JP6033545B2 - 銅系ナノ粒子高濃度分散液を用いた導体膜とその製造方法 - Google Patents

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本発明は、銅ナノ粒子(ナノメートルサイズの銅微粒子を意味する)又はその酸化物である銅酸化物ナノ粒子(ナノメートルサイズの銅酸化物の微粒子を意味する)を主成分とする導体膜とその製造方法に関する。以下、銅ナノ粒子と銅酸化物ナノ粒子を総称して「銅系ナノ粒子」とよぶ。
物質の融点は、材料のサイズを微細化するにつれて低下する。このため、金属系ナノ粒子(ナノメートルサイズの金属微粒子又は金属化合物微粒子を意味する)の高濃度分散液を基材上に薄膜状に塗布及び乾燥し、基材と共に加熱処理すると、バルクの融点よりもはるかに低い温度、たとえば絶対温度で表した融点の半分以下の温度で粒子間の焼結が進行し、バルク金属薄膜に近い物性を発現した導体膜、いわゆる「金属系ナノ粒子膜」(以下、本明細書では単に「導体膜」とよぶ)が得られる。
金属系ナノ粒子の高濃度分散液は、金属系ナノ粒子膜の原料となるものであり、金ナノ粒子や銀ナノ粒子を原料とする技術が知られている(非特許文献1)が、近年では、金や銀と比較して材料自体の単価が安価な銅或いは銅の酸化物を用いた銅配線基板の製造方法が研究されている(特許文献1〜4)。
特許文献1では、表面酸化層を有する銅微粒子の分散液を利用して、微細なパターン描画後、比較的に低い温度下で塗布膜中に含まれる銅微粒子または酸化銅微粒子に還元処理を施し、生成する銅微粒子を焼成して、優れた導電性を示す銅微粒子焼結体型の微細形状導電体を形成する方法等について開示している。
特許文献2、3では、銅と酸化銅によるコア/シェル構造(すなわち、中心部が銅で表皮部が酸化銅である構造)を有する粒子、又は酸化銅からなる粒子を用いて製造される導電性基板及びその製造方法等について開示している。なお、この研究に先立ち、本件発明者らもまた、中心部が金属で表皮部が金属酸化物からなる「コア/シェル構造」を有する金属ナノ粒子分散液が、界面活性剤等を添加することなく優れた分散安定性を有することを見いだし、その具体例として、コア部が純銅(Cu)、シェル部が亜酸化銅すなわち酸化銅(I)(CuO)からなる金属微粒子分散液とその製造方法について開示している(特許文献4)。
一般に、導体膜の主要な原料となる金属ナノ粒子の分散液は、凝集が抑制された状態で長期間にわたり安定して分散することが求められるため、界面活性剤などの表面処理剤を添加する場合が多い。その一方で、界面活性剤等、凝集を抑制するための種々の凝集抑制物質は、いずれも有機物からなり導電性を阻害する不純物であるため、最終生成物である分散液中には極力含まないことが要求される。
このことに加えて、既に研究が先行している金ナノ粒子や銀ナノ粒子と比較して、銅ナノ粒子は酸化され易いという性質を有する。しかも、一般に物質は純度が高いほど、本来物質が有している物性に近づくために、0価の銅である純銅のナノ粒子分散液を基材上に塗布した後、焼結によりバルク銅に近い導体膜を得るためには、非酸化雰囲気中で少なくとも300℃を超える高温処理が必要であり、銅系ナノ粒子分散液を基材上に塗布した後でこのような高温の熱処理を行う場合、基材に要求される耐熱温度は、300℃を超える高温になる。しかし、プリント配線基板などの導体膜の基材となる材料は、一般に耐熱性が200℃以下の熱硬化性樹脂(たとえばエポキシ樹脂)などが用いられるため、耐熱性の高い基材を選択する必要が生じる。
特開2008−146999号公報 特開2009−218167号公報 特開2009−218497号公報 国際公開第2008/114866号パンフレット
以上のような背景から、比較的低温の熱処理により高い導電性を有する銅の導体膜を得るためには、酸化していない純金属状態の銅ナノ粒子を用いるのではなく、酸化銅などのような酸化物系銅ナノ粒子を用いることが好ましいと考えられる。なぜなら、酸化していない純金属状態の銅ナノ粒子を出発物質として導体膜を得る場合は、焼結という物理的な拡散反応によってバルク銅の生成が進行するため大きな熱エネルギーが必要となるのに対し、酸化銅を還元する反応は、物理的な拡散ではなく主に化学的な反応によって進行するからである。還元反応の際にも一定の熱エネルギーを加える必要はあるが、それは還元反応を促進するための補助的なものに過ぎない。
上述の特許文献2では、銅と酸化銅によるコア/シェル構造(すなわち、中心部が銅で表皮部が酸化銅である構造)を有する金属ナノ粒子を出発物質として導体膜の形成を行うことが記載されているが、コア/シェル構造を有する金属ナノ粒子を基材上に塗布した時点では大部分が純銅であり、導体膜形成工程において焼結のための十分な熱エネルギーが必要となる。このようなメカニズムによる場合、焼結工程の温度が高温であるほど、また焼結時間が長いほど、拡散反応が進行するものと思われる。基材の耐熱温度を考慮して焼結温度を低温にして得られる銅焼結体は粒子間の拡散が不十分で、孔の多い構造となり導体膜の体積固有抵抗(以下、比抵抗という。)は大きくなることが推察されるが、同文献の実施例はそのとおりの結果となっている。同様に、特許文献3では、還元性の分散液を用いることで塗膜は緻密性の低い還元された純銅(Cu)が得られると推察されるが、その後直ちに焼結を行っているため、拡散反応を進行させるために大きな熱エネルギーが必要になる。
しかし、酸化されやすい銅系ナノ粒子について物理的な拡散反応を極力低減して化学的な還元反応を行うためには、分散液中の銅ナノ粒子(厳密には純銅とは限らないので「銅系ナノ粒子」と表記するのが正しい。)が基材上に塗布乾燥され、その後還元されて銅の導体膜が得られるまでの全ての工程において、酸化状態の厳密な制御が不可欠となる。ここで、銅の酸化状態とは、銅の価数に応じて取りうる銅の存在態様であり、具体的には、0価の銅と、1価および2価の酸化銅の3種類を指す。本明細書では以下、単に、純銅をCu、酸化銅(I)をCuO、酸化銅(II)をCuOと記載する。
上述の特許文献1では、表面酸化層を有する銅微粒子の分散液を塗布した後、水素添加反応に対する触媒活性を有する金属、または金属塩と、水素供与能を有する炭化水素の存在下、水素分子を含む雰囲気中、150℃以上、300℃以下の温度に加熱し、水素分子を還元剤として利用する還元反応により、酸化皮膜の還元を施し、得られる銅微粒子相互の焼結体層を形成する工程を一連の加熱処理工程で実施することが記載されている。しかし、実施例1では、銅微粒子の分散液を塗布した後、水素添加反応に対する触媒活性を有する金属として、高価なパラジウム(Pd)ナノ粒子を用いているためコストがかかり、また、水素雰囲気中の加熱処理の条件として200℃で110分間の長時間処理の例が記載されている(第123段落)。このように、単に表面酸化層を有する銅微粒子の分散液を用いて基材上に塗布し、塗膜の還元処理を行うだけでは、十分に酸化状態の制御を行ったとは言えず、反応を進行させるために高価な触媒金属を使用してもなお、大きな熱エネルギーを要する。
この理由について、本発明者らは以下のように考察した。基板上に塗布された数百nm以上の厚さを有する銅系ナノ粒子の塗膜を還元反応によりこれを導体膜とする場合、膜中からの還元生成物である酸素及び水の除去(物質移動)が不可欠である。ところが、一般には、還元反応は膜表面から進行するため、表面近くで先に還元層が形成されてしまうと、これが上記の物質移動を妨げることになり、膜全体に還元反応が浸透する前に反応が停止してしまう。さらに、純銅と酸化銅では密度も大きく異なるため、このような物質変換の結果、膜は必然的に収縮を余儀なくされ、その結果、還元膜中で膜の亀裂・断裂が発生する。還元前の膜が、緻密性の小さなポーラスな構造を有し、もって還元剤や還元副生物である水が容易に膜外に拡散できるような場合は、こうした亀裂・断裂は避けることができるが、こうした還元膜は緻密性に劣り、機械的強度が弱く、また大気中で比較的容易に、再酸化により導電性を低下させると考えられる。
