JP5116210B2 - レトルトフィルム用シーラントフィルム - Google Patents

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本発明は、特定の性質を満たすプロピレン系重合体または該重合体を含む組成物から得られるシートまたはフィルムに関するものであり、特にレトルト食品等の被包装物の包装材用として好適に用いられるシートまたはフィルム、該シートまたはフィルムを含む積層体に関する。
近年、レトルト食品は、一般家庭のみならず業務分野にも急速に普及し始めており、そのために大量の食品を一度に包装できる包装材料が求められている。レトルト食品は、一般には長期間に亘って常温保存あるいは冷蔵・冷凍保存されることから、その包装材料に用いられるフィルムには、包装体のヒートシール部から内容物が破損しない高いヒートシール強度と耐低温衝撃強度が求められている。また同時にレトルト食品は、その食品を充填し密封した後、100〜140℃程度の高温・高圧釜を用いてレトルト殺菌処理が行われているために、その処理に耐えられるようなヒートシール部の耐熱性とヒートシール強度の保持が、食品の品質管理上からも要求される。
このレトルト食品包装用途に従来使用されているフィルムは、ポリプロピレンとエチレン・α−オレフィン共重合体ゴムとのブレンドフィルム、ポリプロピレンブロック共重合体フィルム、あるいは、そのポリプロピレンブロック共重合体とエチレン・α−オレフィン共重合体ゴムとのブレンドフィルム等であった。それらは、キーとなる要求性能のうち、耐熱性、耐低温衝撃強度、耐ブロッキング性およびヒートシール性の全てにバランスよく優れいるとはいい難かった。特に、耐低温衝撃強度とヒートシール性のバランス確保に大きな問題点があった。例えば、レトルト処理後のヒートシール強度低下を少しでも防止するために、特開2000−255012号公報には、ポリプロピレンブロック95〜70重量%とエラストマーブロック5〜30重量%とから構成されたプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体をヒートシール層に用いる提案がなされている。しかしながら、同公報に具体的に記載されているプロピレン含有量30〜70モル%のエラストマーブロックを含むプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体から成形されたフィルムは、耐低温衝撃強度が十分でなく、またレトルト処理後にシール強度が低下する傾向にあった。
特開2000−255012号公報
本発明は、前記課題のうち、特に低温耐衝撃性およびヒートシール性のバランスに優れたレトルト用シートまたはフィルムを提供することを目的とする。
本発明のシートまたはフィルムは、n-デカン不溶部(Dinsol);60〜90重量%およびn−デカン可溶部(Dsol);10〜40重量%から構成され、メルトフローレート(MFR)が0.1〜10(g/10min)の範囲にあり、GPCから求めたMw/Mnが4以下のプロピレン系共重合体であって、前記Dinsolが要件[1]を満たし、前記Dsolが要件[2]を満たすプロピレン系共重合体をから得られるシートまたはフィルムである。
[1] エチレンに由来する骨格の含有量が1.2重量%以下である。
[2] 極限粘度[η]solが2.5(dl/g)以上、Mw/Mnが4以下であり、エチレンに由来する骨格の含有量が10〜50重量%である。
本発明においては、[η]solとn−デカン不溶部の極限粘度[η]insolの差の絶対値が0.05〜2(dl/g)の範囲にあることを特徴とする前記シートまたはフィルムがレトルト包装分野で好適に使用される。
また本発明は、前記のプロピレン系重合体にプロピレン系エラストマーまたはエチレン系エラストマーをブレンドした組成物から得られるシートまたはフィルムに関する。
本発明のシートまたはフィルムは、レトルトフィルム用シーラントフィルムに好適に用いられる。
本発明のシートまたはフィルムは、既存のチーグラー・ナッタ系触媒を用いて得られたプロピレン系ブロック共重合体から得られるシートまたはフィルムに比べて、低温インパクトやヒートシールのバランスに優れる。
以下、本発明のレトルト包装用ポリプロピレン系重合体、レトルトフィルムまたはシートについて詳細に述べる。
プロピレン系重合体
本発明に関わるプロピレン系重合体は、n-デカン不溶部(Dinsol);60〜90重量%およびn−デカン可溶部(Dsol);10〜40重量%から構成され、メルトフローレート(MFR)が0.1〜10(g/10min)の範囲にあり、GPCから求めたMw/Mnが4以下のプロピレン系共重合体であって、前記Dinsolが要件[1]を満たし、前記Dsolが要件[2]を満たすプロピレン系共重合体である。
[1] エチレンに由来する骨格の含有量が1.2重量%以下である。
[2] 極限粘度[η]solが2.5(dl/g)以上、Mw/Mnが4以下であり、エチレンに由来する骨格の含有量が10〜50重量%である。
本発明に関わるプロピレン系重合体は、n-デカン不溶部(Dinsol)が60〜90重量%、好ましくは65〜88重量%、n−デカン可溶部(Dsol)が10〜40重量%、好ましくは12〜35重量%から構成される。(合計は100重量%) n-デカン不溶部(Dinsol)が60重量%に満たない場合は、フィルムの剛性が低下したりブロッキング性が悪化したりする場合があり、90重量%を超えるとヒートシール性が悪化したり低温衝撃性が悪化するため好ましくない。
