JP7269697B1 - 圧電型電圧出力加速度センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、圧電型電圧出力加速度センサ、特に圧電素子の測定誤差ともなる温度特性を補償する圧電型電圧出力加速度センサに関する。【解決手段】本発明は、圧電型電圧出力加速度センサの検出部6の温度特性を補償する温度補正用コンデンサ7を並列に接続し、該コンデンサ7の静電容量を、圧電型電圧出力加速度センサの温度補償範囲下限温度での静電容量、電荷感度の温度による変化係数、静電容量に応じ算出される静電容量の温度による変化係数によって決定させる前記静電容量を決定する式(1)ないし(9)を用いて求められた温度特性を平坦化させる温度補正用コンデンサ7を利用した、電圧感度の温度変化係数の値が0.9から1.1の範囲内として、さらに、より効果的な0.95から1.05の範囲内が可能な圧電型電圧出力加速度センサを提供できる。【選択図】図6

Description

本発明は、圧電型電圧出力加速度センサ、特に圧電体に並列に接続したコンデンサを用いて圧電体の温度特性を補償する圧電型電圧出力加速度センサに関する。
圧電型電圧出力加速度センサは、圧電体に負荷質量を保持させる構造となっており、センサに加速度が加わった場合、負荷質量には慣性力が働き、圧電体は力が加えられるとその力に比例した電荷が発生する特性を持つことから、圧電型電圧出力加速度センサとして広く利用されている。
一般的な圧電型電圧出力加速度センサは、具体的には図1に示すような加速度センサを縦に割った様子を示す断面構造からなる。圧電体の内面は電極板3を挟んで2層の圧電体1、1と負荷質量2を締め付けるネジ4等でケース11内に挿入されている。発生した電荷はこの電極板3からケーブル10、コネクタ5を経由し、図示しない計測装置(チャージアンプなどの増幅器)等に出力される。
通常、この電荷発生型のセンサからの信号は、一般にチャージアンプと呼称される電荷信号変換アンプを用いて電荷を電圧信号に変換している。逆位相で無限大のゲインを持つアンプの反転入力と出力間に帰還コンデンサ(積分コンデンサ)を設けた電荷信号変換アンプ方式が多用されている。
このような、圧電型電圧出力加速度センサは、他の方式(サーボ式、半導体式や歪みゲージ式)と比較して堅牢で周波数帯域、使用加速度範囲も広く、また使用温度範囲も広いという特徴があり、このため特に産業用に広く使用されてきた。
しかしながら、圧電型電圧出力加速度センサの感度特性は温度の影響を受けるという課題解決が求められていた。すなわち、圧電型電圧出力加速度センサは、検出素子である圧電体の特性に温度特性があり、温度が変化すると同じ力が加わっても発生する電荷量が変化する。またこの検出素子を保持する部材など(主に金属)も温度によって膨張/収縮し検出素子を固定している力が変化して、検出素子の電荷を発生する特性にも影響する欠陥が避けられなかった。
したがって、圧電型電圧出力加速度センサの感度特性における温度の影響を回避する対策が必要となっていた。
この対策として、圧電体その附属する部材、また、検出した加速度のデータを電気的に補正する方法の研究が求められてきた。前者にあっては、圧電体の材料特性を改良することが必要とされ、特殊な圧電体が必要となっていた。しかしながら、温度による変動の少ない圧電体は、検出感度が非常に低くなることが認められている。またセンサに附属する部材に熱膨張係数の少ない材料を採用する方法もあるが、十分に熱膨張係数の影響を抑えることが困難であった。
このようなことから、別途温度センサを圧電体近傍に内蔵し、検出した加速度のデータを電気的に補正する方法もあるが、この方法では、温度センサを検出素子と温度が一致する環境に設置する必要がある等実施は困難でもあり、また、加速度検出部と温度センサの温度が一致するとは限らず正確な温度補償は困難であった。
そこで、我々の研究で、センサ出力における温度補償を行う回路構成等の工夫による課題解決を図ることとした。
特許文献1によれば、圧電加速度センサにおいて、圧電体に並列に接続されたチャージアンプの積分コンデンサに正の温度特性をもつコンデンサを使用することで、正の温度特性をもつ電荷感度の出力を電圧感度に変換する動作において補正しようとしている。
しかしながら、チャージアンプあるいは積分コンデンサは検出部である圧電体と全く同じ場所には存在できないため、温度が安定しているときは温度補償が可能であるが、特に温度が変化している過度期には温度差が大きくなって正確な温度補償は困難であるという問題があった。
