JP5116005B2 - 図面データ保存方法 - Google Patents

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本発明はデジタルペンと透明リライタブルシートとクリアファイルを利用した図面データ保存方法に関する。
従来、パソコンを使って図面を作成する図面作成業務において、作成した図面データを紙に印字し、原図と照らし合わせて確認をしていた。そして、確認の際に修正箇所が見つかるとパソコン上で図面データを修正し、その修正が終わるとまた紙に印字して確認するという作業を繰り返していた。このため、完成までに修正が多いと何度も紙に印字しなければならず、紙の浪費や保管面において問題があった。
そこで、このような問題を解決する策として、例えばリライタブルシートを利用する方法が考えられる。リライタブルシートを利用することにより、印字した図面データに修正があればパソコン上で修正し、修正後の図面データをリライタブルシートに書き換えることができるからである。ところが、リライタブルシートに図面データを印字する場合、一般的なリライタブルシートは基材が不透明であるため、原図の上にリライタブルシートを重ねても原図を透かして見ることができず、印字した図面データと原図を照らし合わせて確認するという作業ができないという問題がある。
一方、近年では基材に透明な素材を使用したリライタブルシートが開発されている(例えば、下記の特許文献1参照)。このような透明タイプのリライタブルシートを利用することにより、原図を透かして見れば印字した図面データと照合することはできる。しかしながら、今度は逆に基材が透明であるがゆえに、印字した図面データの内容が見づらくなるという別の問題が発生する。また、不透明タイプ、透明タイプのいずれのリライタブルシートを利用した場合においても、図面データに修正箇所を手書きで記入した後に、その記入した情報を図面データに関連付けてデジタルデータとして保存することができないという問題もある。
特開2002−59653号公報
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、図面作成業務において、パソコンで作成した図面データを紙に印字せずにリライタブルシートに印字することで省資源化を図るとともに、リライタブルシートに印字された図面データの確認を容易に行うことができるようにし、さらにはリライタブルシートに印字された図面データとそれに手書きで筆記した加筆情報とを関連付けてデジタルデータとして保存できるようにした図面データ保存方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、デジタルペンと透明リライタブルシートとクリアファイルを用いた図面データ保存方法であって、前記透明リライタブルシートを挟み込む前記クリアファイルの第1の外側面となる表面側に前記デジタルペンで認識される位置検出用のドットパターンを、前記表面側と対向し、かつ前記クリアファイルの第2の外側面となる裏面側に背景層をそれぞれ印刷し、前記透明リライタブルシートに図面データを書き換え可能に印字するとともに、前記ドットパターンに基づいて前記デジタルペンで前記クリアファイルのページを認識した後、該クリアファイルに前記透明リライタブルシートを挟み込み、前記透明リライタブルシートに印字した図面データに加筆する加筆情報を前記ドットパターンが印刷されたクリアファイルの表面に前記デジタルペンで書き換え可能に筆記することにより、前記図面データと前記加筆情報を関連付けてデジタルデータとして保存することを特徴とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、デジタルペンと透明リライタブルシートとクリアファイルを用いた図面データ保存方法であって、前記透明リライタブルシートを挟み込む前記クリアファイルの第1の外側面となる表面側に前記デジタルペンで認識される位置検出用のドットパターンを、前記表面側と対向し、かつ前記クリアファイルの第2の外側面となる裏面側に背景層をそれぞれ印刷し、前記透明リライタブルシートに図面データとページ区分を書き換え可能に印字するとともに、前記ドットパターンと前記ページ区分に基づいて前記デジタルペンで前記クリアファイルのページ及び前記透明リライタブルシートのページ区分を認識した後、該クリアファイルに前記透明リライタブルシートを挟み込み、前記透明リライタブルシートに印字した図面データに加筆する加筆情報を前記ドットパターンが印刷されたクリアファイルの表面に前記デジタルペンで書き換え可能に筆記することにより、前記図面データと前記加筆情報を関連付けてデジタルデータとして保存することを特徴とする。
