熱部温度が予め設定された温度以上であると判断した場合は(ステップS506:Yes)、またはキャパシタバンク9の充電電圧が予め設定された電圧未満であると判断した場合は(ステップS505:No)、CPU10aは開閉回路制御処理2を行う(ステップS507)。これにより、商用電源から負荷に電力が供給される。
次に、CPU10aは定着装置の定着ヒータ29、30に予め設定された通常時の電力供給を行う(ステップS508)。CPU10aは、加熱部がリロード温度(例えば180℃)か否かを判断する(ステップS508)。リロード温度でないと判断した場合は(ステップS509:No)、ステップS508に戻り、定着ヒータ29、30に予め設定された通常時の電力供給が継続される。リロード温度であると判断した場合は(ステップS509:Yes)、待機状態となり、予め設定された通常時の電力が定着ヒータに供給され、通常の温度制御が実施される(ステップS510)。
CPU10aは、再度待機状態か否かを判断する(ステップS511)。待機状態であると判断した場合は(ステップS511:Yes)、CPU10aは充電電圧が設定電圧未満か否か、すなわち満充電の状態か否かを判断する(ステップS512)。設定電圧未満である、すなわち満充電の状態でないと判断した場合は(ステップS512:Yes)、CPU10aは開閉回路制御処理3を行い(ステップS513)、ステップS510に戻る。これにより、キャパシタバンク9が充電される。設定電圧未満でない、すなわち満充電の状態であると判断した場合は(ステップS512:No)、CPU10aは開閉回路制御処理2を行い(ステップS514)、ステップS510に戻る。これにより、商用電源から負荷に電力が供給される。
ステップS511において、待機状態でないと判断した場合は(ステップS511:No)、CPU10aは動作モード、画像形成動作過程毎に蓄電力を使用する電力使用テーブル1、2を参照し、蓄電力を使用する動作モードまたは動作条件を設定する(ステップS515)。例えば、連続コピー枚数により、加熱部の温度が低下するコピー枚数設定と、最大電力を定着ヒータに供給、すなわちキャパシタバンク9の蓄電力を使用する場合に加熱部の温度が回復する時間のタイマカウントと、電力供給が必要な後処理を電力使用テーブル1、2から取得し、設定する。
次に、CPU10aは、コピー動作中か否かを判断する(ステップS516)。コピー動作中であると判断した場合は(ステップS516:Yes)、CPU10aは電力使用テーブル1、2から取得したコピー枚数設定があるか否かを判断する(ステップS517)。コピー枚数設定があると判断した場合には(ステップS517:Yes)、商用電源から負荷に電力を供給するために、CPU10aは複数コピー処理を行う(ステップS518)。詳細は後述する。
次に、CPU10aは、開閉回路制御処理2を行う(ステップS519)。負荷は、継続して画像形成動作を行い、定着ヒータに通常の電力が供給される(ステップS520)。CPU10aは、1ジョブに対応する枚数の用紙を排出したか否かを判断する(ステップS521)。1ジョブに対応する枚数の用紙を排出していないと判断した場合には(ステップS521:No)、ステップS520に戻り、負荷は画像形成動作を継続する。1ジョブに対応する枚数の用紙を排出したと判断した場合には(ステップS521:Yes)、CPU10aは後処理に電力供給が必要か否かを判断する(ステップS522)。
後処理に電力供給が必要であると判断した場合には(ステップS522:Yes)。DC電源の出力増加をするため、CPU10aは開閉回路制御処理1を行う(ステップS523)。これにより、キャパシタバンク9に蓄電された蓄電力が定電圧生成回路13に供給される。電力が供給された後処理周辺機は、後処理動作を実施し(ステップS524)、ステップS510に戻る。後処理に電力供給が必要でないと判断した場合は(ステップS522:No)、コピー動作は終了したので、ステップS510に戻る。
ステップS516において、コピー動作中でないと判断した場合は(ステップS516:No)、CPU10aは省エネモード中か否かを判断する(ステップS525)。省エネモード中でないと判断した場合は(ステップS525:No)、ステップS510に戻る。省エネモード中であると判断した場合は(ステップS525:Yes)、CPU10aは充電電圧が設定電圧未満か否か、すなわち満充電状態か否かを判断する(ステップS526)。充電電圧が設定電圧未満である、すなわち満充電状態でないと判断した場合は(ステップS526:Yes)、キャパシタバンク9に充電するため、CPU10aは開閉回路制御処理3を行い(ステップS527)、ステップS525に戻る。なお、本フローチャートには示さないが、この充電動作が終了すると、画像形成装置制御部も省エネモードに移行する。充電電圧が設定電圧未満でない、すなわち満充電状態であると判断した場合は(ステップS526:No)、CPU10aは第1開閉回路に開放信号を出力し(ステップS529)、第2開閉回路に開放信号を出力する(ステップS530)。さらに、第3開閉回路に開放信号を出力し(ステップS531)、ステップS525に戻る。
プリンタのエンジン制御部10による複数コピー制御処理について説明する。図6は、プリンタのエンジン制御部が行う複数コピー制御処理手順を示すフローチャートである。
まず、エンジン制御部10のCPU10aは、開閉回路制御処理2を行う(ステップS601)。次に、負荷は画像形成動作を実施し、定着ヒータ29、30に通常の電力が供給される(ステップS602)。CPU10aは、電力使用テーブルから取得されたコピー枚数のコピーを実施したか否かを判断する(ステップS603)。コピー枚数Nのコピーを実施していないと判断した場合には(ステップS603:No)、ステップS602に戻り、負荷は画像形成動作を繰り返す。コピー枚数Nのコピーを実施したと判断した場合には(ステップS603:Yes)、CPU10aは開閉回路制御処理1を行う(ステップS604)。これにより、商用電源からの電力供給を停止し、キャパシタバンク9に蓄電された蓄電力が定電圧生成回路13に供給され、余った電力が定着装置の加熱部に供給される。その結果、定着ヒータ29、30にヒータ定格の最大電力の供給が可能となり、加熱部の温度が定着画像保証温度より低下するのを防止することができる。
CPU10aは、定着ヒータ29、30に最大電力を供給した状態を継続し、画像形成動作を継続する(ステップS605)。CPU10aは、タイマカウンタがMか否かを判断する(ステップS606)。タイマカウンタがMでないと判断した場合には(ステップS606:No)、ステップS606に戻る。タイマカウンタがMであると判断した場合には(ステップS606:Yes)、処理を抜ける。
なお、定着装置の加熱部の温度の低下は、通紙を開始することによって定着の加圧ロータの熱が用紙に移動するために生じるものである。従ってこの加圧ローラが暖まれば、温度低下は解消される。加圧ローラが暖まるまでの時間Mは、電力使用テーブル2から取得され、タイマカウントとして設定されているので、その時間Mになるまで、定着ヒータにヒータ定格の最大電力を供給することができる。
本実施の形態におけるエンジン制御部10による開閉回路制御処理1について説明する。図7は、画像形成装置のエンジン制御部が行う開閉回路制御処理1の手順を示すフローチャートである。この処理により、定電圧生成回路13はキャパシタバンク9の蓄電力を使用して定電圧を生成し、負荷へ電力を供給する。
CPU10aは、蓄電部の電力を使用する信号を昇圧充電制御回路95のCPU7aに送信する(ステップS701)。CPU10aは、ポート4から第2開閉回路に閉鎖信号を出力し(ステップS702)、ポート6から第3開閉回路に開放信号を出力する(ステップS703)。また、第2、第3開閉回路にリレーを使用した場合には、CPU10aはタイマカウンタで時間Nをカウントする(ステップS704)。次に、CPU10aは、ポート5から第1開閉回路に開放信号を出力する(ステップS705)。
このように、蓄電手段から電力を供給することができるため、商用電源から供給される電力の不足を補助することができる。
本実施の形態におけるエンジン制御部10による開閉回路制御処理2について説明する。図8は、画像形成装置のエンジン制御部が行う開閉回路制御処理2の手順を示すフローチャートである。この処理により、定電圧生成回路13は商用電源から出力された電圧を使用して定電圧を生成し、負荷へ電力を供給する。
CPU10aは、負荷電力供給信号を昇圧充電制御回路95のCPU7aに送信する(ステップS801)。CPU10aは、ポート5から第1開閉回路に閉鎖信号を出力し(ステップS802)、ポート6から第3開閉回路に開放信号を出力する(ステップS803)。また、第2、第3開閉回路にリレーを使用した場合には、CPU10aはタイマカウンタで時間Nをカウントする(ステップS804)。次に、CPU10aは、ポート4から第2開閉回路に開放信号を出力する(ステップS805)。
このように、商用電源から電力が供給される場合には蓄電手段からの電力供給を遮断することができるため、蓄電手段の蓄電力を有効に活用することができる。
本実施の形態におけるエンジン制御部10による開閉回路制御処理3について説明する。図9は、画像形成装置のエンジン制御部が行う開閉回路制御処理3の手順を示すフローチャートである。この処理により、商用電源から出力された電圧を降下し、降圧電圧によって蓄電部を充電する。
CPU10aは、ポート5から第1開閉回路に閉鎖信号を出力し(ステップS901)、ポート4から第2開閉回路に開放信号を出力する(ステップS902)。次に、CPU10aは、ポート6から第3開閉回路に閉鎖信号を出力する(ステップS903)。CPU10aは、充電許可信号を昇圧充電制御回路95のCPU7aに送信する(ステップS904)。
このように、負荷に電力が必要でないときに蓄電手段に充電することができるため、電力使用の平準化を行うことができる。
次に、昇圧充電制御回路95による充電処理について説明する。図10−1、図10−2は、画像形成装置の昇圧充電制御回路が行う充電処理手順を示すフローチャートである。この処理によってキャパシタバンク9が充電される。
昇圧充電制御回路95のCPU7aは、エンジン制御部10のCPU10aから充電許可信号が送信されているか否かを判断する(ステップS1001)。充電許可信号が送信されていないと判断した場合は(ステップS1001:No)、処理は終了する。充電許可信号が送信されていると判断した場合は(ステップS1001:Yes)、CPU7aは満時充電に達しているか否かを判断する(ステップS1002)。具体的には、充電電圧検出回路16の検出結果から充電電圧を確認し、満充電状態か否かを判断する。充電電圧が満充電に達していると判断した場合は(ステップS1002:Yes)、充電する必要はないので、CPU7aは満充電電圧信号をエンジン制御部10のCPU10aに送信し(ステップS1003)、処理は終了する。
充電電圧が満充電に達していないと判断した場合は(ステップS1002:No)、充電動作を行うために、CPU7aは充電動作中信号をエンジン制御部10のCPU10aに送信する(ステップS1004)。CPU7aは、充電電圧が予め設定された電圧以下か否かを判断する(ステップS1005)。充電電圧が予め設定された電圧以下であると判断した場合は(ステップS1005:Yes)、CPU7aは蓄電部、すなわちキャパシタバンク9の充電電流を検出する(ステップS1006)。CPU7aは、定電流充電するため検出した充電電流に対応したPWM信号を昇圧回路91のFET72aのゲートに出力する(ステップS1007)。ステップS1005に戻り、CPU7aは充電電圧が予め設定された電圧以下か否かを判断する。充電電圧が予め設定された電圧以下であると判断された場合は、上述した充電動作を繰り返す。
