JP4327043B2 - プロピレン系重合体およびシュリンクフィルムへの応用 - Google Patents

プロピレン系重合体およびシュリンクフィルムへの応用 Download PDF

Info

Publication number
JP4327043B2
JP4327043B2 JP2004234772A JP2004234772A JP4327043B2 JP 4327043 B2 JP4327043 B2 JP 4327043B2 JP 2004234772 A JP2004234772 A JP 2004234772A JP 2004234772 A JP2004234772 A JP 2004234772A JP 4327043 B2 JP4327043 B2 JP 4327043B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
propylene
shrink
shrink film
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2004234772A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006052313A (ja
Inventor
章博 犬飼
幸一郎 山本
板倉  啓太
邦彦 武居
博 渋谷
松村  秀司
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2004234772A priority Critical patent/JP4327043B2/ja
Publication of JP2006052313A publication Critical patent/JP2006052313A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4327043B2 publication Critical patent/JP4327043B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Wrappers (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Packages (AREA)

Description

本発明は、プロピレン系重合体およびそれから得られる成形体に関するものであり、特にシュリンクフィルム用ポリプロピレン系重合体(乃至組成物)およびそれから得られるシュリンクフィルムまたはシュリンクラベルに関する。
シュリンクフィルムに広く利用されている材料としてポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等が良く知られている。ポリプロピレン系樹脂は軽量で透明性が良いなどの特徴を有しており、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂は収縮速度が速く、収縮率が大きいなどの特徴を有している。昨今、環境問題やリサイクルの問題が重要になってきているためポリオレフィンを用いたシュリンクフィルムの開発が着目されている。これまでのポリオレフィン系樹脂によるシュリンクフィルムは塩化ビニル系樹脂によるものに比べ、熱収縮率や常温でのフィルムの保管時の寸法変形、いわゆる自然収縮率などの点で劣っていた。
特にこのフィルムはカップ麺包装、集積包装、紙パック包装や、飲料用ペットボトルのシュリンクラベルといった様々な形状の容器を包装することが多く、高い収縮率を示すシュリンクフィルムが求められている。収縮加工はシュリンクトンネル内で熱風やスチーム等により行われることが多い。さらに、常温でのフィルムの保管時の寸法変形、いわゆる自然収縮率は小さいことが求められている。
例えば、特表平11-512756号公報、特開2002-363308号公報にはメタロセン触媒からなるポリプロピレン系の収縮フィルムが記載されている。
しかしながら、熱収縮率、自然収縮率については必ずしも十分とはいえない。ポリプロピレンなどのポリオレフィンによるシュリンクフィルムで高い熱収縮率を達成しようとすると自然収縮率(室温(25〜40℃)で経時的に収縮する現象)が大きくなりフィルムの品質に支障がでる。このため熱収縮率と自然収縮率のバランスにすぐれたシュリンクフィルムが望まれているのである。
特表平11-512756号公報 特開2002-363308号公報
本発明は、n−デカン可溶分の少ない、透明性にすぐれたシュリンクフィルム用ポリプロピレン系樹脂をベースとし100℃以下での延伸が可能であり、このようにして得られたフィルムの80℃雰囲気下での収縮率が25%以上、90℃雰囲気下での収縮率が35%以上、40℃における自然収縮率が3.0%以下である実用的なシュリンクフィルムを提供することを目的とする。
本発明のシュリンクフィルム用プロピレン系重合体は、[1]MFR(230℃、2.16kgf)が0.05〜8(g/10min)を満たし、[2]DSCで求めた融点が140℃以下であり、[3]n-デカン可溶分量が3重量%以下であるという特徴を持つ。
本発明のプロピレン系重合体の好ましい態様は、前記要件[2]で規定された、DSCで求めた融点が120℃以下であるというプロピレン系重合体である。本発明のプロピレン系重合体の更に好ましい態様は、分子量分布(Mw/Mn)が4.0以下であり、且つn-デカン可溶分のMw/Mnが4.0以下であるという特徴が付加されたものである。
本発明のプロピレン系重合体の特に好ましい態様は、前記プロピレン系重合体が、メタロセン触媒の存在下にプロピレンの単独重合またはプロピレンとプロピレンを除く炭素数2〜20のα‐オレフィンとを共重合して得られる(共)重合体である。
本発明は、前記のプロピレン系重合体と石油樹脂からなるシュリンクフィルム用ポリプロピレン樹脂組成物をも包含する。
本発明は、さらに前記プロピレン系重合体または前記ポリプロピレン樹脂組成物から得られるシュリンクフィルムまたはシュリンクラベルに関する。
