JP7200975B2 - ステアリング制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ステアリング制御装置に関する。
従来、車両の操舵に関する多相回転機と直流回転機とを駆動する回路を共用したステアリング制御装置が知られている。
例えば特許文献1に開示されたモータ制御装置は、一つの三相インバータ駆動回路により、電動パワーステアリング(EPS)用三相モータと、チルト用及びテレスコピック用の直流モータとを駆動する。三相モータ及び直流モータの電力変換器を共用することで、電力変換器の一体化を図っている。また特許文献2には、ステアリングロック用の直流モータが開示されている。
特許第5768999号公報 特開2017-124794号公報
本明細書では、モータの上位概念の用語として、モータ以外を含む「アクチュエータ」を用いる。複数のアクチュエータを駆動する回路が同一の筐体内に設けられる構成では、各回路の動作に伴う熱や電力が集中するため、回路の熱マスや放熱量を大きくする必要がある。したがって、コイルやコンデンサの雑防素子や端子が大きくなり、筐体が大型化するという課題がある。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、複数のアクチュエータを駆動する回路が同一の筐体内に設けられたステアリング制御装置において、筐体の小型化を図るステアリング制御装置を提供することにある。
本発明のステアリング制御装置は、第1の回路(68)と、第2の回路(671)と、制御部(30)と、を備える。
第1の回路は、ドライバのステアリング操舵を電気的にアシストする操舵アシストアクチュエータ(800)に通電する。第2の回路は、第1の回路と同一の筐体(600)内に設けられ、ステアリングの回転を機械的に規制するロック装置(20)を駆動するロックアクチュエータ(710)に通電する。制御部は、第1の回路及び第2の回路を操作し、操舵アシストアクチュエータ及びロックアクチュエータの動作を制御する。
制御部は、当該ステアリング制御装置が起動する期間である「起動期間」、通常動作を行う期間である「通常動作期間」、及び、停止する期間である「停止期間」の複数期間において、「優先順位」を変える。「優先順位」とは、第1の回路と第2の回路とを動かす順番、第1の回路と第2の回路との出力の配分もしくは出力の大小、のうちいずれか一つ以上である。
本発明では、複数のアクチュエータを駆動する回路が同一の筐体内に設けられたステアリング制御装置において、制御部は、動かす順番、出力の配分もしくは出力の大小の優先順位に応じて第1の回路及び第2の回路を動作させることで、複数のアクチュエータを効率良く駆動する。これにより、熱や電力の集中を回避し、回路の熱マスや放熱量を抑制することができる。よって、筐体を小型化することができる。
例えば制御部は、起動期間にロックアクチュエータの状態に応じて優先順位を変える。具体的には、起動期間にステアリングがロック状態のとき、ステアリングロックの解除動作が優先される。ステアリングロックが解除されることで、ドライバによるステアリング操舵が可能となる。
各実施形態のECU(ステアリング制御装置)が適用されるコラムタイプEPSシステムの図。 同上のラックタイプEPSシステムの図。 同上のSBWシステムの図。 (a)チルト動作、(b)テレスコピック動作を説明する模式図。 第1実施形態でのコネクタの接続構成例を示す図。 第2実施形態でのコネクタの接続構成例を示す図。 第1実施形態でのモータ駆動回路の回路構成例1の図。 第1実施形態でのモータ駆動回路の回路構成例2の図。 第1実施形態でのモータ駆動回路の回路構成例3の図。 三相二重巻線回転機の構成を示す模式図。 駆動回路用ラッチ回路の構成例1の図。 駆動回路用ラッチ回路の構成例2の図。 全体シーケンスを示すフローチャート(1)。 全体シーケンスを示すフローチャート(2)。 第1実施形態での各期間の優先順位を決めるフローチャート。 第2実施形態での各期間の優先順位を決めるフローチャート。 優先順位に応じた動かし方を説明する制御部のブロック図。 異常検出部を有する制御部のブロック図。 停止期間への遷移時に異常が検出された場合の処置を説明するフローチャート。 図2のラックタイプEPSシステムの変形例の図。
以下、本発明のステアリング制御装置の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。各実施形態のステアリング制御装置は、車両の電動パワーステアリングシステム(以下「EPSシステム」)又はステアバイワイヤシステム(以下「SBWシステム」)に適用され、EPS-ECU又はSBW-ECUとして機能する。以下の実施形態では、EPS-ECU又はSBW-ECUをまとめて「ECU」と表す。
第1実施形態のステアリング制御装置は、操舵アシストアクチュエータである三相モータに通電する第1の回路、及び、ロックアクチュエータである直流モータに通電する第2の回路を備える。第2実施形態のステアリング制御装置は、チルトアクチュエータ及びテレスコピックアクチュエータである二台の直流モータに通電する第3の回路をさらに備える。以下、チルトアクチュエータ及びテレスコピックアクチュエータをまとめて「位置系アクチュエータ」といい、同じ種類のアクチュエータとして扱う。
つまり、第1実施形態は、操舵アシスト、ロックの二種類のアクチュエータに通電する第1及び第2の回路を備え、第2実施形態は、操舵アシスト、ロック、位置系の三種類のアクチュエータに通電する第1、第2及び第3の回路を備える。第2実施形態の構成は第1実施形態の構成を包含する。本明細書における説明の順番として、第1実施形態の説明を終えてから第2実施形態の説明に移るのでなく、第1実施形態と第2実施形態とを併行して説明する。内容によっては第2実施形態を中心に説明し、そこから位置系アクチュエータに関する説明を除外した部分をもって第1実施形態の説明とする。また、第1実施形態と第2実施形態とを含めて「本実施形態」という。
[システム構成]
最初に図1~図4を参照し、第2実施形態の「ステアリング制御装置」としてのECUが適用される「三種類のアクチュエータを備えたシステム構成」について説明する。図1、図2には、操舵機構と転舵機構とが機械的に接続されたEPSシステム901を示す。そのうち図1にはコラムタイプ、図2にはラックタイプのEPSシステム901を示す。区別する場合、コラムタイプのEPSシステムの符号を901C、ラックタイプのEPSシステムの符号を901Rと記す。図3には、操舵機構と転舵機構とが機械的に分離したSBWシステム902を示す。図1~図3においてタイヤ99は片側のみを図示し、反対側のタイヤの図示を省略する。
図1、図2に示すように、EPSシステム901は、「ステアリング」としてのステアリングホイール91、ステアリングシャフト92、インターミディエイトシャフト95、ラック97等を含む。ステアリングシャフト92はステアリングコラム93に内包されており、一端にステアリングホイール91が接続され、他端にインターミディエイトシャフト95が接続されている。
インターミディエイトシャフト95のステアリングホイール91と反対側の端部には、ラックアンドピニオン機構により回転を往復運動に変換して伝達するステアリングラック97が設けられている。ステアリングラック97が往復すると、タイロッド98及びナックルアーム985を介してタイヤ99が転舵される。また、インターミディエイトシャフト95の途中にはユニバーサルジョイント961、962が設けられている。これにより、ステアリングコラム93のチルト動作、テレスコピック動作による変位が吸収される。
