JP2006052315A - 金属蒸着用のポリプロピレン系フィルム - Google Patents

金属蒸着用のポリプロピレン系フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】金属蒸着用のポリプロピレン系フィルム、並びに金属蒸着フィルムを提供すること。
【解決手段】MFR(230℃、2.16kgf)が0.1〜20(g/10min)であり、キシレン可溶分量が2.0重量%以下を満たすたポリプロピレン系樹脂を用いて製造された成形体であって、下記関係式(Eq-1)や下記関係式(Eq-2)を満たす特徴とする金属蒸着用フィルム成形体、並びに該フィルムから得られる金属蒸着フィルムおよびその成形体。
Figure 2006052315

〔上記関係式(Eq-1)において、σ(0)は成形直後のフィルム表面張力(mN/m)、σ(7)は成形7日後のフィルム表面張力(mN/m)である。〕
Figure 2006052315

〔上記関係式(Eq-2)において EはMD方向とTD方向のヤング率の平均値(MPa)、Tmは示差走査熱量計によって測定した融点(℃)、αは測定温度に依存した比例定数である。〕
【選択図】なし

Description

本発明はポリプロピレン系フィルム成形体にアルミニウムなどの金属を蒸着させる際の蒸着抜けや、蒸着後の金属剥離を生じ難い、蒸着適性に優れた金属蒸着用のフィルム成形体に関する。
水蒸気の透湿を抑え、また酸素、窒素などのガスに対するガスバリヤー性、遮光性、導電性等を付与するため、プラスチックフィルムに金属や金属酸化物を蒸着したプラスチックフィルムが知られている。蒸着フィルムのベースとなるプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのフィルムが用いられている。この中でポリプロピレンについては、従来のチーグラー・ナッタ系触媒を用いて調製されるポリプロピレンでは、融点を低くするためにエチレン、1-ブテン等のコモノマー量を増加させると非晶性成分が増加するため、一般にポリプロピレンフィルムと蒸着金属膜との密着性が悪化すると同時に、低温シール性および耐ブロッキング性が低下するという問題があった。このような問題が解決された金属蒸着ポリプロピレンフィルムが得られるようになれば、そのフィルムは、食品、医薬品、産業資材、日用品、化学薬品等の包装材料として、商業上、産業上の価値が極めて大きい。すなわち、低温シール性および耐ブロッキング性に優れるとともに、フィルムと蒸着金属膜との密着性に優れた金属蒸着ポリプロピレンフィルム、およびそのフィルムからなる包装材料の出現が望まれているのである。
一般に、蒸着フィルムはその製造過程において、部分的に金属が蒸着されない「蒸着抜け」や使用中に物理的に金属が剥離する「金属剥離」を生じる場合がある。このような「蒸着抜け」や「金属剥離」といった蒸着不良が生じると、その部分から湿気や酸素が透過し、内容物の劣化等を促進する不具合を生じる。この蒸着不良が生じる主な原因は、ポリプロピレン系フィルム内部から、コロナ処理されておらず金属との親和性が低い樹脂成分がフィルム表面に浮き出し、金属との結合力が低くなるためである。そのため、浮き出し成分が少なく、かつ適度なヒートシール性を備えた樹脂(乃至樹脂組成物)が求められている。
本発明は前記の、これまでの金属蒸着用フィルムが抱える問題点を解決するために行われたものである。
本発明において見出された、優れた性能を有する金属蒸着用フィルムに好適に用いられるポリプロピレン系樹脂は、特定のメタロセン化合物を含むメタロセン触媒の存在下で、プロピレンおよびプロピレンを除く炭素数2〜20のα-オレフィンを(共)重合して得られる、MFR(230℃、2.16kgf)が0.1〜20(g/10min)であり、キシレン可溶分量が2.0wt%以下を満たす共重合体であり、更にこの共重合体から得られるフィルム成形体が、下記関係式(Eq-1)および下記関係式(Eq-2)を同時に満たすことを特徴としている。
Figure 2006052315
〔上記関係式(Eq-1)において σ(0)は成形直後のフィルム表面張力(mN/m)、σ(7)は成形7日後のフィルム表面張力 (mN/m)である。〕
Figure 2006052315
〔上記関係式(Eq-2)においてEはMD方向とTD方向のヤング率の平均値(MPa)、Tmは示差走査熱量計によって測定した融点(℃)、αは測定温度に依存した比例定数であり、具体的には23℃でα=10、60℃でα=5、100℃でα=4である。〕
本発明は前記フィルム成形体に金属又は金属酸化物の蒸着薄膜が形成されてなる金属蒸着フィルム成形体に関する。
また本発明は、蒸着用積層体の最外層であって、シーラント層として用いられる金属蒸着フィルム成形体に関する。
さらに本発明は前記のフィルム成形体を含む積層体からなる包装材料に関する。