本発明のシュリンクフィルム用プロピレン系重合体は、特定のメタロセン触媒を用いることによって、低融点でかつn-デカン可溶分量が少なくという特徴に加え、n-デカン可溶分のMw/Mnが小さいという特徴を有するが故に、熱収縮率が大きい一方で自然収縮率が小さいという、収縮バランスに優れたシュリンクフィルムが得られる。また、120℃以下の融点を有した場合、既存のチーグラー・ナッタ触媒では到達し得なかった熱収縮率(90℃で40%以上)を得ることも可能となった。
以下、本発明のシュリンクフィルム用ポリプロピレン系重合体、シュリンクフィルム(またはシュリンクラベル)の視点から、発明の実施形態を詳細に述べる。
プロピレン系重合体
本発明のプロピレン系重合体は、[1]MFR(230℃、2.16kgf)が0.05〜8(g/10min)の範囲にあり、[2]DSCで求めた融点が140℃以下であり、[3]n-デカン可溶分量が3重量%以下であるという特徴を持つ。
本発明のプロピレン系重合体のMFR(230℃、2.16kgf)は0.05〜8(g/10min)の範囲にあり、好ましくは、0.5〜6、さらに好ましくは1〜5である。MFRが0.05未満であると、押出特性が悪く成形しにくいため好ましくなく、また8を超えると熱収縮率が低下するので好ましくない。
本発明のプロピレン系重合体のn-デカン可溶分量は3重量%以下、好ましくは2.5重量%以下、さらに好ましくは2重量%以下である。n-デカン可溶分量が3重量%を超えると自然収縮率は大きくなり、またフィルムの耐ブロッキング性が不十分であるので好ましくない。
本発明におけるプロピレン系重合体および該共重合体のn-デカン可溶分の分子量分布(Mw/Mn)が4.0以下、好ましくは3.0以下である。Mw/Mnが4.0よりも大きいと自然収縮率が大きくなるため好ましくない。
本発明のプロピレン系重合体の好ましい態様は、前記要件[2]で規定した、DSCで求めた融点が120℃以下、好ましくは100〜118℃であるという特徴を備える。100℃未満の場合は耐ブロッキング性が悪化したり剛性が低下するという問題があり好ましくない。
本発明のプロピレン系重合体の特に好ましい態様は、メタロセン触媒の存在下にプロピレンの単独重合またはプロピレンとプロピレンを除く炭素数2〜20のα‐オレフィンとを共重合して得られるプロピレン系(共)重合体である。
本発明において使用するメタロセン触媒としては、メタロセン化合物、並びに、有機金属化合物、有機アルミニウムオキシ化合物およびメタロセン化合物と反応してイオン対を形成することのできる化合物から選ばれる少なくても1種以上の化合物、さらに必要に応じて粒子状担体とからなるメタロセン触媒で、好ましくはアイソタクチックまたはシンジオタクチック構造等の立体規則性重合をすることのできるメタロセン触媒を挙げることができる。前記メタロセン化合物の中では、本願出願人による国際出願によって既に公開(WO01/27124)されている架橋性メタロセン化合物が好適に用いられる。
Figure 0004327043
上記一般式[I]において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14は水素、炭化水素基、ケイ素含有基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよい。このような炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、アリル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デカニル基などの直鎖状炭化水素基;イソプロピル基、tert-ブチル基、アミル基、3-メチルペンチル基、1,1-ジエチルプロピル基、1,1-ジメチルブチル基、1-メチル-1-プロピルブチル基、1,1-プロピルブチル基、1,1-ジメチル-2-メチルプロピル基、1-メチル-1-イソプロピル-2-メチルプロピル基などの分岐状炭化水素基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの環状飽和炭化水素基;フェニル基、トリル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの環状不飽和炭化水素基;ベンジル基、クミル基、1,1-ジフェニルエチル基、トリフェニルメチル基などの環状不飽和炭化水素基の置換した飽和炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、フリル基、N-メチルアミノ基、N,N-ジメチルアミノ基、N-フェニルアミノ基、ピリル基、チエニル基などのヘテロ原子含有炭化水素基等を挙げることができる。ケイ素含有基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基などを挙げることができる。また、R5からR12の隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよい。このような置換フルオレニル基としては、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、オクタヒドロジベンゾフルオレニル基、オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル基、オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル基などを挙げることができる。
前記一般式[I]において、シクロペンタジエニル環に置換するR1、R2、R3、R4は水
素、または炭素数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。炭素数1〜20の炭化水素基としては、前述の炭化水素基を例示することができる。さらに好ましくはR3が炭素数1〜20の炭化水素基である。
前記一般式[I]において、フルオレン環に置換するR5からR12は炭素数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。炭素数1〜20の炭化水素基としては、前述の炭化水素基を例示することができる。R5からR12の隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよい。