ここで、本発明で用いられている用語を以下に定義する。
デジタルペンとは、筆記した情報を読み取ってそれを電子化したデジタルデータに変換して保存することが可能なペン型入力装置を意味する。本発明ではスウェーデンのアノト社が開発したアノト式の専用ペンを使用することができる。また、デジタルペンで書き換え可能に筆記するために、デジタルペンのインキには可逆性インキとして、例えば熱ペンのサーマルインキのように加熱することで消去できるインキや、ホワイトボードマーカの剥離剤入り油性インキのように拭き取ることで消去できるインキを使用する。
透明リライタブルシートとは、各種情報を印字した後にそれを消去して書き換えることが可能な記録媒体であって、基材に透明な材料を用いた記録媒体を意味する。透明なリライタブルシートを使用する理由は、原図の上にリライタブルシートを重ね合わせ、印字した図面データと透かして見える原図とを照合できるようにするためである。本発明において使用可能な透明リライタブルシートとしては、例えば基材に透明PETを用いたロイコ染料型リライタブルシート等が挙げられる。
クリアファイルは、合成樹脂等からなるシートを少なくとも半分に折り畳んでその間に透明リライタブルシートを挟み込めるようになっていればよい。また、クリアファイルは透明リライタブルシートに印字される図面データを確認できるように、透明又は半透明の素材を使用する必要がある。
位置検出用のドットパターンは、多数個の微細なドットからなるユニークなパターンによって、デジタルペンで筆記した情報がクリアファイル上でどの位置にあるのかを特定するための絶対座標を表わすものである。本発明では上記のアノト式の専用ペンに対応したアノトパターンを使用することができる。
図面データは、本発明においてはパソコン上で図面の作成、修正が可能な電子化されたデータを意味し、dxfファイル、dwgファイル、vsdファイル等、そのデータのファイル形式は特に問わない。
ページ区分とは、ページ番号のようにページを認識する際に必要なデータである。ページ区分の印字は例えばドットパターン、バーコード、2次元コード、OCR用パターン、OMR用マーク等により表わすことができる。
本発明の図面データ保存方法では、クリアファイルの間に透明リライタブルシートを挟み込んで図面データを確認するが、このとき図面データを見やすくするために、透明リライタブルシートの印字の色とクリアファイルの背景層の色とが補色関係になるように設定するとよい。補色関係とは、二つの色を適当な割合で混合した結果無彩色になるとき、その二つの色同士の関係をいう。例えば、透明リライタブルシートの印字の色が青色の場合にはクリアファイルの背景層を黄色に、また印字の色が赤色の場合には背景層を青緑色に設定するとよい。
また、本発明の図面データ保存方法においては、デジタルデータを保存した後、透明リライタブルシートに印字された図面データとドットパターンが印刷されたクリアファイル(ドットパターン入りのクリアファイルに筆記された加筆情報を消去して透明リライタブルシートとドットパターン入りのクリアファイルを再利用することが好ましい。
また、本発明の図面データ保存方法においては、デジタルデータを保存した後、透明リライタブルシートに印字された図面データ及びページ区分と、ドットパターン入りのクリアファイルに筆記された加筆情報を消去して透明リライタブルシートとドットパターン入りのクリアファイルを再利用することが好ましい。
本発明の図面データ保存方法によると以下の効果が得られる。
パソコンで作成した図面データを印字して確認する際に、紙媒体を廃止するとともに透明リライタブルシートとクリアファイルを再利用することによって、省資源化を図り、図面作成業務におけるコストの削減を達成できる。
リライタブルシートが透明であるため、印字した図面データと透かして見える原図とを照らし合わせて確認することができ、しかもクリアファイルの背景層がコントラストになって図面データの内容が見づらくなることもないので、図面データの確認作業を容易に行える。特に、透明リライタブルシートの印字の色とクリアファイルの背景層の色とを補色関係に設定すると、両者のコントラストが強調されるので、印字された図面データの内容がより一層見やすくなる。
