JP4737545B2 - データ保存方法 - Google Patents

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本発明はデジタルペンとリライトシートとクリアファイルを利用したデータ保存方法に関する。
従来、リライトシートをOA環境で使用する場合、パソコン内にあるドキュメントをプリンタで印字し、文書参照用でのみ使用していた。また、ドキュメントが印字されたリライトシートにメモ等を手書きで追記するときには、後で消去できるようにホワイトボードマーカ等のペンで筆記している。そして、追記したメモ等の情報を残しておきたい場合には、リライトシートをコピー機で複写して紙媒体として保存する、あるいはその紙媒体をスキャナーで読み取ってパソコンに入力して保存するようにしていた。
しかしながら、上記のような従来の方法によると、パソコン内のドキュメントのデータがデジタルデータであるにもかかわらず、追記したメモのデータはアナログ保存になってしまう。このため、パソコン上でドキュメントとメモとの間のデータの関連付けが難しいという問題があった。
なお、下記の特許文献1には、プリンタで作成した定型用紙にデジタルペンで筆記することにより手書きの内容をデジタルデータ化する技術が開示されている。ところが、この技術においては使用している記録媒体が書き換えできない紙であり、デジタルペンで筆記した手書きの内容を消去することができないので、記録媒体の再利用が図れないという問題がある。
特開2004−280519号公報
本発明は以上のような問題を解決するためになされたものであり、パソコンで作成したドキュメントと手書きによる筆記情報とを関連付けしてデジタルデータとして保存できるようにするとともに、記録媒体の再利用が可能なデータ保存方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するために、デジタルペンとリライトシートとクリアファイルを用いたデータ保存方法であって、デジタルペンで認識される位置検出用のドットパターンをクリアファイルに印刷し、リライトシートにドキュメントとページ区分を書き換え可能に印字するとともに、印字されたページ区分に基づいてデジタルペンでドキュメントのページを認識した後、クリアファイルにリライトシートを挟み込み、リライトシートに印字されたドキュメントに関する手書きの情報をドットパターン入りのクリアファイルにデジタルペンで書き換え可能に筆記することにより、ドキュメントと筆記情報を関連付けてデジタルデータとして保存することを特徴とする。
ここで、本発明で用いられている用語を以下に定義する。
デジタルペンとは、筆記した情報を読み取ってそれを電子化したデジタルデータに変換して保存することが可能なペン型入力装置を意味する。本発明ではスウェーデンのアノト社が開発したアノト式の専用ペンを使用することができる。また、デジタルペンで書き換え可能に筆記するために、デジタルペンのインキには可逆性インキとして、例えば熱ペンのサーマルインキのように加熱することで消去されるインキや、ホワイトボードマーカの剥離剤入り油性インキのように拭き取ることで消去されるインキ等を使用する。
リライトシートとは、各種情報を印字した後にそれを消去して書き換えることが可能な記録媒体を意味する。本発明において使用可能なリライトシートとしては、例えば熱可逆反応を利用したロイコリライトシート等が挙げられる。
クリアファイルは、合成樹脂等からなるシートを少なくとも半分に折り畳んでその間にリライトシートを挟み込めるようになっていればよい。また、クリアファイルはリライトシートに印字されるドキュメントを確認できるように、透明又は半透明の素材であることが必要である。
位置検出用のドットパターンは、多数個の微細なドットからなるユニークなパターンによって、デジタルペンで筆記した情報がクリアファイル上でどの位置にあるのかを特定するための絶対座標を表わすものである。本発明では上記のアノト式の専用ペンに対応したアノトパターンを使用することができる。
ドキュメントとは、本発明においてはパソコンで作成する電子化されたデジタルデータの文書全般を意味し、文字列、表、図形などを含む。
ページ区分とは、ページ番号のようにページを認識する際に必要なデータである。ページ区分の印字は例えばドットパターン、バーコード、2次元コード、OCR用パターン、OMR用マーク等により表わすことができる。