本発明に関わるプロピレン系重合体の、230℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR)は、0.1〜10(g/10min)、好ましくは0.5〜5(g/10min)である。MFRが0.1(g/10min)未満の場合は押出成形性が悪く、10(g/10min)を超えると低温衝撃性が悪化するので好ましくない。
本発明に関わるプロピレン系重合体の、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)測定によって算出される分子量分布(Mw/Mn)が4.0以下、好ましくは3.0以下である。Mw/Mnが4.0を超えると、分子量の小さいものなどが混在し均質性に劣るためブロッキング性が悪化する場合があり好ましくない。
本発明に関わるプロピレン系重合体のn-デカン不溶部(Dinsol)中に含まれる、エチレンに由来する骨格の含有量が1.2重量%以下、好ましくは 1.0〜0.1 重量%である。Dinsol中の、エチレン由来骨格の含有量が1.2重量%を超えると、透明性が悪化したり面衝撃性が劣る場合があるので好ましくない。
本発明に関わるプロピレン系重合体のn-デカン可溶部(Dsol)の極限粘度[η]solは2.5(dl/g)以上、好ましくは2.6〜4.0(dl/g)である。極限粘度[η]solが2.5(dl/g)未満の場合は、低温衝撃性が悪くなる可能性があるので好ましくない。また、DsolのMw/Mnは4以下、好ましくは1.5〜3.5であるという特徴を持つ。Mw/Mnが4を超えると、分子量の小さいものなどが混在し均質性に劣るためブロッキング性が悪化する場合があるので好ましくない。さらに、Dsol中に含まれる、エチレンに由来する骨格の含有量は10〜50重量%、好ましくは20〜45 重量%である。Dinsol中の、エチレン由来骨格の含有量が10重量%未満であると、面衝撃性が悪化する場合があるので好ましくなく、50重量%を超える透明性が悪化したヒートシール性が悪化する場合があるので好ましくない。
本発明において特に重要な点は、n−デカン可溶部の極限粘度[η]solとn−デカン不溶部の極限粘度[η]insolの差の絶対値が0.05〜2(dl/g)、好ましくは0.07〜1(dl/g)の範囲にあることである。このようなプロピレン系重合体は、レトルト包装分野のシートまたはフィルムとして好適に使用される。
本発明に関わるプロピレン系重合体は、メタロセン触媒の存在下にプロピレンの単独重合またはプロピレンとエチレンとを共重合して得られるプロピレン系(共)重合体である。
本発明において使用するメタロセン触媒としては、メタロセン化合物、並びに、有機金属化合物、有機アルミニウムオキシ化合物およびメタロセン化合物と反応してイオン対を形成することのできる化合物から選ばれる少なくても1種以上の化合物、さらに必要に応じて粒子状担体とからなるメタロセン触媒で、好ましくはアイソタクチックまたはシンジオタクチック構造等の立体規則性重合をすることのできるメタロセン触媒を挙げることができる。前記メタロセン化合物の中では、本願出願人による国際出願によって既に公開(WO01/27124)されている架橋性メタロセン化合物が好適に用いられる。
Figure 0005116210
上記一般式[I]において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14は水素、炭化水素基、ケイ素含有基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよい。このような炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、アリル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デカニル基などの直鎖状炭化水素基;イソプロピル基、tert-ブチル基、アミル基、3-メチルペンチル基、1,1-ジエチルプロピル基、1,1-ジメチルブチル基、1-メチル-1-プロピルブチル基、1,1-プロピルブチル基、1,1-ジメチル-2-メチルプロピル基、1-メチル-1-イソプロピル-2-メチルプロピル基などの分岐状炭化水素基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの環状飽和炭化水素基;フェニル基、トリル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの環状不飽和炭化水素基;ベンジル基、クミル基、1,1-ジフェニルエチル基、トリフェニルメチル基などの環状不飽和炭化水素基の置換した飽和炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、フリル基、N-メチルアミノ基、N,N-ジメチルアミノ基、N-フェニルアミノ基、ピリル基、チエニル基などのヘテロ原子含有炭化水素基等を挙げることができる。ケイ素含有基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基などを挙げることができる。また、R5からR12の隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよい。このような置換フルオレニル基としては、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、オクタヒドロジベンゾフルオレニル基、オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル基、オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル基などを挙げることができる。