前記一般式[I]において、シクロペンタジエニル環とフルオレニル環を架橋するYは第14族元素であることが好ましく、より好ましくは炭素、ケイ素、ゲルマニウムでありさらに好ましくは炭素原子である。このYに置換するR13、R14は炭素数1〜20の炭化水素基が好ましい。これらは相互に同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。炭素数1〜20の炭化水素基としては、前述の炭化水素基を例示することができる。さらに好ましくはR14は炭素数6〜20のアリール(aryl)基である。アリール基としては、前述の環状不飽和炭化水素基、環状不飽和炭化水素基の置換した飽和炭化水素基、ヘテロ原子含有環状不飽和炭化水素基を挙げることができる。また、R13、R14はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。このような置換基としては、フルオレニリデン基、10-ヒドロアントラセニリデン基、ジベンゾシクロヘプタジエニリデン基などが好ましい。
前記一般式[I]において、Mは好ましくは第4族遷移金属であり、さらに好ましくはTi、Zr、Hf等が挙げられる。また、Qはハロゲン、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれる。jは1〜4の整数であり、jが2以上の時は、Qは互いに同一でも異なっていてもよい。ハロゲンの具体例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素であり、炭化水素基の具体例としては前述と同様のものなどが挙げられる。アニオン配位子の具体例としては、メトキシ、tert-ブトキシ、フェノキシなどのアルコキシ基、アセテート、ベンゾエートなどのカルボキシレート基、メシレート、トシレートなどのスルホネート基等が挙げられる。孤立電子対で配位可能な中性配位子の具体例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィンなどの有機リン化合物、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタンなどのエーテル類等が挙げられる。Qは少なくとも1つがハロゲンまたはアルキル基であることが好ましい。
このような架橋メタロセン化合物としては、イソプロピリデン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドが好ましく用いられる。
なお、本発明に係わるメタロセン触媒において、前記一般式[I]で表わされる第4族遷移金属化合物とともに用いられる、有機金属化合物、有機アルミニウムオキシ化合物、および遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物、さらには必要に応じて用いられる粒子状担体については、本出願人による前記公報(WO01/27124)や特開平11-315109号公報中に開示された化合物を制限無く使用することができる。
本発明に係わる共重合の際に、プロピレンとともに用いられるα−オレフィンの好ましい具体例としては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどを挙げることができ、これらは複数種同時に用いることもでき、中でもエチレン、1−ブテンが好適に用いられる。
本発明は、前記のシュリンクフィルム用プロピレン系重合体と石油樹脂からなるシュリンクフィルム用ポリプロピレン樹脂組成物をも包含するものである。石油樹脂としては、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、水素化炭化水素等からなる炭化水素樹脂、またはテルペン系樹脂が任意に使用できる。石油樹脂の使用量については、通常プロピレン系重合体100〜55重量部に対して石油樹脂 0〜45重量部、好ましくはプロピレン系重合体90〜60重量部に対して石油樹脂を10〜40重量部含有するポリプロピレン樹脂組成物がシュリンクフィルム乃至シュリンクラベルなど延伸フィルム分野で好適に使用される。
本発明においては、本発明のプロピレン系重合体としての性能を損なわない範囲で、必要に応じて酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、結晶核剤等の添加物を含んでいてもよい。
また、本発明のポリプロピレン樹脂組成物に、ポリエチレンまたはエラストマーを添加しても良い。ポリエチレンとしてはエチレン単独重合体でも良いし、エチレン・α−オレフィン共重合体があげられ、エチレンと、炭素数3〜10のα−オレフィンから選ばれた1種以上のαオレフィンとからなるランダム共重合体であっても良い。
エラストマーとしては、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、 水素添加ブロック共重合体、その他弾性重合体、およびこれらの混合物などがあげられる。
前記の各成分および必要に応じて各種添加剤を、例えばヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、タンブラーミキサー等の混合機でブレンドした後、一軸ないしは二軸の押出機を用いてペレット状として後述のフィルム成形に使用することも可能であるが、前記成分をブレンドした状態でフィルム成形機に供することも可能である。
シュリンクフィルム(シュリンクラベル)
本発明プロピレン系重合体または該重合体と石油樹脂からなるポリプロピレン樹脂組成物をフィルム成形することによって、100℃以下での延伸が可能であり、このようにして得られたフィルムの80℃雰囲気下での収縮率が25%以上、90℃雰囲気下での収縮率が35%以上、40℃における自然収縮率が3.0%以下である実用的なシュリンクフィルムが提供される。本発明のシュリンクフィルム乃至シュリンクラベルの製造方法について説明する。フィルムは公知の共押出技術、延伸技術によって製造される。例えば、本発明のプロピレン系重合体またはポリプロピレン樹脂組成物を、Tダイからフラット状シートを押出し、冷却して引き取り、縦方向に1.0〜6.0倍ロール延伸し、横方向に3〜10倍テンター延伸し、幅方向に0〜12%弛緩させつつアニールし、次いで巻き取ることによって本発明のフィルムが得られる。延伸は上記のようなテンターによる1軸または二軸延伸以外に、丸ダイからチューブ状シートを押出しチューブ状で延伸してもよい、すなわちチューブラー法同時二軸延伸であっても良い。
