以下、本発明の実施形態を説明する。まず、図1〜図8を用いて、第1の実施形態を説明する。但し、各実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
(複合機100の概略構成)
まず、図1を用いて、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の概要を説明する。本説明では、画像形成装置として電子写真方式の複合機100を例に挙げて説明を行う。図1は本発明の第1の実施形態に係る複合機100の模型的正面断面図である。
本実施形態の複合機100は、最上部に原稿搬送部1Aを有する。又、複合機100の正面上方(図1に破線で示す位置)に、コピーや送信等の各種設定を受け付け、複合機100の状態を表示する操作パネル1Bが設けられる。又、複合機100本体に、画像読取部1C、給紙部2A、搬送路2B、画像形成部3A、定着部3B等が設けられる。
画像読取部1Cは、原稿を読み取り画像データを生成する。そして、画像読取部1Cの上面にコンタクトガラス(送り読取用コンタクトガラス11と載置読取用コンタクトガラス12の2種)が設けられ、その内部には、水平方向(図1で言えば、左右方向)で移動する移動枠(露光ランプ、ミラー等を具備)、レンズ、イメージセンサ(例えば、CCD)等の光学系部材(いずれも不図示)が設けられる。例えば、原稿搬送部1Aで連続的に搬送される原稿を読み取る場合、送り読取用コンタクトガラス11の下方に移動枠を固定し、原稿の反射光をレンズ、イメージセンサに導く。又、載置読取用コンタクトガラス12に載置された原稿を読み取る場合には、移動枠を水平方向に移動させて、原稿の反射光をレンズ、イメージセンサに導く。
そして、画像読取部1Cは、これら光学系部材を用い、原稿に光を照射し、原稿の反射光を受けたイメージセンサの各画素の出力値をA/D変換し、画像データを生成する。例えば、複合機100は読取られた画像データに基づき印刷可能である(コピー機能)。
画像形成用の用紙を収容、供給する給紙部2Aが、複合機100の下方に設けられる。尚、増設用のオプション装置としての給紙部2Aを更に下方に積み重ね(例えば、3〜4段程度)、用紙収容能力を高めることができる。そして、用紙補給や用紙サイズ変更のため、給紙部2Aの一部は、カセット21として取り外すことができる。
給紙部2Aのカセット21内に、各種(例えば、普通紙、コピー用紙、再生紙等)、各サイズ(例えば、A4、A3、B4、B5、レターサイズ等)の用紙を複数(例えば、500〜1000枚程度)積載して収容する。そして、給紙部2Aには、最上位の用紙と接し、用紙を送り出して給紙する給紙ローラ22が設けられる。
次に、搬送路2Bは、装置内で用紙を搬送する通路である。そして、搬送路2Bには、用紙搬送時に回転駆動する搬送ローラ対23や、搬送される用紙を画像形成部3Aの手前で待機させ、トナー像形成のタイミングを合わせ送り出すレジストローラ対24等が設けられる。又、排出口から排出される用紙を受け止める排出トレイ25も設けられる。
画像形成部3Aは、画像データに基づき、給紙部2Aから給紙された用紙に画像(トナー像)を形成し、搬送される用紙にトナー像を転写する。尚、画像データには、画像読取部1Cで取得された原稿の画像データや、複合機100に接続されるコンピュータ200(図5参照)からの送信画像データなどが利用される。そして、画像形成部3Aは、図1中に示す矢印方向に回転駆動可能に支持された感光体ドラム31や、その周囲に配設された帯電装置32、露光装置33、現像装置34、転写ローラ35、クリーニング装置36等を備える。
トナー像形成及び転写プロセスを説明する。感光体ドラム31は、所定方向に回転駆動する。そして、感光体ドラム31の上方の帯電装置32が所定電位に帯電させる。露光装置33は、画像データに基づき、レーザ光を出力し、帯電装置32の右側から感光体ドラム31表面を走査露光して画像データに応じた静電潜像を形成する。
そして、図1において、感光体ドラム31の右の現像装置34は、感光体ドラム31に形成された静電潜像にトナーを供給して現像する。感光体ドラム31の下方の転写ローラ35は感光体ドラム31に圧接し、ニップを形成する。そして、レジストローラ対24がタイミングを図り用紙をニップに進入させる。用紙とトナー像のニップ進入時、転写ローラ35には所定電圧が印加され、感光体ドラム31上のトナー像が用紙に転写される。クリーニング装置36は、転写後に感光体ドラム31に残留するトナー等を除去する。
定着部3Bは、用紙に転写されたトナー像を定着させる。本実施形態における定着部3Bは、主として発熱体を内蔵する加熱ローラ37と加圧ローラ38で構成される。加熱ローラ37と加圧ローラ38は圧接しニップを形成する。そして、用紙が、このニップを通過すると、トナーが溶融・加熱され、トナー像が用紙に定着する。トナー定着後の用紙は排出トレイ25に排出される。
(複合機100のハードウェア構成)
次に、図2に基づき、本発明の第1の実施形態に係る複合機100のハードウェア構成の一例を説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る複合機100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
まず、複合機100本体内に、主制御部4が、複合機100の動作の制御を統括する部分として設けられる。例えば、主制御部4は、基板であり、制御を行う部分としてCPU41や、画像処理を行う部分としての画像処理部42を有する。
又、主制御部4は、記憶部43を有する。記憶部43は、複合機100の制御用のプログラムやデータの他、画像データ等を記憶できる。例えば、記憶部43は、RAM、ROM、HDD、フラッシュROM等の揮発性と不揮発性の記憶装置を組み合わせてなる。CPU41は、記憶部43に記憶されるプログラムやデータに基づき、演算処理の実行や制御信号の発信、受信を行って、複合機100の制御を行う。
又、画像形成や用紙搬送を行う上で、各種回転体を回転させるモータ等のON/OFF等を行い、印刷を制御するエンジン制御部40が設けられる。エンジン制御部40は、主制御部4等と通信可能に接続され、主制御部4の指示に基づき、印刷に関して実際に各部材の制御を行う部分である。
エンジン制御部40は、例えば、演算処理装置としてエンジンCPU44を有する。又、エンジン制御部40には、その他、チップ、マイコン、各種回路、素子、メモリ等を実装してもよい。そして、例えば、エンジン制御部40は、制御対象として、給紙部2A、搬送路2B、画像形成部3A、定着部3B等と通信可能に接続され、制御する。
又、主制御部4は、原稿の読み取りや、画像データの送受信に必要な原稿搬送部1A、画像読取部1C、通信部5などと通信可能に接続され、各部の制御を行う。尚、エンジン制御部40が、主制御部4の指示に基づき、原稿搬送部1A、画像読取部1Cの動作制御を、行うようにしてもよい。
又、主制御部4は、操作パネル1Bと通信可能に接続される。これにより、操作パネル1Bでなされた設定、入力の内容は、主制御部4に伝達される。主制御部4は、設定内容に合わせて各部が動作するように、複合機100に含まれる各部に指示を与え、動作させる。
