しかしながら、上記に示されるように有接点の駆動素子を用いてバッテリーや補助電源に対するAC電源と定着ローラの接続を切り換えていると、定着ローラに供給する電流やバッテリーや補助電源を充電するためにAC電源から入力する電流を制御することは困難であった。また、特許文献1に示すように、定着ローラにバッテリーなどから電力を供給する第2のヒータを設けると、定着ローラの構成が複雑になり高価になるという問題点があった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、定着装置を短時間で立ち上げるとともに電力の消費量を平均化して省エネルギを図ることを第1の目的とする。
また、画像形成装置での定着装置の立ち上がりまでの待ち時間およびプリントやコピー動作中における定着温度低下による動作の一時中断など画像形成装置自体の要因や操作者の待ち時間を少なくすることを第2の目的とする。
また、画像形成装置で、定着ヒータへの通電に使う補助電源を、待機時の電源として使うことにより、待機時のAC電源からの入力を0Wとすることを第3の目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、請求項1にかかる画像形成装置にあっては、直流電源装置と充電手段と補助電源部と制御電圧切換手段および制御電圧変換手段を有し、直流電源装置はAC電源から供給される交流電圧を直流電圧に変換して出力し、充電手段はAC電源から供給される交流電圧を直流電圧に変換して補助電源部に蓄電し、補助電源部は蓄電した充電電圧を出力し、制御電圧切換手段は直流電源装置から出力する直流電圧と補助電源部から出力する充電電圧を切り換えて制御電圧変換手段に供給し、制御電圧変換手段は制御電圧切替手段の切り替えにより供給された直流電圧を低電圧に変換して制御手段に供給し、直流電源装置の出力と補助電源部の出力のいずれかを選択して制御手段に供給することを特徴とする。
この発明によれば、直流電源装置から出力する直流電圧と補助電源部から出力する充電電圧を切り換えて制御電圧変換手段を介して制御手段に供給するようにすることにより、直流電源装置の出力と補助電源部の出力のいずれかを選択して制御手段に供給することができ、電力の消費量を平均化することが可能になる。
また、請求項2にかかる画像形成装置にあっては、前記制御手段は、画像形成時に制御電圧切換手段を直流電源装置側に切り換え、直流電源装置から出力する直流電圧を制御電圧変換手段に供給し、待機時に制御電圧切換手段を補助電源部側に切り換え、補助電源部から出力する充電電圧を制御電圧変換手段に供給することを特徴とする。
この発明によれば、画像形成時に制御電圧切換手段を直流電源装置側に切り換え、直流電源装置から出力する直流電圧を制御電圧変換手段に供給し、待機時に制御電圧切換手段を補助電源部側に切り換え、補助電源部から出力する充電電圧を制御電圧変換手段に供給することにより、待機時において省エネルギを図ることが可能になる。
また、請求項3にかかる画像形成装置にあっては、前記制御手段は、画像形成装置の電源スイッチのオフ動作に同期して制御電圧切換手段を直流電源装置側に切り換え、補助電源部から制御電圧変換手段に供給する電圧を遮断することを特徴とする。
この発明によれば、画像形成装置の電源スイッチのオフ動作に同期して制御電圧切換手段を直流電源装置側に切り換え、補助電源部から制御電圧変換手段に供給する電圧を遮断することにより、電源スイッチをオフにした後に補助電源部から制御手段に制御電圧を供給する事態が回避される。
また、請求項4にかかる画像形成装置にあっては、前記補助電源部は、起動時に定着装置の発熱体に電力を供給することを特徴とする。
この発明によれば、補助電源部は、起動時に定着装置の発熱体に電力を供給することにより、定着装置の短時間で立ち上げが可能になる。
また、請求項5にかかる画像形成装置にあっては、前記制御手段は、待機時に補助電源部の充電電圧が規定電圧以下になったとき、制御電圧切換手段を直流電源装置側に切り換え、直流電源装置から出力する直流電圧を制御電圧変換手段に供給することを特徴とする。
この発明によれば、待機時に補助電源部の充電電圧が規定電圧以下になったとき、制御電圧切換手段を直流電源装置側に切り換え、直流電源装置から出力する直流電圧を制御電圧変換手段に供給することにより、安定した制御電圧を制御手段に供給すること可能になる。
また、請求項6にかかる画像形成装置にあっては、前記補助電源部に複数の蓄電素子と、前記各蓄電素子と直列に接続され前記各蓄電素子の接続を断続する開閉手段を有し、前記各蓄電素子の充電電圧に応じて前記制御電圧切換手段に電圧を供給する蓄電素子を選択して切り換える切換手段を設けたことを特徴とする。
この発明によれば、補助電源部に複数の蓄電素子と、各蓄電素子と直列に接続され各蓄電素子の接続を断続する開閉手段を設け、切換手段で各蓄電素子の充電電圧に応じて制御電圧切換手段に電圧を供給する蓄電素子を選択して切り換えることにより、補助電源部の充電電圧をより有効に利用することが可能になる。
また、請求項7にかかる画像形成装置にあっては、直流電源から直流電圧を生成する直流電圧生成手段と、充電可能な補助電源部と、前記直流電圧生成手段から供給される電圧を前記補助電源部に充電する充電手段と、本装置本体を統括的に制御する制御手段と、前記制御手段に電力供給を行なうDC/DCコンバータと、を有する画像形成装置において、前記DC/DCコンバータの電源として、前記直流電圧生成手段からの出力と前記補助電源部からの出力とを前記制御手段の制御信号にしたがって切り替える電源切替手段を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、DC/DCコンバータの電源として、直流電圧生成手段からの出力と補助電源部からの出力とを制御手段の制御信号にしたがって切り替えることにより、たとえば待機時(省エネモード時)において定着ヒータへの通電は補助電源に切り替えてAC電源からの入力を遮断可能にする。
また、請求項8にかかる画像形成装置にあっては、前記制御手段は、画像形成の待機時に、前記DC/DCコンバータの電源として前記補助電源部に充電された電圧を供給することを特徴とする。
