JP3986250B2 - 感熱記録媒体、印刷装置、印刷方法及び印刷システム - Google Patents
感熱記録媒体、印刷装置、印刷方法及び印刷システム Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子化されたデータを記録する感熱記録媒体、より詳細には、所定の読取装置により読み取り可能なコードが印刷されている領域と人間により読み取り可能な情報が印刷されている領域から成る感熱記録媒体及び該媒体に関連する装置、方法、システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平5−12288号公報には、文字や画像情報を入力する入力手段と、入力された文章又は画像情報を予め定める変換手順に従って符号化情報に変換する変換手段と、変換手段からの符号化情報を記録紙に印字出力する印字手段と、記録紙上に印字された符号化情報を読み取る読み取り手段と、符号化情報を予め定める復元手順に従って文章情報又は画像情報に復元する復元手段とを含むことを特徴とする情報処理装置が提案されている。
【0003】
本公報では、ワードプロセッサにより作成された電子文書の内容を表す可視認識可能なパターンと、専用の読み取り手段で解読される2次元パターンとが記録紙上に熱転写型プリンタにて印刷された事例が示されているが、実施例から、本システムに用いられる文書作成手段は、用紙上に印刷された2次元パターンを光学的に読み取る手段と用紙への印刷手段を含むワードプロセッサを対象としており、用紙の仕様に関しては特に明記していない。
【0004】
また、特開平8−186703号公報には、仮想的な行列状の升目に光学的に読み取り可能なマークをそれぞれ付与した2次元パターンが記録された用紙面を光学的に読み取る読み取り手段と、文書/図形等のデータを入力する入力手段と、入力された文書/図形等のデータを記憶するデータ記憶手段と、データ記憶手段に記憶されたデータを文字・記号等の可視認識可能なパターンに変換して出力する第1変換手段と、データ記憶手段に記憶されたデータを仮想的な行列状の升目に光学的に読み取り可能なマークをそれぞれ付与した2次元パターンに変換し出力する第2変換手段と、前記読み取り手段により読み取られた2次元パターンを文書データに変換し前記データ記憶手段に出力する第3変換手段と、第1変換手段及び第2変換手段により変換された各々のパターンを用紙上に出力する印刷手段とを備え、これにより、文書/図形等のデータから2次元パターンへ、あるいは2次元パターンから文書/図形等のデータへの相互変換を行いうることを特徴とするデータ処理装置が提案されている。
【0005】
本公報では、ワードプロセッサにより作成された電子文書の内容を表す可視認識可能なパターンと、専用の読み取り手段で解読される2次元パターンとが記録紙上に熱転写型プリンタにて印刷された事例が示されているが、実施例から、本システムに用いられる文書作成手段は、用紙上に印刷された2次元パターンを光学的に読み取る手段と用紙への印刷手段のついたワードプロセッサを対象としており、用紙の仕様に関しては特に明記されていない。
【0006】
また、特開平7−121673号公報には、文字によって表現された情報と等価な情報をバーコード化したものを、文字情報に対応させて同一紙面上に印刷しておき、バーコード情報を認識するバーコード入力手段と、前記バーコード入力手段から入力されたバーコード情報に対応する出力情報を格納する記憶手段と、前記バーコード情報と出力情報の対応を調べる出力情報生成手段と、前記出力情報を格納する手段とを含むことを特徴とする情報提供方法が提案されている。
【0007】
本公報では、同一紙面上に文字によって表現された情報と等価な情報がバーコードとして記録されているが、実際にはバーコードに対応する出力情報を検索して、対応する出力情報を使用者に出力するため、必ず対応する出力情報を格納する記憶手段が必要となる。すなわち、バーコードが記憶しているのは、電子メディアに出力させる情報の識別情報のみである。
【0008】
特開平9−282422号公報にも、記録用紙1上に記録された可視情報2に関連する関連情報が記録されている磁気ディスク装置20のアドレスを示すアドレス情報が、記録用紙1上に記録された可視情報2のうちの磁気ディスク20のアドレス情報が表すアドレスに記憶された情報に関連する関連部分に対応付けられて記録用紙1上に不可視的に記録されると共に、上記関連情報が磁気ディスク装置20に記憶されていることを表すマーク4a,4b,4cが可視的に記録されることが提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、
記録媒体に対し、データ情報に応じて加熱し、画像形成して、データを記録する記録手段を用いて、例えば、文字、図、写真、音、動画といった電子化されたデータを配布、携帯可能にし、記録媒体に表された、例えば、文字、図、写真といった人間により読み取り可能な情報により人間に対する情報伝達を可能にするという特徴を持つ感熱記録媒体を提供すること、
記録媒体への印刷手段は、該媒体に対して、データ情報に応じて加熱し、画像形成することができればどのようなシステム構成でも対応でき、また、大容量のデータを保持可能とする高精細コードの書き込み手段と読み取り手段を低コスト、省スペースで実現することができる印刷装置、印刷システムを提供すること、を目的としてなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、電子化されたデータを記録する記録媒体であって、該媒体は、電子化されたデータ全体が所定の読取装置により読み取り可能なコードに予め符号化されて印刷されている第1領域と、文書の内容を示す情報が人間により読み取り可能な状態にて印刷されている第2領域とから成り、前記媒体は、前記所定の読取装置により読取可能なコードに符号化されたパスワードが印刷され、さらに、ユーザがパスワードを入力する領域を有することを特徴としたものである。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記媒体は、前記第1領域と、前記第2領域とを両面に有することを特徴としたものである。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記媒体は、前記第1領域と、前記第2領域とを片面に有し、他の片面には前記第1領域を有することを特徴としたものである。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記媒体は、前記第1領域を片面に有し、他の片面には前記第2領域を有することを特徴としたものである。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記媒体のサイズは、パーソナルコンピュータの5インチベイ(開口部の巾)に挿入可能なサイズであることを特徴としたものである。