本発明は、物理的な拡散反応よりも低温で反応が進行する化学的な還元反応を積極的に利用して、より小さな熱エネルギー(すなわち短時間かつ低温処理)によって、従来よりもさらに低抵抗な導体膜とその製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、拡散反応ではなく還元反応を優位に進行させることを前提として、その際、還元反応がむしろ基板側から塗膜表面に向かって進行するような、いわゆる鍍金(めっき)過程に類似した「方向性のある還元反応」を実現する反応条件の設定を行うという原理によって実現されるものである。
本発明に係る第1の導体膜の製造方法は、
CuOを主成分とする銅系ナノ粒子の高濃度分散液を調製するステップSa1と、前記高濃度分散液を基材上に塗布及び乾燥してCuOを主成分とする塗膜を得るステップSa2と、
大気圧中で前記塗膜を200℃以下の温度で加熱するステップSa3−1と、還元性雰囲気中で前記塗膜を250℃以下の温度で加熱するステップSa3−2とを備えることを特徴とする。
ステップSa3−1は、塗膜の酸化状態を制御する工程であり、塗膜の全体を一旦CuOまで酸化する工程である。この工程を経ることによって、ステップSa3−2は物理的な拡散反応よりも化学的な還元反応優位のプロセスとなり、低温による銅導体膜の形成が可能となる。
なお、この場合、ステップSa3−2の直前の塗膜の酸化状態は、塗膜全体がCuOであること、特に、CuOまで酸化が進行していないことが極めて重要である。但し、塗膜中のごく一部にCuOが形成されている程度であれば問題はない。
上記第1の導体膜の製造方法のステップSa1における銅系ナノ粒子は、
0.2〜2nm厚みの表面層が
CuO相又は
CuOとCuOとの混合相で構成されていること、及び、
0.2〜2nm厚みの表面層の内側は、
Cu相、
CuとCuOとの混合相、或いは
CuO相のいずれか
で構成されていることが好ましい。なお、この場合、銅導体膜形成のための出発物質として、いわゆる「銅と酸化銅によるコア/シェル構造」を用いる場合を含むことになるが、塗膜形成時点で仮にCu層が支配的であっても、上述の通り、ステップSa3−1の工程を経ることにより、還元工程の直前にはCuOが支配的となる。
上記第1の導体膜の製造方法では、ステップSa3−2の後、
ステップSa3−1の大気圧で加熱するステップと、
ステップSa3−2の還元性雰囲気下で加熱するステップとを1回以上繰り返しても良い。
これは、上述した「方向性のある還元反応」が理想的に進行するとは限らず、1回の還元処理のみでは十分高い導電性が得られない場合もあり、酸化と還元を再度繰り返すことで還元反応を基材と塗膜の境界部分から塗膜全体に浸透させるためのものである。このような酸化と還元のステップを追加することで導体膜としての組成の均一性が高まる結果、導体膜の導電性は一層向上し、物質的連続性と機械的強度も飛躍的に増加する。
本発明に係る第2の導体膜の製造方法は、
Cuを主成分とする銅系ナノ粒子の高濃度分散液を調製するステップSb1と、前記高濃度分散液を基材上に塗布及び乾燥してCuを主成分とする塗膜を得るステップSb2と、
大気圧中で前記塗膜を200℃以下の温度で加熱するステップSb3−1と、還元性雰囲気中で前記塗膜を250℃以下の温度で加熱するステップSb3−2とを備えることを特徴とする。
ステップSb3−1は、塗膜の酸化状態を制御する工程であり、塗膜の全体を一旦CuOまで酸化する工程である。この工程を経ることによって、上記第1の導体膜の製造方法同様に、ステップSb3−2は物理的な拡散反応よりも化学的な還元反応優位のプロセスとなり、低温による銅導体膜の形成が可能となる。
上記第2の導体膜の製造方法では、ステップSb3−2の後、
ステップSb3−1の大気圧で加熱するステップと、
ステップSb3−2の還元性雰囲気下で加熱するステップとを1回以上繰り返しても良い。
この理由は上述のとおりである。
上記第1及び第2の導体膜の製造方法においては、高濃度分散液中に酸化や凝集を抑制するための凝集抑制物質及び酸化抑制物質を実質的に含まないことが好ましい。これは高濃度分散液の調整過程で意図的に添加しないことで実現できる。高濃度分散剤中に不揮発性有機不純物やその他の不純物が存在する場合でも、その濃度が、3mass%以下に保持されていれば差し支えない。不純物の濃度が3mass%以下に抑えることで、ステップSa3−2又はSb3−2における還元性雰囲気中での加熱処理後も膜中に亀裂などを生じさせないという効果が得られる。この理由は、本発明による導体膜の製造方法においては全ての工程が250℃以下の温度で実施され導体膜の製造工程が終了してしまうため、不揮発性有機物など除去できない物質は導電性を妨げる不純物となり、均一な還元反応(特に、方向性のある還元反応)を妨げる原因ともなるからである。
また、上記第1及び第2の導体膜の製造方法において、「高濃度分散液」とは、導体膜を形成するために必要な程度の濃度、例えば分散液中の銅系ナノ粒子は30mass%まで、沈降無く分散していることを意味する。また、分散液中の溶媒はケトン系(カルボニル化合物)であることが好ましい。
また、上記第1の導体膜の製造方法における高濃度分散液を調製するステップSa1は、分散溶媒の沸点以上の温度に加熱することにより、または分散溶媒の沸点以下の温度で減圧下にこの溶媒を留去することにより高濃度化する工程を含み、かつ、その加熱工程中、
(i)窒素又はアルゴンを含む不活性ガスによるバブリング、又は
(ii)還元性ガスによるバブリング
のいずれかにより内部の雰囲気が非酸化性雰囲気に保たれていることが好ましい。
高濃度分散液中の銅系ナノ粒子の酸化状態をCuOまで進行させないためである。ここで、還元性ガスとは、例えば水素ガスのように、還元剤としての性質を有するガスを意味する。なお、上記(ii)の条件によって、高濃度分散液中の銅系ナノ粒子全部がCuまで還元されてもよい。この場合は、結果的に上記第2の導体膜の製造方法を実施することと等しい。また、既に述べたように、塗布乾燥後には塗膜がCuで構成されていても、その後大気圧で酸化することで一旦塗膜の酸化状態がCuOになり、そこから化学的な還元反応によって純銅の導体膜が生成される。
また、高濃度分散液を調製するステップSa1は、有機溶剤からなる分散溶媒中に、銅化合物を分散させ、その後分散溶媒中の銅化合物にレーザー光を照射する工程を含むことが好ましい。これはパルスレーザー法による分散液の製造方法を含む。ステップSa1は、パルスレーザー法に限らないが、パルスレーザー法によると、高濃度の銅系ナノ粒子の分散液を効率よく生成することができる。また、酸化や凝集を抑制するための凝集抑制物質や酸化抑制物質を添加することなく高濃度分散液を得ることができる。なお、レーザー照射前の銅系ナノ粒子の出発原料としては、銅酸化物(すなわち、CuO、CuO)或いは銅水酸化物(水酸化銅)(以下、Cu(OH))と記載する。)等が挙げられる。これらを単独で用いても、複数種混合して用いても良い。また、銅化合物の量は特に制限されないが、粒径は生成効率を決める上で重要である。同じエネルギー密度のレーザー光を照射する場合でも、原料の銅化合物粉体の粒径が小さいほど粒径の小さな銅系ナノ粒子が効率よく得られる。
また、上記第1及び第2の導体膜の製造方法における上記高濃度分散液の分散溶媒は、
(i)γ-ブチロラクトン、ジアセトンアルコール、シクロヘキサンノンを含むケトン類、又は、
(ii)テトラデカンを含む高沸点アルカン
のいずれかに属する有機溶剤を含むことが好ましい。
上記第1及び第2の導体膜の製造方法における塗膜は、スピン塗布法、スリット塗布法、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット塗布法、ディスペンサー塗布法から選択されるいずれか一つによることが好ましい。これらはいずれもプリント配線基板などの導電配線パターン形成用の塗布技術として用いることができるからである。