前記一般式[I]において、シクロペンタジエニル環に置換するR1、R2、R3、R4は水
素、または炭素数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。炭素数1〜20の炭化水素基としては、前述の炭化水素基を例示することができる。さらに好ましくはR3が炭素数1〜20の炭化水素基である。
前記一般式[I]において、フルオレン環に置換するR5からR12は炭素数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。炭素数1〜20の炭化水素基としては、前述の炭化水素基を例示することができる。R5からR12の隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよい。
前記一般式[I]において、シクロペンタジエニル環とフルオレニル環を架橋するYは第14族元素であることが好ましく、より好ましくは炭素、ケイ素、ゲルマニウムでありさらに好ましくは炭素原子である。このYに置換するR13、R14は炭素数1〜20の炭化水素基が好ましい。これらは相互に同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。炭素数1〜20の炭化水素基としては、前述の炭化水素基を例示することができる。さらに好ましくはR14は炭素数6〜20のアリール(aryl)基である。アリール基としては、前述の環状不飽和炭化水素基、環状不飽和炭化水素基の置換した飽和炭化水素基、ヘテロ原子含有環状不飽和炭化水素基を挙げることができる。また、R13、R14はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。このような置換基としては、フルオレニリデン基、10-ヒドロアントラセニリデン基、ジベンゾシクロヘプタジエニリデン基などが好ましい。
前記一般式[I]において、Mは好ましくは第4族遷移金属であり、さらに好ましくはTi、Zr、Hf等が挙げられる。また、Qはハロゲン、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれる。jは1〜4の整数であり、jが2以上の時は、Qは互いに同一でも異なっていてもよい。ハロゲンの具体例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素であり、炭化水素基の具体例としては前述と同様のものなどが挙げられる。アニオン配位子の具体例としては、メトキシ、tert-ブトキシ、フェノキシなどのアルコキシ基、アセテート、ベンゾエートなどのカルボキシレート基、メシレート、トシレートなどのスルホネート基等が挙げられる。孤立電子対で配位可能な中性配位子の具体例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィンなどの有機リン化合物、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタンなどのエーテル類等が挙げられる。Qは少なくとも1つがハロゲンまたはアルキル基であることが好ましい。
このような架橋メタロセン化合物としては、イソプロピリデン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドが好ましく用いられる。
なお、本発明に係わるメタロセン触媒において、前記一般式[I]で表わされる第4族遷移金属化合物とともに用いられる、有機金属化合物、有機アルミニウムオキシ化合物、および遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物、さらには必要に応じて用いられる粒子状担体については、本出願人による前記公報(WO01/27124)や特開平11-315109号公報中に開示された化合物を制限無く使用することができる。
本発明は、前記プロピレン系重合体とプロピレン系エラストマーまたはエチレン系エラストマーをブレンドした組成物から得られるシートまたはフィルムに関する。そのブレンド比率は、通常、エラストマー/プロピレン系重合体(重量比率)で0.02〜0.67、好ましくは0.05〜0.33である。本発明のシートまたはフィルム用として使用可能なプロピレン系エラストマーまたはエチレン系エラストマーとしては、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、水素添加ブロック共重合体、その他弾性重合体、およびこれらの混合物などがあげられる。
