JP5118566B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
このようなことから、従来、赤外線カメラ(IRカメラ)により車室内の温度分布を測定して喫煙者の着座位置を特定し、喫煙者と非喫煙者の着座位置に基づいて窓を自動で開けることにより、車室内の空気の流れを生成し、喫煙により汚れた空気を排気及び浄化する技術が知られている(特許文献1参照)。
また、車室内温度と外気温度の温度差が大きい場合、窓は開けずに空気清浄機の運転のみで車室内の空気の浄化を行うことになり、好ましいことではない。
請求項3の車両用空調装置では、請求項1または2において、前記窓開け判定手段は、車両の乗員の喫煙を検出する喫煙検出手段を含み、該喫煙検出手段により乗員の喫煙が検出されると前記窓を開ける必要があると判定することを特徴とする。
請求項5の車両用空調装置では、請求項3において、前記窓は複数からなり、前記窓開け判定手段は、さらに、車両の乗員の着座位置を検出する着座位置検出手段を含んでなり、前記喫煙検出手段により検出された乗員の喫煙及び該着座位置検出手段により検出された乗員の着座位置に基づいて前記複数の窓のうち開ける必要がある窓を選択することを特徴とする。
請求項7の車両用空調装置では、請求項5または6において、前記空調補正手段は、少なくとも空調強度と送風量とともに前記窓開け判定手段により選択された窓の位置に応じて吹き出し位置を補正することを特徴とする。
従って、車室内温度と外気温度の差が大きくても空調の補正をかけることが可能であり、窓を自動で開けた場合でも車室内の換気をしつつ、車室内の温熱快適性を適切に保つことができる。また、適切に補正量を求めて的確な空調の補正が可能である。
請求項3の車両用空調装置によれば、喫煙検出手段により乗員の喫煙が検出されると窓を開ける必要があると判定されるので、車室内の喫煙によって汚れた空気を排気しつつ、車室内の温熱快適性を適切に保つことができる。
請求項5の車両用空調装置によれば、窓開け判定手段にて乗員の着座位置から開ける必要のある窓を選択することにより、喫煙によって汚れた空気が非喫煙者に影響が及ばないような最適な経路を選択しつつ、車室内の温熱快適性を適切に保つことができる。
請求項7の車両用空調装置によれば、空調補正手段にて空調強度と送風量とともに選択された窓の位置に応じて吹き出し位置を補正することで、例えば外気が吹き込む位置の温熱快適性を適切に保つことができる。
図1は、本発明に係る車両用空調装置(エアコンディショナ、以下エアコンと略す)をブロック図で示す概略構成図である。なお、図1では本願発明に関わる空調機器のみを図示し、本願発明に直接関係のない機器については図示とその説明を省略する。
車両の車室内には、赤外線カメラ(IRカメラ)1が配設されている。赤外線カメラ1は、多数の赤外線検出素子を二次元平面にマトリックス上に配置させ、熱画像センサとして機能するよう構成されている。詳しくは、赤外線カメラ1は、車室内の乗員や座席などの物体の温度に応じて放射される赤外線を撮像レンズで集光することにより、車室内の温度分布を示す熱画像を熱画像センサ上に結像させ、車室内の温度分布を検出するよう構成されている(着座位置検出手段、喫煙検出手段、温度分布検出手段)。そして、赤外線カメラ1は、画像処理回路2を介してエアコン電子コントロールユニット(エアコンECU)7の入力側に接続されている。
画像処理回路2は、赤外線カメラ1で検出された車室内の温度分布に基づいて各座席の乗員の有無を検出するとともに、煙草の火を検知して乗員の喫煙を検出する機能を有している。なお、各座席の乗員の検出には画像処理回路2の代わりにシートセンサを用いてもよい。
車速センサ3はエンジンルーム内に配置されており、車両の走行速度(車速)を検出するものである。雨滴センサ4はフロントウィンドウに設置され、フロントウィンドウに当たる雨滴を検出して降雨を検出するものである。なお、雨滴センサ4の代わりにワイパースイッチを用いて降雨を検出してもよい。また、内気温センサ5は車室内に設置されており、車室内温度を検出するものである。さらに、外気温センサ6は、例えばフロントバンパー付近に配置されており、外気温度を検出するものである。
図3を参照すると、エアコンECU7が実行する一実施形態として排気及び空調制御(排気/空調制御)を示すフローチャートが示されており、以下同フローチャートに基づいて説明する。
ステップS1では、初期化処理として赤外線カメラ1、車速センサ3、雨滴センサ4、内気温センサ5、外気温センサ6を起動し、制御に必要なパラメータを初期化する。
続くステップS3では、喫煙が検出されたか否かを判別する(窓開け判定手段)。当該判別結果が真(Yes)と判定された場合にはステップS4に進み、当該判別結果が偽(No)と判定された場合にはステップS2へ戻る。
ステップS5では、上記各センサが検出した値によりエアコンECU7にて窓開け方法を決定する。詳しくは、喫煙者と非喫煙者の乗車位置に応じ、効果的な排気経路を生成するための窓を開ける位置を決定する。さらに、車速センサ3から検出された車速と、雨滴センサ4で検出された降雨状況と、上記窓を開ける位置から窓の開放量を決定する。例えば、雨滴センサ4で降雨が検出された場合には、窓の開放量は雨よけバイザーの位置までに制限し、雨滴が車室内へ入らないようにする。
