以下に添付図面を参照して、この発明にかかる蓄電装置、及び画像形成装置の最良な実施の形態として、画像形成装置に適用した場合について詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置100の特徴的な構成のみ示した概略図である。本図に示すように画像形成装置100の内部は、全波整流回路101と、平滑コンデンサ102と、出力制御部103と、降圧チョッパ回路104と、DC定着ヒータ105と、放電回路(FET)106と、ダイオード107と、ダイオード108と、スイッチング回路109と、スイッチング回路110と、キャパシタバンク111と、AC電源112と、を備えている。本図に示すように、本実施の形態においては、画像形成装置100に備えられた定着ヒータが一本のみの場合とする。
また、第1の実施の形態は、降圧チョッパ回路104により、キャパシタバンク111に対して、DC定着ヒータ105に供給する電力より大きな電力を蓄電し、蓄電された電力を画像形成装置100の立ち上げ時及び連続コピー時の温度落ち込み時に使用し、それ以外の時は降圧チョッパ回路104からDC定着ヒータ105に電力供給する場合について説明する。
AC電源112は、商用電源からの電力を供給する。
全波整流回路101は、AC電源112からの交流入力を全波整流し、直流電流として出力する。平滑コンデンサ102は、全波整流された出力に対して、リプル成分等の除去を行う。
降圧チョッパ回路104は、入力側に設けたFET113と、FET113の出力(ソース)側に接続されたチョークコイル115と、FET113とチョークコイル115との間に設けられた帰還用ダイオード114と、平滑コンデンサ116とを備え、後述する出力制御部103からの制御により、電圧を降圧させる。
出力制御部103は、降圧チョッパ回路104のFET113を制御し、後述するDC定着ヒータ105が定着を行うために適した電力を供給させる、又は後述するキャパシタバンク111に充電を行うために適した電圧で定電流充電または定電力充電させる。なお、詳細については後述する。
DC定着ヒータ105は、画像形成装置100が備えた定着ローラに対して加熱を行う。なお、定着ローラについては後述する。
放電回路(FET)106は、AC電源112と降圧チョッパ回路104とDC定着ヒータ105とグランドとを接続する経路上、換言すれば第2経路上に設けられている。そして、放電回路(FET)106は、図示しないエンジン制御部により制御され、エンジン制御部によりオンにされた場合に、DC定着ヒータ105に電力が供給される。
ダイオード108及びスイッチング回路110は、AC電源112と降圧チョッパ回路104とキャパシタバンク111とを接続する経路上、換言すれば第1経路上に設けられている。そして、ダイオード108は、降圧チョッパ回路104により降圧された後の電流を、キャパシタバンク111への一方向のみに流れを制限する。スイッチング回路110は、オンになった場合に降圧チョッパ回路104により降圧された後の電流を、キャパシタバンク111に流す。なお、本実施の形態においては、スイッチング回路110として、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor: 絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を用い、以下IGBT110とする。
つまり、放電回路(FET)106、ダイオード108及びスイッチング回路110の組合せにより、電流の供給先として第1経路及び第2経路のいずれか一方に切り替えることが可能となる。
ダイオード107及びスイッチング回路109は、キャパシタバンク111とDC定着ヒータとを接続する経路上、換言すれば第3経路上に設けられている。そして、ダイオード107は、キャパシタバンク111から、DC定着ヒータ105への一方向のみに電流の流れを制限する。スイッチング回路109は、オンになった場合にダイオード107によりキャパシタバンク111からDC定着ヒータ105に電流が流れる。なお、本実施の形態においては、スイッチング回路109として、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor: 絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を用い、以下IGBT109とする。
つまり、ダイオード107及びスイッチング回路109の組合せにより、キャパシタバンク111からDC定着ヒータ105に対して電力を供給するか否かを切り替えることが可能となる。
キャパシタバンク111は、キャパシタセルを複数有し、降圧チョッパ回路104により降圧された後の電流を蓄積し、蓄積された電力を所定の条件を満足した場合に定着ヒータ105に供給する。なお、供給するときの条件については後述する。
つまり、画像形成装置100において、出力制御部103が、FET113に対して蓄電するために適切な電圧まで降下させた後、IGBT110をオンにし、FET106をオフにした場合に、キャパシタバンク111に蓄電される。なお、IGBT109は、オフにされている。
また、IGBT110をオフにし、IGBT109をオンにし、FET106をオンにした場合に、キャパシタバンク111に蓄積された電力が、定着ヒータ105に供給される。
図2は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置100の構成を示した回路図である。
主電源スイッチ11は、画像形成装置の立ち上げスイッチとする。そして、主電源スイッチ11がオンになった場合、主電源スイッチ11を介してAC電源112から入力された交流電流は、フィルタ1を介して、全波整流回路101に入力される。そして、全波整流回路101が、全波整流する。この全波整流された電力は、平滑コンデンサ102によりリップル成分等が除去される。
平滑コンデンサ102によりリップル成分等が除去された直流電力は、降圧チョッパ回路104のFET113のドレイン側に入力される。
この降圧チョッパ回路104は、キャパシタバンク111の端子間に並列に接続されている。なお、降圧チョッパ回路104の構成は、上述したので説明を省略する。次に、降圧チョッパ回路104を制御する出力制御部103の構成について説明する。
出力制御部103は、CPU103aと、CPU103aに内部バスで接続されたPWM発生回路103eと、A/Dコンバータ103cと、充電電流検出回路103dと、シリアルコントローラ(SIC)103bと、さらに図示しないROM、RAM、タイマ、割り込み制御回路及び入出力ポートとを備えている。
PWM発生回路103eは、キャパシタバンク111に充電を行う場合に、キャパシタバンク111に蓄積された充電電圧、キャパシタバンク111への充電電流及びバイパス回路の動作を検出結果に応じて、キャパシタバンク111に定電流充電及び定電力充電を行うためのPWM信号(パルス幅変調信号)を発生させる。さらに、PWM発生回路103eは、DC定着ヒータ105に電力を供給する場合に、DC定着ヒータ105に適した電圧で電力を供給するため、または定電圧出力を行うためのPWM信号を発生させる。
これにより、DC定着ヒータ105への定電圧出力用のPWM信号、及びキャパシタバンク111への定電流充電及び定電力充電用のPWM信号を、必要に応じて切り替えて、FET113に対して出力することができる。
つまり、PWM発生回路103eから出力されたPWM信号により、FET113がオンになると、チョークコイル115に電流が流れる。これにより、入力電力の一部がチョークコイル115に蓄えられる。その後、PWM発生回路103eから出力されたPWM信号によりFET113がオフされる。そして、オン期間にチョークコイル115に蓄積された電力が帰還用ダイオード114を経由して放出される。
つまり、降圧チョッパ回路104では、上述した動作が繰り返されることで、電力の降圧が行われる。この降圧された電圧は平滑コンデンサ116により平滑される。そして、電圧が平滑化された電力は、DC定着ヒータ105に供給、又はダイオード108及びIGBT110を通してキャパシタバンク111に供給される。
また、降圧チョッパ回路104が降圧する電圧は、FET113のオン期間とオフ期間の比(デューティ比D/T)と、降圧チョッパ回路104への入力電圧と、により制御される。そして、出力制御部103は、FET113のデューティ比を、PWM信号により制御する。これにより、出力制御部103は、降圧チョッパ回路104の出力電圧を制御することができる。
また、降圧された後の電圧は、降圧電圧検出回路4により検出される。この降圧電圧検出回路4は、抵抗R4と抵抗R5により分圧されており、これにより降圧された後の電圧を検出できる。そして、降圧電圧検出回路4により検出された電圧は、PWM発生回路103eにフィードバックされる。つまり、降圧平滑された電圧は、PWM発生回路103eにより監視される。
なお、降圧電圧検出回路4により検出された電圧は、後述するエンジン制御部10のA/Dコンバータ10bにも入力される。詳細については後に説明する。
PWM発生回路103eが、キャパシタバンク111への定電流充電及び定電力充電用のPWM信号を出力している場合、後述するエンジン制御部10の制御によりIGBT110がオンになる。これにより、電力はダイオード108及びIGBT110を通って、キャパシタバンク111に充電される。
次に、キャパシタバンク111に充電する動作の説明を行う。本実施の形態にかかるキャパシタバンク111は、満杯充電時に2.5Vになるキャパシタセル(電気二重層コンデンサセス)が18個、直列に接続されている。従って、18個のキャパシタセルが満充電になると、45Vの電圧が蓄電される。
なお、画像形成装置100のキャパシタバンク111は、DC定着ヒータ105に供給する電力より、一時的に大きな電力を供給できるようなキャパシタセルの構成を有している。つまり、キャパシタバンク111に充電された電力をDC定着ヒータ105に供給することで、短時間で後述する定着ローラ21を使用可能温度にすることができる。
次に、充電電圧検出回路16について説明する。充電電圧検出回路16は、キャパシタバンク111に充電された電圧を検出する。具体的には、充電電圧検出回路16は、抵抗R2と抵抗R3の分圧回路を構成されている。これにより、充電電圧検出回路16は、キャパシタバンク111の端子間電圧を検出できる。検出された端子間電圧は、A/Dコンバータ103c及びエンジン制御部10のA/Dコンバータ10bに入力される。そして、PWM発生回路103eがA/Dコンバータ103cに入力された端子間電圧に基づいてデューティ比を決定し、PWM発生回路103eが定電流充電及び定電力充電用のPWM信号を出力する。なお、詳細な説明については後述する。
次に、キャパシタバンク111の充電電流を検出する手順について説明する。キャパシタバンク111の充電電流は、キャパシタバンク111と直列に接続された抵抗R1を流れる電流を検出すると共に、端子間電圧を検出する。検出された端子間電圧などは、出力制御部103の充電電流検出回路103dに入力される。これにより、充電電流検出回路103dが、キャパシタバンク111の充電電流を検出できる。
そして、均等化回路17は、キャパシタセル個々の満充電を検出し、バイパス回路(後述する図3参照)を動作させ、各キャパシタセルの充電電圧を均等化する。
具体的には、キャパシタセル111aが、降圧チョッパ回路104により満充電の2.5Vに充電されると、バランス回路17aは充電電流をバイパスする。また、他のキャパシタセルに並列に接続されたバイパス回路も同様の動作を行なう。これにより、各キャパシタセルの充電電圧は均等化される。
また、均等化回路17は、何れかのキャパシタセルの満充電を検知し、バイパス回路を動作させると、PWM発生回路103eに単セル満充電信号44を出力する。
また、均等化回路17は、全てのキャパシタセルの満充電を検知し、全てのバイパス回路を動作させると、PWM発生回路103eに全てのキャパシタセルの満充電信号45を出力する。
次に、均等化回路17の構造について説明する。図3は、図2のキャパシタセル111aと並列に接続されたバランス回路17aの回路図である。本図に示すように、キャパシタセルそれぞれに対して、バランス回路が接続されている。そして、本実施の形態においては、キャパシタセルを18個備えているので、バランス回路も18個直列に接続されている。
そして、本図に示す電流経路I1は、キャパシタセル111aの充電時の電流の経路を示している。また、電流経路I2は、バランス回路17a作動時の充電電流のバイパス経路を示している。また、電流経路I3は、逆電圧印加時の逆電流バイパス経路を示している。
キャパシタセル111a〜111rは、電力を貯蓄するために直列に接続された電気二重層キャパシタである。そして、バランス回路17aは、キャパシタセル111aの端子間に並列に接続されている。
バランス回路17aは、シャントレギュレーター301と、抵抗311〜315、トランジスタ321、ダイオード331により構成される。そして、抵抗311と312からなる分圧回路と、シャントレギュレーター301から、キャパシタセル111aの端子電圧を検出する。
具体的には、シャントレギュレーター301の制御端子に、抵抗311と312からなる分圧回路の分圧電圧が入力される。そして、キャパシタセル111aの端子電圧が所定の電圧に充電されると、シャントレギュレーター301をオンになる。次に、シャントレギュレーター301がオンになると、トランジスタ321に抵抗313を通してベース電流が流れるので、トランジスタ321がオンになる。そして、トランジスタ321がオンになると、抵抗315により決まる電流で、キャパシタセル111aの充電電流が、I2で示すようにバイパスされる。
また、トランジスタ321がオンになると、トランジスタ322にオンとなる。これにより、フォトカプラー341,342の発光ダイオードに抵抗317、318を通して電流が流れる。なお、バランス回路17b〜17rは、バランス回路17aと同じなので、説明は省略する。
Bank Full端子は、バランス回路17a〜17rと直列に接続されている。つまり、全てのキャパシタセルが所定の電圧に充電され、全てのバランス回路が動作した場合に、Bank Full端子から、全セル満充電信号を出力する。
そして、この全セル満充電信号がPWM発生回路103eに入力した場合、PWM発生回路103eは充電を停止し、満充電信号をエンジン制御部10のCPU10aに送信する。エンジン制御部10のCPU10aはこの信号により、IGBT110をオフにする信号をポート2から出力する。
バランス回路17aのCell Full端子は、他のバランス回路のCell Full端子と並列に接続されている。つまり、いずれかのキャパシタセルが所定の電圧に充電され、当該キャパシタセルに接続されたバランス回路が動作すると、Cell Full端子からセル満充電信号を出力する。