本発明においては、本発明のプロピレン系重合体としての性能を損なわない範囲で、必要に応じて、ビタミン類、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、結晶核剤等の添加物を含んでいてもよい。
前記の各成分および必要に応じて各種添加剤を、例えばヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、タンブラーミキサー等の混合機でブレンドした後、一軸ないしは二軸の押出機を用いてペレット状として後述のフィルム成形に使用することも可能であるが、前記成分をブレンドした状態でフィルム成形機に供することも可能である。
〔フィルム成形〕
得られたポリプロピレン樹脂のペレットを65mmΦ押出機で250℃で溶融し、Tタ゛イから押出し、15℃に保持されたチルロールにより、引取り速度13m/min、厚さ70μmのフィルムを得た。
次に本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。なお、実施例(比較例)における物性の測定方法は次の通りである。
1)n-デカン可溶分量
サンプル5gにn-デカン200mlを加え、撹拌しながら加熱して試料を完全に溶解させた。約3時間かけて、20℃まで冷却させ、30分間放置した。その後、析出物をろ別した。ろ液を1000mlのアセトン中に入れ、n−デカン中に溶解していた成分を析出させた。析出物とアセトンをろ別し、析出物を乾燥した。なお、ろ液側を濃縮乾固しても残渣は認められなかった。n-デカン可溶分量は、以下の式によって求めた。
n-デカン可溶分量(wt%)=[析出物重量/サンプル重量]×100
2)Mw/Mn測定〔重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)〕
ウォーターズ社製GPC-150C Plusを用い以下の様にして測定した。分離カラムは、TSKgel GMH6−HT及びTSKgel GMH6−HTLであり、カラムサイズはそれぞれ内径7.5mm、長さ600mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo-ジクロロベンゼン(和光純薬工業)および酸化防止剤としてBHT(和光純薬工業)0.025重量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は0.1重量%とし、試料注入量は500マイクロリットルとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000およびMw>4×106については東ソー社製を用い、1000≦Mw≦4×106についてはプレッシャーケミカル社製を用いた。
3)メルトフローレート(MFR)
ASTM D-1238の方法により230℃、荷重2.16kgで測定した。シリンダーには特に窒素を導入せずに、直接ペレットをシリンダーに投入し溶融させた。
4)エチレンに由来する骨格の含量
プロピレン系共重合体中のエチレンに由来する骨格濃度を測定するために、サンプル20〜30mgを1,2,4−トリクロロベンゼン/重ベンゼン(2:1)溶液0.6mlに溶解後、炭素核磁気共鳴分析(13C-NMR)を行った。プロピレン、エチレン、α-オレフィンの定量はダイアッド連鎖分布より求めた。例えば、プロピレン−エチレン共重合体の場合、PP=Sαα、EP=Sαγ+Sαβ、EE=1/2(Sβδ+Sδδ)+1/4Sγδを用い、以下の計算式(Eq-1)および(Eq-2)により求めた。
Figure 0005116210
5)極限粘度[η]
デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した。サンプル約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度として求めた。
[η]= lim(ηsp/C) (C→0)
6)フィルムのヒートシール性
フィルムを5mm巾にサンプリングし、シール時間が1秒、圧力が0.2MPaでシールした。シールしたフィルムの両端を300mm/minで引張り、剥離する最大強度を測定した。なお、シールバーの上部は 170℃の指定温度に設定し、下部は70℃で行った。
7)フィルムのヤング率
JIS K 6781に準じて延伸フィルムのヤング率の測定を行った。なお、引張速度は200mm/min、チャック間距離は80mmである。
8)フィルムのインパクト試験
フィルムを5cm×5cmにサンプリングし、所定温度下でインパクトテスター(下から上へハンマーを突きあげる方式)で面衝撃強度を測定した。(ハンマーの条件:先端1インチ、30kgcm)
[使用原料]
ジフェニルメチレン(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド とメチルアルミノキサンを組み合わせた触媒で重合したポリプロピレンブロックコポリマー。MFRは1.3で Mw/Mnは3.1であった。その他の物性は表1にまとめる。
[フィルム成形]
得られたポリプロピレン樹脂のペレットを65mmΦ押出機で250℃で溶融し、Tタ゛イから押出し、15℃に保持されたチルロールにより、引取り速度13m/min、厚さ70μmのフィルムを得た。物性を表1にまとめる。
