JP5119362B2 - 金属系ナノ粒子とそれを含んだ分散液及びその製造方法 - Google Patents

金属系ナノ粒子とそれを含んだ分散液及びその製造方法 Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、金属ナノ粒子(ナノメートルサイズの金属微粒子を意味する)及び金属化合物ナノ粒子(ナノメートルサイズの金属化合物の微粒子を意味する)、ならびにそれらの分散液の製造方法に関する。以下、金属ナノ粒子と金属化合物ナノ粒子を総称して「金属系ナノ粒子」とよぶ。
【背景技術】
【0002】
金属系ナノ粒子やその分散液を得るための代表的な方法として、金属イオンや金属錯体を含む溶液の化学的な還元反応を利用して金属コロイド溶液を得る方法(これを「化学還元法」という。)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】
特開平10−66861号公報
【特許文献2】
国際公開第2006−030605号
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】
Mituo Kawasaki et. al,"Laser−Induced Fragmentative Decomposition of Ketone−Suspended Ag2O Micropowders to Novel Self−Stabilized Ag Nanopaticles", J. Phys. Chem. C, 2008, 112, 15647−15655.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
化学還元法では、金属系ナノ粒子の凝集を避けるために、界面活性剤、クエン酸などを用いて金属系微粒子表面を多量の有機保護膜で被覆することを必要とする。また、高濃度の金属系ナノ粒子分散液を作成するために、多量の還元剤を必要とする。
なお、界面活性剤、クエン酸などのように金属系ナノ粒子の凝集防止の目的に使用される物質を、本明細書においては、「凝集抑制物質」とよぶ。そして、凝集抑制物質やこの還元反応生成物は通常、いずれも導電性を有しない有機物で構成されるため、化学還元法で得られる金属系ナノ粒子の分散液を導電性の塗膜などに適用する場合、有機物やその還元反応生成物(場合によっては未反応の還元剤を含む還元反応副生成物)を除去して導電性を発現させる工程が必要不可欠であった。
【0006】
例えば、銀ナノ粒子の表面にクエン酸などの有機物を吸着させることで分散性を維持する銀ナノ粒子の製造方法が知られている。しかし、本来、導電性が高いはずの銀ナノ粒子であるにかかわらず、この方法で得られた銀ナノ粒子は、有機物の吸着により導電性が失われている。このため、得られた銀ナノ粒子を導電塗膜等に適用する場合、有機物を除去するために150℃以上で加熱しなければならないだけでなく、導電性を有するといってもそれは極めて表面抵抗の大きい、電気的特性の不十分な塗膜しか得られなかった。
【0007】
また、最近では、水溶液中に懸濁させた金属粉や金属酸化物粉にパルスレーザー光を照射することで、界面活性剤も還元剤も必要としない金属系ナノ粒子の製造方法も知られている。
【0008】
しかしながら、この方法は、ナノ秒オーダーの極めて短いパルス幅を生成する高価なパルスレーザー装置を必要とする。単位レーザー出力あたりの金属系ナノ粒子の生成効率としては比較的高い値が得られるものの、パルスレーザーは出力が小さく、このため金属系ナノ粒子を低コストで効率よく生産することは困難であった。
【0009】
本発明は、凝集抑制物質や還元剤などの有機物を含まないで溶媒中に安定に分散される金属系ナノ粒子を、大量かつ低コストに製造する方法を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、簡便な方法によって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、金属系ナノ粒子とそれを含んだ分散液及びその製造方法に関する。