ステップS1005において、充電電圧が予め設定された電圧以下であると判断した場合、すなわち充電電圧が予め設定された電圧以下でなくなった場合は(ステップS1005:No)、CPU7aは蓄電部、すなわちキャパシタバンク9の充電電流と充電電圧の検出を行う(ステップS1008)。CPU7aは、定電力充電を行うため、検出した充電電流と充電電圧に対応したPWM信号を昇圧回路91のFET72aのゲートに出力する(ステップS1009)。次に、CPU7aは、何れかの単セル満充電信号があるか否かを判断する(ステップS1010)。何れも単セル満充電信号がないと判断した場合には(ステップS1010:No)、ステップS1008に戻る。
何れかの単セル満充電信号があると判断した場合には(ステップS1010:Yes)、CPU7aは定電流充電を実施する(ステップS1011)。CPU7aは、全セル満充電信号があるか否かを判断する(ステップS1012)。全セル満充電信号があると判断した場合は(ステップS1012:Yes)、CPU7aは充電動作を停止するためにPWM信号を昇圧回路91のFET72aのゲートに出力する(ステップS1013)。CPU7aは、全セル満充電信号をCPU10aに送信し(ステップS1014)、処理は終了する。全セル満充電信号がないと判断した場合は(ステップS1012:No)、ステップS1011に戻り、CPU7aは定電流充電を行う。
このように、商用電源で充電されたキャパシタバンク9の出力または商用電源の出力から定電圧生成回路13によって定電圧が生成され、生成された定電圧を負荷に供給する構成を採るとともに、定電圧生成回路13が従来複数の回路によって実現されていた複数の機能、すなわち蓄電部から出力される電圧から定電圧を生成する機能および商用電源から出力される電圧から定電圧を生成する機能を持ったことによって、プリンタのエンジン電源部の回路構成が簡易な構成とすることができた。これにより、日本国内の一般的なオフィスの商用電源を用い、電源関連の特別な工事を施すことなく、定着装置の立上り時間を短縮することができる。また、蓄電部を設けた電源装置の回路構成を簡略化されたため、画像形成装置の製造コストを低減することができる。また、電源装置の回路構成が複雑な構成を採らないため、装置の品質の向上やメンテナンスの容易性の向上を図ることができる。
また、定電圧生成回路(DC/DCコンバータ)13の出力を昇圧回路によって昇圧してキャパシタバンク9を充電し、充電された電圧を、ACの電力供給またはDC電力供給が不足時に定電圧生成回路13の入力に供給しているため、負荷には定格電圧が常時供給できる。また、第3開閉回路94を開放することにより、昇圧回路94への電源供給を遮断でき、無駄な充電動作を停止することができる。
図11は、キャパシタバンクを用いた場合の立上げ時及びコピー時の定着装置の温度特性を示す説明図である。本実施の形態は、上述したような構成を採ることにより、画像形成装置の起動時における定着装置が所定の温度に到達するまでの立上り時間は、キャパシタがない場合よりも短くなっている。また、画像形成処理を行うことによって温度の落ち込みが小さくなっている。このように、商用電源で充電するキャパシタバンクを用いた構成を採ることによって、日本国内の一般的なオフィスで使用されている商用電源を用いて、画像形成処理が不可能な時間を短縮することができる。
また、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではない。他の実施の形態として、第2の実施の形態を説明する。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。第2の実施の形態にかかる画像形成装置のエンジン電源部は、上述した第1の実施の形態と同様に、商用電源から出力された電圧または蓄電部から出力された電圧を定電圧化して負荷に供給するものである。また、商用電源から出力された電圧を昇圧し、蓄電部を充電するものである。第1の実施の形態とは、昇圧回路に高周波トランスを使用し、高周波トランスの一次側コイルをスイッチングして昇圧を行なってキャパシタバンクを充電する点、キャパシタバンクと商用電源との接続の切り替えにリレーを使用した点が異なる。
図12は、第2の実施の形態にかかるプリンタのエンジン電源部の回路構成を示す回路図である。図13は、第2の実施の形態にかかるプリンタのエンジン電源部の詳細な回路構成を示す詳細回路図である。
本実施の形態にかかるプリンタのエンジン電源部200は、フィルタ1と、全波整流回路2と、定電圧生成回路(DC/DCコンバータ)13と、昇圧回路97と、昇圧充電制御回路95と、キャパシタバンク9と、充電電圧検出回路16と、充電電流検出回路12と、エンジン制御部10と、負荷20と、AC定着ヒータ29、30と、加熱部温度検出回路33、34と、AC定着ヒータ制御回路39と、第1切替回路96と、を備えている。第1の実施の形態とは、第1開閉回路92と、第2開閉回路93と、第3開閉回路94に代えて、第1切替回路96を備える点が異なる。
ここで、フィルタ1と、全波整流回路2と、定電圧生成回路13と、昇圧充電制御回路95と、キャパシタバンク9と、充電電圧検出回路16と、充電電流検出回路12と、エンジン制御部10と、負荷20と、AC定着ヒータ29、30と、加熱部温度検出回路33、34と、AC定着ヒータ制御回路39の構成、機能は、第1の実施の形態と同様であるので、第1の実施の形態の説明を参照し、異なる点のみを説明する。
本実施の形態にかかる昇圧回路97は、高周波トランスを使用している。定電圧生成回路13の出力は、高周波トランス61の一次コイル61aに接続される。一次コイル61aには、直列にスイッチング手段としてFET64が接続されている。FET64で構成されるスイッチング回路は、上述した昇圧充電制御回路95から出力されるPWM信号により、スイッチング動作を行う。FET64がスイッチング(ON,OFF動作)すると、一次コイル61aにはスイッチング電流が流れ、一次側のスイッチング電流によって高周波トランス61の二次コイル61bにスイッチング電圧が誘起する。このスイッチング周波数の導通期間を変えれば、出力電圧の制御を行うことができる。
トランス61の二次コイル61bには、整流回路97としてダイオード62、65が接続され、スイッチング電圧はこの整流回路97で整流される。整流された電圧は、チュークコイル63及びコンデンサC1により平滑され、直流出力に変換される。この直流出力は、キャパシタバンク9に供給され、キャパシタバンク9の個々のキャパシタセルは充電される。商用電源とキャパシタバンク9との切り替えを行う第1切替回路96は、リレーを使用しており、ポート4の信号によって切り替えられる。
次に、CPU10aによる充電動作及びキャパシタバンク9の放電、負荷に電源を供給する動作説明を行う。CPU10aは、待機時または省エネモード時等の電力を必要としない時に、キャパシタバンク9に充電するために、第1切替回路96を商用電源側に切替える信号をポート4から出力し、昇圧充電制御回路95に充電許可信号を送信する。
また、CPU10aは、商用電源のAC電力定格を超えるような場合、画像形成装置のDC電力が不足する場合、または画像形成装置側の急激な負荷変動によってフリッカーが発生するような場合は、キャパシタバンク9の蓄電力を使用するために、第1切替回路96をキャパシタバンク側に切替える信号をポート4から出力し、昇圧充電制御回路95に充電停止信号を出力する。この動作によって、AC電力の使用量を増やし、DC負荷への電力供給を増加させることができる。
また、CPU10aは、充電または放電以外の通常時はDC化した商用電源を定電圧生成回路13に供給し、その出力を負荷に供給するために第1切替回路96を商用電源側に切替える信号をポート4から出力し、昇圧充電制御回路95に充電停止信号を出力する。
上述したように構成されているプリンタによる動作モード制御処理について説明する。図14−1〜図14−3は、画像形成装置のエンジン制御部が行う動作モード制御処理手順を示すフローチャートである。
本実施の形態にかかる動作モード制御処理の手順は、図5−1〜図5−4に示すフローチャートの一部と同様であるので、異なる部分のみ説明する。ステップS1401以前の処理は、図5−1のステップS501〜ステップS509と同様であるので図5−1での説明を参照し、ここでの説明を省略する。
図5−1のステップS509において、リロード温度であると判断した場合は(ステップS509:Yes)、待機状態となり、予め設定された通常時の電力供給が継続される(ステップS1401)。次に、CPU10aは再度待機状態か否かを判断する(ステップS1402)。待機状態であると判断した場合は(ステップS1402:Yes)、CPU10aは充電電圧が設定電圧未満か否か、すなわち満充電の状態か否かを判断する(ステップS1403)。設定電圧未満である、すなわち満充電の状態でないと判断した場合は(ステップS1403:Yes)、CPU10aは開閉回路制御処理3を行う(ステップS1404)。これにより、キャパシタバンク9が充電される。その後ステップS1401に戻る。設定電圧未満でない、すなわち充電電圧が満充電であると判断した場合は(ステップS1403:No)、CPU10aは開閉回路制御処理2を行う(ステップS1405)。これにより、商用電源から入力された電力が定電圧生成回路13を介して負荷に供給される。ステップS1401に戻る。
ステップS1402において、待機状態でないと判断した場合は(ステップS1402:No)、CPU10aはコピー動作中か否かを判断する(ステップS1406)。コピー動作中であると判断した場合は(ステップS1406:Yes)、CPU10aは開閉回路制御処理2を行う(ステップS1407)。これにより、商用電源から入力された電力が定電圧生成回路13を介して負荷に供給される。負荷は、画像形成動作を行い、定着ヒータ29、30に通常の電力が供給される(ステップS1408)。
次に、CPU10aはジョブが終了しているか否かを判断する(ステップS1409)。ジョブが終了していると判断した場合は(ステップS1409:Yes)、後述する省エネモードの処理を実施する。ジョブが終了していないと判断した場合は(ステップS1409:No)、CPU10aは電力使用テーブル1から使用電力が通常の電力以上となる現在の用紙サイズに対応するコピー枚数N及び蓄電力使用時間Mを取得する(ステップS1410)。
次に、CPU10aは現在のコピー枚数がNか否かを判断する(ステップS1411)。コピー枚数Nでないと判断した場合は(ステップS1411:No)、ステップS1408に戻り、画像形成動作が継続される。現在のコピー枚数がNであると判断した場合は(ステップS1411:Yes)、加熱部の温度が定着画像保証温度よって低下するのを防止するため、CPU10aは開閉回路制御処理1を行う(ステップS1412)。これにより、商用電源からの電力供給が停止される。さらに、キャパシタバンク9に蓄電された蓄電力が定電圧生成回路13に供給され、余った電力を定着装置の加熱部に供給することができる。その結果、定着ヒータ29、30にヒータ定格の最大電力の供給が可能となる。
CPU10aは、定着ヒータ29、30に最大電力を供給した状態を継続し、コピー動作を継続する(ステップS1413)。なお、定着装置の加熱部の温度の低下は、通紙を開始することによって定着の加圧ローラの熱が用紙に移動したために生じるものである。従って、加圧ローラが暖まれば温度低下は解消される。CPU10aは、加圧ローラが暖まるまでの時間である蓄電力使用時間Mをタイマでカウントとする(ステップS1414)。タイマカウントがMでないと判断した場合は(ステップS1414:No)、ステップS1413に戻り、蓄電力使用時間Mが経過するまで、定着ヒータにヒータ定格の最大電力が供給される。