【0015】
請求項6の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記媒体のサイズは、葉書サイズであることを特徴としたものである。
【0016】
請求項7の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記媒体のサイズは、パーソナルコンピュータの3.5インチベイ(開口部の巾)に挿入可能なサイズであることを特徴としたものである。
【0017】
請求項8の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記媒体のサイズは、名刺サイズ以下であることを特徴としたものである。
【0018】
請求項9の発明は、請求項1ないし8のいずれかの発明において、前記媒体の厚みが、0.05〜1mmであることを特徴としたものである。
【0019】
請求項10の発明は、請求項1ないし9のいずれかの発明において、前記媒体は、前記所定の読取装置が行なう処理内容を指定するためのチェックボックスが印刷されている第3領域を有することを特徴としたものである。
【0020】
請求項11の発明は、請求項1ないし10のいずれかの発明において、前記媒体は、前記所定の読取装置が行なう所定の処理の実行を命ずる制御コードが印刷されている第4領域を有することを特徴としたものである。
【0022】
請求項12の発明は、請求項1ないし11のいずれかの発明において、前記媒体は、前記コードを画素レベルで読み取るために、読み取り画素位置を決定するマークが感熱印刷されていることを特徴としたものである。
【0023】
請求項13の発明は、請求項1ないし12のいずれかの発明において、前記媒体は、前記コードが濃度差を区別できる複数の濃度で形成されていることを特徴としたものである。
【0024】
請求項14の発明は、請求項1ないし12のいずれかの発明において、前記媒体は、前記コードが識別可能な複数色で形成されていることを特徴としたものである。
【0025】
請求項15の発明は、請求項1ないし14のいずれかの発明において、前記媒体は、光を吸収して熱に変換し、発色させる光吸収層を有することを特徴としたものである。
【0026】
請求項16の発明は、請求項15の発明において、前記媒体は、前記光吸収層が透明であることを特徴としたものである。
【0027】
請求項17の発明は、請求項1ないし16のいずれかの発明において、前記媒体は、該媒体の表面の一部に筆記性を有する領域を持つことを特徴としたものである。
【0028】
請求項18の発明は、請求項1ないし17のいずれかの発明において、前記媒体は、少なくとも前記コード記録領域の表面が鏡面であることを特徴としたものである。
【0029】
請求項19の発明は、請求項1ないし18のいずれかの発明において、前記媒体は、該媒体の表面に保護層を有することを特徴としたものである。
【0030】
請求項20の発明は、請求項1ないし19のいずれかに記載の感熱記録媒体の印刷装置において、該装置は、前記電子化されたデータを選択する選択手段と、該電子化されたデータを所定の読取装置により読み取り可能なコードに符号化する符号化手段と、前記第1領域に前記コードを印刷し、前記第2領域に前記人間により読み取り可能な情報を印刷する印刷手段とを有し、前記印刷手段は、前記媒体の任意の領域に前記符号化されたパスワードを印刷することを特徴としたものである。
【0031】
請求項21の発明は、請求項20の発明において、前記印刷手段は、前記第3領域に前記チェックボックスを印刷することを特徴としたものである。
【0032】
請求項22の発明は、請求項20または21の発明において、前記印刷手段は、前記第4領域に前記制御コードを印刷することを特徴としたものである。
【0034】
請求項23の発明は、請求項20ないし22のいずれかの発明において、前記印刷手段は、前記第2領域に印刷される前記人間により読み取り可能な情報の少なくとも一部をユーザが指定できることを特徴としたものである。
【0035】
請求項24の発明は、請求項1ないし19のいずれかに記載の感熱記録媒体の印刷方法において、前記電子化されたデータを選択する選択ステップと、該電子化されたデータを所定の読取装置により読み取り可能なコードに符号化する符号化ステップと、前記第1領域に前記コードを印刷し、前記第2領域に前記人間により読み取り可能な情報を印刷する印刷ステップとからなることを特徴としたものである。
【0036】
請求項25の発明は、請求項24に記載の印刷方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納するコンピュータ読取可能な記憶媒体である。
【0037】
請求項26の発明は、請求項1ないし19のいずれかに記載の感熱記録媒体の印刷システムにおいて、前記第1領域に印刷されている前記コードを光学的に読み取る読取手段と、前記第1領域に印刷されている前記コードを前記電子化されたデータに復元する復元手段と、復元された前記電子化されたデータのファイル形式に対応したアプリケーションプログラムを実行し、該電子化されたデータを文書として印刷する印刷手段とを有することを特徴としたものである。
【0038】
請求項27の発明は、請求項26の発明において、前記印刷手段は、前記電子化されたデータのファイル形式に対応するアプリケーションプログラムをネットワークを介して該プログラムを格納するサーバから読み出すことを特徴としたものである。
【0039】
請求項28の発明は、請求項26または27の発明において、復元された前記電子化されたデータを、ネットワークを介して接続された所定の装置に送信する送信手段を有することを特徴としたものである。
【0040】
請求項29の発明は、請求項26ないし28のいずれかの発明において、前記媒体における前記第1領域に印刷されている前記コードと前記第3領域に印刷されている前記チェックボックスとを光学的に読み取る読取手段と、前記第1領域に印刷されている前記コードを前記電子化されたデータに復元する復元手段と、前記読取手段により読み取られたチェックの付された前記チェックボックスに対応した処理内容に基づき、復元された前記電子化されたデータに対して所定の処理を行なう処理手段を有することを特徴としたものである。
【0041】
請求項30の発明は、請求項26ないし29のいずれかの発明において、前記媒体における前記第1領域に印刷されている前記コードと前記第4領域に印刷されている前記制御コードとを光学的に読み取る読取手段と、前記第1領域に印刷されている前記コードを前記電子化されたデータに復元し、前記第4領域に印刷されている前記制御コードを復元する復元手段と、前記復元手段により復元された前記制御コードに対応した処理内容に基づき、復元された前記電子化されたデータに対して所定の処理を行なう処理手段を有することを特徴としたものである。
【0042】
