JP2022108316A - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】多相モータと二相モータとを駆動する回路を共用したモータ制御装置を提供する。【解決手段】モータ制御装置10は、第1の回路68と、第2の回路67と、制御部400とを備える。第1の回路68は、二組の三相以上の多相巻線組801、802を有する多相モータ800に通電する二系統の電力変換回路である。第2の回路67は、第1の回路68と同一の筐体600内に設けられ、互いに独立した二相の巻線714、724を有する二相モータ700に通電する電力変換回路である。制御部400は、第1の回路68及び第2の回路67を操作し、多相モータ800及び二相モータ700の動作を共通に制御する。【選択図】図4

Description

本発明は、モータ制御装置に関する。
従来、多相モータと直流モータとを駆動する回路を共用したモータ制御装置が知られている。
例えば特許文献1に開示されたモータ制御装置は、一つの三相インバータ駆動回路により、三相交流モータと二つの直流モータとを駆動する。具体的にこのモータ制御装置は車両のステアリング装置に適用され、電動パワーステアリング(EPS)用三相モータと、運転席周辺で使用される直流モータとを駆動する。三相モータ及び直流モータの電力変換器を共用することで、電力変換器の小型化を図っている。
特許第5614588号公報
正確な位置決めが要求されるアクチュエータにおいて二相ステッピングモータモータが用いられる場合がある。例えば車両の運転席周辺では、二相ステッピングモータはヘッドアップディスプレイ等の作動に用いられる可能性がある。独立した回路で二相ステッピングモータを駆動する場合、各相にHブリッジ回路を接続する必要があるためスイッチング素子数が多く必要となる。さらに専用のマイコンや雑防素子を設ける必要がある。ステッピングモータに限らず二相モータの駆動に関し、特許文献1には何ら言及されていない。
本発明はこのような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、多相モータと二相モータとを駆動する回路を共用したモータ制御装置を提供することにある。
本発明のモータ制御装置は、第1の回路(68)と、第2の回路(67)と、制御部(400)とを備える。第1の回路は、二組の三相以上の多相巻線組(801、802)を有する多相モータ(800)に通電する二系統の電力変換回路である。第2の回路は、第1の回路と同一の筐体(600)内に設けられ、互いに独立した二相の巻線(714、724)を有する一台以上の二相モータ(700)に通電する電力変換回路である。
制御部は、第1の回路及び第2の回路を操作し、多相モータ及び二相モータの動作を共通に制御する。よって本発明のモータ制御装置では、多相モータと二相モータとを駆動する回路が共用される。
また本発明のモータ制御装置は、二相モータおよび多相モータに電圧を印加し、電流を通電する。好ましくは、第2の回路における二相の回路は、第1の回路における各系統の回路にそれぞれ接続されている。二相モータは、例えば二相ステッピングモータである。
直列接続された一組の高電位側及び低電位側スイッチング素子をレッグとする。さらに好ましくは、第2の回路における各相の回路は、第1の回路を構成する各系統のインバータに追加された、二相モータ一台につき一つのレッグにより構成されている。
つまり制御部は、各系統のインバータの駆動と共に、追加されたレッグのスイッチング素子をオンオフすることで、二相モータを駆動することができる。これにより二相モータを駆動するためのスイッチング素子数を半減することができる。また、マイコンや雑防素子を多相モータ用の第1の回路と共用することで、二相モータの専用部品が不要となる。
本実施形態のモータ制御装置が適用されるコラムタイプEPSシステムの図。 本実施形態のモータ制御装置が適用されるラックタイプEPSシステムの図。 本実施形態のモータ制御装置が適用されるSBWシステムの図。 本実施形態による第1の回路及び第2の回路の構成図。 三相二重巻線回転機の構成を示す模式図。 第1実施形態の制御アルゴリズムを示すブロック図。 二相ステッピングモータ停止時の操作後三相電圧指令を示す波形図。 二相ステッピングモータ駆動時の操作後三相電圧指令を示す波形図。 第2実施形態の制御アルゴリズムを示すブロック図。 第2実施形態による二相電流値の推定原理として、三相モータ第1系統の接続相の相電流にA相電流が重畳することを説明する回路図。 第2実施形態による二相電流推定の構成を示す図。 第2実施形態によるA相電流の推定を説明する波形図。
以下、本発明によるモータ制御装置の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。各実施形態のモータ制御装置は、車両の電動パワーステアリングシステム(以下「EPSシステム」)又はステアバイワイヤシステム(以下「SBWシステム」)に適用され、EPS-ECU又はSBW-ECUとして機能する。以下、EPS-ECU又はSBW-ECUをまとめて「ECU」と表す。また、後述の各実施形態を包括して「本実施形態」という。複数の実施形態において実質的に同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