そして、出力されたセル満充電信号はPWM発生回路103eに入力される。そして、PWM発生回路103eは、このセル満充電信号が入力された場合、所定の定電流充電動作を行う。なお、この動作については後述する。
図2に戻り、PWM発生回路103eが、キャパシタバンク111に充電する時の動作について説明する。本実施の形態において、A/Dコンバータ103cが、キャパシタバンク111の充電電圧の監視、及び充電電流検出回路103dが充電電流の監視、PWM発生回路103eが(入力される単セル満充電信号、キャパシタセルの満充電信号に基づいて)バイパス回路の動作を検出する。そして、PWM発生回路103eは、これら監視結果及び検出結果に基づいたPWM信号をする。これにより、キャパシタバンク111は、定電流充電および定電力充電が行われる。なお、詳細な処理手順については後述する。
なお、本実施の形態とは異なるが、PWM発生回路は、定電流充電にするために予め定められたデューティ比の信号をPWM信号として送信しても良い。予め定められたデューティ比は、例えば抵抗R1の端子間電圧と、PWM信号のONデューティとの関係を予めテーブルに格納していても良いし、予め用意された計算式の演算から取得しても良い。
なお、PWM発生回路103eのPWM信号の制御する手順は、上述した手順に制限するものではなく、例えば、充電電流のみ参照し、予め定められた充電電流になるようにPWM信号を制御しても良い。
また、PWM発生回路103eは、キャパシタバンク111が充電されてない場合、降圧後の電圧を最初は低くし、徐々に高くなるようにPWM信号を出力しても良い。これにより、キャパシタバンク111に大きな突入電流が流れるのを防止することができる。
また、キャパシタバンク111の端子間電圧が予め定められた第1の電圧値(以下、第1の基準充電電圧という)以上になると、PWM発生回路103eは、定電力充電を行うこととする。そして、PWM発生回路103eは、定電力充電を行うためのPWM信号を、FET113のゲートに出力する。
また、このPWM信号は、当該キャパシタバンク111への充電電流とキャパシタバンク111の端子間電圧に基づいて、予め定められた演算処理により取得する。なお、具体的な処理手法については後述する。
次に、PWM発生回路103eは、キャパシタバンク111の端子間電圧が予め定められた第2の電圧値(以下、第2の基準充電電圧という)以上になると再度、低電流で定電流充電にするために予め定められたPWM信号をFET113のゲートに出力する。なお、本実施の形態とは異なるが、端子間電圧が第2の基準充電電圧以上ではなく、いずれかのキャパシタセルの単セル満充電信号44を検出した場合としてもよい。なお、具体的な処理フローについては、図9において詳述している。
次に、PWM発生回路103eは、全てのキャパシタセルの満充電を示した満充電信号45を検出すると、充電動作を停止する信号をFET113のゲートに出力する。
上述した処理により、画像形成装置100は、キャパシタバンク111を充電することができる。そして、充電されたキャパシタバンク111の蓄電力は、IGBT109及びダイオード107を通してDC定着ヒータ105に供給される。
また、画像形成装置100は、定着装置の加熱部としてAC定着ヒータ30とDC定着ヒータ105を備えている。
図4は、画像形成装置100が備えた定着装置400の概略構成を示す縦断測面図である。本図に示すように定着装置400は、定着部材である定着ローラ21、加圧部材である加圧ローラ23、及び加圧ローラ23を一定の加圧力で定着ローラ21に押し当てる加圧手段(図示せず)を備えている。そして、定着装置400は、定着ローラ21及び加圧ローラ23は、駆動機構(図示せず)により回転駆動される。
また、定着装置400は、AC定着ヒータ30と、DC定着ヒータ105と、定着ローラ21の表面温度を検出するDC定着ヒータ用サーミスタ28aとAC定着ヒータ用サーミスタ33aとを備えている。
これらAC定着ヒータ30及びDC定着ヒータ105は、定着ローラ21の内部に配置され、当該定着ローラ21に対して内部から加熱する。また、DC定着ヒータ用サーミスタ28a及びAC定着ヒータ用サーミスタ33aは、定着ローラ21の表面にそれぞれ当接され、定着ローラ21の表面温度(定着温度)を検出する。なお、AC定着ヒータ用サーミスタ33aはAC定着ヒータ30に対応する測定領域に配置されている。そして、DC定着ヒータ用サーミスタ28aはDC定着ヒータ105に対応する測定領域に配置されている。
また、AC定着ヒータ30及びDC定着ヒータ105は、定着ローラ21の温度が目標温度に達していないときにオンにされて、定着ローラ21を加熱する。
また、DC定着ヒータ105は、画像形成装置の主電源投入の時や省エネのためのオフモード時からコピー可能となるまでの立ち上げ時等に使用される。すなわち、DC定着ヒータ105は、定着装置400のウォームアップ時にキャパシタバンク111から電力を供給されることで、定着装置400の立ち上げを補助する。つまり、DC定着ヒータ105は、補助的なヒータ(補助ヒータ)の機能も備える。
従って、DC定着ヒータ105は、通常時にヒータの定格電力より少なめに使用され、定着装置の立ち上げ時または連続コピー時の温度落ち込み時に定格電力まで使用される。
このような定着装置400では、トナー画像を担持したシートが定着ローラ21と加圧ローラ23とのニップ部を通過する際に、定着ローラ21及び加圧ローラ23によって加熱及び加圧される。これにより、シートにトナー画像が定着される。
図2に戻り、エンジン制御部10の説明を行う。エンジン制御部10は、CPU10aと、CPU10aと内部バスで接続されたシリアルコントローラ(SCI)10dと、入出力ポート10cと、A/Dコンバータ10bと、NV−RAM10eと、ROM10fと、RAM10gと、タイマ及び割り込み制御回路(INT)10h等で構成されている。
CPU10aのA/Dポート10bには、定着装置400の定着ローラ21の表面温度(定着温度)を検出する温度検出回路28、33が接続されている。
温度検出回路28は、DC定着ヒータ用サーミスタ28aと直列に接続された抵抗R10とで構成され、DC定着ヒータ105に対応する測定領域の温度を検出する回路とする。
温度検出回路33は、AC定着ヒータ用サーミスタ33aと直列に接続された抵抗R11とで構成され、AC定着ヒータ30に対応する測定領域の温度を検出する回路とする。
入出力ポート10cには、放電回路(FET)106と、AC定着ヒータ制御回路43と、画像形成動作を行うために必要なモーター、ソレノイド、クラッチ等の負荷23と、センサー13と、スイッチ回路15と、接続されている。また、FET18は、温度検出回路28の温度検出結果により、キャパシタバンク111に蓄電された電力を、DC定着ヒータ105に供給する。AC定着ヒータ制御回路43は、温度検出回路33の検出結果により、AC定着ヒータ30に電力を供給する。センサー13は、画像形成動作を行うために用いられる。
CPU10aは、出力制御部103とシリアルコントローラ(SCI)10dを介して信号の送受信を行う。また、CPU10aは放電中では無い時、または待機中、省エネモード時等に、出力制御部103に充電指示信号または充電許可信号、充電動作信号を送信する。また、CPU10aは、DC定着ヒータ105に電力を供給する時、出力制御部103に電力供給モード信号を送信する。
そして、DC定着ヒータ105に電力が供給されてない状態で、出力制御部103のCPU103aに充電指示信号、または充電許可信号が入力されると、CPU103aは、PWM発生回路103eに対して、充電動作を指示する。これにより、充電動作が開始される。
次に、AC定着ヒータ制御回路43について説明する。AC定着ヒータ制御回路43は、主電源ON時及び通常のコピー動作時に、AC定着ヒータ30に電力を供給する。これにより、画像形成装置100においてコピー動作が可能となる。
CPU10aは、温度検出回路33から予め定められた温度以下の温度が検出された旨が入力された場合、フォトトライアックドライブ回路35に、フォトトライアック35aをオンにする信号をポート5より出力する。これにより、AC定着ヒータ30への電力の供給が開始される。
そして、CPU10aは、温度検出回路33からが予め定められた温度以上の温度が検出された旨が入力された場合、フォトトライアックドライブ回路35に、フォトトライアック35aをオフにする信号をポート5より出力する。これにより、AC定着ヒータ30への電力供給は停止される。
次に、DC定着ヒータ105に電力供給する動作を説明する。CPU10aは、主電源がオンにされた時、充電電圧検出回路16の充電電圧を確認した後、入出力ポート10cのポート3より、IGBT109をオンにする信号を出力する。次に、CPU10aは、入出力ポート10cのポート1から、FET106をオンにする信号を出力する。そして、FET106がオンになった場合、キャパシタバンク111の蓄電力がDC定着ヒータ105に供給される。
また、CPU10aは、連続コピー時に定着ローラ21の温度が低下して、未定着画像が発生する温度になった場合、出力制御部103からの全セル満充電信号、又は充電電圧検出回路16の充電電圧を確認した後、入出力ポート10cのポート3より、IGBT109をオンする信号を出力する。これにより、キャパシタバンク111の蓄電力が、DC定着ヒータ105に供給される。
また、CPU10aは、定着ローラ21の温度検出を行ない、予め定められた温度以上の温度検出を行うと、入出力ポート10cのポート3より、IGBT109をオフにする信号を出力する。これにより、キャパシタバンク111からの電力放電が停止される。
その後、PWM発生回路103eは、DC定着ヒータ105に電力を供給するためのPWM信号をFET113のゲートに出力する。
CPU10aは、画像形成動作が終了した後、一定時間が経過すると省エネモードに入る。この際、CPU10aは、DC/DCコンバータ14に一部の電源出力停止信号をポート4より出力する。また、省エネモードを解除する場合、省エネ解除スイッチ46(圧版開放SW,ADFの原稿検知SW等)が、DC/DCコンバータ14を通常の動作に復帰させる。
次に、画像形成装置100の全体を制御するコントロール回路8の説明をする。コントロール回路8は、画像形成装置の全体を制御するCPU8aと、CPU8aに内部バスで接続されたシリアルコントローラ(SCI)8bと、ROM8cと、SRAM8dと、画像形成装置で使用する画像展開用のワークメモリ8e、書き込み画像のイメージデータを一時蓄えるフレームメモリ8f、CPU周辺を制御する機能を搭載したASIC及びそのインターフェース回路8g等で構成される。
CPU8aは、操作部制御回路37、エンジン制御部10が、SCI8bを介して接続されている。また、CPU8aに接続された操作部制御回路37は、利用者のパネルに対する操作に従ってシステム設定の入力の制御や、パネルにシステムの設定内容状態を表示する制御を行う。
図5は、画像形成装置100において定着ローラ21の温度と、降圧チョッパ回路104及びキャパシタバンク111から供給される電力の関係を示した図である。本図において、期間Aは定着リロード期間を示し、期間Bは待機状態期間を示し、期間C〜Eが印刷動作期間を示している。そして、この期間Cにおいてコピー動作等により定着温度が低下した場合に、期間Dにおいて降圧チョッパ回路104からの電力の供給が停止し、キャパシタバンク111からDC定着ヒータ105に電力が供給される。これにより、画像形成装置100の電力上限を超えて電力を供給できる。これにより、定着ローラ21の温度を迅速に定着目標温度まで復旧させることができる。なお、実際に行われる具体的な処理については後述する。
そして、図5に示すように、定着ローラの温度が定着目標温度に到達した場合、キャパシタバンク111からの電力は停止され、降圧チョッパ回路104からのみ電力が供給される。
次に、以上のように構成された本実施の形態にかかる画像形成装置100が、エンジン制御部10のCPU10aの制御により一連のコピー動作モードを実施する場合について説明する。図6は、本実施の形態にかかる画像形成装置100における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
まず、CPU10aは、主電源ON又は省エネモード解除により電力が供給されると、エンジン制御部10のCPU10a、その周辺回路及びメモリー関連の初期設定を行う(ステップS501)。
次に、CPU10aは、主電源ON又は省エネモード解除にセットされる立ち上げフラグをセットする(ステップS502)。この立ち上げフラグは、‘1’とする。
次に、CPU10aは、キャパシタバンク111の蓄電力が、DC定着ヒータ105に供給されるように、立ち上げ補助を行う(ステップS505)。そして、立ち上げた後は、待機状態となる。この際に、立ち上げフラグが‘0’に戻されるが、戻されるまでの詳細な手順については後述する。
そして、CPU10aは、この待機状態を継続して良いか否か判断する(ステップS506)。なお、この待機状態を継続して良いか否かは、コピー動作指示信号の入力の有無や待機時間になって一定時間経過したかにより判断する。
待機状態を継続して良いと判断した場合(ステップS506:Yes)、CPU10aは、待機状態を維持するために降圧チョッパ回路104を介してDC定着ヒータ105に電力が供給されるように、及びAC定着ヒータ制御回路43によりAC定着ヒータ30に電力供給が行われるように制御を行う(ステップS507)。
そして、CPU10aは、DC定着ヒータ105に降圧チョッパ回路104から、電力が供給されているか否か判断する(ステップS508)。また、電力を供給していると判断した場合(ステップS508:Yes)、特に処理は行わない。
また、CPU10aは、DC定着ヒータ105に降圧チョッパ回路104から、電力が供給されていないと判断した場合(ステップS508:No)、キャパシタバンク111を充電するために、充電指示信号または充電許可信号を送信する(ステップS509)。
また、CPU10aは、待機状態を中断すると判断した場合(ステップS506:No)、コピー動作に移るか否かを、コピー動作指示信号により判断する(ステップS510)。
そして、CPU10aはコピー動作に移ると判断した場合(ステップS510:Yes)、コピー動作を開始すると共に、充電禁止信号を送信する(ステップS511)。
次に、CPU10aは、降圧チョッパ回路104によりDC定着ヒータ105に電力供給し、AC定着ヒータ制御回路43によりAC定着ヒータ30に電力供給すると共に、定着ローラ21が設定温度以下の場合はキャパシタバンク111から蓄電力を使用する(ステップS512)。連続コピー動作中は、このような動作を繰り返し、定着ローラ21を一定温度以内になるように制御する。なお、一定温度になるように制御する手順については、後述する。