【0011】
本発明に係る金属系ナノ粒子分散液は、金属化合物の粉末(本発明では、これを「原料粉」とよぶこともある。)を溶媒中に懸濁させ、その懸濁液を、非酸化性ガス雰囲気下で加熱して得られたものであって、界面活性剤などの凝集抑制物質を含有することなく高い分散安定性を保持できることを特徴とする。
【0012】
本発明の金属系ナノ粒子は、原料粉を、溶媒中に懸濁させ、その懸濁液を非酸化性ガス雰囲気下で加熱するという簡便な操作によって、その分散液として得ることができる。分散液には金属系ナノ粒子の凝集抑制のために凝集抑制物質を含有させることを必要としない。
本発明にいう、非酸化性ガスとは、窒素、アルゴンなどの不活性ガス又は水素ガスなどの還元性のガスを意味する。
原料粉懸濁液を非酸化性ガス雰囲気下で加熱するには、容器内の原料粉懸濁液内に非酸化性ガスを通気(バブリング)しながら、原料粉懸濁液の入った容器内に非酸化性ガスを通気しながら、又は、非酸化性ガスと原料粉懸濁液とを容器に充填して加熱するなどの方法により、原料粉懸濁液が空気、酸素などの酸化性気体に接しない条件下で加熱する。そしてこの加熱は、懸濁液を攪拌、振とうなどの方法により原料粉の懸濁状態を保持しながら実施される。
加熱温度は、通常、100℃〜溶媒の沸点の範囲である。
本発明の方法によって、原料の金属化合物粉末(原料粉)が還元された金属系ナノ粒子を製造することができる。
例えば、酸化銀(AgO)粉末を原料粉として使用することにより銀ナノ粒子を得ることができ、水酸化銅[Cu(OH)]粉末を原料粉として使用することにより酸化銅(I)(CuO)ナノ粒子を得ることができる。
本発明の金属系ナノ粒子の製造方法において、原料粉と溶媒からなる懸濁液に、原料粉と同じ金属種の金属系ナノ粒子を種粒子としてあらかじめ混入させておくと、あらかじめ混入させた金属系ナノ粒子と同種・同サイズの金属系ナノ粒子を、効率よく製造することができる。
本発明の金属系ナノ粒子分散液は、凝集抑制物質を含まないにもかかわらず、最大粒子径が50nmで比較的揃った状態で長期間に亘り、安定的に分散状態を維持できる点が特徴である。
【0013】
本発明の製造方法において、原料となる金属化合物粉(原料粉)については、不活性ガスもしくは水素ガスなどの非酸化性ガスの環境下の溶媒中における所定の加熱温度において「還元的物質変換」(詳細は後述する)が生じるようなものであれば、金属の種類は問わない。例えば金属化合物として、酸化銀(AgO)、酸化銅(I)(CuO)や酸化銅(II)(CuO)、酸化錫(IV)(SnO)や酸化錫(II)(SnO)等の金属酸化物、或いは水酸化銅(Cu(OH))その他の金属水酸化物などを挙げることができ、これらの金属化合物の粉体が原料粉として使用される。
【0014】
本発明の金属系ナノ粒子分散液中の金属系ナノ粒子は粒子径が50nm以下からなり、粒子径分布が略ガウス分布であると共に、粒子表面の少なくとも一部に単結晶ファセットを有する、すなわち結晶性が極めて高いものであるという特徴がある。但し、全ての粒子が完全な単結晶である必要はない。
【0015】
本発明に使用される溶媒は、γ−ブチロラクトン、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノンその他の沸点が100℃以上のケトン類又はカルボニル化合物、又は、沸点が100℃以上のテトラデカンその他の高沸点アルカン類が好ましい。
【0016】
本発明に係る金属系ナノ粒子分散液は、例えば、導体形成用インクの主成分として好適に利用することができる。
【0017】
さらに、本発明に係る導体形成用インクを用いて、インクジェット法、スピン塗布法、凸版印刷法、凹版印刷法、又はスクリーン印刷法により、導体を形成する成膜方法として好適に利用することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る金属系ナノ粒子は、非酸化性雰囲気下で、原料粉の懸濁液を加熱するだけの簡便な操作と設備により大量にかつ安価に製造することができる。
