図1に、本発明の第1実施例のフルカラーデジタル複合機能複写機MF1の外観を示す。このフルカラー複写機MF1は、大略で、自動原稿送り装置(ADF)120と、操作ボード10と、カラースキャナ100と、カラープリンタ200の各ユニットで構成されている。なお、操作ボード10と、ADF120付きのカラースキャナ100は、プリンタ200から分離可能なユニットであり、カラースキャナ100は、動力機器ドライバやセンサ入力およびコントローラを有する制御ボードを有して、プリンタ200のエンジンコントローラと直接または間接に通信を行いタイミング制御されて原稿画像の読取りを行う。
図2に、複合機能複写機MF1のカラープリンタ200の機構を示す。この実施例のカラープリンタ200は、レーザプリンタである。このレーザプリンタ200は、マゼンダ(M),シアン(C),イエロー(Y)および黒(ブラック:K)の各色の画像を形成するための4組のトナー像形成ユニットa〜dが、第1転写ベルト208の移動方向(図中の左から右方向y)に沿ってこの順に配置されている。即ち、4連ドラム方式(タンデム方式)のフルカラー画像形成装置である。回転可能に支持され矢印方向に回転する感光体201の外周部には、除電装置,クリーニング装置,帯電装置202および現像装置204が配備されている。帯電装置202と現像装置204の間には、露光装置203から発せられる光情報の入るスペースが確保されている。感光体201は4個(a,b,c,d)あるが、それぞれ周囲に設けられる画像形成用の部品構成は同じである。現像装置204が扱う色材(トナー)の色が異なる。各感光体201(4個)の一部が、第1転写ベルト208に接している。ベルト状の感光体も採用可能である。
第1転写ベルト208は矢印方向に移動可能に、回転する支持ローラおよび駆動ローラ間に支持、張架されていて、裏側(ループの内側)には、第1転写ローラが感光体201の近傍に配備されている。ベルトループの外側に、第1転写ベルト用のクリーニング装置が配備されている。第1転写ベルト208より転写紙(用紙)又は第2転写ベルト215にトナー像を転写した後にその表面に残留する不要のトナーを拭い去る。露光装置203は公知のレーザ方式で、フルカラー画像形成に対応した光情報を、一様に帯電された感光体表面に照射して静電潜像を形成する。LEDアレイと結像手段から成る露光装置も採用できる。
図2上で、第1転写ベルト208の右方には、第2転写ベルト215が配備されている。第1転写ベルト208と第2転写ベルト215は接触し、あらかじめ定められた転写ニップを形成する。第2転写ベルト215は矢印方向に移動可能に、支持ローラおよび駆動ローラ間に支持、張架されていて、裏側(ループの内側)には、第2転写手段が配備されている。ベルトループの外側に、第2転写ベルト用のクリーニング装置,チャージャ等が配備されている。該クリーニング装置は、用紙にトナーを転写した後、残留する不要のトナーを拭い去る。転写紙(用紙)は、図の下方の給紙カセット209,210に収納されており、最上の用紙が給紙ローラで1枚づつ、複数の用紙ガイドを経てレジストローラ233に搬送される。第2転写ベルト215の上方に、定着器214、排紙ガイド224、排紙ローラ225、排紙スタック226が配備されている。第1転写ベルト208の上方で、排紙スタック226の下方には、補給用のトナーが収納できる収納部227が設けてある。トナーの色はマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの四色があり、カートリッジの形態にしてある。粉体ポンプ等により対応する色の現像装置204に適宜補給される。
ここで両面印刷のときの各部の動作を説明する。まず感光体201による、作像が行われる。すなわち、露光装置203の作動により、不図示のLD光源からの光は、不図示の光学部品を経て、帯電装置202で一様に帯電された感光体201のうち、作像ユニットaの感光体上に至り、書き込み情報(色に応じた情報)に対応した潜像を形成する。感光体201上の潜像は現像装置204で現像され、トナーによる顕像が感光体201の表面に形成され保持される。このトナー像は、第1転写手段により、感光体201と同期して移動する第1転写ベルト208の表面に転写される。感光体201の表面は、残存するトナーがクリーニング装置でクリーニングされ、除電装置で除電され次の作像サイクルに備える。第1転写ベルト208は、表面に転写されたトナー像を坦持し、矢印の方向に移動する。作像ユニットbの感光体201に、別の色に対応する潜像が書き込まれ、対応する色のトナーで現像され顕像となる。この像は、すでに第1転写ベルト208に乗っている前の色の顕像に重ねられ、最終的に4色重ねられる。なお、単色黒のみを形成する場合もある。このとき同期して第2転写ベルト215は矢印方向に移動していて、第2転写手段117の作用で、第2転写ベルト215の表面に第1転写ベルト208表面に作られた画像が転写される。いわゆるタンデム形式である4個の作像ユニットa〜dの各感光体201上で画像が形成されながら、第1,第2転写ベルト208,215が移動し、作像が進められるので、その時間が短縮できる。第1転写ベルト208が、所定のところまで移動すると、用紙の別の面に作成されるべきトナー画像が、前述したような工程で再度感光体201により作像され、給紙が開始される。給紙カセット121又は122内の最上部にある用紙が引き出され、レジストローラ233に搬送される。レジストローラ233を経て、第1転写ベルト208と第2転写ベルト215の間に送られる用紙の片側の面に、第1転写ベルト208表面のトナー像が、第2転写手段117により転写される。更に記録媒体は上方に搬送され、第2転写ベルト215表面のトナー像が、チャージャにより用紙のもう一方の面に転写される。転写に際して、用紙は画像の位置が正規のものとなるよう、タイミングがとられて搬送される。
