JP5120532B2 - 伝達比可変操舵装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ハンドルと転舵輪との間のトルク伝達系に駆動源として備えた交流モータを、潤滑剤の粘性抵抗を下げる必要がある場合に熱源として利用する構成を有した伝達比可変操舵装置に関する。
交流モータを駆動源として有した従来の操舵装置として、例えば、図11に示した電動パワーステアリング操舵装置1と図12に示した伝達比可変操舵装置2が知られている。それらのうち電動パワーステアリング操舵装置1は、図11に示すように、1対の転舵輪3,3の間を連結する水平連結シャフト4と車両本体1Hとの間にボールネジ機構5を備え、交流モータ1Mにてボールネジ機構5を作動させる構成になっている。一方、伝達比可変操舵装置2は、図12に示すように、ハンドル8から転舵輪3,3へと操舵トルクを伝達するトルク伝達部材6の中間部分にアクチュエータ7を備え、そのアクチュエータ7に組み込まれた交流モータ2Mを駆動することでトルク伝達部材6における両端部間の操舵角の伝達比を運転状況に応じて変更可能な構成になっている。
また、上記した従来の操舵装置1,2では、モータ駆動電流(モータ出力トルク)がベクトル制御法によって制御されている。そのベクトル制御法では、交流モータに通電する交流電流を、モータ出力トルクに寄与するq軸電流と寄与しないd軸電流とで表す。そして、上記した従来の操舵装置1,2では、操舵系に使用された潤滑剤が低温のために粘度が大きくなっている場合に、ハンドル8が操舵されていないことを条件にして所定の大きさのd軸電流のみを交流モータ1M,2Mに通電し、交流モータ1M,2Mを回転させずに発熱させて粘性抵抗の低減を図っていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−352090号公報(段落[0021]〜[0023],[0043],[0063]〜[0067]、第1図、第6図)
ところで、上記した電動パワーステアリング操舵装置1(図11参照)では、交流モータ1Mが回転不能にロックされた場合には、ハンドル8を操舵しても転舵輪3,3が転舵されなくなる一方、交流モータ1Mが外力により回転自在な状態になった場合には、操舵の補助は得られないものの、ハンドル8の操舵により転舵輪3,3を転舵させることができる。これに対し、上記した伝達比可変操舵装置2(図12参照)では、交流モータ2Mが回転不能にロックされた場合には操舵の補助は得られないもののハンドル8の操舵により転舵輪3,3を転舵させることができる一方、交流モータ2Mが外力により回転自在な状態になった場合には、ハンドル8を操舵しても転舵輪3,3を転舵させることができなくなる。
しかしながら、従来の伝達比可変操舵装置2では、潤滑剤を加熱する必要が生じた際に、交流モータ2Mにd軸電流のみを通電する処理を行っており、そのd軸通電処理中は、交流モータ2Mが外力により回転自在になる。このため、上記した従来の伝達比可変操舵装置2では、d軸電流のみを通電した状態のままでハンドル8が操舵され、交流モータ2Mの回転駆動制御が遅れた場合に、その遅れ時間中はハンドル8から転舵輪3へと操舵トルクが伝達されず、ハンドル8に対する転舵輪3の追従が遅れて操舵フィーリングに違和感が発生する虞があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、交流モータを熱源としての使用から駆動源としての使用に切り替える際の操舵フィーリングを従来より向上させることが可能な伝達比可変操舵装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る伝達比可変操舵装置(80)は、車両(10)のハンドル(16)から転舵輪(11)へと操舵トルクを伝達するトルク伝達系(17)の一部として設けられると共に交流モータ(25)を駆動源として有し、その交流モータ(25)の回転出力によりトルク伝達系(17)の両端部間を差動回転させてトルク伝達系(17)の両端部間における操舵角の伝達比(R)を変更可能なアクチュエータ(20)と、運転状況に応じて伝達比(R)が変更されるように交流モータ(25)を回転駆動するための駆動指令値(PWMu,PWMv,PWMw)を生成して出力する指令値決定部(50A)と、駆動指令値(PWMu,PWMv,PWMw)に応じた交流電流(Iu,Iv,Iw)を交流モータ(25)に付与するためのモータ駆動回路(43)とを備えた伝達比可変操舵装置(80)において、アクチュエータ(20)を潤滑する潤滑剤(37)と、アクチュエータ(20)の温度(Ta)を検出するための温度検出手段(95)と、 アクチュエータ(20)の温度(Ta)が予め定められた下限基準温度(T1)より低く、かつ、駆動指令値(PWMu,PWMv,PWMw)が指令値決定部(50A)から出力されていないこととを条件にして、交流モータ(25)の巻線(25U,25V)に相固定の直流電流(Ix)を通電して発熱させることで潤滑剤(37)の粘性抵抗を低減させる相固定通電制御部(50B)と、交流モータ(25)のロータ(25R)を機械的にロックしたロック状態とそのロックを解除したリリース状態と切り替え可能なモータロック機構(38R)とを備え、相固定通電制御部(50B)は、相固定の直流電流(Ix)の通電中は、モータロック機構(38R)をロック状態に保持するところに特徴を有する。