またこのようにして得られた金属系ナノ粒子は、製造過程における自己触媒的増殖機能と密接に関連する機構により、その粒子サイズが巧妙に制限され、かつ溶媒中で、分散剤或いは界面活性剤等の凝集抑制物質を添加することなく、高い分散安定性を保持する。すなわち、本発明に係る金属系ナノ粒子の表面には、溶媒の吸着を除いて、強固な有機保護膜が存在しない。更に、主な反応副生物は水、酸素、二酸化炭素などのように、加熱工程で自動的に揮発除去されるため、これらの除去のための余分な圧力や熱の処理が不要である。このため本発明に係る金属系ナノ粒子は、導体形成用インクをはじめとする幅広い応用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施例1において、計8回の工程を繰り返した際に得られた銀ナノ粒子分散液の、各工程終了毎に測定した、一連の吸収スペクトルである。
【図2】(a)銀ナノ粒子における粒子径の分布の程度を示す比較的低倍率のTEM像の一例(b)これらをもとにして得られた粒子径分布図
【図3】(a)銀ナノ粒子の結晶性の高さ(格子縞が粒子全体に一直線につながる)を示す高倍率TEM像の一例。(b)更に高倍率で観測した、三角状の単結晶性ファセットの存在を示すTEM像の一例。(c)結晶性の高さを更に支持する電子線回折スポットの一例。
【図4】実施例1で得られた銀ナノ粒子分散液の溶媒を強制蒸発させ、これをもって約25質量%の高濃度銀ナノ粒子分散液を作成した場合にも、銀ナノ粒子が、界面活性剤などの添加なしに、高い分散安定性を保持することを示す吸収スペクトルである。
【図5】実施例1と同じ条件で、原料粉としてより大きな酸化銀粉末を使用した実施例2で得られた銀ナノ粒子分散液の一連のスペクトルである。
【図6】(a)は、非特許文献1に記載されているレーザー法であらかじめ作成した銀ナノ粒子を種粒子として、実施例1と同じ条件で銀ナノ粒子を作成した、実施例3で得られた銀ナノ粒子分散液の一連のスペクトルである。(b)は、種粒子をレーザーアニールした場合の同様な実験で得られた一連のスペクトルであり、アニールの有無により、自己触媒的増殖機能に大きな差が生まれることを示している。
[図7]水酸化銅粉末を原料として、窒素ガスの環境下の非酸化性雰囲気で、酸化銅(I)ナノ粒子を作成した、実施例4における、ナノ粒子分散液の一連の吸収スペクトルである。
[図8]図7の実験と同じ条件で、あらかじめレーザー法で作成した酸化銅ナノ粒子を種粒子として、その自己触媒的増殖により、粒径の小さな酸化銅(I)(CuO)ナノ粒子を作成した、実施例5における、ナノ粒子分散液の一連の吸収スペクトルである。
[図9]実施例1と同じ条件で、攪拌のみで、不活性ガスのバブリングを行わずに実施した比較例2における、ナノ粒子分散液の一連の吸収スペクトルである。
発明を実施するための形態
[0020]
はじめに、本発明における金属系ナノ粒子生成の基本的な手順について、説明する。
(金属系ナノ粒子生成の手順)
金属酸化物からなる原料粉を、溶媒中、非酸化性雰囲気で所定の温度で加熱すると、原料粉の大半は未変化もしくは酸素比率が有意に低下した金属酸化物粉に変換されるだけであるが、同時に少量の金属系ナノ粒子(割合にして1%〜数%(質量パーセント))が生成される。
このようにして生成した少量の金属系ナノ粒子を溶媒中で攪拌した懸濁液に、これと同種の金属からなる金属化合物の粉末(原料粉)を導入して、上記加熱工程を繰り返すと、原料粉から金属系ナノ粒子への変換が起こる。すなわち、最初の加熱工程で生成された少量の金属系ナノ粒子と同種・同サイズの金属系ナノ粒子が、数倍から10倍以上の高い効率で生成される。その様子は、あたかも同種・同サイズの金属系ナノ粒子が複製されるかのごとくであることから、本明細書では、これを「自己触媒的増殖機能」とよぶ。この一連の過程を繰り返すことにより、容易に高濃度の金属系ナノ粒子分散液が得られる。
【0021】
なお、自己触媒的機能を有する金属系ナノ粒子としては、上記の最初の工程で少量生成される金属系ナノ粒子の代わりに、任意の別法であらかじめ作成した金属系ナノ粒子(種粒子、seed)を用いることもでき、これにより金属系ナノ粒子の製造効率を更に高めることもできる。
