以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
図1〜図15は、本発明の画像処理装置、省電力制御方法、省電力制御プログラム及び記録媒体の第1実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像処理装置、省電力制御方法、省電力制御プログラム及び記録媒体の第1実施例を適用した複合装置1のブロック構成図である。
図1において、複合装置1は、メイン電源スイッチ2、PSU(Power Supply Unit)3、プロッタ4、画像処理部5、コントローラ6、NIC(Network Interface Card)7、ネットワークI/F8、ハブ9、大容量不揮発メモリ10、USB I/F11、FAX部12、RDET13、定電圧制御回路14、RTC(リアルタイムクロック;Real Time Clock )15、人体検知部16、ADF/FB部17、操作部18、スキャナ19及びIO制御部20等を備えている。なお、図1において、各ブロック内に記載されているV1、V2、BAT1は、PSU3または定電圧制御回路14から供給される電圧を示している。
NIC7は、ネットワークI/F8を介して有線または無線のLAN(Local Area Network)等のネットワークNWに接続されており、コントローラ6の制御下で、ネットワークNWを介してのメール通信やデータの送受信を行う。
USB I/F11には、外部のパーソナルコンピュータPCのUSB(Universal Serial Bus)ポートとの間でUSBケーブルによって接続され、該USBケーブルを介してパーソナルコンピュータPCとの間でデータ通信を行う。
また、パーソナルコンピュータPCからはUSBケーブルを通して電圧VBUSのUSB供給電力が供給され、このUSB供給電力が定電圧制御回路14に入力される。
PSU3は、メイン電源スイッチ2を介してプラグ21が接続されており、プラグ21は、商用電源のコンセントに差し込まれて100Vの商用交流電力(外部交流電力)を複合装置1に供給する。このプラグ21は、定電圧制御回路14にも接続されており、定電圧制御回路14に商用交流電力を供給する。
メイン電源スイッチ2は、プラグ21とPSU3との間に配設されており、人手でオン/オフ操作されて、プラグ21を介してPSU3に供給される商用電力の供給/遮断を行う。
PSU3は、メイン電源スイッチ2を介して供給される交流の商用電力を整流及び電圧調整して、電圧V1を生成して複合装置1の必要な各部、具体的には、プロッタ4、PIX5、コントローラ6、IO制御部7、ADF/FB17に供給する。PSU3は、生成した電圧V1の供給ラインをRDET13からの切り替え信号SW1によってオン/オフするスイッチ3aを備えており、スイッチ3aは、メイン電源スイッチ2がオフからオンされるときには、オンされる回路構成となっている。
定電圧制御回路14には、プラグ21を介して商用交流電源が供給されるとともに、USB供給電力が供給され、定電圧制御回路14は、これらから電圧V1、電圧V2及び電圧BAT1を生成して複合装置1内の必要な各部に供給する。
画像処理部5は、複合装置1においてスキャナ処理、プリンタ処理、コピー処理、転送処理、ファクシミリ処理等の各種処理を行う上で必要な各種画像処理を画像データに対して施す。この画像処理部5と大容量不揮発メモリ10及びプロッタ4、コントローラ6、スキャナ19、IO制御部20、ハブ9は、画像処理を高速で行うために、バス22によって接続されている。この画像処理装置5は、電圧V1によって動作する。
プロッタ4は、所定の画像形成方式、例えば、電子写真方式やインク噴射方式等によって所定の解像度で画像形成し、電子写真方式の場合には、例えば、回転駆動される感光体を中心に、光書き込み部、現像部及び転写部、定着部、帯電部及びクリーニング部等が配設されている。このような電子写真方式のプロッタ4は、帯電部で一様に帯電された感光体上に、光書き込み部がスキャナ19からの原稿の画像データや受信した画像データに基づいて変調した書き込み光を照射して、静電潜像を形成する。プロッタ4は、この静電潜像の形成された感光体に現像部からトナー(現像剤)を供給して現像し、感光体上のトナー画像を転写部と感光体との間に給紙カセットから用紙搬送部によって搬送されてきた用紙に転写して、トナー画像の転写の完了した用紙を定着部に搬送して、定着部で定着させる。このプロッタ4は、電圧V1で動作する。
スキャナ19は、ADF(Auto Document Feeder)/FB(Flat Bed)17を搭載しており、ADF/FB17のADFは、複数枚の原稿がセットされて、セットされた原稿を1枚ずつ搬送読み取り位置に搬送して読み取りの完了した原稿を排紙台上に排出する。ADF/FB17のFBは、コンタクトガラスや押さえ板(ADFが兼用されていることが多い)等を備え、1枚ずつ手操作で原稿がコンタクトガラス上にセットされて、押さえ板によってコンタクトガラス上に押しつけた状態で原稿の読み取りを行わせる。
スキャナ19は、ADF/FB17によって読み取り位置に搬送されてきた原稿及びコンタクトガラス上の原稿を走査して原稿の画像を読み取り、読み取った原稿画像をデジタル変換してコントローラ6に転送する。このスキャナ19及びADF/FB17は、電圧V1で動作する。
IO制御部20は、主に、プロッタ4、スキャナ19及びADF/FB17のインプット及びアウトプットを制御する。IO制御部20は、電圧V1で動作する。
操作部18は、複合装置1に各種動作をさせるのに必要な各種操作を行う操作キー及びディスプレイやLED(Light Emitting Diode)等を備え、コントローラ6の制御下で、ユーザに通知する各種情報をディスプレイに表示するとともに、操作キーで入力された各種命令やパラメータを取得してコントローラ6に出力する。なお、操作部18は、供給電力として、電圧BAT1と電圧V2が記載されているが、これは、操作部18が、複合装置1のスリープモードのキースキャンやLED等の一部の回路を電圧BAT1で駆動し、その他の回路を電圧V2で駆動することを示している。
人体検知部(人体検知手段)16は、例えば、発光素子(LED等)と受光素子(フォトトランジスタ)等で構成され、検知物としての複合装置1周辺における人体の有無を検知して、検知結果をRDET13に出力する。なお、人体検知部16の発光素子としては、その人体検知性能から、赤外線LEDが用いられている。人体検知部16は、電圧BAT1で動作する。
RTC(リアルタイムクロック;Real Time Clock)15は、発振回路や分周回路等を備え、現在時刻の計時や各種タイマ機能を実行する。RTC15は、電圧BAT1で動作する。
コントローラ6は、このRTC15の計時する現在時刻やタイマ機能を利用して複合装置1としての各種処理を実行する。
FAX部12は、RDET13を介して公衆回線TNに接続され、通常のファクシミリ通信手順を実行して、相手ファクシミリ装置からのファクシミリデータの受信処理とスキャナ19で読み取って大容量不揮発メモリ10に保管されているデータの送信処理を実行する。FAX部12は、電圧V2で動作する。