図1に示すコラムタイプのEPSシステム901Cでは、「多相回転機」としての三相モータで構成された操舵アシストアクチュエータ800、及びロック装置20は、ともにステアリングコラム93に配置される。操舵アシストアクチュエータ800の出力トルクはステアリングシャフト92に伝達される。トルクセンサ94は、ステアリングシャフト92の途中に設けられ、トーションバーの捩れ変位に基づき、ドライバの操舵トルクTsを検出する。
図2に示すラックタイプのEPSシステム901Rでは、「多相回転機」としての三相モータで構成された操舵アシストアクチュエータ800、及びロック装置20は、ともにステアリングラック97に配置される。操舵アシストアクチュエータ800の出力トルクによりステアリングラック97の往復運動がアシストされる。トルクセンサ94は、ステアリングラック97に伝達されるドライバの操舵トルクTsを検出する。
ECU10は、車両スイッチ11のON/OFF信号等により起動する。なお、車両スイッチ11は、エンジン車、ハイブリッド車、電気自動車のイグニッションスイッチやプッシュスイッチに相当する。ECU10への各信号は、CANやシリアル通信等を用いて通信されるか、アナログ電圧信号で送られる。EPSシステム901では、ECU10は、トルクセンサ94が検出した操舵トルクTsや車速センサ14が検出した車速Vに基づいて、操舵アシストアクチュエータ800の駆動を制御する。操舵アシストアクチュエータ800は、ドライバのステアリング操舵を電気的にアシストする。
ロックアクチュエータ710、チルトアクチュエータ720及びテレスコピックアクチュエータ730は、「直流回転機」としての直流モータで構成されている。第2実施形態では、操舵アシストアクチュエータ800及び二種類三台の直流モータが、共通の制御部30により駆動される。第1実施形態では、操舵アシストアクチュエータ800及び一種類一台の直流モータであるロックアクチュエータ710が共通の制御部30により駆動される。第1実施形態において、チルトアクチュエータ720及びテレスコピックアクチュエータ730は無くてもよく、或いは、独立した他の装置により駆動されるものが設けられてもよい。
本明細書では、「ステアリングロックアクチュエータ」を省略して「ロックアクチュエータ」という。ロックアクチュエータ710は、ロック装置20を駆動してステアリングの回転を機械的に規制することで、駐車時等にステアリングホイール91が回転しないようにロックする。ECU10は、車両スイッチ11のON/OFF信号に基づき、ロックアクチュエータ710に、ステアリングロックの解除又は再ロックを指示する。
チルトアクチュエータ720及びテレスコピックアクチュエータ730は、ステアリングコラム93に設けられている。チルトアクチュエータ720及びテレスコピックアクチュエータ730は、いずれもステアリングの位置を動かす「ステアリング位置系アクチュエータ」である。本明細書では、「ステアリング位置系アクチュエータ」を省略して「位置系アクチュエータ」という。
ドライバがチルトスイッチ12を操作することにより、「上がる/下がる」の指示がECU10に入力されると、ECU10はチルトアクチュエータ720にチルト動作を指示する。すると、図4(a)に示すように、チルトアクチュエータ720はチルト角度を調整し、ステアリングホイール91を上下に移動させる。そして、車両スイッチ11がオンされて車両が起動するとき、あらかじめ記憶してある運転位置まで動き、車両スイッチ11がオフされて車両が停止するとき、ドライバの空間が広くなる側に移動する。
また、ドライバがテレスコピックスイッチ13を操作することにより、「伸びる/縮む」の指示がECU10に入力されると、ECU10はテレスコピックアクチュエータ730にテレスコピック動作を指示する。すると、図4(b)に示すように、テレスコピックアクチュエータ730はテレスコピック長を調整し、ステアリングホイール91を前後に移動させる。そして、車両スイッチ11がオンされて車両が起動するとき、あらかじめ記憶してある運転位置まで動き、車両スイッチ11がオフされて車両が停止するとき、ドライバの空間が広くなる側に移動する。
続いて図3に示すように、操舵機構と転舵機構とが機械的に分離されたSBWシステム902では、EPSシステム901に対し、インターミディエイトシャフト95が存在しない。ドライバの操舵トルクTsあるいはステアリングホイール91の角度などのドライバ入力情報が、ECU10を経由して電気的に転舵アクチュエータ890に伝達される。転舵アクチュエータ890の回転は、ステアリングラック97の往復運動に変換され、タイロッド98及びナックルアーム985を介してタイヤ99が転舵される。なお、図3には図示を省略するが、ドライバのステアリングホイール入力に対して転舵アクチュエータ890を駆動する転舵アクチュエータECUが存在する。
また、SBWシステム902では、ドライバは操舵に対する反力を直接感知することができない。そこで、ECU10は、反力アクチュエータ800の駆動を制御し、操舵に対する反力を付与するようにステアリングホイール91を回転させ、ドライバに適切な操舵フィーリングを与える。
本明細書では、SBWシステム902による反力付与を、EPSシステム901による操舵アシストと広義で同一の概念と解釈する。そして、「反力アクチュエータ」を「ドライバのステアリング操舵を電気的にアシストする操舵アシストアクチュエータ」に含むものとする。
図3のSBWシステム902において、ロックアクチュエータ710及び位置系アクチュエータ720、730は、図1のコラムタイプEPSシステム901Cと同様に用いられる。以下、ECU10による操舵アシストアクチュエータ800、ロックアクチュエータ710及び位置系アクチュエータ720、730の説明において、EPSシステム901とSBWシステム902との違いは無い。
第1実施形態のECU10は、「第1の回路」68、「第2の回路」671、及び、制御部30等を備える。「第1の回路」としての三相インバータ回路68は操舵アシストアクチュエータ800に通電する。「第2の回路」としてのHブリッジ回路671はロックアクチュエータ710に通電する。三相インバータ回路68及びHブリッジ回路671は、モータ駆動回路をなす。制御部30は、三相インバータ回路68及びHブリッジ回路671を操作し、操舵アシストアクチュエータ800及びロックアクチュエータ710の動作を制御する。
第2実施形態のECU10は、「第3の回路」672、673をさらに備える。「第3の回路」としてのHブリッジ回路672、673は、チルトアクチュエータ720及びテレスコピックアクチュエータ730、すなわち、二台の位置系アクチュエータに通電する。三相インバータ回路68及びHブリッジ回路671、672、673は、モータ駆動回路をなす。制御部30は、三相インバータ回路68及びHブリッジ回路671、672、673を操作し、操舵アシストアクチュエータ800、ロックアクチュエータ710及び位置系アクチュエータ720、730の動作を制御する。
制御部30は、マイコン、駆動回路等で構成され、図示しないCPU、ROM、RAM、I/O、及び、これらの構成を接続するバスライン等を備え、ROM等の実体的なメモリ装置(すなわち、読み出し可能非一時的有形記録媒体)に予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理や、専用の電子回路によるハードウェア処理による制御を実行する。同一マイコンで「第1の回路」68及び「第2の回路」671を動かすため、マイコンが複数ある場合に比べ、優先順位の調停においてマイコン間の通信の遅延や通信異常を考える必要が無く容易である。