請求項2の発明に係る伝達比可変操舵装置(80)は、車両(10)のハンドル(16)から転舵輪(11)へと操舵トルクを伝達するトルク伝達系(17)の一部として設けられると共に交流モータ(25)を駆動源として有し、その交流モータ(25)の回転出力によりトルク伝達系(17)の両端部間を差動回転させてトルク伝達系(17)の両端部間における操舵角の伝達比(R)を変更可能なアクチュエータ(20)と、運転状況に応じて伝達比(R)が変更されるように交流モータ(25)を回転駆動するための駆動指令値(PWMu,PWMv,PWMw)を生成して出力する指令値決定部(50A)と、駆動指令値(PWMu,PWMv,PWMw)に応じた交流電流(Iu,Iv,Iw)を交流モータ(25)に付与するためのモータ駆動回路(43)とを備えた伝達比可変操舵装置(80)において、アクチュエータ(20)を潤滑する潤滑剤(37)と、アクチュエータ(20)の温度(Ta)を検出するための温度検出手段(95)と、 アクチュエータ(20)の温度(Ta)が予め定められた下限基準温度(T1)より低く、かつ、駆動指令値(PWMu,PWMv,PWMw)が指令値決定部(50A)から出力されていないこととを条件にして、交流モータ(25)の巻線(25U,25V)に相固定の直流電流(Ix)を通電して発熱させることで潤滑剤(37)の粘性抵抗を低減させる相固定通電制御部(50B)と、交流モータ(25)のロータを機械的にロックしたロック状態とそのロックを解除したリリース状態と切り替え可能なモータロック機構(38R)とを備え、相固定通電制御部(50B)は、相固定の直流電流(Ix)の通電中は、モータロック機構(38R)をリリース状態に保持するところに特徴を有する。
請求項の発明は、請求項1又は2に記載の伝達比可変操舵装置(80)において、相固定通電制御部(50B)は、相固定の直流電流(Ix)の通電開始後に、アクチュエータ(20)の温度(Ta)が予め定められた上限基準温度(T2)より高くなったときに、相固定の直流電流(Ix)の通電を停止するところに特徴を有する。
請求項の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の伝達比可変操舵装置(80)において、交流モータ(25)は、三相交流モータ(25)であり、相固定通電制御部(50B)は、三相交流モータ(25)のうち何れか2つの相巻線(25U,25V)のみに相固定の直流電流(Ix)を通電するところに特徴を有する。
請求項の発明は、請求項1乃至の何れかに記載の伝達比可変操舵装置(80)において、モータ駆動回路(43)は、複数のスイッチ素子(UH,UL,・・・)をブリッジ接続してなり、車両(10)のバッテリ(92)から受電して交流電流(Iu,Iv,Iw)を生成可能なインバータ回路(43)であり、相固定通電制御部(50B)は、複数のスイッチ素子(UH,UL,・・・)のうち一部のスイッチ素子(UH,VL)をオン状態に保持する一方、残りのスイッチ素子(UL,VH,WH,WL)をオフ状態に保持して相固定の直流電流(Ix)を交流モータ(25)に通電するところに特徴を有する。
請求項の発明は、請求項に記載の伝達比可変操舵装置(80)において、相固定通電制御部(50B)は、バッテリ(92)の出力電圧が予め定められた下限電圧以下になった場合に、相固定の直流電流(Ix)の通電を禁止するところに特徴を有する。
請求項の発明は、請求項1乃至の何れかに記載の伝達比可変操舵装置(80)において、相固定通電制御部(50B)は、アクチュエータ(20)の温度が高くなるに従って相固定の直流電流(Ix)の電流値が下がるように相固定の直流電流(Ix)を制御するところに特徴を有する。
[請求項1及び2の発明]
請求項1及び2の伝達比可変操舵装置では、ハンドルを操舵した場合には、交流電流の通電により交流モータが駆動されてアクチュエータが作動し、トルク伝達系の両端部間が差動回転する。そして、その差動回転により、トルク伝達系の両端部間で操舵角が所定の伝達比で伝達され、その伝達比を交流モータの駆動により変更することで運転状況に応じた操舵フィーリングを提供することができる。
