JP4261437B2 - プロピレン系重合体およびシーラントフィルムへの応用 - Google Patents

プロピレン系重合体およびシーラントフィルムへの応用 Download PDF

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Description

本発明は、プロピレン系重合体およびそれから得られる成形体に関するものであり、とくにシーラント用プロピレン系重合体およびそれから得られるシーラントフィルムに関する。
ポリプロピレンは機械的強度、電気絶縁性が高く、食品衛生性、および光学特性に優れていることから、食品包装用、または産業用のシートもしくはフィルムなどに使用されている。ポリプロピレンは、融点が比較的高いため、シーラント用途に用いる場合は、低温度におけるヒートシール性を向上させるため、一般にプロピレンにエチレンあるいは炭素数4〜10のα−オレフィンを共重合させ、プロピレン・α−オレフィン共重合体として用いられる。従来、ヒートシール用途として種々のポリマーが提案されているが、従来公知のヒートシール材料、例えば、高、低密度ポリエチレンは透明性に劣るという問題点が有り、また、エチレン・酢酸ビニル共重合体または既存のエチレン・α−オレフィン共重合体は、一般的に耐ブロッキング性に劣るという問題点がある。また、従来公知のプロピレン・α−オレフィン共重合体からなる包装用フィルムは、高、低密度ポリエチレンからなるフィルムと比較して透明性には優れるが、低温におけるヒートシール性が十分でない。低温におけるヒートシール性は、共重合させるα−オレフィンの成分を増加させることにより良好になることが知られているが、一方、α−オレフィン成分の増加は、耐ブロッキング性の低下につながる。このため、透明性、低温におけるヒートシール性、耐ブロッキング性に優れ、ヒートシール材として用いることができるようなプロピレン・α−オレフィン共重合体の出現が望まれている。
本発明は前記の従来技術が抱える様々な問題点が改良された、シーラントフィルム用プロピレン系重合体、並びにシーラントフィルムを提供することである。
本発明のシーラント用プロピレン系重合体は、[1]MFR(230℃、2.16kgf)が1〜50(g/10min)を満たし、[2]n−デカン可溶分量が3重量%以下であり、[3]DSCで求めた融点が120℃以下であり、
ジフェニルメチレン(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドを含むメタロセン触媒の存在下にプロピレンの単独重合またはプロピレンとプロピレンを除く炭素数2〜20のα−オレフィンとを共重合して得られる(共)重合体である。
本発明のシーラントフィルムは、前記プロピレン系重合体からなり、Δヘイズ(80℃、7日後のHAZEの変化率)が2%以下、ヒートシール強度が5N/15mm以上であり、厚み1〜100μmであるシーラントフィルムである。
また本発明の積層体は、前記のシーラントフィルムの層(X)と、ポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンとガスバリヤー性樹脂フィルムとの積層フィルム、アルミ箔、紙、および蒸着フィルムとからなる群から選ばれる少なくとも一つのフィルム層(Y)とを含む積層体である。
本発明に依れば、透明性に優れ、高温下の保管における透明性悪化が抑制され、ヒートシール強度が高く、耐ブロッキング性に優れヒートシール材に好適に用いられるプロピレン系重合体、並びに該重合体から得られるシーラントフィルムを提供することが可能となる。
以下、本発明のプロピレン系重合体、シーラントフィルムおよび積層体の視点から、発明の実施形態を詳細に述べる。
プロピレン系重合体
本発明のシーラント用プロピレン系重合体は、[1]MFR(230℃、2.16kgf)が1〜50(g/10min)を満たし、[2]n−デカン可溶分量が3重量%以下であり、[3]DSCで求めた融点が120℃以下であるという特徴を持つ。
本発明のシーラント用プロピレン系重合体のMFR(230℃、2.16kgf)は1〜50(g/10min)の範囲にあり、好ましくは、2〜30、さらに好ましくは 5〜15である。MFRが1未満であると、押出し特性が悪く成形しにくいため好ましくなく、また50を超えると溶融張力が小さくなりすぎ製膜が困難であるので好ましくない。
本発明のシーラント用プロピレン系重合体のn−デカン可溶分量は3重量%以下、好ましくは2.5重量%、さらに好ましくは2重量%以下である。n−デカン可溶分量が3重量%を超えると耐ブロッキング性が不十分であるので好ましくない。
本発明のシーラント用プロピレン系重合体の、DSCで求めた融点(Tm)は120℃以下、好ましくは118℃以下である。120℃を超えるとヒートシール強度が低下するという問題があり好ましくない。