次に本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。実施例における物性の測定方法は次の通りである。
1)n-デカン可溶分量
サンプル5gにn-デカン200mlを加え、撹拌しながら加熱して試料を完全に溶解させた。約3時間かけて、20℃まで冷却させ、30分間放置した。その後、析出物をろ別した。ろ液を1000mlのアセトン中に入れ、n−デカン中に溶解していた成分を析出させた。析出物とアセトンをろ別し、析出物を乾燥した。なお、ろ液側を濃縮乾固しても残渣は認められなかった。n-デカン可溶分量は、以下の式によって求めた。
n-デカン可溶分量(wt%)=[析出物重量/サンプル重量]×100
2)Mw/Mn測定〔重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)〕
ウォーターズ社製GPC−150C Plusを用い以下の様にして測定した。分離カラムは、TSKgel GMH6−HT及びTSKgel GMH6−HTLであり、カラムサイズはそれぞれ内径7.5mm、長さ600mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo-ジクロロベンゼン(和光純薬工業)および酸化防止剤としてBHT(和光純薬工業)0.025重量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は0.1重量%とし、試料注入量は500マイクロリットルとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000およびMw>4×106については東ソー社製を用い、1000≦Mw≦4×106についてはプレッシャーケミカル社製を用いた。
3)融点(Tm)
パーキンエルマー社DSC−7を用いて、試料7mgを10℃/minで230℃まで昇温し、230℃で10分間保持後、10℃/minで50℃まで冷却し、再び10℃/minで昇温する際の吸熱曲線より求めた。
4)メルトフローレート(MFR)
ASTM D-1238の方法により230℃、荷重2.16kgで測定した。シリンダーには特に窒素を導入せずに、直接ペレットをシリンダーに投入し溶融させた。
5)収縮率
延伸フィルムを巾1cm、 長さ15cmの大きさにカットし、所定の温度の温水に10秒つけて収縮を行った。収縮率は元の長さと収縮した長さから求めた。
6)自然収縮率
延伸フィルムを巾1cm、 長さ15cmの大きさにカットし、40℃のオーブンに7日間保管し収縮を行った。収縮率は元の長さと収縮した長さから求めた。
ジフェニルメチレン(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド とメチルアルミノキサンを組み合わせたメタロセン触媒の存在下で、プロピレンとエチレンを共重合させることによって、エチレン含量が5.1重量%、融点115℃であるプロピレン系重合体を得た。この重合体100重量部に対して、酸化防止剤としてテトラキス [メチレン-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.1重量部、2,4−ビス(1,1−ジメチル)−フォスフェイトフェノールを0.1重量部、中和剤としてステアリン酸カルシウムを0.1重量部、合成シリカを0.2重量部、エルカ酸アミドを0.05重量部配合し、KTX−30二軸押出機を用いて、樹脂温度250℃で溶融混練してプロピレン系重合体のペレット化を行った。得られたペレットについて測定した物性を表1にまとめる。
得られたペレットをプレス成形により厚さ0.4mmのシートを作成した。プレス条件としては、予熱を230℃、6分間で行い加圧して溶融シートを作成し、冷却は30℃で2分間行った。シートを所定の大きさにカットし、ブルックナー社KAROIVを用いて、1軸延伸を行った。延伸条件は予熱を90℃で30秒、0.6m/minの速度で1軸延伸を行った。延伸倍率は5倍で行った。得られた延伸フィルムについての収縮率の結果を表1に示した。
実施例1で用いたプロピレン系重合体70重量部に、石油樹脂(アルコンP−140)30重量部を配合し、KTX−30二軸押出機で混練して得られたものを用いた以外は実施例1と同様に行った。得られたペレットについて測定した物性、並びに延伸フィルムの収縮率の結果を表1にまとめる。
[比較例1]
ジフェニルメチレン(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドの代わりに ジメチルシリレンビス−(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドを用いて、エチレン含量が5.2重量%、融点が115℃のプロピレン系重合体を得た。このプロピレン系重合体について実施例1と同様にしてペレット並びに延伸フィルムを得た。ペレットおよび延伸フィルムについて測定した物性を表1にまとめた。
[比較例2]
比較例1で用いたプロピレン系重合体70重量部に、石油樹脂(アルコンP−140)30重量部を配合しKTX−30二軸押出機で混練して得られたものを用いた以外は比較例1と同様に行った。得られたペレット並びに延伸フィルムについて測定した物性を表1にまとめる。
[比較例3]
MgCl担持型TiCl触媒とトリエチルアルミニウムを用いて重合したポリプロピレンであって、エチレン含量が4重量%、融点が139℃であるプロピレン系重合体を用いた以外は実施例1と同様にしてペレットを得た。得られたペレット並びに延伸フィルムについて測定した物性を表1にまとめた。
[比較例4]
比較例3で用いたプロピレン系重合体70重量部に、石油樹脂(アルコンP−140)30重量部を配合しKTX−30二軸押出機で混練して得られたものを用いた以外は比較例3と同様に行った。得られたペレット並びに延伸フィルムについて測定した物性を表1にまとめた。
Figure 0004327043