請求項31の発明は、請求項26ないし30のいずれかの発明において、前記媒体における前記第1領域に印刷されている前記コードと任意の領域に印刷されている符号化されたパスワードとを光学的に読み取る読取手段と、前記第1領域に印刷されている前記コードを前記電子化されたデータに復元し、前記符号化されたパスワードを復元する復元手段と、ユーザがパスワードを入力する入力手段と、前記復元手段により復元されたパスワードと前記入力手段により入力されたパスワードとを照合して、前記入力されたパスワードが正しければ、ユーザを認証する認証手段を有することを特徴としたものである。
【0043】
【発明の実施の形態】
本発明が適用される感熱記録媒体は、電子化されたデータ全体が所定の読取装置により読み取り可能なコードに予め符号化されて印刷されている第1領域と、文書の内容を示す情報が人間により読み取り可能な状態にて印刷されている第2領域とからなり、読取装置を用いてデコードすることにより電子化されたデータ全体を復元することができるようになる。また、文書の内容を示す情報が人間により読み取り可能な状態になっているので、例えば、文書内容の把握、文書の検索が簡単になる。ここで、人間により読み取り可能な状態となっているのは文書の一部なので、それ以外の部分は秘密が保たれる。
【0044】
読取装置が簡単に第1領域を検出できるように、開始マークと終了マークを第1領域に付することも可能である。第2領域は例えば、文書のサムネール(ここで、サムネールとは文書、画像ファイル等を小型化して表示したものである。)が印刷されたり、文書の要約文が印刷される領域である。
また、本記録媒体は、媒体サイズがPCの5インチベイ(開口部の巾)に入るサイズ以下であるため携帯性に優れ、既存の多数の画素を有するCCDセンサーと専用の光学系を用いて、高密度の画像を読み取る装置が構築できる。
【0045】
図26は、CCDセンサーと専用の光学系からなる読取装置の構成例を示す図で、図中、1は、CCD素子、2は、レンズ、3は、ミラー、4は、光源、10は、感熱記録媒体である。例えば、10600画素の既存CCDセンサーを用い、幅120mmの媒体10のコード情報を読み取らせる場合、CCDセンサー2画素で1200dpi(dot per inch)のコード1画素に対応するため、コードを1画素単位で正確に読み取ることができるため、幅120mmの正方形の媒体10に3.6MB程度(3.5インチフロッピーディスク3枚程度)の大容量データを保持でき、また、コード情報を正確に読み取る装置を安価に実現することが可能となる。
【0046】
多くのデータ量を記録、印刷する場合、媒体10へのコード形成方式は、感熱記録である必要がある。ここで、感熱記録媒体とは、例えば、TC(Thermo Chromic)フィルムのように、加熱・冷却方法によって媒体自体の透明度が可逆に制御されるような材料からなる媒体や、可逆CTC(Color Thermo Chromic)や非可逆CTCのように、ロイコ染料と顕色剤を含む材料で、加熱・冷却具合により媒体自身の発色濃度が制御される自己発色媒体や 、同じくロイコ染料と顕色剤を含む材料で加熱により自己発色する感熱紙を対象とし、熱転写記録方式のプリンタによってコードを形成される媒体も含む。使用材料は、前述の材料に限らず、加熱によって発色したり、白濁したり、インクが付着したりといった方法を用いて、付着状態と非付着状態が認識できる感熱記録が可能であれば良い。
【0047】
媒体10のサイズは小さいことから、媒体10に対する書込、読取装置はPC内蔵型にすることも可能であり、より使い勝手の優れるシステムを構築することが可能となる。
【0048】
図1は、本発明が適用される感熱記録媒体(以下印刷物という)の一例を示す図で、図中、印刷物10は、第1領域12と第2領域11からなり、第1領域12は、所定の読取装置により読み取り可能なコード12aが印刷され、第2領域11は、人間により読み取り可能な情報として、本例では、文書名11a、作成日11b、作成者11c、文書のサムネール11d、ファイルの保存場所を示すFTP Directory11e、ファイルの容量を示すFile容量11fが印刷されている。
【0049】
印刷物10の第2領域11は、人間に対するインタフェースを与える部分であり、第1領域12に印刷されたコード12aの内容を人間が理解可能な状態で印刷されている。ここで、文書名11a、作成日11b、作成者11c、文書のサムネール11d、FTP Directory11e、File容量11fは任意の項目であるため、他の情報を加えて印刷することも可能である。例えば、600dpi以上の解像度を有する読み取り装置で読み取ること、といった注記事項を含めることができる。
【0050】
また、文書のサムネール11dに印刷される内容はサムネールに限定されず、例えば、印刷物10の作成者がコード12aの内容を要約した文章又は、図画を新たに作成してサムネールの代わりに印刷することもできる。サムネールを使用する場合には、図1の文書のサムネール11dに示すように最初のページから所定のページ、本例では、9ページ分の情報を自動的に取得してサムネールを印刷してもよいし、印刷物10の作成者に所定のページ数分のページを選択させることもできる。いずれにしても文書のサムネール11dは、人間に対して印刷物10のコード12aの内容を理解させるための主たる情報を印刷する部分である。
【0051】
印刷物10の第1領域12は、読取装置に対するインタフェースを与える部分であり、コード12aが印刷されている。本発明の1つの特徴として、コード12aには、印刷物10の作成者が選択した文書全体の電子化されたデータが符号化され、印刷されているため、当該印刷物10を保持し、所定の読取装置を使用すれば、他に文書の記憶装置が無くとも文書全体を利用することが可能になる。ここで、利用とは例えば、印刷、ファイルを行なって、文書を取得、編集することを意味する。コード12aに通常使用されるコードは、例えば、グリフコード、インタクタコード、DDコードといった電子化したデータをエンコードし、そのエンコードされたデータを再度デコードすることによって元の電子化したデータに復元できるコードであればどのようなコードでも可能である。
【0052】
例えば、グリフコードは左向きスラッシュと右向きスラッシュで0と1を表現するコード体系であり、600dpiから1200dpi乃至2400dpiの印刷装置と読取装置を用いて、数百キロバイト(KB)から数メガバイト(MB)程度のデータをA6一枚に記録、復元することができるようになる。なおコードの誤り訂正の程度によって一枚に記録できる容量が変わる。ファイルを所定のアルゴリズムで圧縮した上でグリフコードに基づき印刷することにより、より大容量の記録を行うことができる。
【0053】