そして、CPU10aは、コピー動作には移らないと判断した場合(ステップS510:No)、コピー動作の終了又は待機状態が継続してから、一定時間が経過したか否か判断する(ステップS513)。
そして、一定時間経過したと判断した場合(ステップS513:Yes)、CPU10aの制御により画像形成装置100は省エネモードに移行する。そして、省エネモード中は充電が可能なので、CPU10aは、充電指示信号または充電許可信号を送信する(ステップS514)。
そして、利用者が省エネ解除キー等を押下することで、この省エネモード中が終了する(ステップS515)。そして、省エネモードが解除された後は、初期設定から開始される(ステップS501)。
また、一定時間経過していないと判断した場合(ステップS513:No)、CPU10aは、特に処理を行わず、ステップS506からの処理を開始する。
また、CPU10aは、キャパシタバンク111の端子間電圧を充電電圧検出回路16により検出し、キャパシタバンク111の電力放電が可能か判断する。また、CPU10aは、DC定着ヒータ105に供給する電圧値または、定着装置の立ち上げ用のパターン等を,出力制御部103のCPU103aに出力する。
次に、以上のように構成された本実施の形態にかかる画像形成装置100の動作状況に応じて切り替えられるDC定着ヒータ150への電力供給、又はキャパシタバンク111への充電の処理手順について説明する。図7及び図8は、本実施の形態にかかる画像形成装置100における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
ところで、画像形成装置100の動作状況の判断はエンジン制御部10のCPU10aが行う。そこで、まずCPU10aは、立ち上げフラグがセットされているか否か判断する(ステップS2501)。この立ち上げフラグは、図6で示した立ち上げフラグであり、主電源がオンとなる時又は省エネルギーモードが解除される時に、‘1’が設定される。
そして、CPU10aは、立ち上げフラグに‘1’が設定されていると判断した場合(ステップS2501:Yes)、CPU10aは、出力制御部103から満充電信号を受信しているか、またはキャパシタバンク111の充電電圧が41V以上か、A/Dポート10bから判断する(ステップS2502)。このように、本実施の形態では、キャパシタバンク111に充電されている電力の使用を開始するための基準となる充電電圧の値を41Vとした。
次に、CPU10aは、充電電圧が41V以上であると判断した場合(ステップS2502:Yes)、定着ローラ21の温度が予め定められた第1の温度以下であるか否か、A/Dポート10bにより判断する(ステップS2503)。なお、第1の温度とは、定着ローラ21に対してさらに加熱が必要な程度に低い温度とする。この第1の温度の例としては、170度とする。
そして、CPU10aは、定着ローラ21の温度が予め定められた第1の温度以下であると判断した場合(ステップS2503:Yes)、充電電圧が30V以上か否か判断する(ステップS2504)。
次に、CPU10aは、充電電圧が30V以上であることが判断した場合(ステップS2504:Yes)、キャパシタバンク111に対して充電を禁止する制御を行う(ステップS2505)。なお、充電を禁止するための制御については後述する。
そして、CPU10aは、キャパシタバンク111の蓄電力をDC定着ヒータ105に供給して、DC定着ヒータ105を駆動させる(ステップS2506)。その後、CPU10aは、定着ローラ21の温度が予め定められた第1の温度以下か否か判断する処理を再び行う(ステップS2503)。
次に、CPU10aは、定着ローラ21の温度が予め定められた第1の温度を超えていると判断した場合(ステップS2503:Yes)、又はキャパシタバンク111の充電電圧が41V以上でないと判断した場合(ステップS2502:No)、定着ローラ21の温度が予め定められた第2の温度以下か否か判断する(ステップS2507)。なお、この予め定められた第2の温度は、上述した第1の温度より高い温度ではあるが、まだ定着ローラ21に対して加熱が必要な温度とする。なお、本実施の形態では第2の温度を178度とする。
そして、CPU10aは、第2の温度以下と判断した場合(ステップS2507:Yes)、キャパシタバンク111に対して充電を禁止する制御を行う(ステップS2508)。次に、CPU10aは、降圧チョッパ回路104により制御された電圧でDC定着ヒータ105に電力が供給されるように制御を行い、DC定着ヒータ105を駆動させる(ステップS2509)。その後、CPU10aは、定着ローラ21の温度が予め定められた第1の温度以下か否か判断する処理を再び行う(ステップS2503)。
そして、CPU10aは、定着ローラ21の温度が予め定められた第2の温度を超えていると判断した場合(ステップS2507:No)、定着ローラ21がリロード温度(180℃)に達したか確認する(ステップS2510)。
このときCPU10aは、リロード温度に達していないと判断した場合(ステップS2510:No)、定着ローラ21の温度が第1の温度を超えているか否かの判断を再び行う(ステップS2503)。なお、当該処理時にDC定着ヒータ105が駆動しているのであれば、継続してDC定着ヒータ105を駆動させるものとする。
そして、CPU10aは、リロード温度に達成したと判断した場合(ステップS2510:Yes)、DC定着ヒータ105の駆動を停止させる制御を行う(ステップS2511)。
その後、CPU10aは、降圧チョッパ回路104により制御された電圧で、キャパシタバンク111の充電を行う(ステップS2512)。なお、詳細な充電手順については後述する。
この際、立ち上がりフラグはリセットされるものとする。そして、CPU10aは、画像形成装置100のステータスを待機状態とする(ステップS2513)。
そして、CPU10aは、立ち上げフラグに‘1’が設定されていないと判断した場合(ステップS2501:No)、又はステップS2513の処理の後、コピー信号未受信、及び画像形成装置100のステータスが待機状態であるか否かを判断する(ステップS2514)。
そして、CPU10aは、コピー信号未受信で、待機状態であると判断した場合(ステップS2514:Yes)、定着ローラ21の温度が予め定められた第2の温度より小さいか否かを判断する(ステップS2515)。
そして、CPU10aは、定着ローラ21の温度が予め定められた第2の温度より小さいと判断した場合(ステップS2515:Yes)、キャパシタバンク111に対して充電を禁止する制御を行う(ステップS2516)。次に、CPU10aは、降圧チョッパ回路104により制御された電圧でDC定着ヒータ105に電力が供給されるように制御を行い、DC定着ヒータ105を駆動させる(ステップS2517)。
そして、CPU10aは、DC定着ローラ21の温度が予め定められた第2の温度以上であると判断した場合(ステップS2515:No)、定着ローラ21の温度がリロード温度(180℃)以上であるか否かを判断する(ステップS2518)。
そして、CPU10aは、定着ローラ21のリロード温度(180℃)以上ではないことを判断した場合(ステップS2518:No)、コピー信号が無く画像形成装置100のステータスが待機状態であるか否かを再び判断する(ステップS2514)。
また、CPU10aは、定着ローラ21の温度がリロード温度(180℃)以上であると判断した場合(ステップS2518:Yes)、A/Dポート10bから入力される信号から、キャパシタバンク111の充電電圧が44V以下か否かを確認する(ステップS2519)。
そして、CPU10aは、充電電圧が44V以下と判断した場合(ステップS2519:Yes)、降圧チョッパ回路104により制御された電圧で、キャパシタバンク111の充電を行う(ステップS2520)。
また、CPU10aは、充電電圧が44Vより大きいと判断した場合(ステップS2519:No)、キャパシタバンク111に対して充電を禁止する制御を行う(ステップS2521)。
さらに、CPU10aは、キャパシタバンク111から、DC定着ヒータ105の駆動を禁止させる制御を行う(ステップS2522)。
そして、ステップS2517、S2520及びS2522の後、CPU10aは、ステータスが待機状態になってから所定時間経過したか否か判断する(ステップS2523)。その際、CPU10aが所定時間経過したと判断した場合(ステップS2523:Yes)、ステータスを省エネとする(ステップS2524)。その後、CPU10aは、画像形成装置100のコピー信号未受信であり、且つステータスが待機状態であるか否かを再び判断する(ステップS2514)。
この際、CPU10aが、画像形成装置100のコピー信号を受信した、若しくはステータスが待機状態ではないと判断した場合(ステップS2514:No)、図8に移り、画像形成装置100がコピー動作中であるか否かを判断する(ステップS2531)。
そして、CPU10aは、コピー動作中であると判断した場合(ステップS2531:Yes)、定着ローラ21の温度が第1の温度以下であるか否か判断する(ステップS2532)。
次に、CPU10aは、第1の温度以下であると判断した場合(ステップS2532:Yes)、キャパシタバンク111の充電電圧が35V以上であるか否かを判断する(ステップS2533)。
そして、CPU10aは、キャパシタバンク111の充電電圧が35V以上であると判断した場合(ステップS2533:Yes)、キャパシタバンク111に対して充電を禁止する制御を行う(ステップS2534)。
次に、CPU10aは、キャパシタバンク111の蓄電力をDC定着ヒータ105に供給して、DC定着ヒータ105を駆動させる(ステップS2535)。その後、CPU10aは、再び画像形成装置100がコピー動作中であるか否かを判断することになる(ステップS2531)。
また、CPU10aは、第1の温度を超えていると判断した場合(ステップ2532:No)、第2の温度以下であるか否かを判断する(ステップS2536)。
次に、CPU10aは、定着ローラ21の温度が、第2の温度以下と判断した場合(ステップS2536:Yes)、キャパシタバンク111に対して充電を禁止する制御を行う(ステップS2537)。
次に、CPU10aは、降圧チョッパ回路104により制御された電圧でDC定着ヒータ105に電力が供給されるように制御を行い、DC定着ヒータ105を駆動させる(ステップS2538)。
次に、CPU10aは、定着ローラ21の温度が、第2の温度を超えていると判断した場合(ステップS2536:No)、定着ローラ21の温度がリロード温度(180℃)以上であるか否かを判断する(ステップS2539)。
そして、CPU10aは、定着ローラ21のリロード温度(180℃)以上ではないことを判断した場合(ステップS2539:No)、コピー動作中か否かを再び判断する(ステップS252531)。
また、CPU10aは、定着ローラ21の温度がリロード温度(180℃)以上であると判断した場合(ステップS2539:Yes)、DC定着ヒータ105の駆動を停止させる制御を行う(ステップS2540)。
そして、CPU10aは、コピー動作中ではないと判断した場合(ステップS2531:No)、画像形成装置100のステータスが省エネか否か判断する(ステップS2541)。そして、CPU10aは、ステータスが省エネでは無いと判断した場合(ステップS2541:No)、図7に戻り、コピー信号未受信、及び画像形成装置100のステータスが待機状態であるか否かを判断する(ステップS2514)。
また、CPU10aは、ステータスが省エネであると判断した場合(ステップS2541:Yes)、画像形成装置100を省エネモードにする制御を行う(ステップS2542)。
その後、CPU10aは、降圧チョッパ回路104により制御された電圧で、キャパシタバンク111の充電を行う(ステップS2520)。
次に、CPU10aは、利用者から省エネ解除キーの押下があったか否かを判断する(ステップS2544)。そして、省エネ解除キーの押下が無いと判断した場合(ステップS2544:No)、ステップS2542〜S2543までの処理を行う。
また、CPU10aは、省エネ解除キーの押下があったと判断した場合(ステップS2544:Yes)、立ち上がりフラグを‘1’に設定する(ステップS2545)。その後、CPU10aは再び立ち上がりフラグが‘1’であるか否かの判断から再開する(ステップS2501)。
上述した処理手順により、画像形成装置100では、降圧チョッパ回路104を制御することで、AC電源112からDC定着ヒータ105に電力を供給する際の定着電圧とは異なる充電電圧で、キャパシタバンク111に対して充電を行うことができる。
ところで、キャパシタバンクに格納されているキャパシタセルは過充電等により破損しやすい高価な部品である。このため、画像形成装置内にキャパシタセルを配置する場合に破損しないように考慮する必要がある。そこで、従来から存在する、AC電源から供給される電力をDC定着ヒータとキャパシタバンクとで切り替える画像形成装置では、降圧チョッパ回路による電圧の制御が行われない以上、キャパシタバンクに対して、AC電源の供給電圧で電力が供給されることになる。
この従来から存在する画像形成装置では、AC電源からの供給電圧が100Vであり、キャパシタの定格電圧が2.5Vとした場合、40個のキャパシタセルが必要となる。しかしながら、AC電源からの供給電圧は国により異なる。このため、従来から存在する画像形成装置を、各国に供給する場合、国毎の供給電圧に応じてキャパシタセルの数を変更する必要がある。このように供給電圧に応じてキャパシタセルを配置することは、生産工程の作業負担及びコスト面を考慮しても現実的とは言えない。
そこで、本実施の形態にかかる画像形成装置100では、降圧チョッパ回路104による電圧の制御で、キャパシタバンク111に対して適切な充電電圧で充電を行うこととした。これにより、AC電源112から供給される供給電圧とは異なる電圧で充電を行うことができる。これにより、キャパシタセルの配置がAC電源に制限されなくなるので、画像形成装置100を供給電圧の異なるさまざまな国で利用することが可能となる。さらに、画像形成装置100では、DC定着ヒータが必要とする電力、及び画像形成装置のコスト等に基づいて、適切な数のキャパシタセルを配置することが可能となる。
そして、この降圧チョッパ回路104による供給電圧の変更は、出力制御部103から出力されるPWM信号に従って行われる。つまり、画像形成装置100においては、出力制御部103から出力されるPWM信号のデューティ比により、降圧チョッパ回路104のFET113が制御することができるので、電力の供給先に応じて適切な供給電圧で電力を供給することができる。このデューティ比による供給電圧の変更手法としては、例えばキャパシタバンク111に充電する場合、キャパシタバンク111の充電する際の基準電圧と、検出されたフィードバック電圧の差分にゲインを掛けて、前回のデューティ比から値を増減させることとする。なお、フィードバック電圧については後述する。