さて、本発明の伝達比可変操舵装置では、交流モータを回転駆動していない状態でアクチュエータの温度が下限基準温度より低くなると、相固定通電制御部が、交流モータに相固定の直流電流を通電して発熱させる。これにより、アクチュエータの潤滑剤が加熱されて粘性抵抗が低減し、交流モータを回転駆動した際の負荷が抑えられる。ここで、請求項1の構成によれば、相固定の直流電流の通電中はモータロック機構により交流モータがロック状態に保持され、トルク伝達系の両端部間における伝達比が「1」に固定される。従って、本発明の伝達比可変操舵装置では、相固定の直流電流の通電中にハンドルが操舵されて交流モータの回転駆動の制御が遅れたとしても、ハンドルから転舵輪へと操舵トルクが確実に伝達され、ハンドルに対する転舵輪の追従遅れを防ぐことができる。即ち、本発明では、交流モータを熱源としての使用から駆動源としての使用に切り替える際の操舵フィーリングを従来より向上させることが可能になる。一方、請求項2の構成によれば、相固定の直流電流の通電中は、モータロック機構がリリース状態に保持されるので、相固定の直流電流を通電した状態から交流電流を通電して交流モータを回転駆動させる制御に迅速に切り替えることができる。
[請求項の発明]
請求項の構成によれば、潤滑剤が過剰に加熱されることを防ぐことができる。
[請求項の発明]
交流モータが三相交流モータの場合、3つの相巻線のそれぞれに相固定の直流電流を通電してもよいし、何れか1つの相巻線のみに相固定の直流電流を通電してもよいし、請求項の構成のように、2つの相巻線のみに相固定の直流電流を通電してもよい。また、複数の相巻線に相固定の直流電流を通電した方が、スイッチング素子への負荷を分散できるので、スイッチ素子の劣化を抑えることができる。
[請求項の発明]
請求項の構成によれば、交流モータに交流電流を通電するためのインバータ回路を、相固定の直流電流を通電するための電源回路に兼用しているので、回路の製造コストを抑えることができる。
[請求項の発明]
請求項の構成によれば、バッテリの出力電圧が低下している状態で、交流モータへの相固定の直流電流の通電が禁止され、バッテリの消耗を抑えることができる。
[請求項の発明]
請求項の構成によれば、アクチュエータの温度が高くなるに従って相固定の直流電流の電流値が下がるように制御するので、アクチュエータの温度を好適な温度にスムーズに収束させることができる。
[第1実施形態]
以下、本発明に係る一実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。図1に示すように、車両10のうち1対の転舵輪11,11(一般には前輪)の間にはラック12が差し渡され、そのラック12の両端部がタイロッド13,13を介して各転舵輪11,11に連結されている。また、ラック12は、車両本体14に固定されたラックケース12Cに直動可能に収容され、そのラックケース12Cの中間部に備えたピニオン15と噛合している。
ピニオン15とハンドル16とは、ステアリングシャフト17によって連結されている。そのステアリングシャフト17は、ハンドル16側の第1ステアリングシャフト18と、ピニオン15側の第2ステアリングシャフト19とからなる。そして、それら第1と第2のステアリングシャフト18,19の間に本発明に係るアクチュエータ20が取り付けられている。なお、本実施形態ではステアリングシャフト17を主要部として本発明に係る「トルク伝達系」が構成されている。また、アクチュエータ20は、図示しないエンジンルームと運転席とを区画するコラム14Cより運転席側に配置されている。
図2には、アクチュエータ20の詳細構造が示されている。同図に示すように、アクチュエータ20は、第1ステアリングシャフト18に一体回転可能に固定された円筒ハウジング21を有し、その内部に交流モータ25と差動減速機30とを備えている。また、円筒ハウジング21の上端部には、円環状のケーブルケース22が設けられ、その内部には渦巻き状に巻回されたスパイラルケーブル23が収容されている。ケーブルケース22は、ボビン22Aの周りを筒状カバー22Bで囲んだ構造をなし、ボビン22Aが円筒ハウジング21に固定されている一方、筒状カバー22Bが車両本体側に固定されている。そして、スパイラルケーブル23の一端が端子金具23Tを介して交流モータ25に接続され、他端がケーブルケース22の外周面に備えた図示しないコネクタを介して操舵制御装置40(図1参照)に接続されている。本実施形態では、これら操舵制御装置40とアクチュエータ20とから本発明に係る伝達比可変操舵装置80(図1参照)が構成されている。
図2に示すように、交流モータ25のステータ25Sは、円筒ハウジング21に固定され、その下方に差動減速機30が配置されている。差動減速機30は、一般に「波動歯車減速機」と呼ばれており、円環形状をなした第1と第2の内歯歯車31,32を同軸上に隣り合わせにして備えると共に、それの内側に可撓性が高い材料で円筒状に形成された外歯歯車構造33を有している。また、第1の内歯歯車31の内歯は、外歯歯車33の外歯と同数になっており、第2の内歯歯車32の内歯は、外歯歯車33の外歯より1又は2つだけ少なくなっている。そして、第1の内歯歯車31が、ステータ25Sの下端面に隣接配置されて円筒ハウジング21の内周面に圧入固定される一方、第2の内歯歯車32が、第1の内歯歯車31の下方に配置されて、円筒ハウジング21の内周面に設けたメタル軸受32Jに回転可能にて軸支されている。