この発明によれば、請求項7において、画像形成の待機時に、DC/DCコンバータの電源(制御用電源)として補助電源部に充電された電圧を供給することにより、待機中のAC電源の入力を0Wにすることが可能になる。
また、請求項9にかかる画像形成装置にあっては、前記制御手段は、装置本体の電源スイッチによる電源オフ時に、前記補助電源部から前記DC/DCコンバータへの電力供給を遮断することを特徴とする。
この発明によれば、請求項7または8において、画像形成装置の電源スイッチ(メインSW)のオフに同期して補助電源からDC/DCコンバータへ供給する電圧を遮断することにより、電源遮断時に本装置の電源が完全に切ることが可能になる。
また、請求項10にかかる画像形成装置にあっては、前記制御手段は、前記補助電源部から放電する場合、前記直流電圧生成手段からの出力を遮断することを特徴とする。
この発明によれば、請求項7において、補助電源部から放電する場合、直流電圧生成手段からの出力を遮断することにより、補助電源部のみの電力供給が可能になる。
また、請求項11にかかる画像形成装置にあっては、前記制御手段は、前記補助電源部の電圧値があらかじめ定められている値に対して低い場合、前記直流電圧生成手段からの出力に切り替えることを特徴とする。
この発明によれば、請求項7において、本装置に供給する補助電源の電圧が所定値よりも低いときには直流電源からの給電に切り替えることにより、安定した制御用電圧の供給が可能になる。
また、請求項12にかかる画像形成装置にあっては、前記制御手段は、前記補助電源部の電圧値があらかじめ定められている値に対して低い場合、前記直流電圧生成手段から前記補助電源部に給電し、充放電を制御することを特徴とする。
この発明によれば、請求項11において、補助電源部の電圧値があらかじめ定められている値に対して低い場合、直流電圧生成手段から補助電源部に給電し、充放電を制御することにより、補助電源を有効に利用することが可能になる。
また、請求項13にかかる画像形成装置にあっては、前記制御手段は、定着ヒータおよび前記DC/DCコンバータに対し、少なくとも前記補助電源部に充電された電圧を供給することを特徴とする。
この発明によれば、請求項7において、定着ヒータおよびDC/DCコンバータに対し、少なくとも補助電源部に充電された電圧を供給することにより、画像形成動作中における定着温度低下などの低減可能になる。
また、請求項14にかかる画像形成装置にあっては、前記補助電源部は、電気二重層コンデンサとすることを特徴とする。
この発明によれば、請求項1〜13の何れか一つにおいて、電気二重層コンデンサを補助電源部として用いることにより、短時間での充放電が可能になり、かつ長寿命化が実現する。
本発明(請求項1)にかかる画像形成装置は、直流電源装置から出力する直流電圧と補助電源部から出力する充電電圧を切り換えて制御電圧変換手段を介して制御手段に供給するようにしたので、直流電源装置の出力と補助電源部の出力のいずれかを選択して制御手段に供給することが実現し、電力の消費量を平均化することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項2)によれば、画像形成時に制御電圧切換手段を直流電源装置側に切り換え、直流電源装置から出力する直流電圧を制御電圧変換手段に供給し、待機時に制御電圧切換手段を補助電源部側に切り換え、補助電源部から出力する充電電圧を制御電圧変換手段に供給するため、待機時に省エネルギを図ることができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項3)によれば、画像形成装置の電源スイッチのオフ動作に同期して制御電圧切換手段を直流電源装置側に切り換え、補助電源部から制御電圧変換手段に供給する電圧を遮断するので、電源スイッチをオフにした後に補助電源部から制御手段に制御電圧を供給する事態を回避することができるという効果を奏する。
さらに、本発明にかかる画像形成装置(請求項4)によれば、補助電源部は、起動時に定着装置の発熱体に電力を供給するため、定着装置を短時間で立ち上げることができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項5)によれば、待機時に補助電源部の充電電圧が規定電圧以下になったとき、制御電圧切換手段を直流電源装置側に切り換え、直流電源装置から出力する直流電圧を制御電圧変換手段に供給するため、安定した制御電圧を制御手段に供給することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項6)によれば、補助電源部に複数の蓄電素子と、各蓄電素子と直列に接続され各蓄電素子の接続を断続する開閉手段を設け、切換手段で各蓄電素子の充電電圧に応じて制御電圧切換手段に電圧を供給する蓄電素子を選択して切り換えるので、補助電源部の充電電圧をより有効に利用することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項7)によれば、DC/DCコンバータの電源として、直流電圧生成手段からの出力と補助電源部からの出力とを制御手段の制御信号にしたがって切り替えることにより、たとえば待機時(省エネモード時)において定着ヒータへの通電は補助電源に切り替えてAC電源からの入力を遮断可能にするため、待機時のAC電源からの入力を0Wにすることができるとともに、補助電源および直流電源からの電力供給が的確に制御されるので、画像形成開始までの待ち時間を短縮することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項8)によれば、請求項7において、画像形成の待機時に、DC/DCコンバータの電源(制御用電源)として補助電源部に充電された電圧を供給するので、待機中のAC電源の入力を0Wにすることができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項9)によれば、請求項7または8において、画像形成装置の電源スイッチ(メインSW)のオフに同期して補助電源からDC/DCコンバータへ供給する電圧を遮断するため、電源遮断時に本装置の電源を完全に切ることができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項10)によれば、請求項7において、補助電源部から放電する場合、直流電圧生成手段からの出力を遮断するので、補助電源部のみの電力供給が実現するという効果を奏する。