次に、以上のように構成される本実施の形態にかかる画像形成装置100のキャパシタバンク111の充電制御について説明する。キャパシタバンク111への充電は図7及び図8のステップS2512、S2520及びS2543のいずれについても同様の制御が行われるものとして、以下に説明する。図9は、本実施の形態にかかる出力制御部103におけるキャパシタバンク111に充電する処理の手順を示すフローチャートである。
まず、A/Dコンバータ103cがキャパシタバンク111の充電電圧を、そして充電電流検出回路103dがキャパシタバンク111への充電電流を監視する(ステップS2601)。そして、CPU103aは、A/Dコンバータ103cが監視している充電電圧が、第1の基準充電電圧以下であるか否か判断する(ステップS2602)。CPU103aが、充電電圧が第1の基準充電電圧以下と判断した場合(ステップS2602:Yes)、定電流制御で充電するようにPWM発生回路103eに対して指示を行う(ステップS2603)。なお、基準充電電圧とは、実行する処理を切り替える基準となるキャパシタバンク111の充電電圧の値をいう。この基準充電電圧(第1の基準充電電圧及び第2の基準充電電圧)の具体的な値は、キャパシタバンク111の容量等に応じて適切な値を設定することとする。そして、その後も継続して充電電流及び充電電圧の監視が行われる(ステップS2601)。
上記の定電流制御の手法としては、キャパシタバンク111と直列に接続された抵抗R1から検出された端子間電圧をフィードバック電圧として、当該フィードバック電圧を一定に保つように制御を行うことで、流れる電流を一定に保つことができる。そして、充電電流検出回路103dが当該端子間電圧を監視しているので、PWM発生回路103eは、定電流制御用に予め定められている基準電圧と、検出されたフィードバック電圧の差分にゲインを掛けて、前回のデューティ比から値を増減させることとする。そして、PWM発生回路103eは、変更されたデューティ比のPWM信号を出力する。これにより、本実施の形態にかかる画像形成装置100で定電流制御を行うことができる。
次に、CPU103aが、充電電圧が第1の基準充電電圧より大きいと判断した場合(ステップS2602:No)、充電電圧が第2の基準充電電圧以下であるか否か判断する(ステップS2604)。そして、CPU103aが、充電電圧が第2の基準充電電圧以下であると判断した場合(ステップS2604:Yes)、PWM発生回路103eにより定電力制御を行う(ステップS2605)。そして、CPU103aは、その後、充電電圧の監視を行う(ステップS2601)。なお、第2の基準充電電圧は、第1の基準充電電圧より大きい値とする。
なお、本実施の形態とは異なるが、第2の基準充電電圧以上となった場合ではなく、バイパス回路の動作(例えば、単セル満充電信号が入力された場合)に応じて定電力制御と定電流制御を切り替えることしても良い。
そして、PWM発生回路103eが行う定電力制御について説明する。PWM発生回路103eは、定電力制御用に設定された基準電圧と、A/Dコンバータ103cが監視しているキャパシタバンク111の端子間電圧とから、抵抗R1から検出されるべき目標出力電圧を算出する。そして、CPU103aは、抵抗R1から検出される端子間電圧をフィードバック電圧として、フィードバック電圧と目標出力電圧との差分にゲインを掛けて、前回のデューティ比から値を増減させることとする。そして、出力制御部103は、変更されたデューティ比のPWM信号を出力する。これにより、本実施の形態にかかる画像形成装置100で定電力制御を行うことができる。
また、CPU103aが、充電電圧が第2の基準充電電圧より大きいと判断した場合(ステップS2604:No)、低電流により定電流制御を行うこととする(ステップS2606)。
そして、出力制御部103は、ステップS2606の処理を、全セル満充電信号が入力されるまで行い、前セル満充電信号が入力されたと判断した場合に、PWM信号の出力を停止して処理を終了する。
上述した処理手順により、本実施の形態にかかる画像形成装置100では、キャパシタバンク111への充電電流及びキャパシタバンク111の充電電圧に応じて、定電流制御及び定電力制御を切り替えて、キャパシタバンク111に供給する電力を制御することとした。これにより、キャパシタバンク111のキャパシタセルが破損しないように充電を行うことを可能とした。
ところで、キャパシタバンク111のキャパシタセルは実際には固体毎に容量が異なる。このため、画像形成装置100では、キャパシタバンク111の充電電圧が第2の基準充電電圧より大きい場合に、低電流で定電流制御を行うこととした。これにより、各キャパシタセルの充電状況に応じて適切な電流制御を行うことができるので、それぞれのキャパシタセルの劣化を防止することができる。これにより、キャパシタバンク111の高寿命化が図られると共に、充電回路を保護することができる。
次に、図7のステップS2501〜S2512で示した処理手順の詳細な制御の説明として、画像形成装置100のエンジン制御部10のCPU10aが定着装置400を立ち上げる場合に行う制御について説明する。図10は、本実施の形態にかかるCPU10aにおける上述した処理の手順を示すフローチャートである。
図10で示した処理手順を行う前に、キャパシタバンク111は、予め大容量電力が蓄積されている状態とする。そして、図10で示した処理手順では、画像形成装置100の立ち上げ時にキャパシタバンク111からDC定着ヒータ105に電力を供給する。その後、定着ローラ21の温度が予め定められた温度を超えた場合、又はキャパシタバンク111の充電電圧が30Vより低下した場合、DC定着ヒータ105は、降圧チョッパ回路104から電力供給を行う。次に、各処理順に説明する。
まず、エンジン制御部10のCPU10aは、立ち上げフラグがセットされているか否か確認する(ステップS601)。この立ち上げフラグは、図6において説明した立ち上げフラグとし、主電源がオンとなる時又は省エネルギーモードが解除される時に、‘1’がセットされている。立ち上げフラグに‘1’がセットされていない場合(ステップS601:No)、処理を終了する。
そして、CPU10aが、立ち上げフラグに‘1’がセットされていると判断した場合(ステップS601:Yes)、エンジン制御部10のCPU10aは、出力制御部103から満充電信号を受信しているか、またはキャパシタバンク111の充電電圧が41V以上か、A/Dポート10bにより確認する(ステップS602)。このように、本実施形態では、充電されていると判断する充電電圧を、例として41Vとした。以下に示した電圧値についても同様に例とする。
次に、CPU10aが満充電信号を受信している、又は充電電圧が41V以上であることが確認できた場合(ステップS602:Yes)、定着ローラ21の温度が予め定められた第1の温度以下であるか否か、A/Dポート10bにより確認する(ステップS603)。なお、温度検出は、温度検出回路28または温度検出回路33または、温度検出回路28、33の両方により確認する。
そして、CPU10aは、定着ローラ21の温度が予め定められた第1の温度以下であることが確認できた場合(ステップS603:Yes)、充電電圧が30V以上か否か確認する(ステップS604)。
次に、CPU10aは、充電電圧が30V以上であることが確認できた場合(ステップS604:Yes)、出力制御部103に対して、PWM信号の出力停止信号を出力する(ステップS605)。
そして、CPU10aは、充電動作を禁止させるための充電禁止信号を出力制御部103に送信する(ステップS606)。
次に、CPU10aは、キャパシタバンク111への電力供給をオフにするために、ポート2より、IGBT110をオフにする信号を出力する(ステップS607)。
そして、CPU10aは、キャパシタバンク111の蓄電力をDC定着ヒータ105に供給するために、ポート3よりIGBT109をオンにする信号を出力する(ステップS608)。
次に、CPU10aは、DC定着ヒータ105に電力を供給するために、ポート1よりFET106をオンにする信号を出力する(ステップS609)。
そして、CPU10aは、AC定着ヒータ30をオンにする信号をポート4より出力する(ステップS610)。これにより、DC定着ヒータ105に電力が供給される。その後、CPU10aは、定着ローラ21の温度が予め定められた第1の温度以下かA/Dポート10bにより確認するところから再び処理を行う(ステップS603)。なお、このような処理を、定着ローラ21が、予め定められた第1の温度を超えるか、またはキャパシタバンク111の充電電圧が30Vより低下するまで行われる。
次に、CPU10aは、定着ローラ21の温度が予め定められた第1の温度を超えていることを確認した場合(ステップS603:Yes)、又は満充電信号を受信していない若しくはキャパシタバンク111の充電電圧が41V以上でないことを確認した場合(ステップS602:No)、定着ローラ21の温度が予め定められた第2の温度以下か確認する(ステップS611)。なお、この予め定められた第2の温度は、例えば、178度とする。
そして、CPU10aは、第2の温度以下の場合(ステップS611:Yes)、ポート2よりIGBT110をオフにする信号を出力する(ステップS612)。
次に、CPU10aは、ポート3よりIGBT109をオフにする信号を出力する(ステップS613)。これにより、キャパシタバンク111は切り離され、降圧チョッパ回路104より、DC定着ヒータ105に電力供給されることになる。
そして、CPU10aは、ポート1よりFET106をオンにする信号を出力する(ステップS614)。
次に、CPU10aは、出力制御部103に対して、DC定着ヒータ105に電力供給するパルス幅変調パターンを送信する(ステップS615)。なお、CPU10aは、出力制御部103に対して、DC定着ヒータ105に電力供給する電圧値を送信してもよい。これにより、出力制御部103は、FET113を制御して、DC定着ヒータ105に適切な電力が供給される。
そして、CPU10aは、充電動作を禁止させるための充電禁止信号を送信する(ステップS616)。
次に、CPU10aは、AC定着ヒータ30をオンにする信号をポート4より出力する(ステップS617)。
次に、CPU10aは、出力制御部103に電力供給モード信号を送信する(ステップS618)。上述した一連の処理により、降圧チョッパ回路104から、DC定着ヒータ105に電力が供給される。
つまり、画像形成装置100が、主電源がオンにされた時又は省エネモードが解除された時において、定着ローラ21の温度が第1の温度(170℃)を超えて第2の温度(178℃)以下の場合、上記した処理(ステップS612〜ステップS618)が行われることになる。また、立ち上げ時において充電電圧が30Vより下がった場合においても、上述した処理(ステップS612〜ステップS618)が行われ、降圧チョッパ回路104から、DC定着ヒータ105に電力を供給するように切り替えられる。
そして、CPU10aは、定着ローラ21の温度が予め定められた第2の温度を超えたことを確認した場合(ステップS611:No)、定着ローラ21がリロード温度(180℃)に達したか確認する(ステップS619)。
このときCPU10aは、リロード温度に達していないことを確認した場合(ステップS619:No)、定着ローラ21の温度が第1の温度を超えているか否かから確認が行われる(ステップS603)。そして、第1の温度を超えて第2の温度以下の場合、降圧チョッパ回路104から、DC定着ヒータ105に電力供給が継続されることになる。
そして、CPU10aは、リロード温度に達成したことを確認した場合(ステップS619:Yes)、立ち上がりフラグをリセットする(ステップS620)。つまり、立ち上げフラグが‘0’になったことを示している。
次に、CPU10aは、定着リロードフラグをセットする(ステップS621)。そして、CPU10aは、ポート1よりFET106をオフにする信号を出力する(ステップS622)。
次に、CPU10aは、AC定着ヒータ30をオフにする信号をポート4より出力する(ステップS623)。
そして、CPU10aは、充電動作を行うために、ポート2より、IGBT110をオンにする信号を出力する(ステップS624)。次に、CPU10aは、充電許可信号を送信する(ステップS625)。このような手順で、本実施の形態にかかる画像形成装置100においては、定着立ち上げが行われる。
次に、図7のステップS2514〜S2522で示した処理手順の詳細な制御の説明として、エンジン制御部10のCPU10aが、画像形成装置100の待機時に行う制御について説明する。図11は、本実施の形態にかかるCPU10aにおける上述した処理の手順を示すフローチャートである。
図11のフローチャートは、待機時におけるAC定着ヒータ30の制御と、降圧チョッパ回路104から電力が供給されるDC定着ヒータ105の制御と、充電を行うための送信される充電許可信号を制御するフローチャートである。
まず初めに、CPU10aは、コピー信号未受信及びステータスが待機状態であるか否かを確認する(ステップS701)。そして、CPU10aは、待機状態でないことを確認した場合(ステップS701:No)、本フローを終了する。
そして、CPU10aは、コピー信号未受信及びステータスが待機状態であることを確認した場合(ステップS701:Yes)、定着ローラ21の温度が予め定められた第1の待機温度(例として178℃)以下か否かを確認する(ステップS702)。
次に、CPU10aは、予め定められた第1の待機温度(例として178℃)以下の場合は(ステップS702:Yes)、定着リロードフラグをリセットする(ステップS703)。なお、画像形成装置100の待機時において、通常、定着リロードフラグがリセットされることは無い。しかしながら、画像形成装置100のドア等が開けられるとDC定着ヒータ105及びAC定着ヒータ30への電力供給が停止される。これにより、第1の待機温度(例として178℃)以下となり、定着リロードフラグがリセットされる。
次に、CPU10aは、定着ローラ21の温度が予め定められた第2の待機温度(例として179℃)以下か否かを確認する(ステップS704)。
そして、CPU10aは、予め定められた第2の待機温度(例として179℃)以下の場合(ステップS704:Yes)、ポート1よりFET106をオンにする信号を出力する(ステップS705)。
次に、CPU10aは、出力制御部103のCPU103aに対して、DC定着ヒータ105に供給される基準電圧の電圧値を送信する(ステップS706)。この基準電圧の算出手法について説明する。まず、A/Dポート10bに入力された定着ローラ21の表面温度(定着温度)には、サーミスタ28の応答などによる時間遅れが生じているため、CPU10aは、入力された表面温度と、当該表面温度の変動する傾向(上昇しているか又は下降しているか)、及び変動量(上昇量又は下降量)に基づいて、基準電圧を算出する。