また、本発明のデータ保存方法においては、デジタルデータを保存した後、リライトシートに印字したドキュメント及びページ区分と、ドットパターン入りのクリアファイルに筆記した筆記情報を消去してリライトシートとドットパターン入りのクリアファイルを再利用することが好ましい。
本発明のデータ保存方法によると以下の効果が得られる。
ドキュメントに手書きで追記したメモ等の情報をデジタルペンでデジタルデータに変換してメモリに保存でき、それを即座にパソコンに入力することができる。したがって、電子化に伴う作業時間が短縮化され、OA環境における業務効率が大幅に向上する。
デジタルペンでページ区分を認識することができ、リライトシートに印字したドキュメントとクリアファイルに手書きで追記したメモ等の情報との間でデジタルデータの関連付けを簡単に行える。このため、データのマッチングミスがなくなり、取り扱い作業性に優れる。
メモ等の情報を保存するためにコピー機で複写して紙媒体にしたり、あるいはそれをパソコンに取り込むためにスキャナーで入力したりする作業の必要がなくなるので、情報の漏洩を防止でき、セキュリティ性が高まる。また、紙媒体を廃止し、リライトシートとドットパターン入りのクリアファイルを再利用できるので、トータル的に見てコストの削減に繋がる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明のデータ保存方法の手順を示す説明図、図2は本発明方法に使用するクリアファイルに印刷されたドットパターンを示す拡大図、図3は本発明方法に使用するリライトシートの構成を示す断面図、図4は本発明方法に使用するデジタルペンの構成を示す断面図である。
図1に示すように、本発明のデータ保存方法はデジタルペン10とリライトシート20とクリアファイル30を利用したもので、(A)ドットパターン印刷、(B)ドキュメント・ページ区分印字、(C)ページ認識、(D)メモ筆記、(E)データ保存、(F)ドキュメント・ページ区分・メモ消去、の手順に従って実施される。そこで、各手順の内容を以下に説明する。
(A)ドットパターン印刷
まず、クリアファイルにドットパターンを印刷する。
本実施形態のクリアファイル30は、透明なポリプロピレンシートを二つ折りし、その間にリライトシート20を挟み込めるようにしたものである。クリアファイル30へのドットパターン40の印刷はオフセット印刷等(プリンタ印字でも可)によるプリンタ50を用いて行う。すなわち、プリンタ50のインキローラ51から版胴52を介してブランケット胴53にインキを転移させ、このインキをクリアファイル30に転写して表面にのみドットパターン40を印刷する。ドットパターン40はデジタルペン10で筆記される情報とページ区分を認識するための位置検出用マーカーである。
本実施形態ではドットパターン40としてアノトパターンを採用している。図2に示すように、このアノトパターンは多数個の微細なドット41,41,…を約0.3mm間隔の格子上の交点から上下左右のいずれかの方向へわずかにずらして配置したパターンである。つまり、6×6(1.8mm×1.8mm)の計36個のドット41の集合体からなるユニークなパターンがクリアファイル30上での絶対座標を表わしている。個々のドット41はデジタルペン10の赤外線カメラから照射した赤外光を吸収するように、耐熱性を有する赤外線吸収インキで印刷されている。赤外線吸収インキとしては、例えば炭素系の黒色顔料を含有したインキや、補助剤に赤外線吸収剤を添加したインキを使用することができる。
(B)ドキュメント・ページ区分印字
次に、リライトシートにドキュメントとページ区分を印字する。
本実施形態のリライトシート20は、熱可逆反応を利用したロイコリライトシートである。図3に示すように、このロイコリライトシートは基材21の表面に感熱発色層22を塗布したものであって、感熱発色層22はロイコ染料等の発色剤23とフェノール系化合物等の顕色剤24とを含んでいる。そして、感熱発色層22を加熱すると発色剤23と顕色剤24が溶融して発色し、これを急激に冷却すると発色状態が固定される。一方、感熱発色層22を加熱して発色剤23と顕色剤24を溶融させ、これを徐々に冷却すると消色する。