上記のステップで両面にトナー像が転写された用紙は、定着器214に送られ、用紙上のトナー像(両面)が一度に溶融、定着され、ガイド224を経て排紙ローラ225により本体フレーム上部の排紙スタック226に排出される。図2のように、排紙部224〜226を構成した場合、両面画像のうち後から用紙に転写される面(頁)、すなわち第1転写ベルト208から用紙に直接転写される面が下面となって、排紙スタック226に載置されるから、頁揃えをしておくには2頁目の画像を先に作成し、第2転写ベルト215にそのトナー像を保持し、1頁目の画像を第1転写ベルト208から用紙に直接転写する。第1転写ベルト208から直接に用紙に転写される画像は、感光体表面で正像にし、第2転写ベルト215から用紙に転写されるトナー像は、感光体表面で逆像(鏡像)になるよう露光される。このような頁揃えのための作像順、ならびに、正、逆像(鏡像)に切り換える画像処理も、コントローラ501上でのメモリに対する画像データの読書き制御によって行っている。第2転写ベルト215から用紙に転写した後、ブラシローラ,回収ローラ,ブレード等を備えたクリーニング装置が、第2転写ベルト215に残留する不要のトナーや紙粉を除去する。
図2では第2転写ベルト215のクリーニング装置のブラシローラが第2転写ベルト215の表面から離れた状態にある。支点を中心として揺動可能で、第2転写ベルト215の表面に接離可能な構造になっている。用紙に転写する以前で、第2転写ベルト215がトナー像を担持しているとき離し、クリーニングが必要のとき、図で反時計方向に揺動し接触させる。除去された不要トナーはトナー収納部に集められる。以上が、「両面転写モード」を設定した両面印刷モードの作像プロセスである。両面印刷の場合には、常にこの作像プロセスで印刷が行われる。
片面印刷の場合には、「第2転写ベルト215による片面転写モード」と「第1転写ベルト208による片面転写モード」の2つがあり、前者の第2転写ベルト215を用いる片面転写モードを設定した場合には、第1転写ベルト208に3色又は4色重ねもしくは単色黒で形成された顕像が第2転写ベルト215に転写され、そして用紙の片面に転写される。用紙の他面には画像転写はない。この場合、排紙スタック226に排出された印刷済用紙の上面に印刷画面がある。後者の第1転写ベルト208を用いる片面転写モードを設定した場合には、第1転写ベルト208に3色又は4色重ねもしくは単色黒で形成された顕像が、第2転写ベルト215には転写されずに、用紙の片面に転写される。用紙の他面には画像転写はない。この場合は、排紙スタック226に排出された印刷済用紙の下面に印刷画面がある。
図2で光センサ220は、発光素子と受光素子とからなる反射型光センサであり、検出対象物からの反射光量の大きさになどによって画像濃度,隣接するトナー像のピッチ,トナー像の傾きなどを検出する。検出信号は、後述の画質調整制御で参照される。
図3に、図1に示すデジタル複合機の電源システムの概要を示す。ACライン(商用交流ライン)41から主電源スイッチ40を介して供給されるAC電源電圧を主電源42に含まれるAC/DCコンバータ42aによりDC電圧に変換し、一部は直接+24V、+5V系の各負荷47b、47cに動作電圧として印加する。またAC電源電圧は、補助電源43のキャパシタ充電器43aにも入力され、キャパシタ43bの充電に使用する事が可能となっている。
補助電源43のキャパシタ43bは、電気二重層コンデンサ等の大容量のキャパシタで構成した。電気二重層コンデンサ以外にもいろいろと選択可能だが、本実施例では短時間での充放電が可能で、長寿命である電気二重層コンデンサを用いた。電気二重層コンデンサの特徴として放電するに従い端子電圧が低くなってしまうため、キャパシタコンバータ43cをキャパシタ43bの後に配置することにより出力電圧が一定になるようにしている。キャパシタコンバータ43cは、キャパシタの充電電圧、及び使用下限電圧仕様に応じ、昇圧コンバータ、降圧コンバータ、昇降圧コンバータのいずれかを使用する。
切換回路46は、ACライン41から供給されるAC電源電圧を元にAC/DCコンバータ42aが発生する+24V電圧と、キャパシタ43bに蓄積された電力からキャパシタコンバータ43cが発生する+24V電圧とを制御部20による切り換え指示に従って切り換えて+24V系負荷47cに供給する。