第1実施形態の三相インバータ回路68及びHブリッジ回路671、又は、第2実施形態の三相インバータ回路68及びHブリッジ回路671、672、673は、同一の筐体600内に設けられている。さらに図1~図3の例では、これらのモータ駆動回路と共に制御部30が同一の筐体600内に設けられている。これにより、ECU10を一体化することができ、また、ハーネスやコネクタ等の配線部品を減らすことができる。なお、後述する回路構成例1、3(図7、図9参照)において、電源Btの正極及び負極と電気的に接続するためのハーネスやコネクタ等は一つでも二つでもよい。
しかし、複数のアクチュエータを駆動する回路が同一の筐体内に設けられる構成では、各回路の動作に伴う熱や電力が集中するため、回路の熱マスや放熱量を大きくする必要がある。したがって、コイルやコンデンサの雑防素子や端子が大きくなり、筐体が大型化するという課題がある。そこで本実施形態では、複数のアクチュエータを駆動する回路が同一の筐体内に設けられたステアリング制御装置において、筐体の小型化を図る。課題解決手段についての説明は後述する。
次に図5、図6を参照し、機器の接続構成について説明する。本実施形態の操舵アシストアクチュエータ800は、軸方向の一方側にECU10が一体に構成された「機電一体式」のブラシレス三相モータとして構成されている。一方、ロックアクチュエータ710や位置系アクチュエータ720、730として機能する各直流モータは、コネクタを介してECU10と接続されている。つまり、操舵アシストアクチュエータ800とECU10との接続は不動の前提であるのに対し、各直流モータ710、720、730とECU10とは、ニーズに応じたオプションとして接続可能に構成されている。例えばECU10側の回路基板を共通とし、コネクタの仕様や関連する電子部品はオプションとして後付けされてもよい。
図5に、直流モータとしてロックアクチュエータ710が設けられた第1実施形態のシステムでのコネクタ接続構成の一例を示す。この接続構成では、パワー系コネクタ591、信号系コネクタ592及びトルクセンサ用コネクタ593が分かれて設けられている。パワー系コネクタ591には、直流電源からの電源線(PIG)及びグランド線が接続される。信号系コネクタ592には、制御用電源線(IG)、CAN通信線、認証信号、停止指令の信号線の他、ロックアクチュエータ710の配線が接続される。トルクセンサ用コネクタ593には、トルクセンサ94の電源線、信号線、グランド線がまとめて接続される。
ロックアクチュエータ710にはモータ線(M+、M-)が接続される。なお、ロックアクチュエータ710のモータ線(M+、M-)はパワー系であるが、操舵アシストアクチュエータ800に比べてモータ電流が小さいため、信号系コネクタ592に含めて接続可能である。ロックアクチュエータ710の電流が大きい場合は別のコネクタとするか、直流電源からの電源線(PIG)及びグランド線のパワー系コネクタ591と共通のコネクタとしてもよい。ロックアクチュエータ710の信号について、コネクタを分けてもよい。
図6に、直流モータとしてさらにチルトアクチュエータ720及びテレスコピックアクチュエータ730が設けられた第2実施形態のシステムでのコネクタ接続構成の一例を示す。図5の構成に対し、信号系コネクタ592においてチルトアクチュエータ720及びテレスコピックアクチュエータ730の配線が追加されている。
チルトアクチュエータ720及びテレスコピックアクチュエータ730には、モータ線(M+、M-)、位置センサ電源線、位置センサ信号線、グランド線が接続される。所定の位置に達したことをトルクもしくは電流と時間で判定することや、チルトスイッチ12、テレスコピックスイッチ13のオンオフに応じて一定の電流を流すか電圧を印加することで、位置センサを使わず、位置センサ電源線及び位置センサ信号線の無い構成とすることもできる。チルトスイッチ12、テレスコピックスイッチ13からCAN通信やシリアル通信により信号を受信してもよく、アナログ電圧信号を受け取ってもよい。そしてこれらの信号は、信号系コネクタ592に含めて接続可能である。また、位置系アクチュエータ720、730毎にコネクタを分けてもよい。
[モータ駆動回路の構成例]
次に図7~図10を参照し、第1実施形態におけるモータ駆動回路の3通りの回路構成例について説明する。第2実施形態については、Hブリッジ回路671と並列に、同様のHブリッジ回路672、673が二つ追加されるだけであるため図示を省略する。まず、三相インバータ回路68の駆動対象である操舵アシストアクチュエータ800に関し、三相巻線組と当該巻線組に対応する三相インバータ回路とを含む単位を「系統」という。図7、図8に示す回路構成例1、2は一系統構成であり、図9に示す回路構成例3は二系統構成である。図10に示すように、二系統構成では、「第1の回路」68は二つの三相インバータ回路681、682からなる。
一系統構成の三相巻線組は、U相、V相、W相の巻線811、812、813が中性点Nで接続されて構成されている。各相の巻線811、812、813には、三相インバータ回路68から電圧が印加される。各相には、回転数と位相のsin値との積に比例した逆起電圧が発生する。各相に発生する逆起電圧は、電圧振幅A、回転数ω、位相θに基づき、例えば式(1.1)~(1.3)により表される。
Eu=-Aωsinθ ・・・(1.1)
Ev=-Aωsin(θ-120) ・・・(1.2)
Ew=-Aωsin(θ+120) ・・・(1.3)
二系統構成の操舵アシストアクチュエータ800は二組の三相巻線組801、802を有する。第1系統の三相巻線組801は、U1相、V1相、W1相の巻線811、812、813が中性点N1で接続されて構成されている。第1系統の三相巻線組801の各相の巻線811、812、813には、第1系統の三相インバータ回路681から電圧が印加される。
第2系統の三相巻線組802は、U2相、V2相、W2相の巻線821、822、823が中性点N2で接続されて構成されている。第2系統の三相巻線組802の各相の巻線821、822、823には、第2系統の三相インバータ回路682から電圧が印加される。
図10に示すように、二系統構成の操舵アシストアクチュエータ800は、二組の三相巻線組801、802が同軸に設けられた二重巻線回転機をなしている。二組の三相巻線組801、802は電気的特性が同等であり、例えば共通のステータに、互いに電気角30[deg]ずらして配置されている。その場合、第1系統及び第2系統の各相に発生する逆起電圧は、電圧振幅A、回転数ω、位相θに基づき、例えば式(2.1)~(2.3)、(2.4a)~(2.6a)により表される。
Eu1=-Aωsinθ ・・・(2.1)
Ev1=-Aωsin(θ-120) ・・・(2.2)
Ew1=-Aωsin(θ+120) ・・・(2.3)
Eu2=-Aωsin(θ+30) ・・・(2.4a)
Ev2=-Aωsin(θ-90) ・・・(2.5a)
Ew2=-Aωsin(θ+150) ・・・(2.6a)
なお、二系統の位相関係を逆にした場合、例えばU2相の位相(θ+30)は(θ-30)となる。さらに、30[deg]と等価な位相差は、一般化して(30±60×k)[deg](kは整数)と表される。或いは第2系統が第1系統と同位相に配置されてもよい。その場合、第2系統の各相に発生する逆起電圧は、式(2.4a)~(2.6a)に代えて式(2.4b)~(2.6b)で表される。
Eu2=-Aωsin(θ-30) ・・・(2.4b)
Ev2=-Aωsin(θ+90) ・・・(2.5b)
Ew2=-Aωsin(θ-150) ・・・(2.6b)