[システム構成]
最初に図1~図3を参照し、「モータ制御装置」としてのECUが適用されるシステムの構成について説明する。図1、図2には、操舵機構と転舵機構とが機械的に接続されたEPSシステム901を示す。そのうち、図1にはコラムタイプ、図2にはラックタイプのEPSシステム901を示す。区別する場合、コラムタイプのEPSシステムの符号を901C、ラックタイプのEPSシステムの符号を901Rと記す。図3には、操舵機構と転舵機構とが機械的に分離したSBWシステム902を示す。図1~図3において車輪99は片側のみを図示し、反対側の車輪の図示を省略する。
EPSシステム901及びSBWシステム902は共通に、「多相モータ」としての三相モータ800、及び二相ステッピングモータ700を備える。EPSシステム901における三相モータ800は、ドライバの操舵をアシストする操舵アシストモータであり、SBWシステム902における三相モータ800は、ドライバの操舵に対する反力を付与する反力モータである。二相ステッピングモータ700は、例えばフロントガラスに情報を映し出すヘッドアップディスプレイを高精度に作動させるモータとして用いられる。
図1、図2に示すように、EPSシステム901は、ステアリングホイール91、ステアリングシャフト92、インターミディエイトシャフト95、ステアリングラック97等を含む。ステアリングシャフト92はステアリングコラム93に内包されており、一端にステアリングホイール91が接続され、他端にインターミディエイトシャフト95が接続されている。二相ステッピングモータ700は、例えばステアリングコラム93の内部に設けられている。
インターミディエイトシャフト95のステアリングホイール91と反対側の端部には、ラックアンドピニオン機構により回転を往復運動に変換して伝達するステアリングラック97が設けられている。ステアリングラック97が往復すると、タイロッド98及びナックルアーム985を介して車輪99が転舵される。また、インターミディエイトシャフト95の途中にはユニバーサルジョイント961、962が設けられている。
図1に示すコラムタイプのEPSシステム901Cでは、三相モータ800はステアリングコラム93に配置される。三相モータ800の出力トルクは、ステアリングシャフト92に伝達される。トルクセンサ94は、ステアリングシャフト92の途中に設けられ、トーションバーの捩れ変位に基づきトルクを検出し、トルクセンサ値T_snsを出力する。
図2に示すラックタイプのEPSシステム901Rでは、三相モータ800はステアリングラック97に配置される。三相モータ800の出力トルクによりステアリングラック97の往復運動がアシストされる。トルクセンサ94は、ステアリングラック97に伝達されるトルクを検出し、トルクセンサ値T_snsを出力する。
ECU10は、車両スイッチ11のON/OFF信号等により起動する。なお、車両スイッチ11は、エンジン車、ハイブリッド車、電気自動車のイグニッションスイッチやプッシュスイッチに相当する。ECU10への各信号は、CANやシリアル通信等を用いて通信されるか、アナログ電圧信号で送られる。また本実施形態では、ヘッドアップディスプレイの作動スイッチが車両スイッチ11に含まれると考えてもよい。
続いて図3に示すように、操舵機構と転舵機構とが機械的に分離されたSBWシステム902では、EPSシステム901に対し、インターミディエイトシャフト95が存在しない。ドライバの操舵トルクあるいはステアリングホイール91の角度などのドライバ入力情報が、ECU10を経由して電気的に転舵モータ890に伝達される。転舵モータ890の回転は、ステアリングラック97の往復運動に変換され、タイロッド98及びナックルアーム985を介して車輪99が転舵される。なお、図3には図示を省略するが、ドライバのステアリングホイール入力に対して転舵モータ890を駆動する転舵モータECUが存在する。
また、SBWシステム902では、ドライバは操舵に対する反力を直接感知することができない。そこで、ECU10は、反力モータである三相モータ800の駆動を制御し、操舵に対する反力を付与するようにステアリングホイール91を回転させ、ドライバに適切な操舵フィーリングを与える。以下、ECU10の説明において、EPSシステム901とSBWシステム902との違いは無い。
制御部400は、二組の三相巻線組を有する三相モータ800、及び二相ステッピングモータ700に電圧を印加し、電流を通電する。以下、三相モータ800において三相巻線組と当該巻線組に対応する三相インバータとを含む単位を「系統」という。第1の回路68は、三相モータ800に通電する電力変換回路であり、二系統の三相インバータ681、682を含む。第2の回路67は、二相ステッピングモータ700に通電する電力変換回路であり、A相レッグ671及びB相レッグ672を含む。以下、「レッグ」とは、直列接続された一組の高電位側及び低電位側スイッチング素子を意味する。