更に、主制御部4は、コンピュータ200(例えば、パーソナルコンピュータ)や、サーバ400や相手方FAX装置300と、ネットワークやケーブルや通信網により通信を行うための通信部5と接続される。これにより、複合機100は、コンピュータ200から画像データ等を受け取って印刷することや(プリンタ機能)、画像読取部1Cで読み取られた画像データを記憶部43に蓄積し、コンピュータ200やサーバ400に送信することや(スキャナ機能)、外部のFAX装置300と画像データの送受信を行うことができる(FAX機能)。又、通信部5は、省電力モードから通常モードへ復帰させるか否か(復帰条件が生じたか)を監視する。尚、通信部5の詳細は、後述する。
尚、省電力モードでは、印刷や送信のため、画像形成や画像処理を行う部分(例えば、主制御部4、エンジン制御部40、原稿搬送部1A、操作パネル1B、画像読取部1C、給紙部2A、搬送路2B、画像形成部3A、定着部3B等。以下、「画像形成処理部10」と称する。図2において破線で囲む部分)への電力供給は停止される(複合機100への操作を検知する検知部には、電力供給は行われる)。
又、通信部5は、省電力モードでも電力が供給され、動作する。通信部5は、省電力モードから通常モードへの復帰の監視も行う。通信部5の回路規模は、主制御部4やエンジン制御部40などと比べ、小さくてすむので、主制御部4などを省電力モードで駆動させ、監視処理などを行わせるよりも電力消費を減らすことができる。
又、複合機100内には、1次電源部PWが設けられる。1次電源部PWは、例えば、商用電源と接続される。1次電源部PWは、例えば、整流回路や、トランスや、コンバータや、平滑回路等の電力変換用の回路を含む。例えば、1次電源部PWは、モータ駆動用のDC24Vや、DC5Vを生成する。又、商用電源と1次電源部PWとの接続のON/OFFを行う主電源投入用のメインスイッチMSが設けられる(例えば、複合機100の側面)。
(通常モードと省電力モード)
次に、図3、図4に基づき、本発明の第1の実施形態に係る複合機100での通常モードと省電力モードの遷移を説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係る通常モードから省電力モードへの移行を説明するための説明図である。図4は、本発明の第1の実施形態に係る省電力モードから通常モードへの復帰を説明するための説明図である。
まず、複合機100のメインスイッチMS投入(主電源投入、図2参照)により、複合機100は、商用電源と接続される。これにより、複合機100の全部分に対し、電力が供給される。そして、通信部5の起動や、記憶部43からのメインプログラムの読み出し、主制御部4やエンジン制御部40や、定着部3Bを温めるウォームアップなどが開始される。最終的に、主電源投入によって複合機100の全ての機能が利用できる状態となり、通常モードとなる。
そして、本実施形態の複合機100の通常モードは、主電源が投入され、ウォームアップが完了し、複合機100を直ちに利用できる状態としておくため、複合機100の(全ての)各部に電力が供給されている状態である。
《通常モードから省電力モードへの移行》
次に、図3を用いて、通常モードから省電力モードへの移行を説明する。通常モードでは、直ちに複合機100を利用できる。しかし、複合機100を使用していない状態(待機状態)でも、主制御部4やエンジン制御部40等で一定の電力が消費される。そこで、本実施形態の複合機100は消費電力を通常モードよりも減らす省電力モードを有する。
通常モードから省電力モードへの移行条件が整うと(満たされると)、複合機100は、通常モードから省電力モードに移行する。移行条件は、任意に定めることができる。例えば、操作パネル1Bに設けられ、省電力モードへの移行を指示するための節電キー13(図3参照)が押されたことが、省電力モードへの移行条件とされてもよい。
又、例えば、複合機100に対する入力(操作パネル1Bへの入力や、通信部5への印刷用データの入力等)がなくなり、使用されない状態(待機状態)となってから、予め定められた時間(省電力モードへの移行時間。例えば、数分)の経過が、省電力モードへの移行条件とされてもよい。例えば、主制御部4に設けられる計時部45が、予め定められた省電力モードへの移行時間を計時する。
省電力モードへの移行条件が満たされると、主制御部4は、通信部5に省電力モードへの移行を指示する。この指示を受け、通信部5は、省電力モードでも動作させる部分にのみ電力が供給されるように制御を行う。これにより、省電力モードでは、主制御部4、エンジン制御部40、給紙部2A、画像読取部1C、画像形成部3Aなど、複合機100を構成する部分への電力供給が停止される。又、主制御部4、エンジン制御部40等に電力を供給する第2電源部10Pも動作しない(詳細は後述)。
省電力モードでも動作させる部分は、任意に定めることができるが、本実施形態の複合機100では、省電力モードから通常モードへの復帰条件が満たされたことを検知する復帰条件検知部と、復帰条件検知部からの復帰信号を受け、復帰条件が満たされたことを認識する通信部5に対し、省電力モードで電力供給がなされる。
《省電力モードの解除・省電力モード→通常モード》
省電力モードでは、電力供給部分は限られる。そのため、省電力モードでは、複合機100の各種機能(コピー、スキャン、プリント、FAX等)を用いることができない。
そこで、本実施形態の複合機100では、複合機100への一定の操作、入力が復帰条件とされ、復帰条件が整うと、複合機100は、省電力モードから通常モードに復帰し、の各種機能が利用可能な状態となる。
省電力モードから通常モードへの復帰条件は、任意に定めることができる。例えば、図4に示すように、外部のコンピュータ200やFAX装置300からの印刷、送信用等のジョブデータの受信が通信部5になされたことが復帰条件とされてもよい(通信部5が復帰条件検知部となる)。あるいは、図4に示すように、操作パネル1Bでの電源キー14など、いずれかのキーが押されたことが、復帰条件とされてもよい(操作パネル1Bが復帰条件検知部となる)。
又、原稿搬送部1Aへの原稿セットが復帰条件とされてもよい。尚、原稿搬送部1Aへの原稿セットを検知するため、原稿トレイ15に、原稿セットセンサ16が設けられてもよい(原稿セットセンサ16が復帰条件検知部となる、図1参照)。例えば、原稿セットセンサ16は、原稿の有無を検知する光センサである。
又、原稿搬送部1Aの持ち上げと持ち下げ(原稿搬送部1Aの開閉)が復帰条件とされてもよい。尚、原稿搬送部1Aの開閉を検知するため、画像読取部1Cの上面に開閉検知センサ17が設けられてもよい(図1参照、開閉検知センサ17が復帰条件検知部となる)。例えば、開閉検知センサ17は、一定角度以上、原稿搬送部1Aが開けられたことを検知する光センサである。
複合機100への操作、入力が、いずれかの復帰条件検知部により検知される。尚、復帰条件検知部として、更に、別種のセンサ等が設けられてもよい。通信部5は、各復帰条件検知部の出力を受ける。通信部5は、各復帰条件検知部の検知結果に基づき、復帰条件が満たされたことを認識する。この認識に伴い、通信部5は、第2電源部10Pを動作させ、画像形成処理部10(主制御部4、エンジン制御部40、画像形成部3A、定着部3B等)への電力供給を再開する。