外歯歯車33内側には、図3に示すように、可撓性ベアリング34が嵌合され、その内側には楕円形剛性カム35が嵌合されている。その楕円形剛性カム35によって可撓性ベアリング34と共に外歯歯車33が楕円形状に変形され、その楕円の長軸線上における2箇所で外歯歯車33の外歯と、第1及び第2の両内歯歯車31,32の内歯とが噛合している。そして、楕円形剛性カム35が交流モータ25によって回転駆動されることで、第2の内歯歯車32が第1の内歯歯車31に対して歯数の相違分だけ差動し、出力シャフト24が円筒ハウジング21に対して差動回転(相対回転)する。
差動減速機30のうち図3に示した外歯歯車33と両内歯歯車31,32との噛合部分と可撓性ベアリング34とには、それぞれ潤滑剤37が塗布されている。これら潤滑剤37は、熱可塑性を有し、温度が低下するに従って粘度が増す。そこで、本実施形態では、車両10の走行中におけるアクチュエータ20の温度を一定の変動幅を設けて想定し、その想定温度内において、潤滑剤37の粘性抵抗によりアクチュエータ20の振動を防止することができ、潤滑剤37の粘性抵抗による交流モータ25への負荷が一定値以下に抑えられる好適な粘度の潤滑剤37が選定されている。これによりアクチュエータ20の静粛性向上を図っている。
図2に示すように、交流モータ25の上端部には、ロータ25Rの回転位置を検出するための回転位置センサ29が備えられている。なお、本実施形態の回転位置センサ29は、ホール素子で構成され、ロータ25Rに固定された後述する永久磁石26の磁束をホール素子で検出してロータ25Rの回転位置を検出している。
また、ロータ25Rは、ステータ25Sの上端面から上方に突出しており、その突出部分にはロック円盤38が一体回転可能に固定されている。そして、図5に示すように、交流モータ25の上端面の縁部から起立した支柱39Aにロックアーム39Bが回動可能に軸支され、これらロック円盤38とロックアーム39Bとからモータロック機構38Rが構成されている。ロックアーム39Bは、トーションバネ39Cによってロック円盤38に係合するように付勢され、これによりモータロック機構38Rが交流モータ25を回転不能にロックしたロック状態になる。また、交流モータ25の上面に備えたソレノイド41の励磁によりロックアーム39Bがロック円盤38のから離脱し、モータロック機構38Rがロックを解除したリリース状態になる。そのソレノイド41は、車両10のイグニッションスイッチ(図示せず)がオンされたときに励磁される。即ち、イグニッションスイッチをオンした後は、モータロック機構38Rがリリース状態に保持される。
図4には交流モータ25の断面形状が示されている。同図に示すように、交流モータ25におけるロータ25Rの外周面には、複数の永久磁石26が固定して備えられ、周方向にN極とS極とが交互に繰り返された8極構造になっている。また、交流モータ25に備えた巻線25Mは、図6に示すように、U相巻線25UとV相巻線25VとW相巻線25Wとをスター結線してなる。また、そのU相巻線25Uは、1対の正磁極用のコイル28U,28Uと、1つの逆磁極用のコイル28uとを直列接続してなり、V相巻線25Vは、1対の正磁極用のコイル28V,28Vと、1つの逆磁極用のコイル28vとを直列接続してなり、さらにW相巻線25Wは、1対の正磁極用のコイル28W,28Wと、1つの逆磁極用のコイル28wとを直列接続してなる。そして、巻線25M全体で例えば9つのコイルが備えられ、各コイルが図4に示すようにステータ25Sに備えた例えば9つの各ティース27に巻回されている。具体的には、各コイルは、図4における時計回り方向に、例えば、コイル28V,28v,28U,28W,28w,28V,28U,28u,28Wの順番に配置されている。
なお、上記した正磁極用のコイル28U,28V,28Wと逆磁極用のコイル28u,28v,28wとは、ティース27に対する巻回方向が互いに逆になっており、互いに反転した極性を有している。
図6に示すように、操舵制御装置40は、インバータ回路43とモータ制御回路44を備えている。そのインバータ回路43は、バッテリ92に接続された昇圧回路93の正極と負極(GND)との間に、U、V、Wの相回路43U,43V,43Wを備えた三相ブリッジ回路である。そのU相回路43Uには、昇圧回路93の正極側から順番に、上段側のスイッチUH、下段側のスイッチUL、シャント抵抗Ruが直列接続され、それら両スイッチUH,ULの共通接続部分に交流モータ25におけるU相巻線25Uの末端が接続されている。これと同様に、V相回路43Vには、上段側のスイッチVH、下段側のスイッチVL及びシャント抵抗Rvが直列接続されると共に交流モータ25のV相巻線25Vの末端が接続され、W相回路43Wには、上段側のスイッチWH、下段側のスイッチWL及びシャント抵抗Rwが直列接続されると共に交流モータ25のW相巻線25Wの末端が接続されている。また、スイッチ群UH,UL,VH,・・・は、例えば、Nチャンネル型のMOSFETで構成され、それらMOSFETのゲート端子がモータ制御回路44に接続されている。