制御部400は、マイコン、駆動回路等で構成され、図示しないCPU、ROM、RAM、I/O、及び、これらの構成を接続するバスライン等を備え、ROM等の実体的なメモリ装置(すなわち、読み出し可能非一時的有形記録媒体)に予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理や、専用の電子回路によるハードウェア処理による制御を実行する。
制御部400は、第1の回路68及び第2の回路67を操作し、三相モータ800及び二相ステッピングモータ700の動作を共通に制御する。制御部400は、トルクセンサ94が検出したトルクセンサ値T_snsや車速センサ14が検出した車速Vに基づいて第1の回路68を操作し、三相モータ800の動作を制御する。また制御部400は、第2の回路67を操作し、二相ステッピングモータ700の動作を制御する。
[第1の回路及び第2の回路の構成]
続いて図4を参照し、第1の回路68及び第2の回路67の構成について説明する。第1の回路68及び第2の回路67は、制御部400と共に同一の筐体600内に設けられている。これにより、ECU10を小型化し、ハーネスやコネクタ等の配線部品を減らすことができる。また、第2の回路67におけるA相及びB相の各相の回路は、第1の回路68を構成する各系統のインバータ681、682に追加された一つのレッグ671、672により構成される。
第1の回路68の駆動対象である三相モータ800は二組の三相巻線組801、802を有する。第1系統の三相巻線組801は、U1相、V1相、W1相の巻線811、812、813が中性点N1で接続されて構成されている。第1系統の三相巻線組801の各相の巻線811、812、813には、第1系統の三相インバータ681から電圧が印加される。
第2系統の三相巻線組802は、U2相、V2相、W2相の巻線821、822、823が中性点N2で接続されて構成されている。第2系統の三相巻線組802の各相の巻線821、822、823には、第2系統の三相インバータ682から電圧が印加される。以下、「第1系統の三相巻線組801」及び「第2系統の三相巻線組802」を省略して「第1三相巻線組801」及び「第2三相巻線組802」とも記す。
図5に示すように、二系統構成の三相モータ800は、二組の三相巻線組801、802が同軸に設けられた二重巻線回転機をなしている。二組の三相巻線組801、802は電気的特性が同等であり、例えば共通のステータに、互いに電気角30[deg]ずらして配置されている。その場合、第1系統及び第2系統の各相に発生する逆起電圧は、電圧振幅A、回転数ω、位相θに基づき、例えば式(1.1)~(1.3)、(2.1a)~(2.3a)により表される。後述の箇所では、位相θは電気角θとも言い換えられる。
Eu1=-Aωsinθ ・・・(1.1)
Ev1=-Aωsin(θ-120) ・・・(1.2)
Ew1=-Aωsin(θ+120) ・・・(1.3)
Eu2=-Aωsin(θ+30) ・・・(2.1a)
Ev2=-Aωsin(θ-90) ・・・(2.2a)
Ew2=-Aωsin(θ+150) ・・・(2.3a)
なお、二系統の位相関係を逆にした場合、例えばU2相の位相(θ+30)は(θ-30)となる。その場合、第2系統の各相に発生する逆起電圧は、式(2.1a)~(2.3a)に代えて式(2.1b)~(2.3b)で表される。さらに、30[deg]と等価な位相差は、一般化して(30±60×k)[deg](kは整数)と表される。或いは第2系統が第1系統と同位相に配置されてもよい。
Eu2=-Aωsin(θ-30) ・・・(2.1b)
Ev2=-Aωsin(θ+90) ・・・(2.2b)
Ew2=-Aωsin(θ-150) ・・・(2.3b)
図4には、第2の回路67の駆動対象である二相ステッピングモータ700が一台の場合の構成を示す。二相ステッピングモータ700は、互いに独立したA相巻線714及びB相巻線724の二相の巻線を有する。A相巻線714及びB相巻線724に電圧パルスが交互に印加されて直流電流が通電され、それに応じてロータが一定角度ずつ回転する。
A相巻線714に通電される直流電流をA相電流Idc1と記し、B相巻線724に通電される直流電流をB相電流Idc2と記す。また、A相巻線714の両端子Tj1、Tm1間の電圧をVx1と記し、B相巻線724の両端子Tj2、Tm2間の電圧をVx2と記す。
第1の回路68は、二系統の三相インバータ681、682により構成される。第1系統インバータ681は、第1三相巻線組801のU1相、V1相、W1相の巻線811、812、813に接続されている。第2系統インバータ682は、第2三相巻線組802のU2相、V2相、W2相の巻線821、822、823に接続されている。第2系統の構成要素の符号及び電流の記号は、第1系統の構成要素の符号及び電流の記号の「1」を「2」に置き換えて表される。