第2電源部10Pは、例えば、1次電源部PWの出力電圧を変換する複数種のDCDCコンバータ7や、レギュレータで構成される。第2電源部10Pが生成した各種電圧は、主制御部4、エンジン制御部40等の画像形成処理部10(主制御部4、エンジン制御部40、画像形成部3A、定着部3B等)内の各部に含まれるCPUやメモリなどの回路、素子に与えられる。この第2電源部10Pが動作することで、複合機100では、コピー、印刷、スキャン、送信が可能となる。又、通信部5は、第2電源部10Pを駆動させるか否かの指示を与える。
このように、省電力モードから通常モードへの復帰により、原稿搬送部1A、画像読取部1C、画像形成部3A、主制御部4、エンジン制御部40など、複合機100を構成する全部への電力供給が再開される。このように、通信部は、予め定められた省電力モードへの移行条件が整うと、各部、各装置への電力供給を停止し、通常モードへの復帰条件が整うと、各部、各装置への電力供給を再開する。
(通信部5のハードウェア構成)
次に、図5に基づき、本発明の第1の実施形態に係る通信部5のハードウェア構成の一例を説明する。図5は、本発明の第1の実施形態に係る通信部5のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、通信部5は、コネクタ部51(デバイス、接続部に相当)、MAC部52(デバイスに相当)、ROM53(デバイスに相当)、CPU54(デバイスに相当)、RAM55(デバイスに相当)、I/F部56(デバイスに相当)、電源部6を含む。
コネクタ部51は、OSI参照モデルにおける物理層に相当する部分である。コネクタ部51は、物理的に、複合機100とコンピュータ200やFAX装置300やサーバ400と、ネットワーク等により電気的に接続するためのハードウェアである。
MAC部52は、コネクタ部51で受信された信号に基づき、Media Access Control(例えば、CSMA/CDや、トークンリング、トークン・パッシングなど)を実現するハードウェアである。MAC部52は、MACアドレスと呼ばれるアドレスを用いて、コネクタ部51を介して外部と通信を行う。
ROM53は、複数種の通信用プログラムやデータなどを不揮発的に記憶する。ROM53は、例えば、各種通信プロトコルに関し、通信処理を行うために必要なプログラム、ソフトウェア、データを複数種記憶する。
CPU54は、ROM53内のプログラム、データを読み出して、通信制御、通信処理を行う演算処理装置である。このCPU54の処理により、通信プログラム、プロトコルに沿った通信処理がなされる。
RAM55は、通信処理を行う上で、CPU54内のメモリでは、容量が不足するときに用いられる揮発的な記憶領域である。例えば、RAM55は、DDR−SDRAMである。
I/F部56は、電源部6への指示を与えるインターフェイスである。又、I/F部56は、画像形成処理部10(主制御部4、エンジン制御部40、画像形成部3A、定着部3B等)(例えば、主制御部4等)と通信を行うためのインターフェイスである。又、I/F部56は、復帰条件検知部から復帰時要件が満たされた旨の信号を受け付けるインターフェイスとして用いることも可能である。
電源部6は、通信部5内のデバイス(コネクタ部51、MAC部52、ROM53、CPU54、RAM55、I/F部56)を動作させるため、複数のDCDCコンバータ7(電力変換部に相当)を含む。本実施形態では、5つのDCDCコンバータ7(7A〜7E)を含む例を説明する。本実施形態では、電源部6の出力チャンネルは5つであり、それぞれ電圧値が異なる。
電源部6内の各DCDCコンバータ7(7A〜7E)は、1次電源部PWが生成する直流電圧(例えば、DC5V)を、予め定められたDC電圧に変換する(例えば、DC3.3V、2.5V、1.8V、1.2V、1.0Vなど)。
図5に示すように、第1DCDCコンバータ7Aは、RAM55の内部用(メモリチップ用)の電源電圧を生成する(出力チャンネルCh1)。第2DCDCコンバータ7Bは、RAM55のI/F用の電源電圧を生成する(出力チャンネルCh2)。第3DCDCコンバータ7Cは、デバイスのI/O端子用の電源電圧を生成する(出力チャンネルCh3)。第4DCDCコンバータ7Dは、CPU54のコア用の電源電圧を生成する(出力チャンネルCh4)。第5DCDCコンバータ7Eは、各デバイス内の通信用チップ、ドライバのようなコア用の電源電圧を生成する(出力チャンネルCh5)。
本実施形態での各DCDCコンバータ7(7A〜7E)は、チョッパ式のDCDCコンバータである。そして、各DCDCコンバータ7(7A〜7E)を制御するコントローラ8が設けられる。コントローラ8は、予め定められた電圧(設計上の出力定格電圧)が各DCDCコンバータ7(7A〜7E)から出力されるように、各DCDCコンバータ7(7A〜7E)に含まれる半導体スイッチ71のON/OFFを行う。尚、DCDCコンバータの停止状態では、半導体スイッチ71はOFF状態で保たれる。
又、コントローラ8は、各DCDCコンバータ7(7A〜7E)のモードを、軽負荷モードとすることもできる。コントローラ8は、軽負荷モードでは、各DCDCコンバータ7(7A〜7E)のスイッチング回数を減らす(半導体スイッチ71のスイッチング周波数を落とす)などにより(バーストモードやパルススキップモードと呼ばれることがある)、スイッチングロスを軽減する。これにより、各DCDCコンバータ7(7A〜7E)の変換効率を高くし、消費電力の削減を図ることができる。
即ち、各電力変換部は、DCDCコンバータ7であり、動作モードは、電力変換部を通常動作させる通常動作モード、通常動作モードよりも電力変換部のスイッチング周波数を下げる軽負荷モード、電力変換部を停止させる停止モードのいずれかである。
そして、図5では、各DCDCコンバータ7(7A〜7E)が生成した電圧のうち、どの電圧が、各デバイス(コネクタ部51、MAC部52、ROM53、CPU54、RAM55)に与えられるかをブロック内に「○○電源」という態様で示している。各デバイスには、1種〜3種程度の電圧が供給される。
(処理状態とデバイスとの関連例)
次に、図6に基づき、本発明の第1の実施形態に係る通信部5での処理状態の遷移と、必要なデバイスの変化の関連の一例を説明する。図6は、本発明の第1の実施形態に係る通信部5の処理状態と、必要なデバイスとの関連の一例を示す説明図である。
図6は、通信部5で処理するプログラムや通信プロトコルの階層と、必要なデバイスの対応の階層の一例を示す。
まず、最下層は、通信部5のコネクタ部51のリンク検出処理に必要なデバイスは、コネクタ部51のみであることを示している。例えば、通信用ケーブルが、コネクタ部51に接続されていない状態(ケーブルが抜かれている状態)では、外部からリンクを張るためのエネルギーが到達しない(信号がこない)。尚、夜間、節約のため、通信部5につながるHUBの電源が落とされた場合も同様の状態となる。そして、リンクを検出するには、コネクタ部51が、物理的に、信号の有無を確認できればよく、他のデバイスは必要がない(コネクタ部51用の第3DCDCコンバータ7Cと第5DCDCコンバータ7Eのみ動作していればよい)。