大容量不揮発メモリ10は、例えば、SSD(Solid State Drive)等が用いられており、画像データやシステムデータ等の複合装置1の電源がオフの場合にも記憶しておくべきデータを記憶する。大容量不揮発メモリ10は、電圧V2で動作する。
コントローラ6は、図示しないが、CPU(Central Processing Unit )、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備え、CPUが、ROM内のプログラムに基づいてRAMをワークメモリとして利用して、複合装置1の各部を制御して、複合装置1としての基本処理を実行する。コントローラ6は、電圧V1で動作する。なお、コントローラ6画素の動作を制御する回路ブロックであって、コントローラ6の動作電圧である電圧V1とは異なる電圧V2で動作するADF/FB7、ハブ9、大容量不揮発メモリ10は、電圧V1がオフのときに電流を遮断するI/Fを備えている。
上記USB I/F11、FAX部12、操作部18、大容量不揮発メモリ10及びコントローラ6は、ハブ9を介して接続されている。
RDET(判定手段、制御手段)13は、電話回線網TNとのI/Fも備えており、電話回線網TNからの信号を絶縁カップリングする。RDET13は、RTC15や人体検知部16とも接続され、時計データ、人体検出結果を、省電力モードの1つであるスリープモードからの復帰要因として取り込む。また、RDET13は、ADF/FB17の原稿セット検知センサの検知信号、操作部18のキー操作検知信号が、スリープモードからの復帰要因として入力される。RDET13は、電圧BAT1で動作する。
RDET13は、図2に示すように、CPU31、FROM(Flash ROM)32、SRAM(Static RAM )33、DPRAM(Dual Port RAM)34、DAA I/F35、SIO(Serial Input Output)36、PIO(Parallel Input Output)37、NIF38、DAA(Digital Access Arrangement;通信制御部)39及びトランス40等を備えており、PSU3、定電圧制御回路14内にある、PSU3のスイッチ3aを切り替える切り替え信号SW1及び定電圧制御回路14へ出力する切り替え信号SW2〜SW4の出力制御処理を行うとともに、定電圧制御回路14からの各種検知信号DET1〜DET4を判断して、後述する電力管理処理を行う。
FROM32には、RDET13としてのプログラムやシステムデータが格納されており、CPU31は、FROM32のプログラムに基づいてSRAM33をワークメモリとして利用しつつRDET13の各部を制御してRDET13としての処理を実行するとともに、後述する電力管理処理を実行する。SRAM33は、スタックや各種設定内容の記憶に使用される。
すなわち、複合装置1、特に、RDET13は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Versatile Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の電力管理方法を実行する電力管理プログラムを読み込んでFROM32等に導入することで、後述するUSB供給電力を有効利用しつつ電池電力を利用して省電力を向上させる画像処理装置として構築されている。この電力管理プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
SIO36は、RTC15、操作部18及び人体検知部16に接続され、RTC15の計時結果、操作部18の操作結果及び人体検知部16の検知結果をデジタル信号として取り込み、PIO37は、定電圧制御回路14からの検知信号DET1〜DET4をデジタル信号として受け取るとともに、PSU3に切り替え信号SW1を、定電圧制御回路14に切り替え信号SW2〜SW4を出力する。
NIF39には、電話回線網TNが接続され、電話回線網TNからの呼び出し信号やアナログ信号をDAA38に渡して、DAA38がデジタル化する。トランス40は、電話回線網TNと複合装置1の2次回路とを絶縁カップリングし、トランス40の2次側には、ファクシミリ通信を行うために、回線データを取り込んでCPU31に伝達するDAA I/F35が接続されている。
DPRAM34は、マルチポートメモリの一種でランダムにアクセスできるポートが2つ用意されたRAMであり、FAX12とCPU31との間で、データの受け渡しを行う。
上記定電圧制御回路14は、図3に示すように、定電圧生成部50、充放電部60及び電圧出力部70から構成され、定電圧生成部50へのプラグ21からの商用交流電力とPSU3からの電圧V1の電力及び充放電部60へのパーソナルコンピュータPCからのUSB供給電力がそれぞれ供給されて、電圧V2と電圧BAT1を生成する。
定電圧生成部50は、トランス51、ダイオードブリッジ52、整流コンデンサ53、スイッチングレギュレータ54及び平滑コンデンサ55等を備えており、トランス51にプラグ21から商用交流電力が供給される。定電圧生成部50は、トランス51を介して入力される商用交流電力をダイオードブリッジ52及び整流コンデンサ53によって整流し、スイッチングレギュレータ54がRDET13からの切り替え信号SW4によってPWM(Pulse Wide modulation:パルス幅変調)制御することで、平滑コンデンサ55によって直流電圧を生成して、充放電部60に供給する。定電圧生成部50の生成する直流電圧は、出力電流として、2A程度のサブ電流を供給するもので、平滑化は粗くてもよく、回路構成は簡素化されている。
充放電部(充電手段、USB電力取り込み手段)60は、スイッチ61、充放電制御回路62、第1電池63、充放電制御回路64、第2電池65及び電圧検知回路66等を備えており、スイッチ61の切り替え端子61aに定電圧生成部50からの直流電圧が供給される。スイッチ61のもう1つの切り替え端子61bには、USB供給電力の電圧UBASが供給され、スイッチ61は、RDET13からの切り替え信号SW3に応じて、切り替え切片61cを切り替え端子61aと切り替え端子61bに切り替えて接続して、定電圧生成部50の生成した直流電圧またはUSB供給電力の電圧UBASを選択的に充放電制御回路62に供給する。なお、スイッチ61の切り替え切片61cのデフォルト位置は、定電圧生成部50側となっている。
充放電制御回路62には、第1電池63(電池手段、蓄電電池機能部)と充放電制御回路64が接続されており、充放電制御回路64には、第2電池65(電池手段、電力供給電池機能部)が接続されているとともに、第2電池65と充放電制御回路64との間から電圧BAT1が取り出されて、この電圧BAT1の出力電圧を電圧検知回路66が検出して、検出信号DET2、DET3をRDET13に出力する。電圧検知回路66は、電圧BAT1のみで駆動する回路(図9の縦線ブロック)に有効な電圧スレッシュ、第2電池65を利用した電圧V2を必要とする回路(図11の横線ブロック)の電圧スレッシュ、第2電池65が充電完了した電圧スレッシュを検知して検出信号DET2、検出信号DET3としてRDET13に通知する。