モータ制御回路44は、CPU44A、ROM44B及びRAM44Cを備えている。そして、CPU44AがROM44Bに記憶されたモータ制御プログラム(図示せず)を実行することで、モータ制御回路44には図7のブロック線図で示した制御系が構成されている。そして、その制御系の構成要素のうち電流指令値決定部49が、車両10に備えた車速センサ90及び舵角センサ91の検出結果(操舵角θ1、車速V)に基づいて交流モータ25に対する電流指令値を決定する。
具体的には、電流指令値決定部49は、車速Vに応じて図示しないマップから所定の伝達比Rを取得する。そして、ハンドル16からステアリングシャフト17の一端側(第1ステアリングシャフト18)に付与された操舵角θ1が、ステアリングシャフト17の他端側(第2ステアリングシャフト19)では、伝達比Rを乗じた操舵角θ2になって伝達されるように交流モータ25の目標回転位置を決定する。そして、交流モータ25の実際の回転位置と目標回転位置との偏差に応じた駆動電流を交流モータ25に流すための電流指令値を、ベクトル制御方法におけるq軸電流指令値Iq1*として演算する。
ここで、上記マップは、車速が低くなるに従って伝達比Rが大きくなるように設定されている。即ち、車速が比較的低い場合(低速走行時)には、比較的大きな伝達比Rが採用される。これにより、僅かなハンドル16の操作によって車両の旋回をさせることができるようになり、車庫入れ等が容易になる。一方、車速が比較的高い場合(高速走行時)には、比較的小さな伝達比Rが採用され、これにより急ハンドル(急旋回)が防がれ、安定した走行が可能になる。
電流指令値決定部49から出力されたq軸電流指令値Iq1*は、後述するようにフィードバックされたq軸電流検出値Iq2と共にq軸用のPI制御器45qに取り込まれる。また、d軸電流指令値Id1*は「0」に設定されており、そのd軸電流指令値Id1*(=0)は、同じく後述するようにフィードバックされたd軸電流検出値Id2と共にd軸用のPI制御器45dに取り込まれる。そして、それらq軸用及びd軸用の各PI制御器45q,45dは、それぞれPI制御を行ってq軸とd軸の指令電圧Vq1*,Vd1*を演算する。すると、2−3相変換器(d−q逆変換器)46が、それらq軸とd軸の指令電圧Vq1*,Vd1*をd−q逆変換して三相交流指令値Vu1*,Vv1*,Vw1*を演算する。
そして、PWM制御部47が、三相交流指令値Vu1*,Vv1*,Vw1*に基づいて、三相の交流電流Iu,Iv,IwをPWM制御する。具体的には、PWM制御部47は、図8に示すように、三相交流指令値Vu1*,Vv1*,Vw1*と所定の三角波Kとの交点からスイッチUH,UL,VH,・・・のオンオフするためのPWM指令値PWMu,PWMv,PWMwを生成してインバータ回路43のスイッチUH,UL,VH,・・・に付与する。これにより、インバータ回路43から交流モータ25へと三相の交流電流Iu,Iv,Iwが出力される。
また、シャント抵抗Ru,Rv,Rw(図6参照)で検出した交流電流Iu2,Iv2,Iw2の電流値、図7に示すように、3−2相変換器(d−q変換器)48に取り込まれてq軸電流検出値Iq2,d軸電流検出値Id2にd−q変換されている。そして、前記したq軸用のPI制御器45qにq軸電流検出値Iq2がフィードバックされ、d軸用のPI制御器45dにd軸電流検出値Id2がフィードバックされている。
なお、交流モータ25の回転位置センサ29が検出したロータの回転位置θrmは、3−2相変換器48及び2−3相変換器46におけるd−q変換及びd−q逆変換に用いられている。
本実施形態では、上述した車速V、操舵角θ1からPWM指令値PWMu,PWMv,PWMwを生成してインバータ回路43に付与するまでの一連の制御系が本発明に係る指令値決定部50Aに相当する。即ち、電流指令値決定部49,2−3相変換器46,PWM制御部47等によって指令値決定部50Aが構成されている。
モータ制御回路44のCPU44A(図6参照)が実行する前記モータ制御プログラムには、イグニッションスイッチ(図示せず)をオンした直後にのみ実行される加熱処理プログラムPG1(図9参照)が含められている。そして、加熱処理プログラムPG1が実行されることで、モータ制御回路44の制御系に本発明に係る相固定通電制御部50B(図7参照)が備えられている。