次に、下から2番目の層(第2層)は、CPU54の内蔵メモリ540(内蔵する半導体メモリやレジスタ)にて処理可能な通信処理状態を示す。通信部5のコネクタ部51に通信ケーブルが接続されると、外部とリンクが張られ、複合機100は通信可能な状態となる。そして、通信部5は、何らかの通信プロトコルに基づき、通信、処理を行う。
通信プロトコルに基づき、通信処理を行うとき、CPU54の内蔵メモリ540で処理できれば、動作させるデバイスは、コネクタ部51に加え、CPU54、MAC部52、ROM53である。言い換えると、通信プロトコルに基づくデータ処理量や通信プログラムの大きさが、有る程度小さければ(軽ければ)、RAM55動作させずに済む。
図5では、CPU54の内蔵メモリ540(RAMやレジスタ)で処理できるプロトコルとして、TCP(Transmission Control Protocol)、UDP(User Datagram Protocol)、IP(Internet Protocol)、ICMP(Internet Control Message Protocol)、ARP(Address Resolution Protocol)などを例示している。
次に、下から3番目の層(第3層)は、CPU54の内蔵メモリ540に加え、RAM55を利用する通信処理状態を示す。
通信プロトコルに基づき通信処理を行うと、CPU54の内蔵メモリ540だけでは、データやプログラムを展開しきれない場合がある。このような場合、第2層の状態に加え、RAM55を追加的に動作させる。これにより、動作させるデバイスは、コネクタ部51、CPU54、MAC部52、ROM53、RAM55となる。言い換えると、通信プロトコルに基づくデータの処理量や通信プログラムの大きさが、有る程度大きくなれば(重ければ)、RAM55を動作させる。
図5には、RAM55までも動作させる必要があるプロトコルとして、例えば、SNMP(Simple Network Management Protocol)を例示する。この通信プロトコルは、ネットワークに接続される機器の状態を把握するため、機器からの情報を集めて監視や制御を行なうプロトコルである。このプロトコルに基づき通信を行うとき、通信部5は、複合機100に関して数多くの情報を送信する。そのため、RAM55の使用が必要となる。
次に、最も上の層(最上層)は、通信部5に加え、画像形成処理部10(主制御部4、エンジン制御部40、画像形成部3A、定着部3B等)までも利用する処理状態を示す。又、最上層の処理を行うとき、省電力モードであれば複合機100は通常モードに戻る。
通信プロトコルに基づき、外部のコンピュータ200などから、印刷用や送信用の画像データや設定データを受信することがある。印刷や送信を行うには、例えば、原稿の読み取りやトナー像の形成が必要であり、画像形成処理部10(主制御部4、エンジン制御部40、画像形成部3A、定着部3B等)を動作させる必要がある。これにより、動作させるデバイスは、コネクタ部51、CPU54、MAC、ROM53、RAM55の他、画像形成処理部10(主制御部4、エンジン制御部40、画像形成部3A、定着部3B等)も含まれる。
このように、通信プロトコルのレベルや、処理すべきデータ量が多くなればなるほど、図6での上層での処理となる。一方で、動作させるべきデバイスは、各層で画一的である。言い換えると、処理する通信プロトコルや通信プログラムにより、用いるデバイスや、必要な電力や、動作させるべきDCDCコンバータ7は、段階的に変化する。
そのため、通信の処理状態により、電力の損失が最小と成るように、各DCDCコンバータ7(7A〜7E)の動作モードを定めることができる。例えば、動作させる必要があるDCDCコンバータ7と、動作させる必要が無く停止してもよいDCDCコンバータ7と、軽負荷モードとしても、問題なく処理できるDCDCコンバータ7のように、通信の処理状態ごとに動作モードを定める。そこで、以下、通信処理状態にあわせた、省電力実現のための電源部6での各DCDCコンバータ7(7A〜7E)の動作制御を説明する。
(各DCDCコンバータ7(7A〜7E)の動作制御)
次に、図5及び図7に基づき、本発明の第1の実施形態に係る通信部5の処理状態に応じた各DCDCコンバータ7(7A〜7E)の動作制御の一例を説明する。図7は、本発明の第1の実施形態に係る通信部5の処理状態に応じた各DCDCコンバータ7(7A〜7E)の動作を定めた制御テーブルの一例を示す説明図である。
通信部5の処理状態に応じた制御テーブルは、通信部5内の制御テーブル記憶部91(記憶部に相当)に記憶される(図5参照)。そして、図5に示すように、通信部5内には、制御テーブルに基づき、各DCDCコンバータ7(7A〜7E)を動作内容を示すデータや信号を生成する制御パターン生成部9(出力制御部に相当)が設けられる。
制御パターン生成部9は、通信部5の通信処理状態を示す信号をI/F部56から受信する。言い換えると、I/F部56は、制御パターン生成部9に対し、通信部5の処理状態を知らせる。尚、コネクタ部51にケーブルが接続された旨の割込信号は、直接、コネクタ部51やMAC部52から、制御パターン生成部9に入力される。このように、制御パターン生成部9は、通信部5の通信処理の状態を認識する。
そして、制御パターン生成部9は、通信の処理状態に合わせた制御テーブルを参照する。次に、制御パターン生成部9は、参照した制御テーブルにあわせ、各DCDCコンバータ7(7A〜7E)を制御するための制御データを生成する。制御パターン生成部9は、例えば、各DCDCコンバータ7(7A〜7E)につき、ON/OFFや、駆動させるときのスイッチング周波数を定めた制御データを生成する。
即ち、出力制御部(制御パターン生成部9)は、通信部5の処理状態として、デバイス(コネクタ部51、MAC部52、ROM53、CPU54、RAM55、I/F部56等)で処理されるプログラムの種類を認識し、記憶部(制御テーブル記憶部91)は、プログラムの種類に応じて予め定められた制御テーブルを記憶する。
制御パターン生成部9は、制御データを、DCDCコンバータ7を実際に制御するコントローラ8に与える。コントローラ8は制御パターン生成部9から与えられた制御データに基づき、各DCDCコンバータ7(7A〜7E)を動作させる。
まず、図7に示す「フル起動状態」のテーブルには、全DCDCコンバータ7を通常通り動作させ、又、通信部5は、第2電源部10Pを動作させる信号を出力する旨が定められている。図6の階層でいえば、最上位の階層での処理状態となる。尚、以下では、DCDCコンバータ7を通常どおり(仕様どおり)動作させるモードを「通常動作モード」という。