図面データに手書きで加筆した情報をデジタルペンでデジタルデータに変換し、それを即座にパソコンに取り込むことができるので、電子化に伴う作業時間が短縮化され、図面作成業務の効率が大幅に向上する。
デジタルペンでページ区分を認識することができ、透明リライタブルシートに印字した図面データとクリアファイルに手書きで加筆した情報との間でデータを関連付けて保存することができるので、データのマッチングミスがなくなるとともに、データの取り扱い作業性に優れる。特に、図面データと一緒にページ区分を印字した場合には、ドットパターンとページ区分を認識し、両者を照合させてページ認識することができるので、データの信頼性が向上する。
図面データに手書きで加筆した情報を保存するためにコピー機で複写したり、あるいはパソコンに取り込むためにスキャナーで入力したりする作業が必要なくなるので、情報の漏洩を防止でき、セキュリティ性が高まる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の図面データ保存方法の手順を示す説明図、図2は本発明方法に使用するクリアファイルの構成を示す断面図、図3は同クリアファイルに印刷されたドットパターンを示す拡大図、図4は本発明方法に使用する透明リライタブルシートの構成を示す断面図、図5は本発明に使用するデジタルペンの構成を示す断面図である。
図1に示すように、本発明の図面データ保存方法はデジタルペン10と透明リライタブルシート20とクリアファイル30を利用したもので、(A)ドットパターンと背景層の印刷、(B)図面データの印字、(C)ページの認識、(D)加筆情報の筆記、(E)データの保存、(F)図面データと加筆情報の消去、の手順に従って実施される。そこで、各手順の具体的内容を以下に説明する。
(A)ドットパターンと背景層の印刷
まず、クリアファイルにドットパターンと背景層を印刷する。
図2に示すように、本実施形態のクリアファイル30は、透明性を有するポリプロピレンシートを二つ折りし、その間に透明リライタブルシート20を挟み込めるようにしたものである。クリアファイル30の表面側にはドットパターン40が印刷され、これと対向する裏面側には背景層50が印刷されている。
クリアファイル30への印刷は、図1のようなオフセット印刷等(プリンタ印字でも可)によるプリンタ60を用いて行う。すなわち、プリンタ60のインキローラ61から版胴62を介してブランケット胴63にインキを転移させ、このインキをクリアファイル30に転写して表面にドットパターン40を印刷し、裏面に背景層50を印刷する。
ドットパターン40は、デジタルペン10で筆記される情報とページ区分を認識するための位置検出用マーカーである。本実施形態においてはドットパターン40としてアノトパターンを採用している。図3に示すように、このアノトパターンは多数個の微細なドット41,41,…を約0.3mm間隔の格子上の交点から上下左右のいずれかの方向へわずかにずらして配置したパターンである。すなわち、6×6(1.8mm×1.8mm)の計36個のドット41の集合体からなるユニークなパターンがクリアファイル30上での絶対座標を表わしている。個々のドット41はデジタルペン10の赤外線カメラから照射した赤外光を吸収するように、耐熱性を有する赤外線吸収インキで印刷される。赤外線吸収インキとしては、例えば炭素系の黒色顔料を含有したインキや、補助剤に赤外線吸収剤を添加したインキを使用することができる。
背景層50は、透明リライタブルシート20に印字した図面データを確認しやすくするために設けたものである。背景層50はクリアファイル30の上に耐熱性を有する紫外線硬化型インキでベタ印刷又はパターン印刷することで形成される。また、本実施形態では背景層50の色を白色にしているが、より好ましくは、透明リライタブルシート20の印字の色と補色関係になるように設定するとよい。その理由は、背景層50の色と透明リライタブルシート20の印字の色とのコントラストを高め、印字された図面データの内容をより一層見やすくするためである。
(B)図面データの印字
次に、透明リライタブルシートに図面データを印字する。