本発明のシーラント用プロピレン系重合体の好ましい態様は、メタロセン触媒の存在下にプロピレンの単独重合またはプロピレンとプロピレンを除く炭素数2〜20のα‐オレフィンとを共重合して得られるプロピレン系(共)重合体である。
本発明において使用するメタロセン触媒としては、メタロセン化合物、並びに、有機金属化合物、有機アルミニウムオキシ化合物およびメタロセン化合物と反応してイオン対を形成することのできる化合物から選ばれる少なくても1種以上の化合物、さらに必要に応じて粒子状担体とからなるメタロセン触媒で、好ましくはアイソタクチックまたはシンジオタクチック構造等の立体規則性重合をすることのできるメタロセン触媒を挙げることができる。前記メタロセン化合物の中では、本願出願人による国際出願によって既に公開(WO01/27124)されている架橋性メタロセン化合物が好適に用いられる。
Figure 0004261437
上記一般式[I]において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14は水素、炭化水素基、ケイ素含有基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよい。このような炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、アリル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デカニル基などの直鎖状炭化水素基;イソプロピル基、tert-ブチル基、アミル基、3-メチルペンチル基、1,1-ジエチルプロピル基、1,1-ジメチルブチル基、1-メチル-1-プロピルブチル基、1,1-プロピルブチル基、1,1-ジメチル-2-メチルプロピル基、1-メチル-1-イソプロピル-2-メチルプロピル基などの分岐状炭化水素基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの環状飽和炭化水素基;フェニル基、トリル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの環状不飽和炭化水素基;ベンジル基、クミル基、1,1-ジフェニルエチル基、トリフェニルメチル基などの環状不飽和炭化水素基の置換した飽和炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、フリル基、N-メチルアミノ基、N,N-ジメチルアミノ基、N-フェニルアミノ基、ピリル基、チエニル基などのヘテロ原子含有炭化水素基等を挙げることができる。ケイ素含有基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基などを挙げることができる。また、R5からR12の隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよい。このような置換フルオレニル基としては、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、オクタヒドロジベンゾフルオレニル基、オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル基、オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル基などを挙げることができる。
前記一般式[I]において、シクロペンタジエニル環に置換するR1、R2、R3、R4は水
素、または炭素数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。炭素数1〜20の炭化水素基としては、前述の炭化水素基を例示することができる。さらに好ましくはR3が炭素数1〜20の炭化水素基である。
前記一般式[I]において、フルオレン環に置換するR5からR12は炭素数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。炭素数1〜20の炭化水素基としては、前述の炭化水素基を例示することができる。R5からR12の隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよい。
前記一般式[I]において、シクロペンタジエニル環とフルオレニル環を架橋するYは第14族元素であることが好ましく、より好ましくは炭素、ケイ素、ゲルマニウムでありさらに好ましくは炭素原子である。このYに置換するR13、R14は炭素数1〜20の炭化水素基が好ましい。これらは相互に同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。炭素数1〜20の炭化水素基としては、前述の炭化水素基を例示することができる。さらに好ましくはR14は炭素数6〜20のアリール(aryl)基である。アリール基としては、前述の環状不飽和炭化水素基、環状不飽和炭化水素基の置換した飽和炭化水素基、ヘテロ原子含有環状不飽和炭化水素基を挙げることができる。また、R13、R14はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。このような置換基としては、フルオレニリデン基、10-ヒドロアントラセニリデン基、ジベンゾシクロヘプタジエニリデン基などが好ましい。