USB供給電力は、USB通信が初期化中においては100mA、通信中においては500mAになるように、充放電制御回路62内の定電流回路に引き込まれ、引き込まれた電流のうち、充放電制御回路64経由で電圧出力部70から電圧V2として供給する電流の余り分が、第1電池63の充電に使用される。電圧出力部70側に供給する電流が、充放電制御回路62からの電流だけでは足りなくなると、その差分(図17の破線領域Bや突入電流等の枯渇する電流)を第2電池65から供給する。そして、電圧検知回路67は、このUSB供給電力の給電電圧VBUSを検出して、検出信号DET4をRDET13に出力する。
電圧出力部(電圧供給手段)70は、ダイオード71、スイッチ72及び電圧検知回路73等を備えており、PSU3から電圧V1が供給される。電圧出力部70は、PSU3からの電圧V1をダイオード71で整流して、充放電制御回路64からの電流とワイアードオアすることで、スイッチ72を介して電圧V2として、複合装置1の必要な各部(ネットワークI/F8、NIC7、ハブ9、大容量不揮発メモリ10、USB I/F11、FAX部12及び操作部18等)にスイッチ72を介して供給する。そして、電圧検知回路73は、PSU3からの電圧V1の電圧値を検出して、検出信号DET4をRDET13に出力する。
スイッチ72は、RDET13からの切り替え信号SW2によってオン/オフされる。
そして、上述のように、電圧V1、第2電池65の電圧BAT1、USB供給電力の電圧VBUSは、それぞれ電圧検知回路66、67、73で検出され、電圧検知回路66、67、73は、予め決められた規定以上の電圧の場合に、検知信号DET1〜DET4をアクティブにする。
そして、上記充放電制御回路62及び充放電制御回路64は、図4に示すように回路構成されている。充放電制御回路62は、電流検知部81、定電流回路82、充電回路83、放電回路84及びダイオード85等を備え、充放電制御回路63は、ダイオード91、92、充電回路93、放電回路94及び電流検知部95等を備えている。充放電制御回路62及び充放電制御回路64においては、電池63、65が充電回路83、93側から充電される電流方向と、電池63、65から放電回路84、94側へと放電される電流方向とが、逆流しないように整流されている。電池63、65によっては制限抵抗と整流ダイオードだけの簡単な構成であっても問題ないものもあるが、充電回路83、93としては、充電電流のリップルを下げたり、電池電圧に応じて充電電流を変えたりする回路構成が取られているものであってもよい。放電回路84、94は急激な放電を避けるために、電流制限する回路構成が行われていてもよい。充放電制御回路62、64は、図4では、ダイオード85、91、92のみが示されているが、実際には、トランジスタ、コンデンサまたは電流IC(Integrated Circuit)を組合せた回路構成になる。
充放電制御回路62は、スイッチ61からの入力電流Iaを、電流検知部81を通して定電流回路82に引き込んで、充電回路83とダイオード85に分岐して流し、充電回路83によって第1電池63に充電する。定電圧生成部50のスイッチングレギュレータ54をRDET13からの切り替え信号SW4によってPWM制御する場合には、各回路の最大電流まで、USB通信の場合には、USB初期化中では100mA、初期化終了後では500mAまで引き込まれるように電流検知部81からのフィードバックで定電流回路82の出力インピーダンスが調整されている。第1電池63の充電電流は、電流Iaから充放電制御回路64に流れる電流を差し引いた電流となる。
充放電制御回路64からスイッチ72への出力は、スイッチ61からの入力、第1電池63及び第2電池65からの出力だけにしてもよいし、複合装置1の電圧V1が入っているときに第2電池65を充電するように、図4に示すように、充電回路93に整流のためのダイオード92を介して電圧V1を接続してもよい。このようにすると、電圧V1がオンのときは、スイッチ72へ出力される電流Ibは、供給する回路が引き込む電流であり、図3の回路構成では、電位差の関係から電圧V1から全て供給されるようになる。スイッチ61から入力があるときは、全て第1電池63に充電され、第2電池65は電圧V1で充電される。
充放電制御回路64は、電圧V1が接続されていない場合や電圧V1が落ちている場合、スイッチ72へ引き込まれる電流IbがUSB通信中の制限された電流Iaでまかないきれないときには、電流Ia=Ibかつ第1電池63への充電なしの状態になり、第2電池65の電荷が放電回路94を通じて、スイッチ72に供給される。ダイオード91と定電流回路95は、整流と過電流保護、必要に応じて電圧変換を行う。定電流回路95は、スイッチ72から供給する回路で突入電流が発生する場合にも、急速に電流供給を行えるように、コンデンサ等を備えている。
充放電制御回路62の放電回路84と充放電制御回路64の充電回路93は、スイッチ61からの入力電流Iaがなく(電流検知部81で検出してフィードバックしてハードウェアで自動的に動作するようにしてもいい)、かつ、スイッチ72へ引き込まれる電流Ibがないとき(電圧V1なし、SW2がオフのとき)に動作して、第1電池63の蓄電力を第2電池65に流して、第2電池65を充電する。この状態は、CPU31で検知してもよいし、電流値に応じてハードウェアで自動的に切り替わるように調整してもよい。
この場合、図4の接続状態において、第1電池63→放電回路84→ダイオード91→充電回路93→第2電池65の経路だけがアクティブになり、各電池63、65の容量、電位差によって、第1電池63から第2電池65への電荷の移動は充分かつ急速に行えるよう調整することができる。
また、充放電制御回路64に電圧V1が供給されているときには、メイン電源として電流の供給能力が充分あり、充電回路93から第2電池65を充電することができる。ところが、省電力効果を高めるために、電圧V1は、こまめにオフされ、第2電池65が充分充電されないことがあるが、この場合、電圧V2を供給する回路の電流量に比較して、第2電池65の容量を充分取ると、コストアップになる。
そして、複合装置1は、USB通信の場合には、スイッチ61からの引き込み電流Iaが、電圧V1によりダイオード91側には流れず、上述のように、充電回路83を通して第1電池63を充電し、通常プリント動作の場合には、図16及び図17に示したレディタイミングで、スイッチ61から電流を引き込むことができる。
また、複写装置1は、切り替え信号SW4のPWM制御をオン/オフしているが、電圧V1を充放電制御回路64に接続している場合には、複合装置1全体の消費電力を考慮してオフ期間を無くすか、短くする。また、複写装置1は、電圧V1を接続していない場合であって、かつ、第1電池63の容量が取り込む電流に対して比較的小さい場合や第2電池65の充電レベルを検知する電圧検知回路を追加して充電量が充分でない場合には、PWM制御のオフ期間に第2電池65へ電荷の移動を行うようにする。