本発明のポリプロピレン系樹脂から得られる前記金属蒸着用フィルムは、[1]長期にわたって蒸着金属との密着が維持でき、また使用時の蒸着剥がれが発生し難く、[2]金属蒸着前の、例えばホモポリプロピレン(h1)/ ホモポリプロピレン(h2)/プロピレン系ランダム共重合体(r)から成る三層フィルムの巻き取り物を長期保管した際に、プロピレン系ランダム共重合体(r)の表面からホモポリプロピレン(1)層への汚染量が抑制され、[3]高温雰囲気下においても融点に対する剛性が高い、すなわち蒸着時の巻皺が発生し難い等の特徴を持つ極めて実用的な金属蒸着用フィルムである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を詳細に述べる。なお、以下の説明において、『ポリプロピレン系樹脂』とは、ポリプロピレン系樹脂のみならず該ポリプロピレン系樹脂に後述するような添加物が添加された『ポリプロピレン系樹脂組成物』をも包含する用語である。
ポリプロピレン系樹脂
本発明の金属蒸着用フィルムに用いられるポリプロピレン系樹脂は、MFR(230℃、2.16kgf)が0.1〜20(g/10min)であり、キシレン可溶分量(以下の説明では、「CXS量」と略称する場合がある。)が2.0重量%以下を満たす。
本発明の金属蒸着フィルム用のポリプロピレン系樹脂のMFR(230℃、2.16kgf)は0.1〜20(g/10min)の範囲にあり、好ましくは、1〜18、さらに好ましくは5〜17である。MFRが0.1未満であると、押出し特性が悪化する点で好ましくなく、また20を超えると溶融張力の低下により製膜性が悪化するため好ましくない。
本発明の金属蒸着フィルム用のポリプロピレン系樹脂のCXS量は2.0重量%以下、好ましくは1.5重量%以下、さらに好ましくは1.0重量%以下である。CXS量が2.0重量%を超えると浮き出し成分が増加し、蒸着膜の密着性が悪化するため、好ましくない。
本発明の金属蒸着フィルムは、下記関係式(Eq-1)、好ましくは下記関係式(Eq-1’)、更に好ましくは、下記関係式(Eq-1’’)を満たす。
Figure 2006052315
Figure 2006052315
Figure 2006052315
〔上記関係式(Eq-1)〜(Eq-1’’)において σ(0)は成形直後のフィルム表面張力(mN/m)、σ(7)は成形7日後のフィルム表面張力 (mN/m)である。〕
[σ(0)−σ(7)]/σ(0)の値が0.18を超えると蒸着膜の密着性が悪化するため好ましくない。
本発明の金属蒸着用フィルムは、上記関係式(Eq-1)に加えて、下記関係式(Eq-2)も満たすことを特徴としている。
Figure 2006052315
〔上記関係式(Eq-2)においてEはMD方向とTD方向のヤング率の平均値(MPa)、Tmは示差走査熱量計によって測定した融点(℃)、αは測定温度に依存した比例定数であり、具体的には23℃でα=10、60℃でα=5、100℃でα=4である。〕
本発明は前記の金属蒸着用フィルム(成形体)に金属又は金属酸化物の蒸着薄膜が形成されてなる金属蒸着フィルム成形体に関する。
また本発明は、蒸着用積層体の最外層であって、シーラント層として用いられる金属蒸着フィルム成形体に関する。
さらに本発明は前記のフィルム成形体を含む積層体からなる包装材料に関する。
本発明において、ポリプロピレン系樹脂の製造に使用するメタロセン触媒としては、メタロセン化合物、並びに、有機金属化合物、有機アルミニウムオキシ化合物およびメタロセン化合物と反応してイオン対を形成することのできる化合物から選ばれる少なくても1種以上の化合物、さらに必要に応じて粒子状担体とからなるメタロセン触媒で、好ましくはアイソタクチックまたはシンジオタクチック構造等の立体規則性重合をすることのできるメタロセン触媒を挙げることができる。前記メタロセン化合物の中では、本願出願人による国際出願によって既に公開(WO01/27124)されている架橋性メタロセン化合物が好適に用いられる。
Figure 2006052315
上記一般式[I]において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14は水素、炭化水素基、ケイ素含有基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよい。このような炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、アリル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デカニル基などの直鎖状炭化水素基;イソプロピル基、tert-ブチル基、アミル基、3-メチルペンチル基、1,1-ジエチルプロピル基、1,1-ジメチルブチル基、1-メチル-1-プロピルブチル基、1,1-プロピルブチル基、1,1-ジメチル-2-メチルプロピル基、1-メチル-1-イソプロピル-2-メチルプロピル基などの分岐状炭化水素基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの環状飽和炭化水素基;フェニル基、トリル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの環状不飽和炭化水素基;ベンジル基、クミル基、1,1-ジフェニルエチル基、トリフェニルメチル基などの環状不飽和炭化水素基の置換した飽和炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、フリル基、N-メチルアミノ基、N,N-ジメチルアミノ基、N-フェニルアミノ基、ピリル基、チエニル基などのヘテロ原子含有炭化水素基等を挙げることができる。ケイ素含有基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基などを挙げることができる。また、R5からR12の隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよい。このような置換フルオレニル基としては、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、オクタヒドロジベンゾフルオレニル基、オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル基、オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル基などを挙げることができる。
