本発明は、主電源に加えて蓄電可能な補助電源を有する電源装置、特に、これに限定する意図ではないが、軽負荷時には補助電源を充電し、高負荷時にはDC負荷群に補助電源から給電して、外部給電ラインに対して電力負荷を制限値以内に平準化する電源装置、ならびにそれを用いる画像形成装置に関する。この画像形成装置は例えば、プリンタ,複写機およびファクシミリ装置に用いることができる。
特開2002−199588号公報、および、
特開2004−236492号公報。
近年電子写真プロセスを利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらを組み合わせた複合機は、多機能化しており、これに伴って構造も複雑化して最大消費電力が増大する傾向となっている。また、定着装置の立ち上がりまでの待ち時間およびプリントやコピー動作中における定着温度低下による動作の一時中断など,画像形成装置自体の要因や操作者の待ち時間を少なくするため、定着ヒータへの供給電力を増大する傾向となっている。これに対して通常の電源ラインから供給可能な電力には制限が有るので、これが機器を設計する上での大きな制約となっている。
負荷電力の平準化についての従来技術としては特許文献1に開示されているように、主電源の供給電力を監視する手段を設けて、主電源の供給電力が予め決められた所定値より少ないときには補助電源を充電し、主電源の供給電力が予め決められた所定値より多いときには補助電源に蓄積した電力を給電することで、比較的短時間の間に急峻に変化する電力を平準化する技術が開示されている。また、引用文献2には、使用消費電力を予測し、予測した消費電力が主電源の供給可能電力を越える場合に補助電源により、一部の負荷に電力を供給し、電源ラインの最大供給可能電力を越えないようにした電源装置が提供されている。
しかしながら、特許文献2に開示されている技術によると、作像プロセスを担うDC負荷群の一部の負荷に対してのみ、主電源からの給電と補助電源からの給電とを切換えるため、補助電源から該一部の負荷に給電中に、主電源の電源電圧が異常低下すると、主電源の給電を停止するが、作像プロセスを継続することができないので、全ての負荷の動作を停止する。これにより作像プロセスが急停止することとなる。
本発明は、電源装置による給電の信頼性又は安定性を高くすることを第1の目的とし、電源装置を具備する画像形成装置において、予期しない供給電力遮断のために作像プロセスが緊急停止することを防ぐことを第2の目的とする。予期しない供給電力遮断のために、作像プロセス各負荷の駆動回路などにおける二次被害を防止することを第3の目的とする。
(1)主電源(42),蓄電可能な補助電源(43),負荷を前記主電源と補助電源の一方に択一接続する選択接続手段(46a,46b)、および、外部給電ライン(41)に対して低負荷となる電源出力となるときは前記選択接続手段を介して前記負荷を前記主電源(42)に接続して、負荷への通電を制御する負荷制御により、該主電源から負荷に通電し、外部給電ラインに対して高負荷となる電源出力となるときは前記選択接続手段を介して前記負荷を前記補助電源(43)に接続して前記負荷制御により該補助電源から負荷に通電する制御手段(20)、を備える電源装置において、
前記主電源(42)の異常を検出する検出手段(42c,42d)を備え;
前記補助電源(43)は蓄電手段(43b)および該蓄電手段の電力を定電圧出力するコンバータ(43c)を含み;
前記制御手段(20)は、前記負荷制御により前記補助電源(43)から前記負荷に通電をしているときに前記検出手段(42c,42d)が異常を検出した場合は、前記負荷制御により前記負荷の通電を停止してから前記補助電源の前記コンバータ(43c)の出力動作を停止する;
ことを特徴とする電源装置(図3,図7〜11)。
なお、理解を容易にするために括弧内には、図面に示し後述する実施例の対応要素又は対応事項の符号を、例示として参考までに付記した。
負荷を補助電源(43)に接続して該補助電源から負荷に通電しこの通電をしているときに、例えば主電源(42)の出力電圧が低下しこれを検出手段(42c,42d)が異常と検出しても、制御手段(20)は、負荷通電は即座には遮断せず、負荷への通電を制御する負荷制御により負荷の付勢すなわち通電(駆動もしくは動作)を停止してから、補助電源(43)による通電すなわち負荷への通電を停止する。これにより、負荷の付勢が正常な負荷制御により停止し通電が止まってから、負荷への出力電圧が遮断される。したがって、負荷が動作中に電力供給が突然に遮断されることがなく、負荷の駆動回路(ドライバ),負荷によって駆動又は保護される部材あるいは電気回路などにおける二次被害を回避できる。
(2)前記負荷は、協働して一つのまとまりの機能又はプロセスを実現する、複数の負荷を含む負荷群(47a,47b)である;上記(1)に記載の電源装置。
(3)前記制御手段(20)は、前記補助電源(43)から前記負荷群(47a,47b)に給電しているときに前記検出手段(42c,42d)が異常を検出した場合は、前記一つのまとまりの機能又はプロセスを完了し前記負荷制御により前記負荷群の通電を停止してから、前記補助電源(43)の前記コンバータ(43c)の出力動作を停止する、上記(2)に記載の電源装置。
(4)前記制御手段(20)は、前記補助電源(43)の前記蓄電手段(43b)の充電は、外部給電ライン(41)に対して低負荷であって前記負荷への給電を停止している待機の期間に開始する;上記(1)乃至(3)のいずれか1つに記載の電源装置。
(5)上記(3)に記載の電源装置を具備し、前記一つのまとまりの機能又はプロセスが、用紙上に画像を形成する作像プロセスである、画像形成装置。これによれば、作像プロセスを実行するための負荷の付勢が、正常な負荷制御により停止し通電が止まってから、負荷への出力電圧が遮断される。したがって、作像プロセスが進行中に電力供給が突然に遮断されることがなく、作像プロセスを実行する負荷の駆動回路(ドライバ)および作像プロセス関連機器あるいは電気回路などにおける二次被害を回避できる。
(6)感光体(201)に静電潜像を形成し該静電潜像をトナー像に現像して該トナー像を直接に又は中間転写体を介して間接に用紙に転写する作像手段(201〜210);
定着ヒータを含み、前記用紙上のトナー像を該用紙に固着する定着装置(214);および、