制御部20はデジタル複写機1の全体の制御も行っており、各動作モードに応じてシーケンシャルに各負荷47a〜cを動作させる。また制御部20は、キャパシタ43bの充放電の制御も行っており、装置の立ち上げ時、及び立ち上げ後所定の時間までの期間は、キャパシタ43bに蓄積されたHから電力からキャパシタコンバータ43cが発生する+24V電源を+24V系負荷47cに供給するように、切換回路46を切り換えて動作させる。このときACライン41からの供給電力に対して生じる余裕分は、定着ヒータ駆動回路42bを制御し、定着加熱装置48への供給電力量を増大する。
次に、補助電源43の充放電タイミングについて説明する。図4は、複写機1の立ち上げ時の消費電力の遷移をグラフ化したものであり、横軸に時間、縦軸に装置の総消費電力を示す。点線は、ACライン41からの供給が可能な電力である。主電源スイッチ40オン直後の、定着温度を目標温度に立ち上げる定着リロード期間Iでは、装置に要求される立ち上げ時間を満足させるため、通常時より多大な電力を定着加熱装置48に供給し、定着加熱装置48をプリントが可能な温度にできるだけ早く立ち上げる。定着温度をプリントが可能な温度に立ち上げることを定着リロードという。このとき、+24V系負荷47cへは補助電源43により電力を供給し、ACライン41の供給可能な電力に対しての余裕分も定着加熱装置に供給可能とすることにより、さらに立ち上げ時間を短縮させる。
また、定着リロード(I)後、プリント動作開始から所定時間経過までの期間IIaにおいても前記起動時同様にDC負荷へは補助電源43により電力を供給する。定着加熱装置48はプリントが可能な温度に一度達すれば、温度維持のためには、定着ヒータ供給電力が起動時より小さくてもよいシステムであっても、定着リロード(I)終了後からは、プリント動作が開始され、モータ等の起動によりDC負荷が増大し、前記定着ヒータ供給電力を含めた総電力が電源ライン41の供給可能な電力を越えてしまうことがあるが、その際の電源ライン41の供給電力は、補助電源43よりの給電により、供給可能電力以下となりシステムの破綻を防止する。また、プリント開始時は、通紙による定着温度の落ち込みが生じるため通常時より定着加熱装置への電力を増大する必要のあるシステムでは、定着加熱装置への電力増大分も見込んで補助電源43によりDC負荷に電力を供給する。すなわち、複写機の消費電力が電源ライン41の供給可能な電力を越える期間に、補助電源43によりDC負荷に電力を供給して、電源ライン41からの給電を、ACライン41からの供給が可能な電力(図4の点線)以下とする。
補助電源43の蓄積電力には限度があり、連続供給は不可能となるため、あらかじめ規定した時間が経過した際には、DC負荷への電力は主電源42から供給するように切り換え、補助電源43からの負荷への電力供給を停止する。このとき定着加熱装置への供給電力が通常時より大きく設定されていれば、通常時の供給電力に戻す。そして、プリント動作を終了し、ユーザのプリント指示を待つ低電力時に、補助電源43の蓄電力(キャパシタ電圧)が、待機維持電力より少し低い値(電圧閾値Vcw)以下であると、キャパシタ電圧が充電上限値になるまでキャパシタ43bを充電する。充電中にプリント指示があると、そこでキャパシタ43bの充電は止める。
上記では、負荷への補助電源43の給電を停止するタイミングをあらかじめ規定した時間としたが、規定されたプリント枚数経過後としてもよい。この場合、補助電源供給停止までのプリント枚数の決め方として、用紙サイズ,室温等をパラメータとした可変値とすると補助電源容量を最大限に利用可能となる。
また、定着加熱装置48に大電力が必要と思われる定着リロード期間I、及び定着リロード後から所定時間経過までの期間IIaについて述べたが、以外の期間であっても定着加熱装置48に大電力が必要な特定される期間であれば、同様に補助電源43から負荷に給電する。
図5に、主電源スイッチ40のオフからオンへの切換り、又は、省エネモードから待機モードへの復帰により、複写機1各部に印刷および複写を行うに所要の動作電圧が印加された直後に、制御部20が開始する「給電制御」PSCaの概要を示す。複写機1各部に印刷および複写を行うに所要の動作電圧を印加した待機モードになると制御部20は、電圧検出回路43dをキャパシタ43bの電圧検出端に接続するスイッチをオンにして、電圧検出回路43dの電圧検出信号のレベルをA/D変換して読み込み、充電開始閾値Vcw以上であるか判定する(ステップS0)。そして該スイッチはオフにする。すなわち、キャパシタ電圧の把握が必要ない期間は、電圧検出回路43dをキャパシタ43bの電圧検出端から遮断してキャパシタ43bの、電圧検出回路43dによる放電を防ぐ。
なお、以下においては、括弧内にはステップという語を省略して、ステップNo.記号のみを記す。
A/D変換して読み込んだキャパシタ電圧が充電開始閾値Vcw以上であると、制御部20は、複写機各部の状態を把握する(S1)。そして主電源スイッチ40が投入された直後、あるいは、省エネモードからの、待機モード(印刷スタート指示待ち状態)への復帰時であり、定着リロード動作すなわち定着温度立ち上げを実行する必要があると判断した場合には、キャパシタコンバータ43cをドライブし、かつ切換回路46により+24V系負荷47cへの電源供給を、補助電源43からの給電に切り換え、制御部20の内部のメモリの1領域に定めたレジスタFRpに、補助電源43からの給電中を表わす情報「1」を書き込む(S2)。更に定着加熱装置48への供給可能電力の増大を行い(S3)、定着リロード動作を開始する(S4)。
