JP7332226B1 - 銀合金ナノ粒子含有組成液の調製方法、銀合金被膜の形成方法及びこの銀合金被膜を用いた配線回路の製造方法 - Google Patents
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Description
この銀合金被膜を用いた配線回路の製造方法に関する。
200mLガラスビーカーを用い、高分子分散剤としてDisperbyk2015(不揮発分40%、酸価10、BYK社製)0.14gを1-メトキシ-2-プロパノール(別称:プロピレングリコールモノメチルエーテル、以下「PGM」と略称することがある)100g中に溶解し、酸化銀(Ag2O)粉末9.52gとフッ化スズ(SnF2)粉末0.07gを分散させ、酸化銀及びフッ化スズの分散溶液を調製した。この分散溶液中の金属成分の含有割合は、重量比でAg99.5wt%、Sn0.5wt%となる。また、高分子分散剤の含有割合は、酸化銀とフッ化スズに対して重量比で0.6wt%となる。なお、Disperbyk2015は、スチレン-無水マレイン酸樹脂構造を有し、この無水マレイン酸の一部が末端水酸基のポリアルキレングリコールによって変性されたものからなる。
高分子分散剤としてのDisperbyk2015の0.35gをPGM100g中に溶解し、酸化銀(Ag2O)粉末8.70g、フッ化スズ(SnF2)粉末0.06g及びフッ化ニッケル(NiF2)0.02gを分散させ、酸化銀、フッ化スズ及びフッ化ニッケルの分散溶液を調製した。この分散溶液中の金属成分の含有割合は、重量比でAg99.4wt%、Sn0.45wt%、Ni0.15wt%となる。また、得られた分散溶液中の高分子分散剤の含有割合は、酸化銀及びフッ化スズに対して重量比で1.6wt%となる。それ以外は実施例1の場合と同様にして実施例2の褐色のSn-Ni-AgAg合金ナノ粒子含有組成液を得た。
高分子分散剤としてのDisperbyk2015の0.33gをPGM100g中に溶解し、酸化銀(Ag2O)粉末8.34g、フッ化スズ(SnF2)粉末0.05g及びフッ化ニッケル(NiF2)粉末0.02gを分散させた。この分散溶液中の金属成分の含有割合は、重量比でAg99.4wt%、Sn0.4wt%、Ni0.2wt%となる。また、得られた分散溶液中の高分子分散剤の含有割合は、酸化銀、フッ化スズ及びフッ化ニッケルに対して重量比で1.6wt%となる。それ以外は実施例1の場合と同様にして実施例3の褐色のSn-Ni-Ag合金ナノ粒子含有組成液を得た。
高分子分散剤としてのDisperbyk2015の1.00gをPGM100g中に溶解し、酸化銀(Ag2O)粉末10.00g、酸化スズ(SnO2)粉末1.50g及びフッ化スズ(SnF2)粉末2.00gを分散させた。この分散溶液中の金属成分の含有割合は、重量比でAg79.5wt%、Sn20.5wt%となる。また、得られた分散溶液中の高分子分散剤の含有割合は、酸化銀、酸化スズ及びフッ化スズに対して重量比で3.0wt%となる。それ以外は実施例1の場合と同様にして実施例4の褐色のSn-Ag合金ナノ粒子含有組成液を得た。
高分子分散剤としてのDisperbyk2015の0.67gをPGM100g中に溶解し、酸化銀(Ag2O)粉末6.67g、酸化スズ(SnO2)粉末0.23g及びフッ化スズ(SnF2)粉末0.10gを分散させた。この分散溶液中の金属成分の含有割合は、重量比でAg96.2wt%、Sn3.8wt%となる。また、得られた分散溶液中の高分子分散剤の含有割合は、酸化銀、酸化スズ及びフッ化スズに対して重量比で3.8wt%となる。それ以外は実施例1の場合と同様にして実施例5の褐色のSn-Ag合金ナノ粒子含有組成液を得た。