前記一般式[I]において、シクロペンタジエニル環に置換するR1、R2、R3、R4は水
素、または炭素数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。炭素数1〜20の炭化水素基としては、前述の炭化水素基を例示することができる。さらに好ましくはR3が炭素数1〜20の炭化水素基である。
前記一般式[I]において、フルオレン環に置換するR5からR12は炭素数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。炭素数1〜20の炭化水素基としては、前述の炭化水素基を例示することができる。R5からR12の隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよい。
前記一般式[I]において、シクロペンタジエニル環とフルオレニル環を架橋するYは第14族元素であることが好ましく、より好ましくは炭素、ケイ素、ゲルマニウムでありさらに好ましくは炭素原子である。このYに置換するR13、R14は炭素数1〜20の炭化水素基が好ましい。これらは相互に同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。炭素数1〜20の炭化水素基としては、前述の炭化水素基を例示することができる。さらに好ましくはR14は炭素数6〜20のアリール(aryl)基である。アリール基としては、前述の環状不飽和炭化水素基、環状不飽和炭化水素基の置換した飽和炭化水素基、ヘテロ原子含有環状不飽和炭化水素基を挙げることができる。また、R13、R14はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。このような置換基としては、フルオレニリデン基、10-ヒドロアントラセニリデン基、ジベンゾシクロヘプタジエニリデン基などが好ましい。
前記一般式[I]において、Mは好ましくは第4族遷移金属であり、さらに好ましくはTi、Zr、Hf等が挙げられる。また、Qはハロゲン、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれる。jは1〜4の整数であり、jが2以上の時は、Qは互いに同一でも異なっていてもよい。ハロゲンの具体例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素であり、炭化水素基の具体例としては前述と同様のものなどが挙げられる。アニオン配位子の具体例としては、メトキシ、tert-ブトキシ、フェノキシなどのアルコキシ基、アセテート、ベンゾエートなどのカルボキシレート基、メシレート、トシレートなどのスルホネート基等が挙げられる。孤立電子対で配位可能な中性配位子の具体例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィンなどの有機リン化合物、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタンなどのエーテル類等が挙げられる。Qは少なくとも1つがハロゲンまたはアルキル基であることが好ましい。
このような架橋メタロセン化合物としては、イソプロピリデン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドが好ましく用いられる。
なお、本発明に係わるメタロセン触媒において、前記一般式[I]で表わされる第4族遷移金属化合物とともに用いられる、有機金属化合物、有機アルミニウムオキシ化合物、および遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物、さらには必要に応じて用いられる粒子状担体については、本出願人による前記公報(WO01/27124)や特開平11-315109号公報中に開示された化合物を制限無く使用することができる。
本発明に係わる共重合の際に、プロピレンとともに用いられるα−オレフィンの好ましい具体例としては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどを挙げることができ、これらは複数種同時に用いることもでき、中でもエチレン、1−ブテンが好適に用いられる。
本発明においては、本発明のポリプロピレン系樹脂としての性能を損なわない範囲で、必要に応じて酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、結晶核剤等の添加物を含んでいてもよい。