ドキュメントDはパソコン70で作成した文字列、表、図形等のデジタルデータからなる文書である。ページ区分Pはページ番号等のページ認識に必要なデータをドットパターン、バーコード、2次元コード、OCR用パターン、OMR用マーク等で表わしたものである。リライトシート20へのドキュメントDとページ区分Pの印字はサーマルプリンタ60を用いて行う。すなわち、サーマルプリンタ60のサーマルヘッド61でリライトシート20を加熱した後に急冷すると、感熱発色層22の発色によってドキュメントDの情報“○○○○○”とページ区分Pが書き換え可能に印字される。なお、パソコン70で作成されたドキュメントDは、ページ区分Pのデータに対応してパソコン70内のメモリに記憶されている。
(C)ページ認識
次に、デジタルペンでドキュメントのページを認識する。
本実施形態のデジタルペン10は、アノトパターンに対応したアノト式ペンである。図4に示すように、このデジタルペン10はケース11内にペン部12と、カートリッジ13と、赤外線カメラ14と、プロセッサ15と、メモリ16と、通信ユニット17と、バッテリ18とが収容されている。
ペン部12はカートリッジ13に充填されたインキによって筆記を行うものである。クリアファイル30の上に書き換え可能に筆記するために、インキは可逆性のものを使用する。例えば熱ペンのサーマルインキのように加熱することで消去されるインキや、ホワイトボードマーカの剥離性油性インキのように拭き取ることで消去されるインキを使用することができる。本実施形態ではサーマルプリンタ60のサーマルヘッド61を使って消去できるようにサーマルインキを使用している。
赤外線カメラ14はケース先端の開口部からクリアファイル30に向けて赤外光を照射する発光部と、クリアファイル30からの反射光を受光するCMOSセンサ等からなる受光部とを備えており、ペン部12周辺の赤外線画像を撮影する。
プロセッサ15は赤外線カメラ14で撮影した赤外線画像から赤外線吸収レベルに応じて2値化したデータを取得し、そのデータからペン部12の筆跡を認識してメモリ16に筆跡のデジタルデータを記憶するものである。また、通信ユニット17はBluetooth(登録商標)通信により外部機器との間でデータ通信を行う。なお、バッテリ18はリチウムイオン電池からなる内部電源である。
ドキュメントDのページ認識はデジタルペン10でクリアファイル30をなぞることによって行う。すなわち、デジタルペン10でクリアファイル30に印字されたページ区分Pの領域をなぞると、赤外線カメラ14によってクリアファイル30上にあるページ区分Pの赤外線画像が撮影される。このとき、プロセッサ15は撮影された赤外線画像に基づいて、ページ区分Pのドットパターン等で特定されるドキュメントDのページ区分Pの情報を認識する。プロセッサ15が認識したページ区分のデータはメモリ16に記憶される。
(D)メモ筆記
次に、デジタルペンでクリアファイルにメモを筆記する。
メモMの筆記はデジタルペン10のインキによって行う。すなわち、クリアファイル30の間にリライトシート20を挟み込み、リライトシート20に印字されたドキュメントDの内容を見ながらデジタルペン10のペン部12でドットパターン40の上から筆記を行うと、カートリッジ13に充填されたサーマルインキによってメモMの情報“×××××”が書き換え可能に筆記される。
また、この筆記をしている最中に、デジタルペン10の赤外線カメラ14がクリアファイル30上にあるドットパターン40の赤外線画像を連続的に撮影する。このとき、プロセッサ15は、撮影された赤外線画像に基づいてドットパターン40の座標値で特定される文字の位置とその移動軌跡を読み取り、クリアファイル30上にどのようなメモが筆記されたのかという筆記情報を認識する。そして、プロセッサ15が認識した筆記情報はデジタルデータに変換され、ページ区分のデータとともにメモリ16に記憶される。
(E)データ保存
次に、パソコンにデータを保存する。
デジタルペン10からパソコン70へのデータの移行作業はデジタルペン10の通信機能を用いて行うことができる。すなわち、デジタルペン10には通信ユニット17が内蔵されており、通信ユニット17の無線通信によってメモリ16に記憶されているページ区分と筆記情報のデジタルデータがパソコン70に転送される。そして、転送されたデジタルデータは、ページ区分のデータをキーにして、パソコン70のメモリに記憶されているドキュメントDのデジタルデータに関連付けされる。これにより、ドキュメントDのデジタルデータとメモMのデジタルデータを関連付けて保存することができる。なお、データの移行作業はデジタルペン10とパソコン70をUSBケーブル等の有線で接続して行ってもよい。
(F)ドキュメント・ページ区分・メモ消去
最後に、リライトシートのドキュメント及びページ区分と、クリアファイルのメモを消去する。