高分子分散剤としてのDisperbyk2015の0.47gをPGM100g中に溶解し、酸化銀(Ag2O)粉末6.25g、フッ化スズ(SnF2)粉末0.03g及びフッ化ニッケル(NiF2)粉末0.02gを分散させた。この分散溶液中の金属成分の含有割合は、重量比でAg99.5wt%、Sn0.33wt%,Ni0.16wt%となる。また、得られた分散溶液中の高分子分散剤の含有割合は、酸化銀、フッ化スズ及びフッ化ニッケルに対して重量比で3.0wt%となる。それ以外は実施例1の場合と同様にして実施例6の褐色のSn-Ni-Ag合金ナノ粒子含有組成液を得た。
高分子分散剤としてのDisperbyk2015の0.50gをPGM100g中に溶解し、酸化銀(Ag2O)粉末6.67g及びフッ化スズ(SnF2)粉末0.05gを分散させた。この分散溶液中の金属成分の含有割合は、重量比でAg99.5wt%、Sn0.5wt%となる。また、得られた分散溶液中の高分子分散剤の含有割合は、酸化銀及びフッ化スズに対して重量比で3.0wt%となる。それ以外は実施例1の場合と同様にして実施例7の褐色のSn-Ag合金ナノ粒子含有組成液を得た。
高分子分散剤としてのDisperbyk2015の2.60gをPGM100g中に溶解し、酸化銀(Ag2O)粉末52.10g及び酸化スズ(SnO2)粉末0.50gを分散させた。この分散溶液中の金属成分の含有割合は、重量比でAg99.2wt%、Sn0.8wt%となる。また、得られた分散溶液中の高分子分散剤の含有割合は、酸化銀及び酸化スズに対して重量比で2.0wt%となる。それ以外は実施例1の場合と同様にして実施例8の褐色のSn-Ag合金ナノ粒子含有組成液を得た。
高分子分散剤としてのDisperbyk2015の2.60gをPGM100g中に溶解し、酸化銀(Ag2O)粉末52.10g及び酸化スズ(SnO2)粉末2.60gを分散させた。この分散溶液中の金属成分の含有割合は、重量比でAg96.0wt%、Sn4.0wt%となる。また、得られた分散溶液中の高分子分散剤の含有割合は、酸化銀及び酸化スズに対して重量比で1.9wt%となる。それ以外は実施例1の場合と同様にして実施例9の褐色のSn-Ag合金ナノ粒子含有組成液を得た。
高分子分散剤としてのDisperbyk2015の2.60gをPGM100g中に溶解し、酸化銀(Ag2O)粉末47.40g及び酸化スズ(SnO2)粉末4.70gを分散させた。この分散溶液中の金属成分の含有割合は、重量比でAg92.2wt%、Sn7.8wt%となる。また、得られた分散溶液中の高分子分散剤の含有割合は、酸化銀及び酸化スズに対して重量比で2.0wt%となる。それ以外は実施例1の場合と同様にして実施例10の褐色のSn-Ag合金ナノ粒子含有組成液を得た。
高分子分散剤としてのDisperbyk2015の1.00gをPGM100g中に溶解し、酸化銀(Ag2O)粉末6.68g及び酢酸ニッケル(Ni(CH3COO)2)粉末0.07gを分散させた。この分散溶液中の金属成分の含有割合は、重量比でAg99.7wt%、Ni0.3wt%となる。また、得られた分散溶液中の高分子分散剤の含有割合は、酸化銀及び酢酸ニッケルに対して重量比で5.9wt%となる。それ以外は実施例1の場合と同様にして実施例11の褐色のNi-Ag合金ナノ粒子含有組成液を得た。
高分子分散剤としてのDisperbyk2015の2.60gをPGM100g中に溶解し、酸化銀(Ag2O)粉末52.20g及び酢酸ニッケル(Ni(CH3COO)2)粉末3.30を分散させた。この分散溶液中の金属成分の含有割合は、重量比でAg97.8wt%、Ni2.2wt%となる。また、得られた分散溶液中の高分子分散剤の含有割合は、酸化銀及び酢酸ニッケルに対して重量比で1.9wt%となる。それ以外は実施例1の場合と同様にして実施例12の褐色のNi-Ag合金ナノ粒子含有組成液を得た。