特許文献2によれば、圧電体の静電容量とバッファーアンプの入力の負荷抵抗によって低域遮断周波数が決定される。圧電素子の静電容量は温度特性を持つため、この圧電体の静電容量が温度によって変動すると低域遮断周波数も変動することになる。このため、負荷抵抗に並列にコンデンサを接続することで静電容量の温度特性を良好にしようとしている。
しかしながら、この特許の目的は温度変化による低域遮断周波数の変動を減ずることであり、温度による電圧感度変動を補正することを目的としていなかった。
特許文献3によれば、加速度センサや角速度センサ等、差動増幅回路を振動センサの出力に接続し、温度特性の異なる拡散抵抗と外部抵抗とを検出回路に組み込むことで、検出系の回路ゲインに振動子の感度温度特性を相殺する温度特性を持たせ、検出感度の温度特性を補正している。
しかしながら、温度補正用抵抗を用いると、拡散抵抗により安定した温度特性を得ることが難しく、さらに、差動回路も温度特性を有することから、圧電型電圧出力加速度センサにおける電圧感度の温度特性を補償することは困難である。
実開平2-150567号公報 特開平8-146032号公報 特開平11-148829号公報
圧電型電圧出力加速度センサは、他の方式(サーボ式、半導体式や歪みゲージ式)と比較して堅牢で周波数帯域も、使用加速度範囲も広く、また使用温度範囲も広いという特徴があり、このため特に産業用に広く使用されている。
本発明の課題は、一般的な圧電型電圧出力加速度センサの電荷感度の温度特性に起因した測定誤差の解消を図るにある。この解決にあたり、予め、圧電型電圧出力加速度センサの電荷感度とその静電容量の温度特性の傾向分析を行い、その対策として、圧電型電圧出力加速度センサの電荷感度における出力段階で所定の温度補正用コンデンサを信号出力に対して並列に接続することにより課題解決を図った。
より具体的には、加速度センサが出力する電荷が、追加する温度補正用コンデンサと加速度検出部の圧電体の静電容量との並列合成静電容量と、加速度検出部の圧電体が発生する電荷とその静電容量から求まる電圧との積になることに着目し課題解決を図ったものである。
本発明はかかる事情に鑑みなされたものであり、温度補償方法は、サーミスタ等の温度補正用の特別な部品を使用する必要がなく、容易に入手可能な温度による容量変化の少ないコンデンサが使用可能で、非常に安価に実現できる。
また、この温度補正用コンデンサは原理的に加速度検出部の圧電体の近傍に設置する必要もなく、圧電体と温度補正用コンデンサの間に温度差があっても温度補償に影響しないため、センサの構造上の自由度が大きく、温度補正用コンデンサは中継基板あるいは内蔵チャージアンプ等の検出部から離れたプリント基板上に設置することもできる。また、急激な温度変化がある用途でも正確な温度補償が可能である。
本発明は、圧電型電圧出力加速度センサに静電容量Eを有する温度補正用コンデンサを並列に接続してなる電圧感度を平坦化させた程度が0.9ないし1.1の範囲内とさせた前記センサにおいて、
前記静電容量Eが、それぞれ測定して得られた前記センサの温度補正範囲下限温度-60℃での静電容量をD、上限温度+120℃での静電容量をC0H、前記下限温度での電荷感度SQL、前記上限温度での電荷感度SQHから式(8)、式(9)により算出された前記センサの電荷感度の温度係数A、静電容量の温度係数Bと、式(2)~式(7)より得られた値から、式(1)から算出された静電容量Eである圧電型電圧出力加速度センサにより提供される。
E=D・(A-B)/(1-A)・・・・・・・・・・・・ (1)
CL=D+E・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (2)
CH=C0H+E・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (3)
SVL=SQL/CL・・・・・・・・・・・・・・・・ (4)
SVH=SQH/CH・・・・・・・・・・・・・・・・ (5)
SVL=SVH・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (6)
SQL/(D+E)=SQH/(C0H+E)・・・・・・ (7)
SQH=A・SQL・・・・・・・・・・・・・・・・・ (8)
C0H=B・D・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (9)
ここで、下限温度での電圧感度はSVL、上限温度での電圧感度はSVHとする。