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項11)によれば、請求項7において、本装置に供給する補助電源の電圧が所定値よりも低いときには直流電源からの給電に切り替えるので、安定した制御用電圧の供給を行なうことができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項12)によれば、請求項11において、補助電源部の電圧値があらかじめ定められている値に対して低い場合、直流電圧生成手段から補助電源部に給電し、充放電を制御するので、補助電源を有効に利用することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項13)によれば、請求項7において、定着ヒータおよびDC/DCコンバータに対し、少なくとも補助電源部に充電された電圧を供給するため、画像形成動作中における定着温度低下などを低減することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる画像形成装置(請求項14)によれば、請求項1〜13の何れか一つにおいて、電気二重層コンデンサを補助電源部として用いるため、短時間での充放電および長寿命化が実現するという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置の最良な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
この実施の形態1は、直流電源装置から出力する直流電圧と補助電源部から出力する充電電圧を切り換えて制御電圧変換手段を介して制御手段に供給するようにすることにより、直流電源装置の出力と補助電源部の出力のいずれかを選択して制御手段に供給可能にして、電力の消費量を平均化して省エネルギを図るとともに、定着装置を短時間で立ち上げるものである。以下、具体的に説明する。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる画像形成装置の外観図である。図に示すように、画像形成装置1は、自動原稿送り装置2と、プリント部数などのジョブ情報を入力する操作部3と、自動原稿送り装置2で送られた原稿を読み取り画像情報に変換する読取部4と、読み取った原稿の画像を形成して記録紙に転写する作像エンジン部5と、記録紙を貯蔵して作像エンジン部5に送る給紙ユニット6と、記録紙の両面に画像を形成するときに使用する両面ユニット7と、画像が形成された記録紙のステープルなどを行なうフィニッシャー8と、を有する。
作像エンジン部5のエンジン部9は、図2の構成図に示すように、感光体10と、感光体10の周囲に沿って設けられた帯電装置11と、感光体10の回転方向の帯電装置11より下流側に設けられ、レーザ光12を感光体10の表面に入射するミラー13と、レーザ光12の入射部の下流側に設けられた現像装置14と、現像装置14の下流側に設けられた転写装置15と、転写装置15の下流側に設けられたクリーニング装置16と、記録紙に転写したトナー像を定着する定着装置17を有する。
この画像形成装置1で画像を形成するとき、回転している感光体10の表面を帯電装置11により均一に帯電し、画像情報に応じて出射されるレーザ光12をミラー13で反射して帯電した感光体10の表面に入射し、形成する画像に応じた静電潜像を形成する。感光体10の表面に形成した静電潜像を現像装置14で現像してトナー像を形成する。一方、給紙ユニット6から給紙された記録紙はレジストローラ18の位置で一旦停止している。そして感光体10に形成されたトナー像が転写装置15に達すると、画像位置のタイミングを合わせてレジストローラ18から記録紙を送り出し、感光体10に形成されたトナー像を転写装置15で記録紙に転写する。転写装置15でトナー像が転写された記録紙は定着装置17に送られ、記録紙に転写したトナー像のトナーを加熱溶融して定着する。また、記録紙に転写されずに感光体10に残留したトナーはクリーニング装置16で除去される。
この記録紙に転写されたトナー像を定着する定着装置17は、図3の構成図に示すように、内部に発熱体19を有する定着ローラ20と、定着ローラ20に押圧した加圧ローラ21と、たとえばサーミスターからなる温度センサ22と、を有する。定着ローラ20と加圧ローラ21のローラ基体は、アルミニュームや鉄などの金属を使用し、耐久性や加圧による変形などを防いでいる。特に定着ローラ20は熱容量が大きく形成され、加熱したときに、加熱温度を安定して保持できるようになっている。定着ローラ20内に設けられた発熱体19は、たとえばガラス管の中にある電熱線が電力の供給によって発光し、周囲の物体を加熱するハロゲンヒータを使用して寿命を長くするようにしている。なお、ハロゲンヒータに限らず、その他の抵抗発熱体を使用してもよい。また、定着ローラ20と加圧ローラ21のローラ基体の表面にはトナーとの固着を防ぐため離型層を形成し、ローラ基体の内面にはハロゲンヒータの熱を効率よく吸収するため黒化処理をしている。この定着装置17の加熱した定着ローラ20と加圧ローラ21のニップ部で記録紙23に転写されたトナー24を加熱および加圧し、その作用によって定着する。
この画像形成装置1に電力を供給する電源装置25は、図4の回路図に示すように、画像形成装置1の各部に電力を供給する直流電源装置26と、定着ローラ20の発熱体19に電力を供給するインバータ27と、インバータ27の動作を制御するインバータ制御部28と、制御電圧変換部29と、補助電源部30と、制御電圧切換手段31と、を有する。
この電源装置25には交流電源32からサーキットブレーカCBと自動電圧調整器AVRおよびノイズフィルタNFを介して電源電圧が供給される。この電源電圧は主電源スイッチSW1を介して直流電源装置26に供給されるとともに開閉手段であるパワーリレーの接点RL1を介してインバータ27に供給される。