Claims (5)

  1. メタロセン触媒の存在下にプロピレンの単独重合またはプロピレンとプロピレンを除く炭素数2〜20のα‐オレフィンとを共重合して得られる(共)重合体であり、下記要件[1]〜[3]を同時に満たし、
    前記メタロセン触媒が、下記一般式[I]で表わされるメタロセン化合物、並びに、有
    機金属化合物、有機アルミニウムオキシ化合物およびメタロセン化合物と反応してイオン対を形成することのできる化合物から選ばれる少なくとも1種以上の化合物から形成されることを特徴とするシュリンクフィルム用プロピレン系重合体。
    [1]MFR(230℃、2.16kgf)が0.05〜8(g/10min)を満たす。
    [2]DSCで求めた融点が120℃以下である。
    [3]n-デカン可溶分量が2.5重量%以下である。
    Figure 0004327043
    (一般式[I]において、R 1 〜R 14 は水素、炭化水素基またはケイ素含有基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R 5 〜R 12 の隣接した置換基は互いに結合して環を形
    成してもよく、Yは第14族元素であり、Mは第4族遷移金属であり、Qはハロゲン、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、jは1〜4
    の整数であり、jが2以上のときは、Qは互いに同一でも異なっていてもよい。)
  2. 分子量分布(Mw/Mn)が4.0以下であり、且つそのn−デカン可溶分のMw/Mnも4.0以下であることを特徴とする請求項記載のシュリンクフィルム用プロピレン系重合体。
  3. 請求項1または2記載のシュリンクフィルム用プロピレン系重合体と石油樹脂からなるシュリンクフィルム用ポリプロピレン樹脂組成物。
  4. 請求項1または2記載のシュリンクフィルム用プロピレン系重合体から得られるシュリンクフィルムまたはシュリンクラベル。
  5. 請求項に記載のシュリンクフィルム用ポリプロピレン樹脂組成物から得られるシュリンクフィルムまたはシュリンクラベル。
JP2004234772A 2004-08-11 2004-08-11 プロピレン系重合体およびシュリンクフィルムへの応用 Active JP4327043B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004234772A JP4327043B2 (ja) 2004-08-11 2004-08-11 プロピレン系重合体およびシュリンクフィルムへの応用