印刷物10に記録されるデータは例えば、文字、図、写真、音声、動画といったものが電子化されているデータでなければならないが、コード12aに印刷できるようなデータ量であればページ数、ファイル形式、データの内容にかかわらず取り扱うことができる。なお印刷物10の元となる記録用紙の素材は、例えば、コート紙、合成紙、消去及び再書き込み可能な感熱シート、プラスチック、金属といった、印刷時に所定のドット再現度にて印刷できるようなものであればよい。印刷方式は、例えば、感熱でも、熱転写でもよいが、使い勝手の点やランニングコストの点からは、自己発色型の媒体、望ましくは可逆記録が可能な自己発色型感熱媒体が適する。
【0054】
従来、例えば、フロッピーディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、MO、DVDといった電子的、磁気的記録媒体を使用して情報を配布してきたが、人間は、フロッピーディスクのような電子的、磁気的記録媒体を外部から見ても何が記録してあるか理解することが難しく、ファイル名が分かる場合でもファイルの内容がどのようなものであるかわからないことも多い。本発明における印刷物10を使用した場合、人間はどのような内容のデータが第1領域12に記録されているか印刷物10の第2領域11を見てみれば分かる。また、文書全体のコード化されたデータが印刷されているため、読取装置によって文書全体を電子的なファイルに戻すことも、印刷することも可能になる。
【0055】
印刷物10は、例えば、紙を用いた記録用紙に大容量の記録機能を与えて、記録用紙に印刷された、例えば、文字、図、写真によって人間に対する情報伝達を行うことができ、情報の配布、携帯を可能とする新たな記録媒体を提供するものである。また、印刷物10の複製は、印刷物10を生成するのに必要な解像度以上を有する読取装置によって簡便に行なうことができる。
ここで、図1に示した本発明が適用される印刷物10は、基本的な要素のみを示しており、本実施例に限られるものではない。
【0056】
図2は、本発明が適用される印刷物10の一例を示す図で、図中、印刷物10は、第1領域12と第2領域11とを両面に有し、図2(A)は表面、図2(B)は裏面である。印刷物10の両面に印刷する場合、片面の印刷が他の片面に悪影響を及ぼさないように、例えば、黄色、セピア色といった中間色で印刷する、または、ステルス印刷を施すことが可能である。
図2に示すように印刷物10の両面に第1領域12と第2領域11の有する情報を保持することにより、保持可能な情報量を増やすことができ、印刷物10の整理に必要な文書情報を第2領域11に種々印刷することが可能となる。
図2に示す実施例では、図2(A)にエンコードされたコードと、目視で認識可能な文書の情報と内容を示すサムネールが印刷され、図2(B)には、エンコードされたコードと文書内容の概要を示す文章が印刷されているため、文書の内容確認が容易となり、使い勝手も非常に優れる。
【0057】
図3は、本発明が適用される印刷物10の一例を示す図で、図中、印刷物10は、第1領域12と第2領域11とを片面に有し、他の片面には第1領域12を有し、図3(A)は表面、図3(B)は裏面である。
図3に示すように印刷物10の片面をコード12aを有する第1領域12にすることにより、コード形成面積が広く取れるため、保持可能なデータ容量を大きくすることが可能となる。
図3に示す実施例では、図3(A)にエンコードされたコードと、目視で認識可能な文書の情報と内容を示すサムネールが印刷され、図3(B)には、エンコードされたコードが印刷されているため、大きなデータを保持することができ、効率的に使用できる媒体となる。
【0058】
図4は、本発明が適用される印刷物10の一例を示す図で、図中、印刷物10は、第1領域12を片面に有し、他の片面には第2領域11を有し、図4(A)は表面、図4(B)は裏面である。
図4に示すように印刷物10の片面をコード12aを有する第1領域12にすることにより、コード読取装置をコード面側に設けるだけで良いのでシステムが非常に簡易になり、処理が高速化される。また、コード12aが形成された面と反対の面には目視で認識可能な文書の情報と内容を示すサムネールが印刷されているので、印刷物10の整理、整頓が非常に容易となる。
図4に示す実施例では、図4(A)に目視で認識可能な文書の情報と内容を示すサムネールが印刷され、図4(B)には、エンコードされたコードが印刷されているため、文書内容の認識性が非常に優れる。また、第1領域12と第2領域11が片面毎に区別されて印刷されているため、コード読み取り時に領域分離をする必要が無く、システムが簡易になる。
【0059】
本発明が適用される印刷物10は、葉書きサイズにすることにより、携帯性や配布性に優れ、かつ、既存の葉書き用整理用具を利用することが可能となるため非常に使い勝手が向上する。図4(B)に示すように裏面全面をコード12aを有する第1領域12とすると、1200dpiで約3.7MB分のデータを記録することができ、大容量の文書情報を保持することが可能な媒体となる。また、PCの3.5インチベイに挿入可能なサイズにすることにより、携帯性や配布性に優れた媒体となり、非常に使い勝手が向上する。3.5インチフロッピーディスクサイズの媒体を用いて、図4(B)に示すように裏面全面をコード12aを有する第1領域12とすると、1200dpiで約2MB分のデータを記録することができ、大容量の文書情報を保持することが可能な媒体となる。また、読取装置に関しては、既存の10000画素程度のCCDセンサーにて十分読み取ることが可能である。
【0060】
本発明が適用される印刷物10は、名刺サイズ以下、例えば、名刺サイズ、カードサイズとすることにより、格段に携帯性や配布性が向上し、非常に使い勝手が向上する。また、既存の名刺ホルダーやカードホルダーを用いることができるため整理も容易になり、ポケット、手帳、財布などにも入れることができる。
ここで、既存の10000画素程度のCCDセンサーを用いて、2400dpiの情報量を読み取ることが可能となるため、例えば、カードサイズの媒体を用いて図4(B)に示すように裏面全面をコード12aを有する第1領域12とすると、2400dpiで約4.4MB分のデータを記録することができ、既存のCCDセンサーを用いる場合、媒体サイズを名刺サイズ以下にすることにより、例えば、葉書サイズといった少し大きな媒体よりも多くのデータ容量を保持することが可能となる。
【0061】
図5は、本発明が適用される印刷物10の一例を示す図で、図中、13は、所定の読取装置に所定の処理の実行を命ずる制御コードが印刷されている第4領域であって、制御コードとして、バーコード13aが印刷され、第1領域12には、コード12aの開始を表す開始マーク12bと終了を表す終了マーク12cとが印刷されている。
【0062】
バーコード13aは、読取装置に印刷物10の作成者の意図する処理を行わせるためのコードであり、例えば、印刷物10のパスワードの確認、印刷、一部印刷、ファイル作成、FAX送信といった処理を指定して、実行させる、また、従来デジタル複写機が保持している機能、例えば、複数コピー、両面コピー、ソート、ステイプルといった機能に連動させることが可能である。また、幾つかの処理内容のメニューを表示して、印刷物10の保持者に選択させることもできる。ここで、バーコード13aにパスワードの情報を含めることも可能である。