上記(1)に記載の電源装置であって、その主電源(42)が、前記定着ヒータに通電する定着ヒータ駆動回路(42b)および前記定着ヒータ以外の電力負荷(47a,47b)に給電するための作像電源回路(42a)を含み、補助電源(43)が、前記蓄電手段である蓄電キャパシタ(43b),該蓄電キャパシタを充電する充電器(43a)および該蓄電キャパシタの電力を出力する前記コンバータ(43c)を含む電源装置;を備える画像形成装置。
これによれば、作像プロセスを実行するための電力負荷の付勢が、正常な負荷制御により停止し通電が止まってから、負荷への出力電圧が遮断される。したがって、作像プロセスが進行中に電力供給が突然に遮断されることがなく、作像プロセスを実行する負荷の駆動回路(ドライバ)および作像プロセス関連機器あるいは電気回路などにおける二次被害を回避できる。定着ヒータには補助電源(43)から給電しないので、電力供給が突然に遮断される可能性はある。この遮断は定着温度低下をもたらすが、前記二次被害をもたらす可能性は低い。また、定着器の定着温度の低下は緩やかであって、定着性能が次第に低下するが、数枚の定着を実質的に不足なく行うことができるので、作像プロセスが進行中に電力供給が突然に遮断されても、補助電源による給電を継続して作像プロセスを所定の区切りで完了してから、作像プロセスを実行する電力負荷の付勢を、正常な負荷制御により停止し通電が止まってから、負荷への出力電圧を遮断することができる。こうすると、作像プロセス中途の転写紙が画像形成装置に残ったまま画像形成装置が異常停止するペーパトラブル(ペーパジャム)を、回避できる。
(7)前記電源装置の前記制御手段(20)は、前記定着ヒータ以外の電力負荷(47a,47b)を前記補助電源(43)に接続して該補助電源から該電力負荷に給電しこの給電をしているときに前記検出手段が異常を検出した場合は、作像処理中の転写紙のみ通常処理し前記負荷制御により前記電力負荷の通電を停止し、そして前記補助電源(43)の前記コンバータ(43c)の出力動作を停止する;上記(6)に記載の画像形成装置。主電源(42)の電源電圧が低下した場合でも画像形成装置を通常動作させる事ができ、印刷中の電力供給遮断によるシステムの急停止を防ぎ、それにより、紙詰まりや各負荷の駆動回路故障などの二次被害を防止することが可能となる。
(8)前記電源装置の前記制御手段(20)は、前記定着ヒータ以外の電力負荷(47a,47b)を前記補助電源(43)に接続して該補助電源から該電力負荷に給電しこの給電をしているときに前記検出手段が異常を検出した場合は、処理中の作像ジョブ(連続コピー)終了後に前記負荷制御により前記電力負荷の通電を停止してから前記補助電源(43)の前記コンバータ(43c)の出力動作を停止する;上記(6)に記載の画像形成装置。処理中のジョブ終了後に全ての負荷の動作を停止し、負荷への電力供給を停止することにより、主電源の電源電圧が低下しても、印刷処理中のジョブが補助電源からの出力可能時間中に終了する場合は、印刷処理中のジョブを終了させることが可能となる。
(9)感光体(201)に静電潜像を形成し該静電潜像をトナー像に現像して該トナー像を直接に又は中間転写体を介して間接に用紙に転写する作像手段(201〜210);
定着ヒータを含み、前記用紙上のトナー像を該用紙に固着する定着装置(214);
前記定着ヒータに通電する定着ヒータ駆動回路(42b)および前記定着ヒータ以外の電力負荷(47a,47b)に給電するための作像電源回路を含む主電源(42);
該主電源の異常を検出する検出手段(42c,42d);
蓄電手段である蓄電キャパシタ,該蓄電キャパシタを充電する充電器および該蓄電キャパシタの電力を出力するコンバータを含む蓄電可能な補助電源(43);
前記電力負荷を前記主電源と前記補助電源の一方に択一接続する選択接続手段;および、
外部給電ラインに対して低負荷となる電源出力となるときは前記選択接続手段を介して前記電力負荷を前記主電源に接続して、負荷への通電を制御する負荷制御により、該主電源から負荷に通電し、外部給電ラインに対して高負荷となる電源出力となるときは前記選択接続手段を介して前記電力負荷を前記補助電源に接続して前記負荷制御により該補助電源から前記電力負荷に通電しこの通電をしているときに前記検出手段が異常を検出した場合は、処理中の作像ジョブの残り枚数と前記補助電源の残電圧に依存する給電可能時間に応じて、処理中のジョブが完遂可能な場合はジョブ終了後に、処理中のジョブが完遂不可の場合は処理中の転写紙の通常処理後に、前記負荷制御により前記電力負荷の通電を停止してから前記補助電源の前記コンバータ(43c)の出力動作を停止する制御手段(20);
を備える画像形成装置。
主電源(42)の電源電圧が低下しても、印刷処理中のジョブが補助電源(43)からの出力可能時間中に終了する場合は、印刷処理中のジョブを終了させることが可能となり、また、印刷処理中のジョブを終了させることが不可能な場合でも、印刷中の電力供給遮断によるシステムの急停止を防ぎ、それにより、紙詰まりや各負荷の駆動回路故障などの二次被害を防止することが可能となる。
(10)前記電源装置の前記制御手段(20)は、前記定着ヒータ以外の電力負荷(47a,47b)を前記補助電源(43)に接続して該補助電源から該電力負荷に給電しこの給電をしているときに前記検出手段が異常を検出した場合は、作像ジョブを継続し前記蓄電キャパシタの電圧が所定電圧(Vs1)以下になるとその時点で作像処理中の転写紙のみを通常処理し前記負荷制御により前記電力負荷の通電を停止してから、前記補助電源(43)の前記コンバータ(43c)の出力動作を停止する;請求項6に記載の画像形成装置。前記所定電圧(Vs1)とは、後述の実施例では、補助電源のキャパシタ電圧を定電圧に変換する、キャパシタコンバータ内の定電圧制御回路の出力可能限界電圧に、処理中の転写紙を通常処理するために必要な電力量供給可能な電圧を加算した値である。
主電源(42)の電源電圧が低下してからも補助電源(43)からの供給のみで限界まで画像形成装置を動作させることが可能となり、また、印刷中の電力供給遮断によるシステムの急停止を防ぎ、それにより、紙詰まりや各負荷の駆動回路故障などの二次被害を防止することが可能となる。
(11)更に、外部給電ライン(41)と前記主電源(42)および補助電源(43)との間に介挿された主電源スイッチ(40);を備え、前記電源装置の前記制御手段(20)は、前記主電源(42)から給電される;上記(6)乃至(10)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