第1系統インバータ681及び第2系統インバータ682は、電源Btに対して並列に接続されている。各系統のインバータ681、682は、高電位線Lpを介して電源Btの正極と接続され、低電位線Lgを介して電源Btの負極と接続されている。電源Btは、例えば基準電圧12[V]のバッテリである。電源Btから第1系統インバータ681に入力される直流電圧を入力電圧Vr1と記し、第2系統インバータ682に入力される直流電圧を入力電圧Vr2と記す。
以下、代表として第1系統の構成について説明する。第2系統の構成については、第1系統の説明が援用される。インバータ681の電源Bt側には高電位線Lpと低電位線Lgとの間にコンデンサC1が設けられている。電源BtとコンデンサC1との間の電流経路において、電源Bt側に電源リレーP1r、コンデンサC1側に逆接保護リレーP1Rが直列接続されている。
電源リレーP1r及び逆接保護リレーP1Rは、MOSFET等の半導体スイッチング素子もしくは機械式リレー等により構成され、オフ時に電源Btからインバータ681への通電を遮断可能である。電源リレーP1rは、電源Btの電極が正規の向きに接続されたときに流れる方向の電流を遮断する。逆接保護リレーP1Rは、電源Btの電極が正規の向きとは逆向きに接続されたときに流れる方向の電流を遮断する。
インバータ681は、ブリッジ接続された高電位側及び低電位側の複数のインバータスイッチング素子IU1H、IU1L、IV1H、IV1L、IW1H、IW1Lの動作により電源Btの直流電力を三相交流電力に変換し、第1三相巻線組801に通電する。詳しくは、インバータスイッチング素子IU1H、IV1H、IW1Hは、それぞれU1相、V1相、W1相の高電位側に設けられる上アーム素子であり、インバータスイッチング素子IU1L、IV1L、IW1Lは、それぞれU1相、V1相、W1相の低電位側に設けられる下アーム素子である。以下、同相の上アーム素子と下アーム素子とをまとめて、インバータ各相レッグの符号を「IU1H/L、IV1H/L、IW1H/L」と記す。
インバータ681の各相の下アーム素子IU1L、IV1L、IW1Lと低電位線Lgとの間には、各相を流れる相電流Iu1、Iv1、Iw1を検出する電流センサSAU1、SAV1、SAW1が設置されている。電流センサSAU1、SAV1、SAW1は、例えばシャント抵抗で構成される。
第2の回路67は、A相レッグ671及びB相レッグ672により構成される。A相レッグ671及びB相レッグ672は、第1の回路68における第1系統インバータ681及び第2系統インバータ682にそれぞれ接続されている。具体的には、A相レッグ671は、第1系統インバータ681に追加された一組の高電位側スイッチング素子MU1H及び低電位側スイッチング素子MU1Lにより構成される。B相レッグ672は、第2系統インバータ682に追加された一組の高電位側スイッチング素子MU2H及び低電位側スイッチング素子MU2Lにより構成される。
インバータ681、682に「レッグが追加される」とは、インバータ681、682と共通の高電位線Lpと低電位線Lgとの間に、一組の高電位側及び低電位側スイッチング素子が接続されることを意味する。インバータ681、682に追加されたA相レッグ671及びB相レッグ672を「追加レッグ」ともいう。A相レッグ671及びB相レッグ672における高電位側及び低電位側スイッチング素子をまとめて、追加レッグの符号を「MU1H/L、MU2H/L」と記す。また、追加レッグにおける高電位側及び低電位側スイッチング素子の間の点を「レッグ中点M1、M2」と記す。
各系統インバータ681、682のスイッチング素子IU1H/L、IV1H/L、IW1H/L、IU2H/L、IV2H/L、IW2H/L、及び、追加レッグのスイッチング素子MU1H/L、MU2H/Lは、例えばMOSFETである。その他、スイッチング素子は、MOSFET以外の電界効果トランジスタやIGBT等であってもよい。ここで、二相ステッピングモータ700に通電される電流は、三相モータ800に流れる相電流よりも小さい。そのため、追加レッグには、インバータスイッチング素子よりも電流容量が小さいスイッチング素子が使用されてもよい。
第1三相巻線組801のU1相電流経路の分岐点Ju1には、A相巻線714の一方の端子である分岐点側端子Tj1が接続されている。A相巻線714の他方の端子であるレッグ側端子Tm1は、A相レッグ671のレッグ中点M1に接続されている。同様に、第2三相巻線組802のU2相電流経路の分岐点Ju2には、B相巻線724の一方の端子である分岐点側端子Tj2が接続されている。B相巻線724の他方の端子であるレッグ側端子Tm2は、B相レッグ672のレッグ中点M2に接続されている。
三相モータ800の各系統の三相巻線組801、802においてA相巻線714、B相巻線724が接続された相を「接続相」と定義する。例えば追加レッグのスイッチング素子の符号「MU1H/L」の「U1」は、第1系統の接続相であるU1相を意味する。図4の構成例では第1系統のU1相及び第2系統のU2相が接続相であるが、各系統のどの相が接続相であってもよい。
続いて、三相巻線組801、802及び二相巻線714、724に流れる電流の関係について、第1三相巻線組801及びA相巻線714を代表として説明する。インバータ681に流れる相電流Iu1、Iv1、Iw1に対し、三相巻線組801に通電される相電流をIu1#、Iv1#、Iw1#と記す。図4の例では接続相であるU1相電流経路の分岐点Ju1において相電流Iu1の一部がA相電流Idc1として分かれる。