そして、基準電圧の電圧値は、CPU103aにより、PWM発生回路103eに転送される。さらに、PWM発生回路103eは、降圧電圧検出回路4から降圧チョッパ回路104により降圧された電圧がフィードバックされる。そこで、PWM発生回路103eは、変更された基準電圧と、降圧電圧検出回路4から降圧された電圧との差分にゲインを掛けて、前回のデューティ比から値を増減させることとする。そして、PWM発生回路103eは、算出されたデューティ比のPWM信号を降圧チョッパ回路104のFET113に出力する。
次に、CPU10aは、AC定着ヒータ30をオンにする信号をポート4より出力する(ステップS707)。次に、CPU10aは、充電禁止信号を送信する(ステップS708)。そして、CPU10aは、出力制御部103に電力供給モード信号を送信する(ステップS709)。このようにして、定着ローラ21の温度が低下した場合でも待機状態を継続される。
そして、CPU10aは、定着ローラ21の温度が予め定められた第2の待機温度を超えたことを確認した場合(ステップS704:No)、定着ローラ21の温度がリロード温度(180℃)以上であるか否かを確認する(ステップS710)。
そして、CPU10aは、定着ローラ21のリロード温度(180℃)以上ではないことを確認された場合(ステップS710:No)、AC定着ヒータ30及びDC定着ヒータ105に電力供給が継続される。そして、待機状態であるか否かの確認から再び処理が行われる(ステップS701)。
また、CPU10aは、定着ローラ21の温度がリロード温度(180℃)以上であることを確認した場合(ステップS710:Yes)、ポート1からFET106をオフにする信号を出力する(ステップS711)。
そして、CPU10aは、ポート4よりAC定着ヒータ30をオフにする信号を出力する(ステップS712)。次に、CPU10aは、定着リロードフラグをセットする(ステップS713)。
次に、CPU10aは、A/Dポート10bから入力される信号から、キャパシタバンク111の充電電圧が44V以下か否かを確認する(ステップS714)。
そして、CPU10aは、充電電圧が44V以下の場合(ステップS714:Yes)ポート3より、IGBT109をオフにする信号を出力する(ステップS715)。
次に、CPU10aは、定電流充電する電流値を出力制御部103に送信する(ステップS716)。そして、CPU10aは、定電力充電する電力値を出力制御部103に送信する(ステップS717)。さらに、CPU10aは、ポート2から、IGBT110をオンにする信号を出力する(ステップS718)。
その後、CPU10aは、タイマによる計測時間が‘N’に達する否か確認する(ステップS719)。計測時間が‘N’に達しない場合(ステップS719:No)、‘N’になるまで確認し続ける。つまり、一定時間待機することとなる。
そして、計測時間が‘N’に達したことを確認した場合(ステップS719:Yes)、充電許可信号を送信する(ステップS720)。そして、待機状態であるか否かの確認から再び処理が行われる(ステップS701)。このようにして、待機状態が継続する。なお、待機状態を継続する。なお、本実施の形態においては、スイッチング回路としてIGBTを用いた。この場合、一定時間待機した後に、充電動作を実施しなくても特に問題無い。しかしながら、後述する第2の実施の形態のように、スイッチング回路にリレーを使用した場合、リレーの接点溶着防止の効果がある。
上記一連の動作により、出力制御部103のPWM発生回路103eが、充電動作を行うことが可能となる。
また、CPU10aは、充電電圧が44Vを超えることを確認した場合(ステップS714:No)、ポート3より、IGBT109をオフにする信号を出力する(ステップS721)。
次に、CPU10aは、ポート2より、IGBT110をオフにする信号を出力する(ステップS722)。そして、待機状態であるか否かの確認から再び処理が行われる(ステップS701)。このようにして、待機状態が継続する。
次に、図8のステップS2531〜S2540で示した処理手順の詳細な制御の説明として、エンジン制御部10のCPU10aが、DC定着ヒータ105を制御して、連続コピー動作時に定着温度を保持する制御について説明する。図12は、本実施の形態にかかるCPU10aにおける上述した制御の手順を示すフローチャートである。
図12のフローチャートは、連続コピー時に、降圧チョッパ回路104によりDC定着ヒータ105に電力供給、及びAC定着ヒータ制御回路43によりAC定着ヒータ30に電力供給を制御する。そして、定着ローラ21の温度が予め定められた第1の定着温度以下(温度落ち込み)であることが確認されると、キャパシタバンク111の蓄電力を用いて、DC定着ヒータ105に電力を供給する。そして、定着ローラ21の温度が、第1の定着温度以上で、予め定められた第2の定着温度以下にまで復帰すると、キャパシタバンク111の蓄電力の使用を停止して、再び降圧チョッパ回路104によりDC定着ヒータ105に対して、電力供給する。
まず、CPU10aは、画像形成装置100がコピー動作中であるか否かを確認する(ステップS801)。そして、CPU10aは、コピー動作中でないことを確認した場合(ステップS801:No)、本フローを終了する。
そして、CPU10aは、コピー動作中であることを確認した場合(ステップS801:Yes)、定着ローラ21の温度が第1の温度以下であるか否か確認する(ステップS802)。このような確認処理を行うことで、温度落ち込みがあるか否か確認できる。
次に、CPU10aは、第1の温度以下であることを確認した場合(ステップS802:Yes)、キャパシタバンク111の充電電圧を確認する(ステップS803)。
そして、CPU10aは、キャパシタバンク111の充電電圧が35V以上であることを確認した場合(ステップS803:Yes)、出力制御部103のCPU103aに対して、PWM信号の出力を停止させる信号を出力する(ステップS804)。さらに、CPU10aは、CPU103aに対して、充電動作を禁止させるための充電禁止信号を送信する(ステップS805)。
次に、CPU10aは、キャパシタバンク111への電力供給をオフにするため、ポート2から、IGBT110をオフにする信号を出力する(ステップS806)。
そして、CPU10aは、キャパシタバンク111の蓄電力をDC定着ヒータ105に供給するために、ポート3から、IGBT109をオンにする信号を出力する(ステップS807)。
次に、CPU10aは、ポート1よりFET106をオンにする信号を出力する(ステップS808)。そして、CPU10aは、AC定着ヒータ30をオンにする信号をポート4より出力する(ステップS809)。
そして、CPU10aは、第1の温度を超えていることを確認した場合(ステップS802:No)、第2の温度以下であるか否かを、A/Dポート10bにより確認する(ステップS810)。
次に、CPU10aは、定着ローラ21の温度が、第2の温度以下の場合(ステップS810:Yes)、ポート2よりIGBT110をオフにする信号を出力する(ステップS811)。
そして、CPU10aは、ポート3より、IGBT109をオフにする信号を出力する(ステップS812)。次に、CPU10aは、ポート1よりFET106をオンにする信号を出力する(ステップS813)。さらに、CPU10aは、出力制御部103に対して、DC定着ヒータ105に電力供給する電圧値を送信する(ステップS814)。なお、CPU10aは、電圧値ではなく、パルス幅変調パターンを送信してもよい。
そして、CPU10aは、充電動作を禁止させるための充電禁止信号を送信する(ステップS815)。次に、CPU10aは、AC定着ヒータ30をオンにする信号をポート4から出力する(ステップS816)。これにより、キャパシタバンク111は切り離され、降圧チョッパ回路104からDC定着ヒータ105に電力が供給されることになる。
次に、CPU10aは、定着ローラ21に電力を供給するために、出力制御部103に電力供給モード信号を送信する(ステップS817)。このような処理により、降圧チョッパ回路104から、DC定着ヒータ105に電力が供給される。
そして、CPU10aは、定着ローラ21の温度が第2の温度を超えた場合(ステップS810:No)、定着ローラ21がリロード温度(180℃)に達したか確認する(ステップS818)。
このときCPU10aは、リロード温度に達していないことを確認した場合(ステップS818:No)、コピー動作中であるか否かから確認が行われる(ステップS801)。つまり、コピー動作中で第2の温度以上であれば、降圧チョッパ回路104及びAC定着ヒータ制御回路43からDC定着ヒータ105及びAC定着ヒータ30への電力供給が継続される。
そして、CPU10aは、リロード温度に達成したことを確認した場合(ステップS818:Yes)、ポート1よりFET106をオフにする信号を出力する(ステップS819)。そして、CPU10aは、AC定着ヒータ30をオフにする信号をポート4より出力する(ステップS820)。このようにして、コピー動作が継続される。
次に、出力制御部103のCPU103aが、上述した電力供給モード信号等の信号を受信した場合にセットするフラグについて説明する。図13は、本実施の形態にかかるCPU103aにおける電力供給モード信号等の信号を受信した場合にフラグをセットする処理の手順を示すフローチャートである。
まず、CPU103aは、CPU10aから電力供給モード信号を受信しているか否か確認する(ステップS1001)。
そして、CPU103aは、電力供給モード信号を受信していることを確認した場合(ステップS1001:Yes)、電力供給モードフラグをセットして(ステップS1002)、本フローを終了する。
また、CPU103aは、電力供給モード信号を受信していないことを確認した場合(ステップS1001:No)、充電許可信号を受信しているか否か確認する(ステップS1003)。
そして、CPU103aは、充電許可信号を受信していることを確認した場合(ステップS1003:Yes)、電力供給モードフラグをリセットして、本フローを終了する(ステップS1004)。なお、充電許可信号を受信していないことを確認した場合(ステップS1003:No)、特に処理を行わず、本フローを終了する。
また、電力供給モードフラグは、充電動作を実施してない時に、降圧チョッパ回路104がDC定着ヒータ105に電力供給を実施するためのフラグとする。なお、電力供給モードフラグを用いた処理について後述する実施の形態で説明する。
本実施の形態にかかる画像形成装置100において、立ち上げ時からDC定着ヒータ105に電力を供給するタイミングについて説明する。図14は、本実施の形態にかかる画像形成装置100における上述したタイミングを示した説明図である。
本図に示すように、DC定着ヒータ105に供給される電力は、キャパシタバンク111または降圧チョッパ回路104から供給される。また、キャパシタバンク111は、立ち上げ時及び温度落ち込み時のみ、DC定着ヒータ105に対して電力を供給する。このキャパシタバンク111が電力を供給するとき、大きい電力になることが確認できる。つまり、キャパシタバンク111を用いることで、短時間で定着ローラ21を短時間でコピー可能な温度まで上昇させることができる。
以上、説明したように本実施例の形態によれば、降圧チョッパ回路104という電圧を制御する手段を備えた。そして、画像形成装置100は、この降圧チョッパ回路104により制御された出力電圧を、DC定着ヒータ105またはキャパシタバンク111のそれぞれに対して供給することができる。
また、キャパシタバンク111に充電された蓄電力を、定着ローラ21を加熱させるDC定着ヒータ105に電力を供給することとした。これにより、部品点数が減少させることができるので、製造コストの削減することができる。
ところで、画像形成装置100を立ち上げるために蓄電する場合、電圧が高く、大容量の電気二重層キャパシタ(Electric Double Layer Capacitor、以下EDLCとする)を用いて、充電するのが好ましい。しかしながら、電気二重層キャパシタの一般的な電圧は2.3V〜2.5Vであり、高い電圧のものを作製するのは困難である。この場合、AD電源112からの電力に対して、整流のみ行った電圧で蓄電するためには、非常に多くのEDLCが必要となる。しかしながら、大容量のEDLCは高価であり、コスト的にも望ましく無い。
そこで、本実施の形態にかかる画像形成装置100では、キャパシタバンク111に蓄積する際に、降圧チョッパ回路104により整流のみならず降圧処理も可能とした。このような構成を備えたことで、本実施の形態の画像形成装置100は、省コスト化を実現することができる。
また、本実施の形態にかかる画像形成装置100は、DC定着ヒータ105をキャパシタバンク111及び降圧チョッパ回路104の両方から電力が供給されるようにするなど、部品の共通化が図られている。また、キャパシタバンク111の充電回路構成についても簡略化されている。このように、本実施の形態にかかる画像形成装置100の製造コストの低減を可能としている。
また、IGBT109及びIGBT110というスイッチング回路を備えたことで、降圧チョッパ回路104からDC定着ヒータ105に電力供給を行って無い時に、キャパシタバンク111に充電することが可能となり、画像形成装置100の電力平準化を可能としている。
本実施の形態にかかる画像形成装置100においては、キャパシタバンク111への充電する構成と、DC定着ヒータ105に電力を供給する回路を共通化したので、回路構成を簡略化することが可能となる。これにより、補助蓄電源を備えた画像形成装置100の製造コストの低減が可能となる。
また、本実施の形態にかかる画像形成装置100においては、降圧チョッパ回路104を備えて、出力制御部103で電圧を制御することで、DC定着ヒータ105への電力供給する電圧と、キャパシタバンク111への充電電圧を変えることが可能とする。また、キャパシタバンク111に蓄電力を大きくできる。
また、降圧チョッパ回路104は、PWM信号によりDC定着ヒータ105に供給する電圧を変更できるので、低温時におけるDC定着ヒータ105に対する突入電流を防止できるので、オーバーシュートを防止することができる。
また、画像形成装置100には、図示しない通信部が備えられている。画像形成装置100は、この通信部を介して外部から、出力制御部103又はエンジン制御部10を制御しても良い。これにより、フレキシュブルな制御が可能となる。
また、本実施の形態にかかる画像形成装置100においては、DC定着ヒータ用サーミスタ28a、AC定着ヒータ用サーミスタ33a及び充電電圧検出回路16の検出結果に基づいて、出力制御部103及びエンジン制御部10において、DC定着ヒータ105に供給される電力を制御するので、定着立ち上げ時間の短縮を行うことができる。また、温度を検出できるので、定着温度落ち込み時に迅速に定着可能な温度に回復することを可能とする。