Hブリッジ回路671の駆動対象であるロックアクチュエータ710は巻線714により構成される。ロックアクチュエータ710への通電時、回転数ω1に比例した逆起電圧E1が発生する。比例定数をEA1とすると、逆起電圧E1は、式「E1=-EA1ω1」で表される。また、ロックアクチュエータ710に通電される直流電流をI1と記す。
次に回路構成例1~3について順に説明する。図7に示す回路構成例1のECU101では、共通の電源Btに対し、三相インバータ回路68及びHブリッジ回路671が独立して並列に設けられている。三相インバータ回路68及びHブリッジ回路671は、高電位線Lpを介して電源Btの正極と接続され、低電位線Lgを介して電源Btの負極と接続されている。電源Btは、例えば基準電圧12[V]のバッテリである。電源Btから三相インバータ回路68に入力される直流電圧を「入力電圧Vri」と記し、Hブリッジ回路671に入力される直流電圧を「入力電圧Vrd」と記す。
三相インバータ回路68は、ブリッジ接続された高電位側及び低電位側の複数のインバータスイッチング素子IUH、IUL、IVH、IVL、IWH、IWLの動作により電源Btの直流電力を三相交流電力に変換し、操舵アシストアクチュエータ800に通電する。三相インバータ回路68の電源Bt側には高電位線Lpと低電位線Lgとの間にコンデンサCiが設けられている。
詳しくは、インバータスイッチング素子IUH、IVH、IWHは、それぞれU相、V相、W相の高電位側に設けられる上アーム素子であり、インバータスイッチング素子IUL、IVL、IWLは、それぞれU相、V相、W相の低電位側に設けられる下アーム素子である。以下、同相の上アーム素子と下アーム素子とをまとめて、符号を「IUH/L、IVH/L、IWH/L」と記す。また、直列接続された一組の高電位側及び低電位側のスイッチング素子を「レッグ」とする。「IUH/L」はU相レッグの符号に相当する。
三相インバータ回路68の各相の下アーム素子IUL、IVL、IWLと低電位線Lgとの間には、各相を流れる相電流Iu、Iv、Iwを検出する電流センサSAU、SAV、SAWが設置されている。電流センサSAU、SAV、SAWは、例えばシャント抵抗で構成される。
電源BtとコンデンサCiとの間の電流経路において、電源Bt側に電源リレーPir、コンデンサCi側に逆接保護リレーPiRが直列接続されている。電源リレーPir及び逆接保護リレーPiRは、MOSFET等の半導体スイッチング素子もしくは機械式リレー等により構成され、オフ時に電源Btから三相インバータ回路68への通電を遮断可能である。電源リレーPirは、電源Btの電極が正規の向きに接続されたときに流れる方向の電流を遮断する。逆接保護リレーPiRは、電源Btの電極が正規の向きとは逆向きに接続されたときに流れる方向の電流を遮断する。
Hブリッジ回路671は四つのスイッチング素子からなる二つのレッグを含む。片側のレッグは高電位側スイッチング素子1Ha及び低電位側スイッチング素子1Laにより構成され、反対側のレッグは高電位側スイッチング素子1Hb及び低電位側スイッチング素子1Lbにより構成されている。各レッグの中間点同士の間にロックアクチュエータ710が接続されている。
ロックアクチュエータ710において、例えば、スイッチング素子1Ha及び1Lbをオンしたときに通電される電流I1の方向を正方向とし、スイッチング素子1Hb及び1Laをオンしたときに通電される電流I1の方向を逆方向とする。ロックアクチュエータ710は、正方向に通電されたとき正転し、負方向に通電されたとき逆転する。例えばロックアクチュエータ710が正転したときロック装置20がロックされ、ロックアクチュエータ710が逆転したときロック装置20のロックが解除される。
各レッグの低電位側スイッチング素子1La、1Lbと低電位線Lgとの間には、直流電流I1を検出する電流センサSA1a、SA1bが設置されている。電流センサSA1a、SA1bは、例えばシャント抵抗で構成される。電流センサSA1a、SA1bは、高電位側スイッチング素子1Ha、1Hbと高電位線Lpとの間に設置されてもよい。Hブリッジ回路671の電源Bt側には高電位線Lpと低電位線Lgとの間にコンデンサCdが設けられている。電源BtとコンデンサCdとの間の電流経路には、電源リレーPdr及び逆接保護リレーPdRが直列接続されている。
三相インバータ回路68の各相インバータスイッチング素子IUH/L、IVH/L、IWH/L、及び、Hブリッジ回路671の各スイッチング素子は、例えばMOSFETである。その他、スイッチング素子は、MOSFET以外の電界効果トランジスタやIGBT等であってもよい。ここで、ロックアクチュエータ710に通電される電流は、操舵アシストアクチュエータ800に流れる相電流よりも小さい。そのため、Hブリッジ回路671の各スイッチング素子は、インバータスイッチング素子IUH/L、IVH/L、IWH/Lよりも電流容量が小さいスイッチが使用されてもよい。また、高速スイッチングは必要なく、オン時間が遅いトランジスタなどのスイッチや機械リレーでもよい。
図8に示す回路構成例2のECU102では、Hブリッジ回路671の片側のレッグが三相インバータ回路68のU相レッグと共有されている。図示の都合上、符号「671」は、非共有側レッグを指しているように見えるが、実際には、三相インバータ回路68のU相レッグと非共有側レッグとを合わせた部分を指している。回路構成例2では、回路構成例1に比べスイッチング素子の数を減らすことができる。
このように、三相インバータ回路68の一相(例えばU相)のレッグと、Hブリッジ回路671の片側のレッグとが共有されて構成される電力変換回路を、本明細書では「統合電力変換回路」という。回路構成例2では、一系統の三相インバータ回路68とHブリッジ回路671とが「統合電力変換回路650」をなしている。制御部30は、三相インバータ回路68及びHブリッジ回路671を個別に動作させるのでなく、統合電力変換回路650を総合的に動作させる。
Hブリッジ回路671の非共有側レッグは、直流モータ端子M1を介して直列接続された高電位側のスイッチング素子MU1H、及び、低電位側のスイッチング素子MU1Lにより構成される。以下、非共有側のレッグを構成する一組のスイッチング素子を「直流モータ用スイッチング素子」と称する。インバータスイッチング素子と同様に、高電位側及び低電位側のスイッチをまとめて、直流モータ用スイッチング素子の符号を「MU1H/L」と記す。直流モータ用スイッチング素子MU1H/Lは、インバータスイッチング素子IUH/L、IVH/L、IWH/Lよりも電流容量が小さいスイッチが使用されてもよく、高速スイッチングは必要なく、オン時間が遅いトランジスタなどのスイッチや機械リレーでもよい。
三相巻線組のU相電流経路の分岐点Juには、ロックアクチュエータ710の一端である第1端子T1が接続されている。ロックアクチュエータ710の第1端子T1とは反対側の端部である第2端子T2は、直流モータ用スイッチMU1H/Lの間の直流モータ端子M1に接続されている。直流モータ用スイッチMU1H/Lはロックアクチュエータ710を介してU相巻線811に接続されている。直流モータ用スイッチの符号「MU1H/L」の「U」はU相を意味し、「1」は直流モータの番号である。
回路構成例2において、三相インバータ回路68に流れる相電流Iu、Iv、Iwに対し、三相巻線組に通電される相電流をIu#、Iv#、Iw#と記す。図8の例ではU相電流経路の分岐点Juにおいて相電流Iuの一部が直流モータ電流I1として分かれる。分岐点Juの三相インバータ回路68側に流れるインバータ相電流Iu、Iv、Iwと、分岐点Juの操舵アシストアクチュエータ800側に通電されるモータ相電流Iu#、Iv#、Iw#との関係は、式(3.1)~(3.4)により表される。なお、電流I1はセンサあるいは抵抗を配置して検出してもよく、複数直流モータがある場合は複数抵抗を配置したり、単一の抵抗を配置してスイッチのオンタイミングをずらしてそれぞれの電流を検出したりしてもよい。