【0022】
金属系ナノ粒子が自己触媒的増殖機能を有するメカニズムは明らかではないが、懸濁液中において、金属系ナノ粒子と原料粉とが接触する際に、金属系ナノ粒子が原料粉の局所的な還元的物質変換を促進する機能に由来して、この部分から、新たな金属系ナノ粒子が生成されるものと推察される。
【0023】
この際、原料粉から金属系ナノ粒子が還元、生成されるときに、元からある金属系ナノ粒子は表面酸化を受けるが、むしろこれにより、「粒径の増大」という、ナノ粒子にとって望ましくない成長が抑制されるだけでなく、分散安定性が向上する。
【0024】
以上のように、分散安定性を高めた高品質な金属系ナノ粒子を大量かつ低コストで製造することを目的として、本発明の方法は、基本的には、
S1 金属化合物の粉末を、所定の溶媒中に懸濁させる工程と、
S2 その懸濁液を、不活性ガスもしくは水素ガスの雰囲気下で(好ましくは、不活性ガスもしくは水素ガスを通じながら)所定の温度で加熱する工程という、単純な2つの工程から構成される。この生成された金属系ナノ粒子が、加熱工程において自己触媒的増殖機能を有する場合には、必要に応じて原料粉を逐次追加しながら加熱工程を繰り返すことにより、高濃度の金属系ナノ粒子分散液を大量かつ安価に製造できる。
【0025】
本発明の金属系ナノ粒子は、原料となる金属化合物の、所定の温度に加熱された溶媒中における、還元的物質変換により製造される。生成した金属系ナノ粒子は、溶媒中に分散した状態で得られるが、後に溶媒置換などの方法を用いることにより、製造時の溶媒とは異なる分散溶媒に分散した金属系ナノ粒子を調整することもできる。
【0026】
また、本発明の金属系ナノ粒子分散液は、溶媒の蒸発による濃縮により、製造時の濃度を任意に上回る高濃度分散液とすることもできる。
【0027】
本発明の金属系ナノ粒子は、その製造過程に最も大きな特徴があり、生成した金属系ナノ粒子が以後の金属系ナノ粒子の生成を自己触媒的に促進することにより、金属系ナノ粒子の増殖が起こる。こうして得られる金属系ナノ粒子の特性は、原料として用いる金属化合物の種類、その形と大きさ、溶媒の種類、加熱温度、処理時間、非酸化性雰囲気を与えるガスの種類などの諸条件を適宜選択することにより制御される。
【0028】
原料として用いる金属化合物は酸化物もしくは水酸化物が好ましい。原料に要求される条件としては、不活性ガスもしくは水素ガスの環境下の溶媒中における所定の加熱温度において、有意な還元的物質変換が生じるようなものでなければならない。この条件を満たすものであれば、金属の種類は問わない。具体的には、銀ナノ粒子の製造には酸化銀(AgO)が好ましく、銅或いは酸化銅ナノ粒子の製造には酸化銅(I)(CuO)や酸化銅(II)(CuO)、或いは水酸化銅(Cu(OH))を、錫ナノ粒子の製造には酸化錫(IV)(SnO)や酸化錫(II)(SnO)を用いることができる。
【0029】
原料として用いる金属化合物の形態としては、溶媒中での金属系ナノ粒子との有効な接触を保証するため、粉体であることが好ましい。「原料粉」と表現したのはこのためである。粉体の粒子径は必ずしも小さなものがよいとは限らず、自己触媒的増殖反応が効率よく進むように、種類に応じて適宜選択する必要がある。
【0030】
また、加熱工程における処理温度としては特に原理的な上限はなく、使用する溶媒の沸点が実際上の上限となる。
【0031】
溶媒は、原料金属化合物の分散溶媒としての役割のみならず、加熱工程における反応の制御、更に生じた金属系ナノ粒子を、界面活性剤などの添加によらず安定に分散させる役割を果たすため、特に重要である。また、この加熱工程は実験による経験値として、100℃以上の温度を必要とする。このため、溶媒の沸点はできるだけ高いことが望ましい。一方で、分散した金属系ナノ粒子を塗布乾燥して利用する場合、溶媒の揮発を促すためにも、過剰に高い沸点も好ましくない。これらの観点から、総合的に最も好ましい溶媒は、γ−ブチロラクトン(沸点203℃)である。この溶媒は、幅広い加熱温度に対応できる利点がある。その他、ジアセトンアルコール(沸点168℃)、シクロヘキサノン(沸点156℃)などのケトン類(カルボニル化合物)、或いはテトラデカンなどの沸点が100℃を超える高沸点アルカン類などでもよい。