直流電源装置26は、図5の回路図に示すように、たとえばDC24Vの負荷電圧Vpを出力する負荷電圧出力部33と、たとえばDC5Vの制御電圧Vcを出力する制御電圧出力部34を有する。この直流電源装置26の負荷電圧出力部33から出力される負荷電圧Vpは作像エンジン部5のパワー負荷35aに供給される。また、直流電源装置26の制御電圧出力部34から出力される制御電圧Vcは制御電圧切換手段31を介して制御電圧変換部29に供給される。
制御電圧変換部29は、図5に示すように、複数のDC/DCコンバータ29a,29b,29cを有し、各DC/DCコンバータ29a〜29cで印加したたとえばDC5Vの制御電圧Vcを、たとえばDC3.3VとDC2.5VおよびDC1.6Vに変換してエンジン制御部36に出力する。エンジン制御部36は、図6のブロック図に示すように、操作部3で指定されたプリント部数などのジョブ情報を処理する操作制御部37と、作像エンジン部5の省エネ負荷35bに電力を供給して制御を主に行なうI/O制御部38と、原稿の読み込みや画像情報の加工および作像エンジン部5への書き込みなどを行なう読取・書込制御部39と、電源が切れた状態でもデータを保持する不揮発性メモリ40と、これらをシステム的に制御するメイン制御部41と、を有する。
インバータ27は、図4に示すように、パワーリレーRL1から整流手段のダイオードブリッジDBと、コンデンサCおよびコイルL1からなるフィルタと、インバータ制御部28で制御されるドライバDR1により動作するスイッチング素子Q1とを有し、定着ローラ20の発熱体19に加熱電流を供給するとともに、発熱体19とスイッチング素子Q1の直列回路に並列に接続された補助電源部30に電力を供給する。
補助電源部30は、たとえば電気二重層コンデンサからなるキャパシタを使用している。このキャパシタはたとえば1個のセルの容量が2.5V程度のものが直列に接続されている。この補助電源部30の出力電圧は制御電圧切換手段31を介して制御電圧変換部29に印加される。
この画像形成装置1で主電源スイッチSW1がオンになると、直流電源装置26から出力される負荷電圧Vpを作像エンジン部5のモータなどのパワー負荷35aに供給し、制御電圧Vcを制御電圧切換手段31と制御電圧変換部29を介してエンジン制御部36に供給してエンジン制御部36を駆動し、パワーリレーRL1をオンにしてインバータ27を駆動して定着ローラ20の発熱体19に電流を供給して定着ローラ20の立ち上げ、エンジン制御部36から作像エンジン部5の省エネ負荷35bに電力を供給して各部の初期設定を行ない画像形成動作を行なう。
画像形成動作が終了して待機時の省エネモードに入ると、図7のフローチャートに示すように、エンジン制御部26は、インバータ制御部28の動作を制御して定着ローラ20の発熱体19に供給している電流を遮断し、パワー負荷35をオフにし(ステップS1,S2)、制御電圧切換手段31の接続を直流電源装置26から補助電源部30側に切り換え、補助電源部30から制御電圧切換手段31を介してエンジン制御部36に電力を供給し、エンジン制御部36から作像エンジン部5の省エネ負荷35bに電力を供給する(ステップS3)。このように省エネモードのときに、キャパシタからなる補助電源部30からエンジン制御部26に対してのみ電力を供給することにより、交流電源32から供給する電力を0Wにすることができ、省エネルギを図ることができる。
この省エネモードのとき、エンジン制御部36に補助電源部30から電力を供給しているため、主電源スイッチSW1をオフにしてもエンジン制御部36は動作している。そこでこれを回避するために、図5に示すように、主電源スイッチSW1のオン・オフを検出する主スイッチ検出部42を設け、主スイッチ検出部42で主電源スイッチSW1がオフになったことを検出したとき、エンジン制御部36は制御電圧切換手段31を補助電源部30から直流電源装置26に切り換える。このようにして主電源スイッチSW1がオフになったときに、画像形成装置1自体を停止させることができる。
上述では省エネモードのときに、補助電源部30からエンジン制御部36に対してのみ電力を供給する場合について説明したが、待機時の省エネモードのときに、補助電源部30からエンジン制御部36とともに定着ローラ20の発熱体19に電力を供給するようにしてもよい。たとえば図8の回路図に示すように、インバータ27aのコンデンサCおよびコイルL1からなるフィルタの出力端に定着ローラ20の発熱体19と点灯制御を行なうスイッチング素子Q1を接続するとともに、リレーRL2とダイオードD5の並列回路と補助電源部30および補助電源部30の充電制御を行なうスイッチング素子Q2を、発熱体19とスイッチング素子Q1と並列に接続し、補助電源部30の出力電圧を検出する電圧検出部43を設ける。
また、インバータ制御部28は、エンジン制御部36からの制御信号により定着ローラ20の発熱体19の点灯制御と定着ローラ20の温度制御および補助電源部30の充電制御を行なう。このインバータ制御部28は画像形成装置1の動作状態に応じてエンジン制御部36から送られる制御信号により、発熱体19をAC電源32から送られる電力で通電するか補助電源部30の出力電圧で通電するかを切り換える。また、発熱体19と補助電源部30への通電は、各駆動ドライバDRI,DR2でスイッチング素子Q1,Q2の動作を制御して行ない、各スイッチング素子Q1,Q2の導通比率は発熱体19と補助電源部30へ通電する電流値に応じて制御している。
このインバータ27aで補助電源部30を充電するときはリレーRL2を開にしてダイオードD5を介して行い。補助電源部30から発熱体19に通電するときは、リレーRL2を閉にしてダイオードD1をバイパスして通電する。
発熱体19の点灯制御では、画像形成装置1の起動時すなわち電源投入時または定着ローラ20の温度を低目に設定している省エネモードからの復帰時で定着ローラ20の温度が目標の温度たとえば180℃以下であって、補助電源部30の電圧がAC電源32のピーク電圧に近い基準電圧たとえば110V以上の場合は、AC電源系のパワーリレーRL1をオフにし、補助電源系のパワーリレーRL2をオンにして補助電源部30から発熱体19に通電する。この補助電源部30はキャパシタを使用しているので、発熱体19に通電すると放電により充電電圧が低下する。このため電圧検出部43で補助電源部30の電圧を検出し、補助電源部30の電圧がたとえばAC電源32の電圧である100V以下に低下した場合、パワーリレーRL2をオフにし、パワーリレーRL1をオンにしてAC電源系から発熱体19に通電するとともに補助電源部30を充電する。この発熱体に通電を行なう電源すなわちAC電源系と補助電源部30の選択は、補助電源部30の充電電圧に応じて任意のタイミングで行なうことができる。