高分子分散剤としてのDisperbyk2015の2.70gをPGM100g中に溶解し、酸化銀(Ag2O)粉末21.00g及び酸化インジウム(In2O3)粉末1.20gを分散させた。この分散溶液中の金属成分の含有割合は、重量比でAg95.2wt%、In4.8wt%となる。また、得られた分散溶液中の高分子分散剤の含有割合は、酸化銀及び酸化インジウムに対して重量比で4.9wt%となる。それ以外は実施例1の場合と同様にして実施例13のIn-Ag合金ナノ粒子含有組成液を得た。
高分子分散剤としてのDisperbyk2015の4.00gをPGM80.0g中に溶解し、酸化銀(Ag2O)粉末60.00g及び酸化インジウム(In2O3)粉末4.00gを分散させた。この分散溶液中の金属成分の含有割合は、重量比でAg94.4wt%、In5.6wt%となる。また、得られた分散溶液中の高分子分散剤の含有割合は、酸化銀及び酸化インジウムに対して重量比で2.5wt%となる。それ以外は実施例1の場合と同様にして実施例14のIn-Ag合金ナノ粒子含有組成液を得た。
高分子分散剤としてのDisperbyk2015の2.60gをPGM100g中に溶解し、酸化銀(Ag2O)粉末41.70g及び酸化スズ(SnO2)粉末10.40gを分散させた。この分散溶液中の金属成分の含有割合は、重量比でAg82.5wt%、Sn17.5wt%となる。また、得られた分散溶液中の高分子分散剤の含有割合は、酸化銀及び酸化スズに対して重量比で2.0wt%となる。それ以外は実施例1の場合と同様にして実施例15の褐色のSn-Ag合金合金ナノ粒子含有組成液を得た。
高分子分散剤としてのDisperbyk2015の1.7gをPGM100g中に溶解し、酸化銀(Ag2O)粉末24.30g及び酸化スズ(SnO2)粉末10.40gを分散させた。この分散溶液中の金属成分の含有割合は、重量比でAg73.4wt%、Sn26.6wt%となる。また、得られた分散溶液中の高分子分散剤の含有割合は、酸化銀及び酸化スズに対して重量比で2.0wt%となる。それ以外は実施例1の場合と同様にして実施例16の褐色のSn-Ag合金ナノ粒子含有組成液を得た。
高分子分散剤としてのDisperbyk2015の10.00gをPGM100g中に溶解し、酸化銀(Ag2O)粉末100.0gを分散させた。得られた分散溶液中の高分子分散剤の含有割合は、酸化銀に対して重量比で4.0wt%となる。それ以外は実施例1の場合と同様にして比較例1の褐色のAgナノ粒子含有組成液を得た。
高分子分散剤としてのDisperbyk2015の5.00gをPGM100g中に溶解し、酸化銀(Ag2O)粉末100.0gを分散させた。得られた分散溶液中の高分子分散剤の含有割合は、酸化銀に対して重量比で2.0%wtとなる。それ以外は実施例1の場合と同様にして比較例2の褐色のAgナノ粒子含有組成液を得た。
上述のようにして調製した実施例1~16のAg合金ナノ粒子含有組成液ないし比較例1及び2のAgナノ粒子含有組成液の動的光散乱法(DLS法)による粒径分布の測定結果を図1~図4に示し、キュムラント法により解析した平均粒子径の結果を下記表2に示した。なお、図1は実施例1~5のAg合金ナノ粒子の、図2は実施例6~10のAg合金ナノ粒子の、図3は実施例11~16のAg合金ナノ粒子の、図4は比較例1及び2のAgナノ粒子の、それぞれ粒径分布を示す図である。また、動的光散乱法による粒径分析測定装置としては大塚電子(株)社製nanoSAQLAを使用した。