【0032】
加熱工程における溶媒内部の雰囲気は非酸化性雰囲気に保つ必要がある。これには、窒素やアルゴンなどの不活性ガスのバブリング、或いはより還元性が高い水素ガスのバブリングを好適に利用できる。
【0033】
(第1の実施形態)
上記原料を用いて、本発明の金属系ナノ粒子及び金属系ナノ粒子分散液は、次のようにして製造される。
【0034】
まず、上記溶媒、例えばγ−ブチロラクトン中に、原料となる金属化合物の粉体(原料粉)を分散させる。典型的な分散量は、溶媒1mLあたり10mg程度である。最初の加熱工程で生成する金属系ナノ粒子の量は、原料を過剰に分散させてもほとんど増加しないか、むしろ減少する場合もあるので、適量を選択する必要がある。
【0035】
次に、溶媒内部の雰囲気を非酸化性雰囲気とするため、不活性ガスもしくは水素ガスをバブリングなどにより定常的に導入する。その量は、酸素の混入を防止できる程度であれば十分である。こうして、原料粉を分散した溶媒を所定の温度で、金属系ナノ粒子の生成反応が終結(飽和)するまで(典型的な場合、その時間は約30分)加熱し、冷却後に沈降成分(加熱を続けても、もはやナノ粒子を生成することのない、化学量論組成が原料粉とは異なる反応残渣)を遠心分離で取り除く。このようにして得られた金属系ナノ粒子分散液に新たに原料粉を追加して、同様の工程を繰り返すことにより、第二回目の工程以後は、すでに存在する金属系ナノ粒子の自己触媒的増殖機能により、金属系ナノ粒子の収量が格段に向上し、必要な濃度の金属系ナノ粒子分散液が容易に得られる。この際、各工程に必ずしも遠心分離の操作を含める必要はなく、原料粉を遂次追加して加熱を続け、最後に沈降成分を遠心分離で取り除いてもよい。また、目的の濃度を達成するまで、上記工程を繰り返すこともできるが、適当な段階で、溶媒の強制蒸発により分散液を濃縮することで、目的の濃度を得ることもできる。
【0036】
−実施例1−
原料粉として、福田金属箔粉工業(株)製の酸化銀微粉末を使用し、溶媒として、和光純薬工業(株)製γ−ブチロラクトン特級試薬を用いた。内容量10mLのガラス容器に5mLの溶媒を入れ、これに約40mgの原料粉を投入して、マグネチックスターラーによる攪拌と、毎分約20mLの窒素ガスバブリングによる脱気条件のもとで、ホットプレートを用いて約135℃で15分加熱した。次に、これを室温付近まで冷却後、沈降物を遠心分離で取り除き、得られた銀ナノ粒子分散液の状態を、その一部を適宜希釈して主に、浜松ホトニクス(株)製のマルチチャネルアナライザー(PMA11)を用いて、吸収分光法で解析した。その後、同分散液に、再び原料粉を追加し、同様の工程を計8回繰り返した。但し、最後の8回目だけは、原料粉を約2倍に増やし、投入量は70mgとした。
【0037】
図1は、上記の工程において、銀ナノ粒子の濃度がどのように各工程毎に増加したかを示す一連の吸収スペクトルである。波長400nm付近に、銀ナノ粒子の表面プラズモンに由来する、鋭い吸収が認められる。吸収バンドの形は、工程を重ねてナノ粒子濃度が増加しても、ほとんど変化せず、そのピーク位置や、また分散液による光散乱がほとんど見られない(透明度が非常に高い)ことから、分散液中には直径30nm以下の銀ナノ粒子が支配的に存在していることがわかる。
【0038】
図2は、上記の事実を更に裏付ける一連のTEMデータである。図2(a)は、銀ナノ粒子における粒子径の分布の程度を示す比較的低倍率のTEM像の一例を表し、図2(b)は、これらをもとにして得られた粒子径分布図である。粒子径分布に広いテールが存在しないことを特徴とする、ガウス型に近い分布が確認された。これは図1に示した吸収スペクトルの形状とも合致している。
【0039】
図3(a)及び図3(b)は、図2(a)よりも更に高倍率のTEM像を表す。また、図3(c)は、電子線回折スポット像を表している。これらは本発明の実施例で得られた銀ナノ粒子が極めて高い結晶性を持つことを表している。各銀ナノ粒子は、必ずしも単結晶粒子ではないが、図3(a)に示される銀ナノ粒子の拡大像である図3(b)では、粒子全体に一方向に連続した格子縞や、粒子の中心部に大きく広がる三角状の単結晶ファセットも確認されたことなどから、得られた銀ナノ粒子はいずれも真球に近い形状でありかつ高い結晶性を有することが判明した。