上記第1及び第2の導体膜の製造方法における塗膜の組成は、前記還元性雰囲気で加熱するステップ(Sa3−2、Sb3−2)において、CuOを主成分とすることが好ましい。事前にCuOまで酸化することで、物理的な拡散反応(焼結)を行うのではなく、より低温で反応が進行する化学的な還元反応を主体的に起こさせることが本発明の重要な思想だからである。この意味において、銅と酸化銅のコア/シェル構造を有する高濃度分散液を出発物質とし、基材上に塗布乾燥後、酸化を行うことなく直ちに還元処理を行う場合は、酸化状態の厳密な制御が行われておらず、ゆえに、「方向性のある還元反応」を実現する反応条件の設定がなされたものとはいえないものであり、本発明の技術的原理とは異質のものである。
また、上記第1及び第2の導体膜の製造方法における還元性雰囲気で加熱するステップ(Sa3−2、Sb3−2)は、水素ガス雰囲気中で160℃以上250℃以下に加熱することが好ましい。特に、酸化と還元工程を繰り返すことで、還元処理の温度が160℃の場合でも比抵抗10×10−8Ω・m以下の銅の導体膜が得られる点及び還元処理の温度が250℃の場合ではバルク銅の比抵抗に対して1.5倍以下という低い比抵抗値を達成できる点は、いずれも特筆すべき本発明の特徴である。
本発明に係る第1の銅の導体膜は、基材上に任意のパターンに形成された導電配線パターン用の導体膜であって、その比抵抗が10×10−8Ω・m以下の値を示すと共に、熱履歴が200℃以下であることを特徴とする。このような銅の導体膜は従来全く存在していなかったと考えられ、本発明に係る導体膜の製造方法は、このような導体膜を得るための有効な手段の一つと考えられる。このような導体膜のうち、特に、形成工程における中間段階として、真性半導体膜を経た銅の導体膜は、本発明の製造方法により得られた可能性を強く示唆するものである。
本発明に係る第2の銅の導体膜は、基材上に任意のパターンに形成された導電配線パターン用の導体膜であって、その比抵抗が3.5×10−8Ω・m以下の値を示すと共に、熱履歴が250℃以下であることを特徴とする。このような銅の導体膜は従来全く存在していなかったと考えられ、本発明に係る導体膜の製造方法は、このような導体膜を得るための有効な手段の一つと考えられる。このような導体膜のうち、特に、形成工程における中間段階として、真性半導体膜を経た銅の導体膜は、本発明の製造方法により得られた可能性を強く示唆するものである。
本発明に係る導体膜は、比抵抗が10×10−8Ω・m以下の値を示す極めて導電性の高いものであるにもかかわらず、物理的な拡散反応ではなく化学的な還元反応が優位に起こるため、200℃以下の低温還元処理でも十分に銅の導体膜を形成することが可能となる。このため、広く普及しているエポキシ樹脂等を主成分とするプリント配線基板上など、特殊な耐熱性材料ではない基材上に形成することができる。また、従来の方法と比べ、製造工程が単純であり製造コストを抑えることができる。
さらに、ポリイミド樹脂等の耐熱性材料の基材上に形成することで還元処理の温度の上限を250℃程度まで許容すれば、比抵抗3.5×10−8Ω・m以下という低い比抵抗を持つ銅の導体膜が得られる。
本発明の第1の導体膜(及び第2の導体膜)の製造方法の概略図 本発明に係る導体膜化の概念を表す模式図 本発明の導体膜の形成工程で使用する水素還元装置の一例を示す構成図 粒子径の関数としてMie理論に基づいてシミュレーションした銅系ナノ粒子分散液の理論吸収スペクトル。(a)Cu相、(b)CuO相、(c)CuO相 室温、大気との接触条件下の約0.4mass%銅ナノ粒子分散液のアセトン分散液中の吸収スペクトルの時間変化 銅ナノ粒子の酸化状態の経時変化を示すX線光電子分光(以下、XPSと記載する。)スペクトル(Cu2p内殻スペクトルとCuオージェスペクトル) 作成直後のほとんど酸化が進んでいない粒子の(a)透過型電子顕微鏡(以下、TEMと記載する。)像の一例、(b)TEM像に基づく粒子サイズ分布、(c)ナノ粒子の結晶性を示す電子線回折スポット 大気下で数日以上の酸化を経た銅ナノ粒子の(a)TEM像の一例、(b)TEM像に基づく粒子サイズ分布、(c)ナノ粒子の結晶性を示す電子線回折スポット 作成直後のほとんど未酸化の状態で基板上に塗布された塗膜を、200℃以下で大気中加熱(時間は10分程度)した場合の、加熱温度に依存した塗膜の吸収スペクトル 塗膜と加熱還元後のX線回折(以下、XRDと記載する。)図 純銅フレーク粉を原料として作成した約0.4mass%銅ナノ粒子分散液の室温、大気との接触条件下における吸収スペクトル 純銅フレーク粉を原料として作成した銅ナノ粒子を200℃以下で大気中加熱(時間は10分程度)した場合の、加熱温度に依存した塗膜の吸収スペクトル 光学顕微鏡の反射像による非導体膜表面構造
(はじめに)−酸化状態の同定方法について−
本発明を実施するにあたっては、銅系ナノ粒子の酸化状態の厳密な制御が特に重要になる。これに関する情報・知見を、銅系ナノ粒子が溶剤中に分散した状態で取得する有効な手法は、分散液(必要に応じて希釈されたもの)の吸光スペクトルもしくは吸収スペクトルである。そこで各実施形態について説明する前に、先ず、銅系ナノ粒子が、酸化状態により、Cu、CuO、およびCuOの三種類の組成を有する場合のそれぞれについて、粒子径の関数としての理論的な吸収スペクトルをMie理論に基づいて計算した結果を説明する。ナノ粒子を取り囲む媒体としてアセトンを想定し、その屈折率を計算に用いた。
図4(a)〜(c)は、粒子径の関数としてMie理論に基づいてシミュレーションした銅系ナノ粒子分散液の理論吸収スペクトルを示している。ここで、各図のスペクトルは、それぞれ下記のとおりである。
(a)Cu
(b)Cu
(c)CuO
この図より明らかなことは、吸収スペクトルの形状は、ナノ粒子の酸化状態(組成)により大きく変化すること、また粒子径によって(特に粒子径が大きくなったとき)スペクトルに顕著な変化が見られることである。よって、これらの理論スペクトルと、実験で得られた結果のスペクトルとを比較することにより、銅系ナノ粒子形成直後、さらには大気中で徐々に酸化されていく中でのナノ粒子の組成変化についての情報が得られる。
(第1の実施形態)
−導体膜の製造方法(その1)−
図1は、本発明の第1の導体膜の製造方法の概略を示している。ここでは各ステップの概要を要約して説明し、各ステップの具体例を含む詳細については実施例として後述する。
[ステップSa1]CuOを主成分とする銅系ナノ粒子の高濃度分散液の調製
本発明の第1の導体膜の製造方法は、銅ナノ粒子の酸化状態の厳密な制御を行う。
純銅は酸化されやすく、0価の銅(Cu)は、時間の経過につれて酸化反応が進行し、
Cu→ CuO→ CuO
と酸化状態が変化するためである。酸化状態を制御するための方法はいくつかの方法があるが、いずれの方法を採るにせよ、ステップSa1で最終的に得られる銅ナノ粒子分散液は、粒子全体がCuOを主成分とする銅系ナノ粒子分散液からなる。すなわち、出発物質の銅ナノ粒子又は銅系ナノ粒子がどのような構造及び酸化状態にあるものであっても、ステップSa1において最終的に調製される銅系ナノ粒子は、所定の濃度まで高濃度化され、かつ粒子のほぼ全体がCuOの状態となっていることが重要である。但し、ごく表面層にCuOが形成されていることは問題ない。
それと共に、ステップSa1で最終的に得られる銅ナノ粒子分散液には、凝集抑制物質や銅の酸化を抑制する酸化抑制物質を実質的に含まないことが必要である。これらはいずれも導電性を阻害する有機物だからである。また、この銅系ナノ粒子分散液中の銅系ナノ粒子の平均粒径は概ね1〜100nmの範囲であって、導体膜が得られる程度に高濃度であり、かつ有機溶剤中で安定的に分散されていることも必要である。
[ステップSa2]塗布及び乾燥工程