(12)前記制御手段(20)は、動作電圧が加わって起動した直後の、前記定着装置(214)の定着温度を立ち上げ時に、負荷への前記補助電源の給電を行い、該定着温度を立ち上げた後に、負荷への前記補助電源の給電を停止する、上記(11)に記載の画像形成装置。
(13)前記制御手段(20)は、作像スタート指示に応答して作像を開始できる待機モードが、ユーザの指示入力又は操作がなく設定時間継続すると、前記定着ヒータ駆動回路(42b)をオフかつ前記作像電源回路(42a)の作像に所要の負荷へ給電する回路部をオフにする省エネモードに移行する、上記(11)又は(12)に記載の画像形成装置。
(14)前記制御手段(20)は、省エネモードに移行した後、ユーザの指示入力又は操作に応答して、前記定着ヒータ駆動回路(42b)をオンかつ前記作像電源回路(42a)の作像に所要の負荷へ給電する回路部をオンにする前記待機モードに復帰する、上記(13)に記載の画像形成装置。
(15)前記制御手段(20)は、前記待機モードに移行した直後の、前記定着装置(214)の定着温度を立ち上げ時に、負荷への前記補助電源の給電を行い、該定着温度を立ち上げた後に、負荷への前記補助電源の給電を停止する、上記(14)に記載の画像形成装置。
(16)前記制御手段(20)は、前記待機モードで負荷への前記補助電源の給電が停止しているときに、前記充電器(43a)による前記蓄電キャパシタ(43b)の充電を行う、上記(14)又は(15)に記載の画像形成装置。
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
図1に、本発明の第1実施例のフルカラーデジタル複合機能複写機MF1の外観を示す。このフルカラー複写機MF1は、大略で、自動原稿送り装置(ADF)120と、操作ボード10と、カラースキャナ100と、カラープリンタ200の各ユニットで構成されている。なお、操作ボード10と、ADF120付きのカラースキャナ100は、プリンタ200から分離可能なユニットであり、カラースキャナ100は、動力機器ドライバやセンサ入力およびコントローラを有する制御ボードを有して、プリンタ200のエンジンコントローラと直接または間接に通信を行いタイミング制御されて原稿画像の読取りを行う。
図2に、複合機能複写機MF1のカラープリンタ200の機構を示す。この実施例のカラープリンタ200は、レーザプリンタである。このレーザプリンタ200は、マゼンダ(M),シアン(C),イエロー(Y)および黒(ブラック:K)の各色の画像を形成するための4組のトナー像形成ユニットa〜dが、第1転写ベルト208の移動方向(図中の左から右方向y)に沿ってこの順に配置されている。即ち、4連ドラム方式(タンデム方式)のフルカラー画像形成装置である。回転可能に支持され矢印方向に回転する感光体201の外周部には、除電装置,クリーニング装置,帯電装置202および現像装置204が配備されている。帯電装置202と現像装置204の間には、露光装置203から発せられる光情報の入るスペースが確保されている。感光体201は4個(a,b,c,d)あるが、それぞれ周囲に設けられる画像形成用の部品構成は同じである。現像装置204が扱う色材(トナー)の色が異なる。各感光体201(4個)の一部が、第1転写ベルト208に接している。ベルト状の感光体も採用可能である。
第1転写ベルト208は矢印方向に移動可能に、回転する支持ローラおよび駆動ローラ間に支持、張架されていて、裏側(ループの内側)には、第1転写ローラが感光体201の近傍に配備されている。ベルトループの外側に、第1転写ベルト用のクリーニング装置が配備されている。第1転写ベルト208より転写紙(用紙)又は第2転写ベルト215にトナー像を転写した後にその表面に残留する不要のトナーを拭い去る。露光装置203は公知のレーザ方式で、フルカラー画像形成に対応した光情報を、一様に帯電された感光体表面に照射して静電潜像を形成する。LEDアレイと結像手段から成る露光装置も採用できる。
図2上で、第1転写ベルト208の右方には、第2転写ベルト215が配備されている。第1転写ベルト208と第2転写ベルト215は接触し、あらかじめ定められた転写ニップを形成する。第2転写ベルト215は矢印方向に移動可能に、支持ローラおよび駆動ローラ間に支持、張架されていて、裏側(ループの内側)には、第2転写手段が配備されている。ベルトループの外側に、第2転写ベルト用のクリーニング装置,チャージャ等が配備されている。該クリーニング装置は、用紙にトナーを転写した後、残留する不要のトナーを拭い去る。転写紙(用紙)は、図の下方の給紙カセット209,210に収納されており、最上の用紙が給紙ローラで1枚づつ、複数の用紙ガイドを経てレジストローラ233に搬送される。第2転写ベルト215の上方に、定着器214、排紙ガイド224、排紙ローラ225、排紙スタック226が配備されている。第1転写ベルト208の上方で、排紙スタック226の下方には、補給用のトナーが収納できる収納部227が設けてある。トナーの色はマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの四色があり、カートリッジの形態にしてある。粉体ポンプ等により対応する色の現像装置204に適宜補給される。
ここで両面印刷のときの各部の動作を説明する。まず感光体201による、作像が行われる。すなわち、露光装置203の作動により、不図示のLD光源からの光は、不図示の光学部品を経て、帯電装置202で一様に帯電された感光体201のうち、作像ユニットaの感光体上に至り、書き込み情報(色に応じた情報)に対応した潜像を形成する。感光体201上の潜像は現像装置204で現像され、トナーによる顕像が感光体201の表面に形成され保持される。このトナー像は、第1転写手段により、感光体201と同期して移動する第1転写ベルト208の表面に転写される。感光体201の表面は、残存するトナーがクリーニング装置でクリーニングされ、除電装置で除電され次の作像サイクルに備える。第1転写ベルト208は、表面に転写されたトナー像を坦持し、矢印の方向に移動する。作像ユニットbの感光体201に、別の色に対応する潜像が書き込まれ、対応する色のトナーで現像され顕像となる。この像は、すでに第1転写ベルト208に乗っている前の色の顕像に重ねられ、最終的に4色重ねられる。なお、単色黒のみを形成する場合もある。このとき同期して第2転写ベルト215は矢印方向に移動していて、第2転写手段117の作用で、第2転写ベルト215の表面に第1転写ベルト208表面に作られた画像が転写される。いわゆるタンデム形式である4個の作像ユニットa〜dの各感光体201上で画像が形成されながら、第1,第2転写ベルト208,215が移動し、作像が進められるので、その時間が短縮できる。第1転写ベルト208が、所定のところまで移動すると、用紙の別の面に作成されるべきトナー画像が、前述したような工程で再度感光体201により作像され、給紙が開始される。給紙カセット121又は122内の最上部にある用紙が引き出され、レジストローラ233に搬送される。レジストローラ233を経て、第1転写ベルト208と第2転写ベルト215の間に送られる用紙の片側の面に、第1転写ベルト208表面のトナー像が、第2転写手段117により転写される。更に記録媒体は上方に搬送され、第2転写ベルト215表面のトナー像が、チャージャにより用紙のもう一方の面に転写される。転写に際して、用紙は画像の位置が正規のものとなるよう、タイミングがとられて搬送される。