分岐点Ju1のインバータ681側に流れるインバータ相電流Iu1、Iv1、Iw1と、分岐点Ju1の三相巻線組801側に通電されるモータ相電流Iu1#、Iv1#、Iw1#との関係は、式(3.1)~(3.4)により表される。式(3.4)の関係は、第2実施形態によるA相電流Idc1の推定に利用される。
Iu1#=-Iv1-Iw1 ・・・(3.1)
Iv1#=Iv1 ・・・(3.2)
Iw1#=Iw1 ・・・(3.3)
Idc1=Iu1-Iu#1=Iu1+Iv1+Iw1 ・・・(3.4)
A相巻線714において、分岐点側端子Tj1からレッグ側端子Tm1に向かう電流Idc1の方向を正方向とし、レッグ側端子Tm1から分岐点側端子Tj1に向かう電流Idc1の方向を負方向とする。端子間電圧Vx1の符号は、分岐点側端子Tj1の電圧がレッグ側端子Tm1の電圧より高いときを正とする。B相巻線724についても同様とする。
制御部400は、各系統の電流センサSAU1、SAV1、SAW1、SAU2、SAV2、SAW2が検出した相電流検出値Iu1、Iv1、Iw1、Iu2、Iv2、Iw2、及び、三相モータ800の電気角θに基づき、三相モータ800の動作を制御する。また制御部400は、三相モータ800の三相電圧指令値の中心電圧を操作しながら、各系統のインバータ681、682にゲート信号を出力する。それと同時に制御部400は、A相レッグ671のスイッチング素子MU1H/L及びB相レッグ672のスイッチング素子MU2H/Lのそれぞれ一方をONし、他方をOFFするように二相モータ駆動指令を出力する。
例えばA相巻線714の正方向に通電するとき、制御部400は、A相レッグ671の低電位側スイッチング素子MU1LをONし、高電位側スイッチング素子MU1HをOFFすると共に、分岐点Ju1の電圧をレッグ中点M1の電圧よりも高く設定して、端子間電圧Vx1を正の値に調整する。また、A相巻線714の負方向に通電するとき、制御部400は、A相レッグ671の高電位側スイッチング素子MU1HをONし、低電位側スイッチング素子MU1LをOFFすると共に、分岐点Ju1の電圧をレッグ中点M1の電圧よりも低く設定して、端子間電圧Vx1を負の値に調整する。
制御部400は、A相及びB相の端子間電圧Vx1、Vx2を逐次調整し、A相巻線714及びB相巻線724に電圧パルスをオーバーラップさせつつ交互に印加することで、二相ステッピングモータ700を一定角度ずつ回転させる。各相に印加された電圧パルス数のカウントに基づき、ロータ回転角が精度良く算出される。また、二相ステッピングモータ700はブラシレスであり、ブラシの消耗が無いため、ブラシ付きDCモータに比べ耐久使用回数が増加する。
独立した回路で一台の二相ステッピングモータ700を駆動する従来技術では、各相にHブリッジ回路を接続するため、計四つのレッグが必要となる。それに対し本実施形態では、計二つの追加レッグ671、672で一台の二相ステッピングモータ700を駆動することができるため、スイッチング素子数を半減することができる。また、マイコンや雑防素子を三相モータ800用の第1の回路68と共用することで、二相ステッピングモータ700の専用部品が不要となる。
[モータ駆動制御構成]
次に、制御部400が三相モータ800及び二相ステッピングモータ700を駆動する制御構成について二通りの実施形態を説明する。第1実施形態では、制御部400は、二相ステッピングモータ700の二相巻線714、724に流れる電流をフィードフォワード的に制御する。第2実施形態では、制御部400は、二相巻線714、724に実際に流れる電流に基づいて、二相巻線714、724の端子間電圧Vx1、Vx2を操作し、電流を制御する。すなわち、二相ステッピングモータ700の電流によるフィードバック制御を行う。
(第1実施形態)
図6~図8を参照し、第1実施形態によるモータ駆動制御構成について説明する。図6に第1実施形態の制御アルゴリズムを示す。図6の上側には第1系統のゲート信号を出力するブロックを示し、図6の下側には第2系統のゲート信号を出力するブロックを示す。両系統のブロックの符号について、「481、482」及び「491、492」は系統毎の符号を付す。その他のブロックについては系統毎の符号の区別を省略し、共通の符号を付す。電流又は電圧の記号について、末尾の「1」は第1系統、「2」は第2系統の値を示す。以下の説明中では、代表として第1系統の電流、電圧の記号を記載する。
制御部400は、系統毎に、q軸電流偏差算出器43、q軸電流制御器44、d軸電流偏差算出器45、d軸電流制御器46、dq/三相変換部47、中性点電圧操作部481、482及びPWM変調器491、492を備える。
q軸電流偏差算出器43は、q軸電流指令Iq1*と、フィードバックされたq軸電流Iq1とのq軸電流偏差ΔIq1を算出する。q軸電流制御器44は、q軸電流偏差ΔIq1を0に近づけるように、言い換えればq軸電流Iq1がq軸電流指令Iq1*に追従するようにq軸電圧指令Vq1*を演算する。なお、q軸電流指令Iq1*は、トルク制御、位置制御、速度制御、電流制御、電圧制御等により演算される。また、必要に応じて電流制限値以下に制限されてもよい。