【0063】
コード12aの例えば、最初又は最後にバーコード13aの有する処理内容を含めることも可能である。同様に、パスワードの確認を行う場合には、パスワードの情報をコード12aの例えば、最初又は最後に含めることも可能である。また、バーコード13aはバーコードではなく他のコードを使用することも可能であり、例えば、二次元バーコードを使用してもよい。バーコード13aの位置は、印刷物10のいずれの位置にあってもよいが、読取装置が簡単にバーコード13aの位置を認識できるように、印刷される位置を固定した方が望ましい。
【0064】
図5に示すバーコード13aのような命令コードを含めることにより、印刷物10の作成者が読取装置に作成者の意図する処理内容を指定することができる。ここで、図5に示すコード12aの開始マーク12b、終了マーク12cの形状は一例であるが、開始マーク12b、終了マーク12cが印刷されていれば、読取装置は、簡単にコード12aの開始、終了を認識することができるようになり、処理が高速化される。
【0065】
図6は、本発明が適用される印刷物10の一例を示す図で、図中、14は、パスワードを記入するセキュリティボックスで、第1領域12には、コード12aの開始マーク12dと終了マーク12eとが印刷されている。
【0066】
パスワードは、例えば、コード12aの最初もしくは最後又は、バーコード13aに所定の読取装置により読み取り可能なコードに符号化して含めておき、読取装置に読み取らせる前に印刷物10の保持者は、セキュリティボックス14にパスワードを記入する。読取装置は、セキュリティボックス14の記入内容を文字認識として取得し、コード12a又は、バーコード13a内に記録されているパスワードと照合する。記入されたパスワードが正しい場合、例えば、コード12aの内容をデコードし、文書全体の印刷を行なう。記入されたパスワードが正しくない場合、処理を実施しない。ここで、パスワードを符号化するコードと電子化されたデータを符号化するコードは、同じでも、異なっていてもよい。
【0067】
セキュリティボックス14の位置は、印刷物10のいずれの位置にあってもよいが、読取装置が簡単にセキュリティボックス14の位置を認識できるように、印刷される位置を固定した方が望ましい。
【0068】
図6に示すセキュリティボックス14を用いて、所定のパスワードを知っている印刷物10の保持者のみ記録されている文書全体にアクセスできるようになる。ここで、図6に示すコード12aの開始マーク12dと終了マーク12eの形状は一例であり、図5に示す同マークとは異なるマークを使用している。
【0069】
図7は、本発明が適用される印刷物10の一例を示す図で、図中、15は、所定の読取装置に処理内容を指定するためのチェックボックスが印刷されている第3領域であって、全プリントの選択のためのチェックボックス15a、一部プリントの選択のためのチェックボックス15b、ファイル保存を選択するためのチェックボックス15cが印刷され、第1領域12には、コード12aの開始マーク12fと終了マーク12gとが印刷されている。図7に示す実施例では、ファイル保存のためのチェックボックス15cが選択されているものとする。
【0070】
図7に示すチェックボックスを設けることにより、印刷物10の保持者は読取装置に行わせる処理内容を簡単に指定することができる。例えば、図7に示すファイル保存のためのチェックボックス15cが選択されている場合には、読取装置はファイルの保存先を指定するように印刷物10の保持者に促す。印刷物10の保持者が保存先を指定すれば、読取装置はコード12aをデコードし、デコードにより生成されるファイルを指定の場所に保存する。
【0071】
また、全プリントを選択するためのチェックボックス15aが選択された場合に、読取装置は、コード12aをデコードし、デコードにより生成されるファイルの形式を調べて形式に対応するアプリケーションプログラムを実行し、当該アプリケーションプログラムを用いて印刷を実行する。一部プリントを選択するためのチェックボックス15bが選択された場合には、読取装置は印刷すべきページ番号を入力するように印刷物10の保持者に促す。印刷物10の保持者がページ番号を入力すると、読取装置は、コード12aをデコードし、デコードにより生成されるファイルの形式を調べて形式に対応するアプリケーションプログラムを実行し、印刷物10の保持者が指定したページを当該アプリケーションプログラムを用いて印刷を実行する。
【0072】
ここで、チェックボックスの種類は上述の3種類に限定されず、他の処理内容を指定するためのボックスを増やしてもよいし、選択できるボックス数を減らすこともでき、選択可能なチェックボックスの種類を印刷物10の作成者が指定することもできる。また、チェックボックスの位置は、印刷物10のいずれの位置にあってもよいが、読取装置が簡単にチェックボックスの位置を認識できるように、印刷される位置を固定した方が望ましい。また、チェックボックスの並びを固定した方が読取装置の認識処理が簡単になる。
【0073】
図7に示すチェックボックスを用いて、印刷物10の保持者は、読取装置に簡単に処理内容を指示することができる。ここで、図7に示すコード12aの開始マーク12fと終了マーク12gの形状は一例であり、図5と図6に示す同マークとは異なるマークを使用している。
【0074】
図5、図6、図7に示した実施例では、バーコード13a、セキュリティボックス14、チェックボックス15a、15b、15cを単独で使用しているが、これらを組み合わせて使用することも可能である。
【0075】
図8は本発明が適用される印刷物10に用いる媒体の供給状態の一例を示す図で、図8(A)は、ロール形状、図8(B)は、シート又は、カード形状である。印刷物10の厚みを0.05〜1mmとすることで使い勝手に優れた媒体となり、図8(A)に示すロール形状で供給する場合は、0.05〜0.2mm程度の厚み範囲が使い易く、図8(B)に示すシート、カード形状で供給する場合は、0.2〜1mm程度の厚み範囲が使い易い。
また、前述の厚みは使い勝手に優れるだけでなく、媒体の耐久性、印刷装置の形状、搬送性なども考慮されて選択された値である。例えば、キャッシュカードその他のサービス用カードは、0.8mm程の厚みがあり、テレホンカードは、約0.25〜0.3mm、地下鉄の回数券カードは、約0.2〜0.25mmとなっており、前記媒体の良好な厚みとほぼ一致することがわかる。
【0076】