Iu#=-Iv-Iw ・・・(3.1)
Iv#=Iv ・・・(3.2)
Iw#=Iw ・・・(3.3)
I1=Iu-Iu# ・・・(3.4)
ロックアクチュエータ710において、第1端子T1から第2端子T2に向かう電流I1の方向を正方向とし、第2端子T2から第1端子T1に向かう電流I1の方向を負方向とする。ロックアクチュエータ710の第1端子T1と第2端子T2との間には電圧Vxが印加される。ロックアクチュエータ710は、正方向に通電されたとき正転し、負方向に通電されたとき逆転する。
外部からの大きな力で操舵アシストアクチュエータ800が高回転で回って電源より大きな電圧が発生した時や何らかの故障が発生した場合を想定する。すると、正方向に回転した時にロックアクチュエータ710がアンロック側、すなわちロックが解除される側になることがより好ましい。
図9に示す回路構成例3のECU103では、操舵アシストアクチュエータ800に通電する「第1の回路」68(符号は図10参照)が二系統の三相インバータ回路681、682により構成される。第1系統の三相インバータ回路681は、三相巻線組801のU1相、V1相、W1相の巻線811、812、813に接続されている。第2系統の三相インバータ回路682は、三相巻線組802のU2相、V2相、W2相の巻線821、822、823に接続されている。なお、二系統の三相インバータ回路681、682はそれぞれ異なるマイコンで制御されてもよい。
第1系統の三相インバータ回路681には、インバータスイッチング素子IU1H/L、IV1H/L、IW1H/L、及び、各相電流Iu1、Iv1、Iw1を検出する電流センサSAU1、SAV1、SAW1が設けられている。三相インバータ回路681の電源Bt側にはコンデンサC1が設けられている。また、電源Btと三相インバータ回路681との間に、電源リレーP1r及び逆接保護リレーP1Rが設けられている。電源Btから三相インバータ回路681に入力される直流電圧を「入力電圧Vr1」と記す。三相巻線組801には相電流Iu1#、Iv1#、Iw1#が通電される。第2系統の構成要素の符号及び電流の記号は、第1系統の構成要素の符号及び電流の記号の「1」を「2」に置き換えて表される。また、第2系統の構成要素について、第1系統の構成要素についての説明が援用される。
第1系統の三相巻線組801のU1相電流経路の分岐点Juには、回路構成例2と同様にロックアクチュエータ710の一端である第1端子T1が接続されている。ロックアクチュエータ710の第1端子T1とは反対側の端部である第2端子T2は、直流モータ用スイッチMU1H/Lの間の直流モータ端子M1に接続されている。第2実施形態では、位置系アクチュエータ720、730は、第1系統の三相巻線組801の同じU1相に接続されてもよく、異なる相に接続されてもよい。或いは、第2系統の三相巻線組802の一相以上に接続されてもよい。すなわち、複数の直流モータ710、720、730はすべて同じ相に接続されてもよく、一部あるいはすべてが別の相に接続されてもよい。
また、Hブリッジ回路671の片側のレッグは第1系統の三相インバータ回路681のU1相レッグと共有されている。このように回路構成例3では、二系統の三相インバータ回路681、682とHブリッジ回路671とが「統合電力変換回路660」をなしている。制御部30は、統合電力変換回路660を総合的に動作させる。このように構成することで、レッグを共有して小型化しつつ、操舵アシストアクチュエータとして最低限一系統分のアシストを継続する確率を上げることができる。
[ラッチ回路]
次に図11、図12を参照し、駆動回路用ラッチ回路の構成例を示す。図13、図14を参照して後述するシーケンスにおいて、ラッチ回路は、ECU10のマイコンやASICの起動後、起動信号がオフしても自己保持するための回路である。起動信号としては、エンジン車におけるIG(イグニッション)信号や、キーでドアが解錠されたり、ドアが開けられたりしたことをトリガにオンとなる信号などが用いられる。駆動回路としては、回路構成例1のECU101に適用される例を示す。回路構成例2、3のECU102、103やその他の構成の駆動回路にも同様に適用可能である。
図11に示す構成例1のラッチ回路410は、三相インバータ回路68及びHブリッジ回路671の電源リレーPir、Pdr後の高電位線Lpにアノードが接続されたダイオードDi、Dd並びに、IG電圧源にアノードが接続されたダイオードDigを含む。まずIG電圧がダイオードDigを通ってマイコン電源45に印加されると、マイコン40が起動する。
マイコン40からの指令により、半導体で構成されたドライバ411は、三相インバータ回路68の電源リレーPir、又はHブリッジ回路671の電源リレーPdrのうち少なくとも一方をオンする。三相インバータ回路68の電源リレーPirがオンされると、リレー後電圧VriがダイオードDiを通ってマイコン電源45に印加される。Hブリッジ回路671の電源リレーPdrがオンされると、リレー後電圧VrdがダイオードDiを通ってマイコン電源45に印加される。その後、IG電圧の入力が停止しても、電源リレーPir、Pdrが共にオフされない限りマイコン電源45の電圧は保持される。
図12に示す構成例2のラッチ回路420は、半導体で構成されたドライバ421、422、及び二つのスイッチLta、Ltbを含む。二つのスイッチLta、LtbがMOSFETの場合、ドレイン端子が電源Btの正極に接続され、ソース端子がマイコン電源45に接続される。一方のスイッチLtaのゲートにはドライバ421を介して起動信号又はIG電圧の入力端子が接続される。他方のスイッチLtbのゲートにはドライバ422を介してマイコン40が接続される。
まず起動信号又はIG電圧がドライバ421に入力され、ドライバ421からスイッチLtaのゲートにオン信号が出力されると、スイッチLtaがオンし、電源Btの電圧がマイコン電源45に印加される。したがってマイコン40が起動する。マイコン40からの指令により、ドライバ422がスイッチLtbのゲートにオン信号を出力すると、スイッチLtbがオンし、電源Btの電圧がマイコン電源45に印加される。その後、起動信号又はIG電圧の入力が停止しても、ドライバ422のオン信号がオフされない限りマイコン電源45の電圧は保持される。
[シーケンス]
次に図13、図14を参照し、全体シーケンスについて説明する。この全体シーケンスは、大きく起動期間、通常動作期間、停止期間に分かれる。起動期間は、ECU10が起動する期間である。通常動作期間は、ECU10が通常動作を行う期間である。停止期間は、ECU10が停止する期間である。
シーケンス中、直流モータの種類により異なる部分については、第1、第2実施形態に共通するロックアクチュエータ710に関するステップを左側の実線枠内に記載する。また、第2実施形態で付加される位置系アクチュエータ720、730に関するステップを右側の破線枠内に記載する。また、図11、図12に示す構成例1、2のラッチ回路410、420を、それぞれ「ラッチ回路I」、「ラッチ回路II」と記す。以下、記号「S」はステップを示す。シーケンスの説明において各要素の符号の記載を適宜省略する。
全体シーケンスは、IG信号やウェイクアップ信号等の起動信号がオンするとスタートする。S011ではマイコン起動シーケンス、S012ではマイコン/ASIC起動シーケンスが実行される。S013では、ラッチ回路IIのラッチ信号がオンされ、自己保持状態が開始する。