具体的には、図9に示すように、加熱処理プログラムPG1を実行すると、温度センサ95にて検出したアクチュエータ20内の温度Ta(以下、「アクチュエータ内温度Ta」という)をCPU44A(図6参照)が取得する(S1)。そして、そのアクチュエータ内温度Taが、予め定められた下限基準温度T1以下であるか否かを判別する(S2)。ここで、アクチュエータ内温度Taが下限基準温度T1以下でなかった場合には(S2:NO)、この加熱処理プログラムPG1を抜ける。一方、アクチュエータ内温度Taが下限基準温度T1以下であった場合には(S2:YES)、交流モータ25を回転駆動するための駆動指令であるPWM指令値PWMu,PWMv,PWMwが、指令値決定部50Aからインバータ回路43に出力されいるか否かを判別する。
具体的には、駆動指令(PWM指令値PWMu,PWMv,PWMw)の出力の有無を、例えば、前記したq軸電流指令値Iq1*が「0」であるか否かによって間接的に判別している。ここで、q軸電流指令値Iq1*が「0」でなければ、駆動指令が出力されていると判断し(S3:YES)、加熱処理プログラムPG1を終了する。そして、q軸電流指令値Iq1*に基づいて交流モータ25を駆動し、上記したように運転状況に応じて伝達比Rを変更する、所謂、伝達比可変制御を実行する。
一方、q軸電流指令値Iq1*が「0」であれば、駆動指令が出力されていないと判断し(S3:YES)、相固定通電処理(S4)を行う。この相固定通電処理(S4)では、図6に示したインバータ回路43のスイッチ群UH,UL,VH,・・・のうち、U相回路43Uの上段側のスイッチUHとV相回路43Vの下段側のスイッチVLのみをオンし、それ以外のスイッチUL,VH,WH,WLを全てオフする制御信号をモータ制御回路44からインバータ回路43に付与する。
これにより、交流モータ25の巻線25MのうちU相巻線25UとV相巻線25Vに相を固定して直流電流Ixが通電される。そして、その直流電流Ixの通電中の電気抵抗及び磁気抵抗により、巻線25Mが発熱してアクチュエータ20の温度が上昇する。直流電流Ixの通電は、アクチュエータ内温度Taが予め定められた上限基準温度T2以上になるまで継続され(S6のNOのループ)、アクチュエータ内温度Taが上限基準温度T2以上になったら停止され、この加熱処理プログラムPG1を終了する(S6:YES)。
なお、上述したように加熱処理プログラムPG1(図9参照)の実行により本発明に係る相固定通電制御部50B(図7参照)が構成され、その相固定通電制御部50Bのうち状態判別部51は、加熱処理プログラムPG1における上記ステップS2,S3,S6の実行により構成され、相固定指令部52は、ステップS4の実行により構成される。
本実施形態の伝達比可変操舵装置80の構成に関する説明は以上である。次に、本実施形態の作用効果について説明する。車両10のイグニッションスイッチをオフした状態で時間が経過すると、車両10全体の温度が外気と同じ温度に近づいていく。特に冬季や夜明け前のように温度が低下する状況下では、その低温化に伴ってアクチュエータ20内の潤滑剤37の粘性が高くなる。そして、アクチュエータ内温度Taが下限基準温度T1以下まで低下すると、車両10を回転駆動した際の負荷が問題になり得る。
このような場合、イグニッションスイッチをオンした直後に、ハンドル16が操舵されていなければ、相固定通電処理(S4)が実行され、図6に示したインバータ回路43の一部のスイッチUH,VLがオン状態に固定する一方、残りのスイッチがオフ状態に固定され、交流モータ25におけるU相巻線25UとV相巻線25Vとに直流電流Ixが通電される。そして、その通電中の電気抵抗及び磁気抵抗により、巻線25Mが発熱してアクチュエータ内温度Taが上昇する。これにより、潤滑剤37の粘性抵抗が低減されて、交流モータ25を回転駆動した際の負荷が抑えられる。また、アクチュエータ内温度Taが上限基準温度T2以上になったときには、相固定の直流電流Ixの通電が停止され、過剰に潤滑剤37が加熱されることが防がれる。
さらに、相固定の直流電流Ixの通電中にハンドル16が操舵されたときには、その直流電流Ixの通電が中止され、交流モータ25に交流電流Iu,Iv,Iwが通電されて回転駆動され、アクチュエータ20が作動する。即ち、潤滑剤37の粘性抵抗を低減するための処理(S4)より、操舵を補助するための通常の処理、即ち、伝達比可変制御が優先して行われ、快適な操舵フィーリングを提供することができる。また、伝達比可変制御のための交流電流Iu,Iv,Iwの通電している間も交流モータ25は発熱するので、やがてアクチュエータ内温度Taは下限基準温度T1以上になり、潤滑剤37の粘性抵抗が低減する。