タイマカウントがMであると判断した場合は(ステップS1414:Yes)、CPU10aは開閉回路制御処理2を行う(ステップS1415)。これにより、商用電源から入力された電力が負荷に供給される。負荷は、継続して画像形成動作を行い、CPU10aは定着ヒータに通常の電力を供給する(ステップS1416)。CPU10aは、1ジョブで排出すべき枚数の用紙を排出したか否かを判断する(ステップS1417)。1ジョブで排出すべき枚数の用紙を排出しないと判断した場合は(ステップS1417:No)、ステップS1416に戻り、画像形成動作を継続する。1ジョブで排出すべき枚数の用紙を排出したと判断した場合は(ステップS1417:Yes)、CPU10aは電力使用テーブル2から電力供給が必要な後処理を取得する(ステップS1418)。
次に、CPU10aは、これから実施する後処理に電力供給が必要であるか否かを判断する(ステップS1419)。後処理に電力供給が必要であると判断した場合は(ステップS1419:Yes)、CPU10aは開閉回路制御処理1を行う(ステップS1420)。これにより、キャパシタバンク9に蓄電された蓄電力が定電圧生成回路13に供給され、DC電源の出力を増加することができる。例えば、後処理としてステープル処理の綴じ動作を行う場合などに電力供給を行う。電力を供給された後処理周辺機は、後処理動作を実施する(ステップS1421)。その後、ステップ1401に戻る。後処理に電力供給必要が必要でないと判断した場合は(ステップS1419:No)、コピー動作は終了しているので、ステップS1401に戻る。
ステップS1406において、コピー動作中でないと判断した場合は(ステップS1406:No)、またはステップS1409においてジョブが終了したと判断した場合は(ステップS1409:Yes)、CPU10aは省エネモード中か否かを判断する(ステップS1422)。省エネモード中でないと判断した場合は(ステップS1422:No)、ステップS1401に戻る。省エネモード中であると判断した場合は(ステップS1422:Yes)、CPU10aは充電電圧が設定電圧未満か否か、すなわち満充電状態か否かを判断する(ステップS1423)。充電電圧が設定電圧未満である、すなわち満充電状態でないと判断した場合は(ステップS1423:Yes)、キャパシタバンク9に充電するため、CPU10aは開閉回路制御処理3を行い(ステップS1424)、ステップS1422に戻る。なお、本フローチャートには示さないが、この充電動作が終了すると、画像形成装置制御部も省エネモードに移行する。充電電圧が設定電圧未満でない、すなわち満充電状態であると判断した場合は(ステップS1423:No)、CPU10aは電圧出力停止信号を出力し(ステップS1425)、ステップS1422に戻る。
次に、エンジン制御部10による開閉回路制御処理1について説明する。図15は、画像形成装置のエンジン制御部が行う開閉回路制御処理1の手順を示すフローチャートである。この処理により、キャパシタバンク9から電力が供給され、定電圧生成回路13は定電圧を出力し、負荷に電力を供給する。
CPU10aは、充電停止信号を昇圧充電制御回路95のCPU7aに送信する(ステップS1501)。CPU10aは、第1切替回路を蓄電部側に切替える(ステップS1502)。
次に、エンジン制御部10による開閉回路制御処理2について説明する。図16は、画像形成装置のエンジン制御部が行う開閉回路制御処理2の手順を示すフローチャートである。この処理により、商用電源から負荷に電力が供給される。
CPU10aは、充電停止信号を昇圧充電制御回路95のCPU7aに送信する(ステップS1601)。CPU10aは、第1切替回路を商用電源側に切替える(ステップS1602)。
次に、エンジン制御部10による開閉回路制御処理3について説明する。図17は、画像形成装置のエンジン制御部が行う開閉回路制御処理3の手順を示すフローチャートである。この処理により、キャパシタバンク9に充電する。
CPU10aは、第1切替回路を商用電源側に切替え(ステップS1701)、充電許可信号を送信する(ステップS1702)。
このように、本実施の形態にかかる画像形成装置のエンジン部は、第1の実施の形態で記載した効果に加え、昇圧回路に高周波トランスを用いているため、高周波トランスによって2次側とは絶縁され、一次側コイルのスイッチングを停止することによって定電圧生成回路(DC/DCコンバータ)からの電源供給が遮断可能となるため、第1の実施の形態で備えていた第3開閉回路94(定電圧生成回路と昇圧回路とを接続する開閉回路)が不要になる。
また、リレーのコイルに通電されない状態(ノーマルクローズ)の場合は、商用電源側に接続されるリレーを使用すれば、電源OFF時にキャパシタバンクの蓄電が放電されることはない。また、リレーを使用することにより、第1の実施の形態で備えているダイオードD2が不要になる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。第3の実施の形態にかかる画像形成装置のエンジン電源部は、商用電源から出力された電圧を降圧した降圧電圧、または蓄電部から出力された電圧を定電圧化して負荷に供給するものである。また、商用電源から出力された電圧を昇圧し、蓄電部を充電するものである。
図18は、第3の実施の形態にかかるプリンタのエンジン電源部の回路構成を示す回路図である。図19は、第3の実施の形態にかかるプリンタのエンジン電源部の詳細な回路構成を示す詳細回路図である。図20は、チョッパ回路の詳細な回路構成を示す詳細回路図である。
本実施の形態にかかるプリンタのエンジン電源部300は、フィルタ1と、全波整流回路2と、降圧回路98と、降圧電圧検出回路105と、定電圧生成回路(DC/DCコンバータ)13と、昇圧回路99と、昇圧充電制御及び降圧制御回路104と、キャパシタバンク9と、充電電圧検出回路16と、充電電流検出回路12と、エンジン制御部10と、負荷20と、AC定着ヒータ29、30と、加熱部温度検出回路33、34と、AC定着ヒータ制御回路39と、第1開閉回路101と、第2開閉回路102と、第3開閉回路103と、を備えている。第1の実施の形態とは、さらに降圧回路98と、降圧電圧検出回路105とを備え、昇圧充電制御回路95に代えて昇圧充電制御及び降圧制御回路104を備えている点が異なる。
ここで、フィルタ1と、全波整流回路2と、定電圧生成回路13と、キャパシタバンク9と、充電電圧検出回路16と、充電電流検出回路12と、エンジン制御部10と、負荷20と、AC定着ヒータ29、30と、加熱部温度検出回路33、34と、AC定着ヒータ制御回路39は、第1の実施の形態と同様であるので、異なる点のみ説明する。
降圧回路(降圧チョッパ回路)98は、全波整流回路2の直流出力を降圧するものである。平滑コンデンサC2によってリップル成分等が除去された全波整流回路2の直流出力は、降圧チョッパ回路98のFET98aのドレイン側に接続される。降圧チョッパ回路98は、入力側に設けたFET98aと、FET98aの出力側(ソース側)に接続されたチョークコイル98cと、FET98aの出力とチョークココイル98cとの間に設けた電流帰還用ダイオード98bと、チョークコイル98cの出力側に設けた平滑コンデンサ98dとで構成され、第1開閉回路101を介して定電圧生成回路13に接続されている。
降圧チョッパ回路98は、後述する昇圧充電制御及び降圧制御回路104のPWM発生回路7eから出力されるPWM信号によってFET98aがONにされると、チョークコイル98cに電流が流れる。降圧チョッパ回路98に入力された電力の一部が、チョークコイル98cに蓄えられる。続いてFET98aがOFFにされると、ON期間にチョークコイル98cに蓄積した電力が電流帰還用ダイオード98bを経由して放出される。この動作が繰り返されることによって降圧が行われる。降圧された電圧は、平滑用コンデンサ98dにより平滑され、第1開閉回路101を介して定電圧生成回路13の入力に接続される。
定電圧生成回路13の出力は、搬送モータ等のパワー系の負荷20及び後処理装置22に接続されている。また、定電圧生成回路13の出力は、第3開閉回路103を介して昇圧回路99に供給される。キャパシタバンク9は、昇圧回路99に供給(入力)され、昇圧充電制御及び降圧制御回路104によって昇圧するよう制御された電圧により、充電される。キャパシタバンク9に蓄電された電力は、第2開閉回路102(FET102)のソース側に接続され、第2開閉回路102の出力側は、定電圧生成回路13の入力に接続される。
また、降圧電圧は、抵抗R4と抵抗R5によって分圧された降圧電圧検出回路19により検出され、昇圧充電制御及び降圧制御回路104にフィードバックされる。降圧平滑された降圧電圧は、昇圧充電制御及び降圧制御回路104によって監視され、PWM信号のONデューティを変えることによって制御される。
定電圧生成回路13は、DC化された商用電源を負荷に供給する定格電圧(例として24V)まで降圧するトランスを有した一般的なDC/DCコンバータである。
昇圧回路99は、定電圧生成回路13から出力された電圧を昇圧するものである。本実施の形態における昇圧回路99は、昇圧チョッパ回路99を使用したが、高周波トランスの一次側をスイッチングし、2次側に誘起する電圧を整流してDC化する回路を使用してもよい。昇圧チョッパ回路99は、第3開閉回路103から出力された電圧が供給されている。昇圧チョッパ回路99は、入力側に設けた昇圧チョークコイル71、FET72aを設けたスイチング回路72、整流ダイオード73、および出力側に設けた平滑コンデンサ74で構成され、昇圧された出力はキャパシタバンク9に供給される。
昇圧回路99は、昇圧充電制御及び降圧制御回路104から出力されるPWM信号によってFET72aがONにされると、昇圧チョークコイル71に電流が流れ、エネルギが蓄積される。続いてFET72aがOFFにされると、ON期間に昇圧チョークコイル71に蓄積したエネルギを入力電圧に重畳して出力する。この電流が、整流ダイオード73を通して平滑用コンデンサ74に貯えられる。この動作が繰り返されることによって昇圧が行われる。この昇圧平滑された電圧が、キャパシタバンク9に供給される。
充電電圧検出回路16は、キャパシタバンク9に充電された充電電圧を検出する。キャパシタバンク9の端子間電圧は、抵抗R2と抵抗R3とで分圧回路を構成した充電電圧検出回路16によって検出される。その出力は、昇圧充電制御及び降圧制御回路104のA/Dコンバータ7c及びエンジン制御部10のA/Dコンバータ10bに入力される。
次に、キャパシタバンク9の充電電流検出方法について説明する。キャパシタバンク9の充電電流の検出は、キャパシタバンク9と直列に接続された抵抗R1を流れる電流を端子間電圧として検出し、昇圧充電制御及び降圧制御回路104の充電電流検出回路7dに入力される。
均等化回路17は、キャパシタセル個々の満充電を検出し、バイパス回路17aを動作させ、各キャパシタセルの充電電圧を均等化するものである。キャパシタセル9aが昇圧充電制御及び降圧制御回路104によって充電され、満充電の2.5Vに充電されると、均等化回路17aは、充電電流をバイパスする。他のキャパシタセルに並列に接続されたバイパス回路も同様な動作を行ない、各キャパシタセルの充電電圧は2.5Vに均等化される。