上記のステップで両面にトナー像が転写された用紙は、定着器214に送られ、用紙上のトナー像(両面)が一度に溶融、定着され、ガイド224を経て排紙ローラ225により本体フレーム上部の排紙スタック226に排出される。図2のように、排紙部224〜226を構成した場合、両面画像のうち後から用紙に転写される面(頁)、すなわち第1転写ベルト208から用紙に直接転写される面が下面となって、排紙スタック226に載置されるから、頁揃えをしておくには2頁目の画像を先に作成し、第2転写ベルト215にそのトナー像を保持し、1頁目の画像を第1転写ベルト208から用紙に直接転写する。第1転写ベルト208から直接に用紙に転写される画像は、感光体表面で正像にし、第2転写ベルト215から用紙に転写されるトナー像は、感光体表面で逆像(鏡像)になるよう露光される。このような頁揃えのための作像順、ならびに、正、逆像(鏡像)に切り換える画像処理も、コントローラ501上でのメモリに対する画像データの読書き制御によって行っている。第2転写ベルト215から用紙に転写した後、ブラシローラ,回収ローラ,ブレード等を備えたクリーニング装置が、第2転写ベルト215に残留する不要のトナーや紙粉を除去する。
図2では第2転写ベルト215のクリーニング装置のブラシローラが第2転写ベルト215の表面から離れた状態にある。支点を中心として揺動可能で、第2転写ベルト215の表面に接離可能な構造になっている。用紙に転写する以前で、第2転写ベルト215がトナー像を担持しているとき離し、クリーニングが必要のとき、図で反時計方向に揺動し接触させる。除去された不要トナーはトナー収納部に集められる。以上が、「両面転写モード」を設定した両面印刷モードの作像プロセスである。両面印刷の場合には、常にこの作像プロセスで印刷が行われる。
片面印刷の場合には、「第2転写ベルト215による片面転写モード」と「第1転写ベルト208による片面転写モード」の2つがあり、前者の第2転写ベルト215を用いる片面転写モードを設定した場合には、第1転写ベルト208に3色又は4色重ねもしくは単色黒で形成された顕像が第2転写ベルト215に転写され、そして用紙の片面に転写される。用紙の他面には画像転写はない。この場合、排紙スタック226に排出された印刷済用紙の上面に印刷画面がある。後者の第1転写ベルト208を用いる片面転写モードを設定した場合には、第1転写ベルト208に3色又は4色重ねもしくは単色黒で形成された顕像が、第2転写ベルト215には転写されずに、用紙の片面に転写される。用紙の他面には画像転写はない。この場合は、排紙スタック226に排出された印刷済用紙の下面に印刷画面がある。
図3に、図1に示すデジタル複合機の電源システムの概要を示す。ACライン41から主電源SW40を介して供給されるAC電源を主電源42に含まれるAC/DCコンバータ42aによりDC電圧に変換し、切替回路46a,46bを介して+5V系および+24V系の各負荷に印加する。またAC電源は、補助電源43のキャパシタ充電器43aにも入力され、キャパシタ43bの充電に使用される。補助電源としてのキャパシタ43bは、電気二重層コンデンサ等の大容量のキャパシタで構成した。電気二重層コンデンサ以外にもいろいろと選択可能だが、本実施例では、短時間での充放電が可能で、長寿命である電気二重層コンデンサを用いている。電気二重層コンデンサの特徴として放電するに従い端子電圧が低くなってしまうため、キャパシタコンバータ43cをキャパシタ43bの後に配置して出力電圧が一定になるようにしている。キャパシタコンバータ43cは、キャパシタ43bの充電電圧及び使用下限電圧仕様に応じ、昇圧コンバータ,降圧コンバータ,昇降圧コンバータのいずれかを使用する。また、電圧検出回路43dは、キャパシタ電圧を監視するものである。
切換回路46aは、ACライン41から供給されるAC電源を元にAC/DCコンバータ42aにより作られた+5V電源と、キャパシタ43bに蓄積されたエネルギーからキャパシタコンバータ43cを通して作られた+5V電源とを、制御部20による制御に従って切り換えて+5V系負荷47aに供給する働きをする。また、切換回路46bは、ACライン41から供給されるAC電源を元にAC/DCコンバータ42aにより作られた+24V電源と、キャパシタ43bに蓄積されたエネルギーからキャパシタコンバータ43cを通して作られた+24V電源とを、制御部20による制御に従って切り換えて+24V系負荷47bに供給する働きをする。
また、主電源42は、+5V電源出力の電源電圧を監視する電圧異常検出回路42cおよび+24V電源出力の電源電圧を監視する電圧異常検出回路42d、ならびに、外部入力ACの電圧異常を監視するAC入力電圧異常検出回路42eを有しており、+5V電源および+24V電源の電圧低下、ならびに、AC入力電圧の電圧低下、を検知することが可能である。
制御部20は、デジタル複写機MF1の全体の制御も行っており、各動作モードに応じてシーケンシャルに各負荷47a,47bを動作させる。また制御部20は、キャパシタ43bへの充放電の制御も行っており、装置の立ち上げ時、及び立ち上げ後所定の時間までの期間は、キャパシタ43bに蓄積されたエネルギーからキャパシタコンバータ43cにより作られた+5V電源,+24V電源を、+5V系,+24V系の各負荷47a,47bに供給するように、切換回路46a、46bを切り換える。このときACライン41からの供給電力に対して生じる余裕分は、定着ヒータ駆動回路42bを制御し、定着器214の定着加熱装置(定着ヒータ)48への供給電力量を増大する。