すなわち、複写装置1は、電圧V1を接続した場合でも、電圧V2に別回路で電圧V1に接続したり、プリント動作時にスイッチ72をオフしたり、ダイオード91の接続先を充電回路93だけに切り替えるようにすることで、時分割に充放電を行う。
また、複写装置1は、昼休み、夜間、休日のFAX受信がないときにスリープモード2へ移行したとき等のように電圧V1が供給されないときには、第2電池65の充電量を判断して充分でないと、プラグ21が商用交流電源のコネクタに接続されていれば、スイッチングレギュレータ54を切り替え信号SW4でPWM制御し、スイッチ61から電流を引き込むことができる。このようにすると、第1電池63に一次充電し、第2電池65に転送して第2電池65を充電することができる。この場合、PWM制御を、図17に示したように、オフ期間をプリント動作時に比較して、充分長く取るようにすると、平均の消費電流を低く抑えることができ、また、電気料金や設定の電源事情、時刻によって調整する場合には上記オフ期間を調整することで、適宜対応することができる。
本実施例の複合装置1は、電圧V2が供給される回路を、PSU3をオンすることなく、できるだけ第2電池65でまかなうようにするために、第2電池65としては、比較的大容量の電池を用いている。そのため、第2電池65の充電時間が比較的長い場合が多く、第1電池63は、比較的小容量の電池で、スイッチ61からの電流を急速に引き込めるようにし、バッファ的に使用して、スイッチ61の電流を、スイッチ72に必要な分については供給する。なお、第1電池63の容量をアップすると、回路構成を比較的簡単にするため、スイッチ61からの電流は全て第1電池63に取り込み、複合装置1がスリープ時に第2電池65に転送するようにしてもいい。また、複写装置1は、回路の使用電流、複合装置1がどれだけ頻繁に使用されるかにより大きく変わるが、第1電池63が、250mAh、第2電池65が、1.5Ahであれば動作が可能であり、この場合、第1電池63、第2電池65の種別、電流容量、出力電流等から、充電回路83、93、放電回路84、94または図4の回路構成自体から微調整が必要である。
なお、上記第1電池63は、キャパシタであってもよい。第1電池63として、キャパシタを用いると、一次充電をより急速に行うことができ、また、第2電池65への転送に切り替える際にも、待ち時間を少なくすることができる。その結果、さらに、切り替え信号SW4のPWM制御タイミングを比較的容易なものとすることができ、プリント動作時にスイッチ61からより多くの電流を取り込むことができる。また、スイッチ72から供給する回路で突入電流が発生する場合に、急速に電流供給するために急速放電できるように回路工夫することで、定電流回路95を簡略化することができる。
また、本実施例の複合装置1は、電池として、第1電池63と第2電池65を個別に装備しているが、電池構成としては、上記構成に限るものではなく、例えば、複数のセルからなる1つの電池で構成してもよい。このようにすると、蓄電部分のメカニカル機構を安全上容易な構造にすることができる。また、電池の構成内に、図3や図4に示す充放電制御回路62、63の組み込める回路部分を電池内に組み込んだ構成としてもよい。
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の複合装置1は、パーソナルコンピュータPCからのUSB供給電力を有効に利用し、USB供給電力が足りないときには、第2電池65から電力補充して、USB供給電力が利用できないときに第2電池65からの電力だけで動作させて省電力を効率的に行う。以下、この電力管理処理を、図5から図8のフローチャートに基づいて説明する。
すなわち、複合装置1は、第2電池65の電圧BAT1によってCPU31を駆動すると、CPU31が、FROM32に格納されたプログラムに基づいて動作し始め、図5に示すように、電圧検知回路66の出力する検知信号DET2、DET3に基づいて、第2電池65の充電が完了(電圧BAT1の充電が完了)しているかチェックする(ステップS101)。USB31は、この第2電池65の充電が完了しているか否かを、DET2、DET3の信号によって判断することができる。
ステップS101で、充電が完了していないときには、CPU31は、スイッチ61の切り替え切片61cのデフォルト位置が、定電圧生成部50側となっているので、スイッチングレギュレータ54がRDET13からの切り替え信号SW4によってPWM制御して(ステップS102)、定電圧制御部50からの商用交流電源を整流した整流電圧によって充放電制御回路62、第1電池63及び充放電制御回路64を介して第2電池65を充電させ(ステップS102)、第2電池65の充電を該充電が完了するまで継続するが、コード21がコンセントに接続されていない場合等を考慮して、予め設定されている充電待ち時間をタイムオーバーしたかチェックする(ステップS103)。ステップS103で、タイムオーバーしていないときには、CPU31は、ステップS101に戻って、充電が完了したかのチェックから上記同様に処理し(ステップS101〜S103)、タイムオーバーすると、アボートして処理を終了する。なお、第2電池65の電圧BAT1が低い場合には、CPU31が起動できる回路だけに第2電池65の電圧BAT2を供給し、充電完了後に、電圧BAT1で動作する他の回路(例えば、RTC15、人体検知部16、操作部18等)を全て機能させるようにしてもよい。RDET13が、低消費電力ICの場合には、第2電池65の容量が枯渇する直前であっても動作できる電流を供給することができる。
ステップS101で、バッテリの充電が完了すると、CPU31は、電圧V1がCPU31の制御以外でオンしたかチェックする(ステップS104)。すなわち、CPU31は、上述のように、電圧V1のオン/オフを切り替え信号SW1で制御することができるが、CPU31から出力した切り替え信号SW1以外のユーザがメイン電源スイッチ2をオンしたり、ソフト電源キー(無条件でスリープ解除するボタン)をオンしたとき、CPU31が初めて駆動したとき等が分からないため、電圧V1がCPU31の制御以外でオン(アクティブ)になったかを、DET1信号で判断する。
CPU31は、ステップS104で、電圧V1がアクティブでないときには、ユーザがメイン電源スイッチ2をオンする動作をしておらず、スリープ状態であると判断して、スリープ復帰要因(操作部18のキー操作、FAX受信の発生、ADF/FB17への原稿のセット等)が発生したかチェックする(ステップS105)。
ステップS31は、ステップS105で、スリープ復帰要因が発生していないときには、スリープ状態のイベント待ち状態となって、ステップS101に戻って、上記同様の処理を行う(ステップS101〜S105)。
この状態においては、図9の縦線ブロックのみに、定電圧制御回路14から電圧BAT1の電力が供給されて駆動されている。