上記のようなメタロセン系オレフィン重合用触媒を用いて調製されたポリプロピレン系樹脂は、その低分子量領域の成分やアタクチックポリマーあるいは非晶性成分含有量が非常に少ないため、このポリプロピレン系樹脂のフィルム表面に、直接、金属または金属酸化物を蒸着しても充分な密着強度(ラミネート強度)を有する金属蒸着ポリプロピレンフィルムを得ることができる。
また、、耐ブロッキング性、経時での表面張力維持に優れた金属蒸着用フィルムを提供することができる。
本発明の金属蒸着用のフィルムは、上述のポリプロピレン系樹脂を、押出機等を用いてフィルム成形することにより調製することができる。
フィルムの成形方法は特に制限されないが、たとえばTダイ法、インフレーション法等が挙げられる。上記のような方法で形成されたポリプロピレンフィルムは、適宜延伸して使用することができる。また、このポリプロピレンフィルムは、ドライラミネートあるいはサンドイッチラミネート等により他のフィルムと積層してもよい。ここにサンドイッチラミネートは、フィルム分野で一般的に使用される言葉であり、基材フィルムとラミネートされるフィルムとの接着強度の向上を目的として、基材フィルムとラミネートされるフィルムとの間に、低密度ポリエチレン等のフィルムを介在させてラミネートし、多層フィルムとする方法である。
本発明で用いられるポリプロピレン単層フィルムの厚さは、特に制限されないが、包装材料用としては通常5〜500μm、好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは15〜80μmの範囲にある。また、多層フィルムの厚さは、特に限定されず、多層フィルムの積層層数、用途等により適宜決定される。
上記の金属蒸着用フィルム表面に蒸着される金属としては、具体的には、アルミニウム、銀、ケイ素、亜鉛などが挙げられる。
また、上記のポリプロピレンフィルム表面に蒸着される金属酸化物(B2)としては、具体的には、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化イリジウム、酸化スズ、酸化亜鉛などが挙げられる。
上記のフィルム表面に形成される金属または金属酸化物の薄膜の厚さは、通常100〜1000Å、好ましくは200〜700Åである。
プロピレンフィルム表面に上記の金属または金属酸化物を蒸着して薄膜を形成する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが挙げられる。
真空蒸着法においては、蒸着材である金属または金属酸化物を10-4〜10-6Torrの圧力下で電子ビーム、高周波、抵抗、高周波電磁誘導などの方法で加熱し蒸気化し、ポリプロピレンフィルムの被蒸着面に被着させる。
スパッタリング法としては、二極スパッタ、マグネトロンスパッタ、高周波スパッタ等の方式があり、通常10-2〜10-4Torrの圧力下でスパッタリングが行なわれる。
イオンプレーティング法は、通常1〜10-2Torrの圧力下で行なわれる。本発明においては、メタロセン系オレフィン重合用触媒を用いて調製されたポリプロピレンフィルム表面に、金属または金属酸化物の薄膜を形成する前に、フィルムの被蒸着面にコロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、UV処理等のうち一つ以上の処理を施してもよいし、あるいはフィルムの被蒸着面にプライマー層を形成してもよい。このプライマー層は、たとえばウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等を、各種の塗布方法により0.01〜1g/m2 、好ましくは0.05〜0.6g/m2の塗布量で塗布して形成される。
このように金属蒸着された金属蒸着ポリプロピレンフィルム全体の厚さは、通常5〜200μm、好ましくは15〜80μmである。上記のようにして調製される、本発明に係る金属蒸着ポリプロピレンフィルムのラミネート強度は、好ましくは4.5N/15mm以上、さらに好ましくは5.0N/15mm以上であることが望ましい。
また、本発明に係る金属蒸着ポリプロピレンフィルムの酸素透過度は、好ましくは2.0cc/m2・24hr 以下、さらに好ましくは1.0cc/m2・24hr 以下であることが望ましい。
包装材料本発明に係る包装材料は、上述した金属蒸着ポリプロピレンフィルム、またはその金属蒸着ポリプロピレンフィルムを含む積層体からなる。
このような積層体としては、様々の形態の積層体が考えられるが、たとえばポリプロピレンフィルム(最外層)/金属蒸着ポリプロピレンフィルムの2層からなる積層体、ポリプロピレンフィルム(最外層)/低密度ポリエチレンフィルム/金属蒸着ポリプロピレンフィルム(最内層)の3層からなる積層体などが挙げられる。
このような積層体に用いられるポリプロピレンフィルムの厚さは、2〜80μm程度が適当である。上記の各フィルムの貼り合わせの方法としては、低密度ポリエチレンフィルム等を用いるサンドイッチラミネート法、あるいは接着剤を用いるドライラミネート法等の方法が挙げられる。
本発明に係る金属蒸着ポリプロピレンフィルムの用途は、特に限定されない。本発明に係る包装材料は、たとえば菓子(スナック、チョコレート、キャンディー等)、飲料(酒、焼酎、ワイン、ジュース、牛乳等)、調味料(醤油、みりん、ドレッシング等)等の食品、医薬品、産業資材、日用品、化学薬品(洗剤、オイル、塗料等)などの包装材料として好適である。