図8(A)に示すロール形状の媒体は、0.05mm〜0.2mm程度の厚みが適するが、書き込み前又は後に適当な大きさにカットする必要がある。また、カット後のハンドリング性向上のために裏面に粘着剤層を設けて、コード形成後は厚みのある基板に貼り付けて使用することもでき、特に薄い媒体の場合は、基板の延びや変形、折れ曲がりなどを生じやすいので、厚めの基板に貼って使用するとハンドリング性が向上する。
【0077】
図9は、本発明が適用される印刷物10のコード12aの開始と終了を表すマークの一例を示す図で、図中、20、22は、マークで、マーク20は、1画素幅の囲み、マーク22は、1画素と2画素の繰り返しで表わされ、21は、コードである。
マーク20または22は、コード21の読み取り時に、印刷物10が斜めに挿入されている場合や印刷物10が変形している場合に、各読み取りライン画像の先頭画素を特定するために必要となる。この読み取り画素位置を決定するためのマーク20または22は、正確に認識されなければならないため、エッジがシャープである必要があり、単独画素レベルで認識できることが望まれることから、マーク20または22の形成には1画素の再現性に優れる感熱記録が最適である。
【0078】
マーク20または22は、既存のエンコードソフトに沿ったものでも、それ以外の形式でも良いが、従来のように書き込み手段解像度の複数画素でコード21の1画素を生成するのではなく、書き込み手段解像度の1画素でコード21の1画素を生成する場合には、マーク20または22も書き込み手段解像度の1画素単位で生成されるものが望ましく、例えば、図9(A)に示すマーク20を基準としたり、図9(B)に示すマーク22で基準を認識するといった種々の方法が用いられる。
【0079】
図10は、本発明が適用される印刷物10のコード21が濃度差を区別できる複数の濃度で形成された一例を示す図で、図中、コード21は、濃度ゼロ21a、低濃度21b、中濃度21c、高濃度21dの4階調に制御できる単独画素で構成される。濃度ゼロ21aは2ビット分のデータが共にゼロで00、低濃度21bは下位ビットだけが1で01、中濃度21cは上位ビットだけが1で10、高濃度21dは2ビット分のデータが共に1で11という関係を持たせることができるため、印刷物10に保持できるデータ量は前述の通常のコードを用いる場合の倍となる。
【0080】
図10に示す実施例に基づき、カードサイズの媒体の片面に2400dpiでコードが形成されている場合、約9MBの容量となり、両面にコードを持つ場合、10MBを優に超える媒体となる。また、媒体の材料には、例えば、CTCフィルムのように1画素単位で濃度を変えられる特性が必要である。
【0081】
図11は、本発明が適用される印刷物10のコード21が識別可能な複数色で形成された一例を示す図で、図中、コード21は、無色21e、イエロー21f、マゼンタ21g、シアン21hの4色に制御できる単独画素で構成される。無色21eは2ビット分のデータが共にゼロで00、イエロー21fは下位ビットだけが1で01、マゼンタ21gは上位ビットだけが1で10、シアン21hは2ビット分のデータが共に1で11という関係を持たせることができるため、印刷物10に保持できるデータ量は前述の通常コードを用いる場合の倍となり、複数色かつ、各色の濃度が複数段に制御された印刷物10の場合は、より大容量となり、大きな写真画像データを保持することも可能となる。例えば、2色がそれぞれ3階調の濃度を持ち、かつ、1色単独だけでなく2色重ねて記録された場合、カードサイズの媒体の片面に2400dpiでコードを形成すると、約18MBの容量を得ることができ、両面にコードを持たせれば、20MBを優に超える媒体となる。従って、読取装置が色を判別できる場合には、媒体への記録には、例えば、昇華型熱転写やTAフィルムといった1画素単位で濃度を変えられる特性が必要であり、かつ、書込装置には高密度書き込みが可能なレーザー光源が望ましい。
【0082】
図12は、本発明が適用される印刷物10の構成例を示す図で、図中、30は、発色層、31は、光吸収発熱層、32は、基板である。
図12に示すように、基板32上に光吸収発熱層31として、カーボン層(ここで、カーボン層の厚みは、1μm以上、望ましくは、2〜5μm程度が適する。)を形成し、その上に発色層30を有することにより、レーザー光源による書き込みが可能な媒体となる。ただし、発色層30が例えば、CTCフィルムといったレーザー光を吸収しない材料であることが必要である。ここで、1200dpi以上の高密度書き込みはサーマルヘッドでは難しく、レーザー光源、例えば、安価で小型の半導体レーザーが適する。
【0083】
図13は、本発明が適用される印刷物10の構成例を示す図で、図中、33は、透明光吸収発熱層、34は、発色層30と透明光吸収発熱層33を一体化した層である。図12に示す印刷物10では、印刷物10の色が黒となり、目視での情報認識が難しくなるため、光吸収発熱層31には例えば、赤外波長の光に対してフタロシアニン系の材料といった、色素系の材料が望ましく、それぞれの光源波長に応じて適当な材料を選択することが可能である。
光吸収発熱層31が透明となれば、目視での情報認識が容易になり、また、図13(A)、(B)、(C)に示すように、種々構成の印刷物10を得ることが可能となる。
【0084】
図14は、本発明が適用される印刷物10の一例を示す図で、図中、40は、筆記性を有する領域で、図14(A)は、表面、図14(B)は、裏面である。印刷物10の第2領域11には人間の目で認識可能な情報が印刷されているが、より解り易い情報を追記したいという要求や、他者から配布された印刷物10に本人固有の情報を入れたり、説明を入れたいという要求が発生した場合に対応できるように、印刷物10の表面の一部には筆記可能な材料を用いて筆記性を有する領域40が形成される。
【0085】
図14に示すように、筆記性を有する領域40に、例えば、合成紙に用いる酸化チタンを含むクレー層を持たせたり、紙のシールを貼り付けたり、表面を粗して加筆性を持たせるといった材料を変える以外に筆記領域40とその他の領域との表面形状を変えることで筆記できるようにする。
【0086】
図15は、本発明に適用される印刷物10の一例を示す図である。
媒体への書き込み手段としては、例えば、接触型のサーマルヘッドや非接触型のレーザー光源が挙げられるが、いずれも加熱効率を考えると媒体表面は鏡面であることが望ましく、接触型の場合は、書き込み手段と媒体との接触性が直接記録エネルギーに影響し、記録に必要なエネルギー量によって、記録速度、書き込み手段の出力、電源容量、装置形状といった種々の要素に影響を及ぼすため、特に鏡面であることが非常に重要とされ、非接触型の場合も媒体表面での乱反射を生じるため、鏡面である方が望ましく、例えば、図15に示すように、筆記領域40とその他の領域との表面粗度を変えることも有効である。
【0087】
図16は、本発明が適用される印刷物10の構成例を示す図で、図中、35は、保護層である。