S02では入力回路チェック(1)として、電源リレーをオンしてよいか確認される。S03ではASICの遮断機能がチェックされる。S04では入力回路チェック(2)として、入力回路に関する残りのチェックが行われる。S04の途中に電源リレーがオンされ、ラッチ回路Iの自己保持状態が開始する。S05ではBLM回路チェック、S06ではDCM回路チェックが行われる。「BLM(ブラシレスモータ)回路」は三相モータの駆動回路、すなわち「第1の回路」を意味し、「DCM(DCモータ)回路」は、直流モータの駆動回路、すなわち「第2の回路」を意味する。
各チェックの後、制御部は、起動期間ではロックアクチュエータを先に動かす。S07Rでは、認証後、ステアリングロックが解除される。S08Rで制御部は、PWM駆動を開始しつつEPSアシスト開始を待ち、操舵トルクの入力でEPSアシストを開始する。
第2実施形態ではさらに、S07Tで制御部は、EPS及びチルトのPWM駆動を開始する。EPSはアシスト開始を待ちつつ操舵トルク入力があればアシストを開始する。そして制御部は、入力スイッチ操作があれば、チルトを開始する。S08Tでは、チルト及びテレスコピックアクチュエータがステアリングホイールをメモリ位置(すなわち運転位置)に移動させる。入力スイッチ操作があれば、制御部はメモリ位置への操作をやめてスイッチ操作に応じて動作させる。
図14のS10では、CANからの開始入力があるか、又は、トルク入力が所定値以上であるか判断され、YESの場合、通常動作に移行する。なお、CANからの開始入力を待たずに、アシスト開始待ちになったら通常動作に移行してもよい。通常動作期間中、S19で、制御部は操舵トルクの入力でEPSアシストを開始する。また制御部は、入力スイッチ操作によりチルトを開始する。
S20では、起動信号がオフされる、IGがオフされる、あるいは停止信号を受信したら停止期間に移行する。停止期間のS30では、車速条件及びエンジン回転数について、例えば次の条件を満たすか判断される。(a)車速が0[km/Hr]の状態が継続している、(b)エンジン回転数、車速が共に途絶した状態が継続している、(c)車速が0[km/Hr]且つエンジン回転数が0[rpm]である、など。S30でYESと判断されると、S31R又はS31Tに移行する。
制御部は、停止期間では操舵アシストアクチュエータを停止後、ロックアクチュエータを動かす。S31Rで制御部は、EPSアシストを停止する。このとき制御部は、操舵アシストアクチュエータ800に通電するための電流指令を0にする。共用以外のレッグはPWM駆動を停止してもよく、演算待機となる。すなわち、起動信号がオンになるかIGがオンされるか、ECUあるいはモータが冷めるのを待つ状態となる。S32Rではステアリングロックアクチュエータが有効化される。S32Rでは、キーが車外に出ることあるいはドアが解錠されるか開けられるのを待って有効化されてもよい。
第2実施形態ではさらに、S31Tで制御部は、EPSアシストを停止する。このとき制御部は、操舵アシストアクチュエータ800に通電するための電流指令を0にする。共用以外のレッグはPWM駆動を停止してもよく、演算待機となる。すなわち、起動信号がオンになるかIGがオンされるか、ECUあるいはモータが冷めるのを待つ状態となる。S32Tでチルト及びテレスコピックアクチュエータは、ステアリングホイールをドライバから遠ざかる位置に移動させる。
その後、S331で制御部は、必要に応じて回路の温度低下を待った後、電源リレーをオフする。S332では、ラッチ回路IIのラッチ信号がオフされ、自己保持状態が解除される。こうしてECUの動作が停止する。以上で全体シーケンスが終了する。なお、起動期間、通常動作期間、停止期間の遷移は、S10、S20、S30の判断結果による遷移以外に、時間経過に従って状態遷移するようにしてもよい。
[駆動回路の優先順位]
複数のアクチュエータを駆動するための複数の駆動回路を備える本実施形態に特有の構成として、制御部30は、起動期間、通常動作期間、及び、停止期間の複数期間において、各駆動回路の「優先順位」を変える。第1実施形態において「優先順位」とは、第1の回路と第2の回路とを動かす順番、第1の回路と第2の回路との出力の配分もしくは出力の大小、のうちいずれか一つ以上である。第2実施形態では、制御部30は、さらに「第3の回路」を含めた優先順位を変える。「優先順位」は単に概念として用いられればよく、必ずしも制御部30の演算パラメータとして設定されなくてもよい。
動かす順番を決めることで、複数のアクチュエータ同士の意図しない動作干渉を防ぎ、正確な動作が可能となる。また、アクチュエータを一つずつ動作させることで瞬時の最大出力を抑制することができる。一方、複数のアクチュエータを同時に動作させる場合、出力可能な最大出力の範囲内で出力の配分もしくは出力の大小を決めることで効率的に動作させる。
出力の配分は、例えば各アクチュエータに対する要求出力に対して指令される出力の割合に差が付けられる。例えば制御部30は、優先順位の高い側は要求出力に対し100%近い出力で動作させ、優先順位の低い側は要求出力の一部の出力でのみ動作させる。例えば優先側の要求出力が「40」、非優先側の要求出力が「90」であり、優先側の指令出力が「40」、非優先側の指令出力が「60」に調停される場合が想定される。つまり、単純に優先側の数字が大きくなるとは限らない。これに対し出力の大小では、各駆動回路の絶対的な出力の大小が決められる。なお、出力配分は時分割するなどして実効値として割合に差をつけてもよい。
特に、図8、図9に示す回路構成例2、3のようにレッグを共有する構成においては、2つのアクチュエータに流れる電流の合計が共用するレッグに流れることや、それぞれのアクチュエータに印加できる電圧の上限は2つのアクチュエータの合算値で決まってくるため優先順位を決めることは装置の小型化に効果的である。さらに、同一筐体であれば熱マスを共有する観点で優先順位を決めることや、同じコネクタを使うのであれば信号が近接するためノイズの観点で優先順位を決めることは効果的である。
図15に、第1実施形態での各期間における優先順位を決めるフローチャートを示す。起動期間にはS41でYESと判断される。この場合、S42ではステアリングがロック状態であるか判断される。ステアリングがロック状態のとき、ドライバはステアリング操舵することができない。そこで、S42でYESの場合、S44でステアリングロックの解除動作が優先される。一方、ロック状態でないときS42でNOと判断され、S46でEPSが優先される。このように制御部30は、起動期間にロックアクチュエータ710の状態に応じて優先順位を変える。
通常動作期間にはS41でNO、S51でYESと判断される。通常動作中のうち主に走行中にはステアリングをロックすることはないため、この場合、S52でEPSが優先される。
停止期間にはS41、S51でNO、S61でYESと判断される。この場合、ステアリングをロックする前に、S62でEPSのアシスト停止が優先される。なお、フローチャートに破線で示すように、起動期間、通常動作期間、停止期間のいずれにも該当せず、S61でNOと判断される場合は基本的にない。
図16に、第2実施形態での各期間の優先順位を決めるフローチャートを示す。図15と共通するステップには同一のステップ番号を付して説明を省略する。起動期間においてロック状態でないとき、すなわちS41でYES、S42でNOの場合、S43ではステアリングがドライバの手の届かない位置にあるか判断される。ステアリングがドライバの手の届かない位置にあるとき、ドライバはステアリング操舵することができない。そこで、S43でYESの場合、S45でチルトテレスコピック動作が優先される。一方、ステアリングがドライバの手の届く位置にあるとき、S43でNOと判断され、S46でEPSが優先される。このように制御部30は、起動期間にステアリングの位置に応じて優先順位を変える