ステップS104で、電圧V1がアクティブになると、CPU31は、ユーザが印刷動作等を行わせるために、メイン電源スイッチ2やソフト電源キーをオン操作して、メイン電源であるPSU3に商用交流電源の供給を開始したと判断して、切り替え信号SW2をオンにする(ステップS106)。
このときの電力供給状況は、まず、電圧V1がアクティブになると、複合装置1は、図9の縦線ブロックのみ電圧BAT1が供給されていた状態から、図10に示すように、電圧V1で駆動する回路(プロッタ4、画像処理部5、コントローラ6、ADF/FB17、スキャナ19及びIO制御部20等)に電力が供給されて駆動されている状態となる。そして、CPU31は、電圧V1がアクティブになったことを検出すると、切り替え信号SW2をオンにして、スイッチ72をオンにすることで、図11に示すように、第2電池65の電圧V2を、電圧V2で駆動する回路(NIC7、ネットワークI/F8、ハブ9、大容量不揮発メモリ10、USB I/F11、FAX部12及び操作部18の一部等)に供給する。なお、この状態では、スキャナ19、プロッタ4の大電流を消費する部分は、駆動を開始しないようにIO制御部20で制御する。
次に、CPU31は、操作部18の操作画面等の操作によってプリンタモードが選択されたか否かをチェックする(ステップS107)。このプリンタモードの選択は、例えば、FAX部12経由でコントローラ6によってCPU31に通知される。
ステップS107で、プリンタモードが選択されると、CPU31は、図6に示すように、電圧V1で動作するプロッタ4の全ての電力をオンにしてプリント動作を開始する(ステップS108)。このときのプリント動作は、複合装置1の通常のプリント動作処理である。
そして、図5のステップS107で、プリンタモードが選択されずにプリントモード以外のモードが選択されたときには、CPU31は、電圧V1で動作するスキャナ19の全ての電力をオンにして、スキャナ19のイニシャライズ動作を開始し(ステップS109)、コピーモードが選択されたかチェックする(ステップS110)。
ステップS110で、コピーモードが選択されると、CPU31は、図6のステップS108に移行して、電圧V1で動作するプロッタ4の全ての電力をオンにしてプリント動作を開始する(ステップS108)。
コピーの場合には、ユーザが原稿をADF/FB17にセットして、操作部18のスタートボタンを押下し、プリントの場合には、大容量不揮発メモリ10に蓄積されているデータを選択して、プリント開始を指示する操作部18のスタートボタンを押下する。
CPU31は、プリント動作を開始すると、コントローラ6が1頁目エンドをCPU31に通知してくるのを待って、すなわち、1頁目のプリント動作が終了するのを待って(ステップS111)、第2電池65の充電が完了(電圧BAT1の充電が完了)しているかチェックする(ステップS112)。
ステップS112で、電圧BAT1の充電が完了していないときには、CPU31は、切り替え信号SW4によってPWM制御して第2電池65を充電し(ステップS113)、全ての頁のプリントが完了したかチェックする(ステップS114)。ステップS112で、電圧BAT1の充電が完了しているときには、CPU31は、第2電池65の充電を行うことなく、全ての頁のプリントが完了したかチェックする(ステップS114)。
ステップS114で、全ての頁のプリントが完了していないときには、次の頁(n頁)目のプリント動作を開始して(ステップS115)、切り替え信号SW4をオフにし(ステップS116)、n頁目のプリントが完了するのを待って(ステップS117)、ステップS112に戻って、電圧BAT1の充電が完了したかのチェックから上記同様に処理して、電圧BAT1の充電状態のチェックと第2電池65の充電及びプリント動作を頁毎に繰り返し行う(ステップS112〜S117)。
この複合装置1によるコピー時の一般的な消費電力の推移は、図12のように示すことができ、スリープモードからメイン電源であるPSU3の立ち上げを行って、1頁目のコピーを開始する。複合装置1は、1頁目のコピーが完了すると、レディ期間(準備期間)をおいて、次の頁のコピーを行うという動作を繰り返し行う。このコピー動作においては、印刷中は、プロッタ4の定着部の定着ヒータがオンするため、複合装置1における最大の電力を消費するが、1頁分のコピー動作と次頁のコピー動作の間であるレディ期間では、定着ヒータはオフするが、モータ駆動等は行っているため、消費電力は、頁印刷時よりは多少少なくなる。
PSU3のメイン電源としては、この期間が電力効率のよい状態であり、本実施例の複合装置1は、このレディ期間を第2電池65の充電期間として、切り替え信号SW4によって第2電池65の充電を行っている。
なお、第2電池65の充電期間は、上記レディ期間に限るものではなく、複合装置1によって適切なタイミングを、例えば、消費電力の推移を実験的に調べる等の方法で決定して、充電期間を設定することが望ましい。
例えば、スリープモードにおいて、第2電池65を充電する場合、スリープモード時の消費電力が増えるため、プリント動作中に充電を行うのが消費電力を最も削減することができる。すなわち、充電電流はプリント動作中の複合装置1全体の消費電力に比較して十分に低いため、プリント動作中に充電を行う方が消費電力を削減しつつ充電することができる。
そこで、本実施例の複合装置1は、スリープモードでは、第2電池65を満充電まで充電することなく、印刷動作において、満充電するようにしてもよい。この場合、スリープモードでは、第2電池65を利用した電圧V2が、ステップS101におけるアクティブかどうかの判断基準を、満充電の判断基準を用いず、印刷動作等に必要な電圧を電圧供給手段V2がアクティブかどうかの判断基準に用い、印刷動作では、ステップS112での充電判断基準を、第2電池65の満充電が完了したどうかの判断基準を用いる。この判断基準は、プロッタ4の性能と電圧V2が供給される回路の消費電流等から実験的に求め、複合装置1として一義的に定めることができる。複合装置1は、CPU31の制御下で、図13に示すように、印刷ページ中は、切り替え信号SW4をオフ(PWM動作も停止)にして、第2電池65への充電を停止し、アイドル期間のみ切り替え信号をオンにして、第2電池65への充電を行う。
そして、ステップS114で、全頁の印刷が終了すると、CPU31は、図7に示すステップS118に移行して、複合装置1の通常の待機状態に移行する(ステップS118)。
この通常の待機状態においては、図12に示すように、待機状態が暫く続くと、オフしたときよりも比較的早く印刷起動ができる、いわゆる予熱状態にする低電力モードが一般的である。そこで、CPU31は、予め設定されている低電力モード移行タイマにより低電力モード移行タイミングになるのを待って(ステップS119)、低電力モードに移行すると、スキャナ19、プロッタ4をオフする(ステップS120)。このスキャナ19及びプロッタ4のオフ制御は、CPU31が行うのではなく、コントローラ6が制御を行い、CPU31に通知する。