ステップSa1で得られた銅系ナノ粒子分散液を基材上に塗布し、その後乾燥させて塗膜を得る工程である。基材上に塗布した銅系ナノ粒子分散液の塗膜が、銅系ナノ粒子の表面層がCuO相或いはCuOとCuOの混合相で構成され、表面層の内側の層がCu相或いはCuとCuOの混合相或いはCuO相で構成されるようにする。なお、本明細書において「基材」とは、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂フィルムやガラス基板、セラミック基板など、その上に導体膜を形成する下地となる全ての絶縁性部材を指すだけでなく、金属基板など導電性部材も含み、かつ、板状のものに限られない。
銅系ナノ粒子の高濃度分散液を基材上に塗布し、乾燥した段階で、銅系ナノ粒子の表面層の成分は、理想的にはCuOのみで構成され、CuOを全く含まないことが好ましいが、CuOを含んでいればCuOが混入していても良い。CuOを主成分とする塗膜は真性半導体としての性質を有し、室温下では絶縁体であるが少し加熱すると電子的な伝導性を示すようになる。
すなわち、CuOを主成分とする塗膜が得られたか否かを検証するには塗膜を大気中200℃以下の温度に加熱して比抵抗を測定すればよい。CuOを主成分とする塗膜は真性半導体膜としての性質を発現する。真性半導体は一般にわずかな活性化エネルギーによって価電子帯中の電子がバンドギャップを超えて伝導帯中へ励起され、電子的な伝導性を示すようになる。
CuOを主成分とする塗膜を200℃以下の温度で加熱して10Ω・m以下の比抵抗に相当する電子的な伝導性を示すことが検証された場合には、CuOを主成分とする塗膜が得られたと判断することができる。
[ステップSa3−1]導体膜の形成工程(1)
−事前酸化処理−
まず、CuOを主成分とする真性半導体である塗膜を大気中で200℃以下の温度で加熱して電子を励起して電子的な伝導性を発現させ、この状態を一定時間維持する。この状態は、塗膜と接する任意の還元剤から電子が供給された場合に、その電子が容易に塗膜中を移動できる状況が与えられることを意味すると共に、塗膜の酸化状態を確実にCuOまで酸化することを意味する。
[ステップSa2−2]導体膜の形成工程(2)
−還元処理−
次に、この塗膜に還元剤を供給する。上記ステップSa2−1により塗膜を加熱したことにより電子的な伝導性が発現しているため、この状態で還元剤を供給すれば還元剤から供給される電子が塗膜中に注入される。その結果、還元剤から注入された電子は塗膜中を移動して基材と塗膜との界面に達し、界面のCuOが0価のCuに還元される。そして、還元剤からの電子の供給が連続的に行われると界面は基材側から表面方向に移動し、塗膜全体が亀裂のない緻密な還元膜となる。
なお、このとき同時に放出されるO2−イオンは、塗膜の表面に向かって拡散し、上記の電子注入後にプロトン化した水素と結合して水となり、還元反応系外(塗膜外)に除去される。このような過程が続くことにより、導体膜が基板から膜表面に向っての方向性を有して成長する。
図2は、この電子注入による銅の還元層の移動の様子を模式的に示している。還元剤である水素から電子が注入されて基板界面への電子移動が生じ、界面でCuの還元層が形成され、酸素イオン(O2−)の拡散と水の脱離が生じ、還元層が表面方向へ向かって移動する。この現象は、別の見方をすると、上記の還元過程において、CuOを主成分とする塗膜は銅イオン(Cu)の供給源と酸素イオン(O2−)の拡散媒体(一種の固体電解質)として働き、膜/基板界面から膜表面に向かって成長する銅膜は、還元剤から供給された電子とCuイオンとを結びつけるいわば電極として機能すると考えることもできる。すなわち、この過程はCuO膜を「固体メッキ浴」とした銅の析出と成長過程そのものである。一般的に、部分的に酸化された銅膜の還元により導体膜を形成しようとすれば、本来ならば物質収縮が避けられないにもかかわらず、亀裂のない緻密な還元膜が得られるのは、このような還元様式が発現する場合に限られる。
表面粗度の小さな平滑な面を持つ樹脂フィルムの場合、樹脂フィルム表面の水素や水酸基と還元された銅膜との間での結合により、また酸化物系セラミックの場合、セラミック表面の酸素が還元された銅膜との間での結合により、密着強度の高い銅膜になるものと推察する。
一方、塗膜が電子的な伝導性(導通)を与えない条件、例えば塗膜が(真性半導体ではなく)絶縁性のCuO粒子からなる場合、或いは有機不純物などが残留することによりCuOナノ粒子間の電子的連結が阻害されている場合などには、上記のような、基板側から膜表面に向けた方向性のある還元膜の成長は期待できず、むしろ水素と接する膜表面に近い部分、あるいは水素分子が拡散できる膜中の欠陥サイトでの還元反応(必ずしも電子注入を伴わない)が優先する。この場合、膜の表面近くでまず導体層の形成が起こると、これが物質移動の障害となって、膜全体に還元反応が浸透しない。
例外としてこうした場合でも膜全体が還元され、見かけ上は特有の金属銅光沢を有した膜が得られる場合がある。それは、還元前の塗膜が非常に隙間が多く、緻密性に欠けるポーラスであるために、還元剤としての水素分子や還元反応生成物としての水が容易に膜中を拡散できる状況にある場合である。ただし、このような緻密性に欠ける還元膜は、導体としての物質的連続性に乏しいために導電性は発現せず、機械的強度も弱いと同時に、比較的容易に大気中で再酸化を受け、高い導電性を有した導体膜としての機能はそもそも有しない。
[ステップSa2−3]導体膜の形成工程(3)(※必要により行う)
−再酸化及び再還元処理−
塗膜の主成分がCuOという条件を満たし、よって真性半導体に期待される電子的な伝導性が発現する場合においても、実際には上述のような「方向性のある還元反応」が理想的に進行するとは限らず、1回の還元処理のみでは十分高い導電性が得られない場合もある。この場合には、還元後の塗膜を大気中で再加熱することによりCuOまで再酸化して、続いて上記の還元処理を繰り返すことにより、次第に導電性が向上し、導体膜としての物質的連続性と機械的強度も飛躍的に増加する。これは、再酸化の過程において、酸素分子は、導体としてのつながりが不十分な部分と優先的に反応し、その部分を再びCuO相に引き戻すこと、或いは膜全体が、真性半導体の性質を示す、より緻密なCuO膜に変換されるからである。こうして電子的な伝導性が一層向上した膜を再び還元すると、本発明に係る(基材界面から表面方向への)方向性のある還元反応がより完全な形で発現し、物質的・電気的連結の度合い、すなわち導体としての連続性が向上する導体膜となる。もちろんこの工程は最初の還元処理(1)、(2)で十分に緻密な膜が得られた場合には不要である。
−第1の実施形態の効果−
以上のように、本発明に係る第1の導体膜の製造方法によると、CuOを主成分とする銅ナノ粒子の高濃度分散液を出発物質として調製し(Sa1)、塗布及び乾燥工程(Sa2)、導体膜形成工程(Sa3)を経ることで亀裂のない緻密で低抵抗な銅導体膜が得られる。
(第2の実施形態)
−導体膜の製造方法(その2)−
第2の実施形態で説明する導体膜の製造方法のうち、全体的なステップについては第1の実施形態と同様であるため図1のフローを援用して説明する。また、ここでも各ステップの概要を要約して説明し、各ステップの具体例を含む詳細については実施例として後述する。
[ステップSb1]Cuを主成分とする銅系ナノ粒子の高濃度分散液の調製
本発明の第2の導体膜の製造方法も、銅系ナノ粒子の酸化状態の厳密な制御を行う点は上述の第1の製造方法同様であるが、高濃度分散液の状態ではCuを出発物質とし、塗膜形成後にCuOを主成分とする塗膜が得られるような処理を行う点が異なる。
まず、Cuナノ粒子を有機溶媒に分散させ、分散液を調製する。必要により、所定の濃度が得られるまで高濃度化を行う。なお、この状態で分散液を大気中に放置等すれば酸化されCuOに変化するが、ここでは酸化状態が未酸化のCuの状態で、直ちに次のステップSb2を行う。
[ステップSb2]塗布及び乾燥工程
ステップSb1で得られた銅系ナノ粒子分散液を基材上に塗布し、その後乾燥させて塗膜を得る工程である。上述のステップSa2とは異なり、基材上に塗布した銅系ナノ粒子分散液の塗膜が、Cuナノ粒子で構成されるようにする。
すなわち、銅系ナノ粒子の高濃度分散液を基材上に塗布し、乾燥した段階で、銅系ナノ粒子の表面層の成分は、実質的にCuのみで構成されている。ただし、分散液の状態で意図的に酸化を進行させないという意味に止まり、一部酸化が進行していることは差し支えない。