つぎに、図9に示すフローチャートを参照し、待機時の動作例について説明する。この補助電源部30で所定のタイミングで発熱体19を通電しているときに、画像形成装置1の画像形成動作が終了して省エネモードになると(ステップS11)、エンジン制御部26は、インバータ制御部28の動作を制御して定着ローラ20の発熱体19に供給している電流を遮断し、パワー負荷35をオフする(ステップS12)。さらに制御電圧切換手段31の接続を直流電源装置26から補助電源部30側に切り換え、補助電源部30から制御電圧切換手段31を介してエンジン制御部36に電力を供給する(ステップS13)。この補助電源部30からエンジン制御部36に電力を供給しているとき、電圧検出部43で検出している電圧をエンジン制御部36のメイン制御部41で監視し(ステップS14)、補助電源部30の充電電圧が規定電圧以上のとき、補助電源部30からエンジン制御部36に電力を供給する(ステップS15,S13)。
そして、補助電源部30の充電電圧が規定電圧以下になると(ステップS14)、制御電圧切換手段31の接続を直流電源装置26側に切り換え、直流電源装置26からエンジン制御部36に電力を供給する(ステップS16)。この状態で補助電源部30の充電電圧が規定電圧以上になると、制御電圧切換手段31の接続を補助電源部30側に切り換え、補助電源部30からエンジン制御部36に電力を供給する(ステップS14、S15,S13)。そして画像形成装置1が起動すると省エネモードを解除する(ステップS14)。
このように補助電源部30の充電電圧に応じてエンジン制御部36に電力を供給する電源系を切り換えて、電力の消費量を平均化し、省エネを実現ことができる。
また、補助電源部30のキャパシタは、たとえば1個のセルの容量が2.5VV程度のものが直列に接続されている。一方、制御電圧変換部29のDC/DCコンバータ29aはたとえば5Vを3.3Vに変換している。そこで図10の構成図に示すように、補助電源部30を複数のキャパシタ群30a〜30dとスイッチ44a〜44dとを直列に接続し、切換手段45をキャパシタ群30aに接続してキャパシタ群30aから制御電圧変換部29に電力を供給しているとき、キャパシタ群30aの充電電圧が規定電圧になったとき、切換手段45をキャパシタ群30bに切り換えてキャパシタ群30bから制御電圧変換部29に電力を供給するようにしてもよい。このように複数のキャパシタ群30a〜30dを切り換えて制御電圧変換部29に電力を供給することにより、補助電源部30の充電電圧をより有効に利用することができる。
(実施の形態2)
この実施の形態2は、AC電源から定着ヒータに供給できる電流より大きな電流を供給できる定着装置、およびAC電源から定着ヒータへの通電と併行して、蓄電手段への充電を行える定着装置、AC電源からの通電と補助電源からの通電を1つの定着ヒータで行ない、蓄電素子の充電状態をAC電源がオフのときにも省エネ可能な定着装置を実現するものである。すなわち、この実施の形態2では下記の3つの項目を実現するものである。
(1)プリント動作中における定着温度低下の低減(お休みタイムの低減)
(1−1)プリント/コピー動作時の電力補填
プリント/コピー動作時は、画像形成装置の各部で電力消費が最大になるので、定着ヒータへ通電できる電流の割合が少なくなる。このため、AC電源から通電できる電流よりも、補助電源回路から供給できる電流が大きいときには、補助電源回路の蓄電素子から通電し、定着温度の低下を回避する。
(1−2)補助電源回路への充電
AC電源から画像形成装置への入力電流が定格電流以下のときは、入力電流と定格電流の差に応じて、補助電源回路の蓄電素子を充電する。具体的には、主に画像形成装置が、プリントまたはコピー動作の開始を待っている待機状態に充電を行なう。また、動作中でも入力電流に余裕のある場合(たとえば、定着ローラの温度が目標温度に達しており、定着ヒータに通電しなくてもよい場合)には、その余裕に応じた充電を行なう。なお、充電電圧が所定値以上の場合は充電を行わない。また、装置の電源が入っていない状態でも、蓄電素子に電圧が充電されている場合はそれを表示するようにする。
(1−3)待機時のAC電源からの入力を0Wにする
画像形成装置で、定着ヒータへの通電に使う補助電源(キャパシタ)を、待機時の電源として使うことにより、待機時のAC電源からの入力を0Wとする。以下これらの具体的な例について説明する。
図10は、本発明の実施の形態2にかかる複合機能のフルカラーデジタル複写機の外観図である。このフルカラーデジタル複写機(以下、複写機という)は、大きくは、自動原稿搬送装置(ADF)400と操作ボード610と、カラー原稿スキャナー300と、カラープリンタ100と、給紙テーブル200の各ユニットで構成されている。機内のシステムコントローラ630(図13参照)には、パソコンPCが接続したLAN(Local Area Network)が接続されている。この複写機のシステムコントローラ630(図13参照)は、通信網(インターネット)に接続することができ、この通信網を介して、管理センタの管理サーバ500と通信してデータ交換することができる。
図12は、図10の複写機の概略構成を示す説明図である。カラープリンタ100は、中央に、無端ベルト状の中間転写ベルト110が配置されている。中間転写ベルト110は、たとえば伸びの少ないフッ素樹脂や伸びの大きなゴム材料に帆布など伸びにくい材料で構成された基層に弾性層を設けた複層ベルトである。弾性層は、たとえばフッ素系ゴムやアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムの表面に、たとえばフッ素系樹脂をコーティングして平滑性のよいコート層を形成したものである。
中間転写ベルト110は、3つの支持ローラ114〜116に掛け回されており時計回りに回転駆動される。また、第2の支持ローラ115の左には、画像転写後に中間転写ベルト110上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置117がある。