複合装置1は、この低電力モードが、予め設定された時間継続すると、さらに低消費電力であるスリープモードに移行するのが一般的であるが、本実施例の複合装置1は、さらに、スリープモードを第1スリープモードSm1と第2スリープモードSm2の2段階に設定し、一段階目の第1スリープモードSm1では、切り替え信号SW1のみをオフにして、図11の状態から図10の状態に移行する。
そこで、コントローラ6は、スキャナ19及びプロッタ4がオフされると、第1スリープモードSm1への移行待ちタイマであるスリープタイマT1がタイムオーバーしたかチェックし(ステップS121)、タイムオーバーしていないときには、操作部18での操作やファクシミリ受信等の受信に速やかに応答できるように、操作または受信があったかをチェックする(ステップS122)。この通常待機状態では、コントローラ6が対応できるため、CPU31は、関与せず、コントローラ6が処理する。
ステップS121で、スリープタイマT1がタイムオーバーすると、切り替え信号SW1をオフにして、第1スリープモードSm1に移行し(ステップS123)、この第1スリープモードSm1に移行すると、第2スリープモードSm2に移行するRDET13内に設けられている第2スリープタイマT2がタイムアップしたか(ステップS124)、ユーザ操作、NIC7でのネットワーク受信あるいはFAX部12でのファクシミリ受信があったかをチェックする(ステップS125)。
ステップS124で、操作や受信がなく、第2スリープタイマT2がタイムオーバーすると、CPU31は、切り替え信号SW2をオフにして、図9に示す電圧BAT1のみの待ち状態である第2スリープモードSm2に移行する(ステップS126)。この待ち状態においては、PSU3の漏れ電流を最小限に抑制すると、商用交流電力を全く使用しないモードとなる。
そして、図5のステップS110で、コピー選択されていないときには、CPU31は、図7のステップS127に移行して、ユーザがメイン電源スイッチ2やソフト電源キーを入れた場合のFAX送信、スキャン送信、データ蓄積、NIC/USBからの受信のモードであるので、電圧V1がオンした複合装置1の通常動作であるため、コントローラ6や操作部18からの通知に基づいて、これらの動作推移を監視する動作を行う。ところが、誤操作や操作をやめた場合もあるため、動作を促す有効なキー操作があるか否かを、コントローラ6で監視し、タイムオーバーすると通常の機能動作に移行する。そこで、CPU31は、予め設定されているキー待ちタイマがタイムオーバーしないか(ステップS127)、USB通信は終了したか(ステップS128)、通常機能動作が終了したか(ステップS129)をチェックして、いずれかの状態を検知するまで処理を繰り返す。
なお、CPU31は、複合装置1が通常機能動作を行っている場合には、常に電圧V1を監視し、ユーザが通常機能動作中に電源がオフしたり、停電や電源コードが抜けてしまったりした場合には、アボートして、スタートに戻る。また、USB通信が終了すると、コントローラ6からCPU31に通知がある。
そして、ステップS127でタイムオーバーするか、ステップS129で、通常機能動作が終了すると、CPU31は、通行待機状態に移行して(ステップS118)、以降、上記同様の処理を行う(ステップS118〜S126)。
また、ステップS118からステップS126の処理において、ステップS122またはステップS125で、操作または受信等の復帰要因が発生すると、ステップS127に戻って、キー待ちタイマのチェックから上記同様に処理する(ステップS127〜S129)。
そして、図5のステップS105で、CPU31は、電圧V1がアクティブになっていない状態で、ユーザによってメイン電源スイッチ2がオンされたり、ソフト電源キーが入れた等のスリープ復帰要因が発生したときには、切り替え信号SW2をオンにし(ステップS130)、復帰キーが押下されたかチェックする(ステップS131)。
ステップS131で、復帰キーが押下されていると、CPU31は、ステップS107に移行してプリンタ選択されたかのチェックから上記同様に処理する(ステップS107〜S131)。
ステップS131で、復帰キーが押下されていないときには、CPU31は、USB通信であるか否かをUSB供給電力の電圧VBUSを電圧検知回路67が検出して出力するDET4によってチェックし(ステップS132)、USB通信でないときには、ファクシミリ通信(FAX通信)であるかチェックする(ステップS109)。
ステップS109で、ファクシミリ通信でないときには、CPU31は、通常のNIC通信(ネットワーク通信)を開始し(ステップS134)、ファクシミリ通信のときには、プログラム通信を開始する(ステップS135)。CPU31は、ネットワーク通信またはファクシミリ通信を開始すると、即時出力であるか否かチェックし(ステップS136)、即時出力の場合には、図6のステップS108に移行して、受信データをバッファリングして、バッファリングしたデータを、上記同様に、プロッタ4で印刷出力する(ステップS108〜S117)。この場合、上記同様に、印刷出力を行いつつ、レディタイムに第2電池65への充電を行う。
そして、ステップS136で、即時出力でないときには、CPU31は、切り替え信号SW2をオフにして、受信したデータを大容量不揮発メモリ10に蓄積して、通信が完了すると、切り替え信号SW2をオフにして、第2スリープモードSm2を継続する(ステップS137)。
すなわち、夜間や休日には一定量の受信やデータがくるまでは即時印刷を行わない設定とし、受信したデータを大容量不揮発メモリ10に保存することで、消費電力を削減することができる。
そして、ステップS312で、USB通信が発生すると、CPU31は、図8のステップS138に移行し、切り替え信号SW3を定電圧制御回路14に出力して、スイッチ61の切り替え切片61cを定電圧生成部50側の切り替え端子61aから電圧VBUS側の切り替え端子61bに切り替え(ステップS138)、パーソナルコンピュータPCからのUSB供給電力によって充放電制御回路62を介して第1電池63の充電を開始する(ステップS139)。そして、CPU31は、通常のUSB通信を開始して(ステップS140)、USB通信が終了したかチェックし(ステップS141)、USB通信が終了していないときには、USB供給電力による第1電池63の充電を継続しながらUSB通信を行う処理を継続する(ステップS139〜S141)。複合装置1は、このUSB通信においては、USB通信データは、大容量不揮発メモリ10にバッファリングし、図1に示したように、このバッファリングの経路も含めてUSB通信経路は、全て電圧V2で動作する設定となっている。
このとき、充放電制御回路62は、USB供給電力を初期化中においては、100mA、通信中においては、500mAを取り込めるよう第1電池63に電流を取り込む。図17に示した破線部分Bや突入電流等の枯渇する電流を第2電池65で供給するように回路調整されている。なお、第1電池63に余りの電荷が溜まっている場合があるが、切り替え信号SW3がデフォルト(定電圧生成部50側)に戻って、入出力電流が切れると、ハードウェアで、第1電池63の電荷を自動的に第2電池65に放電して第2電池65を充電する。