パソコン70へのデータ保存が完了すれば、リライトシート20に印字されたドキュメントD及びページ区分Pと、クリアファイル30に筆記されたメモMは消去してもよい。すなわち、サーマルプリンタ60の熱ローラ62やその他の消去手段(例えば熱板やサーマルヘッドなど)でリライトシート20を加熱した後に徐冷すると、感熱発色層22が消色し、リライトシート20に印字されていたドキュメントDの情報“○○○○○”とページ区分Pが消去される。また、これとは別に、クリアファイル30を熱ローラ62等で加熱するとサーマルインキが消色するので、デジタルペン10で筆記したメモMの情報“×××××”も消去することができる。なお、デジタルペン10のインキに剥離性油性インキを使用した場合には、クリアファイル30を拭き取ってメモMを消去すればよい。
また、クリアファイル30に印刷されたドットパターン40は耐熱性の赤外線吸収インキで構成されているので、熱ローラ62等で加熱しても消去されることはない。このため、メモMを消去した後のクリアファイル30には、ドットパターン40のみが残るので、上記(A)のようにあらためてドットパターン40を印刷する必要がなくなる。したがって、一度ドットパターン40を印刷すればリライトシート20とクリアファイル30を再利用することが可能になり、以降は上記(B)〜(F)の手順でデータの保存処理を実行することができる。
以上説明したように、このデータ保存方法によれば、デジタルペン10とリライトシート20とクリアファイル30を利用することによってドキュメントDのデータとメモMのデータをデジタルデータとしてパソコン70に保存することができる。このため、手書きで筆記した情報を電子化する際の作業時間が短縮化され、OA環境における業務効率が大幅に向上する。また、ドキュメントDとメモMとの間でデジタルデータの関連付けを簡単に行えるので、データのマッチングミスも起こらない。さらには、メモMを保存するためにコピー機で複写したりスキャナーで入力したりする作業が必要なくなるので、情報の漏洩を防止でき、セキュリティ性が高まる。
なお、上述した実施形態ではデジタルペン10にアノト式ペンを使用し、ドットパターン40にアノトパターンを採用したが、これに限らず、他の方式のデジタルペンとドットパターンの組み合わせを採用してもよい。また、リライトシート20については熱可逆性のロイコリライトシートを使用したが、情報を書き換えることが可能であれば、これ以外の可逆性記録媒体を使用することもできる。さらに、デジタルペンのインキについてもサーマルインキ以外の可逆性インキを使用することができる。
本発明のデータ保存方法の手順を示す説明図。 クリアファイルに印刷されたドットパターンを示す拡大図。 リライトシートの構成を示す断面図。 デジタルペンの構成を示す断面図。
符号の説明
10 デジタルペン
11 ケース
12 ペン部
13 カートリッジ
14 赤外線カメラ
15 プロセッサ
16 メモリ
17 通信ユニット
18 バッテリ
20 リライトシート
21 基材
22 感熱発色層
23 発色剤
24 顕色剤
30 クリアファイル
40 ドットパターン
41 ドット
50 プリンタ
51 インキローラ
52 版胴
53 ブランケット胴
60 サーマルプリンタ
61 サーマルヘッド
62 熱ローラ
70 パソコン

Claims (2)

  1. デジタルペンとリライトシートとクリアファイルを用いたデータ保存方法であって、デジタルペンで認識される位置検出用のドットパターンをクリアファイルに印刷し、リライトシートにドキュメントとページ区分を書き換え可能に印字するとともに、印字されたページ区分に基づいてデジタルペンでドキュメントのページを認識した後、クリアファイルにリライトシートを挟み込み、リライトシートに印字されたドキュメントに関する手書きの情報をドットパターン入りのクリアファイルにデジタルペンで書き換え可能に筆記することにより、ドキュメントと筆記情報を関連付けてデジタルデータとして保存することを特徴とするデータ保存方法。
  2. デジタルデータを保存した後、リライトシートに印字したドキュメント及びページ区分と、ドットパターン入りのクリアファイルに筆記した筆記情報を消去してリライトシートとドットパターン入りのクリアファイルを再利用することを特徴とする請求項1に記載のデータ保存方法。
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