均等化回路17は、何れかのキャパシタセルの満充電を検知し、バイパス回路を動作させると、昇圧充電制御及び降圧制御回路104に単セル満充電信号5を出力する。また、均等化回路17は、全てのキャパシタセルの満充電を検知し、全てのバイパス回路を動作させると、昇圧充電制御及び降圧制御回路104に全てのキャパシタセルの満充電信号6を出力する。
昇圧充電制御及び降圧制御回路104は、キャパシタバンク9の充電電圧検出、充電電流の検出およびバイパス回路の動作を検出し、キャパシタバンク9に定電流充電または定電力充電を行うものである。昇圧充電制御及び降圧制御回路104は、CPU7a、シリアルコントローラ(SIC)7b、A/Dコンバータ7c、充電電流検出回路7d、PWM信号発生回路7e、ROM、RAM、タイマ、割り込み制御回路及び入出力ポートを備えている。
昇圧充電制御及び降圧制御回路104は、キャパシタバンク9に定電流充電または定電力充電を行うためのPWM信号を発生させる機能と、エンジン制御部10のCPU10aから送信される負荷に電力を供給する信号によって降圧回路98が一定の電圧を生成するPWM信号を発生する機能を有している。
昇圧充電制御及び降圧制御回路104は、キャパシタバンク9の端子間電圧を充電電圧検出回路16の出力によって検出する。昇圧充電制御及び降圧制御回路104は、キャパシタバンク9の端子間電圧が、予め設定された値より低い場合には、キャパシタバンクと直列に接続された抵抗R1の端子間電圧を逐次検出し、検出された端子間電圧に対応した予め設定された定電流充電にするためのPWM信号をFET72aのゲートに出力する。なお、予め設定された定電流充電にするためのPWM信号は、抵抗R1の端子間電圧と、PWM信号のONデューティと関係付けて予め作成したテーブルを使用してもよい。また、演算によって算出してもよい。また、充電電流のみを参照し、予め設定された充電電流になるようPWM信号を制御してもよい。また、キャパシタバンク9が充電されてない場合は、大きな突入電流がキャパシタバンク9に流れることを防止しするために、充電電圧を低くし、徐々に充電電圧を高くするようにPWM信号を出力してもよい。
昇圧充電制御及び降圧制御回路104は、キャパシタバンク9の端子間電圧が予め設定された値以上になると、定電力充電を行うために、キャパシタバンク9の充電電流とキャパシタバンク9との端子間電圧の検出を逐次行ない、検出した充電電流と充電電圧から、予め設定された定電力充電を行うためのPWM信号をFET72aのゲートに出力する。
なお、このPWM信号は、キャパシタバンク9の充電電流と、キャパシタバンク9の端子間電圧の検出を行い、検出した充電電流と充電電圧から予め設定された定電力充電を行うためのPWM信号を演算して決定する。
次に、昇圧充電制御及び降圧制御回路104は、何れかの単セル満充電信号5を検出すると、再び予め設定された定電流充電にするPWM信号をFET72aのゲートに出力する。次に、昇圧充電制御及び降圧制御回路104は、全てのキャパシタセルの満充電信号6を検出すると、充電動作を停止する信号をFET72aのゲートに出力する。
本実施の形態にかかるCPU10aは、昇圧充電制御及び降圧制御回路104とシリアルコントローラ(SCI)10dを介して信号の送受信を行う。CPU10aは、放電中ではない時、待機時、または省エネモード時等に、昇圧充電制御及び降圧制御回路104に充電許可信号を送信する。また、ACの電力供給が不足する場合、またはDCの電力供給が不足する場合は、キャパシタバンク9の蓄電力を使用する信号を昇圧充電制御及び降圧制御回路104に送信する。また、負荷に商用電源から電圧を供給する時は、負荷に電力を供給する信号を送信する。また、CPU10aは、キャパシタバンク9の端子間電圧を充電電圧検出回路16によって検出し、キャパシタバンク9の電力使用が可能か否かを判断する。
次に、CPU10aによる第1開閉回路101、第2開閉回路102、第3開閉回路103の動作説明を行う。第1開閉回路〜第3開閉回路はFETで構成される。勿論、リレー、IGBT等を使用した、開閉回路にしてもよい。
CPU10aは、ポート10cから送信される信号によってFETのON/OFF制御を行う。FETがONにされると、開閉回路は閉じられ、FETがOFFにされると開閉回路は開放される。CPU10aは、待機時または省エネモード時等の電力を必要としない場合に、キャパシタバンク9に充電するためにポート6から第3開閉回路103(FET103)をONにする信号を出力し、ポート5から第1開閉回路101(FET101)をONにする信号を出力し、ポート4から第2開閉回路(FET102)をOFFにする信号を出力する。
CPU10aは、商用電源のAC電力定格を超えるような場合、画像形成装置のDC電力が不足する場合、または画像形成装置側の急激な負荷変動によってフリッカーが発生するような場合は、キャパシタバンク9の蓄電力を使用するために、ポート4からFET102をONにする信号を出力し、ポート5からFET101をOFFにする信号を出力し、ポート6からFET103をOFFにする信号を出力する。この動作により、AC電力の使用量を増加させ、DC負荷への電力供給を増加させることができる。
また、CPU10aは、充電または放電以外の通常時は、放電を停止するために、ポート4からFET102をOFFにする信号を出力する。CPU10aは、DC化した商用電源を昇圧充電制御及び降圧制御回路104に供給するために、ポート5からFET101をONにする信号を出力し、ポート6からFET103をOFFにする信号を出力する。これにより、昇圧回路98への電源供給は遮断され、商用電源が昇圧充電制御及び降圧制御回路104に接続され、その出力が負荷に供給される。
CPU10aは、画像形成動作が終了後、一定時間が経過すると省エネモードに入るため、DC/DCコンバータ14にポート2から一部の電源出力停止信号を出力する。省エネモード解除は、省エネ解除SW24(圧版開放SW,ADFの原稿検知SW等)がONにされることにより、DC/DCコンバータ14が通常の動作に復帰する。
上述したように構成されているプリンタによる動作モード制御処理、複数コピー制御処理、充電制御処理について説明する。動作モード制御処理、複数コピー制御処理、充電制御処理は、第1の実施の形態で説明した図5−1〜図5−4、図6、図10−1、図10−2に示すフローチャートとほぼ同様であるので、異なる部分のみ説明する。
本実施の形態におけるエンジン制御部10による開閉回路制御処理1について説明する。図21は、画像形成装置のエンジン制御部が行う開閉回路制御処理1の手順を示すフローチャートである。この処理により、定電圧生成回路13はキャパシタバンク9の蓄電力を使用して定電圧を生成し、負荷へ電力を供給する。
CPU10aは、蓄電部の電力を使用する信号を昇圧充電制御及び降圧制御回路104のCPU7aに送信する(ステップS2101)。CPU10aは、第3開閉回路に開放信号を出力し(ステップS2102)、第2開閉回路に閉鎖信号を出力する(ステップS2103)。また、第2、第3開閉回路にリレーを使用した場合には、CPU10aはタイマカウンタで時間Nをカウントする(ステップ2104)。次に、CPU10aは、第1開閉回路に開放信号を出力する(ステップS2105)。
本実施の形態におけるエンジン制御部10による開閉回路制御処理2について説明する。図22は、画像形成装置のエンジン制御部が行う開閉回路制御処理2の手順を示すフローチャートである。この処理により、定電圧生成回路13は商用電源から出力された電圧を使用して定電圧を生成し、負荷へ電力を供給する。
CPU10aは、負荷電力供給信号を昇圧充電制御及び降圧制御回路104のCPU7aに送信する(ステップS2201)。CPU10aは、第1開閉回路に閉鎖信号を出力し(ステップS2202)、第3開閉回路に開放信号を出力する(ステップS2203)。また、第2、第3開閉回路にリレーを使用した場合には、CPU10aはタイマカウンタで時間Nをカウントする(ステップS2204)。次に、CPU10aは、第2開閉回路に開放信号を出力する(ステップS2205)。
本実施の形態におけるエンジン制御部10による開閉回路制御処理3について説明する。図23は、画像形成装置のエンジン制御部が行う開閉回路制御処理3の手順を示すフローチャートである。この処理により、商用電源から出力された電圧を降下し、降圧電圧によって蓄電部を充電する。
CPU10aは、第1開閉回路に閉鎖信号を出力し(ステップS2301)、第2開閉回路に開放信号を出力する(ステップS2302)。次に、CPU10aは、第3開閉回路に閉鎖信号を出力する(ステップS2303)。CPU10aは、昇圧充電制御及び降圧制御回路104のCPU7aに送信する(ステップS2304)。
このように、本実施の形態にかかる画像形成装置のエンジン部は、第1の実施の形態で記載した効果に加え、商用電源を降圧回路により降圧し、降圧した出力を定電圧生成回路に供給しているので、キャパシタバンクの充電電圧を高くする必要はない。従って、キャパシタセルの使用個数を少なくできる。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。第4の実施の形態にかかる画像形成装置のエンジン電源部は、上述した第3の実施の形態と同様に、商用電源から出力された電圧を降圧した降圧電圧、または蓄電部から出力された電圧を定電圧化して負荷に供給するものである。また、商用電源から出力された電圧を昇圧し、蓄電部を充電するものである。第3の実施の形態とは、昇圧回路に高周波トランスを使用し、高周波トランスの一次側コイルをスイッチングして昇圧を行なってキャパシタバンクを充電する点、キャパシタバンクと定電圧回路との開閉回路および定電圧回路と昇圧回路との開閉回路がない点が異なる。
図24は、第4の実施の形態にかかるプリンタのエンジン電源部の回路構成を示す回路図である。図25は、第4の実施の形態にかかるプリンタのエンジン電源部の詳細な回路構成を示す詳細回路図である。
本実施の形態にかかるプリンタのエンジン電源部400は、フィルタ1と、全波整流回路2と、降圧回路98と、降圧電圧検出回路105と、定電圧生成回路(DC/DCコンバータ)13と、昇圧充電制御及び降圧制御回路104と、キャパシタバンク9と、充電電圧検出回路16と、充電電流検出回路12と、昇圧回路107と、エンジン制御部10と、負荷20と、AC定着ヒータ29、30と、加熱部温度検出回路33、34と、AC定着ヒータ制御回路39と、第1開閉回路106と、を備えている。第3の実施の形態とは、第1開閉回路101と、第2開閉回路102と、第3開閉回路103に代えて第1開閉回路106を備えている点が異なる。
ここで、フィルタ1と、全波整流回路2と、降圧回路98と、降圧電圧検出回路105と、定電圧生成回路13と、昇圧充電制御及び降圧制御回路104と、キャパシタバンク9と、充電電圧検出回路16と、充電電流検出回路12と、エンジン制御部10と、負荷20と、AC定着ヒータ29、30と、加熱部温度検出回路33、34と、AC定着ヒータ制御回路39は、第3の実施の形態と同様であるので、異なる点のみ説明する。
昇圧回路107は、高周波トランスを使用している。定電圧生成回路13の出力は、高周波トランス61の一次コイル61aに接続され、一次コイル61aには、直列にスイッチング手段としてFET64が接続されている。FET64で構成されるスイッチング回路は、昇圧充電制御及び降圧制御回路104から出力されるPWM信号によってスイッチング動作を行う。FET94がスイッチング(ON,OFF動作)すると、一次コイル61aにはスイッチング電流が流れ、一次側のスイッチ電流によって高周波トランス61の二次コイル61bにスイッチ電圧が誘起する。スイッチング周波数の導通期間を変えれば、出力電圧の制御を行うことができる。