図4は、制御部20の構成を表すブロック図である。制御部20は、ROM22に格納されたプログラムや不揮発性RAM24に格納されたプログラムやデータに従って、デジタル複写機MF1および電源装置の制御を行うCPU21と、CPU21を動作させるためのプログラムを格納するROM22と、CPU21のワークメモリとして使用されるRAM23と、各負荷の動作状態や各動作モードにおける消費電力データを格納した消費電力テーブルや各動作モードにおける印刷処理に要する時間データを格納した印刷処理時間テーブルなどを記憶する不揮発性RAM24と、フルカラーデジタル複合機能複写機MF1の各センサ26の入力に基づいて、各負荷47a,47bを制御するI/O制御部25とを備えて構成される。
図5は、装置立ち上げ時の消費電力の遷移をグラフ化したものであり、横軸に時間を、縦軸に装置の総消費電力を示す。点線は、ACラインからの供給が可能な電力である。主電源SW40オン直後の定着リロード期間Iでは、装置に要求される立ち上げ時間を満足させるため、通常時より多大な電力を定着加熱装置48に供給し、定着器214をプリントが可能な温度にできるだけ早く立ち上げる。このとき、+5V系,+24V系の各負荷47a,47bには補助電源43により電力を供給し、ACライン41の供給可能な電力に対しての余裕分も定着加熱装置48に供給可能とすることにより、さらに立ち上げ時間を短縮させることが可能となる。また、定着リロード後、プリント動作開始から所定時間経過までの期間IIaにおいても前記起動時同様にDC負荷へは補助電源43により電力を供給する。定着器214が、プリントが可能な温度に一度達すれば、温度維持のためには、定着ヒータ供給電力が起動時より小さくてもよい(期間IIb)。このようなシステムであっても、定着リロード終了後からは、プリント動作が開始され、モータ等の起動によりDC負荷が増大し、前記定着ヒータ供給電力を含めた総電力が、電源ライン41の供給可能な電力を越えてしまうことがあるが、その際の電源ライン41の供給電力は、供給可能電力以下となりシステムの破綻を防止することができる。また、プリント開始時は、通紙による定着温度の落ち込みが生じるため通常時より定着加熱装置48への電力を増大する必要のあるシステムでは、定着加熱装置48への電力増大分も見込んで補助電源43によりDC負荷47a,47bに電力を供給する。
補助電源43の蓄積電力には、限度があり、連続供給は不可能となるため、あらかじめ規定した時間が経過した期間IIbでは、DC負荷47a,47bへの電力は主電源42から供給するように切り換え、補助電源43の電力供給を停止する。このとき定着加熱装置48への供給電力が通常時より大きく設定されていれば、通常時の供給電力に戻す。
上記では、補助電源43の電力供給停止タイミングをあらかじめ規定した時間とし、後述の実施例でもそのようにしているが(図6のステップS13)、規定されたプリント枚数経過後としてもよい。この場合、補助電源供給停止までのプリント枚数の決め方として、用紙サイズ,室温等をパラメータとした可変値とすると補助電源容量を最大限に利用可能となる。
前記まででは、2つの期間I,IIaについてそれぞれ個別に述べたが、組み合わせて装置に搭載することにより、期間IIaでのプリント動作開始時、定着温度落ち込みを抑えた分、定着リロードを低く設定し、定着立ち上がり時間をさらに短縮させることも可能である。また、定着加熱装置に大電力が必要と思われる定着リロード期間I、及び定着リロード後から所定時間経過までの期間IIaについて述べたが、以外の期間であっても定着装置に大電力が必要な特定される期間であれば、同様に適用できる。
図6に、主電源スイッチ40のオフからオンへの切換り、又は、省エネモードから待機モードへの復帰により、複写機MF1各部に印刷(複写を含む)を行うに所要の動作電圧が印加された直後に、制御部20(のCPU21;以下も同様)が開始する「給電制御」PSCaの概要を示す。複写機MF1各部に印刷を行うに所要の動作電圧を印加した待機モードになると制御部20は、設定時間(時限値)が経過する度に実行するタイマ割込みPMRaを許可する(ステップS1)。次に、電圧検出回路43dをキャパシタ43bの電圧検出端に接続するスイッチをオンにして、電圧検出回路43dの電圧検出信号のレベルをA/D変換して読み込み、充電開始閾値Vcw以上であるか判定する(ステップS2)。そして該スイッチはオフにする。すなわち、キャパシタ電圧の把握が必要ない期間は、電圧検出回路43dをキャパシタ43bの電圧検出端から遮断してキャパシタ43bの、電圧検出回路43dによる放電を防ぐ。
なお、以下においては、括弧内にはステップという語を省略して、ステップNo.記号のみを記す。
A/D変換して読み込んだキャパシタ電圧が充電開始閾値Vcw以上であると、制御部20は、複写機各部の状態を把握する(S3)。ここで、主電源スイッチ40が投入された直後、あるいは、省エネモードからの、待機モード(印刷スタート指示待ち状態)への復帰時であり、定着リロード動作すなわち定着温度立ち上げを実行する必要があると判断した場合には、キャパシタコンバータ43cをドライブし、かつ切換回路46a,46bにより、定着に至るまでの作像プロセスを実行するための+5V系負荷47aおよび+24V系負荷47cへの電源供給を、補助電源43からの給電に指定するために、制御部20の内部のメモリの1領域に定めたレジスタFRpに、補助電源43からの給電を指示する指示情報「1」を書き込む(S4)。この指示情報「1」に応じて、図7に示し後述するタイマ割込み(PMRa)が、補助電源43のドライブすなわち補助電源43からの給電(電圧出力)を開始して(33)、切換回路46a,46bを、補助電源43から負荷47a,47bへの給電に切り換える(34)。すなわち、負荷47a,47bを、主電源42の接続から、補助電源43への接続に切り換える。図6を再度参照すると、制御部20は更に、定着器214の定着加熱装置(定着ヒータ)48への供給可能電力の増大を行い(S5)、定着リロード動作を開始する(S6)。
しかし、A/D変換して読み込んだキャパシタ電圧が充電開始閾値Vcw未満であったときには、上述の、補助電源43からの給電には切換えず、定着加熱装置48への供給可能電力の増大も行わないで、定着リロード動作を開始する(S2,S6)。
定着リロードの完了を確認し(S7)、定着リロードが完了すると、レジスタFRpのデータを参照して(S8)、それが「1」(補助電源43からの給電中)であると、補助電源からの給電を継続した状態でのプリント制御(S8〜S14)に進んで、操作者によるプリント指示があるかないかの判断をする(S9)。