第1の支持ローラ114と第2の支持ローラ115との間に張り渡した中間転写ベルト110上には、その搬送方向に沿って、ブラック(K)・イエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)の各色作像ユニット(作像プロセス機器)でなる作像装置120があり、各色作像ユニットは、それぞれ個別に、プリンタ本体に対して脱着可能に装着されている。各色作像ユニットには、感光体ドラムを荷電する帯電器、潜像を現像する現像器、クリーニング装置およびその他の周辺機器でなる作像関連機器118がある。作像装置120の上方には、各色作像ユニットの各感光体ドラムに画像形成のためのレーザ光を照射するレーザ露光装置121がある。
中間転写ベルト110の下方には、2次転写装置122を備える。2次転写装置122は、2つのローラ123間に、無端ベルトである2次転写ベルト124を掛け渡して構成し、中間転写ベルト110を押し上げて第3の支持ローラ116に押当てるように配置したものである。この2次転写ベルト124は、中間転写ベルト110上の画像を記録紙上に転写する。2次転写装置122の横には、記録紙上の転写画像を定着する定着装置125があり、トナー像が転写された記録紙が定着ベルト126と加圧ローラ127とのニップ部分に送り込まれる。定着装置125は、無端ベルトである定着ベルト126に加圧ローラ127を押し当てたものである。2次転写装置122および定着装置125の下方に、表面に画像を形成した直後の記録紙を、裏面にも画像を記録するために表裏を反転して送り出すシート反転装置128がある。
つぎに、以上のように構成された複写機の動作について説明する。スタートスイッチが押下されると、ADF400に原稿がセットされているときは、それをコンタクトガラス432上に搬送し、あるいはADF400に原稿がないときにはコンタクトガラス432上に手置きの原稿を読むために直ちに、スキャナ300を駆動し、第1キャリッジ333および第2キャリッジ334を走査駆動する。そして、第1キャリッジ333上の光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光を第1キャリッジ333上のミラーで反射して第2キャリッジ334上のミラーで反射して結像レンズ335を通して読取センサであるCCD336に結像する。CCD336で得た画像信号に基づいてK,Y,M,C各色の記録データが生成される。
また、スタートスイッチが押下されたときに、中間転写ベルト110の回転駆動が開始されるとともに、作像装置20の各作像ユニットの作像準備が開始され、そして各色作像ユニットの作像シーケンスが開始されて、各色作像ユニットに各色記録データに基づいて変調された露光レーザが照射され、各色作像プロセスにより、各色トナー像が中間転写ベルト110上に1枚の画像として重ね転写される。このトナー画像の先端が2次転写装置122に進入するときに同時に先端が2次転写装置122に進入するようにタイミングをはかって記録紙が2次転写装置122に送り込まれる。これにより、中間転写ベルト110上のトナー像が記録紙に転写する。トナー像が転写された記録紙は定着装置25に送り込まれ、トナー像が記録紙に定着される。
なお、上述の記録紙は給紙テーブル200の給紙ローラ242の1つを選択回転し、ペーパーバンク243に多段に備える給紙カセット244の1つから記録紙を繰り出し、分離ローラ245で1枚ずつ分離して給紙路246に入れ、搬送ローラ247で搬送してカラープリンタ100内の給紙路148に導き、レジストローラ149に突き当て一旦停止させ、その後前述のタイミングで2次転写装置122に送りだされるものである。また、手差しトレイ151上に記録紙を差し込んで給紙することもできる。ユーザが手差しトレイ151上に記録紙を差し込んでいるときには、カラープリンタ100が給紙ローラ150を回転駆動して手差しトレイ151上の記録紙の1枚を分離して手差し給紙路153に引き込み、同じくレジストローラ149に突き当てた状態で待機させ、所定のタイミングで再搬送する。
定着装置125で定着処理を受けて排出される記録紙は、切換爪155で排出ローラ156に案内して、排紙トレイ157上にスタックする。または、切換爪155で切り換えてシート反転装置128に導き、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ156で排紙トレイ157上に排出する。
図13は、図11の複写機における画像読取,画像処理,画像蓄積および画像形成のシステム構成を示すブロック図である。カラー原稿スキャナ300の原稿を光学的に読み取る読取ユニット301は、原稿に対する照明光源の走査を行ない、SBU(センサーボードユニット)のCCD336に原稿像を結像する原稿像、すなわち原稿に対する光照射の反射光をCCD336で光電変換し、R,G,B画像信号を生成し、SBU上のRGB画像データに変換し、かつシェーディング補正し、そして出力I/F(インターフェース)302で画像データバスを介して画像データ処理器IPP(Image Processing Processor;以下、IPPと記述する)に送出する。
IPPは、分離生成(画像が文字領域か写真領域かの判定:像域分離),地肌除去,スキャナガンマ変換,フィルタ,色補正,変倍,画像加工,プリンタガンマ変換および階調処理を行なう。IPPは画像処理を行なうプログラマブルな演算処理手段である。スキャナ300からIPPに転送された画像データは、IPPにて光学系およびデジタル信号への量子化に伴う信号劣化(スキャナ系信号の劣化)を補正され、フレームメモリ601に書き込まれる。
システムコントローラ630は、スキャナアプリケーション,ファクシミリアプリケーション,プリンタアプリケーションおよびコピーアプリケーションなどの複数アプリケーションの機能を有し、システム全体の制御を行なう。操作パネル制御装置631は、操作ボード610からの入力を解読して本システムの設定とその状態内容を表示する装置である。画像データバス/制御コマンドバスは、画像データと制御コマンドが時分割で転送されるバスである。