トランス61の二次コイル61bには、整流回路97としてダイオード62、65が接続され、スイッチング電圧は、整流回路97で整流される。整流された電圧は、チョークコイル63及びコンデンサC1によって平滑され、直流出力に変換される。直流出力は、キャパシタバンク9に供給され、キャパシタバンク9の個々のキャパシタセルは充電される。定電圧生成回路13とキャパシタバンク9の接続は、第1開閉回路106(リレー106)を使用しており、ポート4の信号によって接続または開放される。
次に、CPU10aによる充電動作及びキャパシタバンク9の放電、負荷に電源を供給する動作説明を行う。CPU10aは、待機時または省エネモード時等のように電力を必要としない場合にはキャパシタバンク9に充電するために、リレー106をOFFにする信号をポート4から出力し、充電制御及び降圧制御回路104に充電許可信号を送信する。
また、CPU10aは、商用電源のAC電力定格を超えるような場合、画像形成装置のDC電力が不足する場合、または画像形成装置側の急激な負荷変動によってフリッカーが発生するような場合は、キャパシタバンク9の蓄電力を使用するために、リレー106をONにする信号をポート4から出力し、昇圧充電制御及び降圧制御回路104にキャパシタバンクの蓄電力を使用する信号を出力する。
昇圧充電制御及び降圧制御回路104は、CPU10aからキャパシタバンク9の蓄電力を使用する信号が出力されると、降圧回路98の出力電圧がキャパシタバンク9の充電電圧よりも低くなるようにしたPWM信号をFET98aのゲートに出力する。これにより、キャパシタバンク9から供給される電圧が高くなるため、キャパシタバンク9から出力される電圧が負荷に供給される。この動作により、AC電力の使用量を増加させたり、DC負荷への電力供給を増加させることができる。
また、CPU10aは、充電または放電以外の通常時は、降圧化した商用電源をDC/DCコンバータ13に供給し、その出力を負荷に供給するために、リレー106をOFFにする信号をポート4から出力し、昇圧充電制御及び降圧制御回路104に負荷に電力を供給する信号を出力する。
上述したように構成されているプリンタによる動作モード制御処理、複数コピー制御処理、充電制御処理について説明する。動作モード制御処理、複数コピー制御処理、充電制御処理は、第1、第2の実施の形態で説明した図5−1〜図5−4、図6、図10−1、図10−2、図14−1〜図14−3に示すフローチャートとほぼ同様であるので、異なる部分のみ説明する。
本実施の形態におけるエンジン制御部10による開閉回路制御処理1について説明する。図26は、画像形成装置のエンジン制御部が行う開閉回路制御処理1の手順を示すフローチャートである。この処理により、定電圧生成回路13はキャパシタバンク9の蓄電力を使用して定電圧を生成し、負荷へ電力を供給する。
CPU10aは、蓄電部の電力を使用する信号を昇圧充電制御及び降圧制御回路104のCPU7aに送信する(ステップS2601)。CPU10aは、第1開閉回路に閉鎖信号を出力する(ステップS2602)。
本実施の形態におけるエンジン制御部10による開閉回路制御処理2について説明する。図27は、画像形成装置のエンジン制御部が行う開閉回路制御処理2の手順を示すフローチャートである。この処理により、定電圧生成回路13は商用電源から出力された電圧を使用して定電圧を生成し、負荷へ電力を供給する。
CPU10aは、負荷電力供給信号を昇圧充電制御及び降圧制御回路104のCPU7aに送信する(ステップS2701)。CPU10aは、第1開閉回路に開放信号を出力する(ステップS2702)。
本実施の形態におけるエンジン制御部10による開閉回路制御処理3について説明する。図28は、画像形成装置のエンジン制御部が行う開閉回路制御処理3の手順を示すフローチャートである。この処理により、商用電源から出力された電圧を降下し、降圧電圧によって蓄電部を充電する。
CPU10aは、第1開閉回路に閉鎖信号を出力し(ステップS2801)、充電許可信号を昇圧充電制御及び降圧制御回路104のCPU7aに送信する(ステップS2802)。
このように、本実施の形態にかかる画像形成装置のエンジン部は、第1、第3の実施の形態で記載した効果に加え、昇圧回路に高周波トランスを用いているため、高周波トランスによって2次側とは絶縁され、一次側コイルのスイッチングを停止することによって定電圧生成回路(DC/DCコンバータ)からの電源供給が遮断可能となるため、第3の実施の形態で備えていた第3開閉回路103(定電圧生成回路と昇圧回路とを接続する開閉回路)が不要になる。
また、リレーのコイルに通電されない状態(ノーマルオープン)の場合に開放されるリレーを使用すれば、電源OFF時にキャパシタバンクの蓄電が放電されることはない。また、リレーを使用することにより、第3の実施の形態で備えている第1開閉回路101が不要になる。
本発明を第1〜第4の実施の形態を用いて説明してきたが、上述した実施の形態に多様な変更または改良を加えることができる。なお、上述した第1〜第4の実施の形態において説明した構成や機能は、自由に組み合わせることができる。
また、本実施の形態において上述した各回路は、組込まれたプログラムとして構成されてもよい。本実施の形態にかかるプリンタで実行される制御プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
本実施の形態にかかるプリンタで実行される制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、本実施の形態にかかるプリンタで実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施の形態にかかるプリンタで実行される制御プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
本実施の形態にかかるプリンタで実行される制御プログラムは、上述した各部(エンジン制御部など)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから制御プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、エンジン制御部などが主記憶装置上に生成されるようになっている。
なお、電力使用テーブル1及び電力使用テーブル2は、ROMに予め格納されていてもよく、またHDD(Hard Disk Drive)、光ディスク、メモリカードなどの一般的に利用されているあらゆる記憶媒体により構成することができる。
図29は、本実施の形態にかかるプリンタの概略構成の一例を示す説明図である。上述した第1〜第4の実施の形態にかかる画像形成装置の機構部の概要を示したものである。画像形成装置であるプリンタには、中央に中間転写ユニットがあり、該中間転写ユニットには、無端ベルトである中間転写ベルト110がある。中間転写ベルト110は、例えば伸びの少ないフッ素樹脂や伸びの大きなゴム材料に帆布など伸びにくい材料で構成された基層に、弾性層を設けた複層ベルトである。弾性層は、例えばフッ素系ゴムやアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムの表面に、例えばフッ素系樹脂をコーティングして平滑性のよいコート層を形成したものである。
中間転写ベルト110は、3つの支持ローラ114〜116に掛け廻されており、時計廻りに回動駆動される。第2の支持ローラ115の左に、画像転写後に中間転写ベルト110上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニングユニット117がある。
第1の支持ローラ114と第2の支持ローラ115との間の中間転写ベルト110には、その移動方向に沿って、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各色の感光体ユニット140、チャージャユニット118、現像ユニット及びクリーニングユニットからなる作像装置120がある。作像装置120は、ICタグを備え、プリンタ本体に対して脱着可能に装着されている。作像装置120の上方には、各色感光体ユニットの各感光体ドラムに画像形成のためのレーザ光を照射する書き込みユニット121がある。
中間転写ベルト110の下方には、2次転写ユニット122がある。2次転写ユニット122は、2つのローラ123間に、無端ベルトである2次転写ベルト124を掛け渡して、中間転写ベルト110を押し上げて第3の支持ローラ116に押当てるように配置したものである。この2次転写ベルト124は、中間転写ベルト110上の画像を、用紙上に転写する。2次転写装置122の横には、用紙上の転写画像を定着する定着ユニット125があり、トナー像が転写された用紙がそこに送り込まれる。定着ユニット125は、無端ベルトである定着ベルト126に加熱、加圧ローラ127を押し当てたものである。2次転写ユニット122及び定着ユニット125の下方に、表面に画像を形成した直後の用紙を、裏面にも画像を記録するために表裏を反転して送り出すシート反転ユニット128がある。
操作部ユニット(図示せず)のスタートスイッチが押されると、原稿自動搬送装置(ADF)170の原稿給紙台130上に原稿があるときは、それをコンタクトガラス132上に搬送する。ADFに原稿が無いときにはコンタクトガラス132上の手置きの原稿を読むために、画像読み取りユニット171のスキャナを駆動し、第1キャリッジ133及び第2キャリッジ134を、読み取り走査駆動する。そして、第1キャリッジ133上の光源からコンタクトガラスに光を発射するとともに原稿面からの反射光を第1キャリッジ133上の第1ミラーで反射して第2キャリッジ134に向け、第2キャリッジ134上のミラーで反射して結像レンズ135を通して読取りセンサであるCCD136に結像する。読取りセンサ136で得た画像信号に基づいてK、Y、M、C各色記録データが生成される。
また、スタートスイッチが押されたときに、中間転写ベルト110の回動駆動が開始されるとともに、作像装置120の各ユニットの作像準備が開始され、そして各色作像の作像シーケンスが開始されて、各色用の感光体ドラムに各色記録データに基づいて変調された露光レーザが投射され、各色作像プロセスにより、各色トナー像が中間転写ベルト110上に一枚の画像として、重ね転写される。このトナー画像の先端が2次転写ユニット122に進入するときに同時に先端が2次転写ユニット122に進入するようにタイミングをはかって用紙が2次転写ユニット122に送り込まれ、これにより中間転写ベルト110上のトナー像が用紙に転写する。トナー像が移った用紙は定着ユニット125に送り込まれ、そこでトナー像が用紙に定着される。
なお、上述の用紙は、給紙テーブル172の給紙ローラ142の1つを選択回転駆動し、給紙ユニット143に多段に備える給紙トレイ144の1つからシートを繰り出し、分離ローラ145で1枚だけ分離して、搬送コロユニット146に入れ、搬送ローラ147で搬送してプリンタ100内の搬送コロユニット148に導き、搬送コロユニット148のレジストローラ149に突き当てて止めてから、前述のタイミングで2次転写ユニット122に送り出されるものである。手差しトレイ151上に用紙を差し込んで給紙することもできる。ユーザが手差しトレイ151上に用紙を差し込んでいるときには、プリンタ100が給紙ローラ150を回転駆動して手差しトレイ151上のシートの一枚を分離して手差し給紙路153に引き込み、同じくレジストローラ149に突き当てて止める。