n−デカン可溶部およびn−デカン不溶部の組成を表1記載のように変えたポリプロピレンブロックコポリマーを用いた以外は実施例1と同様にして行った。得られたペレットについて測定した物性を表1にまとめる。
n−デカン可溶部およびn−デカン不溶部の組成を表1記載のように変えたポリプロピレンブロックコポリマーを用いた以外は実施例1と同様にして行った。得られたペレットについて測定した物性を表1にまとめる。
実施例1で用いたプロピレン系重合体90重量部に対して、三井化学(株)製のタフマーA4085TM(EBR) を10重量部配合した以外は実施例1と同様にして行った。得られたペレットについて測定した物性を表1にまとめる。
[比較例1]
MgCl担持型TiCl触媒とトリエチルアルミニウムを用いて重合したポリプロピレン系重合体を100重量部用いた以外は実施例1と同様にして行った。得られたペレットについて測定した物性を表1にまとめる。
[比較例2]
比較例1で用いたプロピレン系重合体を90重量部に対し三井化学(株)製タフマーA4085TM(EBR)を10重量部配合した以外は比較例1と同様にして行った。得られたペレットについて測定した物性を表1にまとめる。
[比較例3]
n−デカン可溶部の量を表1記載のように変更したプロピレン系重合体を用いた以外は実施例1と同様にして行った。得られたペレットについて測定した物性を表1にまとめる。
[比較例4]
ジフェニルメチレン(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドの代わりに ジメチルシリレンビス−(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドを用いた以外は実施例1と同様にして行った。得られたペレットについて測定した物性を表1にまとめる。
Figure 0005116210
本発明の、特定の性質を満たすプロピレン系重合体または該重合体を含む組成物から得られるシートまたはフィルムは、特にレトルト食品等の被包装物の包装材用として好適に用いられる。

Claims (5)

  1. n-デカン不溶部(Dinsol);60〜90重量%およびn−デカン可溶部(Dsol);10〜40重量%から構成され、メルトフローレート(MFR)が0.1〜10(g/10min)の範囲にあり、GPCから求めたMw/Mnが4以下のプロピレン系共重合体であって、前記Dinsolが要件[1]を満たし、前記Dsolが要件[2]を満たす、下記一般式[I]で表されるメタロセン化合物を含むメタロセン触媒を用いて得られるプロピレン系共重合体から得られるレトルトフィルム用シーラントフィルム。
    [1] エチレンに由来する骨格の含有量が1.2重量%以下である。
    [2] 極限粘度[η]solが2.5(dl/g)以上、Mw/Mnが4以下であり、エチレンに由来する骨格の含有量が10〜50重量%である。
    Figure 0005116210
    (上記一般式[I]において、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、R 8 、R 9 、R 10 、R 11 、R 12 、R 13 、R 14 は水素、炭化水素基、ケイ素含有基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R 5 〜R 12 の隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよく、R 13 、R 14 は互いに結合して環を形成してもよく、Yは第14族元素であり、Mは第4族遷移金属であり、Qはハロゲン、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれる。jは1〜4の整数であり、jが2以上の時は、Qは互いに同一でも異なっていてもよい。)
  2. 一般式[1]で表されるメタロセン化合物がジフェニルメチレン(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドであることを特徴とする請求項1に記載のレトルトフィルム用シーラントフィルム。
  3. 前記[η]solとn−デカン不溶部の極限粘度[η]insolの差の絶対値が0.05〜2(dl/g)の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載のレトルトフィルム用シーラントフィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載したプロピレン系共重合体に、プロピレン系エラストマーまたはエチレン系エラストマーをブレンドした組成物から得られるレトルトフィルム用シーラントフィルム。
  5. 前記の組成物のブレンド比率が、エラストマー/プロピレン系重合体(重量比率)で0.02〜0.67であり、該プロピレン系エラストマーまたはエチレン系エラストマーが、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体及びこれらの混合物であることを特徴とする請求項4に記載のレトルトフィルム用シーラントフィルム。
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