ステップS141で、USB通信が終了すると、CPU31は、切り替え信号SW3を定電圧制御回路14に出力して、スイッチ61の切り替え切片61cを定電圧生成部50側に戻し(ステップS142)、即時出力を行うのかチェックする(ステップS143)。ステップS143で、即時出力を行うときには、CPU31は、図6のステップS108に移行して、USB受信データを、上記同様に、プロッタ4で印刷出力する(ステップS108〜S117)。この場合、上記同様に、印刷出力を行いつつ、レディタイムに第2電池65への充電を行う。
ステップS143で、即時出力を行わないときには、すなわち、データ蓄積のみであれば、CPU31は、電圧V1がアクティブであるかチェックし(ステップS144)、電圧V1がアクティブでないときには、切り替え信号SW2をオフにして、電圧V2の供給も停止して、第2スリープモードSm2を継続する(ステップS145)。
ステップS144で、ユーザがメイン電源スイッチ2やソフト電源キーを入れて、電圧V1がアクティブであると、図7のステップS118の通常待機状態に移行する。
なお、上記説明においては、第2電池65への充電量を、電圧BAT1に基づいて決定している。すなわち、電圧検知回路66の検出する検知信号DET2、DET3に基づいて、電圧BAT1のみで駆動する回路に有効な電圧スレッシュ、第2電池65を利用した電圧V2が必要な電圧スレッシュ、充電完了した電圧スレッシュを判断して、そのスレッシュを検知して、CPU31が、充電量を調整している。
充電量の決定方法としては、上記方法に限るものではなく、例えば、これら3つのスレッシュのほかに、第2電池65を利用した電圧V2が充分な電圧スレッシュを設けてもよい。すなわち、必要な電圧スレッシュ以上であれば電圧V2は使用できるが、充分な電圧スレッシュ以上であれば予め決められた回数は動作可能なスレッシュを表すものとする。例えば、スリープモードから立ちあがり、USBやNIC7からのデータ蓄積を行い、再度スリープモードに入ることを3回可能な充電量等とする。この充分な電圧スレッシュは、複合装置1の使用実績やユーザ設定により適宜変更可能とするには、検出信号DET2、3のビット数を増やして、充分な電圧スレッシュを変化可能とし、第2電池65を利用した電圧V2が充分な電圧スレッシュを変更できるようにする。また、第2電池65の電圧と使用電源との関係や電池を昇圧/降圧して使用する場合の電圧値から、一義的に、例えば、50%充電を充分な電圧スレッシュと決定してもよい。さらに、充電量を積算する回路を追加して、電池駆動の電圧V2によって消費される回路構成から一義的に決まる単位時間当たりの電力をFROM32に記憶しておいて、使用時間に応じて積算値を算出して充電量を判断してもよい。また、電圧V1がオンしているときの充電量もFROM32に記憶し、複合装置1のオン/オフ時間に応じて第2電池65の充電量を算出してもよい。この場合、第2電池65の充電が完了したとき、または、ある電圧のスレッシュを切ったときから充電量の積算を開始することで、正確に充電量を算出することができる。この充電量に対して、予めユーザ設定で調整された量(いずれも全容量の%テージ)を下回るかどうかを判断する。
また、複合装置1全体の使用頻度を計測する方法としては、例えば、電圧V1、電池駆動の電圧V2について、単位時間当たりのオン/オフ回数またはオンから次のオンまでの間隔を計測する。すなわち、CPU31は、第2スリープモードSm2の移行/復帰、第2スリープモードSm2時の電圧V2のみでの機能開始/第2スリープモードSm2への移行を、それぞれタイムスタンプをRTC15から取得することで、FROM32またはSRAM33の決められた領域に記録する。この場合、単位時間当たりの回数では以下のように記録される。
平日 0〜9時、18時〜24時;V1:0.0、V2:0.7
平日 9時〜12時、13時〜18時;V1:5.0、V2:2.0
平日 12時〜13時;V:1.0、V2:3.0
休日 0時〜24時;V1:0.0、V2:0.2
そして、CPU31は、例えば、V1>V2、かつ、V1>2.0のとき、第2電池65を利用した電圧V2として、充分な電圧スレッシュを採用し、そうでない場合には充電完了した電圧スレッシュを選択する。
さらに、複合装置1全体の使用頻度を計測する方法としては、時刻に応じた細かい設定を行ってもよい。この場合、例えば、電気料金が比較的高い昼間は、消費電力を抑制(すなわち、第2電池65を利用した電圧V2が充分な電圧スレッシュを採用)し、電気料金が比較的安い夜間は、充電完了した電圧スレッシュを行う。
また、複合装置1全体の使用頻度の計算方法としては、RTC15として、カレンダー機能を備えたものを用い、該カレンダー機能を利用して、ユーザが休日の設定をできるようにして、休日だけ充電完了するまで充電するようにしてもよい。
さらに、上記タイムスタンプから電圧V1がオンする間隔、電圧V2がオンする間隔を求め、その平均値に所定値を乗じた間隔を次のオンの予測値とする。例えば、タイムスタンプから電圧V1がオンする間隔、電圧V2がオンする間隔の計測値の平均値に、1.2を乗じた間隔(平均値の1.2倍の間隔)を次のオンの予測値とする。そして、タイムスタンプから電圧V1がオンする間隔、電圧V2がオンする間隔と、これらから求めた予測値から、電圧V2がオンする前、電圧V1がオンする期間を充電期間として予定し、開始時刻と終了時刻を設定する。そして、CPU31は、RTC15を読み込んで、充電開始時刻になると、定電圧生成部50による第2電池65の充電を開始し、終了時刻がくるか、複合装置1としての機能要求が発生すると、充電を終了する。このときの要充電量は、スレッシュを切ったときからの予測によって、上記情報を取り込むことで算出して求めることができ、PWM制御のオン/オフ間隔を短くして(最大はPWMのオフ期間なし)、調整する。この場合には、CPU31は、定電圧生成部50だけでなく、PSU3をオンする必要のある省電力効果の省電力量と充電電力を使用するが、PSU3をオンするよりも省電力効果がある場合などを細かく算出して制御する。上記制御を行うことで、使用頻度の多い複合装置1ほど、省電力効果を向上させることができる。なお、使用頻度自体が比較的少ない場合には、電圧V2を使用後すぐに充電を行うようにしてもよいが、ユーザ設定で選択可能としたり、上記計測結果から適宜に設定してもよい。
さらに、本実施例の複合装置1は、第2電池65の充電タイミング及び充電時間を、複合装置1全体の消費電力と充電電力との比率で決定してもよい。