[ステップSb3−1]導体膜の形成工程(1)
−事前酸化処理−
ステップSb2で得られた塗膜は純銅(但し、焼結等の処理を行っていないため緻密な膜ではない)であり、この状態で直ちに還元処理を行っても、還元は表面近傍から起こり、塗膜全体に浸透せず、すぐに反応が停止する。そこで、ステップSa3−1同様、Cuでを主成分とする塗膜を大気中で200℃以下の温度で加熱することで塗膜全体を酸化してCuOを得る。なお、この加熱時間は10分程度でよい。
[ステップSb3−2]導体膜の形成工程(2)及び[ステップSb3−3]導体膜の形成工程(3)は、それぞれ、上述の[ステップSa3−2]及び[ステップSa3−3]と同様であるため、説明を援用することとして省略する。
−第2の実施形態の効果−
以上のように、本発明に係る第2の導体膜の製造方法によると、Cuを主成分とする銅系ナノ粒子の高濃度分散液を出発物質として調製し(Sb1)、塗布及び乾燥工程(Sb2)、導体膜形成工程(Sb3)を経ることで亀裂のない緻密で低抵抗な銅導体膜が得られる。
以下、第1及び第2の実施形態の具体例について、実施例を用いて説明する。
−銅系ナノ粒子の高濃度分散液の調製−
原料銅化合物粉として、CuO粉末(BET比表面積=13m/g)を作製、使用し、公知のパルスレーザー法(例えば、特許文献4参照)を用いて、ごく標準的な条件で銅系ナノ粒子のアセトン分散液を調製した。
なお、特許文献4に記載されている方法との差は、生成する銅系ナノ粒子の酸化特性の違いである。すなわち、本発明における出発物質である銅系ナノ粒子は、特許文献4等に記載のコア/シェル構造に限定されず、むしろ、その分散液の塗布から得られる塗膜が最終的にCuOを主成分とすることが最大の特徴である。このような特徴を有する銅系ナノ粒子をレーザー法で調製する場合、選択できる原料の銅化合物粉はもはや任意ではない。上述した比表面積の大きなCuO微粉末は、この目的に適う原料銅化合物の一つである。
こうした条件のもとで調製した銅系ナノ粒子分散液の酸化状態は、1価の状態であるCuOで実質的に停止し、その後長期(数ヶ月以上)に放置しても、ナノ粒子の表面層(厚さにして0.2〜2nm)のみにCuOが有意に成長して停止する。こうした組成と構造を有するため、上記銅系ナノ粒子分散液は微粒子濃度を高濃度にしても分散状態を維持することができるものである。
このように、ナノ粒子が選択的に、かつ容易にCuOまで酸化され、そこで酸化反応が停止するという性質を有する銅系ナノ粒子分散液を第1の試料とする。また、第2の試料として、パルスレーザー光を照射して作製し、Cuに維持したままのナノ粒子分散液を調製する。なお、第1の試料は上述した第1の実施形態における実施例に相当し、第2の試料は上述した第2の実施形態における実施例に相当する。
このときの微粒子は、酸化の進行度合により、ほぼ完全にCuO相をもつに至ったナノ粒子、或いは中心部にCu相が残存し、表面部がCuO相のコア/シェル構造をもつナノ粒子、或いは両者の混合したナノ粒子のいずれかとなる。すなわち、分散液中に含まれる銅系ナノ粒子の組成は、表面層を除いては、いずれの場合にもCuOを含まない銅系ナノ粒子であることが、重要である。
なお、上述のとおり公知のパルスレーザー法に基づいて調製した銅系ナノ粒子分散液を用いているが、本発明を実施する上で最も重要なことは、出発物質としての分散液よりもむしろ、基材上に塗布乾燥した後、加熱還元工程の前の段階で、塗膜がCuOを主成分とし、大気中200℃以下の加熱温度で、真性半導体膜として10Ω・m以下の比抵抗を示すということである。この特徴を有するものであれば、その製造法はレーザー法には限定されない。
レーザー法を用いる場合、得られる銅系ナノ粒子の物性は、原料となる金属化合物の種類、金属化合物の粒子径、金属化合物の量、有機溶剤の種類、レーザー光の波長、レーザー光の出力、レーザー光の照射時間、温度、金属化合物の攪拌状態、有機溶剤中に導入するバブリングガスの種類とその量、添加物などの諸条件を適宜選択することによって制御できる。その場合の銅系ナノ粒子の原料である銅化合物としては、CuO、CuO、或いはCu(OH)が挙げられる。これらを単独で用いても、複数種用いても良い。銅化合物の量は特に制限されない。原料である銅化合物を分散させる有機溶剤には還元性を示さない有機溶剤であるアセトン等のケトン系溶剤を用いることが望ましい。原料の大きさは重要である。同じエネルギー密度のレーザー光を照射する場合でも、原料の銅化合物粉体の粒径が小さいほど粒径の小さな銅系ナノ粒子が効率よく得られる。
レーザー光は、Nd:YAGレーザー、エキシマレーザー、半導体レーザー、色素レーザーなどを用いることができる。また、高エネルギーのレーザーを同じ条件で多くの銅化合物に照射するためにはパルス照射が望ましい。レーザーの波長に制限はないが、銅系ナノ粒子の生成効率が高くなる波長を用いるのが望ましく、その波長は原料の銅化合物の種類により異なる。生成効率は、銅化合物の吸収係数がなるべく大きくなるような波長とすることが望ましく、ナノサイズの銅ナノ粒子の結晶成長を抑制するためには、熱線としての効果が低い短波長のレーザー光を使用することが望ましい。例えば、銅ナノ粒子の生成効率を考慮すると、レーザーの出力は高い方が望ましく、3600J以下(200mJ/pulse以下、パルス幅10ns、10Hz、ビーム径10mm)のレーザー光を照射しても銅ナノ粒子を得ることができない。8000J以上(440mJ/pulse以上、パルス幅10ns、10Hz、ビーム径10mm)のレーザー光を照射する場合、レーザーの照射時間に制限はないが、照射時間が長いほど銅ナノ粒子の生成量は多くなる。
第1の試料の分散液濃度は調製直後において約0.4mass%であった。
図5は、この分散液の吸収スペクトルを、室温下、大気との接触条件で、時間とともに変化する様子を追跡した結果を示している。調製直後には、図4(a)の理論スペクトルと合致するCuナノ粒子(粒径50nm以下)に帰属されるスペクトル(波長570nm付近にCuナノ粒子の表面プラズモンピークが現れる)が得られた。その後時間とともにスペクトルは大きく変化し、約1日経過した後にはプラズモンピークはごく小さくなり、図4 (b)のCuOナノ粒子のそれに近いスペクトルに変化した。さらに数日の後には、Cuのプラズモンピークはほぼ消失し、ナノ粒子の組成は、ほぼ完全にCuOとなった。
生成した銅系ナノ粒子は、アセトン溶剤中に分散した状態で得られるが、後に溶媒置換などの方法を用いることにより、製造時の有機溶剤とは異なる分散媒に分散した銅系ナノ粒子に調整することもできる。有機溶剤は、この濃縮を目的とする加熱工程における反応の制御、さらに銅系ナノ粒子を、界面活性剤などの添加に依らず安定に分散させる役割を果たすため、特に重要である。分散液の加熱工程は通常100℃以上の温度を必要とするため、有機溶剤の沸点はできるだけ高いことが望ましい。一方で、分散した銅系ナノ粒子を塗布乾燥して利用する場合、有機溶剤の揮発を促すためには、過剰に高い沸点は望ましくない。
応用面からは、銅系ナノ粒子に特別な界面活性剤などで保護層を設ける必要がないので、電子回路等に利用する際に容易に銅に還元されることから望ましい。このような要求を満たす分散媒としての有機溶剤には、アセトン、メチルエチルケトン、γ-ブチロラクトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤(カルボニル化合物)を使用することが好ましいが、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどの極性溶剤やトルエン、テトラデカンなどの炭化水素系溶剤も用いることができる。銅化合物を分散させた有機溶剤の温度は特に制限されないが、実用上、レーザー光を照射中の液温としては、150℃以下、特に50℃以下にするのが望ましい。