さて、相固定通電処理(S4)の実行中は、交流モータ25におけるU相巻線25UとV相巻線25Vとに相を固定した、所謂、相固定の直流電流Ixが通電されるので、その通電中は交流モータ25のステータ25Sとロータ25Rとの間に生成される磁路J(図4の破線参照)が変化せず、交流モータ25は回転不能にロックされる。そして、ステアリングシャフト17の両端部間における伝達比が「1」に固定される。従って、例えば、相固定の直流電流Ixの通電中にハンドル16が操舵され、交流モータ25の回転駆動の制御が遅れたとしても、ハンドル16から転舵輪11,11へと操舵トルクが確実に伝達され、ハンドル16に対する転舵輪11,11の追従遅れを防ぐことができる。
このように、本実施形態の伝達比可変操舵装置80では、交流モータ25を熱源として使用する際に相固定の直流電流Ixを通電するので、駆動源としての使用に切り替える際の転舵輪11,11の追従遅れを防ぐことができ、操舵フィーリングを従来より向上させることが可能になる。ここで、本実施形態では、何れか1つの相巻線に相固定の直流電流を通電しても交流モータ25を回転不能にロックすることができるが、本実施形態では、U相及びV相の2つの相巻線25U,25Vに通電する構成になっているので、1つの相巻線に通電する場合より、スイッチ素子(図6のUH,UL,VH,・・・)の負荷が分散され、スイッチ素子の劣化を抑えることができる。さらに、相固定の直流電流Ixの通電中は、モータロック機構38Rがリリース状態に保持されているので、相固定の直流電流Ixを通電した状態から交流モータ25を回転駆動させる通常の伝達比可変制御に迅速に切り替えることができる。しかも、交流モータ25に交流回路を通電するためのインバータ回路43を直流電流Ixの通電するための電源回路に兼用しているので、回路の製造コストを抑えることができる。
[第2実施形態]
本実施形態は、図10に示されており、相固定通電処理(S4)と併せてモータロック処理(S10)が実行される点のみが前記第1実施形態と異なる。そのモータロック処理(S10)では、イグニッションスイッチのオンによりリリース状態になっているモータロック機構38Rをロック状態に保持する。具体的には、ソレノイド41を消磁する。本実施形態の構成に関する説明は以上である。
本実施形態の構成によれば、交流モータ25に相固定の直流電流Ixの通電中は、交流モータ25がロック状態に保持されるので、その通電中にハンドル16が操作されて伝達比可変制御が遅れた場合に、操舵トルクの伝達をより一層確実に行うことができる。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記第1実施形態では、アクチュエータ内温度Taが下限基準温度T1以下であることと、交流モータ25を回転駆動するための駆動指令が出力されていないことの2つの条件が成立したときに相固定通電処理(S4)を実行していたが、例えば、バッテリ92の出力電圧が予め設定した下限電圧より高いことを相固定通電処理(S4)の実行条件に加えてもよい。これにより、バッテリ92の消耗を抑えることができる。
(2)また、アクチュエータ内温度Taと相固定の直流電流Ixの電流値とを対応させて記憶したマップを設けておき、アクチュエータ内温度Taに応じてマップから相固定の直流電流Ixの電流値を決定し、アクチュエータ内温度Taが高くなるに従って直流電流Ixの電流値を下げるように制御してもよい。そうようにすれば、アクチュエータの温度を潤滑剤37の粘性抵抗が好適になる温度にスムーズに収束させることができる。
(3)前記実施形態では、イグニッションスイッチのオン直後にのみ、相固定通電処理(S4)を実行するか否かを判別していたが、走行中は継続して相固定通電処理(S4)を実行するか否かを判別して、実行条件が成立したときに相固定通電処理(S4)を実行する構成にしてもよい。
(4)前記実施形態では、本発明に係るq軸電流指令値Iq1*が「0」であるか否かに基づいて、交流モータ25を回転駆動するための駆動指令が出力されているか否かを間接的に判別していたが、三相交流指令値Vu1*,Vv1*,Vw1*が「0」であるか否かに基づいて判別してもよいし、或いは、PWM指令値PWMu,PWMv,PWMwが出力されているか否かに基づいて判別してもよい。さらには、ハンドル16が操舵さているか否かに基づいて、交流モータ25を回転駆動するための駆動指令が出力されているか否かを間接的に判別してもよい。
本発明の第1実施形態に伝達比可変操舵装置の概念図 アクチュエータの断面図 アクチュエータの部分拡大断面図 交流モータの断面図 交流モータの上面図 操舵制御装置の概念図 伝達比可変操舵装置の制御系のブロック図 PWM制御におけるオンオフ信号を生成する処理の概念図 加熱処理プログラムのフローチャート 第2実施形態における加熱処理プログラムのフローチャート 従来の操舵装置の概念図 従来の伝達比可変操舵装置の概念図
符号の説明
10 車両
11 転舵輪
16 ハンドル
17 ステアリングシャフト(トルク伝達系)
20 アクチュエータ
25 交流モータ
25U,25V,25W 相巻線
29 回転位置センサ
30 差動減速機
40 操舵制御装置
43 インバータ回路
44 モータ制御回路