また、本発明は、前記平坦化させた程度を0.95ないし1.05の範囲内とさせた前記記載の圧電型電圧出力加速度センサにより提供される。
さらに、本発明は、前記電圧感度の補償前後を比較した20℃を基準とした変化係数が0.9から1.1の範囲で、-60℃から+120℃で使用可能な請求項1又は請求項2記載の圧電型電圧出力加速度センサにより提供される。
本発明によれば、圧電型電圧出力加速度センサとして、前記温度補正用コンデンサ7を検出部6に並列に接続したことで、圧電型電圧出力加速度センサの電圧感度の温度による変化係数を低減させた。さらに、前記温度補正用コンデンサ7の容量を選択することで広範囲な温度範囲で使用可能な圧電型電圧出力加速度センサとする効果が得られる。
より望ましくは、前記電圧感度の補償前後を比較した20℃を基準とした変化係数が0.9から1.1の範囲で、-60℃から+120℃で使用可能な前記の圧電型電圧出力加速度センサにより効果的に提供される。
この結果、前記した本発明のより簡単な回路構成を選択することで極めて効果的な圧電型電圧出力加速度センサとしての効果が得られる。
前記温度補正用コンデンサは容易に入手可能な変化係数の極めて小さい(例えば±60ppm以内)のセラミックコンデンサが使用可能であり、温度補正用コンデンサの設置場所が限定されないため、温度補正用コンデンサが温度検出のために検出部に接触している必要もなく、さらには近傍である必要さえもなく極めて自由度が高い。
図1は圧電型電圧出力加速度センサの基本構成図である。 図2は本発明による圧電型電圧出力加速度センサである。 図3は本発明の加速度センサの等価回路で、検出部6は電圧源9と静電容量8で表しており、温度補正用コンデンサ7が並列に接続されている。 図4は圧電型電圧出力加速度センサの検出部の電荷感度及び静電容量の変化を示した温度特性図である。 図5は図4の圧電型電圧出力加速度センサの検出部に温度補正用コンデンサを並列接続させてなる電荷感度及び静電容量について、検出部のそれぞれの温度による電荷感度の変化係数A、静電容量Dの変化係数B、電圧感度の変化係数Cを示した温度特性図である。20℃に対する電荷感度の変化係数Aは1.1、静電容量の変化係数Bは1.29となっている。 図6は本発明の実施例で、圧電型電圧出力加速度センサの電圧感度特性の温度特性を温度補償前(算出値)0.85の変化係数と温度補償後0.97の変化係数を比較した温度特性図である。ここで算出値とは温度補正用コンデンサを接続しない状態で、電荷感度と静電容量の商より算出した電圧感度である。 図7は本発明の実施例で、圧電型電圧出力加速度センサの電荷感度の変化係数の温度特性を温度補償前(算出値)0.79の変化係数と温度補償後0.96の変化係数を比較した温度特性図である。ここで算出値とは温度補正用コンデンサを接続しない状態で、電荷感度と静電容量の商より算出した電圧感度である。 図8は材質の異なる圧電体A、Bを用いた、圧電型電圧出力加速度センサの20℃を基準として、温度補償前(算出値)と温度補償後を比較した変化係数の温度特性図である。ここで算出値とは温度補正用コンデンサを接続しない状態で、電荷感度と静電容量の商より算出した電圧感度である。
以下、本発明を実施するための形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される構成、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施をするための形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
以下、本発明の実施例を図1ないし図8を用いて具体的に説明する。
本発明は、図2に示すように、圧電型電圧出力加速度センサを検出部6と温度補正用コンデンサ7で構成した。図3は図2の構成について、本発明の圧電型電圧出力加速度センサ(以下、「加速度センサ」と略記することがある。)を検出部6に並列に接続した温度補正用コンデンサ7とを組み合わせた等価回路である。検出部6は、電圧源11と検出部静電容量8(静電容量D)として示した。
一般的に圧電型電圧出力加速度センサの使用環境としては、少なくとも低温域(-40℃)から高温域(120℃、通常は80℃程度)での安定した温度特性が求められる。
ここで加速度センサ7の温度特性を図4に示す。横軸は温度、その範囲は-60℃から120℃として示した。縦軸の左は、検出部6の内部静電容量(単位pF)8を表し、縦軸の右は検出部6の電荷感度(単位pC/m/s2)を表している。