図17に第2実施形態の制御部30のブロック図を示す。第1実施形態では、下段の位置系アクチュエータ720、730の駆動を制御するブロックが除外される。制御部30は、各駆動回路68、671、672、673の優先順位に応じて動作を調停する調停処理部33、35、38を有する。また、制御部30は、各アクチュエータへのDuty比の合算値を調停する調停処理部39を有する。例えば調停処理部39は、優先順位に応じて操舵アシストアクチュエータ800及びロックアクチュエータ710へのDuty比の合算値、すなわち印加電圧の合算値が所定値未満になるように制限する。
制御部30は、操舵アシストアクチュエータ800の駆動を制御するブロックとして、アシスト制御部32、調停処理部33及び電流制御部34を有する。アシスト制御部32は、操舵トルクTsの入力に基づき電流指令を演算する。調停処理部33は、EPS優先時には電流指令の制限無しとし、EPS非優先時には電流制限値により電流指令の絶対値を制限するように、調停後電流指令を生成する。電流制御部34は、調停後電流指令に基づく電流フィードバック制御等により駆動信号を演算し、「第1の回路」である三相インバータ回路68に出力する。
制御部30は、ロックアクチュエータ710の駆動を制御するブロックとして、調停処理部35及びDuty比指令部36を有する。調停処理部35にはステアリングロック動作指令が入力される。調停処理部35は、ステアリングロック優先時にはロックアクチュエータ710を動作させ、ステアリングロック非優先時にはロックアクチュエータ710を動作させないように調停する。
ロックアクチュエータ710を動作させる場合、Duty比指令部36は、Duty比指令の時間プロファイルを設定する。即時にDuty比を大きくしてもよいが、より好ましくは、Duty比は0から所定値まで増加し、所定時間維持された後、0に戻るように設定される。そして、アクチュエータの正逆転の向きに応じてDuty比は100から所定値まで減少し、所定時間維持された後、100に戻るように設定されてもよい。このDuty比に基づく駆動信号が「第2の回路」であるHブリッジ回路671に出力される。Duty比として説明したが、要はアクチュエータの線間に印加する電圧に関することであり、印加したい電圧に応じて各レッグのDuty比が決定される。Hブリッジ回路671と三相インバータ回路68とで一部のレッグを共用する場合、共用するレッグだけを使ってDuty比の増加と減少とを達成してもよい。
制御部30は、位置系アクチュエータ720、730の駆動を制御するブロックとして、Duty比指令部37及び調停処理部38を有する。Duty比指令部37は、入力スイッチのオン信号が入力されると、Duty比指令の時間プロファイルを設定する。即時にDuty比を大きくしてもよいが、より好ましくは、Duty比は0から所定値まで増加し、所定時間維持された後、0に戻るように設定される。そして、アクチュエータの正逆転の向きに応じてDuty比は100から所定値まで減少し、所定時間維持された後、100に戻るように設定されてもよい。
調停処理部38は、チルトテレスコピック優先時には動作制限無しとし、EPS優先時又はステアリングロック優先時にはDuty比を制限する。例えばEPS優先時、調停処理部38は、EPS出力に応じてDuty比を制限してもよい。調停後のDuty比に基づく駆動信号が「第3の回路」であるHブリッジ回路672、673に出力される。Duty比として説明したが、要はアクチュエータの線間に印加する電圧に関することであり、印加したい電圧に応じて各レッグのDuty比が決定される。Hブリッジ回路672、673と三相インバータ回路68とで一部のレッグを共用する場合、共用するレッグだけを使ってDuty比の増加と減少とを達成してもよい。
以上、優先順位に応じた動作の例として、操舵アシストアクチュエータ800は電流指令の制限、位置系アクチュエータ720、730はDuty比の変更、ロックアクチュエータ710は動作させるかさせないかを示したが、制限する方法を入れ替えてもよい。例えば、各アクチュエータへのDuty比の合算値を調停する調停処理部39にて3種類ともDuty比だけを制限するものとしてもよい。その場合、Hブリッジ回路671、672、673及び三相インバータ回路68で一部のレッグを共用する構成において、操舵アシストアクチュエータ800と直流モータ710、720、730への印加電圧の合算値の制限処理が容易になる。それに対し例示した操舵アシストアクチュエータ800は、電流指令の制限の場合、操舵アシストアクチュエータ800としての最低出力トルクが担保しやすくなる。また、単に優先するものが動いているときは他のものは停止として処理を単純化してもよい。
[異常検出]
次に図18、図19を参照し、異常が検出された場合の処置について説明する。図18に第1実施形態のECU10のブロック図を示す。制御部30は、入力情報に基づき各駆動回路68、671に指令信号を出力し、アクチュエータ800、710の動作を制御する。異常検出部50は、駆動回路68、671の端子電圧、電流等の情報に基づき、「第1の回路」68もしくは操舵アシストアクチュエータ800、又は、「第2の回路」671もしくはロックアクチュエータ710の異常を検出する。
図19に示すフローチャートのS72では、異常検出部50により異常が検出されたか判断される。S72でYESの場合、操舵アシストアクチュエータ800の動作が停止しない異常や、ロックアクチュエータ710が動作不良である異常の可能性がある。この場合、正常にステアリングロックができないおそれやロックしたままになってしまうおそれがある。
そこで、S72でYESの場合、S73で制御部30は、停止期間における「第2の回路」671によるロックアクチュエータ710への通電を行わない。S72でNOの場合、S74で制御部30は、「第2の回路」671によるロックアクチュエータ710への通電を許可する。
(効果)
(1)第1実施形態のECU10では、複数のアクチュエータ800、710を駆動する回路68、671が同一の筐体600内に設けられている。制御部30は、動かす順番、出力の配分もしくは出力の大小の優先順位に応じて「第1の回路」68及び「第2の回路」671を動作させることで、複数のアクチュエータ800、710を効率良く駆動する。これにより、熱や電力の集中を回避し、回路の熱マスや放熱量を抑制することができる。よって、筐体600を小型化することができる。
(2)制御部30は、起動期間にロックアクチュエータ710の状態に応じて優先順位を変える。具体的には、起動期間にステアリングがロック状態のとき、ステアリングロックの解除動作が優先される。ステアリングロックが解除されることで、ドライバによるステアリング操舵が可能となる。
(3)ECU10は、「第1の回路」68もしくは操舵アシストアクチュエータ800の異常、又は、「第2の回路」671もしくはロックアクチュエータ710の異常を検出する異常検出部50を備える。制御部30は、通常動作期間から停止期間への遷移時に異常検出部50により異常が検出された場合、「第2の回路」671からロックアクチュエータ710への通電を行わない。これにより、ロック装置20の破損等を防止することができ、信頼性が向上する。
(4)図7に示す回路構成例1では、三相インバータ回路68及びHブリッジ回路671は、独立して並列に設けられている。したがって、一方の駆動回路が異常の場合に他方の駆動回路への波及防止が容易である。
(5)図8、図9に示す回路構成例2、3では、三相インバータ回路68及びHブリッジ回路671は統合電力変換回路650、660をなしており、制御部30は、統合電力変換回路650、660を総合的に動作させる。統合電力変換回路650、660によりスイッチング素子の数を減らし、筐体600を小型化することができる。