例えば、複合機100のモードが「通常モード」であるときや、複合機100の主電源が投入されたときに、制御パターン生成部9は、「フル起動状態」の制御テーブルを参照する。例えば、制御パターン生成部9は、I/F部56からの通常モードの復帰条件が満たされたことの通知を受けると、複合機100のモードが「通常モード」であると認識する。又、複合機100の主電源が投入されたことを検知するため、入力電源監視部92が設けられる。尚、入力電源監視部92は、例えば、メインスイッチMSが入れられたか否かを監視する。そして、入力電源監視部92は、主電源投入と認識すると、制御パターン生成部9に主電源投入である旨を伝達する。
このように、通常モードのときや、主電源投入時、制御パターン生成部9は、「フル稼働状態」の制御テーブルを参照する。そして、制御パターン生成部9は、制御データを生成しコントローラ8に引き渡す。これにより、複合機100の全体に対し、電力が漏れなく供給され、複合機100は、全ての機能が利用できる状態となる。又、通信部5でも全てのデバイスに漏れなく電力が供給される。
次に、図7に示す「第1通信処理状態」のテーブルは、全DCDCコンバータ7を通常通り動作させ(通常動作モード)、又、通信部5は、第2電源部10Pを動作させる信号を出力しない旨が定められている。図6の階層でいえば、第3層(下から3番目)の階層での処理状態となる。
例えば、複合機100のモードが「省電力モード」であり、例えば、SNMPのプロトコルに基づき通信を行うとき、制御パターン生成部9は、「第1通信処理状態」の制御テーブルを参照する。言い換えると、省電力モードで、RAM55を動作させる必要がある処理状態のとき、制御パターン生成部9は、「第1通信処理状態」の制御テーブルを参照する。
RAM55を動作させる必要がある場合、通信部5内のデバイスは、全て動作させる必要がある。そこで、「第1通信処理状態」の制御テーブルでは、通信部5に含まれる全DCDCコンバータ7を通常通り動作させるべき旨が定められている。
受信データの内容により、CPU54や、MAC部52は、通信でのプロトコルを認識できる。例えば、CPU54やMAC部52は、SNMPのプロトコルに基づき通信を行うべき旨を認識すると、I/F部56を介して、「第1通信処理状態」の制御テーブルを参照すべき旨の指示を制御パターン生成部9に与える。この指示を受け、制御パターン生成部9は、「第1通信処理状態」の制御テーブルを参照する。そして、制御パターン生成部9は、制御テーブルに基づき制御データを生成し、制御データをコントローラ8に引き渡す。
次に、図7に示す「第2通信処理状態」のテーブルには、第1DCDCコンバータ7A(Ch1)を「軽負荷モード」で、第2DCDCコンバータ7B(Ch2)を停止し、第3DCDCコンバータ7C(Ch3)、第4DCDCコンバータ7D(Ch4)、第5DCDCコンバータ7E(Ch5)を「通常動作モード」で動作させ、又、通信部5は、第2電源部10Pを動作させる信号を出力しない旨が定められている。図6でいえば、第2層(下から2番目)の階層での処理状態となる。
例えば、複合機100のモードが「省電力モード」であり、例えば、RAM55を用いる必要が無く、比較的軽いプロトコルに基づき通信を行うとき、「第2通信処理状態」の制御テーブルが、制御パターン生成部9に参照される。言い換えると、省電力モードで、RAM55を動作させる必要がない処理状態のとき、各DCDCコンバータ7(7A〜7E)は「第2通信処理状態」の制御テーブルに基づき動作する。
RAM55を用いない場合、第2DCDCコンバータ7B(Ch2)は、停止させてもよい。又、第1DCDCコンバータ7A(Ch1)は、軽負荷モードとすればよい(停止させてもよい。)
受信データの内容により、CPU54や、MAC部52は、通信でのプロトコルを認識できる。例えば、CPU54やMAC部52は、RAM55を用いる必要がないプロトコルに基づき通信を行うべき旨を認識すると、I/F部56を介して、「第2通信処理状態」の制御テーブルを参照すべき旨の指示を制御パターン生成部9に与える。この指示を受け、制御パターン生成部9は、「第2通信処理状態」の制御テーブルを参照する。そして、制御パターン生成部9は、制御テーブルに基づき制御データを生成し、制御データをコントローラ8に引き渡す。
次に、図7に示す「リンク検出状態」のテーブルには、第1DCDCコンバータ7A(Ch1)、第2DCDCコンバータ7B(Ch2)、第4DCDCコンバータ7D(Ch4)を停止し、第3DCDCコンバータ7C(Ch3)、第5DCDCコンバータ7E(Ch5)を「軽負荷モード」で動作させ、又、通信部5は、第2電源部10Pを動作させる信号を出力しない旨が定められている。図6でいえば、第1層(最下層)の階層での処理状態となる。
例えば、複合機100のモードが「省電力モード」であり、ケーブルが外されている場合や、複合機100につながるHubの電源が切られている場合がある。このような場合、通信部5は、ひとまず、外部と接続されたかを検出する処理(リンク検出)のみを行えばよい。そこで、通信部5の処理がリンク検出のとき、「リンク検出状態」の制御テーブルが、制御パターン生成部9に参照される。言い換えると、省電力モードで、リンク検出の処理を行うとき、各DCDCコンバータ7(7A〜7E)は、「リンク検出状態」の制御テーブルに基づき、動作する。
リンク検出状態では、コネクタ部51やMAC部52が、リンクを検知できればよい。言い換えると、ケーブルが接続され、何らかの信号が入力されていることが検知できればよい。そのため、コネクタ部51やMAC部52に電力を供給する第3DCDCコンバータ7C(Ch3)、第5DCDCコンバータ7E(Ch5)のみを動作させる(他は停止)。しかも、軽負荷モードとすればよい
受信が全くない場合や、送信を行っても全く返答がないことにより、CPU54や、MAC部52は、ケーブルが抜かれている等を認識できる。例えば、CPU54やMAC部52は、受信が全くないときや、送信を行っても全く返答がないとき、I/F部56を介して、「リンク検出状態」の制御テーブルを参照すべき旨の指示を制御パターン生成部9に与える。この指示を受け、制御パターン生成部9は、「リンク検出状態」の制御テーブルを参照する。そして、制御パターン生成部9は、制御テーブルに基づき制御データを生成し、制御データをコントローラ8に引き渡す。
即ち、本実施形態の画像形成装置(例えば、複合機100)は、外部の装置と通信を行うための複数種のデバイス(コネクタ部51、MAC部52、ROM53、CPU54、RAM55、I/F部56等)を含む通信部5と、それぞれ出力電圧が異なる複数の電力変換部(DCDCコンバータ7)を含み、複数の出力チャンネルを有し、各デバイスに1又は複数種の駆動電圧を印加する電源部6と、通信部5の処理状態に応じて、それぞれの電力変換部の動作モードを予め定めた複数種の制御テーブルを記憶する記憶部(制御テーブル記憶部91)と、通信部5の処理状態を認識し、制御テーブルに基づいた動作モードで、各電力変換部を動作させる出力制御部(制御パターン生成部9)と、を含む。
(電源部6の各DCDCコンバータ7(7A〜7E)の動作制御の流れ)