次に、実施例1~16のAg合金ナノ粒子含有組成液中の粒子が、Agナノ粒子と他の金属のナノ粒子との混合物ではなく、Agと他の金属との合金のナノ粒子であることの確認するため、SEM-EDX法(走査型電子顕微鏡-エネルギー分散型X線分光法)を適用して測定を行った。測定用試料としては、溶融石英基板上に一滴の試料を滴下して乾燥させたものを用いた。SEM装置(走査型電子顕微鏡)としては株式会社日立ハイテクノロジーズ製S-3500Hを使用し、EDX装置(エネルギー分散型X線分光装置)としては株式会社堀場製作所製のEMAX7490-Hを使用した。
次に、実施例1~16のAg合金ナノ粒子含有組成液中の粒子が、Agナノ粒子と他の金属のナノ粒子との混合物ではなく、Agと他の金属との合金のナノ粒子であることの確認を、ナノメータサイズのAg粒子の場合を基準として、熱重量分析装置を用いた示差熱析法(DTA法)により行った。熱重量分析装置としては、(株)日立ハイテクサイエンス製のTG/DTA7300を用いた。ナノメータサイズのAg粒子のみの比較例1、ナノメータサイズのAg(96.2wt%)/Sn(3.8wt%)合金粒子の実施例5、ナノメータサイズのAg(82.5wt%)/Sn(17.5wt%)合金粒子の実施例15、及び、ナノメータサイズのAg(99.7wt%)/Ni(0.3wt%)合金粒子の実施例11のそれぞれの示差熱分析結果を図9に示した。なお、示差熱分析における昇温速度は10℃/分又は20℃/分で行った。また、図9Aは実施例11の、図9Bは実施例5の、図9Cは実施例15の、図9Dは実施例11の、それぞれ示差熱分析法による測定結果を示す図である。
上述のようにして調製された実施例1~16、比較例1及び2のそれぞれの試料をガラス板にバーコーターNo.3にて塗布し、100℃30分にて乾燥させて形成したAg合金被膜(実施例1~16)ないしAg被膜(比較例1及び2)を形成し、それぞれについて表面抵抗を測定した。表面抵抗の測定は、日東精工アナリテック社製ロレスタ-AX MCP-T370を使用し、4端子4深針法、定電流印加方式で行った。測定結果を下記表2にまとめて示した。
上述のようにして調製された実施例1~10及び13~17のAg合金ナノ粒子含有組成液と、比較例1及び2のAgナノ粒子含有組成液を用い、IPC-TM650-2.6.13に準拠し、透明ガラス基板上に電極間隔が約0.2mmとなるようにした一対の電極を形成し、ウォータードロップテストによりマイグレーション試験を実施した。測定回路は、図10Aに示したように、5Vの直流定電圧原から過電流防止用抵抗R=100Ωを直列に接続した回路からなる。マイグレーション試験は、一対の電極間にイオン交換水約1μLを滴下し、流れる電流値の時間的変化を測定することによって行った。
上述のようにして調製された実施例5のSn-Ag合金ナノ粒子含有組成液及び比較例2のAgナノ粒子組成液を用い、ガラスエポキシ基板上にバーコーターNo.3にて塗布し、100℃30分にて乾燥させた後、さらに120℃で30分間ベーキングし、硬度測定用のSn-Ag合金被膜試料及びAg被膜試料を作成した。それぞれの硬度測定用試料のサイズは、長さ50mm×幅5mmであり、Sn-Ag合金被膜試料の抵抗値は12.9Ωであり、Ag被膜試料の抵抗値は0.8Ωであった。
ま上述のようにして調製された実施例5のSn-Ag合金ナノ粒子含有組成液及び比較例2のAgナノ粒子含有組成液を用い、溶融石英基板上にバーコーターNo.3にて塗布し、100℃30分にて乾燥させたそれぞれの試料の表面に別の溶融石英基板を当接し、押圧しながら120℃で30分間ベーキングし、2種類の接合強度(せん断強度)試験用試料を作成した。次いで、材料強度試験機 オートグラフ AGX-100kNV(株式会社島津製作所製)を用い、それぞれの溶融石英基板に対してずれ方向の力を印加し、試験力とずれの量(変位量)との関係を調べた。結果を図11に示した。