システムコントローラ630のCPU605は、システムコントローラ630の制御を行なう。ROM604にはシステムコントローラ630の制御プログラムが格納されている。RAM603はCPU605が使用するワーキングメモリである。NVRAM602は、不揮発メモリであり、システム全体の情報の保管を行なうものである。
外部機器通信制御606は、画像の読み取り、画像の蓄積,あるいは画像印刷を要求する外部機器(たとえば、同様の複写機,画像スキャナ,パソコン,プリンタ,ファクシミリ)ならびに管理センタの管理サーバ500と通信制御を行なうものであり、ネットワークに接続するための物理I/Fの制御を行なう。ネットワーク接続された外部通信機器制御606がネットワークからデータを受信すると、電気的な信号より通信データの内容だけシステムI/F607に送る。システムI/F607では、規定されたプロトコルにしたがい受信データを論理変換しCPU605に送る。CPU605が、ネットワークにデータを送信するときは、受信動作とは反対の手順で、システムI/F607,外部通信機器制御606にデータが伝達され、電気信号としてネットワーク上に送出される。
システムI/F607は、CPU605の命令によりシステム内で処理される画像読取データ,ファクシミリ受信データ,パソコンのドキュメントデータ(印刷命令)の転送制御,ならびにパソコンのドキュメントデータも印刷用のイメージデータ(画像データ)への変換と転送を行なう。ワークメモリ600はプリンタで使用する画像展開(ドキュメントデータからイメージデータへの変換)の作業用メモリである。フレームメモリ601は、電源が供給され続けている状態で即座に印刷される読み取り画像や書込み画像のイメージデータを一時蓄える作業用メモリである。
HDC650は、システムのアプリケーションプログラムならびにプリンタ100の作像プロセス機器の機器付勢情報を格納するアプリケーションデータベース、ならびに読取画像や書込み画像のイメージデータ、すなわち画像データ、ならびにドキュメントデータを蓄える画像データベースとして用いられるハードディスクHDDとコントローラである。イメージデータおよびドキュメントデータは、符号化されたドットイメージであったりする。
FIFOバッファメモリ609は、入力画像をフレームメモリ601へ書き込むときのデータ転送速度変換を行なう。すなわち、転送元と転送先のデータ送出/受入れタイミングの差,転送単位のデータ量の相違,転送速度差を吸収するデータの一時蓄積を行ない、転送元の転送タイミングおよび速度でデータを受入れ、転送先の転送タイミングおよび速度でデータを送り出す。同様にFIFOバッファメモリ608は、フレームメモリ601の画像データを出力画像としてデータ転送するときの速度変換を行なう。
メモリコントローラ610は、CPU605の制御なしにフレームメモリ601およびHDDC650とバス間の画像の入出力を制御する。また、操作ボード610の入力装置614が受けたコマンドに応じて、フレームメモリ601を利用して、HDDC650に蓄積している画像の編集、加工あるいは画像合成を行なう。
また、メモリコントローラ610は、HDDC650のHDDからワークメモリ601への画像を読み出しと、主に画像データアドレス操作による記録紙に対する画像の印刷方向の変更,画像の回転,画像の組合せ編集と、画像データに対する設定値の加減乗除による濃度変換,画像データ同士の論理積演算や論理和演算による画像トリミングおよび合成と、このように画像処理した画像情報のHDDへの書込みとによって、各種の画像加工および編集を行なうことができる。画像の読み取りは読取ユニット624が行ない、印刷変倍は画像書込みユニット623が行なう。
CPU617は、操作ボード610の入出力制御を行なう。すなわち操作ボード610の入力読込みおよび表示出力を制御する。ROM616には、操作ボード610の制御プログラムが格納されている。RAM618は、CPU617が制御途中で使用する作業用メモリである。入力装置614は、使用者が操作ボード610の入力キーおよび入力パネルを操作してシステム設定の入力を行なう装置である。表示装置615は、操作ボード610にあって、使用者にシステムの設定内容、状態を表示するものであり、表示灯および表示パネルを含む。主走査および副走査の基本倍率調整値はシステム調整工程でサンプル画像による倍率測定が行われ、操作パネル制御装置611により設定が行われる。また、主走査,副走査の四辺縁なし倍率調整値は、使用者またはメンテナンス担当者(サービスマン)により印刷画像から、画像欠けおよび余白が発生していないか確認され、それらを抑制する倍率調整値が操作ボード610により設定される。
図14は、図12の複写機1における電源系の構成を示すブロック図である。また、図15は図14の具体的な構成例を示す回路図である。ACライン50から供給されるAC電源を直流電源52内のAC/DCコンバータ53によりDC電源に変換し、一部は直接+38V、+24V、+5V系の各負荷58a,58b,58cに電源として供給する。また、+5V負荷58d,+24V系負荷58cは充電回路54を介して補助電源である電気二重層コンデンサ55の充電に使用することが可能となっている。
なお、補助電源としては電気二重層コンデンサ以外にもいろいろと選択可能であるが、この実施の形態では短時間での充放電が可能で、長寿命である電気二重層コンデンサを用いている。電気二重層コンデンサの特性として放電するにしたがい端子電圧が低くなってしまうため、昇降圧コンバータ56を電気二重層コンデンサ55の後に配置することにより出力電圧が一定になるようにしている。
この実施の形態2では、省エネ負荷(DC/DCコンバータ),+5V系負荷58d,+24V系負荷58cへ供給するので、昇降圧コンバータ56は入力電圧が+24Vから+5Vの範囲で+5V,+24V出力可能な構成としている。切換回路57は、ACライン50から供給されるAC電源を元にAC/DCコンバータ53により生成された+5V,+24V電源と、電気二重層コンデンサ55に蓄積されたエネルギーから昇降圧コンバータ56を通して作られた+5V,+24V電源と、をエンジン制御部60による制御にしたがって切り換えて省エネ負荷(DC/DCコンバータ),+5V系負荷58d,+24V系負荷58cに供給する働きをする。