【0040】
また図1に示す最後の8回目の工程の後に得られた銀ナノ粒子分散液について、その濃度は1質量%余りである。本実施例の銀ナノ粒子分散液を導体形成用のインクとして用いる場合には、その濃度を目的とする成膜工法の例えば、印刷特性に応じて任意の濃度に調整でき、20質量%以上まで更に高めることが望ましい。この高濃度化は、上記の工程を更に繰り返すことによっても達成可能であるが、ここではより簡便な方法として、溶媒の強制蒸発による濃縮を試みた。
【0041】
図4は、この方法で約25質量%まで高濃度化した分散液の吸収スペクトルである。このような高い濃度にも拘わらず、依然として鋭いプラズモン吸収バンドが維持され、光散乱を起こすような粗大ナノ粒子の形成は認められなかった。これは本実施例の銀ナノ粒子が、界面活性剤などの添加なしに、溶媒中で非常に高い分散性を保つことが証明されたことを示している。
【0042】
−実施例2−
実施例1と同じ条件で、原料粉として、和光純薬工業(株)製の酸化銀微粉末を使用した。実施例1で使用した原料粉と比べて、その粒子サイズが大きいという違いがある。
図5は、一工程あたり、約40mgの原料粉を用いて、計7回の工程を繰り返したときの、図1に対応するスペクトルである。但し最後の7回目の工程では、原料粉の投入量を200mgとした。初工程〜3回目の工程で生成した銀ナノ粒子は実施例1と比べてむしろ向上した。一方、その後の工程では、一工程あたりの銀ナノ粒子は、約5mgと、実施例1の場合より低下し、原料から銀ナノ粒子への変換率は約10%に止まった。この比率は、最後の7回目の工程で原料粉の投入量を200mgに増やした場合にも変わらなかった。この結果は、比較的初期の工程では、むしろ粒子サイズが大きな原料粉を選択することにより、銀ナノ粒子の生成効率が向上することを示唆している。特に初工程では、原料粉の大半がナノ粒子以外の沈降成分となり、この過程がナノ粒子生成過程と競合する。サイズの大きな原料粉では、この競争過程の進行速度が比較的遅いため、その分、ナノ粒子生成の効率が向上するものと考えられる。
【0043】
−実施例3−
別法であらかじめ作成した銀ナノ粒子の自己触媒的増殖機能の有無を調べるために、非特許文献1に記載されたレーザー法を用いて作成した銀ナノ粒子を使用した。その任意量を、種粒子として、初工程において原料粉と共に添加した以外は、条件は、実施例1と同じである。但し工程の繰り返し回数は計4回とした。
図6(a)は、このときに得られた一連の吸収スペクトルである。図1や図4と異なり、工程数が増えるにつれて、1回の工程で得られる銀ナノ粒子の量がむしろ減少した。また同時に、スペクトルのピーク位置が次第に長波長側にシフトしていることがわかる。これは、各工程で、原料粉から新たな銀ナノ粒子が生成したのではなく、単に、あらかじめ添加した種粒子が次第に成長したことを意味し、そのサイズがある限界を超えると、更なる成長が起こらなくなるだけでなく、自己触媒的増殖機能も失われることを示唆している。
【0044】
ところが、上記と同じレーザー法で作成した銀ナノ粒子に、波長1064nmのレーザー光を更に追加照射して、一種のレーザーアニール(銀ナノ粒子がパルスレーザー照射で加熱され、粒子の結晶性を向上させるプロセス)を施した銀ナノ粒子を種粒子として使用すると、図6(b)に示したように、種粒子の量を大幅に減らしたにも拘わらず、工程数の増加と共に、一工程で得られる銀ナノ粒子の量は、実施例1と同様に、着実に増加した。スペクトルのピーク位置にも変化がない。すなわち、ここで用いた種粒子は、自己触媒的増殖機能を有したことを意味する。図6(a)と図6(b)の差は、自己触媒的増殖機能の発現において、ナノ粒子の結晶性の高さが重要な役割を果たすことを示唆している。
【0045】
−実施例4−