次に、図8を用いて、本発明の第1の実施形態に係る電源部6での各DCDCコンバータ7(7A〜7E)の動作制御の流れの一例を説明する。図8は、本発明の第1の実施形態に係る電源部6での各DCDCコンバータ7(7A〜7E)の動作制御の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、図8のスタートは、複合機100の主電源が投入された時点である。主電源投入時、フル起動状態の制御テーブルが参照される(ステップ♯1)。即ち、画像形成装置(例えば、複合機100)は、主電源を投入するためのメインスイッチMSと、メインスイッチMSにより主電源が投入されたことを認識し、主電源が投入されたことを認識すると、出力制御部(制御パターン生成部9)に、全ての電力変換部(例えば、DCDCコンバータ7)を起動させる入力電源監視部92と、を含む。
そして、参照した制御テーブルに合わせて、各DCDCコンバータ7(7A〜7E)が動作する。これにより、電源部6に含まれる全DCDCコンバータ7が通常動作モードで動作する(ステップ♯2)、第2電源部10Pも動作し、画像形成処理部10(主制御部4、エンジン制御部40、画像形成部3A、定着部3B等)が動作可能な状態となる(ステップ♯3)。即ち、本発明の画像形成装置(例えば、複合機100)は、画像形成処理を行う画像形成処理部10を有し、出力制御部(制御パターン生成部9)は、画像形成処理部10を動作させる必要があることを認識すると、画像形成処理部10が処理を行う上で必要な電圧を生成する第2電源部10Pを動作させる。
そして、通信部5のCPU54は、複合機100が省電力モードに移行したかを確認する(ステップ♯4)。省電力モードに移行していなければ(ステップ♯4のNo)、ステップ♯2に戻る。一方、省電力モードに移行したのであれば(ステップ♯4のYes)、通信部5のCPU54は、リンクを検知しているか否か(ケーブルがコネクタ部51に接続されているか否か)を確認する(ステップ♯5)。尚、このとき、第2電源部10Pの動作は停止される。
もし、リンクが無ければ(ステップ♯5のNo)、I/F部56を介して、通信部5のCPU54の指示を受け、制御パターン生成部9は、リンク検出の制御テーブルを参照する(ステップ♯6)。そして、参照した制御パターンにあわせた、制御パターン生成部9による制御データの生成と、生成された制御データに合わせたコントローラ8による各DCDCコンバータ7(7A〜7E)の動作モード制御がなされる(ステップ♯7)。
そして、制御パターン生成部9は、コネクタ部51やMAC部52からのケーブルが接続され、リンクが検知された旨の信号の到達を確認する(ステップ♯8)。リンクが検知されれば(ステップ♯8のYes)、ステップ♯1に戻る。これにより、省電力モードで、コネクタ部51に(複合機100に)ケーブルが接続されると省電力モードが解除され、通常モードとなる。
即ち、通信部5は、通信用のケーブルが接続されているか否かを認識する接続部(コネクタ部51)を含み、出力制御部(制御パターン生成部9)は、接続部(コネクタ部51)にケーブルが接続されていないとき一部又は全部の電力変換部(例えば、DCDCコンバータ7)を停止又は軽負荷モードとし、接続部(コネクタ部51)にケーブルが接続されると、全ての電力変換部(例えば、DCDCコンバータ7)を起動、動作させる。
一方、リンクが検知されなければ(ステップ♯8のNo)、制御パターン生成部9は、復帰条件検知部からの信号を受けるI/F部56からの信号を確認して、省電力モードから通常モードへの復帰条件が満たされたか(通常モードに復帰すべきか)を確認する(ステップ♯9)。通常モードに復帰すべきとき(ステップ♯9のYes)、ステップ♯1に戻る。一方、通常モードに復帰すべきでなければ(ステップ♯9のNo)、ステップ♯8に戻ればよい。
又、省電力モードのとき、リンクを検知できれば(ステップ♯5のYes)、通信部5のCPU54は、通信処理状態において、RAM55を動作させる必要があるかを確認する(ステップ♯10)。RAM55を動作させる必要が有れば(ステップ♯10のYes)、制御パターン生成部9は、第1通信処理状態の制御テーブルを参照する(ステップ♯11)。一方、RAM55を動作させる必要が無ければ(ステップ♯10のNo)、制御パターン生成部9は、第2通信処理状態の制御テーブルを参照する(ステップ♯12)。
ステップ♯11、ステップ♯12の後、参照した制御パターンにあわせた、制御パターン生成部9による制御データの生成と、生成された制御データに合わせたコントローラ8による各DCDCコンバータ7(7A〜7E)の動作モード制御がなされる(ステップ♯13)。
次に、制御パターン生成部9は、復帰条件検知部からの信号を受けるI/F部56からの信号を確認し、省電力モードから通常モードへの復帰条件が満たされたか(通常モードに復帰すべきか)を確認する(ステップ♯14)。通常モードに復帰すべきとき(ステップ♯14のYes)、ステップ♯1に戻る。一方、通常モードにまだ復帰すべきでなければ(ステップ♯14のNo)、通信処理状態にあわせて、各DCDCコンバータ7(7A〜7E)の動作モードを変化させるため、例えば、ステップ♯10に戻る。
このようにして、通信においては、通信処理の状態(処理するプロトコル、通信プログラム、処理データ等)に応じ、処理に要する通信デバイス(コネクタ部51、MAC部52、ROM53、CPU54、RAM55、I/F部56等)の規模が変わる。そのため、通信処理の状態(処理するプロトコル)により、段階的に、必要な電力が変化する。言い換えると、処理するプロトコル等に応じ、電力変換部(DCDCコンバータ7)のうち、負荷が重くなる電力変換部や、反対に、負荷が軽くなる電力変換部や、必要が無く停止できる電力変換部を予め判断しておける。
そこで、出力制御部(制御パターン生成部9)は、通信部5の処理状態を認識し、制御テーブルに基づいた動作モードで、電源部6に含まれる各電力変換部(DCDCコンバータ7)を動作させる。これにより、通信処理の状態に応じた、電源制御を行うことができ、電源部6での無駄な電力の損失を抑えることができる。又、従来のように、負荷電流の大きさ等のフィードバックにより電力変換部のモードを自動的に変える場合に比べ、通信処理の状態に合わせて、的確、迅速に、各電力変換部のモードを切り替えることができる。従って、各電力変換部での効率を最適化して、消費電力の削減を図ることができる。
又、動作モードは、通常動作モード、通常動作モードよりも電力変換部のスイッチング周波数を下げる軽負荷モード、停止モードのいずれかとされる。これにより、通信処理の状態に応じ(用いられるデバイスの規模に応じ)、効率の最適化を図り、電力損失が最小となるように、各電力変換部(DCDCコンバータ7)の動作を定めることができる。
又、記憶部(制御テーブル記憶部91)は、プログラム(通信プロトコル)の種類に応じて予め定められた制御テーブルを記憶する。これにより、通信部5で処理されるプログラム(通信プロトコル)により、必要とされるデバイス(コネクタ部51、MAC部52、ROM53、CPU54、RAM55、I/F部56等)の規模に応じ、電力損失が最小となるように、各電力変換部(DCDCコンバータ7)の動作を定めることができる。
又、出力制御部(制御パターン生成部9)は、画像形成処理部10を動作させる必要があることを認識すると、画像形成処理部10が処理を行う上で必要な電圧を生成する第2電源部10Pを動作させる。これにより、電力損失を減らすため第2電源部10Pを停止させておき、通信部5が画像データを受信したときなど、画像形成処理部10を動作させる必要が有る通信をトリガとして、第2電源部10Pを動作させることができる。従って、画像形成装置(例えば、複合機100)での無駄な電力の損失を減らすことができる。