しかし、A/D変換して読み込んだキャパシタ電圧が充電開始閾値Vcw未満であったときには、上述の、補助電源43からの給電は行わず、定着加熱装置48への供給可能電力の増大も行わないで、定着リロード動作を開始する(S0,S4)。
定着リロードの完了を確認し(S5)、定着リロードが完了すると、レジスタFRpのデータを参照して(S6b)、それが「1」(補助電源43からの給電中)であると、補助電源からの給電を継続した状態でのプリント制御(S6b〜S12)に進んで、操作者によるプリント指示があるかないかの判断をする(S6b)。
プリント指示があり、定着供給電力を定着リロード中の電力と切り換える必要がある場合には、定着供給電力をプリント開始時に要求される電力に切り換え(S7)、補助電源43による+24V系負荷47cへの電力供給のまま、プリント動作を開始する(S8)。プリント(作像)動作開始後、タイマを起動し(S9)、所定の時間が経過したことを確認したら(S10)、すなわちタイマがタイムオーバすると、定着供給電力を通常プリント時の供給電力に切り換え(S11)、続けて切換回路46により+24V系負荷47cへの給電を主電源42のAC/DCコンバータ42aでつくられた+24電源に切り換え、キャパシタコンバータ43は動作(出力)を停止して、レジスタFRpの補助電源から負荷への給電中を表わす情報「1」をクリアする(S12)。すなわちレジスタFRpのデータを、補助電源から負荷への給電は停止中を表わす情報「0」とする。なお、定着リロード後、続けてプリント指示がない場合は、定着リロード(定着温度立ち上げ)を完了したタイミングで、定着供給電力を待機時(印刷スタート指示待ち)の定着温度維持電力に切り換え(S11)、補助電源43の駆動(電圧出力)を停止して、レジスタFRpをクリアする(S12)。
その後は、プリント指示があるとプリント動作を行う(S13,S14)。また、前記定着リロード完了直後にレジスタFRpのデータが「0」(補助電源43からの給電停止中)であったときにも、同様に補助電源からの給電を停止した状態でのプリント制御(S13,S14)に進む(S6a,S13)。
この、補助電源からの給電を停止した状態でのプリント制御(S13,S14)では、プリント動作中に定着温度の低下が激しいときにはステップS2〜S4と同様に、補助電源43からの給電を開始して定着温度の急速な立ち上げを行い、定着温度が上昇するとステップS11,S12と同様に補助電源43からの給電を停止する。
また、プリント動作がなく、プリント指示待ちのときには、キャパシタ43の電圧を読み込んで充電要か検索して(S15)、充電要であるとキャパシタ43bに充電する(S16)。プリント動作がなく、プリント指示待ち(待機モード)が設定時間継続すると(S17)、このときキャパシタ43bが充電不要であると、省エネモードに移行する(S18)。待機モードが設定時間継続したときキャパシタ43bが充電中であると、充電が完了してから省エネモードに移行する。省エネモードに移行するとき制御部20は、定着ヒータ駆動回路42をオフし、かつAC/DCコンバータ42aの、作像に所要の負荷へ給電する回路部をオフにする。この省エネモードでは、制御部20はスリープ状態であり、AC/DCコンバータ42aの、省エネモードでもオンにされている一部電源回路から給電されるユーザアクセス監視回路が、ユーザアクセスを検出して待機モードに移行する電源オンを行って、各部に作像動作用の定常動作電圧が加わるまで、スリープ状態を継続する。待機モードに移行すると、すなわち複写機各部に定常動作電圧が加わると、これにより制御部20がウェイクアップして、上述の「給電制御」PSCaを開始する。
−画質調整制御−
制御部20は、ステップS1前後の複写機各部の状態把握ならびにプリント動作終了後のプリント指示待ちの待機モードにおいて、画質調整制御を実行する。すなわち、起動時のウォーミングアップ時間中や所定枚数の記録紙を印刷した直後に画質調整制御に進んで、所定の条件が成立すると画質調整を行う。本実施例では、画質調整として、濃度調整と画像位置調整がある。いずれの画質調整も、像担持体としての1次転写ベルト208上にトナー像(トナーパッチ)を形成する。すなわち、濃度調整および又は画像位置調整を行なうときには、通常の画像形成とは別に、所定のタイミングで転写ベルト208上に、図6に示すトナー像221を形成する。