また、図5は図4から導かれる検出部6の電荷感度、静電容量について、検出部6のそれぞれの温度による電荷感度の変化係数A、静電容量の変化係数B、これらから求められた電圧感度の変化係数Cを示した温度特性図である。20℃を基準とし、図4を基礎としてそれぞれの変化傾向が認められる。
この図4、図5に示す特性から認められるように、同じ加速度が加わっても、加速度センサの検出部6の電荷出力の電荷感度は温度により変化することがわかる。検出部6の電荷感度の変化係数Aと、静電容量の変化係数Bから、電圧感度の変化係数は電荷感度/静電容量から算出された変化係数Cとして求められる。温度20℃を基準(図4の20℃における値を1とした。)として、この図5に示すように、低温域(-40℃)から高温域(120℃)の範囲内で、20℃に対する電荷感度の変化係数Aは1.1、静電容量の変化係数Bは1.29となっている。
さらに、詳細に分析すると、図5の電圧感度の変化係数Cは、温度20℃に対し、-60℃付近で約1.1、120℃付近で約0.8と変化係数に差異が認められる。これらの測定から見られるように、これらは常温(20℃)に比べ、加速度測定には温度依存によるエラーが無視できない程度の大きさであることが認められる。
このように、圧電型電圧出力加速度センサの電圧感度は、具体的には、温度上昇に対し約0.2%/℃ほどの傾きで小となることが確認できた。
この測定は、検出部6を持つ圧電型電圧出力加速度センサを恒温槽内に載置して振動を加えて測定を行った。各温度下でそれぞれ検出部静電容量、電荷感度を図示したものである。
また、圧電型電圧出力加速度センサは使用する圧電体等の製造ばらつきに対しても、図4には図示しないが、これらカーブに変動があり、実験的には±5%程度であった。さらに、異なる圧電体間ではより大きな差異が生じる結果が確認されている。
このため本発明にあっては、予め、後述する温度補正用コンデンサの選定に当たっては、図4についてのデータを取ることが必要である。同一圧電体間では、いくつかのサンプルデータを取り平均値として図4のカーブを得ることが必要である。
つぎに、本発明では、加速度センサの検出部6の電荷感度と静電容量との商が電圧感度となることを利用し、静電容量の変化係数Bを、電荷感度の変化係数Aとの商に着目し、その値が1となる係数に補正できれば電圧感度の変化係数Cは1、つまり温度に対する変化が最小の値とすることができる。具体的な方法は、加速度センサの検出部6に対して、温度補正用コンデンサ7を並列に接続することで、擬似的に検出部の変化係数を調整できる。
具体的には、図6に示すように、温度補正用コンデンサ7を用いて、これを、前記温度補正用コンデンサ7と検出部6とを並列に接続させることで達成させた。
それによると、電圧感度の変化係数について、温度補償前の電圧感度特性は20℃基準として120℃で0.85に対し、温度補償後(温度補正用コンデンサ7の追加)では、20℃を基準として0.97(120℃)への大幅な改善が認められた。
また、図6で用いた圧電体と異なる圧電体にて同様の温度特性試験を行った結果を図8に、また、表1示す。異なる圧電体での温度補償前の電圧感度特性は20℃基準として120℃で0.79に対し、温度補償後(温度補正用コンデンサ7の追加)では、20℃を基準として0.96(120℃)と大幅な改善が認められた。材質別での温度特性結果を図8に示し、表1に補償前後の変化係数の最大、最小を記した。これらから、図8、表1を参照することができ、より異なる圧電体でも変化係数0.9から1.1以内の温度特性に補償することが可能であることが認められた。

Figure 0007269697000002


















以下、温度補正用コンデンサ7の静電容量Eを求める計算式につき計算式の理論的な説明を行う。
図4に示した検出部6の圧電体1は温度に依存した静電容量、電荷感度ともやや右上がりで増加する。詳細は実施例によるが、本発明による検出部6に並列に接続する温度補正用コンデンサの静電容量Eを、温度補正範囲下限温度と温度補正範囲上限温度における検出部6の静電容量との合成静電容量をそれぞれCL、CHとすると式(2)、(3)となる。
CL=D+E・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (2)
CH=C0H+E・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (3)