定着ユニット125で定着処理を受けて排出される用紙は、切換爪155で排出ローラ156に案内して排紙トレイ157上にスタックする。または、切換爪155でシート反転ユニット128に案内して、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ156で排紙トレイ157上に排出する。一方、画像転写後の中間転写ベルト110上に残留する残留トナーは、中間転写体クリーニングユニット117で除去し、再度の画像形成に備える。
レジストローラ149は一般的には接地されて使用されることが多いが、用紙の紙粉除去のためにバイアス電圧を印加することも可能である。例えば、導電性ゴムローラを用いバイアスを印加する。直径18mmで、表面を1mm厚みの導電性NBRゴムとする。電気抵抗はゴム材の体積抵抗で109Ωcm程度である。このようにバイアスを印加したレジストローラ149を通過した後の紙表面は、若干マイナス側に帯電している。よって、中間転写ベルト110からシートへの転写では、レジストローラ149に電圧を印加しなかった場合に比べて転写条件が変わり転写条件を変更する場合がある。中間転写ベルト110には、トナーを転写する側(表側)には−800V程度の電圧を印加し、紙裏面側には転写ローラ162によって+200V程度の電圧を印加する。
図30は、定着装置の概略構成を示す縦断側面図である。図30に示すように、定着ユニット125は、定着部材である定着ローラ129、加圧部材である加圧ローラ127、及び加圧ローラ127を一定の加圧力で定着ローラ129に押し当てる加圧手段(図示せず)を備えている。定着ローラ129及び加圧ローラ127は、駆動機構(図示せず)により回転駆動される。
また、定着装置には、主ヒータ29と補助ヒータ30の2つと、定着ローラ129の表面温度検出用サーミスタ33a、34aが設けられている。これらの定着ヒータ29、30は、定着ローラ129の内部に配置されており、その定着ローラ129を内部から加熱して定着ローラ129に熱を供給する。また、サーミスタ33a、34aは、定着ローラ129の表面にそれぞれ当接され、定着ローラ129の表面温度(定着温度)を検出する。なお、サーミスタ33aは主定着ヒータ29に対応する測定領域に配置され、サーミスタ34aは補助定着ヒータ30に対応する測定領域に配置されている。
主定着ヒータ29は、定着ローラ129の温度が目標温度に達していないときにONされて定着ローラ129を加熱するヒータである。補助定着ヒータ30は、画像形成装置の主電源投入の時や省エネのためのオフモード時からコピー可能となるまでの立上げ時等、すなわち定着装置のウォームアップ時に蓄電部の蓄電力を使用し定着装置の立上げを補助する補助的なヒータ(補助ヒータ)の機能も備える。従って、補助定着ヒータ30は、通常時はヒータの定格電力より、少なめに使用され定着装置の立上げ時または連続コピー時の温度落ち込み時に、定格電力まで使用する。
このような定着ユニット125では、トナー画像を担持したシートが定着ローラ129と加圧ローラ127とのニップ部を通過する際に定着ローラ129及び加圧ローラ127によって加熱及び加圧される。これにより、シートにはトナー画像が定着される。
図31は、後処理装置の概略構成図である。分岐部は、上分岐爪180、ステープル分岐爪182、及びプレスタック分岐爪183を用いてシフトモード1(上排紙)、シフトモード2(下排紙)、プレスタックモード、ステープルモード(下排紙)への用紙の分岐を行う。
複数部のステープルモードの場合、ステープル動作時の待機時間を減らすために、2部目の1枚目のプリントをプレスタックトレイ184に待機させておき、2枚目のプリントが来た場合に2枚一緒にステープルトレイ186に送る。
上トレイ187及び下トレイ188は、ソートモード時のトレイのサイドシフト動作と、プリント排出枚数(部数)による上昇、下降動作を行う。ステープルを行う場合には、ステープルトレイ186に用紙を寄せコロ、ジョガーフェンスによって揃え、ステープラ185によってステープルを行う。パンチユニット181は、パンチモータによって2穴のパンチ穴あけを行う。
図32は、ステープラ部分の概略構成図である。ステープルトレイ186は、用紙を集積し、集積された用紙または用紙束はステープラ185によってステープル綴じ処理が行われる。
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。第5の実施の形態にかかる電源装置は、商用電源を入力として定電圧回路で定電圧化し、定電圧化された電圧を昇圧する昇圧回路を設け、昇圧回路で蓄電部を充電し、さらに必要に応じて蓄電部から出力されて昇圧された電圧を負荷に供給するものである。なお、本実施の形態にかかる電源装置は、上述した第1の実施の形態にかかるエンジン電源部において電源部のみを1つの装置としたものである。
まず、本発明にかかる電源装置を、画像形成装置としてのプリンタのエンジン部に組み込んだ構成例について、図33〜図35を用いて説明する。なお、本実施の形態にかかる電源装置は、プリンタ以外の複写機、ファクシミリ装置、及び複写機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能を組み合わせた複合機などの画像形成装置、さらに電力を必要とする装置に搭載することができる。
図33は、第5の実施の形態にかかる電源装置の回路構成を示す回路図である。図34は、第5の実施の形態にかかる電源装置の詳細な回路構成を示す詳細回路図である。なお、図33および図34に示す電源装置は、プリンタのエンジン部に搭載されたものとして示されている。
本実施の形態にかかる電源装置500は、フィルタ1と、全波整流回路2と、定電圧生成回路(DC/DCコンバータ)13と、昇圧回路91と、昇圧充電制御回路95と、蓄電部9(以下、キャパシタバンク9という)と、充電電圧検出回路16と、充電電流検出回路12と、画像形成装置制御回路10(以下、エンジン制御部10)と、第1開閉回路92と、第2開閉回路93と、第3開閉回路94と、を備えている。また、電源装置500が搭載されているプリンタのエンジン部は、エンジン制御部10と、負荷20と、AC定着ヒータ29、30と、加熱部温度検出回路33、34と、AC定着ヒータ制御回路39と、を備えている。
ここで、フィルタ1と、全波整流回路2と、定電圧生成回路13と、昇圧回路91と、昇圧充電制御回路95と、キャパシタバンク9と、充電電圧検出回路16と、充電電流検出回路12と、エンジン制御部10と、第1開閉回路92と、第2開閉回路93と、第3開閉回路94の構成、機能は、第1の実施の形態とほぼ同様であるので、上述した説明を参照し、異なる部分のみを説明する。また、エンジン制御部10、負荷20、AC定着ヒータ29、30、加熱部温度検出回路33、34、AC定着ヒータ制御回路39についても、第1の実施の形態と同様であるので、異なる部分のみを説明する。
本実施の形態において、第1開閉回路92のFET92aと、第2開閉回路93のFET93aと、第3開閉回路94のFET94aは、外部より制御されるインタフェース手段を介して、ON、OFFを制御される。本実施の形態の場合は、エンジン制御部10のCPU10aのバスに接続されたシリアルコントローラ(SCI)10dと、昇圧充電制御回路95のCPU7aのバスに接続されたシリアルコントローラ(SIC)7bとの相互通信を介して、昇圧充電制御回路95のCPU7aのバスに接続された入出ポート7fから出力される信号によりONまたはOFFに制御される。FET92a、FET93aと、FET94aをONまたはOFFに制御する場合の条件、及びタイミングは後述する。
次に、本実施の形態にかかる昇圧充電制御回路95の動作説明を行う。昇圧充電制御回路95は、キャパシタバンク9の充電電圧の検出、充電電流の検出およびバイパス回路の動作を検出し、キャパシタバンク9に定電流充電または定電力充電を制御し、エンジン制御部CPU10aの指示によって開閉回路を制御するものである。
昇圧充電制御回路95は、CPU7a、シリアルコントローラ(SIC)7b、A/Dコンバータ7c、充電電流検出回路7d、PWM信号発生回路7e、入出力ポート7f、ROM、RAM、タイマ、割り込み制御回路を備えている。
また、昇圧充電制御回路95は、キャパシタバンク9の充電電圧検出、充電電流の検出およびバイパス回路の動作を検出し、キャパシタバンク9に定電流充電または定電力充電を行うためのPWM信号を発生させる機能を有している。昇圧充電制御回路95は、キャパシタバンク9の端子間電圧を充電電圧検出回路16の出力により検出する。さらに、キャパシタバンク9の端子間電圧が予め設定された値より低い場合には、キャパシタバンク9と直列に接続された抵抗R1の端子間電圧を逐次検出し、検出された端子間電圧に対応した予め設定された定電流充電にするためのPWM信号を、FET72aのゲートに出力する。
なお、予め設定された定電流充電にするためのPWM信号は、抵抗R1の端子間電圧と、PWM信号のONデューティとの関係を予め作成したテーブルを使用しても良いし、演算により算出してもよい。また、充電電流のみを参照し、予め設定された充電電流になるようにPWM信号を制御しても良い。また、キャパシタバンク9が充電されてない状態では、大きな突入電流がキャパシタバンク9に流れるのを防止しするために、充電電圧を低くし、徐々に充電電圧を高くするようにPWM信号を出力してもよい。
キャパシタバンク9の端子間電圧が予め設定された値以上になると、昇圧充電制御回路95は定電力充電を行うために、キャパシタバンク9の充電電流と、キャパシタバンク9の端子間電圧の検出を逐次行ない、検出した充電電流と充電電圧から、予め設定された定電力充電を行うためのPWM信号を、FET72aのゲートに出力する。
なお、昇圧充電制御回路95は、キャパシタバンク9の充電電流と、キャパシタバンク9の端子間電圧の検出を行い、検出された充電電流と充電電圧から予め設定された定電力充電を行うためPWM信号を演算して決定する。
次に、昇圧充電制御回路95は、何れかの単セル満充電信号5を検出すると、再び予め設定された定電流充電にするPWM信号を、FET72aのゲートに出力する。次に、昇圧充電制御回路95は、全てのキャパシタセルの満充電信号6を検出すると、充電動作を停止する信号をFET72aのゲートに出力する。昇圧充電制御回路95のCPU7aは、全てのキャパシタセルの満充電信号6を検出すると、第3開閉回路を開放(FET94aをOFF)する信号を入出ポート7fから出力する。次に、昇圧充電制御回路95は、全てのキャパシタセルの満充電信号6を検出すると、充電動作を停止する信号をFET72aのゲートに、入出ポート7fから出力する。
次に、エンジン制御部10のCPU10aによる第1開閉回路92、第2開閉回路93、第3開閉回路94の開閉動作説明を行う。
CPU10aは、バスに接続されたシリアルコントローラ(SCI)10dを介して、昇圧充電制御回路95のCPU7aに出力される信号によって第1開閉回路92、第2開閉回路93、第3開閉回路94は開閉動作を行う。
CPU10aは、待機時または省エネモード時等の電力を必要としない場合に、FET94aをONにする信号をCPU7aに出力し、FET92aをONにする信号、FET93aをOFFにする信号をCPU7aに出力する。これによって、キャパシタバンク9が充電される。
CPU10aは、商用電源のAC電力定格を超えるような場合、画像形成装置のDC電力が不足する場合、または画像形成装置側の急激な負荷変動によってフリッカーが発生するような場合は、キャパシタバンク9の蓄電力を使用するために、FET93aをONにする信号と、FET92aをOFFにする信号と、FET94aをOFFにする信号をCPU7aから出力する。この動作により、AC電力の使用を増やしたり、DC負荷への電力供給を増加させることができる。