又、ケーブルが接続されていないと、ネットワークとリンクしていない。この状態では、通信部5は、ネットワークにつながるケーブルが接続されたことを認識すればよい。そこで、この構成によれば、出力制御部(制御パターン生成部9)は、接続部(コネクタ部51)にケーブルが接続されていないとき一部又は全部の電力変換部(DCDCコンバータ7)を停止又は軽負荷モードとし、接続部(コネクタ部51)にケーブルが接続されると、全ての電力変換部を起動、動作させる。これにより、リンク待ちの状態となれば、各電力変換部の動作モードが直ちに切り替えられ、リンク待ちの状態では、電力損失を最小化することができる。
又、入力電源監視部92は、メインスイッチMSにより主電源が投入されたことを認識し、主電源が投入されたことを認識すると、出力制御部(制御パターン生成部9)に、全ての電力変換部(DCDCコンバータ7)を起動、動作させる。これにより、主電源が投入されたとき、画像形成装置(例えば、複合機100)を利用できる状態とすることができる。
(第2の実施形態)
次に、図9〜図11に基づき、本発明の第2の実施形態の複合機100を説明する。
近年、CPUやメモリ等のデバイスでは、デバイスへの電圧印加順(電力供給順)が、予め定まっている場合がある。例えば、CPU54には、まず、コア用の駆動電圧を印加し、コア部分の起動完了後、I/O用の駆動電圧を印加するものがある。
そこで、第2の実施形態では、主電源投入時や停止させたDCDCコンバータ7を起動させるとき、フル起動状態(通常モード)に移行するまでの中間状態の制御テーブル(中間制御テーブル)を用いて、予め定められた順番で、起動させる点で第1の実施形態と異なる。これにより、シーケンサ回路が無くても、誤作動などの問題なく、順序立てて各DCDCコンバータ7(7A〜7E)を起動させることができる。上記の差異点以外の点(制御の流れやハードウェア構成)は、以下に特別に説明する場合を除き、基本的に、第1の実施形態と同様でよく、共通する部分の説明、図示は省略する。
まず、図9は、本発明の第2の実施形態に係る通信部5のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。参照する中間制御テーブルや制御テーブルを切り替え、順序だててDCDCコンバータ7を起動するため、本実施形態の通信部5には、クロック生成部93とカウント部94が設けられる。
クロック生成部93は、複合機100の主電源ONによって予め定められた周波数のクロック信号を生成する。そして、カウント部94は、クロック生成部93から出力されるクロック信号をカウントする。カウント部94は、カウント数を制御パターン生成部9に出力する。カウント部94によるカウント数の出力は、クロック信号を一定数(例えば、数百〜数千)、数えるごとに制御パターン生成部9になされてもよい。
(制御テーブル)
図10は、本発明の第2の実施形態に係る通信部5の処理状態に応じた各DCDCコンバータ7(7A〜7E)の動作を定めた制御テーブルの一例を示す説明図である。図10のテーブルのうち、(0)〜(3)までの制御テーブルは第1の実施形態と同様である。
そして、図10のうち、「(4)第1シーケンス状態」、「(5)第2シーケンス状態」が、主電源投入時の電源部6の各DCDCコンバータ7(7A〜7E)を順序立てて起動し、「(0)フル起動状態(通常モード)」に至るまでの中間状態を示す制御テーブル(中間制御テーブル)である。又、「(6)復帰シーケンス状態」は、ケーブルがコネクタ部51に接続されたとき、「(0)フル起動状態(通常モード)」に至るまでの中間状態を示す制御テーブル(中間制御テーブル)である。
即ち、記憶部(制御テーブル記憶部91)は、電力変換部(DCDCコンバータ7)が予め定められた順序で起動するように、各電力変換部の動作又は停止を定めた1又は複数の中間制御テーブルを記憶し、出力制御部(制御パターン生成部9)は、中間制御テーブルに基づき、各電力変換部を順序立てて起動させる。
(主電源投入時のシーケンス)
次に、図10〜図12を用いて、本発明の第2の実施形態に係る各DCDCコンバータ7(7A〜7E)の起動シーケンスを説明する。図11は、本発明の第2の実施形態に係る複合機100の主電源投入時に、参照する制御テーブルの遷移を定めた時間設定テーブルの一例を示す説明図である。図12は、本発明の第2の実施形態に係る複合機100の主電源投入時の各DCDCコンバータ7(7A〜7E)の出力立ち上がりの一例を示すタイミングチャートである。
図11に示すように、主電源投入時、制御テーブル記憶部91は、参照する制御テーブルの時間的変化を示す時間設定テーブルを記憶する。時間設定テーブルには、参照する中間制御テーブルや制御テーブルと、中間制御テーブルや制御テーブルを参照するカウンタのカウンタ値が規定されている。
図11に示す主電源投入時の時間設定テーブルには、ステージA1、ステージA2、ステージA3の3ステージが含まれる。そして、ステージA1では、「(4)第1シーケンス状態」の中間制御テーブルを、ステージA2では「(5)第2シーケンス状態」の中間制御テーブルを、ステージA3では「(0)フル起動状態」の制御テーブルを参照する旨が定められている。又、時間設定テーブルには、主電源投入後、クロックのカウント開始からカウント部94のカウント値が3000となったときにステージA1、6000となったときステージA2、9000となったときステージA3とする旨が定められている。
そして、図10に示すように、ステージA1の「(4)第1シーケンス状態」の中間制御テーブルには、第4DCDCコンバータ7D(Ch4)、第5DCDCコンバータ7E(Ch5)を「通常動作モード」で動作させる旨が定められる。
次に、図10に示すように、ステージA2の「(5)第2シーケンス状態」の中間制御テーブルには、ステージA1に加え、第1DCDCコンバータ7A(Ch1)と第2DCDCコンバータ7B(Ch2)を「通常動作モード」で動作させる旨が定められる。
更に、図10に示すように、ステージA3の「(0)フル起動状態」の制御テーブルには、全DCDCコンバータ7(Ch1〜Ch5)を「通常動作モード」で動作させる旨が定められる。
このように参照する制御テーブルが遷移することにより、図11に示すように、電源部6の各DCDCコンバータ7(7A〜7E)は、順序立てて起動する。具体的には、以下の順序で起動する。
第4DCDCコンバータ7D(Ch4)、第5DCDCコンバータ7E(Ch5)
↓
第1DCDCコンバータ7A(Ch1)、第2DCDCコンバータ7B(Ch2)
↓
第3DCDCコンバータ7C(Ch3)
本シーケンスでは、主電源投入に伴い、クロック生成部93がクロック信号を生成してから、カウント部94が、クロック信号を3000回カウントすると、制御パターン生成部9は、「(4)第1シーケンス状態」の中間制御テーブルを参照する。そして、第4DCDCコンバータ7Dは、CPUコア電源用の電圧生成を開始し、第5DCDCコンバータ7Eは、各部のコア用の電圧生成を開始する。