また、本実施の形態においては、コピー動作中など画像形成動作以外の動作モードの場合に、出力制御部103に充電指示信号及び充電許可信号を送信することで、適切なタイミングで充電することが可能となり、使用電力の平準化を行うことができる。これにより、フリッカー対策が可能となる。
また、本実施の形態においては、エンジン制御部10が、出力制御部103に対して、パルス幅変調パターンを送信するので、適切な電圧の制御が可能となり、高調波対策、フリッカー対策、突入電流防止、加熱部温度のオーバーシュートの防止を行うことができる。
また、本実施の形態においては、充電する際にIGBT109を閉じてIGBT110を開き、蓄電された電力を使用するときにIGBT109を開いてIGBT110を閉じることで、キャパシタバンク111に蓄電した電力を使用して、画像形成装置100の最大使用電力の低減させることができる。また、画像形成装置100において、AC電源112に100V、15Aの商用電源を使用した場合でも、高速で立ち上げ可能とすることができる。
また、画像形成装置100において、DC定着ヒータ105に電力を供給する必要がない時に、キャパシタバンク111に対して蓄電を行うので、使用電力の平準化をすることができる。また、フリッカーの対策が図ることができる。
また、画像形成装置100において、DC定着ヒータ105とAC定着ヒータ30を用いることで、定着装置の立ち上げ時間の短縮、または連続コピー時の定着温度落ち込みを防止することができる。また、キャパシタバンク111の充電電圧及び定着ローラ21の温度に応じて、電力の供給元を制御できるので、立ち上げ時間の短縮、または連続コピー時の定着温度落ち込みを防止することができる。
また、本実施の形態は、上述した構成を画像形成装置が備えることに制限するものではなく、蓄電部を備えた装置であれば適用可能とする。
(第1の実施の形態にかかる変形例)
また、上述した第1の実施の形態に限定されるものではなく、以下に例示するような種々の変形が可能である。上述した第1の実施の形態において、充電するときには、DC定着ヒータ105に対して電力を供給しなかった。そこで、本変形例においては、充電する時に、同時にDC定着ヒータ105に対して電力を供給する。なお、構成については、第1の実施の形態と同様なので説明を省略する。
本変形例においては待機時において、所定の条件を満たした場合に、DC定着ヒータ105に対して電力を供給すると共に充電を行う。これはCPU10aからの制御により行われる。次に、エンジン制御部10のCPU10aが、待機時の定着温度の制御について説明する。図15は、本実施の形態にかかるCPU10aにおける上述した処理の手順を示すフローチャートである。
図15のフローチャートは、待機時にAC定着ヒータ30の制御と、降圧チョッパ回路104から電力供給をうけてDC定着ヒータ105の制御と、AC定着ヒータ30を制御するフローチャートである。
図15で示したフローチャートは、図11で示したフローチャートのステップS701〜S713と同様に、定着ローラ21の温度に応じて処理を行い(ステップS1201〜ステップS1213)、充電電圧が44V以下の場合に図11で示したフローチャートと同様にIGBT109とIGBT110とを制御する(ステップS1214〜S1218)。
そして、CPU10aは、図11のフローチャートと異なる点として、FET106をオンにする信号を出力する(ステップS1219)。これにより、DC定着ヒータ105に電力が供給されることになる。なお、以降の処理(ステップS1220〜S1223)については、図11と同様の処理(ステップS719〜S722)なので説明を省略する。
このような処理を行うことで、充電時において、DC定着ヒータ105に対して電力を供給することができる。
つまり、DC定着ヒータ105に対して電力を供給している間にも充電することができるので、キャパシタバンク111に対して充電可能な時間を広げることができる。これにより、充電可能な時間が広くなるので、使用してもすぐに充電できるので、キャパシタバンク111の容量を小さくすることができる。
(第2の実施の形態)
図16は、第2の実施の形態にかかる画像形成装置1300の構成を示すブロック図である。本図に示す画像形成装置1300は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置100と異なる点として、開閉手段としてリレーを使用した場合とする。これにより、キャパシタバンク111に直列に接続されたキャパシタセルを多くして、充電電圧を高くすることができる。
絶縁トランス1301は、主電源スイッチ11を介して交流電源に接続されるフィルタ1と、全波整流回路2の間に設けられ、1次側と2次側を分離している。これにより、キャパシタバンク111の充電電圧が60Vを超える場合でも、他の回路と分離されているので、安全上の実装が簡単になる。
第1のリレー1302は、及び第2のリレー1303は、電流の流れを制御するスイッチング回路である。
ドライバ1304及びドライバ1305は、エンジン制御部10から出力された信号を増幅する。
エンジン制御部1310は、第1の実施の形態にかかるエンジン制御部10とは、CPU10aと異なる処理を行うCPU1310aを備えている。後の構成は、エンジン制御部10と同様なので説明を省略する。
そして、CPU1310aが、第1のリレー1302及び第2のリレー1303を制御する。これにより、キャパシタバンク111には、第1の実施の形態より高い電圧を充電できる。そして、充電された蓄電力は、キャパシタバンク111からDC定着ヒータ105に電力供給される。
また、CPU1310aは、通常時において第1のリレー1302をオンにする信号をポート2より出力し、内部タイマにより一定時間計測した後、入出力ポート10cのポート1より、FET106をオンにする信号を出力する。
その後、CPU1310aは、温度検出回路28の温度検出結果により、入出力ポート10cのポート1より、FET106をオン又はオフにする信号を出力する。
また、CPU1310aは、立ち上げ時または連続コピー動作時の温度落ち込み時には、キャパシタバンク111の蓄電力を、第2のリレー1303を通してDC定着ヒータ105に供給する制御を行う。
CPU1310aは、キャパシタバンク111の蓄電力をDC定着ヒータ105に供給する場合、入出力ポート10cのポート3により、第2のリレー1303をオンにした後、内部タイマにより一定時間計測した後、入出力ポート10cのポート1より、FET106をオンにする信号を出力する。これにより、第2のリレー1303の接点の溶着は防止される。
また、第2のリレー1303をオフにする場合、CPU1310aは、FET106をオフにする信号を出力した後、第2のリレー1303をオフにする。これにより、第2のリレー1303の接点の溶着は防止される。
なお、充電時は、第1のリレー1302及び第2のリレー1303は閉じられるが、FET106はオフにされる。これにより、DC定着ヒータ105に電力は供給されず、キャパシタバンク111に電力が供給されることになる。
次に、以上のように構成された本実施の形態にかかる画像形成装置1300のエンジン制御部1310のCPU1310aにおけるDC定着ヒータ105で定着装置400を立ち上げる場合について説明する。図17は、本実施の形態にかかるCPU1310aにおける上述した処理の手順を示すフローチャートである。
図17のフローチャートは、キャパシタバンク111に予め高い電圧を蓄積しておく。そして、画像形成装置1300の立ち上げ時にキャパシタバンク111から放電する。その後、定着ローラ21の温度が予め定められた第1の定着温度を超えた場合、又はキャパシタバンク111の充電電圧が35Vより低下した場合、降圧チョッパ回路104から電力供給を行うフローチャートである。
そして、図17に示したフローチャートは、図10で示したフローチャートと異なる点として、CPU1310aが、ポート3から第2のリレーをオンにする処理を行ったあと(ステップS1408)、タイマにより所定の時間‘N’が経過するまで待機する(ステップS1409)。その後に、CPU1310aが、ポート1よりFET106をオンにする信号を出力する(ステップS1410)。
他には、キャパシタバンク111が大容量化されているため、図10のステップS601において充電電圧が41V以上であったが、図17のステップS1402において80V以上に変更された。また、図10のステップS604において充電電圧が30V以上であったが、ステップS1404において35V以上に変更された。なお、図17に示す他の処理手順については、図10で示した処理手順と同様なので説明は省略する。
本実施の形態にかかる画像形成装置1300において、立ち上げ時からDC定着ヒータ105に電力を供給するタイミングについて説明する。図18は、本実施の形態にかかる画像形成装置1300における上述したタイミングを示した説明図である。
図18に示したタイミングにおいて、キャパシタバンク111の電力を使用するタイミングは図14で示したタイミングと同様である。しかし、図18における降圧チョッパ回路104からDC定着ヒータ105に電力を供給するタイミングが、図14で示したタイミングと異なる。つまり、本実施の形態にかかる画像形成装置1300において、キャパシタバンク111に充電された電力は、降圧チョッパ回路104からDC定着ヒータ105に供給される電力の出力に、立ち上げ時及び温度落ち込み時にさらに乗せることになる。これにより、高い電力が加えられるので、立ち上げ時間を短縮することができる。
また、第2の実施の形態のDC定着ヒータ105に電力を供給するタイミングは、図18に示すタイミングに制限するものではなく、例えば第1の実施の形態で示した図14で示したタイミングでも良い。
また、第2の実施の形態にかかる画像形成装置1300は、他の動作については第1の実施の形態にかかる画像形成装置100と同様なので説明を省略する。
本実施の形態にかかる画像形成装置1300のキャパシタバンク111に充電回路と、DC定着ヒータに電力供給する回路とを共通化した。これにより、回路構成を簡略化するとともに、数が少ない定着ヒータで定着ローラを加熱することができる。これにより、補助蓄電源を備えた画像形成装置1300の製造コストを低減させることができる。
キャパシタバンク111に蓄積された電力量を、第1の実施の形態より高くすることができるので、立ち上げ時間を短縮することができる。
本実施の形態にかかる画像形成装置1300においては、DC定着ヒータ105に電力を供給するときには、第1のリレー1302を閉じ、キャパシタバンク111に充電するときには第1のリレー1302及び第2のリレー1303を閉じる。そして、キャパシタバンク111に蓄電された電力をDC定着ヒータ105に供給するときに、第1のリレー1302を解放して、第2のリレー1303を閉じることとした。これにより、キャパシタバンク111に蓄電した電力をDC定着ヒータ105に供給できるので、最大使用電力の低減させることができる。また、画像形成装置1300は、100V、15Aの商用電源が使用しつつ、高速に立ち上げることを可能とする。
また、画像形成装置1300においては、CPU1310aが、ポート3から第2のリレーをオンにする制御を行ったあと、所定の時間が経過した後にポート1よりFET106をオンにする信号を出力することとした。これにより、リレーの接点の溶着を防止することができる。
(第3の実施の形態)
図19は、第3の実施の形態にかかる画像形成装置1600の構成を示すブロック図である。本図に示す画像形成装置1600は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置100と異なる点として、降圧チョッパ回路104の変わりに、高周波トランスを使用したDC/DCコンバータ1601を使用した例とする。
DC/DCコンバータ1601は、高周波トランス1610と、FET113と、ダイオード1611と、ダイオード1612と、チョークコイル115と、平滑コンデンサ116と、コンデンサ1612とを備えている。また、高周波トランス1601は、一次コイル1610aと、二次コイル1610bとを備えている。
画像形成装置1600において、全波整流回路2の直流出力側には、平滑コンデンサ102と並列に高周波トランス1610の一次コイル1610aが接続されている。そして、この一次コイル1610aに、スイッチング手段としてFET113が直列に接続されている。
FET113は、第1の実施の形態と同様にPWM発生回路103eから出力されるPWM信号により、スイッチング(ON,OFF動作)が行われる。そして、FET113のスイッチングに応じて一次コイル1610aにスイッチング電流が流れる。
一次コイル1610aによるスイッチング電流により、高周波トランス1610の二次コイル1610bにスイッチング電圧が誘起する。このようにスイッチング周波数の導通期間を変えれば、出力電圧の制御を行うことができる。
また、高周波トランス1610の二次コイル1610bには整流回路としてダイオード1611と、ダイオード1612とが接続されている。そして、スイッチング電圧は、この整流回路で整流され、チョークコイル115及び平滑コンデンサ116により平滑され、直流出力に変換される。
そして、変換された直流出力は、DC定着ヒータ105及びダイオード108及びIGBT110を通してキャパシタバンク111に供給される。これによりキャパシタバンク111に蓄電される。
そして、キャパシタバンク111の蓄電力は、IGBT109及びダイオード107を通してDC定着ヒータ105に供給される。
なお、画像形成装置1600における他の処理については、第1の実施の形態にかかる画像形成装置100と同様なので説明を省略する。
このような構成にすることで、他の回路と蓄電部とを分離することができる。これにより、安全規格上の実装が容易になる。
(第4の実施の形態)
図20は、第4の実施の形態にかかる画像形成装置1700の特徴的な構成のみ示した概略図である。画像形成装置1700は、画像形成装置100とは、DC定着ヒータ1701と、放電回路(FET)1702と、が追加され、第1の実施の形態においてそれぞれ2個備えられていたダイオード及びスイッチング回路が、ダイオード1703と、スイッチング回路1704とに変更された。
本実施の形態においては、降圧チョッパ回路104から電力を供給されるDC定着ヒータ105の他に、補助ヒータとして、DC定着ヒータ1701を別に備えている。これにり、定着立ち上げ時間を短縮または定着温度落ち込みから早期回復が可能となる。
図21は、第4の実施の形態にかかる画像形成装置1700の構成を示した回路図である。本図にしめす画像形成装置1700は、画像形成装置100とは、図20において説明した点が異なる他に、エンジン制御部10が処理の異なるエンジン制御部1801に変更され、温度検出回路1802が追加された点で異なる。