前記一般式[I]において、Mは好ましくは第4族遷移金属であり、さらに好ましくはTi、Zr、Hf等が挙げられる。また、Qはハロゲン、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれる。jは1〜4の整数であり、jが2以上の時は、Qは互いに同一でも異なっていてもよい。ハロゲンの具体例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素であり、炭化水素基の具体例としては前述と同様のものなどが挙げられる。アニオン配位子の具体例としては、メトキシ、tert-ブトキシ、フェノキシなどのアルコキシ基、アセテート、ベンゾエートなどのカルボキシレート基、メシレート、トシレートなどのスルホネート基等が挙げられる。孤立電子対で配位可能な中性配位子の具体例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィンなどの有機リン化合物、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタンなどのエーテル類等が挙げられる。Qは少なくとも1つがハロゲンまたはアルキル基であることが好ましい。
このような架橋メタロセン化合物としては、イソプロピリデン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドが好ましく用いられる。
なお、本発明に係わるメタロセン触媒において、前記一般式[I]で表わされる第4族遷移金属化合物とともに用いられる、有機金属化合物、有機アルミニウムオキシ化合物、および遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物、さらには必要に応じて用いられる粒子状担体については、本出願人による前記公報(WO01/27124)や特開平11-315109号公報中に開示された化合物を制限無く使用することができる。
本発明に係わる共重合の際に、プロピレンとともに用いられるα−オレフィンの好ましい具体例としては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどを挙げることができ、これらは複数種同時に用いることもでき、中でもエチレン、1−ブテンが好適に用いられる。
本発明においては、シーラント用プロピレン系重合体としての性能を損なわない範囲で、必要に応じて酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、結晶核剤等の添加物を含んでいてもよい。
また、前記各成分および必要に応じて各種添加剤を、例えばヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、タンブラーミキサー等の混合機でブレンドした後、一軸ないしは二軸の押出機を用いてペレット状として後述のフィルム成形に使用することも可能であるが、前記成分をブレンドした状態でフィルム成形機に供することも可能である。
シーラントフィルム
前記の本発明のシーラント用プロピレン系重合体をフィルム成形することによって、耐衝撃性、高いヒートシール強度および低温ヒートシール性を必要とする包装材のシーラントフィルムを高速製膜することができる。フィルムの成形は、キャスト成形法であってもインフレーション成形法であってもよく、通常樹脂温度200〜260℃の条件で均一膜厚の良好なフィルムを製造することができる。フィルムの厚みは、通常1〜100μm、好ましくは3〜80μmの範囲である。
本発明のシーラントフィルムは、Δヘイズ(80℃、7日後のHAZEの変化率)が2%以下、好ましくは1.5 %以下、ヒートシール強度が5N/15mm以上、好ましくは6.5 N/15mm以上であるという特徴を備える。Δヘイズが2%を超えると 外観を損ない、また耐ブロッキング性の低下を招くため、食品包装や工業用フィルムという用途では使用が限定されるため好ましくなく、ヒートシール強度が5N/15mm未満であると 包装袋のシール部が十分なシール性を維持しない、また高速包装適正に劣るため好ましくない。このように本発明のシーラントフィルムは高いヒートシール強度および低温ヒートシール性を有しており、また経時によるヘイズの変化が小さいことが特徴である。
積層体