本実施形態の透明リライタブルシート20は、透明性を有するロイコ染料型リライタブルシートである。図4に示すように、このリライタブルシート20は、透明PETからなる基材21の表面に感熱発色層22を塗布したもので、感熱発色層22はロイコ染料からなる発色剤23とフェノール系化合物からなる顕色剤24とを含んでいる。そして、感熱発色層22を加熱すると、発色剤23と顕色剤24が溶融して発色し、これを急激に冷却すると発色状態が固定される。一方、感熱発色層22を加熱して発色剤23と顕色剤24を溶融させ、これを徐々に冷却すると消色するようになっている。
図面データDは、パソコン80上で作成や修正が可能な電子化されたデータであり、dxfファイル、dwgファイル、vsdファイル等、そのデータのファイル形式は特に問わない。透明リライタブルシート20への図面データDの印字は、図1のようなサーマルプリンタ70を用いて行う。すなわち、サーマルプリンタ70のサーマルヘッド71で透明リライタブルシート20を加熱して急激に冷却すると、感熱発色層22の発色によって図面データDが書き換え可能に印字される。なお、パソコン80で作成された図面データDは、ドットパターン40のページ区分のデータに対応してパソコン80内のメモリに記憶されている。
なお、図示しないが、図面データDの印字と同時にページ区分を印字してもよい。ページ区分とはページ番号等のページ認識に必要なデータをドットパターン、バーコード、2次元コード、OCR用パターン、OMR用マーク等で表わしたものである。
(C)ページの認識
次に、デジタルペンでクリアファイルのページを認識する。
本実施形態のデジタルペン10は、アノトパターンに対応したアノト式ペンである。図5に示すように、このデジタルペン10はケース11内にペン部12と、カートリッジ13と、赤外線カメラ14と、プロセッサ15と、メモリ16と、通信ユニット17と、バッテリ18とが収容されている。
ペン部12はカートリッジ13に充填されたインキによって加筆情報の筆記を行うものである。クリアファイル30の上に書き換え可能に筆記するために、インキは可逆性のものを用いるようにする。例えば、熱ペンのサーマルインキのように加熱することで消去されるインキや、ホワイトボードマーカの剥離剤入り油性インキのように拭き取ることで消去されるインキを使用することができる。本実施形態ではサーマルプリンタ70のサーマルヘッド71を使って消去できるようにサーマルインキを使用している。
赤外線カメラ14はケース先端の開口部からクリアファイル30に向けて赤外光を照射する発光部と、クリアファイル30からの反射光を受光するCMOSセンサ等からなる受光部とを備えており、ペン部12周辺の赤外線画像を撮影する。
プロセッサ15は赤外線カメラ14で撮影した赤外線画像から赤外線吸収レベルに応じて2値化したデータを取得し、そのデータからペン部12の筆跡を認識してメモリ16に筆跡のデジタルデータを記憶するものである。また、通信ユニット17はBluetooth(登録商標)通信により外部機器との間でデータ通信を行う。なお、バッテリ18はリチウムイオン電池からなる内部電源である。
クリアファイル30のページ認識はデジタルペン10でクリアファイル30をなぞることによって行う。すなわち、デジタルペン10でクリアファイル30の一部の領域をなぞると、赤外線カメラ14によってクリアファイル30上にあるドットパターン40の赤外線画像が撮影される。このとき、プロセッサ15は撮影された赤外線画像に基づいて、ドットパターン40の座標値で特定されるクリアファイル30のページ区分の情報を認識する。プロセッサ15が認識したページ区分のデータはメモリ16に記憶される。
なお、図示した例では、ドットパターン40でページ区分されたクリアファイル30を複数枚準備してページ認識するようにしたが、透明リライタブルシート20に図面データDとページ区分を印字した場合には、印字されたドットパターン40とページ区分をデジタルペン10で認識し、両者を照合させてページを認識することができるので、データの信頼性が向上する。
(D)加筆情報の筆記
次に、デジタルペンでクリアファイルに加筆情報を筆記する。
加筆情報Mの筆記はデジタルペン10のインキによって行う。すなわち、クリアファイル30の間に透明リライタブルシート20を挟み込み、透明リライタブルシート20に印字された図面データDの内容を見ながらデジタルペン10のペン部12でドットパターン40の上から筆記する。ここで、透明リライタブルシート20はその基材21が透明であるため、原図の上に透明リライタブルシート20を重ねれば原図を透かして見ることができるので、印字した図面データDと原図を照合することができる。また、このときクリアファイル30の背景層50がコントラストとなって図面データDの内容が見づらくなることがない。したがって、図面データDの確認作業を容易に行うことができる。