また、CPU10aは、充電または放電以外の通常時に放電を停止するために、FET93aをOFFにする信号をCPU7aに出力する。また、CPU10aは、DC化した商用電源を昇圧充電制御回路95に供給するために、FET92aをONにする信号、FET84aをOFFにする信号をCPU7aに出力する。これにより、昇圧回路91への電源供給は遮断され、商用電源が定電圧生成回路13に接続され、定電圧生成回路13の出力が負荷に供給される。
次に、図35に示す均等化回路17について説明する。図35は、キャパシタセルとバイパス経路の詳細な回路構成を示す詳細回路図である。図35に示す回路図では、キャパシタセル9aに並列に均等化回路17aが接続され、キャパシタセル9aが10個と、個々のキャパシタセル9aに均等化回路(バランス回路)17aが直列に接続されている。キャパシタバンク9は、電力を貯蓄するために直列に接続された電気二重層キャパシタである。
バランス回路17aは、キャパシタセル9aの端子間に並列に接続される。バランス回路17aは、シャントレギュレータX1と、抵抗R1〜R5、トランジスタQ1、ダイオードD1により構成される。キャパシタセル9aの端子電圧の検出は、抵抗R1とR2からなる分圧回路とシャントレギュレータX1によって行われる。シャントレギュレータX1の制御端子に、抵抗R1とR2からなる分圧回路の分圧電圧が入力され、キャパシタセル9aの端子電圧が所定の電圧に充電されると、シャントレギュレータX1は、ONとなる。
シャントレギュレータX1がONとなると、トランジスタQ1に抵抗R3を通してベース電流が流れ、トランジスタQ1はONになる。トランジスタQ1がONになると、抵抗R5によって決まる電流で、キャパシタセル9aの充電電流が電流方向I2にバイパスされる。また、トランジスタQ1がONになると、トランジスタQ2もONになり、フォトカプラTLP1、TPL2の発光ダイオードに抵抗R7、R8を通して電流が流れる。
Bank Full端子は、他のバランス回路17aと直列に接続されているので、全てのキャパシタセル9aが所定の電圧に充電され、全てのバランス回路17aが動作することにより、全セル満充電信号として出力される。この信号により、図33および図34に示す昇圧充電制御回路95は、充電を停止する。
バランス回路17aのCell Full端子は、並列に接続されており、いずれかのバランス回路17aに接続されたキャパシタセル9aが所定の電圧に充電され、バランス回路17aが動作すると、セル満充電信号が出力される。セル満充電信号は、図33および図34に示す昇圧充電制御回路95に入力され、昇圧充電制御回路95はセル満充電信号により所定の定電流充電動作を行う。他のバランス回路17aは、上述したバランス回路17aと機能および構成は同様なので、説明は省略する。
次に、以上のように構成されている電源装置500による充電制御処理、動作モード制御処理について説明する。図36−1、図36−2は、電源装置の昇圧充電制御回路が行う充電処理手順を示すフローチャートである。この処理によってキャパシタバンク9が充電される。
昇圧充電制御回路95のCPU7aは、エンジン制御部10のCPU10aから充電許可信号が送信されているか否かを判断する(ステップS3601)。充電許可信号が送信されていないと判断した場合は(ステップS3601:No)、処理は終了する。充電許可信号が送信されていると判断した場合は(ステップS3601:Yes)、CPU7aは充電電圧が満充電(例として80V)でないか否かを判断する(ステップS3602)。具体的には、充電電圧検出回路16の検出結果から充電電圧を確認し、満充電状態か否かを判断する。充電電圧が満充電であると判断した場合は(ステップS3602:No)、充電する必要はないので、CPU7aは満充電電圧信号をエンジン制御部10のCPU10aに送信し(ステップS3603)、処理は終了する。
充電電圧が満充電でないと判断した場合は(ステップS3602:Yes)、充電動作を行うために、CPU7aは充電動作中信号をエンジン制御部10のCPU10aに送信する(ステップS3604)。CPU7aは、充電電圧が予め設定された電圧(例として65V)以下か否かを判断する(ステップS3605)。充電電圧が予め設定された電圧以下であると判断した場合は(ステップS3605:Yes)、CPU7aは蓄電部、すなわちキャパシタバンク9の充電電流を検出する(ステップS3606)。CPU7aは、定電流充電するため検出した充電電流に対応したPWM信号を昇圧回路91のFET72aのゲートに出力する(ステップS3607)。ステップS3605に戻り、CPU7aは充電電圧が予め設定された電圧以下か否かを判断する。充電電圧が予め設定された電圧以下であると判断された場合は、上述した充電動作を繰り返す。
ステップS3605において、充電電圧が予め設定された電圧以下でないと判断した場合、すなわち充電電圧が予め設定された電圧以下でなくなった場合は(ステップS3605:No)、CPU7aは蓄電部、すなわちキャパシタバンク9の充電電流と充電電圧の検出を行う(ステップS3608)。CPU7aは、定電力充電を行うため、検出した充電電流と充電電圧に対応したPWM信号を昇圧回路91のFET72aのゲートに出力する(ステップS3609)。次に、CPU7aは、何れかの単セル満充電信号があるか否かを判断する(ステップS3610)。何れも単セル満充電信号がないと判断した場合には(ステップS3610:No)、ステップS3608に戻る。
何れかの単セル満充電信号があると判断した場合には(ステップS3610:Yes)、CPU7aは定電流充電を実施する(ステップS3611)。CPU7aは、全セル満充電信号があるか否かを判断する(ステップS3612)。全セル満充電信号があると判断した場合は(ステップS3612:Yes)、CPU7aは充電動作を停止するためにPWM信号を昇圧回路91のFET72aのゲートに出力する(ステップS3613)。CPU7aは、全セル満充電信号をCPU10aに送信し(ステップS3614)、処理は終了する。全セル満充電信号がないと判断した場合は(ステップS3612:No)、ステップS3611に戻り、CPU7aは定電流充電を行う。
図37−1〜図37−4は、画像形成装置のエンジン制御部が行う動作モード制御処理手順を示すフローチャートである。
エンジン制御部10のCPU10aは、主電源ONまたは省エネモード解除によってDC電源が供給されると、エンジン制御部10のCPU10a、その周辺回路及びメモリ関連の初期設定を行う(ステップS3701)。CPU10aは、定着温度が設定温度以下か否かを判断する(ステップS3702)。設定温度は、主電源ONまたは省エネモード解除により、定着装置がリロード温度(例として180℃)になるまでの時間が予め設定された時間となる温度に設定されている。設定温度が高いほど、リロード時間が短くなる。
定着温度が設定温度以下であると判断した場合は(ステップS3702:Yes)、CPU10aは充電電圧検出回路16の検出結果から充電電圧が30V以上か否かを判断する(ステップS3703)。充電電圧が30V以上であると判断した場合は(ステップS3703:Yes)、開閉回路制御処理1を行う(ステップS3704)。これにより、商用電源からの電力供給を停止し、キャパシタバンク9に蓄電された蓄電力を定電圧生成回路13に供給することができる。その結果、余った電力が定着装置の加熱部に供給され、定着ヒータに最大電力が供給される(ステップS3705)。なお、通常動作時は、100%デューティで供給することはしない。また、定着ヒータ30を補助ヒータとし、立上げ時または定着温度落込み時のみに供給するようにしてもよい。
次に、CPU10aは、充電電圧検出回路16の検出結果から充電電圧が28V以上か否かを判断する(ステップS3706)。充電電圧が28V以上であると判断した場合は(ステップS3706:Yes)、蓄電力が使用できると判断し、加熱部温度が設定値(例として175℃)以上か否かを判断する(ステップS3707)。加熱部温度が設定値以上でないと判断した場合は(ステップS3707:No)、ステップS3705に戻り、引き続き定着ヒータ29、30にヒータ定格の最大電力を供給する。
加熱部温度が設定値以上であると判断した場合は(ステップS3707:Yes)、ステップS3702において、定着温度が設定温度以下でないと判断した場合は(ステップS3702:No)、ステップS3703において、充電電圧が30V以上でないと判断した場合は(ステップS3703:No)、ステップS3706において、充電電圧が28V以上でないと判断した場合は(ステップS3706:No)、またはステップS3707において、加熱部温度が予め設定された温度以上であると判断した場合は(ステップS3707:Yes)、CPU10aは開閉回路制御処理2を行う(ステップS3708)。これにより、商用電源から負荷に電力が供給される。
次に、CPU10aは定着装置の定着ヒータ29、30に予め設定された通常時の電力供給を行う(ステップS3709)。CPU10aは、加熱部がリロード温度(例えば180℃)か否かを判断する(ステップS3710)。リロード温度でないと判断した場合は(ステップS3710:No)、ステップS3709に戻り、定着ヒータ29、30に予め設定された通常時の電力供給が継続される。リロード温度であると判断した場合は(ステップS3710:Yes)、待機状態となり、予め設定された通常時の電力が定着ヒータに供給され、通常の温度制御が実施される(ステップS3711)。
CPU10aは、再度待機状態か否かを判断する(ステップS3712)。待機状態であると判断した場合は(ステップS3712:Yes)、CPU10aは充電電圧が35V未満か否か、すなわち満充電の状態か否かを判断する(ステップS3713)。35V未満である、すなわち満充電の状態でないと判断した場合は(ステップS3713:Yes)、CPU10aは開閉回路制御処理3を行い(ステップS3714)、ステップS3711に戻る。これにより、キャパシタバンク9が充電される。35V未満でない、すなわち満充電の状態であると判断した場合は(ステップS3713:No)、CPU10aは開閉回路制御処理2を行い(ステップS3715)、ステップS3711に戻る。これにより、商用電源から負荷に電力が供給される。
ステップS3711において、待機状態でないと判断した場合は(ステップS3712:No)、CPU10aは動作モード、画像形成動作過程毎に蓄電力を使用する電力使用テーブル1、2を参照し、蓄電力を使用する動作モードまたは動作条件を設定する(ステップS3716)。例えば、連続コピー枚数により、加熱部の温度が低下するコピー枚数設定と、最大電力を定着ヒータに供給、すなわちキャパシタバンク9の蓄電力を使用する場合に加熱部の温度が回復する時間のタイマカウントと、電力供給が必要な後処理を電力使用テーブル1、2から取得し、設定する。
次に、CPU10aは、コピー動作中か否かを判断する(ステップS3717)。コピー動作中であると判断した場合は(ステップS3717:Yes)、CPU10aは電力使用テーブル1、2から取得したコピー枚数設定があるか否かを判断する(ステップS3718)。コピー枚数設定があると判断した場合には(ステップS3718:Yes)、商用電源から負荷に電力を供給するために、CPU10aは複数コピー処理を行う(ステップS3719)。詳細は後述する。
CPU10aは、複数コピー処理終了後、またはステップS3718においてコピー枚数設定がないと判断した場合には(ステップS3718:No)、開閉回路制御処理2を行う(ステップS3720)。負荷は、継続して画像形成動作を行い、定着ヒータに通常の電力が供給される(ステップS3721)。CPU10aは、1ジョブに対応する枚数の用紙を排出したか否かを判断する(ステップS3722)。1ジョブに対応する枚数の用紙を排出していないと判断した場合には(ステップS3722:No)、ステップS3721に戻り、負荷は画像形成動作を継続する。1ジョブに対応する枚数の用紙を排出したと判断した場合には(ステップS3722:Yes)、CPU10aは後処理に電力供給が必要か否かを判断する(ステップS3723)。