図16に示す印刷物10は形状が小さいために、携帯性、配布性に非常に優れており、また、印刷物10が樹脂や紙などでできているので、他の記録媒体に比べて非常に安価であるという特徴があり、例えば、雑誌の付録、催し物での情報の配布に適している。前述の用途においては、印刷物10の表面の耐機械性や耐環境性は重要であり、情報の読み取りに支障をきたさないよう図16に示す保護層35を持つことで記録層を保護する。
【0088】
ここで、接触式の書き込み手段の場合は、より大きな書き込みエネルギーが必要になるため、数μm程度の厚みにする必要があるが、非接触式の書き込み手段の場合は、光を吸収しない材料であれば数十μmの厚みでも問題ない。
保護層35に用いる材料は、例えば、PET樹脂といった透明性、書き込み温度以上の耐熱性を有し、光を吸収せず、導電率の低い材料が適する。
【0089】
図17は、本発明が適用される印刷物10に関わる印刷システムの構成例を示す図で、図中、100は、印刷物10のコピー、101は、書込/読取装置、102は、ネットワーク、110は、電子データ供給系であって、原稿111、スキャナ112、パーソナルコンピュータ(PC)113で構成され、120は、データ出力系であって、プリンタ121,デジタル複写機122で構成される。R1〜R9は、情報読取の流れ、W1〜W11は、情報書込の流れ、C1は、印刷物10複製の流れである。
【0090】
まず、PC113で電子化されたデータを符号化したコードと文書のサムネール部分のデータとを書込/読取装置101に送信する場合、直接送信する(W1)又は、ネットワーク102を介して送信する(W3)のどちらかの送信手段を用いて符号化したコードと文書のサムネール部分のデータを装置101に送信して、装置101で媒体に書き込みを行い、印刷物10を生成する(W2)。
【0091】
また、原稿111をスキャナ112で読み取り(W4)、スキャナ112から読み取った電子化されたデータをPC113に送信する場合、直接PC113に送信する(W5)又は、ネットワーク102を介してPC113に送信する(W6)のどちらかの送信手段を用いて電子化されたデータをPC113に送信して、PC113で受信した電子化されたデータを符号化したコードと文書のサムネール部分のデータとを装置101に送信し、装置101で媒体に書き込みを行ない、印刷物10を生成する。
【0092】
スキャナ112で読み取った原稿111を電子化したデータを装置101に送信する場合、直接装置101に送信する(W7)又は、ネットワーク102を介して装置101に送信する(W8)のどちらかの送信手段を用いて電子化されたデータを装置101に送信して、装置101で受信した電子化されたデータを符号化したコードと文書のサムネール部分のデータとを装置101で媒体に書き込みを行ない、印刷物10を生成する。
【0093】
また、原稿111を直接、装置101で読み取る(W9)場合、装置101で読み取り、電子化したデータを符号化したコードと文書のサムネール部分のデータとを装置101で媒体に書き込みを行ない、印刷物10を生成する、又は、装置101で読み取り、電子化したデータを直接PC113に送信する(W10)、ネットワーク102を介してPC113に送信する(W11)のどちらかの送信手段を用いて電子化されたデータをPC113に送信して、PC113で電子化されたデータを符号化したコードと文書のサムネール部分のデータとを装置101に送信し、装置101で媒体に書き込みを行ない、印刷物10を生成する。
【0094】
印刷物10に印刷された符号化したコードをスキャナ112で読み取り(R1)、読み取ったデータをPC113に送信する場合、直接PC113に送信する(R2)又は、ネットワーク102を介してPC113に送信する(R3)のどちらかの送信手段を用いて読み取ったデータをPC113に送信して、PC113で受信した読み取りデータを元の電子化されたデータに復元して、復元したデータをデータ出力系120に直接送信する(R4)又は、ネットワーク102を介してデータ出力系120に送信する(R5)のどちらかの送信手段を用いて復元したデータをデータ出力系120に送信して、データ出力系120のプリンタ121、デジタル複写機122を用いて文書を印刷する。
【0095】
印刷物10に印刷された符号化したコードを装置101で読み取り(R6)、装置101で読み取ったデータを元の電子化されたデータに復元して、復元したデータをデータ出力系120に直接送信する(R7)又は、ネットワーク102を介してデータ出力系120に送信する(R8)のどちらかの送信手段を用いて復元したデータをデータ出力系120に送信して、データ出力系120のプリンタ121,デジタル複写機122を用いて文書を印刷する。
【0096】
また、装置101で読み取ったデータをPC113に送信する場合、直接PC113に送信する(R9)又は、ネットワーク102を介してPC113に送信する(R8)のどちらかの送信手段を用いて読み取ったデータをPC113に送信して、PC113で受信した読み取りデータを元の電子化されたデータに復元して、復元したデータをデータ出力系120に送信して、データ出力系120のプリンタ121、デジタル複写機122を用いて文書を印刷する。
【0097】
装置101又は、スキャナ112において読み取られた印刷物10のデータは装置101で複製対象の媒体に対して書き込まれて、印刷物10のコピー100として複製される(C1)。
【0098】
図18は、本発明が適用される印刷物10に関連するシステムの構成例を示すブロック図で、図中、130は、文書ファイル、140は、印刷物10を生成する処理と印刷物10から電子化されたデータを復元する処理全体を制御する生成/処理プログラムであって、生成プログラム140aと処理プログラム140bからなり、150は、アプリケーションプログラム、160は、符号処理プログラムであって、エンコーダ160aとデコーダ160bからなり、170は画像形成装置であって、プリンタ121とスキャナ112で構成される。
【0099】
図19は、図18に示すシステムにおける印刷物10の生成処理の一例を説明するフローチャートである。まず、印刷物10の元となる文書ファイル130、例えば、MS−Word文書(MS−WordはMicrosoft社の商標)が生成/処理プログラム140に入力される(ステップS1)。ここで、文書ファイル130は複数のファイルから構成される場合もある。次に、文書ファイル130のエンコードを符号処理プログラム160のエンコーダ160aにより実施する(ステップS2)。エンコードされたデータとサムネール部分のデータを画像形成装置170のプリンタ121で印刷して印刷物10が生成される(ステップS3)。ここで、サムネール部分はサムネールでなくとも、人間が内容を理解できるような文章又は、画像であってもよい。
【0100】
図20は、図18に示すシステムにおける印刷物10から電子化されたデータを復元する処理の一例を説明するフローチャートである。まず、印刷物10を画像形成装置170のスキャナ112で読み取る(ステップS4)。スキャナ112で読み取られたデータは、例えば、TIFF形式で保存される。次に、読み取ったデータを符号処理プログラム160のデコーダ160bでデコードして(ステップS5)、文書ファイル130が復元される。