これらの観点から、総合的に最も望ましい有機溶剤は、ケトン類に属するγ-ブチロラクトン(沸点203℃)で、幅広い加熱温度に対応できる。その他、ジアセトンアルコール(沸点168℃)、シクロヘキサンノン(沸点156℃)などのケトン類、あるいはテトラデカンなどの高沸点アルカンである。 銅系ナノ粒子がCuOを含まないという条件を保ちながら高濃度化を行う場合、加熱工程における有機溶剤内部の雰囲気は非酸化性雰囲気に保つ必要がある。これには、窒素やアルゴンなどの不活性ガスのバブリング、あるいは還元性の水素ガスのバブリングを利用できる。また加熱工程中に、有機溶剤中の水分の除去、大気中の水分を容器溶剤に取り込まないためにも、上記ガスを乾燥してバブリングすることで効果が高まり、望ましい。ただし、沸点以上の温度に加熱することに代えて、分散溶媒の沸点以下の温度で減圧下にこの溶媒を留去してもよい。
出発物質として、Cuナノ粒子の分散液を用いる場合は、予め酸化状態がCuOに至るまで酸化反応を進行させておく必要があるが、高濃度に調製したCuナノ粒子を室温下で大気中で長期間(例えば約1日程度)放置するとCuOを主成分とする銅系ナノ粒子の高濃度分散液が得られる。
なお、特許文献4には、同レーザー法で調製したCuナノ粒子が酸化物シェルで保護され、これにより、分散性(耐凝集性)のみならず、大気中での酸化に対する安定性が向上することが記載されているが、本発明に係る銅系ナノ粒子は、その後長期間大気中に放置することでCuOの分散液を調製しており、調製される銅系ナノ粒子の高濃度分散液の最終状態は、中心部が銅で表皮部が酸化銅という意味でのコア/シェル構造ではなく、粒子全体が(すなわち中心部まで)CuOである点で相違する。
また、この分散液はレーザー光照射中は攪拌されていることが望ましい。攪拌方法はマグネチックスターラや攪拌羽根等の一般的な方法が用いられる。また、照射効率を下げないために、できる限り気泡を発生させずに攪拌するのが望ましい。さらに、分散液を循環させることにより、原料である銅化合物が繰り返しレーザー光の照射を受けることもできる。最終工程で遠心分離操作などにより沈降成分を取り除くことで、原料粉と銅系ナノ粒子を分離することができる。
−塗布及び乾燥工程−
次に、調製した銅系ナノ粒子のアセトン分散液について、長時間酸化を経たものをガラス基板上に塗布し、その後乾燥する。塗布方法は特に限定されるものではなく、例えばスピン塗布法、スリット塗布法、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット塗布法、ディスペンサー塗布法など、膜厚や形成するパターンに応じて最適な塗布法を選択することにより、任意の膜厚でパターンを描画することができる。また、基板はガラス基板に限られず、ポリイミド樹脂やセラミック基板、金属基板などを用いても良い。
次に、乾燥した塗膜についてXPSにより表面分析を行い、分散液中に含まれるナノ粒子の酸化状態の経時変化を調べた。また、比較のため、その調製直後のものについても測定した。
図6はその結果を示す一連のXPSスペクトル(Cu2p内殻スペクトルとCuオージェスペクトル)である。
図6の結果から、調製後数日を経過する間に、ゼロ価のCuはほぼ完全にCuOに酸化されること、またこの間、CuOは殆ど存在しないことがわかる。1週間以上経過した試料では、二価の銅酸化物のピークがはっきりと認められるようになるが、その強度は相対的に小さいものに止まる。XPSの原理によれば、このとき見られる二価の銅酸化物のシグナルは、ナノ粒子の表面層(厚み0.2〜2nm)に由来する。すなわち、数週間以上大気と接触したにもかかわらず、銅系ナノ粒子の構造は、粒子内部がほぼ完全にCuOの状態が維持され、その表面層の一部がCuOまで酸化されているにとどまっている。なお、その後の実験でも、このような構造は数ヶ月以上持続することが確認された。
図7(a)〜(c)は調製直後の銅系ナノ粒子分散液の解析結果を示している。(a)は直後のほとんど酸化が進んでいない銅系ナノ粒子のTEM像、(b)はその粒径分布、(c)は電子線回折像を、それぞれ示している。
図8(a)〜(c)は調製直後から室温・大気下において数日以上の酸化を経た銅系ナノ粒子分散液の解析結果を示している。
図7(a)に示すように、調製直後の、ほとんど未酸化状態のナノ粒子の形状は球形に近く、図7(b)に示すような粒径分布を有する。平均的な粒径は11nmである。また、生成直後のナノ粒子の組成が純銅に近いことは、図7(c)に示した電子線回折像からも裏付けられる。一方、十分長期間、大気酸化を経たナノ粒子の形状は、図8(a)に示すように、大なり小なり不規則化したが、おおよその粒径分布や平均的な粒径(9nm)は、図8(b)に示すように、調製直後のものと類似したものとなった。さらに、図8(c)の電子線回折像から、この段階のナノ粒子の組成が限りなくCuOに近いことが再び証明された。
−導体膜の形成工程(1)−
(装置構成)
図3は、本発明の導体膜の形成工程で使用する水素還元や大気酸化の処理装置の一例を示す構成図である。ヒーター1は、基材2を載置する支持台であり、室温から250℃まで上昇させることができる。基材2の上に、公知の塗布法によって塗膜3が形成され、これによって任意の導体膜のパターンが形成される。装置内には水素ガスと窒素ガスと大気の3系統のガスを反応室内に導入するための導入弁4,6,8及び流量計5,7,9がそれぞれ設けられている。また、ガス排出系統は1系統であり、反応室からガス排出弁10を介してガスが排出される。
上記のごとく、銅系ナノ粒子は、分散媒中における長期の酸化により、選択的にCuOナノ粒子に変換され、CuOを主成分とするその塗膜は、大気中、200℃以下の加熱により、真性半導体としての電子的な伝導性を発現する。
ただし、CuOを主成分とする塗膜を基材上に形成する方法は、この手法に限定されない。すなわち、本発明に係る、レーザー法で形成した銅系ナノ粒子の他の方法は、形成直後のほとんど未酸化の状態で基板上に塗布された塗膜の状態において、200℃以下の大気中加熱(時間は10分程度)による方法もある。このような方法によってもCuOを主成分とする塗膜が得られる。
図9は、加熱前後の塗膜の吸収スペクトルであり、この組成変換を示すと同時に加熱温度の影響も示している。150℃の加熱により、プラズモンバンドはほぼ消失し、CuOに帰属できるスペクトルが得られたことを示す。
本発明に係る銅系ナノ粒子の塗膜がもっぱらCuOを主成分とすることは、温度の増加とともに電子的な伝導性が発現するかどうかを判定することによっても検証することができる。これは、CuOが真性半導体であるという性質に基づいている。図2に模式的に示した還元様式の発現は、この電子的な伝導性が得られた状態であることを前提としている。このような電子的な伝導性(導通状態)の発現を確かめるために、ホットプレート上に置いた塗膜(平均膜厚数百nm)の抵抗値を、加熱温度の関数として測定した。その結果、約150℃の温度で、表面抵抗は数十MΩとなり、約200℃では数MΩ以下までさらに抵抗値が減少した。これらはそれぞれ比抵抗に換算して、数Ω・m、およびその10分の1以下に相当するものであり、真性半導体としての性質が電気的特性の評価によっても検証された。
−導体膜の形成工程(2)−
このようにして、真性半導体としての電子的導通が確認された塗膜を、同温度において、今度は大気圧の水素気流中に置き、塗膜の還元状態の変化を調べた。このとき、基板には透明ガラスを使用し、二つの試料の一方を裏返しに置き、基板のガラスを通して、塗膜/基板界面の反射色の変化も同時に観察した。その結果、例えば約180℃の処理温度において、数分以内に、塗膜表面よりも塗膜/基板界面の方で先に、還元された銅に由来する光沢が表れ、さらに数分間還元処理を続けることにより、塗膜全体が還元された。これにより、図2に示した還元様式の発現が確かめられた。
−導体膜の形成工程(3)−