このように、デジタルペン10で筆記を行うと、カートリッジ13に充填されたサーマルインキによって加筆情報Mが書き換え可能に筆記される。なお、図示した例では加筆情報Mとして“承認”の文字を筆記し、印字した図面データDの修正を確認したことを示している。
また、この筆記をしている最中に、デジタルペン10の赤外線カメラ14がクリアファイル30上にあるドットパターン40の赤外線画像を連続的に撮影する。このとき、プロセッサ15は、撮影された赤外線画像に基づいてドットパターン40の座標値で特定される文字の位置とその移動軌跡を読み取り、クリアファイル30上にどのような文字が筆記されたのかという加筆情報Mを認識する。そして、プロセッサ15が認識した加筆情報Mはデジタルデータに変換され、ページ区分のデータとともにメモリ16に記憶される。
(E)データの保存
次に、パソコンにデータを保存する。
デジタルペン10からパソコン80へのデータの移行作業はデジタルペン10の通信機能を用いて行うことができる。すなわち、デジタルペン10には通信ユニット17が内蔵されており、通信ユニット17の無線通信によってメモリ16に記憶されているページ区分と加筆情報Mのデジタルデータがパソコン80に転送される。そして、転送されたデジタルデータは、ページ区分のデータをキーにして、パソコン80のメモリに記憶されている図面データDに関連付けされる。これにより、図面データDと加筆情報Mを関連付けて保存することができる。なお、データの移行作業はデジタルペン10とパソコン80をUSBケーブル等の有線で接続して行ってもよい。
(F)図面データと加筆情報の消去
最後に、透明リライタブルシートの図面データとクリアファイルの加筆情報を消去する。
パソコン80へのデータ保存が完了すれば、透明リライタブルシート20に印字した図面データDとクリアファイル30に筆記した加筆情報Mを消去してもよい。すなわち、サーマルプリンタ70の熱ローラ72やその他の消去手段(例えば熱板やサーマルヘッドなど)で透明リライタブルシート20を加熱して徐々に冷却すると、感熱発色層22が消色し、透明リライタブルシート20に印字されていた図面データDが消去される。また、これとは別に、クリアファイル30を熱ローラ72等で加熱するとサーマルインキが消色するので、デジタルペン10で筆記した加筆情報Mの“承認”の文字を消去することができる。なお、デジタルペン10のインキに剥離剤入り油性インキを使用した場合には、クリアファイル30に筆記された加筆情報Mを拭き取って消去すればよい。
また、クリアファイル30に印刷されたドットパターン40は耐熱性の赤外線吸収インキで構成され、背景層50は耐熱性の紫外線硬化型インキで構成されているので、熱ローラ72等で加熱してもドットパターン40と背景層50が消去されることはない。このため、加筆情報Mを消去した後のクリアファイル30には、ドットパターン40と背景層50が残るので、上記(A)のようにあらためてドットパターン40と背景層50を印刷する必要がなくなる。したがって、一度ドットパターン40と背景層50を印刷すれば透明リライタブルシート20とクリアファイル30を再利用することが可能になり、以後は上記(B)〜(F)の手順に従って図面データの保存処理を実行することができる。
なお、透明リライタブルシート20に図面データDとページ区分を印字した場合、図面データDの消去と同時にページ区分も消去するようにする。
以上説明したように、この図面データ保存方法によれば、デジタルペン10と透明リライタブルシート20とクリアファイル30を利用することによって、図面データDと加筆情報Mをデジタルデータとしてパソコン80に即座に保存することができる。このため、手書きで筆記した情報を電子化する際の作業時間が短縮化され、図面作成業務の効率が大幅に向上する。また、図面データDと加筆情報Mとの間でデジタルデータの関連付けを簡単に行えるので、データのマッチングミスも起こらない。さらには、加筆情報Mを保存するためにコピー機で複写したりスキャナーで入力したりする作業が必要なくなるので、情報の漏洩を防止でき、セキュリティ性が高くなる。