濃度調整(第1調整工程)では、まず、各色作像ユニットを動作させて、各感光体ドラム201上に、各色トナー像(各色につき複数のパッチパターン)を形成する。ここで、感光体ドラム201上へのトナー像の形成は、帯電工程、露光工程、現像工程によっておこなわれる。次に、感光体ドラム201上に形成されたトナー像が、図6に示すように、転写ベルト208上に転写される。これがトナー像221である。ここで、複数のパッチパターンとしてのトナー像221は、転写ベルト208の幅方向(図6中の副走査方向yに直交するx方向)の端部であって、光センサ220による検出が可能な位置に、形成されたものである。さらに、これら複数のパッチパターン(トナー像221)は、画像濃度が段階的に異なるように、現像バイアスを変化させて形成されたものである。そして、画像濃度がそれぞれ異なるように形成されたトナー像221は、転写ベルト208の矢印方向yの走行によって、光センサ220の位置を順次通過することになる。そして、光センサ220によって、それぞれのトナー像221の画像濃度が検出される。
ここで、光センサ220は、発光素子と受光素子とからなり、検出対象物(この場合、トナー像221)からの反射光量の大きさによって画像濃度を検出する。その後、光センサ220による検出結果は制御部20に送信される。制御部20は、送信された検出結果に基づいて、画像濃度とそれに係わる作像条件との関係を求める。具体的には、現像バイアスを変化させたときの画像濃度の変化を示す回帰直線を求める。そして、求めた結果に基づいて、最終的に、最適な画像濃度(目標画像濃度)を得るための作像条件を決定する。最後に、決定した作像条件に基づいて、現像バイアス,帯電電位,潜像電位のうち少なくとも1つを、決定した作像条件を満たす値に調整する。
画像位置調整(第2調整工程)では、まず、各色作像ユニットを動作させて、感光体ドラム201上に、各色につき複数のトナー像を形成する。ここで、感光体ドラム201上に形成されるトナー像は、濃度調整時のものとは異なり、現像バイアスを固定して形成する。なお、画像位置調整にて形成されるトナー像としては、本実施の形態とは異なり、濃度調整時のものよりもピッチが細かく、矩形パターンの他に平行四辺形パターンを用いることもできる。さらに、転写ベルト208の幅方向の両端にそれぞれトナー像を形成して、それらのトナー像を両端に設けた2つの光センサ220でそれぞれ検出することもできる。その場合、それらの結果に基づいて、スキュー調整モータの調整量を定める。
次に、感光体ドラム201上に形成したトナー像221を、転写ベルト208上に転写する。転写ベルト208上に等間隔に形成された複数のトナー像は、転写ベルト208の矢印方向yの走行によって、光センサ220の位置を順次通過することになる。光センサ220が、それぞれのトナー像を検出し、トナー像検出信号を参照して制御部20が、トナー像分布を算出する。詳しくは、隣接するトナー像のピッチや、トナー像の傾き等を算出して、転写ベルト208上におけるトナー像の位置ずれを算出する。そして、算出した位置ずれに基づいて、画像位置ずれのない最適な画像を得るための、各感光体ドラム上の作像位置を決定する。最後に、決定した作像位置に基づいて、各感光体ドラムに対する潜像の書込みタイミング,転写ベルト208の走行タイミング、のうち少なくとも1つを調整する。
ここで、上述の濃度調整(第1調整工程)と、画像位置調整(第2調整工程)の、双方おこなう場合には、濃度調整よりも前に画像位置調整を行う。さらに、画像位置調整から濃度調整にいたる間、現像装置204は停止することなく駆動する。これは、画像位置調整で形成されるトナー像221が、その位置を検出するためのものであって、現像装置204内の現像剤が安定しないことによる画像濃度変動があっても位置調整に影響しないことによる。これに対して、濃度調整で形成されるトナー像221は、その画像濃度に基づいて作像条件を決定するものであるために、現像装置204内の現像剤が充分に安定した後に濃度調整をおこなう必要がある。本実施の形態では、先行しておこなわれる画像位置調整制御中、現像装置204は動作しているために、濃度調整制御が開始されるときにはトナー帯電量やトナー濃度が充分に安定していることになる。これによって、複数の画質調整が効率よく高精度におこなわれる。
図7に、制御部20が実行する「画質調整制御」IQCaの概要を示す。画質調整制御に進むと(S21)、制御部20はまず、立上げを実行する(S22)。すなわち、感光体ドラム201や現像装置204等の作像部を駆動する駆動モータと、転写ベルト208を駆動する駆動モータの駆動を開始する。さらに、帯電電圧を帯電部202に印加するとともに、現像バイアスを現像ローラに印加する。その後、画像位置調整の開始条件が成立しているかを判定する(S23)。具体的には、装置本体1内に設けられた不図示の機内温度センサの出力値を読み込んで、画像位置調整を前回おこなったときの温度センサの出力値との差(温度差ΔT)を算出する。そして、その温度差ΔTが5°Cよりも大きい場合、すなわち画像位置調整の開始条件が成立していると、画像位置調整(S24a〜24c)を開始する。
なお、画像位置調整を実行する場合、そのときの温度センサの出力値は、制御部20のメモリに記憶する。その結果、ステップS23にて、画像位置調整をおこなうと判定した場合には、まず、先に図6で説明したように転写ベルト208上にトナー像221(画像位置検知パターン)を作像する(S24b内)。以後、先に説明した手順に従って、作像位置調整を行う(S24b)。