ただし、この1回の還元処理で得られる銅膜の比抵抗は、必ずしも目的とするレベル(10×10−8Ω・m以下)には到達しなかった。そこで、同還元膜を再び大気中で加熱・再酸化した後に、同様な還元処理を繰り返したところ、その繰り返しにより、次第に導電性が向上し、よりバルク銅に近い、目的とするレベルの比抵抗を示す高導電性銅膜が得られることがわかった。一例として、加熱温度を180℃、水素還元および再酸化の時間をそれぞれ5分間とした場合の、上記の繰り返しの回数と到達比抵抗の関係は、以下の表1に示すようになった。
[表1]
Figure 0006033545
目的とする比抵抗に到達するために必要な還元/再酸化工程の繰返し回数は、特に再酸化の時間の延長により減少し、例えば2回目の還元で、目的とする比抵抗を達成することができた。また、上記繰り返しにより、最終的に到達できる比抵抗は、処理温度の関数として以下の表2に示すとおりとなった。これにより、目的とする10×10−8Ω・m以下の比抵抗は、160℃の処理でも得られることがわかった。
更に、バルクの銅の比抵抗である1.7×10−8Ω・m(室温)に近づけるため、還元処理の温度を220℃とすると比抵抗は3.0×10−8Ω・mとなり、還元処理の温度を250℃とすると比抵抗は2.2×10−8Ω・mとなった。特に、250℃で処理して得られた比抵抗はバルク銅の比抵抗に対して1.5倍以下という低い比抵抗値を達成しており、このことから、少なくとも相対密度95%以上の高密度の銅膜が得られたと推察できる。
[表2]
Figure 0006033545
−結晶性評価−
還元前後の各塗膜についてXRDを行った結果を、図10に示す。還元前の塗膜は、CuOであり、水素雰囲気下で加熱処理した後の塗膜はCuであった。また、剥離試験として、この還元膜にテープを貼り、引き剥がしても還元膜のはがれが無く、実用的な密着強度を有していることを確認できた。
さらに、比較のため、本発明に係る、CuOを主成分とする塗膜の重要性を確認するための実験を行った。
(比較例1)
まず、酸化銅の代わりに、銅フレーク粉を原料粉として、同じパルスレーザー法で形成した銅ナノ粒子分散液について調べた。そのアセトン分散液の大気による酸化特性を吸収スペクトルの変化を利用して観察したところ、図11に示すように、Cuナノ粒子に付随する表面プラズモンピークが明確に残存するレベルで、それ以上の酸化の進行は停止した。ところが、この分散液中のナノ粒子の酸化状態をXPS表面分析法で調べたところ、二価の銅酸化物の信号のみが観測された。この一見相反する結果は、銅ナノ粒子が、XPSの分析深さに相当する数nm以上の厚さのCuOシェルで覆われた構造を有することを示唆するものと考えられる。
また同じく、銅フレーク粉を原料として形成した銅ナノ粒子を、形成直後のほとんど酸化されていない状態で基板上に塗布し、その大気中加熱(〜200℃)による酸化を試みたところ、図12に示すように、CuOへの選択的酸化は認められず、図4(c)の理論スペクトルに示したCuOに近い組成が確認された。
さらに、このようなCuOリッチな組成を有する塗膜を大気中、200℃以下の温度で加熱しても、もはや電子的導通の発現は確認できず、その後の水素還元によっても、目的とするレベルの比抵抗を有する導体膜は得られないことがわかった。
またガラス板上の同還元膜に触れると容易にはがれ、実用的な密着強度を有していなかった。さらに、図13に示すように、その膜を光学顕微鏡による反射像で観察すると、表面に多くの亀裂があり、導電経路を遮断し、非導体膜であることを確認した。
(比較例2)
実施例2で調製した銅系ナノ粒子のアセトン分散液を、CuOであることを確認後、γ-ブチロラクトンと置換し、15mass%に濃縮した高濃度分散液を調製し、これに有機物由来の不純物と同定した酢酸銅を、銅系ナノ粒子に対して5重量部添加させた。これをガラス板状に塗膜を調製し、乾燥させ、次に180℃の温度で、水素中で還元させ膜化させた。還元した膜は銅色を呈したが、道電性を発現しないだけなく、ガラス板状の膜に触れると容易にはがれ、実用的な密着強度を有していなかった。
(比較例3)
特許文献2に記載された方法は、凝集抑制物質や酸化抑制物質などの保護剤を用いない点、銅/酸化銅コアシェル粒子又は酸化銅粒子を含む分散液を基板上に塗布乾燥後、塗膜を還元して導体膜を得ている点で一致する。しかし、同文献記載の方法は、銅/酸化銅コアシェル粒子の製造原料(第22段落)或いは実施例3(第52〜53段落)の記載を仔細に検討しても酸化銅の価数が不明である点から判断して、本発明のように「酸化状態の厳密な制御」が行われていると認められるものではなく、また還元性液体への浸漬及び加熱による還元及び焼結工程にグリセリンやエチレングリコールなどを例とする「還元性液体」を用いている点で、本発明とは解決課題及び解決手段が本質的に相違するものと考えられる。
同文献中、実施例1では、コア/シェル構造を有する銅ナノ粒子の分散液を塗布/乾燥後、塗布乾燥膜を「還元性液体」へ浸漬し、還元反応がある程度進行したものと認められた後、焼結温度まで加熱してその焼結温度を一定時間維持する。すなわち、還元反応と焼結反応とをそれぞれ別工程で行っており、基板上にコア/シェル構造を有する銅ナノ粒子の分散液を塗布乾燥後、還元性液体に浸漬させる還元反応の際の加熱温度が120〜200℃、還元反応の保持時間は10秒〜60分(第36段落)、その後の焼結反応の際の加熱温度が120℃〜300℃(より好ましくは「140℃〜200℃」)、焼結時間は0.5〜60分(より好ましくは「2〜20分」)とし、熱処理工程が、還元工程と焼結工程の2つに分かれているため、製造工程は複雑になり、製造時間は長くなり、製造コストの点で課題が残るものと推測する。
また、第2の態様においては予め焼結温度まで加熱した還元性液体に、コア/シェル構造を有する銅ナノ粒子分散液の塗布乾燥膜が形成された基板を浸漬し、一定時間(例えば、1〜60分、より好ましくは2〜20分)間維持するとしており、実施例2では、エチレングリコール(還元性液体)が満たされた容器の中に沈めて30分処理を行った、と記載している。また、第3の態様においては、「酸化銅粒子塗布基板」を用いて第2の態様同様の加熱処理を行っている。しかし、特許文献2の表1,表2(第56〜57段落)によると、最終的に得られる結果物である導体膜の比抵抗は、最も好条件のもので1.5×10−7Ω・mであったと記載されている。ここで、第3の実施例の抵抗値が他の実施例と比べて高いのは銅ナノ粒子の酸化状態の厳密な制御が行われていない塗布基板が用いられたためと考えられる。第2の実施例では、焼結温度も140℃と低い温度で処理時間も30分程度を実現している。もっとも、体積抵抗率は不明であるため本発明との比較はできないが、実施例2は、実施例3と比べて良好な結果が得られているとしている。
これに対し、本発明の実施例では上述の通り、200℃以下の水素還元雰囲気下で数分間〜10分間程度の熱処理時間で良く、かつ最終到達比抵抗が最も好条件のもので3.5×10−8Ω・mであり、従来例と比較して低い比抵抗が得られた。この値はバルク比抵抗(1.7×10−8Ω・m)の2倍程度の比抵抗の導体膜である。
更に、熱処理時間等の諸条件は同様として水素による還元処理の温度を200℃〜250℃とした場合、最終到達比抵抗が最も好条件のもので2.2×10−8Ω・mを達成した。この値はバルク比抵抗の1.3倍程度の比抵抗の導体膜である。
以上のように、従来方法は、先ず酸化銅(IやII)を銅に還元し、その後、粒子同士の拡散による焼結(焼成)膜化させるという原理に基いており、焼結という物理的な拡散反応を行うことなくCuOからCuを得る本発明とは課題解決のメカニズムそのものが大きく異なるものである。さらに、この方法を実現するための方法は、大気酸化と還元性ガスによる還元を一つの装置で行える既存の装置を利用した簡便な工程によって実現するものであり、上記のような湿式プロセスを経る場合と比べて連続生産性や製造コストの点で工業的に優位である。
本発明に係る銅系ナノ粒子は、レーザー法などで作製し、その後の工程で溶媒中に高濃度に分散させた銅系ナノ粒子インクが得られるものであり、ナノ粒子はCuOまで酸化が進行する前の段階であるCuOで維持することで、それを使用する導体膜は、200℃以下の低温処理により、10×10−8Ω・m以下の低比抵抗値を示す。そのため、特殊な耐熱性材料ではなく、一般的に使用されている電子材料を基材として使用することができるために、広範囲なエレクトロニクス分野の配線材料としての適用が期待される。