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004234772A JP4327043B2 (ja) 2004-08-11 2004-08-11 プロピレン系重合体およびシュリンクフィルムへの応用

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006052313A JP2006052313A (ja) 2006-02-23
JP4327043B2 true JP4327043B2 (ja) 2009-09-09

Family

ID=36029989

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004234772A Active JP4327043B2 (ja) 2004-08-11 2004-08-11 プロピレン系重合体およびシュリンクフィルムへの応用

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4327043B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006328300A (ja) * 2005-05-30 2006-12-07 Mitsui Chemicals Inc ポリプロピレン樹脂、並びに該樹脂の高透明シートへの応用
WO2007119767A1 (ja) 2006-04-13 2007-10-25 Mitsui Chemicals, Inc. 熱可塑性樹脂組成物、太陽電池封止用シートおよび太陽電池
CN101460123A (zh) * 2006-06-07 2009-06-17 宝洁公司 用于吸收制品的可双轴向拉伸的外覆盖件
US20080287619A1 (en) * 2007-05-18 2008-11-20 William Gauthier Supported metallocene catalysts
AU2011260914B2 (en) 2010-05-31 2015-02-05 Otsuka Pharmaceutical Factory, Inc. Multilayer film and bag formed from multilayer film

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006052313A (ja) 2006-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5036964B2 (ja) プロピレン系重合体及びその用途
KR101288710B1 (ko) 수지 조성물 및 용융 백
US20130273386A1 (en) Modified polypropylene composition and laminate using the same
KR101854070B1 (ko) 콘덴서 필름용 프로필렌 단독중합체 조성물 및 그의 제조 방법, 및 콘덴서 필름
JP4327043B2 (ja) プロピレン系重合体およびシュリンクフィルムへの応用
JP4790472B2 (ja) 粘着フィルム用セパレーター
JP4889241B2 (ja) ポリプロピレン系熱収縮性フィルム
JP7355591B2 (ja) 延伸フィルムおよびその用途
KR101843680B1 (ko) 콘덴서 필름용 프로필렌 단독중합체 조성물 및 그의 제조 방법, 및 콘덴서 필름
JP4563236B2 (ja) 押出コーティング用ポリプロピレン樹脂組成物
JP2006328300A (ja) ポリプロピレン樹脂、並びに該樹脂の高透明シートへの応用
JP2020196194A (ja) 積層フィルム
JP3650444B2 (ja) 積層体および該積層体からなる袋、チャック袋ならびに圧縮収納袋
JP3650445B2 (ja) 積層体、および該積層体からなる袋、チャック袋ならびに圧縮収納袋
JP5221093B2 (ja) シュリンクフィルム
JP5224763B2 (ja) シュリンクラベル
JP4574279B2 (ja) ポリプロピレン組成物およびそれから得られるシーラントフィルム
JP5116210B2 (ja) レトルトフィルム用シーラントフィルム
JP3989749B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂組成物、マスターバッチ、積層体及びそれらの製造方法
JP4261437B2 (ja) プロピレン系重合体およびシーラントフィルムへの応用
JP4310377B2 (ja) バッグインボックス内袋およびバッグインボックス内袋の製造方法
JP6600636B2 (ja) 延伸積層フィルム
AU2002241542A1 (en) High molecular weight polyolefin and catalyst and process for polymerising said polyolefin
EP1339763A2 (en) High molecular weight polyolefin and catalyst and process for polymerising said polyolefin
JP3853065B2 (ja) ストレッチ包装用フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060616

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070625

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081001

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081028

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081225

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090423

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20090508

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090602

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090610

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120619

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4327043

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120619

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130619

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130619

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250