これに対して、ステップS23にて、画像位置調整をおこなわないと判定した場合には、ステップS24a〜S24cをスキップする。次に、濃度調整の実行条件が成立するかを判定する(S25)。具体的には、定着器214における加熱ローラ230に当接する温度センサ(サーミスタセンサ)の検出値が60℃以下であると、すなわち、濃度調整制御の実行条件が成立すると、濃度調整(S26a〜S26c)を開始する。その結果、転写ベルト208上にトナー像221(濃度検知パターン)が作像される(S26b内)。以後、先に説明した手順に従って、作像濃度の調整を行う(S26b)。
これに対して、ステップS25にて、濃度調整をおこなわないと判定した場合には、ステップS26a〜S26cをスキップする。最後に、立下げを実行する(S27)。すなわち、作像部や転写ベルト208を駆動する駆動モータを停止する。さらに、帯電電圧や現像バイアスの印加を停止する。こうして、本フローを終了する(S28)。
画質調整期間にDC電力供給源を切り替える(S2,S12)ことで、電圧変動による画質調整不良が生じることが懸念される。この画質調整不良の原因として、帯電,現像,転写などの高圧電源への入力電圧の電圧変動により高圧電源の出力電圧が変動する事や、作像部,転写ベルト208を駆動するモータの駆動電圧の電圧変動によるモータ回転ムラなどが生じる事で、正常なパターンの作像ができず画質調整不良が起こる。
上記のような画質調整は、所定枚数の記録紙を印刷した後や起動時のウォーミングアップ時間中に所定条件を満たすと実行する。この画質調整中の電力供給源の切り替えによる画質調整不良を防止するために、第1実施例では、画質調整の実行中か否かにかかわらず画像形成装置の所定のタイミングでDC電力供給源の切り替えを行い(図5のS2,S12)、画質調整中にDC電力供給源の切り替えがあった場合に、切り替え終了後、再度、画質調整を実施することで、電力供給源切り替え時の電圧変動による画質調整不良を防止するようにしている(図7のS24a〜S24c,S26a〜S26c)。
すなわち、図7を参照すると、制御部20は、「画像位置調整」を実行するとき、まず、制御部内部のメモリの1領域に定めたレジスタFRPpに、電源切り替え状態を表わすレジスタFRpのデータ(図5のS2,S12)を書込む(S24a)。すなわち開始時点の電源切り替え状態情報をセーブする。そして「画像位置調整」(S24b)を実行してそれを終了すると、終了したときの電源切り替え状態を表わすレジスタFRpのデータ(図5のS2,S12)が、レジスタFRPpのセーブデータすなわち画像位置調整開始時の電源切り替え状態と合致すると、「画像位置調整」(S24b)の期間中に電源切り替えはなかったので、次のステップS25に進むが、合致しないと、「画像位置調整」(S24b)の期間中に電源切り替えがあり、調整が不良の可能性があり得るので、再度、レジスタFRPpに、レジスタFRpのデータを書込んで(S24a)、「画像位置調整」(S24b)を実行する。
同様に制御部20は、「濃度調整」を実行するとき、まず、レジスタFRPpに、レジスタFRpのデータ(図5のS2,S12)を書込み(S26a)、そして「濃度調整」(S26b)を実行し、それを終了すると、終了したときの電源切り替え状態を表わすレジスタFRpのデータ(図5のS2,S12)が、レジスタFRPpのセーブデータと合致すると、「濃度調整」(S26b)の期間中に電源切り替えはなかったので、次のステップS27に進むが、合致しないと、「濃度調整」(S26b)の期間中に電源切り替えがあり、調整が不良の可能性があり得るので、再度、レジスタFRPpに、レジスタFRpのデータを書込んで(S26a)、「濃度調整」(S26b)を実行する。
第2実施例のハードウエアは上述の第1実施例のものと同じであるが、第2実施例の制御部20が実行する「給電制御」PSCbおよび「画質調整制御」IQCbは、第1実施例のもの(図5および図7)と少し異なる。第2実施例の「画質調整制御」IQCbは、補助電源43から給電中(FRp=1)であることを条件に画質調整(画像位置調整,濃度調整)を開始し、画質調整中は、補助電源43の給電停止への切換えを禁止して、補助電源43からの給電(FRp=1)を維持するものである。
図8に、第2実施例の制御部20が実行する「給電制御」PSCbの概要を示す。これは、第1実施例の「給電制御」PSCa(図5)のステップS5とS6の間に、進行停止ステップS40を挿入したものである。これにより、第2実施例の「給電制御」PSCbでは、定着リロードを完了したとき(S5)、制御部内部のメモリの1領域に定めたレジスタFRqのデータが、進行停止を指示する「1」(補助電源から給電中かつ画質調整中)であるときには、ステップS6b以下(特にS12の補助電源からの給電停止)への進行を停止して、レジスタFRqのデータが進行を許可する「0」(画質調整中ではない)に切換わるのを待ち、切換わるとステップS6b以下(特にS12の補助電源からの給電停止)に進む。補助電源から給電中に画質調整に進んだときに、後述の図9のステップS44又はS45で、レジスタFRqのデータが「1」に設定されるが、補助電源からの給電停止のときには画質調整には進まず、レジスタFRpおよびFRqのデータはともに「0」である。