エンジン制御部1801は、エンジン制御部10とは、CPU10aと異なる処理を行うCPU1801aに変更されている点で異なる。
なお、画像形成装置1700は、充電動作については画像形成装置100とほぼ同様とし、定着ローラ21の温度がリロード温度より高い場合に充電が行われる。そして、画像形成装置1700は、キャパシタバンク111に充電された電力を、DC定着ヒータ1701に電力を供給する点で、第1の実施の形態の画像形成装置100と異なる。
CPU1901aは、主電源がオンになった時、省エネモード解除時、又は連続コピー時に定着ローラ21の温度が予め定められた温度より低下した時に、ポート3よりFET1702をオンにする信号を出力し、キャパシタバンク111の蓄電力をDC定着ヒータ1701に供給する。
温度検出回路1902は、DC定着ヒータ1701が加熱する定着ローラ21の領域の温度を検出する。
ところで、図4において、第1の実施の形態の定着装置400について説明している。本実施の形態に係る画像形成装置1700は、図4で示した構成に、さらにDC定着ヒータ1701と、これに対応して温度検出回路1902に接続されているサーミスタとを、追加するだけなので説明は省略する。
なお、本実施の形態にかかる画像形成装置1700においては、DC定着ヒータ105及びDC定着ヒータ1701と2つの専用の補助ヒータ設けている。このため、コピースピードを必要としない装置では、AC定着ヒータ30を削除して、これら2つのDC定着ヒータのみ実装しても良い。
図22は、画像形成装置1700において定着ローラ21の温度と、降圧チョッパ回路104及びキャパシタバンク111から供給される電力の関係を示した図である。本図において、期間Aは定着リロード期間を示し、期間Bは待機状態期間を示し、期間C〜Eが印刷動作期間を示している。そして、この期間Cにおいてコピー動作等により定着温度が低下した場合に、期間Dにおいて降圧チョッパ回路104からDC定着ヒータ105に電力を供給するのみならず、キャパシタバンク111からDC定着ヒータ1701に電力が供給される。これにより、画像形成装置1700の電力上限を超えて電力を供給できる。これにより、定着ローラ21の温度を迅速に定着目標温度まで復旧させることができる。
また、図22に示す期間Dでは、降圧チョッパ回路104からの電力も供給される。このため、キャパシタバンク111から供給される電力は、第1の実施の形態より少なくすることができる。これによりキャパシタバンク111の容量を節減できる。そして、定着ローラの温度が定着目標温度に到達した場合、キャパシタバンク111からの電力は停止され、降圧チョッパ回路104からのみ電力が供給される。
また、図6において、第1の実施の形態における一連のコピー動作モードを実施する場合について説明した。これに対し、本実施の形態では、さらに異なる処理を行う。具体的には、ステップS502と、ステップS505の間に以下の処理を行う。CPU1801aは、出力制御部103のCPU103aに定着立ち上げ用パルス幅変調パターンを送信する。この定着立ち上げ用パルス幅変調パターンは、定着立ち上げ時に降圧チョッパ回路104によりDC定着ヒータ105に電力供給する時に使用される。このパルス幅変調パターンにより、突入電流の防止または、加熱部温度のオーバーシュートの防止が可能となる。次に、CPU1801aは、立ち上げモード信号をCPU103aに送信する。また、他の処理については、図6と同様とし、説明を省略する。なお、立ち上げモード信号を用いた処理については後述する。
次に、本実施の形態にかかる画像形成装置1700のエンジン制御部1901のCPU1901aにおけるDC定着ヒータ105とDC定着ヒータ1701と用いた定着立ち上げる場合について説明する。図23は、本実施の形態にかかるCPU1901aにおける上述した手順を示すフローチャートである。
図23のフローチャートは、定着立ち上げ時も降圧チョッパ回路104からDC定着ヒータ105に電力供給し、もう一方のDC定着ヒータ1701にもキャパシタバンク111から放電され、定着ローラ21の温度が予め定められた温度を超えると、DC定着ヒータ1701を介した放電は停止し、降圧チョッパ回路104のみ電力供給を行う場合とする。なお、キャパシタバンク111は、予め大容量電力が蓄積されている状態とする。
まず、エンジン制御部1901のCPU1901aは、立ち上げフラグがセットされているか否か確認する(ステップS1901)。この立ち上げフラグは、第1の実施の形態の図6に示したものと同様とする。立ち上げフラグに‘1’がセットされていない場合(ステップS1901:No)、処理を終了する。
そして、CPU1901aが、立ち上げフラグに‘1’がセットされていると判断した場合(ステップS1901:Yes)、エンジン制御部1901のCPU1901aは、出力制御部103から満充電信号を受信しているか、またはキャパシタバンク111の充電電圧が41V以上か、A/Dポート10bにより確認する(ステップS1902)。
次に、CPU1901aが満充電信号を受信している、又は充電電圧が41V以上であることが確認できた場合(ステップS1902:Yes)、定着ローラ21の温度が予め定められた第1の温度以下であるか否か、A/Dポート10bにより確認する(ステップS1903)。なお、温度検出は、温度検出回路28、温度検出回路33、温度検出回路1902のいずれか一つ以上により確認する。この予め定められた第1の温度は、例えば170度とする。
そして、CPU1901aは、定着ローラ21の温度が予め定められた第1の温度以下であることが確認できた場合(ステップS1903:Yes)、充電動作を禁止させるための充電禁止信号を出力制御部103に送信する(ステップS1904)。
次に、CPU1901aは、キャパシタバンク111への電力供給をオフにするために、ポート2より、IGBT1704をオフにする信号を出力する(ステップS1905)。
そして、CPU1901aは、キャパシタバンク111の蓄電力をDC定着ヒータ1701に供給するために、ポート3よりFET1702をオンにする信号を出力する(ステップS1906)。
次に、CPU1901aは、DC定着ヒータ105に電力を供給するために、ポート1よりFET106をオンにする信号を出力する(ステップS1907)。
そして、CPU1901aは、AC定着ヒータ30をオンにする信号をポート4より出力する(ステップS1908)。次に、CPU1901aは、出力制御部103に対して電力供給モード信号を送信する(ステップS1909)。
その後、CPU1901aは、定着ローラ21の温度が予め定められた第1の温度以下かA/Dポート10bにより確認するところから再び処理を行う(ステップS1903)。なお、このような処理を、定着ローラ21が、予め定められた第1の温度を超えるまで行われる。
次に、CPU1901aは、加熱部温度が予め定められた第1の温度を超えていることを確認した場合(ステップS1903:No)、又は満充電信号を受信していない若しくはキャパシタバンク111の充電電圧が41V以上でないことを確認した場合(ステップS1902:No)、定着ローラ21の温度が予め定められた第2の温度以下か確認する(ステップS1910)。なお、この予め定められた第2の温度は、例えば、178度とする。
そして、CPU1901aは、第2の温度以下の場合(ステップS1910:Yes)、ポート2よりIGBT1704をオフにする信号を出力する(ステップS1911)。
次に、CPU1901aは、ポート1よりFET106をオンにする信号を出力する(ステップS1912)。
次に、CPU1901aは、出力制御部103に対して、DC定着ヒータ105に電力供給するパルス幅変調パターンを送信する(ステップS1913)。なお、CPU1901aは、出力制御部103に対して、DC定着ヒータ105に電力供給する電圧値を送信してもよい。
そして、CPU1901aは、充電動作を禁止させるための充電禁止信号を送信する(ステップS1914)。
次に、CPU1901aは、ポート3よりFET1702をオフにする信号を出力する(ステップS1915)。
そして、CPU1901aは、AC定着ヒータ30をオンにする信号をポート4より出力する(ステップS1916)。
次に、CPU1901aは、出力制御部103に電力供給モード信号を送信する(ステップS1917)。上述した一連の処理により、キャパシタバンク111は切り離され、降圧チョッパ回路104から、DC定着ヒータ105に電力が供給される。
つまり、画像形成装置100が、主電源がオンにされた時又は省エネモードが解除された時において、定着ローラ21の温度が第1の温度(170℃)を超えて第2の温度(178℃)以下の場合、上記した処理(ステップS1911〜ステップS1917)が行われることになる。
そして、CPU1901aは、定着ローラ21の温度が予め定められた第2の温度を超えたことを確認した場合(ステップS1910:No)、定着ローラ21がリロード温度(180℃)に達したか確認する(ステップS1918)。
このときCPU1901aは、リロード温度に達していないことを確認した場合(ステップS1918:No)、定着ローラ21の温度が第1の温度を超えているか否かから確認が行われる(ステップS1903)。そして、第1の温度を超えて第2の温度以下の場合、降圧チョッパ回路104から、DC定着ヒータ105に電力供給が継続されることになる。
そして、CPU1901aは、リロード温度に達成したことを確認した場合(ステップS1918:Yes)、立ち上がりフラグをリセットする(ステップS1919)。つまり、立ち上げフラグが‘0’になったことを示している。
次に、CPU1901aは、定着リロードフラグをセットする(ステップS1920)。そして、CPU1901aは、ポート1よりFET106をオフにする信号を出力する(ステップS1921)。
次に、CPU1901aは、AC定着ヒータ30をオフにする信号をポート4より出力する(ステップS1922)。
そして、CPU1901aは、充電動作を行うために、ポート2より、IGBT1704をオンにする信号を出力する(ステップS1923)。次に、CPU1901aは、充電許可信号を送信する(ステップS1924)。このような手順で、本実施の形態にかかる画像形成装置1700においては、定着立ち上げが行われる。
次に、エンジン制御部1901のCPU1901aが、画像形成装置1700の待機時における定着温度の制御について説明する。図24は、本実施の形態にかかるCPU1901aにおける上述した処理の手順を示すフローチャートである。
図24のフローチャートは、待機時におけるAC定着ヒータ30の制御と、降圧チョッパ回路104から電力が供給されるDC定着ヒータ105の制御と、充電を行うための送信される充電許可信号を制御するフローチャートである。
図24のフローチャートは、第1の実施の形態に係る図11で示したフローチャートと同様の手順で処理が行われる。そして、図24のフローチャートは、図11で示した処理手順と、ステップS721のポート3よりIGBTをオフにする信号を出力する処理を行わない点で異なる。また、ポート3からの信号は、IGBT109ではなく、FET1702に出力される点が異なる。これ以外の処理手順については、図11と同様なので説明を省略する。
次に、エンジン制御部1901のCPU1901aが、DC定着ヒータ105及びDC定着ヒータ1701を制御して、連続コピー動作時に定着温度を保持する処理について説明する。図25は、本実施の形態にかかるCPU1901aにおける上述した処理の手順を示すフローチャートである。
図25のフローチャートは、連続コピー時に、降圧チョッパ回路104からDC定着ヒータ105への電力供給、及びAC定着ヒータ制御回路43によりAC定着ヒータ30に電力供給を制御する。そして、定着ローラ21の温度が予め定められた第1の定着温度以下(温度落ち込み)であることが確認されると、キャパシタバンク111の蓄電力を用いて、DC定着ヒータ1701に電力を供給する。そして、定着ローラ21の温度が、第1の定着温度以上で、予め定められた第2の定着温度以下にまで復帰すると、キャパシタバンク111の蓄電力の使用を停止する。
まず、CPU1901aは、画像形成装置100がコピー動作中であるか否かを確認する(ステップS2101)。そして、CPU1901aは、コピー動作中でないことを確認した場合(ステップS2101:No)、本フローを終了する。
そして、CPU1901aは、コピー動作中であることを確認した場合(ステップS2101:Yes)、定着ローラ21の温度が第1の定着温度以下であるか否か確認する(ステップS2102)。この第1の定着温度としては、例えば160℃とする。このような確認処理を行うことで、温度落ち込みがあるか否か確認できる。
次に、CPU1901aは、第1の定着温度以下であることを確認した場合(ステップS2102:Yes)、キャパシタバンク111の充電電圧を確認する(ステップS2103)。
そして、CPU1901aは、キャパシタバンク111の充電電圧が35V以上であることを確認した場合(ステップS2103:Yes)、CPU103aに対して、充電動作を禁止させるための充電禁止信号を送信する(ステップS2104)。
次に、CPU1901aは、キャパシタバンク111への電力供給をオフにするため、ポート2から、IGBT110をオフにする信号を出力する(ステップS2105)。
そして、CPU1901aは、キャパシタバンク111の蓄電力をDC定着ヒータ1701に供給するために、ポート3から、FET1702をオンにする信号を出力する(ステップS2106)。
次に、CPU1901aは、降圧チョッパ回路104からDC定着ヒータ105に電力を供給するために、ポート1よりFET106をオンにする信号を出力する(ステップS2107)。そして、CPU1901aは、AC定着ヒータ30をオンにする信号をポート4より出力する(ステップS2108)。そして、CPU1901aは、出力制御部103に電力供給モード信号を送信する(ステップS2109)。
なお、ステップS2102において、第1の定着温度を160℃としたが、上述したステップS2103〜ステップS2109は、定着ローラ21の温度が175℃を超えるまで行われる。つまり、ステップS2103〜ステップS2109の処理の起動条件は、第1の定着温度が160℃であるが、終了条件としては第1の定着温度が175℃となる。
そして、CPU1901aは、第1の定着温度(例えば、175℃)を超えていることを確認した場合(ステップS2102:No)、第2の定着温度(例えば178℃)以下であるか否かを、A/Dポート10bにより確認する(ステップS2110)。
次に、CPU1901aは、定着ローラ21の温度が、第2の定着温度以下の場合(ステップS2110:Yes)、ポート2よりIGBT110をオフにする信号を出力する(ステップS2111)。