実施例5のSn-Ag合金ナノ粒子含有組成液を用いて形成したSn-Ag合金被膜及び比較例2のAgナノ粒子含有組成液を用いて形成したAg被膜が各種基材に対してどの程度の接合強度を有しているかを確認するため、図12に示した手順により基材接合試験を行った、基材11としては、サイズ5mm×5mm、厚さ0.5mmのアルミニウム(Al)、銅(Cu)、シリコン(Si)を用いた。そして、一対の基材11の片面にSn-Ag合金ナノ粒子被膜12、Agナノ粒子被膜13の順で塗布し、一対の積層構造10a及び10bを形成した。基材の組合せとして、Al-Al、Cu-Cu、Al-Cu、Al-Siの4種類を用いた。そして、図12に示したように、両基材11の塗布面を向き合わせた後、押圧しながらはんだごてで数十秒間加熱した後、常温まで冷却して接合試験用試料10を作成した。
以下では、上記のようにして調製された各種実施例の銀合金ナノ粒子含有組成液を用い、非酸化物系セラミックスの表面に各種銀合金被膜を形成し、それらの銀合金被膜に対してレーザー光を照射してスルーホールの形成状態を確認した。なお、参考例として、上記の比較例2の銀ナノ粒子含有組成液を用いて銀被膜を形成した例、及び、市販の鉛フリーはんだ塗膜を形成した例についても確認した。レーザー光としては、半導体レーザーによる波長808nm+940nmの2波長混合光を用い、レーザー出力400W、パルスレート1000msで行った。
まず、実施例5のようにして調製されたSn-Ag合金ナノ粒子含有組成液を用い、市販のAlN基板(セラテックジャパン株式会社製、AlN170W(商品名))の表面にバーコーターNo.3にて塗布し、常温にて30分乾燥することにより、Sn-Ag合金被膜が形成されたスルーホール形成実験例試料1を作成した。このAlN基板は、外形サイズ50.8mm×50.8mm、厚さ0.4mm、表面粗さRa≦0.6μm、熱伝導率170W/m・Kのものである。同様に、比較例2のようにして調製されたAgナノ粒子含有組成液を用い、スルーホール形成実験例試料1の場合と同様にして、Ag被膜が形成されたスルーホール形成実験用の比較実験例試料1を作成した。さらに、市販の鉛フリーはんだ(Sn:96.5%、Ag:3.0%、Cu:0.5%)を用い、スルーホール形成実験用の実験例試料1の場合と同様にして、鉛フリーはんだ被膜が形成されたスルーホール形成実験用の比較実験例試料2を作成した。
次いで、実施例試料2として、上記の実施例12のようにして調製されたNi-Ag合金ナノ粒子含有組成液を用いた他は、スルーホール形成実験用の実施例試料1の場合と同様にして、Ni-Ag合金被膜が形成されたスルーホール形成実験用の実施例試料2作成した。そして、このようにして作成された実施例試料2の被膜に対し、スルーホール形成実験用の実施例試料1の場合と同条件でのレーザー光を照射し,スルーホールの形成状況を観察した。その結果を図16に示した。なお、図16Aは、スルーホール形成後の実施例試料2をスルーホールの上部から拡大写真であり、図16Bは図16Aの一部の更なる拡大写真である。
10a、10b…積層構造
11…基材
12…Sn-Ag合金ナノ粒子被膜
13…Agナノ粒子被膜
Claims (11)
- 銀合金ナノ粒子が分散したアルコール溶液からなる銀合金ナノ粒子含有組成液の製造方法であって、
アルコール溶媒中に、スチレン-無水マレイン酸樹脂構造を有し、前記無水マレイン酸の一部が末端水酸基のポリアルキレングリコール又は末端アミノ基のポリアルキレングリコールで変性されているものからなる酸価が150以下の高分子分散剤を溶解させるとともに、酸化銀、炭酸銀及びシュウ酸銀から選択される少なくとも1種の銀化合物と、スズ、ニッケル及びインジウムから選択される少なくとも1種の金属の酸化物又は塩から選択される少なくとも1種の異種金属化合物と、を分散させたアルコール溶液を用い、前記アルコール溶液中に100℃以下で超音波を照射することによって、前記銀と前記異種金属とが合金化した銀合金ナノ粒子が分散したアルコール溶液を得ることを特徴とする、銀合金ナノ粒子含有組成液の製造方法。 - 前記異種金属化合物がスズ、ニッケル及びインジウムから選択される少なくとも1種の金属の塩から選択される少なくとも1種であって、前記塩がフッ化物又は酢酸化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の銀合金ナノ粒子含有組成液の製造方法。