エンジン制御部60は、複写機1の全体の制御も行なっており、各動作モードに応じてシーケンシャルに各負荷58a〜58dを動作させる。また、エンジン制御部60は電気二重層コンデンサ55への充放電の制御も行なっている。ACライン50からの供給電力ですべての負荷に対して電力供給が可能であると判断しているときはAC/DCコンバータ53により作られた+24V電源を+24V系負荷58cに供給するように切換回路57を切り換えて、余裕分は充電回路54を制御することにより電気二重層コンデンサ55を充電する。一方、ACライン50からの供給電力ですべての負荷に対して電力供給するには足りないと判断しているときは、電気二重層コンデンサ55に蓄積されたエネルギーから昇降圧コンバータ56を通して作られた+5V,+24V電源を+5V,+24V系負荷58cに供給するように切換回路57を切り換える。
なお、図15において、符号61aは3.3用VDC/DCコンバータ、符号61bは2.5用VDC/DCコンバータ、符号61cは1.6用VDC/DCコンバータ、符号64は直流電源52を遮断する直流電源遮断回路、符号65は主電源SW51のオン・オフを検出するメインSW検出回路、符号66はエンジン制御部60内に設けられたCPU、符号69はメインモータなどのパワー負荷である。
図16は、省エネモードにおける制御動作(1)を示すフローチャートであり、エンジン制御部60によって実行される。図16において、まず、省エネモードであるか否かを判断する(ステップS21)。ここで、省エネモードであると判断すると、エンジン制御部60は、省エネ負荷切替回路62を介して、省エネ負荷63への電源供給を、直流電源52から補助電源(電気二重層コンデンサ55)への電源供給に切り替え(ステップS22)、補助電源(電気二重層コンデンサ55)の電圧を監視し(ステップS23)、キャパシタの選択を行なう(ステップS24)。続いて、補助電源(電気二重層コンデンサ55)の電圧が規定値以上であるか否かを判断し(ステップS25)、規定値以上であれば、DC/DCコンバータ61への給電を実行する(ステップS26)。
また、電気二重層コンデンサ55に直流電源を供給し、充電しながら各負荷へ放電し、電源を供給することも可能である。
省エネ負荷63は、DC/DCコンバータ61から電力供給を受けて動作している。図17は、省エネモードにおける制御動作(2)を示すフローチャートである。まず、省エネモードであるか否かを判断し(ステップS31)、省エネモードのときには、定着ヒータ72をオフし、さらにパワー負荷69をオフし(ステップS32)、補助電源に切り替え、補助電源からの電源供給を開始する(ステップ33)。なお、省エネモードのときは、その他への電源供給は行わないものとする。
このような制御を行なうことにより、AC電源50からの入力を0Wにすることが可能である。なお、このとき、補助電源からの電力供給を行なっているため、装置の主電源SW51を切っても、エンジン制御部60は動作している。そこで、これを回避するために、エンジン制御60は装置の主電源SW51から、電源ON/OFF信号を検知することで、省エネ負荷切替回路62をオフすることにより、装置自体を停止させることも可能である。また、補助電源からの通電のみのときは、直流電源52を切ることも可能である。
この補助電源(電気二重層コンデンサ55)は、待機時に省エネ負荷に対して電源供給するだけでなく、図18に示すような回路を用いることにより、定着ローラへの電源供給も可能である。図19のフローチャートに示すように、定着装置を制御するインバータ制御回路71では、定着ヒータ72の温度制御(ステップS41)、定着ヒータ72の点灯制御(ステップS42)、補助電源(電気二重層コンデンサ55)の充電制御(ステップS43)、画像形成装置本体のエンジン制御部60との通信(ステップS44)を行なっている。エンジン制御部72から定着ヒータ72のオンの信号が出るとインバータ制御回路71では、定着ヒータ72をAC電源50と補助電源(電気二重層コンデンサ55)のどちらで通電するかを判断し、定着ヒータ72への通電を行なっている。
ヒータ回路および補助電源(電気二重層コンデンサ55)への通電は、各駆動回路DRIV(1)74およびDRIV(2)75で行なっており、スイッチング素子Q1,Q2をオン(導通)することにより定着ヒータ72または電気二重層コンデンサ55に通電される。スイッチング素子Q1,Q2の導通比率は、それぞれの負荷(ヒータとキャパシタ)へ通電する電流値に応じて制御している。
補助電源(電気二重層コンデンサ55)へ充電は、ダイオードD1を介して行なう。補助電源(電気二重層コンデンサ55)から定着ヒータ72への通電は、開閉素子であるリレーRL2を閉じ、ダイオードD1をバイパスして通電する。
図20は、定着ヒータのDuty点灯制御の動作を示すフローチャートである。まず、定着温度が目標温度以下であるか否かを判断する(ステップS51)。ここで、定着温度が目標温度以下であると判断した場合、さらに定着入力電流が以下であると判断した場合、定着ヒータ72をオンして通電率を上げる(ステップS53)。一方、定着温度が目標温度を超えている場合には、定着ヒータ72をオフして通電率を下げる(ステップS53)。また、ステップS51において定着温度が目標値を超えている場合には、定着ヒータ72をオフして通電率0とする(ステップS54)。
このように、定着ヒータ72の点灯制御では、装置の起動時(電源投入時または定着ローラの温度を低目に設定している省エネモードからの復帰時)か判断し、起動時の定着ローラの温度が目標の温度(たとえば180℃)以下であって、電気二重層コンデンサ55の電圧がAC電源50のピーク電圧に近い基準電圧1(たとえば110V)以上の場合は、AC電源系のパワーリレーRL1を開き、補助電源系のパワーリレーRL2を閉じて、補助電源から定着ヒータ72に通電(Duty点灯)を行なう。
また、蓄電素子にはキャパシタを使用しているので、補助電源から定着ヒータに通電を行なった場合は、放電により充電電圧が低下する。このため、出力電圧検出回路(VSEN)76で充電電圧を監視し、放電が進みAC電源の電圧よりも低下した場合は(具体的には、蓄電素子の直流の充電電圧が、AC電源の定格電圧である100V以下に低下した場合)、補助電源系のパワーリレーRL2を開き、AC電源系からの通電に切り替えている。定着ヒータ72に通電を行なう電源(AC電源または補助電源)の選択は、任意のタイミングで行なうことができる。