プリント指示があり、定着供給電力を定着リロード中の電力に切り換える必要がある場合には、定着供給電力をプリント開始時に要求される電力に切り換え(S10)、補助電源43による負荷47b,47cへの電力供給のまま、プリント動作を開始する(S11)。プリント(作像)動作開始後、タイマを起動し(S12)、所定の時間が経過したことを確認したら(S13)、すなわちタイマがタイムオーバすると、定着供給電力を通常プリント時の供給電力に切り換え(S14)、続けて切換回路46a,46bにより負荷47a,47bへの給電を主電源42のAC/DCコンバータ42aでつくられた+5V,+24電源に切り換え、キャパシタコンバータ43は動作(出力)を停止して、レジスタFRpの補助電源から負荷への給電中を表わす情報「1」をクリアする(S15)。すなわちレジスタFRpのデータを、補助電源から負荷への給電の停止を指示する指示情報「0」とする。なお、定着リロード後、続けてプリント指示がない場合は、定着リロード(定着温度立ち上げ)を完了したタイミングで、定着供給電力を待機時(印刷スタート指示待ち)の定着温度維持電力に切り換え(S14)、補助電源43の駆動(電圧出力)を停止して、レジスタFRpをクリアする(S15)。すなわちレジスタFRpのデータを、補助電源43からの給電の停止を指示する「0」に更新する。この指示情報「0」に応じて、図7に示し後述するタイマ割込み(PMRa)が、切換回路46a,46bを、主電源42から負荷47a,47bへの給電に切り換え(31−44−45)、補助電源43からの給電(電圧出力)を停止する(46)。すなわち、負荷47a,47bを、補助電源43の接続から、主電源42への接続に切り換える。
図6を再度参照すると、その後は、プリント指示があるとプリント動作を行う(S16,S17)。また、前記定着リロード完了直後にレジスタFRpのデータが「0」(補助電源43からの給電停止)であったときにも、同様に補助電源からの給電を停止した状態でのプリント制御(S16,S17)に進む(S8,S16)。
この、補助電源からの給電を停止した状態での印刷制御(S16,S17)では、印刷動作中に定着温度の低下が激しいときにはステップS4〜S6と同様に、補助電源43からの給電を開始して定着温度の急速な立ち上げを行い、定着温度が上昇するとステップS14,S15と同様に補助電源43からの給電を停止する。
また、プリント動作がなく、プリント指示待ちのときには、キャパシタ43aの電圧を読み込んで充電要か検索して(S18)、充電要であるとキャパシタ43bに充電する(S19)。プリント動作がなく、プリント指示待ち(待機モード)が設定時間継続すると(S20)、このときキャパシタ43bが充電不要であると、タイマ割込み(PMRa)を禁止して(S21)、省エネモードに移行する(S22)。待機モードが設定時間継続したときキャパシタ43bが充電中であると、充電が完了してから、タイマ割込み(PMRa)を禁止して省エネモードに移行する。
省エネモードに移行するとき制御部20は、定着ヒータ駆動回路42をオフし、かつAC/DCコンバータ42aの、作像に所要の負荷へ給電する回路部をオフにする。この省エネモードでは、制御部20はスリープ状態であり、AC/DCコンバータ42aの、省エネモードでもオンにされている一部電源回路から給電されるユーザアクセス監視回路が、ユーザアクセスを検出して待機モードに移行する電源オンを行って各部に作像動作用の定常動作電圧が加わるまで、スリープ状態を継続する。待機モードに移行すると、すなわち複写機各部に定常動作電圧が加わると、これにより制御部20がウェイクアップして、図6に示した、上述の「給電制御」PSCaを開始する。
図7に、設定時間(時限値)が経過する度に実行するタイマ割込み(PMRa)の内容を示す。このタイマ割込み(PMRa)は、割込み許可の時(図6のS1)に設定時間の時限値が設定されて時限動作を開始(タイマスタート)する割込みタイマが、時限値の計数を完了(タイムオーバ)すると、該割込みタイマを再スタートしてから実行されるものであるので、ステップS21でタイマ割込みが禁止されるまで、実質的に該設定時間の周期で繰り返し実行される。
タイマ割込み(PMRa)に進むと制御部20(のCPU21)は、レジスタFRpの指示情報を参照して、それが1であって前回の指示情報を格納するレジスタFRPpの指示情報と不一致であると、すなわち指示情報が0から1に変わっていると、補助電源43のキャパシタコンバータ43cのドライブ(電圧出力すなわち給電)を開始してレジスタFRPpのデータを1(補助電源が給電中)に書き換え(31〜33)、切換回路46a,46bを、負荷47a,47b/主電源43間接続から、負荷47a,47b/補助電源42間接続に切り換える(34)。この「補助電源から負荷47a,47bへの給電」への切り換え(33,34)は、給電制御(PSCa)のステップS4など、レジスタFRpの指示情報が0(補助電源の給電停止指示)から1(補助電源の給電指示)に切り換わった直後のタイマ割込み(PMRa)で実行される。レジスタFRPpの指示情報がレジスタFRpの指示情報1と一致していた場合には、既に補助電源が給電中であるので、上述の、「補助電源から負荷47a,47bへの給電」への切り換え(33,34)は行わない(32,35)。
タイマ割込み(PMRa)に進んだときにレジスタFRpの指示情報が0であって前回の指示情報を格納するレジスタFRPpの指示情報と不一致であると、すなわち指示情報が1から0に変わっていると、切換回路46a,46bを、負荷47a,47b/補助電源42間接続から負荷47a,47b/主電源43間接続に切り換えて(31,44,45)、補助電源43のキャパシタコンバータ43cの駆動を停止してレジスタFRPpのデータを0(補助電源が給電を停止中)に書き換える(46)。この「主電源42から負荷47a,47bへの給電」への切り換え(45,46)は、図6の給電制御(PSCa)のステップS15など、レジスタFRpの指示情報が1(補助電源からの給電の指示)から0(補助電源からの給電を停止する指示)に切り換わった直後のタイマ割込み(PMRa)で実行される。レジスタFRPpの指示情報がレジスタFRpの指示情報0と一致していた場合には、既に補助電源の給電が停止中であるので、上述の、「主電源から負荷47a,47bへの給電」への切り換え(45,46)は行わない(44,リターン)。