前記フィルムは、それ単独で使用することも可能であるが、基材に積層した積層体の構成で、一般に包装フィルムまたは包装シートとして使用される。
基材としては、特に限定されるものではないが、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、スチレン系樹脂のフィルム、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステルのフィルム、ナイロン6やナイロン6,6のようなポリアミドのフィルム、またはこれらの延伸フィルム、ポリオレフィンフィルムとポリアミドフィルムやエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムのようなガスバリヤー性のある樹脂フィルムとの積層フィルム、アルミニウム等の金属箔、あるいはアルミニウムやシリカ等を蒸着させた蒸着フィルムや紙等が、包装材の使用目的に応じて適宜選択使用される。この基材は、1種類のみならず、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明のポリプロピレン組成物から得られるフィルム層は、好ましくは積層体の少なくとも一方の最外層に位置し、シーラント層を形成する。積層体の製造にあたっては、基材上に前記本発明の樹脂組成物を直接押出ラミネーションしたり、基材とシーラントフィルムとをドライラミネーションしたり、あるいは両層を構成する樹脂を共押出する方法を採用することができる。
積層体の一実施態様として、シーラントフィルム層(X)/ポリオレフィンフィルム層(Y1)/他のフィルム層(Y2)の構成を挙げることができる。ここで、他のフィルム層としては、前記したポリスチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンフィルムとガスバリヤー性樹脂フィルムとの積層フィルム、アルミニウム箔、蒸着フィルム、および紙からなる群から選ばれる層を挙げることができる。
ポリオレフィン層と他のフィルム層とが充分な接着強度で接合できない場合には、シーラントフィルム層/ポリオレフィンフィルム層/接着層/他のフィルム層の構成にすることができる。接着層としては、ウレタン系やイソシアネート系接着剤のようなアンカーコート剤を用いたり、不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンのような変性ポリオレフィンを接着性樹脂として用いると、隣接層を強固に接合することができる。
前記した積層体のフィルム層同士を向かい合わせ、あるいは積層体のフィルム層と他のフィルムとを向かい合わせ、その後、外表面側から所望容器形状になるようにその周囲の少なくとも一部をヒートシールすることによって、容器を製造することができる。また周囲を全てヒートシールすることにより、密封された袋状容器を製造することができる。この袋状容器の成形加工を内容物の充填工程と組み合わせると、すなわち、袋状容器の底部および側部をヒートシールした後内容物を充填し、次いで上部をヒートシールすることで包装体を製造することができる。従って、この積層体フィルムは、菓子やパン等の固形物、粉体、あるいは液体材料の自動包装装置に利用することができる。
次に本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。実施例における物性の測定方法は次の通りである。
1)n-デカン可溶分量
サンプル5gにn-デカン200mlを加え、撹拌しながら加熱して試料を完全に溶解させた。約3時間かけて、20℃まで冷却させ、30分間放置した。その後、析出物をろ別した。ろ液を1000mlのアセトン中に入れ、n-デカン中に溶解していた成分を析出させた。析出物とアセトンをろ別し、析出物を乾燥した。なお、ろ液側を濃縮乾固しても残渣は認められなかった。n-デカン可溶分量は、以下の式によって求めた。
n-デカン可溶分量(wt%)=[析出物重量/サンプル重量]×100
2)融点(Tm)
DSC測定器を用いて測定した。
機器: セイコーインスツルメンツ(株)DSC6200、
サンプリング: ペレットを細かく刻んで所定の容器に挿入する。
条件:10℃/minで230℃まで昇温し、230℃雰囲気下で10分間予熱する。その後、10℃/minで降温して得られる結晶化ピークの頂点の温度を結晶化温度とする。50℃まで降温したところで10℃/minで230℃まで再び昇温し、そのとき得られる融解曲線から融点を求めた。
3)メルトフローレート(MFR)
ASTM D-1238の方法により230℃、荷重2.16kgで測定した。シリンダーには特に窒素を導入せずに、直接ペレットをシリンダーに投入し溶融させた。
4)半結晶化時間(T 1/2
DSC測定器:(株)パーキンエルマー DSC−7