静電容量Eを有する温度補正用コンデンサを並列に接続した圧電型電圧出力加速度センサの温度補正範囲下限温度での電荷感度SQLから算出される温度補正範囲下限温度における電圧感度をSVL、温度補正範囲上限温度での電荷感度SQHから算出される温度補正範囲上限温度における電圧感度をSVHとすると、電圧感度は電荷感度と電荷源の静電容量との商で表されるから、式(4)、(5)となる。
SVL=SQL/CL・・・・・・・・・・・・・・・・ (4)
SVH=SQH/CH・・・・・・・・・・・・・・・・ (5)
電圧感度の温度特性の変化がないように補正するということは、SVLとSVHの両者を等しくすることであるから式(6)となる。
SVL=SVH・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (6)
式(6)と式(2)、(3)及び式(4)、(5)より式(7)が得られる。
SQL/CL=SQH/CH
SQL/(D+E)=SQH/(C0H+E)・・・・・・ (7)
ここで検出部6の電荷感度の温度係数A,静電容量の温度係数Bであるから
SQH=A・SQL・・・・・・・・・・・・・・・・・ (8)
C0H=B・D・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (9)
式(7)に式(8)、(9)を代入して
SQL/(D+E)=A・SQL/(B・D+E)
1/(D+E)=A/(B・D+E)
B・D+E=A・(D+E)
B・D+E=A・D+A・E
E-A・E=A・D-B・D=D・(A-B)
(1-A)・E=D・(A-B)
よって、静電容量Eを有する温度補正用コンデンサEは、
E=D・(A-B)/(1-A)・・・・・・・・・・・・ (1)
となって式(1)が得られる。
なお、E>0である必要があるため、A>1でかつB>Aの条件を満たす必要がある。
静電容量Eを有する温度補正用コンデンサを並列に接続した圧電型電圧出力加速度センサの温度補正範囲下限温度での電荷感度SQL、算出される温度補正範囲下限温度における電圧感度をSVLとすると、温度補正範囲上限温度での電荷感度SQHから算出される温度補正範囲上限温度における電圧感度をSVHとすると、電圧感度は電荷感度と電荷源の静電容量との商で表されるから、式(4)、(5)となる。
SVL=SQL/CL・・・(4)
SVH=SQH/CH・・・(5)手順を説明する。
圧電型電圧出力加速度センサに静電容量Eを有する温度補正用コンデンサを並列に接続して電圧感度を平坦化させた程度が0.9ないし1.1の範囲内となるよう前記センサにおいて、温度補正用コンデンサ7の静電容量Eを次により決定する。
まず、使用する加速度センサ自体の温度特性を予め計測する。計測するパラメータは図4に示す温度特性を示す。検出部6の電荷感度と静電容量との商が電圧感度となることを利用し、静電容量の変化係数Bを、電荷感度の変化係数Aとの商に着目し、
それぞれ測定して得られた前記センサの温度補正範囲下限温度-60℃での静電容量をD、上限温度+120℃での静電容量をC0H、前記下限温度での電荷感度SQL、前記上限温度での電荷感度SQHとすると、式(8)、式(9)により算出された前記センサの電荷感度の温度係数A、静電容量の温度係数Bと、式(2)~式(7)より得られた式を用いて、式(1)によって、算出された静電容量Eが決定される。これを図2ないし図に記載の温度補正用コンデンサ7として用いることが本発明の基本的な手法である。これにより、圧電型電圧出力加速度センサが提供される。
式をまとめると以下となる。
E=D・(A-B)/(1-A)・・・・・・・・・・・・ (1)
CL=D+E・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (2)
CH=C0H+E・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (3)
SVL=SQL/CL・・・・・・・・・・・・・・・・ (4)
SVH=SQH/CH・・・・・・・・・・・・・・・・ (5)
SVL=SVH・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (6)
SQL/(D+E)=SQH/(C0H+E)・・・・・・ (7)
SQH=A・SQL・・・・・・・・・・・・・・・・・ (8)
C0H=B・D・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (9)
ここで、下限温度での電圧感度はSVL、上限温度での電圧感度はSVHである。
この他、本発明は、前記平坦化させた程度を0.95ないし1.1の範囲内とさせた前記記載の圧電型電圧出力加速度センサとすることが出来る。