次に、AC入力電圧が低下した場合の処理、ならびに、主電源42のAC/DCコンバータ42aのDC出力電圧が低下した際の処理、について説明する。補助電源43から、負荷47a,47bにDC電力を供給中に、AC入力電圧が低下した場合又は画像形成装置の主電源43のDC電源電圧低下を検出した場合、制御部20によって即全ての負荷をオフ(動作を停止:通電を停止)にして、それから補助電源43から負荷47a,47bへの電力供給(電力出力)を停止することにより、各負荷が動作中に電力供給が突然に遮断されることを回避し、これにより各負荷の駆動回路などにおける二次被害を防止する。処理方法について図7を参照しながら説明する。補助電源43から負荷47a,47bへの電力供給をしていると、制御部20は、タイマ割込み(PMRa)のステップ35でAC入力電圧異常検出回路42eの検出信号を参照してAC入力電圧異常の有無を判定し、また、ステップ36で電圧異常検出回路42c,42dの検出信号を参照してAC/DCコンバータ42aのDC出力異常の有無を判定し、ここでは、電圧異常検出回路42c,42dの少なくとも一方が低電圧異常を表わす検出信号を出力していると、「主電源42が低電圧異常」と判定する。そして、AC入力電圧異常であると、又は、DC出力の低電圧異常であると、電源異常情報を生成して状態レジスタに書込むとともに、操作ボード10に異常発生を表わす表示を行う(41)。更に、負荷47a,47bをオフにして作像プロセスを停止する(42)。すなわち、正常な制御動作により、定着ヒータへの通電を停止し、作像プロセスを停止する。それから、補助電源43のドライブすなわち給電(電圧出力)を、停止する(43)。
第2実施例のハードウエアおよび給電制御は、上述の第1実施例のもの(図1〜図6)と同様であるが、タイマ割込みの一部に変更がある。図8に、第2実施例のタイマ割込み(PMRb)の内容を示す。このタイマ割込み(PMRb:図8)は、第1実施例のタイマ割込み(PMRa:図7)のステップ38と41の間に、印刷処理中の転写紙の印刷完了を待つ処理ステップ51を加えたものである。AC入力電圧異常と判定した場合には、第1実施例と同じくステップ41〜43の異常対応の処理を実施する。しかし、AC入力電圧は正常であるが、主電源43のDC低電圧異常を最初に認識したタイマ割込み(PMRb)では、ステップ51で給紙トレイからの新規転写紙の繰出しを禁止し、かつ、給紙トレイから既に繰り出されて機内にある転写紙全ての作像プロセスの完了と機外排出の完了を待つ情報処理を、制御部20(CPU21)のタスクに設定する。そして、次回以降に進入するタイマ割込み(PMRb)のステップ51では、該タスクの遂行が完了したかを判定して、完了したと判定したときに、負荷47a,47bをオフにして作像プロセスを停止する(42)。すなわち、正常な制御動作により、作像プロセスを停止する。それから、補助電源43の給電(電圧出力)を停止する(43)。この第2実施例は、印刷中の電力供給遮断によるシステムの急停止を防ぎ、それにより、紙詰まりや各負荷の駆動回路故障などの二次被害を防止する。
第3実施例のハードウエアおよび給電制御も、上述の第1実施例のもの(図1〜図6)と同様であるが、タイマ割込みの一部に変更がある。図9に、第3実施例のタイマ割込み(PMRc)の内容を示す。このタイマ割込み(PMRc:図9)は、第1実施例のタイマ割込み(PMRa:図7)のステップ38と41の間に、印刷処理中の印刷ジョブ完了を待つ処理ステップ52を加えたものである。ここでの印刷ジョブは、複数枚の印刷が指定された連続印刷又は連続コピーである。AC入力電圧異常と判定した場合には、第1実施例と同じくステップ41〜43の異常対応の処理を実施する。しかし、AC入力電圧は正常であるが、主電源43のDC低電圧異常を最初に認識したタイマ割込み(PMRc)では、ステップ52で新規ジョブの受付を禁止し、かつ、実行中の印刷ジョブの全ての転写紙の作像プロセスの完了と機外排出の完了を待つ情報処理を、制御部20のタスクに設定する。そして、次回以降に進入するタイマ割込み(PMRc)のステップ52では、該タスクの遂行が完了したかを判定して、完了したと判定したときに、負荷47a,47bをオフにして作像プロセスを停止する(42)。すなわち、正常な制御動作により、作像プロセスを停止する。それから、補助電源43の給電(電圧出力)を停止する(43)。この第3実施例は、主電源42のDC電源電圧が低下しても、印刷処理中のジョブが補助電源43からの出力可能時間中に終了する場合は、印刷処理中のジョブを終了させることが可能となる。
第4実施例のハードウエアおよび給電制御PSCaは、上述の第1実施例のもの(図1〜図6)と同様であるが、タイマ割込みの一部に変更がある。図10に、第4実施例のタイマ割込み(PMRd)の内容を示す。このタイマ割込み(PMRd:図10)は、第1実施例のタイマ割込み(PMRa:図7)のステップ38と41の間に、補助電源43の残電力で印刷処理中のジョブの完遂が可能か判定して(53)、可能であれば、印刷処理中の印刷ジョブ完了を待ち(52)、不可能であると印刷処理中の転写紙の印刷完了を待つ(51)、処理ステップ51〜53を加えたものである。AC入力電圧異常と判定した場合には、第1実施例と同じくステップ41〜43の異常対応の処理を実施する。しかし、AC入力電圧は正常であるが、主電源43のDC低電圧異常を最初に認識したタイマ割込み(PMRd)では、ステップ53で補助電源43の残電力で印刷処理中のジョブの完遂が可能か判定して、可能であれば、新規ジョブの受付を禁止し、かつ、実行中の印刷ジョブの全ての転写紙の作像プロセスの完了と機外排出の完了を待つ情報処理を制御部20のタスクに設定し(52)、不可能であれば、新規転写紙の給紙トレイからの繰出しを禁止し、かつ、給紙トレイから既に繰り出されて機内にある転写紙全ての作像プロセスの完了と機外排出の完了を待つ情報処理を制御部20のタスクに設定する(51)。