ステップS7では、上記ステップS5で決定した窓開け方法に従い、各パワーウィンドウモータ8〜11を駆動操作して窓を開けることにより、煙草の煙を排気し、車室内の換気を行う。
そして、窓開け方法及び上記ステップ6にて決定した空調の補正量に基づき、エアミックスドアアクチュエータ12、ブロアファンモータ13、コンプレッサクラッチ14、モードドアアクチュエータ15を作動操作する。
このように、本実施形態によれば、パワーウィンドウモータ8〜11と、当該パワーウィンドウモータにより開閉されるパワーウィンドウ22〜25が配設され、車両用空調装置の制御を実行させるための作動要素であるエアミックスドアアクチュエータ12と、ブロアファンモータ13と、コンプレッサクラッチ14と、モードドアアクチュエータ15が配置され、乗員の喫煙によりパワーウィンドウ22〜25のいずれかの窓を開ける必要があると判定されると、パワーウィンドウ22〜25を開けることによる車室内の温度変化を予測して空調を補正するようにしている。
従って、車室内温度と外気温度の差が大きくても空調の補正をかけることが可能であり、車室内の換気を行いつつ、車室内の温熱快適性を適切に保つことができる。
また、空調の温度と送風量を補正してエアミックスドアアクチュエータ12とブロアファンモータ13とを作動操作することにより、車室内の温熱快適性を適切に保つことができ、さらに空調の吹き出し位置を補正してモードドアアクチュエータ15を作動操作することにより、例えば外気が吹き込む位置の温熱快適性を適切に保つことができる。
そして、赤外線カメラ1で検出された温度分布に基づいて、画像処理回路2で乗員の着座位置と喫煙をそれぞれ検出するようにしているので、乗員の着座位置及び喫煙を正確に検出することが可能である。
例えば、上記実施形態では例えばマニュアルエアコン或いは通常のオートエアコンで排気及び空調制御を実施する場合を説明しているが、フルオートエアコンで上記排気及び空調制御を実施してもよい。
また、上記実施形態では車両は例えばパワーウィンドウ22〜25の4つの窓を有しているが、窓が複数に限られず単数であっても本発明を好適に適用可能である。
2 画像処理回路
3 車速センサ
4 雨滴センサ
5 内気温センサ
6 外気温センサ
7 エアコンECU
12 エアミックスドアアクチュエータ
13 ブロアファンモータ
14 コンプレッサクラッチ
15 モードドアアクチュエータ
22 運転席パワーウィンドウ
23 助手席パワーウィンドウ
24 後部右座席パワーウィンドウ
25 後部左座席パワーウィンドウ
Claims (7)
- 車両の車室内の空調を行う車両用空調装置において、
車両に自動で開閉可能に設けられた窓と、
前記窓を開ける必要があるか否かを判定する窓開け判定手段と、
前記窓開け判定手段により前記窓を開ける必要があると判定されると、該窓を開けることによる車室内の温度変化を予測して空調を補正する空調補正手段と、
車速を検出する車速検出手段と、
車室内温度を検出する内気温検出手段と、
外気温を検出する外気温検出手段と、を備え、
前記窓開け判定手段は、少なくとも前記車速検出手段により検出された車速に基づき窓の開放量を決定するものであって、
前記空調補正手段は、
少なくとも該開放量と前記車速検出手段により検出された車速とに基づき車外から車室内に流入する空気量を算出する流入空気量算出手段と、
該流入空気量算出手段により算出した車室内に流入する空気量と前記内気温検出手段により検出された車室内温度と前記外気温検出手段により検出された外気温度との差とに基づき車室内の温度変化を予測する温度変化予測手段と、
前記温度変化予測手段より予測した温度変化に基づき空調補正量を算出する空調補正量算出手段と、
を含んでなることを特徴とする車両用空調装置。 - 降雨を検出する降雨検出手段をさらに備え、
前記窓開け判定手段は、該降雨検出手段により降雨が検出されたとき、窓の開放量を制限することを特徴とする、請求項1に記載の車両用空調装置。 - 前記窓開け判定手段は、車両の乗員の喫煙を検出する喫煙検出手段を含み、該喫煙検出手段により乗員の喫煙が検出されると前記窓を開ける必要があると判定することを特徴とする、請求項1または2に記載の車両用空調装置。
- 前記空調補正手段は、少なくとも空調強度と送風量とを補正することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用空調装置。
- 前記窓は複数からなり、
前記窓開け判定手段は、さらに、車両の乗員の着座位置を検出する着座位置検出手段を含んでなり、前記喫煙検出手段により検出された乗員の喫煙及び該着座位置検出手段により検出された乗員の着座位置に基づいて前記複数の窓のうち開ける必要がある窓を選択することを特徴とする、請求項3に記載の車両用空調装置。 - 複数の赤外線検出素子を二次元平面にマトリックス状に配置して車室内の温度分布を検出する温度分布検出手段を備え、
該温度分布検出手段は、前記喫煙検出手段及び前記着座位置検出手段を含み、乗員の喫煙を検出するとともに乗員の着座位置を検出することを特徴とする、請求項5に記載の車両用空調装置。 - 前記空調補正手段は、少なくとも空調強度と送風量とともに前記窓開け判定手段により選択された窓の位置に応じて吹き出し位置を補正することを特徴とする、請求項5または6に記載の車両用空調装置。
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