さらに、本発明は、前記電圧感度の補償前後を比較した20℃を基準とした変化係数が0.9から1.1の範囲で、-60℃から+120℃で使用可能な圧電型電圧出力加速度センサとすることが出来る。
また、本発明のより具体的には、圧電体Aでの前記平坦化させた程度を0.95から1.01の範囲内とさせてなる圧電型電圧出力加速度センサとして提供出来る。
この数値範囲とするためには、圧電体Aでの温度補償範囲下限及び上限での電荷感度、静電容量を取得し、そこから算出される電荷感度、静電容量の変化係数より、温度補正用コンデンサ7は850pFとなり、並列に接続して圧電型電圧出力加速度センサとすることができた。
他方、圧電体Bでの前記平坦化させた程度を0.91から1.02の範囲内とさせてなる圧電型電圧出力加速度センサとすることができる。
この数値範囲とするためには、圧電体Bでの温度補償範囲下限及び上限での電荷感度、静電容量を取得し、そこから算出される電荷感度、静電容量の変化係数より、温度補正用コンデンサ7は1100pFとなり、並列に接続して圧電型電圧出力加速度センサとすることができた。
これらから、前記平坦化させた程度を0.95から1.01の範囲とした圧電体Aの温度補正用コンデンサ7が850pFを用いた場合と、0.91から1.02の範囲とした圧電体Bの温度補正用コンデンサ7が1100pFを用いた場合では、静電容量値との間に30%程度の違いがあるが、これらを避けるためには予め図8の測定をすることでエラーを少なくすることができる。測定誤差の許容度により対策することが望ましい。
本発明のより具体的には、前記電圧感度の補償前後を比較した20℃を基準とした変化係数が0.9から1.1の範囲で、-60℃から+120℃で使用可能な圧電型電圧出力加速度センサとしても提供できることが認められた。
圧電型電圧出力加速度センサの構造は図1が一般的だが、これに限定されない、本発明の原理に沿った他の構造、例えば、チャージアンプへの接続、アンプを内蔵する手段等を用意することでも適用可能である。
1 圧電体
2 負荷質量
3 電極板
4 締め付けネジ
5 コネクタ
6 加速度センサ
7 温度補正用コンデンサ
8 検出部静電容量
9 検出部電圧源
10 導線
11 ケース

Claims (3)

  1. 圧電型電圧出力加速度センサに静電容量Eを有する温度補正用コンデンサを並列に接続してなる電圧感度を平坦化させた程度が0.9ないし1.1の範囲内とさせた前記センサにおいて、
    前記静電容量Eが、それぞれ測定して得られた前記センサの温度補正範囲下限温度-60℃での静電容量をD、上限温度+120℃での静電容量をC0H、前記下限温度での電荷感度SQL、前記上限温度での電荷感度SQHから式(8)、式(9)により算出された前記センサの電荷感度の温度係数A、静電容量の温度係数Bと、式(2)~式(7)より得られた値から、式(1)から算出された静電容量Eである圧電型電圧出力加速度センサ。

    E=D・(A-B)/(1-A)・・・・・・・・・・・・ (1)
    CL=D+E・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (2)
    CH=C0H+E・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (3)
    SVL=SQL/CL・・・・・・・・・・・・・・・・ (4)
    SVH=SQH/CH・・・・・・・・・・・・・・・・ (5)
    SVL=SVH・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (6)
    SQL/(D+E)=SQH/(C0H+E)・・・・・・ (7)
    SQH=A・SQL・・・・・・・・・・・・・・・・・ (8)
    C0H=B・D・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (9)
    ここで、下限温度での電圧感度はSVL、上限温度での電圧感度はSVHである。
  2. 前記平坦化させた程度を0.95ないし1.05の範囲内とさせた請求項1記載の圧電型電圧出力加速度センサ。
  3. 前記電圧感度の補償前後を比較した20℃を基準とした変化係数が0.9から1.1の範囲で、-60℃から+120℃で使用可能な請求項1又は請求項2記載の圧電型電圧出力加速度センサ。
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