d軸電流偏差算出器45は、d軸電流指令Id1*と、フィードバックされたd軸電流Id1とのd軸電流偏差ΔId1を算出する。d軸電流制御器46は、d軸電流偏差ΔId1を0に近づけるように、言い換えればd軸電流Id1がd軸電流指令Id1*に追従するようにd軸電圧指令Vd1*を演算する。
dq/三相変換部47は、dq軸電圧指令Vq1*、Vd1*を三相電圧指令Vu1*、Vv1*、Vw1*に座標変換する。なお、座標変換演算のためdq/三相変換部47に入力される電気角θの信号図示を省略する。dq/三相変換部47が出力する三相電圧指令Vu1*、Vv1*、Vw1*の中心電圧は0[V]である。
第1系統の中心電圧操作部481は、オフセット電圧Vm1*を用いて三相電圧指令Vu1*、Vv1*、Vw1*の中心電圧を操作する。言い換えれば、三相巻線組801の中性点N1の電圧がシフトされる。図7に、三相モータ800のみを駆動し二相ステッピングモータ700を停止している時の操作後三相電圧指令Vu1*#、Vv1*#、Vw1*#の波形を示す。横軸は電気角θの一周期を表す。例えば入力電圧Vr1が12[V]の場合、中心電圧は6[V]にオフセットされる。
図8に、三相モータ800を駆動しながら二相ステッピングモータ700を駆動する時の操作後三相電圧指令Vu1*#、Vv1*#、Vw1*#の波形を示す。図8の上側にはA相巻線714の正方向に通電するときの波形を示し、図8の下側にはA相巻線714の負方向に通電するときの波形を示す。これらの波形図は、一式の関連図として扱われる。図8における太実線矢印は、A相巻線714への印加電圧を表す。
A相巻線714の正方向に通電するとき、制御部400は、A相レッグ671の低電位側スイッチング素子MU1LをONする。また制御部400は、接続相であるU1相の操作後電圧指令Vu1*#が12[V]に近い電圧VH(例えば10[V])で一定となるようにオフセット電圧Vm1*を演算する。これにより、上向きの太実線矢印で示すように、A相巻線714に正電圧が印加される。なお、V1相及びW1相の操作後電圧指令Vv1*#、Vw1*#の正弦波振幅は操作前の振幅の√3倍(すなわち線間電圧の振幅)になる。
A相巻線714の負方向に通電するとき、制御部400は、A相レッグ671の高電位側スイッチング素子MU1HをONする。また制御部400は、接続相であるU1相の操作後電圧指令Vu1*#が0[V]に近い電圧VL(例えば2[V])で一定となるようにオフセット電圧Vm1*を演算する。これにより、下向きの太実線矢印で示すように、A相巻線714に負電圧が印加される。
第1系統のPWM変調器491は、中心電圧操作後の三相電圧指令をPWM変調し、ゲート信号を生成する。第1系統のPWM変調器491が出力したゲート信号は、第1系統インバータ681のスイッチング素子IU1H/L、IV1H/L、IW1H/Lの各ゲートに入力される。
第2系統についても同様の制御が行われ、中心電圧操作部482で演算されるオフセット電圧Vm2*により、B相端子間電圧Vx2が正電圧又は負電圧に操作される。第2系統のPWM変調器492が出力したゲート信号は、第2系統インバータ682のスイッチング素子IU2H/L、IV2H/L、IW2H/Lの各ゲートに入力される。
各系統のPWM変調器491、492が所定の電気角位相をずらしてゲート信号を出力することで、二相ステッピングモータ700のA相巻線714及びB相巻線724に電圧パルスが交互に印加される。二相ステッピングモータ700の負荷が変動せず、動作環境が安定している前提では、A相巻線714及びB相巻線724に理論通りの電流が流れると推定される。このように第1実施形態では、二相巻線714、724に流れる電流がフィードフォワード的に制御される。
(第2実施形態)
図9~図12を参照し、第2実施形態によるモータ駆動制御構成について説明する。図9に第2実施形態の制御アルゴリズムを示す。図9には、図6に示す第1実施形態の制御アルゴリズムに加え、中心電圧操作部481、482において三相電圧指令値の中心電圧を操作するオフセット電圧Vm1*、Vm2*の演算が追加された構成を示す。第2実施形態の制御部400は、A相レッグ671及びB相レッグ672の高電位側又は低電位側スイッチング素子のうちいずれか一方をONし、且つ、三相モータ800の相電圧指令値の中心電圧についてのオフセット量を調整することにより、二相ステッピングモータ700の各相巻線714、724に印加する端子間電圧Vx1、Vx2を決定する。
制御部400は、図6の構成に加え、A相電流偏差算出器551、A相電流制御器561、B相電流偏差算出器552、及びB相電流制御器562を備える。代表としてA相について説明する。A相電流偏差算出器551は、A相電流指令値Idc1*とフィードバックされたA相電流値Idc1とのA相電流偏差ΔIdc1を算出する。以下、文脈により「A相電流」と「A相電流値」のように「値」の有無が併存する場合がある。基本的には「電流値」は「値」であることを強調した語であるが、厳密に区別するものではない。