この場合、まず、CPU31によって、電圧V1を使用した複合装置1全体の消費電力量を算出する。この消費電力量は、例えば、PSU3の交流電流の電流量を多ビットで検出し、CPU31に通知して、電圧V1、電流、効率から交流電流の消費電力を算出する。そして、CPU31は、第2電池65の充電量を、電圧検知回路66の検出信号DET2、DET3または多ビット化した検知信号により電池特性の放電レート特性を用いて予め求めることができ、電池電圧値と必要な充電電流(充電する電圧スレッシュ毎)の関係(飛び飛びの一覧表を予め作成してFROM32に格納して参照してもよいし、方程式化してCPU31が算出してもよい。)から、充電に使用する電力の予測値を算出する。
そして、CPU31は、電圧V1がオンのときには、交流電流の電流量から求めた消費電力と充電電力との比率を算出し、予め設定されている比率以上の期間(図12のレディ期間)にPWM制御をオンさせる。この場合、消費電力が最大になるプリント動作の定着ヒータがオンの期間に充電を行うか否かは、PSU3と定電圧制御回路14の定電圧生成部50の1次2次回路の特性や実験等によって求めて、有効/無効を設定する。例えば、複合装置1の使用頻度が多い時間帯は、電圧V1がオンしたとき、図12、図13のコピー時間だけでなく、コピー終了時の待機時により多く充電するように設定すると、電圧V1がオンしたときだけで充電を行うことができる。
また、CPU31は、電圧V1がオフのときであって、かつ、USB通信がないときには、充電電力だけになり、その電力量が予め設定されているスレッシュ以下になるようにユーザ選択する設定画面に表示したり、一義的に決めておいたりして、昼はPWMオン/オフ間隔をいくつに、夜間はそれより間隔の短い設定にしてもよい。ユーザ設定によって、休日での充電電流を一日当たりいくらまで許容するかを数値入力できるようにし、それに相当する充電の時間だけ、一日の充電時間を制限してもよい。
さらに、本実施例の複合装置1は、第2電池65の充電タイミング及び充電時間を、周囲に人がいないタイミング及び時間に行うようにしてもよい。
すなわち、複合装置1は、人体検知部16を備えており、CPU31は、電圧V1がオンが予測されるタイミングであっても、人体検知部16が人体を検知していない場合には、電圧V1がオンされないものと判断して、電圧V1でオフ時の充電最中であれば、充電を継続する。
このように、本実施例の複合装置1は、複数の処理回路ブロック4〜12、15〜20が異なる供給電力源からの供給電力によって動作する回路ブロックに分けられて所定の画像処理を実行するとともに、該処理回路ブロック4〜12、15〜20のうち所定の処理回路ブロックへの電力供給を停止するスリープモードを有する場合に、直列接続されている所定容量の蓄電電池機能部である第1電池63と電力供給電池機能部である第2電池65を有し第1電池63が充電された蓄電電力を第2電池65に充電して第2電池65から電力供給する電池63、65を充電する充放電回路62、64に対して、商用交流電力(外部交流電力)から比較的少量の直流電力の電圧V2を生成する定電圧生成部50の生成する電力と、外部から供給されるUSB供給電力の電圧VBUSと、をスイッチ61で切り替えて供給して、充放電部60及び電圧出力部70によって、該スイッチ61からの電力と第2電池65からの電力を処理回路ブロックのうち電圧BAT1及び電圧V2で動作する処理回路ブロック(RDET13、RTC15、人体検知部16及びNIC7、ネットワークI/F8、ハブ9、大容量不揮発メモリ10、USB I/F11、FAX部12、操作部18等)に供給する場合に、充放電部60及び電圧出力部70から供給される電力がスリープモード時に動作するスリープ時動作回路に対して所定の動作を行うのに有効な電力量であるか否かを、CPU31が、電圧検知回路66の検出信号DET2、DET3に基づいて判定して、有効な電力量であると判定すると、商用交流電力から比較的大量の直流電力及び交流電力を生成するPSU3をオフの状態とし、第2電池65の電力を充放電部60及び電圧出力部70によってスリープモード時動作回路に供給させ、該判定結果が無効な電力量であると判定すると、充放電制御回路62、64に第2電池65を充電させるとともに、定電圧生成部50からの電力出力を抑制している。
したがって、PSU3に比較してエネルギー効率の良好なUSB供給電力を可能な限り有効利用して、回路の消費電力がUSB供給電力だけでは不足する場合には、第2電池から補充を行うことができ、USB供給電力が期待できない夜間や休日にも、PSU3を動作させることなく、スリープモードで機能動作を行う消費電力をより一層削減することができる。
すなわち、PSU3の電力を使用することなく、機能を達成することのできる回路の電力として、USB供給電力を利用し、USB供給電力のみでは、電力が不足するときに、第2電池65から電力を補充し、また、USB供給電力を利用することができないときには、第2電池からの電力だけを使用して動作させることで、プロッタ4等の大電流に適したPSU3の電力を、エネルギー効率の悪い小電流時に使用することを抑制して、省電力効果を向上させている。
また、本実施例の複合装置1は、第1電池63として、キャパシタを用いてもよく、キャパシタを用いると、上述のように、一次充電をより急速に行うことができ、また、第2電池65への転送に切り替える際にも、待ち時間を少なくすることができる。その結果、さらに、切り替え信号SW4をPWM制御するタイミングを比較的容易にすることができ、プリント動作時にスイッチ61からより多くの電流を取り込むことができる。また、スイッチ72から供給する回路で突入電流が発生する場合に、急速に電流供給するため急速放電できるように回路工夫することで、定電流回路95を簡略化することができる。
さらに、本実施例の複合装置1は、第1電池63及び第2電池65を、複数のセルからなる1つの電池で構成してもよく、このようにすると、蓄電部分のメカニカル機構を安全上容易な構造にすることができる。
また、本実施例の複合装置1は、CPU31が、充放電制御回路62、64による第1電池63及び第2電池65の充電タイミング及び充電期間を、複写装置1全体の動作頻度に基づいて制御している。
このようにすると、ユーザによる複写装置1の利用状況に応じて適切な充電タイミング及び充電期間を設定することができ、利用性を向上させつつ、省電力を図ることができる。
さらに、本実施例の複合装置1は、CPU31が、充放電制御回路62、64による第1電池63及び第2電池65の充電タイミング及び充電期間を、複写装置1全体の消費電力と第1電池63及び第2電池65への充電電力の比率に基づいて制御している。
このようにすると、オフィス等における複写装置1の使用環境に合わせて、省電力効果を発揮させることができ、休み時間、夜間及び休日においても、省電力効果を向上させることができる。
また、本実施例の複合装置1は、所定範囲の人体を検知する人体検知部16によって検知して、人体検知部16が人体を非検知の状態のときに、CPU31が、充放電制御回路62、64による第1電池63及び第2電池65を行わせている。
したがって、人が複写装置1を利用しないタイミングに第1電池63及び第2電池65の充電を行って、利用性をより一層向上させつつ、省電力効果を向上させ鵜ことができる。