更に、還元処理の温度を250℃とした場合、2.2×10−8Ω・mを達成する。従って、基材の耐熱温度が250℃を許容する場合には、バルク銅の比抵抗に対して1.5倍以下という低い比抵抗値を達成できる。
従って、本発明を実施した場合の産業上の利用可能性は極めて大きい。

Claims (13)

  1. CuOを主成分とする銅系ナノ粒子導体膜が得られるように高濃度に含有するとともに前記銅系ナノ粒子が分散溶媒中で沈降することなく安定的に分散した銅系ナノ粒子の高濃度分散液を準備するステップSa1と、
    前記高濃度分散液を基材上に塗布及び乾燥してCuOを主成分とする塗膜を得るステップSa2と、
    大気圧中で前記塗膜を200℃以下の温度で加熱するステップSa3−1と、
    還元性雰囲気中で前記塗膜を200℃以下の温度で加熱するステップSa3−2とを備え、
    前記ステップSa1の高濃度分散液は、前記分散溶媒の沸点以上の温度に加熱することにより、または前記分散溶媒の沸点以下の温度で減圧下にこの溶媒を留去することにより高濃度化されたものであって、かつ、その加熱工程中、
    (i)窒素又はアルゴンを含む不活性ガスによるバブリング、又は
    (ii)還元性ガスによるバブリング
    のいずれかにより内部の雰囲気が非酸化性雰囲気に保たれた状態で高濃度化されたものである
    ことを特徴とする導体膜の製造方法。
  2. CuOを主成分とする銅系ナノ粒子導体膜が得られるように高濃度に含有するとともに前記銅系ナノ粒子が分散溶媒中で沈降することなく安定的に分散した銅系ナノ粒子の高濃度分散液を準備するステップSa1と、
    前記高濃度分散液を基材上に塗布及び乾燥してCuOを主成分とする塗膜を得るステップSa2と、
    大気圧中で前記塗膜を200℃以下の温度で加熱するステップSa3−1と、
    還元性雰囲気中で前記塗膜を250℃以下の温度で加熱するステップSa3−2とを備え、
    前記ステップSa1の高濃度分散液は、前記分散溶媒の沸点以上の温度に加熱することにより、または前記分散溶媒の沸点以下の温度で減圧下にこの溶媒を留去することにより高濃度化されたものであって、かつ、その加熱工程中、
    (i)窒素又はアルゴンを含む不活性ガスによるバブリング、又は
    (ii)還元性ガスによるバブリング
    のいずれかにより内部の雰囲気が非酸化性雰囲気に保たれた状態で高濃度化されたものである
    ことを特徴とする導体膜の製造方法。
  3. 前記ステップSa1における銅系ナノ粒子は、
    0.2〜2nm厚みの表面層が
    CuO相又は
    CuOとCuOとの混合相で構成されていると共に、0.2〜2nm厚みの表面層の内側は、
    Cu相、
    CuとCuOとの混合相、或いは
    CuO相のいずれか
    で構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の導体膜の製造方法。
  4. CuOを主成分とする銅系ナノ粒子導体膜が得られるように高濃度に含有するとともに前記銅系ナノ粒子が分散溶媒中で沈降することなく安定的に分散した銅系ナノ粒子の高濃度分散液を準備するステップSa1と、
    前記高濃度分散液を基材上に塗布及び乾燥してCuOを主成分とする塗膜を得るステップSa2と、
    大気圧中で前記塗膜を200℃以下の温度で加熱するステップSa3−1と、
    還元性雰囲気中で前記塗膜を250℃以下の温度で加熱するステップSa3−2とを備え、
    前記ステップSa1における銅系ナノ粒子は、0.2〜2nm厚みの表面層がCuO相又はCuOとCuOとの混合相で構成されていると共に、0.2〜2nm厚みの表面層の内側はCuO相で構成されている
    ことを特徴とする導体膜の製造方法。
  5. ステップSa3−2の後、
    ステップSa3−1の大気圧で加熱するステップと、
    ステップSa3−2の還元性雰囲気下で加熱するステップとを1回以上繰り返すことを特徴とする請求項1、2又は4のいずれか1項に記載の導体膜の製造方法。
  6. 前記高濃度分散液の製造工程は、有機溶剤からなる分散溶媒中に、銅化合物を分散させ、その後分散溶媒中の銅化合物にレーザー光を照射する工程を含む
    ことを特徴とする請求項1、2又は4のいずれか1項に記載の導体膜の製造方法。
  7. Cuを主成分とする銅系ナノ粒子導体膜が得られるように高濃度に含有するとともに前記銅系ナノ粒子が分散溶媒中で沈降することなく安定的に分散した銅系ナノ粒子の高濃度分散液を準備するステップSb1と、
    前記高濃度分散液を基材上に塗布及び乾燥してCuを主成分とする塗膜を得るステップSb2と、
    大気圧中で前記塗膜を200℃以下の温度で加熱して前記塗膜の全体がCuOとなるまで酸化するとともにCuOまで酸化が進行しないように前記塗膜の酸化状態を制御し、比抵抗が10Ω・m以下の真性半導体膜を得るステップSb3−1と、
    還元性雰囲気中で前記真性半導体膜を200℃以下の温度で加熱して前記基材から前記真性半導体膜表面に向かって反応が進行する方向性のある化学的な還元反応プロセスによって前記真性半導体膜を還元して銅の導体膜を得るステップSb3−2とを備え、
    前記ステップSb1の高濃度分散液は結合剤を含まない
    ことを特徴とする導体膜の製造方法。
  8. Cuを主成分とする銅系ナノ粒子導体膜が得られるように高濃度に含有するとともに前記銅系ナノ粒子が分散溶媒中で沈降することなく安定的に分散した銅系ナノ粒子の高濃度分散液を準備するステップSb1と、
    前記高濃度分散液を基材上に塗布及び乾燥してCuを主成分とする塗膜を得るステップSb2と、
    大気圧中で前記塗膜を200℃以下の温度で加熱して前記塗膜の全体がCuOとなるまで酸化するとともにCuOまで酸化が進行しないように前記塗膜の酸化状態を制御し、比抵抗が10Ω・m以下の真性半導体膜を得るステップSb3−1と、
    還元性雰囲気中で前記真性半導体膜を250℃以下の温度で加熱して前記基材から前記真性半導体膜表面に向かって反応が進行する方向性のある化学的な還元反応プロセスによって前記真性半導体膜を還元して銅の導体膜を得るステップSb3−2とを備え、
    前記ステップSb1の高濃度分散液は結合剤を含まない
    ことを特徴とする導体膜の製造方法。
  9. ステップSb3−2の後、
    ステップSb3−1の大気圧で加熱するステップと、
    ステップSb3−2の還元性雰囲気下で加熱するステップとを1回以上繰り返すことを特徴とする請求項7又は8記載の導体膜の製造方法。
  10. 前記高濃度分散液は、
    酸化や凝集を抑制するための凝集抑制物質及び酸化抑制物質を実質的に含まないことを特徴とする請求項1、2、4、7又は8のいずれか1項に記載の導体膜の製造方法。
  11. 前記高濃度分散液は、
    (i)γ-ブチロラクトン、ジアセトンアルコール、シクロヘキサンノンを含むケトン類、又は、
    (ii)テトラデカンを含む高沸点アルカン
    のいずれかに属する有機溶剤を含むことを特徴とする請求項1、2、4、7又は8のいずれか1項に記載の導体膜の製造方法。
  12. 前記塗膜の組成は、前記還元性雰囲気で加熱するステップ(Sa3−2、Sb3−2)において、CuOを主成分とすることを特徴とする請求項1、2、4、7又は8のいずれか1項に記載の導体膜の製造方法。
  13. 前記還元性雰囲気で加熱するステップ(Sa3−2、Sb3−2)は、水素ガス雰囲気中で160℃以上250℃以下に加熱することを特徴とする請求項1、2、4、7又は8のいずれか1項に記載の導体膜の製造方法。
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