原料粉として、和光純薬工業(株)製の水酸化銅粉末を使用し、溶媒として、和光純薬工業(株)γ−ブチロラクトン特級試薬を用いた。内容量10mLのガラス容器に5mLの溶媒を入れ、これに約60mgの水酸化銅を投入して、マグネチックスターラーによる攪拌と、毎分約20mLの窒素ガスバブリングによる脱気条件のもとで、ホットプレートを用いて、γ−ブチロラクトンの沸点に近い170〜180℃で、20分加熱した。室温付近まで冷却後、沈降物を遠心分離で取り除き、分散液の状態を吸収分光法で解析した。
【0046】
図7は、上記の工程において、二価の銅が窒素雰囲気で一価の銅に還元される中で生成した酸化銅(I)(CuO)ナノ粒子分散液の一連のスペクトルである。初工程で生成したCuOナノ粒子の重量は1mg足らずで、投入原料粉60mgのほぼ1%程度にあたる。なお水酸化銅と酸化銅(I)の分子量から、投入原料粉60mgが全て酸化銅(I)に変換されたとしても、得られるその最大重量は44mgである。また図7のスペクトルは、長波長側に大きなテールを有しており、分散液が比較的強い光散乱を示すことからも、ナノ粒子のサイズは、比較的大きく、直径50nm以上の粒子も含まれていることが推定される。第二回目の工程以降で生成するナノ粒子も同様であるが、一工程あたりの生成量は、2〜7回目の工程で初工程の4倍近くに増加した。やはり、ここでも有意な自己触媒的増殖機能が発現している。
【0047】
−実施例5−
実施例4と同じ条件で、種粒子として、あらかじめレーザー法で作成した銅ナノ粒子を酸化して得られた酸化銅(I)ナノ粒子を用いた。図8に示すように、その結果は、本発明を特徴づける自己触媒的増殖機能の本質的な役割をより明確に示している。すなわち図8において、本実施例で用いた種粒子のスペクトルは、500nm付近から短波長側に向かって比較的鋭い立ち上りを示し、長波長側の吸収が小さい。これは、粒径10nmレベルの小さな酸化銅(I)ナノ粒子の性質を表している。更に、二回目の工程以降で、はるかに高い効率で生成するナノ粒子もまた、同様な性質を有していることが図8のスペクトルから読み取れる。実施例4に対する図7と、本実施例に対する図8の実験条件の違いは、種粒子の違いのみである。にも拘わらず、繰り返しの工程で生成するナノ粒子にこのような大きな差が現れることは、種粒子があたかも何らかの遺伝子的情報を備えているかのごとく、同種・同サイズのナノ粒子が後続する繰り返し工程で増殖する自己触媒的増殖機能と密接に関連する機構を裏付けている。
【0048】
−比較例1−
加熱しないこと以外は実施例1と同じ条件で実施した。1回目の工程実施後の液を、吸収分光法で解析した。その結果、銀ナノ粒子に由来するプラズモンのスペクトルは見られず、銀ナノ粒子が生成しないことがわかった。また、工程を8回目まで繰り返したが、いずれも銀ナノ粒子が生成しないことがわかった。原料粉を酸化銀、溶媒をγ−ブチロラクトン、雰囲気を窒素雰囲気とする条件において、銀ナノ粒子の有意な生成を確認できたのは、100℃以上の加熱条件を用いた場合である。
−比較例2−
実施例1と同じ条件で、攪拌は行うが、窒素ガスをバブリングせずに実施した。1回目及び2回目の実施後の液を、吸収分光法で解析したところ、図9に示したように、順調に銀ナノ粒子が生成するように思えた。ところが、3回目以降の実施後では、銀ナノ粒子の量が増えるどころか、逆にプラズモン強度が低下し、初期に生成した銀ナノ粒子の多くが系から失われることがわかった。実施例1や本比較例のように、130℃以上の温度に加熱された溶媒からは、溶媒の蒸発とともに溶存酸素も系から除去され、初回及び2回目の工程においては、非酸化性の雰囲気がかろうじて維持されるが、銀ナノ粒子の生成に伴い、原料粉からは絶えず酸素が放出され、それが次第に系内に蓄積するにいたって、ついには銀ナノ粒子の生成が抑制され、一部は酸化により失われることがわかった。
−比較例3−