A相電流制御器561は、A相電流偏差ΔIdc1を0に近づけるように、言い換えればA相電流Idc1がA相電流指令Idc1*に追従するように第1系統のオフセット電圧Vm1*を演算し、相電圧指令値Vu1*、Vv1*、Vw1*の中心電圧を操作する。上述の通り、A相レッグ671のスイッチング素子MU1H/LのON/OFFに合わせて中心電圧が操作されることで、A相端子間電圧Vx1が変化する。そして、A相端子間電圧Vx1に伴ってA相電流値Idc1が変化する。変化後のA相電流値Idc1は、A相電流偏差算出器551にフィードバックされる。
このように制御部400は、各系統の三相巻線組801、802の相電圧指令値の中心電圧を操作量とするフィードバック制御によりA相電流値Idc1及びB相電流値Idc2を制御する。この制御は、三相モータ800の制御と同様に、二相ステッピングモータ700のトルクを正確に制御しようとする思想によるものである。
ここで、フィードバックされる二相の電流値Idc1、Idc2は、検出値でもよく推定値でもよい。つまり制御部400は、二相モータの各相に流れる電流の検出値又は推定値に基づいて、各系統の三相巻線組801、802に電圧を印加する。二相の電流検出値を用いる構成では、例えばA相巻線714及びB相巻線724の各電流経路に電流センサが設けられる。この構成では制御部400が電流値Idc1、Idc2の推定演算をしないため、演算負荷が低減する。一方、制御部400が電流値Idc1、Idc2を推定する構成では、二相電流用の電流センサが不要となるため、搭載スペースや部品コスト低減の点で有利となる。
図10を参照し、A相電流値Idc1の推定原理について説明する。第1系統インバータ681のDuty動作により、V1相又はW1相から中性点N1を経由して、U1相電流Iu1#は、太実線矢印の経路で低電位線Lgに流れる。また、A相レッグ671の高電位側スイッチング素子MU1HがONし、低電位側スイッチング素子MU1LがOFFしたとき、A相電流Idc1は太破線矢印の経路で流れる。
したがって、電流センサSAU1には、U1相電流Iu1#にA相電流Idc1が重畳した電流Iu1が流れる。つまり、U1相電流Iu1#にA相電流Idc1が重畳した値が、電流センサSAU1によりU1相電流検出値Iu1として検出される。そこで制御部400は、接続相であるU1相電流検出値Iu1からA相電流Idc1を抽出することで、A相電流Idc1を推定する。同様に制御部400は、接続相であるU2相電流検出値Iu2からB相電流Idc2を抽出することで、B相電流Idc2を推定する。
続いて図11、図12を参照し、制御部400がA相電流Idc1及びB相電流Idc2を推定する具体的な構成について説明する。図11に示すように、制御部400は二相電流推定部50を含む。例えば第1三相巻線組801の各相巻線811、812、813に流れる三相電流Iu1#、Iv1#、Iw1#の和は理論的にゼロである。そのため、上述の式(3.4)の通り、三相の相電流検出値Iu1、Iv1、Iw1の和とゼロとの差分がA相電流値Idc1に相当する。
図12に、二相ステッピングモータ700の通電開始時に正のA相電流値Idc1が重畳したU1相電流検出値Iu1の波形を示す。時刻tsに通電を開始すると、突入電流によりA相電流値Idc1が増加し、時刻tpにピークに達する。時刻tp後、A相電流値Idc1は漸減する。
そこで二相電流推定部50は、第1系統についてU1相電流検出値Iu1、V1相電流検出値Iv1及びW1相電流検出値Iw1を加算し、A相電流推定値Idc1_estを算出する。同様に二相電流推定部50は、第2系統についてU2相電流検出値Iu2、V2相電流検出値Iv2及びW2相電流検出値Iw2を加算し、B相電流推定値Idc2_estを算出する。このように制御部400は、第1の回路68の各系統における三相の電流検出値の和を、二相ステッピングモータ700の各相に流れる電流値Idc1、Idc2として推定する。
なお、二相ステッピングモータ700の負荷が変動した場合や周囲温度等の動作環境が変化した場合、通常は二相の電流値Idc1、Idc2が同程度に変化し、各系統のオフセット電圧Vm1*、Vm2*は互いに相関する値となる。ただし、A相巻線714とB相巻線724との特性ばらつき等により二相の電流値Idc1、Idc2が相違する場合でも、二系統のオフセット電圧Vm1*、Vm2*や操作後の三相電圧指令値が所定値以上乖離しないように、二系統間での協調制御等による調停を実施してもよい。
また、二相電流推定部50は、三相の相電流検出値の和を用いる他に、接続相の相電流検出値と相電流指令値との差分を求める方法や、フィルタ処理により直流成分を抽出する方法等を用いて、二相の電流値Idc1、Idc2を推定してもよい。
(その他の実施形態)
(a)二相モータは、ステッピングモータに限らず、互いに独立した二相の巻線を有するモータであればよい。また、二相モータは一台に限らず、二台以上設けられてもよい。例えば二台の二相モータが設けられる場合、第2の回路として、第1系統インバータ681に二つのA相レッグが追加され、第2系統インバータ682に二つのB相レッグが追加される。つまり、第2の回路におけるA相及びB相の各相の回路は、第1系統インバータ681及び第2系統インバータ682に追加された、「二相モータ一台につき一つ」のレッグにより構成される。