- 前記超音波の照射を常温下で行うことを特徴とする、請求項1に記載の銀合金ナノ粒子含有組成液の製造方法。
- 前記アルコール溶液中の前記銀化合物及び前記異種金属化合物の濃度が合計20~70重量%であり、前記異種金属化合物の濃度が前記銀化合物に対して金属成分比で0.1~20重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の銀合金ナノ粒子含有組成液の製造方法。
- 前記アルコール溶媒が、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール及び1-メトキシ-2-プロパノールからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1に記載の銀合金ナノ粒子含有組成液の製造方法。
- 前記高分子分散剤の添加量が、前記銀化合物及び前記異種金属化合物の合計重量に対して、不揮発分の重量で2~25%であることを特徴とする、請求項1に記載の銀合金ナノ粒子含有組成液の製造方法。
- 請求項1~6のいずれかの記載の銀合金ナノ粒子含有組成液の製造方法によって製造された銀合金ナノ粒子含有組成液を基材の表面に塗布する工程と、
前記銀合金ナノ粒子含有組成液を塗布された基材を常温下で乾燥する工程と、
を備えることを特徴とする、基材の表面に銀合金被膜を形成する方法。 - 前記銀合金ナノ粒子含有組成液中の前記異種金属化合物の含有割合が、前記銀化合物及び前記異種金属化合物の合計重量に対して金属成分比で0.1~20重量%であり、
前記銀合金ナノ粒子含有組成液中の前記高分子分散剤の含有量が、前記銀化合物及び前記異種金属化合物の合計重量に対して、不揮発分の重量で0.5~3.0重量%であるものを用いていることを特徴とする、請求項7に記載の基材の表面に銀合金被膜を形成する方法。 - 前記銀合金被膜を所定の配線パターンに形成したことを特徴とする、請求項7に記載の基材の表面に銀合金被膜を形成する方法。
- 請求項1~6のいずれかの記載の銀合金ナノ粒子含有組成液の製造方法によって製造された前記銀合金ナノ粒子含有組成液を非酸化物系セラミックス基板の表面に所定の配線パターンに塗布する工程と、
前記銀合金ナノ粒子含有組成液を塗布された非酸化物系セラミックス基板を常温下で乾燥して前記非酸化物系セラミックス基板の表面に前記銀合金の被膜からなる配線パターンを形成する工程と、
前記配線パターの所定位置に、前記銀合金の被膜の表面側からレーザー光を照射し、前記銀合金の被膜に開口を形成すると同時に、前記非酸化物系セラミックス基板に内壁面に前記銀合金の被膜からなる導体化層が形成されたスルーホールを形成する工程と、
を有することを特徴とする、回路基板の製造方法。 - 前記銀合金ナノ粒子含有組成液中の前記異種金属化合物の含有割合が、前記銀化合物及び前記異種金属化合物の合計重量に対して金属成分比で0.1~20重量%であり、
前記銀合金ナノ粒子含有組成液中の前記高分子分散剤の含有量が、前記銀化合物及び前記異種金属化合物の合計重量に対して、不揮発分の重量で0.5~3.0重量%であるものを用いていることを特徴とする、請求項10に記載の回路基板の製造方法。
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