そして、これらコア用の電圧(Ch4、Ch5)が生成された後、カウント部94が、クロック信号を6000回カウントすると、制御パターン生成部9は、「(5)第2シーケンス状態」の中間制御テーブルを参照する。これにより、メモリ内部用の電圧を生成する第1DCDCコンバータ7A(Ch1)と、メモリI/F用の電圧を生成する第2DCDCコンバータ7B(Ch2)の出力が立ち上がる。
更に、カウント部94が、クロック信号を9000回カウントすると、制御パターン生成部9は、「(0)フル起動状態」の制御テーブルを参照する。これにより、順番的に最後のI/O用の電圧を生成する第3DCDCコンバータ7Cが電圧生成を開始する。
尚、3000、6000、9000といったカウント回数は、一例にすぎず、クロック周波数と、シーケンスにおける待ち時間を考慮して適宜定めればよい。
このように、主電源投入時の起動のとき、まずコア用の電源が立ち上がり、各コアのコア部分が確定して後、I/F、I/O用の電源の供給が開始されるので、誤動作は生じない、又、従来設けられていたシーケンス回路を設ける必要もない。即ち、本実施形態の画像形成装置(例えば、複合機100)は、クロック信号を生成するクロック生成部93と、クロック信号をカウントするカウント部94を含み、出力制御部(制御パターン生成部9)は、カウント部94のカウント値が、予め定められたカウント値に至ると、参照する中間制御テーブル又は制御テーブルを切り替え、各電力変換部(DCDCコンバータ7)を順序立てて起動させる。
(リンク検出時のシーケンス)
次に、図10、図13、図14を用いて、本発明の第2の実施形態に係る各DCDCコンバータ7(7A〜7E)のリンク検出時の起動シーケンスを説明する。図13は、本発明の第2の実施形態に係る複合機100のリンク検出時、参照する制御テーブルの遷移を定めた時間設定テーブルの一例を示す説明図である。図14は、本発明の第2の実施形態に係る複合機100のリンク検出時の各DCDCコンバータ7(7A〜7E)の出力立ち上がりの一例を示すタイミングチャートである。リンク検出時は、通信部5のコネクタ部51が、ケーブルの接続を検出した時点である。
図13に示すように、制御テーブル記憶部91は、リンク検出時に参照されるテーブルの時間的変化を示す時間設定テーブルを記憶する。時間設定テーブルには、参照する中間制御テーブルや制御テーブルと、中間制御テーブルや制御テーブルを参照するカウンタのカウンタ値が規定されている。
図13に示すリンク検出時の時間設定テーブルには、ステージB1、ステージB2、の2ステージが含まれている。そして、ステージB1には「(6)復帰シーケンス状態」の中間制御テーブルを、ステージB2には「(0)フル起動状態」の制御テーブルを参照する旨が定められている。又、時間設定テーブルには、リンク検出から(リンクを検出した旨の割込信号が、コネクタ部51から制御パターン生成部9に入力されてから)カウント部94のカウント値が3000となったときにステージB1、6000となったときステージB2とする旨が定められる。
そして、図10に示すように、ステージB1の「(6)復帰シーケンス状態」の中間制御テーブルには、第3DCDCコンバータ7C(Ch3)、第4DCDCコンバータ7D(Ch4)、第5DCDCコンバータ7E(Ch5)を「通常動作モード」で動作させる旨が定められる。
更に、図10に示すように、ステージA3の「(0)フル起動状態」の制御テーブルには、全DCDCコンバータ7(Ch1〜Ch5)を「通常動作モード」で動作させる旨が定められる。
このように、リンクを検出(ケーブル接続を検知)したとき、参照する制御テーブルが遷移することにより、図14に示すように、電源部6の各DCDCコンバータ7(7A〜7E)は、順序立てて起動する。具体的には、以下の順序で起動する。尚、リンク検出時には、(3)リンク待ち状態の制御テーブルにより、第3DCDCコンバータ7C(Ch3)と、第5DCDCコンバータ7E(Ch5)は、起動している。
第3DCDCコンバータ7C(Ch3)、第5DCDCコンバータ7E(Ch5)
↓
第4DCDCコンバータ7D(Ch4)
↓
第1DCDCコンバータ7A(Ch3)、第2DCDCコンバータ7B(Ch2)
本シーケンスでは、カウント部94が、リンク検出からクロック信号を3000回カウントすると、制御パターン生成部9は、「(6)復帰シーケンス状態」の中間制御テーブルを参照する。そして、第3DCDCコンバータ7C、第5DCDCコンバータ7Eは、軽負荷モードから通常動作モードに移行し、第4DCDCコンバータ7Dは、CPUコア電源用の電圧生成を開始する。
そして、これら電圧(Ch3〜Ch5)が生成された後、カウント部94が、リンク検出からクロック信号を6000回カウントすると、制御パターン生成部9は、「(0)フル起動状態」の制御テーブルを参照する。これにより、順番的に、RAM55に関する電圧を生成する第1DCDCコンバータ7Aと第2DCDCコンバータ7Bが電圧生成を開始する。
尚、3000、6000といったカウント回数は、一例にすぎず、クロック周波数と、シーケンスにおける待ち時間を考慮して適宜定めればよい。
このように、複合機100へのケーブル接続検知のとき、確実にCPU54のコアのコア部分が確定して後、RAM55用の電源供給が開始されるので、誤動作は生じない。又、従来設けられていたシーケンス回路を設ける必要もない。
複数種の駆動電圧をデバイス(コネクタ部51、MAC部52、ROM53、CPU54、RAM55、I/F部56等)に印加するとき、電圧印加順(電力供給順)が、予め定まっている場合がある。例えば、CPU54には、まず、コア用の駆動電圧を印加し、コア部分の起動完了後、I/O用の駆動電圧を印加するものがある。一方、本発明の電源部6では、主電源投入による全電力変換部(DCDCコンバータ7)の起動や、停止させていた一部の電力変換部の起動が行われ得る。そこで、本実施形態の発明によれば、出力制御部(制御パターン生成部9)は、中間制御テーブルに基づき、電源部6に含まれる各電力変換部を順序立てて起動させる。これにより、予め定められた適切な順序で、電源部6は起動する。又、各電力変換部の起動を順序立てて行うシーケンス回路を別途設ける必要も無く、製造コストや基板サイズの増大を防ぐことができる。
又、従来、抵抗やコンデンサ(時定数)と、コンデンサの電荷の電圧と、基準電圧を比較するコンパレータを用い、段階的な電力変換部(DCDCコンバータ7)のONシーケンスが行われていた。しかし、これでは抵抗とコンデンサの抵抗値、容量の個体差の影響を受け、電力変換部のONのタイミングにばらつきが生ずる場合があった。そこで、出力制御部(制御パターン生成部9)は、カウント部94のカウント値が、予め定められたカウント値に至ると、参照する中間制御テーブル又は制御テーブルを切り替え、電源部6に含まれる各電力変換部を順序立てて起動させる。これにより、これにより、確実に、タイミングにずれなく、順序立てて各電力変換部をONすることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。