そして、次回以降に進入するタイマ割込み(PMRd)では、ジョブ完了の情報処理を設定している場合には、該タスクの遂行が完了したかを判定して、完了したと判定したときに、負荷47a,47bをオフにして作像プロセスを停止する(42)。すなわち、正常な制御動作により、作像プロセスを停止する。それから、補助電源43の給電(電圧出力)を停止する(43)。この場合は、第3実施例と同様に、主電源42のDC電源電圧が低下しても、印刷処理中のジョブが補助電源43からの出力可能時間中に終了する場合は、印刷処理中のジョブを終了させることが可能となる。しかし転写紙の作像プロセス完了の情報処理を設定している場合には、転写紙の排出が完了したかを判定して、転写紙の排出が済んだと判定したときに、負荷47a,47bをオフにして作像プロセスを停止する(42)。すなわち、正常な制御動作により、作像プロセスを停止する。それから、補助電源43の給電(電圧出力)を停止する(43)。この場合は、第2実施例と同様に、印刷中の電力供給遮断によるシステムの急停止を防ぎ、それにより、紙詰まりや各負荷の駆動回路故障などの二次被害を防止する。
ステップ53の、補助電源43の残電力で印刷処理中のジョブを印刷完了か否かの可否判定は、以下のように行う。すなわち、主電源電圧異常を検出した際のキャパシタ電圧をVcap0[V]、キャパシタコンバータ43cの出力可能下限電圧をVddcmin1[V]、キャパシタ容量をC[F]とすると、異常を検出してから、キャパシタコンバータ43cが出力不能になるまでにキャパシタ43bから供給可能な電力量Qcap[W・s]は、
Qcap=C{(Vcap0)2−(Vddcmin1)2}/2[W・s]
となる。また、主電源電圧異常を検出した際における印刷処理中ジョブの印刷完了までに要する時間をt1[s]、DC消費電力をWdc[W]とすると、印刷完了までに必要な電力量Qjobend[W・s]は、
Qjobend=Wdc・t1[W・s]
となる。ここで、DC消費電力Wdc[W]とは、印刷処理のモードに応じて変化する値であり、各モードにおける設定値を制御部20内の不揮発性RAM24に記憶している。また、印刷処理中ジョブの印刷完了までに要する時間t1[s]は、印刷処理中のジョブの残り枚数と、印刷処理のモードから得られる値である。
上記のキャパシタから供給可能な電力量Qcap[W・s]と印刷完了までに必要な電力量Qjobend[W・s]の値を比較して、Qcap[W・s]≧Qjobend[W・s]となる場合には、補助電源43の残電力で印刷処理中のジョブを印刷完了することが可能と判定し、Qcap[W・s]<Qjobend[W・s]となる場合には、補助電源43の残電力で印刷処理中のジョブを印刷完了することは不可能と判定する。
第5実施例のハードウエアおよび給電制御は、上述の第1実施例のもの(図1〜図6)と同様であるが、タイマ割込みの一部に変更がある。図11に、第5実施例のタイマ割込み(PMRe)の内容を示す。このタイマ割込み(PMRe:図11)は、第1実施例のタイマ割込み(PMRa:図7)のステップ38と41の間に、補助電源43のキャパシタ電圧が、所定電圧Vs1に到達したかを判定するステップ54を加えたものである。AC入力電圧異常と判定した場合には、第1実施例と同じくステップ41〜43の異常対応の処理を実施する。しかし、AC入力電圧は正常であるが、主電源43のDC低電圧異常を認識したタイマ割込み(PMRb)の、ステップ54で、キャパシタ電圧が所定電圧Vs1以下であると判定すると、そこで新規転写紙の給紙トレイからの繰出しを禁止し、かつ、給紙トレイから既に繰り出されて機内にある転写紙全ての作像プロセスの完了と機外排出の完了を待つ情報処理を、制御部20のタスクに設定する。そして、次回以降に進入するタイマ割込み(PMRb)のステップ電源電圧が低下してからも54では、該タスクの遂行が完了したかを判定して、完了したと判定したときに、負荷47a,47bをオフにして作像プロセスを停止する(42)。すなわち、正常な制御動作により、作像プロセスを停止する。それから、補助電源43の給電(電圧出力)を停止する(43)。この第5実施例は、主電源43のDC補助電源か42からの供給のみで限界まで画像形成装置を動作させることが可能となり、また、印刷中の電力供給の突発的な遮断による作像プロセスの急停止を防ぎ、それにより、紙詰まりや各負荷の駆動回路故障などの二次被害を防止する。
上記所定電圧Vs1とは、キャパシタ電圧を定電圧に変換する定電圧制御回路(43c内)が出力可能となるキャパシタ電圧下限値である出力可能限界電圧に、処理中の転写紙の作像プロセスを通常のとおり完了するために必要な電力量を供給可能なキャパシタ電圧下限値を加算した値であり、以下のように設定する。すなわち、1枚の転写紙を印刷処理するまでに要する時間をt2[s]とすると、処理中の転写紙を印刷完了するまでに必要な電力量Q1end[w・s]は、上記のDC消費電力Wdc[W]を用いて、Q1end=Wdc・t2[W・s]と表される。電力量Q1end[W・s]を供給するためのキャパシタ電圧Vcap1[V]は、キャパシタ容量をC[F]とすると、
Vcap1={2・Q1end/C−(Vddcmin2)2}1/2[V]
となる。したがって、上記所定電圧Vs1は、マージンを考慮してVcap1以上の値となるように設定する。また、上記の1枚の転写紙の印刷処理に要する時間t2[s]およびDC消費電力Wdc[W]は、印刷処理のモードなどに応じて変化する値であり、各モードにおける設定値を制御部20内の不揮発性RAM24に記憶しておく。
本発明の第1実施例のキャパシタ電源装置を装備した複合機能複写機MF1の機構概要を示す縦断面図である。
図1に示すカラープリンタ200の拡大縦断面図である。
図1に示す複写機MF1の電源システムの概要を示すブロツク図である。
図3に示す制御部20の構成の概要を示すブロツク図である。
図1に示す複写機MF1の、主電源スイッチ40がオフからオンに切り替わってからの消費電力の変化の一例を示すタイムチャートである。
図3および図4に示す制御部20のCPU21の、補助電源43の給電/停止の切り替え制御を含む給電制御の概要を示すフローチャートである。
制御部20のCPU21が実行するタイマ割込み(PMRa)の内容を示すフローチャートである。
第2実施例の制御部20のCPU21が実行するタイマ割込み(PMRb)の内容を示すフローチャートである。
第3実施例の制御部20のCPU21が実行するタイマ割込み(PMRc)の内容を示すフローチャートである。
第4実施例の制御部20のCPU21が実行するタイマ割込み(PMRd)の内容を示すフローチャートである。
第5実施例の制御部20のCPU21が実行するタイマ割込み(PMRe)の内容を示すフローチャートである。
201:感光体
202:帯電装置
203:露光装置
204,207:現像装置
208,215:転写ベルト
209〜211:給紙カセット
214:定着器
224:排紙ガイド
225:排紙ローラ
226:排紙スタック
227:補給トナー収納部
233:レジストローラ