(6)図9に示す回路構成例3では、操舵アシストアクチュエータ800を構成する三相モータは、二組の三相巻線組801、802を有する二重巻線回転機である。「第1の回路」68は二つの三相インバータ回路681、682で構成されている。操舵アシストアクチュエータ800を冗長構成とすることで、信頼性が向上する。
(7)回路構成例2、3の制御部30は、優先順位に応じて操舵アシストアクチュエータ800及びロックアクチュエータ710への印加電圧の合算値が所定値未満になるように制限する。これにより、最大電圧が有効に使われ、装置の小型化に効果的である。
(その他の実施形態)
(a)図20に、図2の変形例に相当するラックタイプEPSシステム901RCを示す。図20のEPSシステム901RCでは、操舵アシストアクチュエータ800は、図2のEPSシステム901Rと同様にステアリングラック97に配置される。一方、ロック装置20はステアリングコラム93に配置される。
(b)操舵アシストアクチュエータ800が多相回転機で構成される場合、三相モータに限らず、四相以上のモータで構成されてもよい。また、操舵アシストアクチュエータ800は三相モータ等の多相モータに限らず、直流モータやモータ以外のアクチュエータで構成されてもよい。
(c)ロックアクチュエータ710や位置系アクチュエータ720、730は、直流モータに限らず、リニアシリンダ等、モータ以外のアクチュエータで構成されてもよい。位置系アクチュエータ720、730は、チルトアクチュエータ720及びテレスコピックアクチュエータ730の二台に限らず一台以上のアクチュエータによりステアリングの位置を動かすものであればよい。
(d)図7~図9に示した回路構成例に対し、三相モータリレーや直流モータリレーが追加されたり、入力部にLCフィルタ回路が追加されたりしてもよい。それらは第1の回路、第2の回路、第3の回路のそれぞれに追加してもよく、共有させてもよい。また、第1の回路と第2の回路とが共通の電源Btに接続されるのでなく個別の電源に接続されてもよい。
本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
10・・・ECU(ステアリング制御装置)、 20・・・ロック装置、
30・・・制御部、
600・・・筐体、
671・・・Hブリッジ回路(第2の回路)、
672、673・・・Hブリッジ回路(第3の回路)、
68(681、682)・・・三相インバータ回路(第1の回路)、
710・・・ロックアクチュエータ、
720・・・チルトアクチュエータ(位置系アクチュエータ)、
730・・・テレスコピックアクチュエータ(位置系アクチュエータ)、
800・・・操舵アシストアクチュエータ。

Claims (11)

  1. ドライバのステアリング操舵を電気的にアシストする操舵アシストアクチュエータ(800)に通電する第1の回路(68)と、
    前記第1の回路と同一の筐体(600)内に設けられ、ステアリングの回転を機械的に規制するロック装置(20)を駆動するロックアクチュエータ(710)に通電する第2の回路(671)と、
    前記第1の回路及び第2の回路を操作し、前記操舵アシストアクチュエータ及び前記ロックアクチュエータの動作を制御する制御部(30)と、
    を備えるステアリング制御装置であって、
    前記制御部は、
    当該ステアリング制御装置が起動する期間である起動期間、通常動作を行う期間である通常動作期間、及び、停止する期間である停止期間の複数期間において、前記第1の回路と前記第2の回路とを動かす順番、前記第1の回路と前記第2の回路との出力の配分もしくは出力の大小、のうちいずれか一つ以上である優先順位を変えるステアリング制御装置。
  2. 前記制御部は、前記起動期間に前記ロックアクチュエータの状態に応じて前記優先順位を変える請求項1に記載のステアリング制御装置。
  3. 前記第1の回路もしくは前記操舵アシストアクチュエータの異常、又は、前記第2の回路もしくは前記ロックアクチュエータの異常を検出する異常検出部(50)を備え、
    前記制御部は、
    前記異常検出部により異常が検出された場合、前記停止期間における前記第2の回路から前記ロックアクチュエータへの通電を行わない請求項1または2に記載のステアリング制御装置。
  4. 前記操舵アシストアクチュエータ及び前記ロック装置は、ともにステアリングコラム(93)に配置される請求項1~3のいずれか一項に記載のステアリング制御装置。
  5. 前記操舵アシストアクチュエータ及び前記ロック装置は、ともにステアリングラック(97)に配置される請求項1~3のいずれか一項に記載のステアリング制御装置。
  6. 前記操舵アシストアクチュエータはステアリングラックに(97)に配置され、前記ロック装置はステアリングコラム(93)に配置される請求項1~3のいずれか一項に記載のステアリング装置。
  7. 前記操舵アシストアクチュエータは、一組以上の多相巻線組を有する多相回転機であり、
    前記ロックアクチュエータは直流回転機であり、
    前記第1の回路は、直流電力を変換し前記操舵アシストアクチュエータに通電する一つ以上の多相インバータ回路で構成され、
    前記第2の回路は、直流電力を変換し前記ロックアクチュエータに通電するHブリッジ回路で構成され、
    前記多相インバータ回路及び前記Hブリッジ回路において直列接続された一組の高電位側及び低電位側スイッチング素子をレッグとすると、
    前記直流回転機は、一端である第1端子(T1)が前記多相巻線組の一相の相電流経路に接続されており、他端である第2端子(T2)が前記Hブリッジ回路の片側のレッグをなす直流回転機用スイッチ(MU1H/L)に接続されており、
    少なくとも一つの前記多相インバータ回路及び前記Hブリッジ回路は、前記多相インバータ回路の一相のレッグと前記Hブリッジ回路の片側のレッグとを共有する統合電力変換回路(650、660)をなしている請求項1~6のいずれか一項に記載のステアリング制御装置。
  8. 前記制御部は、前記優先順位に応じて前記操舵アシストアクチュエータ及び前記ロックアクチュエータへの印加電圧の合算値が所定値未満になるように制限する請求項7に記載のステアリング制御装置。
  9. 前記ロックアクチュエータは、前記第1端子から前記第2端子(T2)に向けて電流が流れたとき、ロックが解除される側に動作する請求項7または8に記載のステアリング制御装置。
  10. 前記操舵アシストアクチュエータは、一組以上の多相巻線組を有する多相回転機であり、
    前記ロックアクチュエータは直流回転機であり、
    前記第1の回路は、直流電力を変換し前記操舵アシストアクチュエータに通電する一つ以上の多相インバータ回路で構成され、
    前記第2の回路は、直流電力を変換し前記ロックアクチュエータに通電するHブリッジ回路で構成され、
    前記多相インバータ回路及び前記Hブリッジ回路は、独立して並列に設けられている請求項1~7のいずれか一項に記載のステアリング制御装置。
  11. 前記多相回転機は二組の多相巻線組(801、802)を有する二重巻線回転機であり、
    前記第1の回路は二組の多相巻線組に通電する二つの多相インバータ回路(681、682)で構成され、
    前記直流回転機は、二組の前記多相巻線組のうち片方の相電流経路に接続されている請求項7~9のいずれか一項に記載のステアリング制御装置。
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