なお、上述した実施形態ではデジタルペン10にアノト式ペンを使用し、ドットパターン40にアノトパターンを採用したが、これに限らず、他の方式のデジタルペンとドットパターンの組み合わせを採用してもよい。また、リライタブルシート20については透明性を有するロイコ染料型リライタブルシートを使用したが、透視でき、かつ情報を書き換えることが可能であれば、これ以外の可逆性記録媒体を使用することもできる。さらに、デジタルペンのインキについてもサーマルインキ以外の可逆性インキを使用することができる。
本発明の図面データ保存方法の手順を示す説明図。 クリアファイルの構成を示す断面図。 クリアファイルに印刷されたドットパターンを示す拡大図。 透明リライタブルシートの構成を示す断面図。 デジタルペンの構成を示す断面図。
符号の説明
10 デジタルペン
11 ケース
12 ペン部
13 カートリッジ
14 赤外線カメラ
15 プロセッサ
16 メモリ
17 通信ユニット
18 バッテリ
20 透明リライタブルシート
21 基材
22 感熱発色層
23 発色剤
24 顕色剤
30 クリアファイル
40 ドットパターン
41 ドット
50 背景層
60 プリンタ
61 インキローラ
62 版胴
63 ブランケット胴
70 サーマルプリンタ
71 サーマルヘッド
72 熱ローラ
80 パソコン

Claims (5)

  1. デジタルペンと透明リライタブルシートとクリアファイルを用いた図面データ保存方法であって、
    前記透明リライタブルシートを挟み込む前記クリアファイルの第1の外側面となる表面側に前記デジタルペンで認識される位置検出用のドットパターンを、前記表面側と対向し、かつ前記クリアファイルの第2の外側面となる裏面側に背景層をそれぞれ印刷し、
    前記透明リライタブルシートに図面データを書き換え可能に印字するとともに、前記ドットパターンに基づいて前記デジタルペンで前記クリアファイルのページを認識した後、該クリアファイルに前記透明リライタブルシートを挟み込み、
    前記透明リライタブルシートに印字した図面データに加筆する加筆情報を前記ドットパターンが印刷されたクリアファイルの表面に前記デジタルペンで書き換え可能に筆記することにより、前記図面データと前記加筆情報を関連付けてデジタルデータとして保存する
    ことを特徴とする図面データ保存方法。
  2. デジタルペンと透明リライタブルシートとクリアファイルを用いた図面データ保存方法であって、
    前記透明リライタブルシートを挟み込む前記クリアファイルの第1の外側面となる表面側に前記デジタルペンで認識される位置検出用のドットパターンを、前記表面側と対向し、かつ前記クリアファイルの第2の外側面となる裏面側に背景層をそれぞれ印刷し、
    前記透明リライタブルシートに図面データとページ区分を書き換え可能に印字するとともに、前記ドットパターンと前記ページ区分に基づいて前記デジタルペンで前記クリアファイルのページ及び前記透明リライタブルシートのページ区分を認識した後、該クリアファイルに前記透明リライタブルシートを挟み込み、
    前記透明リライタブルシートに印字した図面データに加筆する加筆情報を前記ドットパターンが印刷されたクリアファイルの表面に前記デジタルペンで書き換え可能に筆記することにより、前記図面データと前記加筆情報を関連付けてデジタルデータとして保存する
    ことを特徴とする図面データ保存方法。
  3. 前記透明リライタブルシートの印字の色と前記クリアファイルの背景層の色とが補色関係になるように設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の図面データ保存方法。
  4. 前記デジタルデータを保存した後、前記透明リライタブルシートに印字された図面データと前記ドットパターンが印刷されたクリアファイルに筆記された加筆情報を消去して前記透明リライタブルシートとドットパターン入りのクリアファイルを再利用することを特徴とする請求項1又は3に記載の図面データ保存方法。
  5. デジタルデータを保存した後、透明リライタブルシートに印字された図面データ及びページ区分と、前記ドットパターンが印刷されたクリアファイルに筆記された加筆情報を消去して前記透明リライタブルシートと前記ドットパターンが印刷されたクリアファイルを再利用することを特徴とする請求項2又は3に記載の図面データ保存方法。
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