さらに各二相モータのA相巻線の接続点側端子は、第1三相巻線組801の同じ相又は異なる相の相電流経路に接続される。各二相モータのB相巻線の接続点側端子は、第2三相巻線組802の同じ相又は異なる相の相電流経路に接続される。制御部400は、多相モータ及び各二相モータの動作を共通に制御する。
(b)本発明が車両のEPSシステムやSBWシステムに適用される例において、二相ステッピングモータは、ヘッドアップディスプレイ以外にチルトアクチュエータやテレスコピックアクチュエータ等に用いられてもよい。二相ステッピングモータを用いることで、一般のDCモータを用いる場合に比べて位置精度が向上し、ブラシレスにより耐久使用回数が増加する。また、多相モータは、操舵アシストモータや反力モータ以外にブレーキの油圧ポンプ用モータが用いられてもよい。さらに、本発明は車載用以外のモータに適用されてもよい。
(c)「多相モータ」は三相モータに限らず、四相以上のモータであってもよい。その場合、第2実施形態における「各系統における三相の電流検出値の和」は、「各系統における全相の電流検出値の和」に一般化される。
(d)図4に示す二系統の回路構成において電源リレーや逆接保護リレーが設けられなくてもよい。また、三相モータリレーや二相モータリレーが追加されたり、入力部に雑防素子素子であるLCフィルタ回路が追加されたりしてもよい。二系統のインバータ681、682が共通の電源Btに接続されるのでなく、個別の電源に接続されてもよい。
本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
10・・・ECU(モータ制御装置)、
400・・・制御部、
600・・・筐体、
67・・・第2の回路、
68・・・第1の回路、
700・・・二相ステッピングモータ(二相モータ)、
714、724・・・二相(A相、B相)の巻線、
800・・・三相モータ(多相モータ)、
801、802・・・三相巻線組(多相巻線組)。

Claims (8)

  1. 二組の三相以上の多相巻線組(801、802)を有する多相モータ(800)に通電する二系統の電力変換回路である第1の回路(68)と、
    前記第1の回路と同一の筐体(600)内に設けられ、互いに独立した二相の巻線(714、724)を有する一台以上の二相モータ(700)に通電する電力変換回路である第2の回路(67)と、
    前記第1の回路及び前記第2の回路を操作し、前記多相モータ及び前記二相モータの動作を共通に制御する制御部(400)と、
    を備えるモータ制御装置。
  2. 前記二相モータおよび前記多相モータに電圧を印加し、電流を通電する請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記第2の回路における二相の回路は、前記第1の回路における各系統の回路にそれぞれ接続されている請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 直列接続された一組の高電位側及び低電位側スイッチング素子をレッグとすると、
    前記第2の回路における各相の回路は、前記第1の回路を構成する各系統のインバータに追加された、前記二相モータ一台につき一つのレッグにより構成され、
    前記二相モータの各相巻線の一方の端子が対応する系統の前記多相巻線組における一相の相電流経路に接続されており、前記二相モータの各相巻線の他方の端子が前記第2の回路を構成するレッグにおける高電位側及び低電位側スイッチング素子の間に接続されている請求項3に記載のモータ制御装置。
  5. 前記制御部は、
    前記第2の回路を構成するレッグの高電位側又は低電位側スイッチング素子のうちいずれか一方をONし、且つ、前記多相モータの相電圧指令値の中心電圧についてのオフセット量を調整することにより、前記二相モータの各相巻線に印加する電圧を決定する請求項4に記載のモータ制御装置。
  6. 前記制御部は、前記二相モータの各相に流れる電流の検出値又は推定値に基づいて、各系統の前記多相巻線組に電圧を印加する請求項5に記載のモータ制御装置。
  7. 前記制御部は、
    前記第1の回路の各系統における全相の電流検出値の和を、前記二相モータの各相に流れる電流値として推定する請求項6に記載のモータ制御装置。
  8. 前記多相モータは、車両の電動パワーステアリングシステムにおいてドライバの操舵をアシストする操舵アシストモータ、又は、ステアバイワイヤシステムにおいてドライバの操舵に対する反力を付与する反力モータであり、
    前記二相モータは、二相ステッピングモータである請求項1~7のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
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