比較例2で示された非酸化性雰囲気の重要性を更に確認するために、実施例1と同じ条件で、窒素ガスの代わりに空気をバブリングして実施した。その結果、初回の工程を含めて、銀ナノ粒子に由来するプラズモンのスペクトルは見られず、銀ナノ粒子がもはや生成しないことがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明に係る金属系ナノ粒子は、自己触媒的増殖機能という特異的な作用に基づいて、適宜選択した溶媒中に原料金属化合物粉を分散させる容器と、非酸化性雰囲気を与えるガスの供給、ならびに単純な加熱工程のみで、大量かつ安価に製造できるため、電子回路装置の導体形成用インクなどに広く適用することが期待される。
以上のように、本発明は工業的に大きな波及効果が期待でき、その産業上の利用可能性は極めて大きい。

Claims (10)

  1. 酸化銀(Ag O)、酸化銅(II)(CuO)および水酸化銅(Cu(OH) から選ばれる金属化合物の粉末と、γ−ブチロラクトン、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノンその他のケトン類である有機溶媒とからなる懸濁液を、不活性ガスをバブリングしながら加熱して得られる、凝集抑制物質なしでも高い分散安定性を保持することが可能な、前記金属化合物に応じてAgおよび酸化銅(I)(Cu O)から選ばれる金属系ナノ粒子分散液。
  2. 酸化銀(Ag O)、酸化銅(II)(CuO)および水酸化銅(Cu(OH) から選ばれる金属化合物の粉末と、γ−ブチロラクトン、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノンその他のケトン類である有機溶媒と、該金属化合物と同じ金属種を含み、Agおよび酸化銅(I)(Cu O)から選ばれる金属系ナノ粒子からなる懸濁液を、不活性ガスをバブリングしながら加熱して得られる、凝集抑制物質なしでも高い分散安定性を保持することが可能な、前記金属化合物に応じてAgおよび酸化銅(I)(Cu O)から選ばれる金属系ナノ粒子分散液。
  3. 酸化銀(Ag O)、酸化銅(II)(CuO)および水酸化銅(Cu(OH) から選ばれる金属化合物の粉末と、前記金属化合物に対する還元性を有しない有機溶媒とからなる懸濁液を、不活性ガスをバブリングしながら加熱する工程を有することを特徴とする、前記金属化合物に応じてAgおよび酸化銅(I)(Cu O)から選ばれる金属系ナノ粒子分散液の製造方法。
  4. 酸化銀(Ag O)、酸化銅(II)(CuO)および水酸化銅(Cu(OH) から選ばれる金属化合物の粉末と、前記金属化合物に対する還元性を有しない有機溶媒と、該金属化合物と同じ金属種を含み、Agおよび酸化銅(I)(Cu O)から選ばれる金属系ナノ粒子からなる懸濁液を、不活性ガスをバブリングしながら加熱する工程を有することを特徴とする、前記金属化合物に応じてAgおよび酸化銅(I)(Cu O)から選ばれる金属系ナノ粒子分散液の製造方法。
  5. 前記加熱の温度と前記有機溶媒の沸点が、いずれも100℃以上であることを特徴とする請求項3又は4に記載の金属系ナノ粒子分散液の製造方法。
  6. 前記有機溶媒は、γ−ブチロラクトン、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノンその他のケトン類であることを特徴とする請求項に記載の金属系ナノ粒子分散液の製造方法。
  7. 前記金属系ナノ粒子分散液の製造方法は、製造工程とは異なる溶媒に置換する工程を更に備えることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項記載の金属系ナノ粒子分散液の製造方法。
  8. 前記金属系ナノ粒子分散液の製造方法は、最終工程において、溶媒を蒸発させることにより金属系ナノ粒子の濃度を高める工程を更に備えることを特徴とする請求項3〜7のいずれか一項記載の金属系ナノ粒子分散液の製造方法。
  9. 請求項1又は2記載の金属系ナノ粒子分散液を主成分とする導体形成用インク。
  10. 請求項記載の導体形成用インクを用いて、インクジェット法、スピン塗布法、凸版印刷法、凹版印刷法、又はスクリーン印刷法により、導体を形成する成膜方法。
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