後処理に電力供給が必要であると判断した場合には(ステップS3723:Yes)。DC電源の出力増加をするため、CPU10aは開閉回路制御処理1を行う(ステップS3724)。これにより、キャパシタバンク9に蓄電された蓄電力が定電圧生成回路13に供給される。電力が供給された後処理周辺機は、後処理動作を実施し(ステップS3725)、ステップS3711に戻る。後処理に電力供給が必要でないと判断した場合は(ステップS3723:No)、コピー動作は終了したので、ステップS3711に戻る。
ステップS3717において、コピー動作中でないと判断した場合は(ステップS3717:No)、CPU10aは省エネモード中か否かを判断する(ステップS3726)。省エネモード中でないと判断した場合は(ステップS3726:No)、待機モード、すなわちステップS3711に戻る。省エネモード中であると判断した場合は(ステップS3726:Yes)、CPU10aは充電電圧が35V未満か否か、すなわち満充電状態か否かを判断する(ステップS3727)。充電電圧が35V未満である、すなわち満充電状態でないと判断した場合は(ステップS3727:Yes)、キャパシタバンク9に充電するため、CPU10aは第1開閉回路に閉鎖信号を出力し(ステップS3728)、第2開閉回路に開放信号を出力する(ステップS3729)。さらに、CPU10aは、第3開閉回路に開放信号を出力し(ステップS3730)、充電許可信号を昇圧充電制御回路95のCPU7aに送信し(ステップS3731)、ステップS3726に戻る。なお、本フローチャートには示さないが、この充電動作が終了すると、画像形成装置制御部も省エネモードに移行する。充電電圧が35V未満でない、すなわち満充電状態であると判断した場合は(ステップS3727:No)、CPU10aは第1開閉回路に開放信号を出力し(ステップS3732)、第2開閉回路に開放信号を出力する(ステップS3733)。さらに、第3開閉回路に開放信号を出力し(ステップS3734)、ステップS3726に戻る。
プリンタのエンジン制御部10による複数コピー制御処理について説明する。図38は、プリンタのエンジン制御部が行う複数コピー制御処理手順を示すフローチャートである。
まず、エンジン制御部10のCPU10aは、開閉回路制御処理2を行う(ステップS3801)。次に、負荷は画像形成動作を実施し、定着ヒータ29、30に通常の電力が供給される(ステップS3802)。CPU10aは、電力使用テーブルから取得されたコピー枚数のコピーを実施したか否かを判断する(ステップS3803)。コピー枚数Nのコピーを実施していないと判断した場合には(ステップS3803:No)、ステップS3802に戻り、負荷は画像形成動作を繰り返す。コピー枚数Nのコピーを実施したと判断した場合には(ステップS3803:Yes)、CPU10aは開閉回路制御処理1を行う(ステップS3804)。これにより、商用電源からの電力供給を停止し、キャパシタバンク9に蓄電された蓄電力が定電圧生成回路13に供給され、余った電力が定着装置の加熱部に供給される。その結果、定着ヒータ29、30にヒータ定格の最大電力の供給が可能となり、加熱部の温度が定着画像保証温度より低下するのを防止することができる。
CPU10aは、定着ヒータ29、30に最大電力を供給した状態を継続し、画像形成動作を継続する(ステップS3805)。CPU10aは、タイマカウンタがMか否かを判断する(ステップS3806)。タイマカウンタがMでないと判断した場合には(ステップS3806:No)、ステップS3805に戻る。タイマカウンタがMであると判断した場合には(ステップS3806:Yes)、処理を抜ける。
なお、定着装置の加熱部の温度の低下は、通紙を開始することによって定着の加圧ロータの熱が用紙に移動するために生じるものである。従って、この加圧ローラが暖まれば、温度低下は解消される。加圧ローラが暖まるまでの時間Mは、電力使用テーブル2から取得され、タイマカウントとして設定されているので、その時間Mになるまで、定着ヒータにヒータ定格の最大電力を供給することができる。
本実施の形態におけるエンジン制御部10による開閉回路制御処理1について説明する。図39は、画像形成装置のエンジン制御部が行う開閉回路制御処理1の手順を示すフローチャートである。この処理により、定電圧生成回路13はキャパシタバンク9の蓄電力を使用して定電圧を生成し、負荷へ電力を供給する。
CPU10aは、蓄電部の電力を使用する信号を昇圧充電制御回路95のCPU7aに送信する(ステップS3901)。CPU10aは、昇圧充電制御回路95のCPU7aに第2開閉回路の閉鎖信号を出力し(ステップS3902)、第3開閉回路の開放信号を出力する(ステップS3903)。また、第2、第3開閉回路にリレーを使用した場合には、CPU10aはタイマカウンタで時間Nをカウントする(ステップS3904)。次に、CPU10aは、第1開閉回路の開放信号を出力する(ステップS3905)。
本実施の形態におけるエンジン制御部10による開閉回路制御処理2について説明する。図40は、画像形成装置のエンジン制御部が行う開閉回路制御処理2の手順を示すフローチャートである。この処理により、定電圧生成回路13は商用電源から出力された電圧を使用して定電圧を生成し、負荷へ電力を供給する。
CPU10aは、負荷電力供給信号を昇圧充電制御回路95のCPU7aに送信する(ステップS4001)。CPU10aは、昇圧充電制御回路95のCPU7aに第1開閉回路の閉鎖信号を出力し(ステップS4002)、第3開閉回路の開放信号を出力する(ステップS4003)。また、第2、第3開閉回路にリレーを使用した場合には、CPU10aはタイマカウンタで時間Nをカウントする(ステップS4004)。次に、CPU10aは、昇圧充電制御回路95のCPU7aに第2開閉回路の開放信号を出力する(ステップS4005)。
本実施の形態におけるエンジン制御部10による開閉回路制御処理3について説明する。図41は、画像形成装置のエンジン制御部が行う開閉回路制御処理3の手順を示すフローチャートである。この処理により、商用電源から出力された電圧を昇圧し、昇圧電圧によって蓄電部を充電する。
CPU10aは、昇圧充電制御回路95のCPU7aに第1開閉回路の閉鎖信号を出力し(ステップS4101)、第3開閉回路の閉鎖信号を出力する(ステップS4102)。次に、CPU10aは、第2開閉回路の開放信号を出力する(ステップS4103)。CPU10aは、充電許可信号を昇圧充電制御回路95のCPU7aに送信する(ステップS4104)。
このように、図33、図34に示す電源装置500は、負荷20に定電圧を供給するDC/DCコンバータ13の出力を昇圧回路91によって昇圧してキャパシタバンク9を充電し、充電された電圧を、ACの電力の供給が不足した場合またはDC電力の供給が不足した場合に、DC/DCコンバータ13の入力に供給している。従って、負荷20には定格電圧が常時供給することができる。また、キャパシタバンク9が満充電の状態の時には、第3開閉回路94を開放することにより、昇圧回路91への電源供給を遮断できる。
また、本実施の形態にかかる電源装置500は、上述した構成を採ることにより、第1〜第3開閉回路を外部から制御することができる。また、蓄電器の蓄電力の使用が容易となり、AC電力使用の平準化を図ることが可能となる。
次に、他の電源装置の例について説明する。本実施の形態にかかる電源装置600は、昇圧回路に高周波トランスを使用し、高周波トランスの一次側コイルをスイッチングして昇圧を行ない、キャパシタバンクを充電し、この充電されたキャパシタバンクと商用電源との接続の切り替えにリレーを使用したものである。
本実施の形態にかかる電源装置を、図42、図43を用いて説明する。図42は、本実施の形態にかかる電源装置の回路構成を示す回路図である。図43は、本実施の形態にかかる電源装置の詳細な回路構成を示す詳細回路図である。なお、図42および図43に示す電源装置600は、プリンタのエンジン部に搭載されたものとして示されている。また、本実施の形態にかかる電源装置600は、上述した第5の実施の形態にかかる電源装置500と、機能、構成がほぼ同一であるため、異なる点のみ説明する。
本実施の形態にかかる電源装置600では、昇圧回路97として高周波トランスを使用している。定電圧生成回路13の出力は、高周波トランス61の一次コイル61aに接続され、一次コイル61aには、直列にスイッチング手段としてFET64が接続されている。FET64で構成されるスイッチング回路は、昇圧充電制御回路95から出力されるPWM信号により、スイッチング動作を行う。FET94がスイッチング(ON、OFF動作)すると、一次コイル61aにはスイッチング電流が流れる。一次側のスイッチング電流により、トランス61の二次コイル61bにスイッチ電圧が誘起する。スイッチング周波数の導通期間を変えれば、出力電圧の制御を行うことができる。
トランス61の二次コイル61bには、整流回路97としてダイオード62、65が接続されている。スイッチング電圧は、整流回路97で整流され、チョークコイル63及びコンデンサC1により平滑され、直流出力に変換される。変換された直流出力は、キャパシタバンク9に供給され、キャパシタバンク9の個々のキャパシタセルは充電される。
商用電源とキャパシタバンク9の切り替えは、リレーを使用し、昇圧充電制御回路95の入出ポート7fよりリレー96ドライブ回路27に出力されるON、OFF信号により切り替えられる。
次に、CPU10aによる充電動作及びキャパシタバンク9の放電、負荷に電源を供給する動作説明を行う。CPU10aは、待機時または省エネモード時等の電力を必要としない時に、キャパシタバンク9を充電するために、リレー96aをOFFする信号と、充電許可信号をCPU10aのバスに接続されたシリアルコントローラ(SCI)10dを介して、昇圧充電制御回路95に送信する。
また、CPU10aは、商用電源のAC電力定格を超えるような場合、画像形成装置のDC電力が不足する場合、または画像形成装置側の急激な負荷変動によってフリッカが発生するような場合は、キャパシタバンク9の蓄電力を使用するために、リレー96aをONする信号と、充電停止信号をCPU10aのバスに接続されたシリアルコントローラ(SCI)10dを介して、昇圧充電制御回路95に送信する。この動作により、AC電力の使用を増やしたり、DC負荷への電力供給を増加させることができる。
また、CPU10aは充電または放電以外の通常時は、DC化した商用電源をDC/DCコンバータ13に供給し、その出力を負荷に供給するために、リレー96aをOFFする信号と、充電停止信号を昇圧充電制御回路95に送信する。
このように、図42、図43に示す電源装置600は、高周波トランスにより、2次側とは絶縁されているので、一次側コイルのスイッチングを停止することにより、DC/DCコンバータ13からの電源供給が遮断可能となり、第5の実施の形態において構成されている第3開閉回路94は不要になる。また、リレーのコイルに通電されない状態(ノーマルクローズ)の場合は、商用電源側に接続されるリレーを使用すれば、電源OFF時にキャパシタバンク9の蓄電が放電されることがない。また、リレーを使用することにより、第5の実施の形態において構成されているダイオードD2も不要になる。よって、本実施の形態にかかる電源装置600は、上述した第5の実施の形態のかかる電源装置500において奏する効果に加え、回路構成をさらに簡易にすることができる。