50A 指令値決定部
50B 相固定通電制御部
80 伝達比可変操舵装置
92 バッテリ
95 温度センサ(温度検出手段)
Iu,Iv,Iw 交流電流
Ix 相固定の直流電流
PG1 加熱処理プログラム
T1 下限基準温度
T2 上限基準温度
Ta アクチュエータ内温度

Claims (7)

  1. 車両のハンドルから転舵輪へと操舵トルクを伝達するトルク伝達系の一部として設けられると共に交流モータを駆動源として有し、その交流モータの回転出力により前記トルク伝達系の両端部間を差動回転させて前記トルク伝達系の両端部間における操舵角の伝達比を変更可能なアクチュエータと、
    運転状況に応じて前記伝達比が変更されるように前記交流モータを回転駆動するための駆動指令値を生成して出力する指令値決定部と、
    前記駆動指令値に応じた交流電流を前記交流モータに付与するためのモータ駆動回路とを備えた伝達比可変操舵装置において、
    前記アクチュエータを潤滑する潤滑剤と、
    前記アクチュエータの温度を検出するための温度検出手段と、
    前記アクチュエータの温度が予め定められた下限基準温度より低く、かつ、前記駆動指令値が前記指令値決定部から出力されていないこととを条件にして、前記交流モータの巻線に相固定の直流電流を通電して発熱させることで前記潤滑剤の粘性抵抗を低減させる相固定通電制御部と
    前記交流モータのロータを機械的にロックしたロック状態とそのロックを解除したリリース状態と切り替え可能なモータロック機構とを備え、
    前記相固定通電制御部は、前記相固定の直流電流の通電中は、前記モータロック機構をロック状態に保持することを特徴とする伝達比可変操舵装置。
  2. 車両のハンドルから転舵輪へと操舵トルクを伝達するトルク伝達系の一部として設けられると共に交流モータを駆動源として有し、その交流モータの回転出力により前記トルク伝達系の両端部間を差動回転させて前記トルク伝達系の両端部間における操舵角の伝達比を変更可能なアクチュエータと、
    運転状況に応じて前記伝達比が変更されるように前記交流モータを回転駆動するための駆動指令値を生成して出力する指令値決定部と、
    前記駆動指令値に応じた交流電流を前記交流モータに付与するためのモータ駆動回路とを備えた伝達比可変操舵装置において、
    前記アクチュエータを潤滑する潤滑剤と、
    前記アクチュエータの温度を検出するための温度検出手段と、
    前記アクチュエータの温度が予め定められた下限基準温度より低く、かつ、前記駆動指令値が前記指令値決定部から出力されていないこととを条件にして、前記交流モータの巻線に相固定の直流電流を通電して発熱させることで前記潤滑剤の粘性抵抗を低減させる相固定通電制御部と、
    前記交流モータのロータを機械的にロックしたロック状態とそのロックを解除したリリース状態と切り替え可能なモータロック機構とを備え、
    前記相固定通電制御部は、前記相固定の直流電流の通電中は、前記モータロック機構をリリース状態に保持することを特徴とする伝達比可変操舵装置。
  3. 前記相固定通電制御部は、前記相固定の直流電流の通電開始後に、前記アクチュエータの温度が予め定められた上限基準温度より高くなったときに、前記相固定の直流電流の通電を停止することを特徴とする請求項1又は2に記載の伝達比可変操舵装置。
  4. 前記交流モータは、三相交流モータであり、
    前記相固定通電制御部は、前記三相交流モータのうち何れか2つの相巻線のみに前記相固定の直流電流を通電することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の伝達比可変操舵装置。
  5. 前記モータ駆動回路は、複数のスイッチ素子をブリッジ接続してなり、前記車両のバッテリから受電して交流電流を生成可能なインバータ回路であり、
    前記相固定通電制御部は、前記複数のスイッチ素子のうち一部のスイッチ素子をオン状態に保持する一方、残りのスイッチ素子をオフ状態に保持して前記相固定の直流電流を前記交流モータに通電することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の伝達比可変操舵装置。
  6. 前記相固定通電制御部は、前記バッテリの出力電圧が予め定められた下限電圧以下になった場合に、前記相固定の直流電流の通電を禁止することを特徴とする請求項5に記載の伝達比可変操舵装置。
  7. 前記相固定通電制御部は、前記アクチュエータの温度が高くなるに従って前記相固定の直流電流の電流値が下がるように前記相固定の直流電流を制御することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の伝達比可変操舵装置。
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