そして、CPU1901aは、ポート1よりFET106をオンにする信号を出力する(ステップS2112)。さらに、CPU1901aは、出力制御部103に対して、DC定着ヒータ105に電力供給する電圧値を送信する(ステップS2113)。なお、CPU1901aは、電圧値ではなく、パルス幅変調パターンを送信してもよい。
そして、CPU1901aは、充電動作を禁止させるための充電禁止信号を送信する(ステップS2114)。次に、CPU1901aは、ポート3よりFET1702をオフにする信号を出力する(ステップS2115)。
そして、CPU1901aは、AC定着ヒータ30をオンにする信号をポート4から出力する(ステップS2116)。これにより、キャパシタバンク111からの電力供給が停止される。
次に、CPU1901aは、定着ローラ21に電力を供給するために、出力制御部103に電力供給モード信号を送信する(ステップS2117)。このような処理により、降圧チョッパ回路104から、DC定着ヒータ105に電力が供給される。
そして、CPU1901aは、定着ローラ21の温度が第2の定着温度を超えた場合(ステップS2110:No)、定着ローラ21がリロード温度(180℃)に達したか確認する(ステップS2118)。
このときCPU1901aは、リロード温度に達していないことを確認した場合(ステップS2118:No)、コピー動作中であるか否かから確認が行われる(ステップS2101)。つまり、コピー動作中で第2の定着温度以上であれば、降圧チョッパ回路104及びAC定着ヒータ制御回路43からDC定着ヒータ105及びAC定着ヒータ30への電力供給が継続される。
そして、CPU1901aは、リロード温度に達成したことを確認した場合(ステップS2118:Yes)、ポート1よりFET106をオフにする信号を出力する(ステップS2119)。そして、CPU1901aは、AC定着ヒータ30をオフにする信号をポート4より出力する(ステップS2120)。このようにして、コピー動作が継続される。
出力制御部103のCPU103aにより、DC定着ヒータ105に電力を供給する説明を行う。図26は、本実施の形態にかかるCPU103aにおける上述した処理の手順を示すフローチャートである。
まず、CPU103aは、CPU10aから立ち上げモード信号を受信したか確認する(ステップS2201)。
そして、CPU103aは、立ち上げモード信号を受信していた場合(ステップS2201:Yes)、エンジン制御部10からパルス幅変調パターンを受信したか否か確認する(ステップS2202)。また、CPU103aは、パルス幅変調パターンではなく、電力供給する電圧値を受信しても良い。この場合、CPU103aが、受信した電圧値に基づいてパルス幅変調パターンを生成することになる。そして、このようなパルス幅変調パターンでFET113が制御されることで、適切な電圧まで降下されることとなる。
次に、CPU103aは、パルス幅変調パターンを受信していたことを確認した場合(ステップS2202:Yes)、定着ローラ21の温度が設定温度(リロード温度)に達しているか否か確認する(ステップS2203)。CPU103aは、定着ローラ21の温度がリロード温度に達していないと判断した場合(ステップS2203:Yes)、PWM発生回路103eが、突入電流の防止するために、パルス幅変調パターンに基づいて発生させたパルス幅変調信号を、降圧チョッパ回路104のFET113のゲートに出力する(ステップS2204)。
また、CPU103aは、エンジン制御部10からパルス幅変調パターンを受信していない場合(ステップS2202:No)、定着ローラ21の温度が設定温度(リロード温度)に達しているか否か確認する(ステップS2205)。
そして、CPU103aは、定着ローラ21の温度が予め定められた設定温度に達していないことを確認した場合(ステップS2205:Yes)、突入電流の防止するために、PWM発生回路103eが、検出した定着ローラの温度に基づいてパルス幅変調信号を発生させ、当該パルス幅変調信号を降圧チョッパ回路104のFET113のゲートに出力する(ステップS2206)。次に、CPU103aは、再度、定着ローラ21の温度が予め定められた設定温度に達しているか確認する(ステップS2205)。このように、設定温度に達しない限り、この動作が繰り返される。
そして、CPU103aは、立ち上げモード信号を受信していない場合(ステップS2201:No)、定着ローラ21の温度が設定温度に達したことを確認した場合(ステップS2203:No、ステップS2205:No)、定着ローラ21の電力供給モードフラグが‘1’か否か確認する(ステップS2207)。
次に、CPU103aは、電力供給モードフラグが‘1’であることを確認した場合(ステップS2207:Yes)、降圧チョッパ回路104からDC定着ヒータ105に電力供給が可能なので、エンジン制御部10からパルス幅変調パターンを受信しているか否か確認する(ステップS2209)。
そして、CPU103aは、パルス幅変調パターンを受信していることを確認した場合(ステップS2209:Yes)、PWM発生回路103eは、受信しているパルス幅変調パターンによるパルス幅変調信号を、降圧チョッパ回路104のFET113のゲートに出力する(ステップS2210)。その後、CPU103aは、定着ローラ21の電力供給モードフラグが‘1’か否かの確認から再び行う(ステップS2207)。この動作は、電力供給モードフラグがリセットされる(‘0’の場合)まで繰り返される。
また、CPU103aは、パルス幅変調パターンを受信していないことを確認した場合(ステップS2209:No)、CPU10aから制御電圧を受信しているか否か確認する(ステップS2211)。
そして、CPU103aが、制御電圧を受信している場合(ステップS2211:Yes)、PWM発生回路103eは、降圧電圧検出回路4から受信した制御電圧により、FET113に出力している電圧を検出し、この検出した電圧に基づいて適切な電圧になるようなパルス幅変調信号を、FET113に出力する(ステップS2212)。
次に、CPU103aが、制御電圧を受信していないことを確認した場合(ステップS2211:No)、PWM発生回路103eは、予め記憶されていたパルス幅変調信号を、FET113に対して出力する(ステップS2213)。この動作も、電力供給モードフラグがリセットされるまで繰り返される。
そして、CPU103aは、電力供給モードフラグが‘1’ではない(リセットされている)ことを確認した場合(ステップS2207:No)、PWM発生回路103eが、パルス幅変調信号の出力を停止して(ステップS2208)、処理を終了する。
本実施の形態にかかる画像形成装置100においては、上述した処理を行うことでDC定着ヒータ105に定電圧で電力を供給することができる。
上述した処理を行うことで、降圧チョッパ回路104の電圧を検出して、この電圧に基づいてパルス幅変調信号を出力するので、AC電源112から供給される電力の変動に係わらず、一定な電圧による電力を供給できる。これにより、高い精度で定着温度の制御が可能となる。
また、上述した処理において、検出した温度に応じてパルス幅変調信号を制御するので、低温時におけるDC定着ヒータ105への低温時の突入電流を防止できる。また、予め記憶されていたパターンによりパルス幅変調信号を出力することで、突入電力を防止できる。これらにより、定着立ち上げ時のオーバーシュートの防止できる。これにより、フリッカー対策が可能となる。
本実施の形態にかかる画像形成装置1700において、立ち上げ時からDC定着ヒータ105及びDC定着ヒータ1701の2本に電力を供給するタイミングについて説明する。図27は、本実施の形態にかかる画像形成装置1700における上述したタイミングを示した説明図である。
本図に示すように、画像形成装置1700において、立ち上げ時及び温度落ち込み時のみ、キャパシタバンク111から、DC定着ヒータ1701に対して電力が供給される。また、DC定着ヒータ105に対しては、立ち上げた後以降は省エネモードに移行しない限り常時供給される。
本実施の形態にかかる画像形成装置100において上述した構成を備え、IGBT1704を開放して、FET1701を制御することで、キャパシタバンク111に蓄電した電力を使用できるので、最大使用電力の低減させることができる。また、100V、15Aの商用電源が使用し、且つ立ち上げ等が高速になる画像形成装置の製造が可能となる。
上述した実施の形態においては、全てAC定着ヒータ30を設けた。しかしながら、本発明をこのような構成に制限するものではなく、上述したDC定着ヒータのみ備えた構成としても良い。
図28は、上述した実施の形態にかかる画像形成装置におけるハードウェアの概略構成の一例を示す説明図である。画像形成装置には、中央に中間転写ユニットがあり、該中間転写ユニットには、無端ベルトである中間転写ベルト2410がある。中間転写ベルト2410は、例えば伸びの少ないフッ素樹脂や伸びの大きなゴム材料に帆布など伸びにくい材料で構成された基層に、弾性層を設けた複層ベルトである。弾性層は、例えばフッ素系ゴムやアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムの表面に、例えばフッ素系樹脂をコーティングして平滑性のよいコート層を形成したものである。
中間転写ベルト2410は、3つの支持ローラ2414〜2416に掛け廻されており、時計廻りに回動駆動される。第2の支持ローラ2415の左に、画像転写後に中間転写ベルト2410上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニングユニット2417がある。
第1の支持ローラ2414と第2の支持ローラ2415との間の中間転写ベルト2410には、その移動方向に沿って、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各色の感光体ユニット2440、チャージャユニット2418、現像ユニット及びクリーニングユニットからなる作像装置2420がある。作像装置2420は、ICタグを備え、画像形成装置本体に対して脱着可能に装着されている。作像装置2420の上方には、各色感光体ユニットの各感光体ドラムに画像形成のためのレーザ光を照射する書き込みユニット2421がある。
中間転写ベルト2410の下方には、2次転写ユニット2422がある。2次転写ユニット2422は、2つのローラ2423間に、無端ベルトである2次転写ベルト2424を掛け渡して、中間転写ベルト2410を押し上げて第3の支持ローラ2416に押当てるように配置したものである。この2次転写ベルト2424は、中間転写ベルト2410上の画像を、用紙上に転写する。2次転写装置2422の横には、用紙上の転写画像を定着する定着ユニット2425があり、トナー像が転写された用紙がそこに送り込まれる。定着ユニット2425は、無端ベルトである定着ベルト2426に加熱、加圧ローラ2427を押し当てたものである。2次転写ユニット2422及び定着ユニット2425の下方に、表面に画像を形成した直後の用紙を、裏面にも画像を記録するために表裏を反転して送り出すシート反転ユニット2428がある。
操作部ユニット(図示せず)のスタートスイッチが押されると、原稿自動搬送装置(ADF)2470の原稿給紙台2430上に原稿があるときは、それをコンタクトガラス2432上に搬送する。ADFに原稿が無いときにはコンタクトガラス2432上の手置きの原稿を読むために、画像読み取りユニット2471のスキャナを駆動し、第1キャリッジ2433及び第2キャリッジ2434を、読み取り走査駆動する。そして、第1キャリッジ2433上の光源からコンタクトガラスに光を発射するとともに原稿面からの反射光を第1キャリッジ2433上の第1ミラーで反射して第2キャリッジ2434に向け、第2キャリッジ2434上のミラーで反射して結像レンズ2435を通して読取りセンサであるCCD2436に結像する。読取りセンサ2436で得た画像信号に基づいてK、Y、M、C各色記録データが生成される。
また、スタートスイッチが押されたときに、中間転写ベルト2410の回動駆動が開始されるとともに、作像装置2420の各ユニットの作像準備が開始され、そして各色作像の作像シーケンスが開始されて、各色用の感光体ドラムに各色記録データに基づいて変調された露光レーザが投射され、各色作像プロセスにより、各色トナー像が中間転写ベルト2410上に一枚の画像として、重ね転写される。このトナー画像の先端が2次転写ユニット2422に進入するときに同時に先端が2次転写ユニット2422に進入するようにタイミングをはかって用紙が2次転写ユニット2422に送り込まれ、これにより中間転写ベルト2410上のトナー像が用紙に転写する。トナー像が移った用紙は定着ユニット2425に送り込まれ、そこでトナー像が用紙に定着される。
なお、上述の用紙は、給紙テーブル2472の給紙ローラ2442の1つを選択回転駆動し、給紙ユニット2443に多段に備える給紙トレイ2444の1つからシートを繰り出し、分離ローラ2445で1枚だけ分離して、搬送コロユニット2446に入れ、搬送ローラ2447で搬送して画像形成装置内の搬送コロユニット2448に導き、搬送コロユニット2448のレジストローラ2449に突き当てて止めてから、前述のタイミングで2次転写ユニット2422に送り出されるものである。手差しトレイ2451上に用紙を差し込んで給紙することもできる。ユーザが手差しトレイ2451上に用紙を差し込んでいるときには、画像形成装置が給紙ローラ2450を回転駆動して手差しトレイ2451上のシートの一枚を分離して手差し給紙路2453に引き込み、同じくレジストローラ2449に突き当てて止める。
定着ユニット2425で定着処理を受けて排出される用紙は、切換爪2455で排出ローラ2456に案内して排紙トレイ2457上にスタックする。または、切換爪2455でシート反転ユニット2428に案内して、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ2456で排紙トレイ2457上に排出する。一方、画像転写後の中間転写ベルト2410上に残留する残留トナーは、中間転写体クリーニングユニット2417で除去し、再度の画像形成に備える。
レジストローラ2449は一般的には接地されて使用されることが多いが、用紙の紙粉除去のためにバイアス電圧を印加することも可能である。例えば、導電性ゴムローラを用いバイアスを印加する。直径18mmで、表面を1mm厚みの導電性NBRゴムとする。電気抵抗はゴム材の体積抵抗で109Ωcm程度である。このようにバイアスを印加したレジストローラ2449を通過した後の紙表面は、若干マイナス側に帯電している。よって、中間転写ベルト2410からシートへの転写では、レジストローラ2449に電圧を印加しなかった場合に比べて転写条件が変わり転写条件を変更する場合がある。中間転写ベルト2410には、トナーを転写する側(表側)には−800V程度の電圧を印加し、紙裏面側には転写ローラ2462によって+200V程度の電圧を印加する。