サンプリング:ペレットを230℃で加熱プレスし薄いシートを作成し、所定の大きさにカットして所定の容器に挿入する。
測定条件: 40℃/minで230℃まで昇温し230℃雰囲気下で10分間予熱する。その後、320℃/minで105℃まで降温し105℃雰囲気下で保持する。そのとき得られる全結晶化熱量の1/2に達するまでの時間をT1/2とする。
5)ヘイズ(Haze)
ASTM D−1003に準拠して測定した。
Δヘイズは、製膜初期のヘイズと、フィルムを80℃雰囲気下で7日間、オーブンで保管しておいたときのヘイズの差で求めた。
6)ヒートシール強度
フィルムを5mm巾にサンプリングし、シール時間が1秒、圧力が0.2MPa、でシールした。シールしたフィルムの両端を300mm/minで引張り、剥離する最大強度を測定した。なお、シールバーの上部は 115℃に設定し、下部は70℃で行った。
なお、シール強度に及ぼすシール温度の影響を調べるため、シール温度を変更する場合は、シールバー上部の温度のみを変更した。
ジフェニルメチレン(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド とメチルアルミノキサンを組み合わせたメタロセン触媒の存在下で、プロピレンとα-オレフィンとしてのエチレンおよびブテンを共重合させることによって、エチレン含量が4.5重量%、ブテン含量が1.5重量%、融点115℃であるプロピレン系重合体を得た。この重合体100重量部に対して、酸化防止剤としてテトラキス [メチレン-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.1重量部、2,4−ビス(1,1−ジメチル)−フォスフェイトフェノールを0.1重量部、中和剤としてステアリン酸カルシウムを0.1重量部、合成シリカを0.15重量部、エルカ酸アミドを0.1重量部 配合し、KTX−30二軸押出機を用いて、樹脂温度250℃で溶融混練してポリプロピレンのペレット化を行った。得られたペレットについて測定した物性を表1にまとめる。
実施例1で使用したメタロセン化合物と同一の化合物からなるメタロセン触媒の存在下で、プロピレンと、エチレンの共重合を行うことによって、エチレン含量が5.1重量%、融点115℃のプロピレン系重合体を得た。このプロピレン系重合体について実施例1と同様に処理してペレットを得た。得られたペレットについて測定した物性を表1にまとめる。
[比較例1]
ジフェニルメチレン(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドの代わりに ジメチルシリレンビス−(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドを用い、実施例1と同様に重合することによって、エチレン含量が5.2重量%で、融点が115℃のプロピレン系重合体を得た。このプロピレン系重合体について実施例1と同様に処理してペレットを得た。得られたペレットについて測定した物性を表1にまとめる。
[比較例2]
MgCl担持型TiCl触媒とトリエチルアルミニウムを用いて重合したプロピレン系重合体であって、エチレン含量が4重量%、 ブテン含量が2.5重量%、融点が131℃であるプロピレン系重合体について、実施例1と同様にして行った。得られたペレットについて測定した物性を表1にまとめる。
Figure 0004261437

Claims (3)

  1. ジフェニルメチレン(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドを含むメタロセン触媒の存在下で、プロピレンの単独重合またはプロピレンとプロピレンを除く炭素数2〜20のα−オレフィンとを共重合して得られる(共)重合体であって、
    下記要件[1]〜[]を同時に満たすことを特徴とするシーラント用プロピレン系重合体。
    [1]MFR(230℃、2.16kgf)が1〜50(g/10min)の範囲。
    [2]n−デカン可溶分量が3重量%以下。
    [3]DSCで求めた融点が120℃以下。
  2. 請求項1に記載のシーラント用プロピレン系重合体からなり、
    Δヘイズ(80℃、7日後のHAZEの変化率)が2%以下、ヒートシール強度が5N/15mm以上であり、厚み1〜100μmであることを特徴とするシーラントフィルム。
  3. 請求項に記載のシーラントフィルムの層(X)と、ポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンとガスバリヤー性樹脂フィルムとの積層フィルム、アルミ箔、紙、および蒸着フィルムとからなる群から選ばれる少なくとも一つのフィルム層(Y)とを含むことを特徴とする積層体。
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