定着リロード完了又は不要のときに、レジスタFRpのデータが「0」(補助電源からの給電停止)であったときには、ステップS40からS6aに進み、そしてS6aからステップS13に進んで、後述の、画質調整の終了待ち(図9のS44,S45,図8のS40,図9のS46,図8のS40からS6aへの進行)は行わない。
図9に、第2実施例の制御部20が実行する「画質調整制御」IQCbの概要を示す。画質調整制御に進むと(S21)、第2実施例の制御部20はまず、補助電源からの給電停止(FRp=0)から、補助電源からの給電(FRp=1)への切り替わりがあったかを判定して(S41,S42)、そのような切り替わりがあると、レジスタFRPpのデータをレジスタFRpのデータに書き換え(S24a)、そしてキャパシタ電圧が、補助電源を給電から停止へ切り替える閾値Vsw以上であると、立上げを実行する(S22)。その後、画像位置調整の開始条件が成立しているかを判定する(S23)。画像位置調整の開始条件が成立していると、レジスタFRqに「1」(補助電源から給電中かつ画質調整中:進行停止指示)を書き込んで(S44)、画像位置調整(S24b)を実行する。
これに対して、ステップS23にて、画像位置調整をおこなわないと判定した場合には、ステップS44,S24bをスキップする。次に、濃度調整の実行条件が成立するかを判定する(S25)。濃度調整制御の実行条件が成立すると、レジスタFRqに「1」を書き込んで(S45)、濃度調整(S26b)を実行する。
これに対して、ステップS25にて、濃度調整をおこなわないと判定した場合には、ステップS45,S26bをスキップして立下げを実行する(S27)。すなわち、作像部や転写ベルト208を駆動する駆動モータを停止する。さらに、帯電電圧や現像バイアスの印加を停止する。最後に、レジスタFRqのデータをクリアする(S46)。すなわち、レジスタFRqのデータを、進行を許可する「0」(画質調整中ではない)に切換える。こうして、本フローを終了する(S28)。
このように、補助電源が給電停止状態(FRp=0)から給電状態(FRp=1)に切り替わったとき(例えば図8のS2の直後)にキャパシタ電圧が閾値Vsw以上(S43)で、しかも画像位置調整開始条件又は濃度調整開始条件が整っていると、第2実施例の制御部20は、レジスタFRqに「1」(進行停止指示)を書き込んで(S44/S45)、画像位置調整(S24b)又は濃度調整(S26b)を開始する。そして該調整を終了すると、レジスタFRqのデータを「0」(進行許可)に書き換える。そして「給電制御」PSCbでは、レジスタFRqのデータが「1」であるとステップS40に留まり、ステップS12には進まないので、画像位置調整(S24b)又は濃度調整(S26b)の間は、補助電源が給電を継続し、給電停止には切り替わらない。画像位置調整(S24b),濃度調整(S26b)を終了した時点で、レジスタFRqのデータが「0」に切り替わるので、「給電制御」PSCbは、ステップS40からS6に進み、そしてその後ステップS12で、補助電源からの給電停止に切り替える。
上述のように第2実施例は、補助電源からDC電力を供給中に、画質調整が行われた場合、所定の切り替え条件に達しても、切り替えを行わず、画質調整制御完了後に切り替え処理を行うことで、電力供給源切り替え時の電圧変動による画質調整不良を防止する。
補助電源43からの電力を所定のDC電力に変換するDC−DCコンバータ43cが出力可能な入力電圧(キャパシタ電圧)には制約があるため、補助電源43から電力の供給可能な時間は制限される。そのため、画質調整を実行している間、補助電源43からの電力供給を維持するためには、補助電源43から給電の状態から、該給電を停止する電力供給源切り替え条件に余裕を持たせる必要がある。切り替え条件となるキャパシタ電圧をVsw[V]、DC−DCコンバータ43cの出力可能下限電圧をVddcmin[V]、DC消費電力をWdc[W]、キャパシタ容量をC[F]とすると、キャパシタ電圧が切り替え条件の閾値Vswに到達してから、DC−DCコンバータ43cが出力不能になるまでの時間t10[s]は、t10=C{(Vsw)2−(Vddcmin)2}/2Wdc[s]となる。ここで、画質調整時間が10[s]、キャパシタ容量を43[F]、DC−DCコンバータ43cの出力下限電圧Vddcminを18[V]、DC消費電力Wdcを240[W]と仮定すると、上式から、ステップS43の閾値Vswは、Vsw≧20.87[V]に設定する必要がある。
第4実施例のハードウエアは上述の第1実施例のものと同じであるが、第4実施例の制御部20が実行する「給電制御」PSCcおよび「画質調整制御」IQCcは、第1実施例のもの(図5および図7)と少し異なる。第4実施例の制御部20が実行する「給電制御」の内容は、第3実施例の図10に示す「給電制御」PSCcの内容と同じであり、画質調整は補助電源からの給電停止状態で開始しかつ終了する。