次に本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。実施例における物性の測定方法は次の通りである。
1)キシレン可溶分(CXS)量
秤量したポリプロピレン系樹脂試料5gを500mlの沸騰キシレン中で完全に溶解した後、液温が20℃になるまで静置する。液温が20℃になってから、更に30分間静置した後、沈殿物をろ過する。ろ液を濃縮、乾固した後、更に60℃かつ160mmHgで6時間乾燥し、残渣重量を秤量する。使用した試料の重量とキシレン溶出物の重量の比率をCXS量として算出する。
2)融点(Tm)
DSC測定器を用いて測定した。
機器:セイコーインスツルメンツ(株)DSC6200、
試料のプレスシートを作成し、DSC測定用セルに挿入し、以下の温度プログラムにて測定を行った。
<温度プログラム>
室温から240℃まで30℃/分で昇温し、240℃で10分間保持した後、10℃/分で30℃まで降温する。30℃で2分間保持後、10℃/分で200℃間で昇温し、この昇温中の吸熱ピークのトップをTm(融点)とした。
3)メルトフローレート(MFR)
ASTM D-1238の方法により230℃、荷重2.16kgで測定した。シリンダーには特に窒素を導入せずに、直接ペレットをシリンダーに投入し溶融させた。
4)ヤング
JIS K 6781に準じてフィルムのヤング率の測定を23℃、60℃および100℃下で行った。(引張速度:200mm/min、チャック間距離:80mm)
5)表面張力
JIS K 6768に準じて測定した。 成形直後から13日間表面張力を測定した。(なお、この間、サンプルを温度;23±2℃、相対湿度RH;50±5%に保った。)
メタロセン化合物としてイソプロピリデン(3-tert-ブチル-5-メチル-シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを用いて、ポリプロピレン系ランダム共重合体(CXS=0.5重量%、Tm=136℃、MFR=15g/10min)を得た。このランダム共重合体を、単層キャスト成形機(東芝機械(株)製 単層キャストフィルム成形機 SE−65−30)にてフィルム成形すると同時に、フィルム表面(片側)にコロナ処理を施した表面処理単層フィルム成形体を得た。樹脂の溶融温度は250℃、冷却ロール温度は12℃に設定した。また、フィルムの膜圧は30μ、成形直後のフィルム表面張力は45mN/mになるようにコロナ放電の強さを調整した。この表面処理単層フィルム成形体の表面張力の経時変化を測定した。結果を表1に示す。
[比較例1]
Ti系触媒を用いて、ポリプロピレンランダム共重合体(CXS=6.6重量%、Tm=139℃、MFR=7g/10min)を得た。このランダム共重合体を実施例1と同様にフィルム成形を行い、表面張力の経時変化を測定した。結果を表1に示す。
[比較例2]
Ti系触媒を用いて、ポリプロピレンランダム共重合体(CXS=6.9重量%、Tm=136℃、MFR=15g/10min)を得た。このランダム共重合体を実施例1と同様にフィルム成形を行い、表面張力の経時変化を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2006052315

Claims (5)

  1. MFR(230℃、2.16kgf)が0.1〜20(g/10min)であり、キシレン可溶分量が2.0重量%以下を満たすたポリプロピレン系樹脂組成物を用いて製造された成形体であって、下記関係式(Eq-1)を満たすことを特徴とする金属蒸着用フィルム成形体。
    Figure 2006052315
    〔上記関係式(Eq-1)において σ(0)は成形直後のフィルム表面張力(mN/m)、σ(7)は成形7日後のフィルム表面張力(mN/m)である。〕
  2. MD方向のヤング率とTD方向のヤング率の平均値が下記関係式(Eq-2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の金属蒸着用フィルム成形体。
    Figure 2006052315
    〔上記関係式(Eq-2)において、EはMD方向とTD方向のヤング率の平均値(MPa)、Tmは示差走査熱量計によって測定した融点(℃)、αは測定温度に依存した比例定数である。〕
  3. 請求項1または2に記載の金属蒸着用フィルム成形体に金属又は金属酸化物の蒸着薄膜が形成されてなる金属蒸着フィルム成形体。
  4. 蒸着用積層体の最外層であって、シーラント層として用いられる請求項1〜3のいずれかに記載のフィルム成形体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のフィルム成形体を含む積層体からなる包装材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009149753A (ja) * 2007-12-20 2009-07-09 Sumitomo Chemical Co Ltd 蒸着フィルム用ポリプロピレン樹脂組成物およびそれからなるフィルム

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