図12に、第4実施例の制御部20が実行する「画質調整制御」IQCdの概要を示す。この「画質調整制御」IQCdは、第3実施例の図11に示す「画質調整制御」IQCcの画像位置調整制御S51〜S54,S24bの中のステップS51とS52の間に「画像品質調整の可否判定」S61,S62を挿入し、また、濃度調整制御S55〜S58,S26bの中のステップS55とS56の間に「画像品質調整の可否判定」S63,S64を挿入したものである。前者の「画像品質調整の可否判定」S61,S62と後者の「画像品質調整の可否判定」S63,S64の内容は同じである。
この第4実施例の制御部20は、画像位置調整の開始条件が成立し、画像位置調整制御(S51〜S54,S24b)を開始してレジスタFRpのデータが「1」(補助電源が給電中)であった場合には、「画像品質調整の可否判定」S61,S62を行って、否と判定したときに、レジスタFRsに「1」(補助電源の給電停止を指示)を書き込んで(S52)、「給電制御」PScにおいて、ステップS5a又はS10bでこのデータ「1」に応答してステップS11に進みそしてステップS12で補助電源を給電停止するのを待って(S53)、該給電停止(FRp=0)になると、レジスタFRsのデータを「0」(停止指示なし)にクリアして(S54)、画像位置調整を行う(S24b)。「画像品質調整の可否判定」S61,S62の結果が可であった場合には、画像位置調整を行う(S24b)。
これに対して、ステップS23にて、画像位置調整をおこなわないと判定した場合には、ステップS51〜S24bをスキップする。次に、濃度調整の実行条件が成立するかを判定する(S25)。濃度調整の実行条件が成立すると、濃度調整制御(S55〜S58,S26b)を開始して、レジスタFRpのデータが「1」(補助電源が給電中)であった場合には、「画像品質調整の可否判定」S63,S64を行って、否と判定したときに、レジスタFRsに「1」(補助電源の給電停止を指示)を書き込んで(S56)、「給電制御」PScにおいて、ステップS5a又はS10bでこのデータ「1」に応答してステップS11に進みそしてステップS12で補助電源を給電停止するのを待って(S57)、該給電停止(FRp=0)になると、レジスタFRsのデータを「0」(停止指示なし)にクリアして(S58)、画像濃度調整を行う(S26b)。「画像品質調整の可否判定」S63,S64の結果が可であった場合には、画像濃度調整を行う(S26b)。
これに対して、ステップS25にて、濃度調整をおこなわないと判定した場合には、ステップS55〜S58,S26bをスキップする。最後に、立下げを実行する(S27)。すなわち、作像部や転写ベルト208を駆動する駆動モータを停止する。さらに、帯電電圧や現像バイアスの印加を停止する。こうして、本フローを終了する(S28)。
上述のように第4実施例は、補助電源から給電中に、画像形成装置が画質調整開始条件に達した場合、「画像品質調整の可否判定」S61,S62/S63,S64にて、画質調整の可否を判定して、DC電力供給源の切り替えタイミングを決定する。すなわち、第4実施例では、可と判定すると補助電源からの給電を停止するタイミングを画質調整の後に定め、否と判定すると画質調整の前に定める。これにより、電力供給源切り替え時の電圧変動による画質調整不良を防止する。
この第4実施例では、「画像品質調整の可否判定」S61,S63では、補助電源の残電力と所定値とで大小を比較し、残電力が所定値以上であれば「可」とする。そして画質調整(S24b/S26b)を実行する。残電力が所定値以下であれば「否」とし、補助電源からの給電を停止してから画質調整(S24b/S26b)を実行する。
「画像品質調整の可否判定」S61,S63を開始するときの、キャパシタ43bの電圧をVl[V]、DC−DCコンバータ43cの出力可能下限電圧をVddcmin[V]、DC負荷における消費電力をWdc[W]、キャパシタ容量をC[F]とすると、画質調整を開始してから、DC−DCコンバータ43cが出力不能になるまでの時間t10[s]は、t10=C{(Vl)2−(Vddcmin)2}/2Wdc[s]となる。上式から求められるt10[s]と画質調整時間tpc[s]とを比較して、t10≧tpcである時は「可」と判定し、t10<tpcである時は「否」と判定する。
なお、「画像品質調整の可否判定」S61,S63の内容は、第2実施例のステップS43と同様に、キャパシタ電圧を、閾値Vswと比較して、キャパシタ電圧が閾値Vsw以上であると「可」と、閾値Vsw未満であると「否」と判定するものとしても良い。この場合、切り替え条件となるキャパシタ電圧をVsw[V]、DC−DCコンバータ43cの出力可能下限電圧をVddcmin[V]、DC消費電力をWdc[W]、キャパシタ容量をC[F]とすると、キャパシタ電圧が切り替え条件の閾値Vswに到達してから、DC−DCコンバータ43cが出力不能になるまでの時間t10[s]は、t10=C{(Vsw)2−(Vddcmin)2}/2Wdc[s]となる。ここで、画質調整時間が10[s]、キャパシタ容量を43[F]、DC−DCコンバータ43cの出力下限電圧Vddcminを18[V]、DC消費電力Wdcを240[W]と仮定すると、上式から、ステップS43の閾値Vswは、Vsw≧20.87[V]に設定する。