【0101】
次に、デコードにより得られた文書ファイル130に対応するアプリケーションプログラム150、本実施例では、MS−Wordプログラムを起動し、当該文書ファイル130を当該アプリケーションプログラム150上に読み込む(ステップS6)。アプリケーションプログラム150は、文書ファイル130を画像形成装置170のプリンタ121で印刷する(ステップS7)。印刷結果として、文書11dがプリンタ121から出力される。
【0102】
ここで、符号処理プログラム160は、ハードウェアにて実装される場合もあり、ハードウェアにて実装されると、プログラムにて実装される場合と比較して高速にエンコード、デコードを行うことができる。
【0103】
図21は、本発明が適用される印刷物10を処理するシステムの一例を示す図で、図中、113aは、PC113内の記憶装置であって、生成プログラム140aを格納し、123は、デジタル複写機であって、処理プログラム140bとアプリケーションプログラム150を格納する記憶装置123aを備える。PC113にはデジタル複写機122が接続されている。デジタル複写機122、123は、印刷物10を光学的に読み取るスキャナの機能と印刷機の機能とを有し、さらにFAX機能を有する場合もある。本実施例では生成プログラム140aは文書ファイル130を符号化するエンコーダ160aを含む。但し、生成プログラム140aとエンコーダ160aを別にすることも可能である。また、処理プログラム140bは印刷物10のコードを復号化するデコーダ160bを含む。但し、デコーダ160bと処理プログラム140bを別にすることも可能である。
【0104】
PC113は、記憶装置113aに格納された印刷物10の生成プログラム140aを実行して、文書ファイル130をエンコードし、デジタル複写機122で印刷物10を印刷する。印刷物10をこのまま配布してもよいし、デジタル複写機122の解像度以上の性能を有するデジタル複写機にて複製したものを配布してもよい。配布された印刷物10の保持者が印刷物10の記録内容を印刷する場合には、デジタル複写機123でスキャンする。デジタル複写機123の記憶装置123aに格納された処理プログラム140bにより、印刷物10のコード部分はデコードされ、記憶装置123aに一旦ファイルの形式で保存される。次に、処理プログラム140bがファイルの形式を検査し、ファイル形式に対応するアプリケーションプログラム150をデジタル複写機123が実行して、ファイル内容を印刷する。印刷した結果は、文書11dとしてデジタル複写機123から出力される。
【0105】
図22は、本発明が適用される印刷物10を処理するシステムの一例を示す図で、図中、114は、PC、124は、サーバであって、アプリケーションプログラム150を格納する記憶装置124aを備え、125,126は、プリンタである。
PC113にはプリンタ121が接続されており、デジタル複写機123はネットワーク102に接続され、ネットワーク102を介してプリンタ125と、サーバ124と、PC114が接続されている。PC114には、プリンタ126とスキャナ112が接続されている。
【0106】
(第1の実施例)
PC113は、記憶装置113aに格納された印刷物10の生成プログラム140aを実行して、プリンタ121で印刷物10を印刷する。印刷物10をこのまま配布してもよいし、プリンタ121の解像度以上の性能を有する複写機にて複製したものを配布してもよい。配布された印刷物10の保持者が印刷物10の記録内容を印刷する又はファイルとして取り出したいという場合には、デジタル複写機123でスキャンする。デジタル複写機123の記憶装置123aに格納された処理プログラム140bにより、印刷物10のコード部分はデコードされ、記憶装置123aに一旦ファイルの形式で保存される。次に処理プログラム140bがファイルの形式を検査し、ファイル形式に対応するアプリケーションプログラム150をデジタル複写機123が実行して、ファイル内容を印刷する。印刷した結果は、文書11dとしてデジタル複写機123から出力される。
【0107】
(第2の実施例)
印刷物10の保持者の指示により、デジタル複写機123の記憶装置123aに一旦保存されたファイルは、デジタル複写機123からネットワーク102を介して指定されたPC114に送信される。PC114にてファイル形式に対応するアプリケーションプログラム150を実行して、プリンタ126又はプリンタ125にて印刷することも可能である。また、ファイル形式に対応するアプリケーションプログラム150にてファイルの編集、加工することも可能である。
【0108】
(第3の実施例)
印刷物10の保持者の指示により、デジタル複写機123が、ファイル形式に対応するアプリケーションプログラム150を実行して、記憶装置123aに一旦保存されたファイルを、ネットワーク102を介して接続されているプリンタ125で印刷する。
【0109】
(第4の実施例)
印刷物10の保持者の指示により、記憶装置123aに一旦保存されたファイルは、ネットワーク102を介してサーバ124に送信される。サーバ124は、ファイル形式に対応したアプリケーションプログラム150を実行して、ネットワーク102を介して接続されたプリンタ125でファイル内容を印刷する。この時、サーバ124は、ファイル形式に対応したアプリケーションプログラム150を実行して、印刷用データを生成し、印刷用データをデジタル複写機123に返す。デジタル複写機123は印刷用データを用いて印刷することもできる。
【0110】
(第5の実施例)
デジタル複写機123の記憶装置123aにアプリケーションプログラム150が格納されていない場合には、デジタル複写機123の処理プログラム140bが、ファイルの形式を検査し、ファイル形式に対応するアプリケーションプログラム150をサーバ124にネットワーク102を介して要求する。サーバ124は、要求されたアプリケーションプログラム150を記憶装置124aから取り出してネットワーク102を介してデジタル複写機123に送信する。デジタル複写機123は受信したアプリケーションプログラム150を実行して、記憶装置123aに一旦保存されたファイルを印刷する。
【0111】
(第6の実施例)
デジタル複写機123を使用しない場合、例えば、PC114に接続したスキャナ112を用いて、印刷物10を光学的に読み取り、PC114が、PC114内に有する記憶装置(図示せず)に格納されている処理プログラム140bを用いてコード部分をデコードし、ファイルとして記憶装置に一旦格納する。処理プログラム140bにより記憶装置内のファイルの形式を検査し、PC114はファイル形式に対応するアプリケーションプログラム150を実行する。このアプリケーションプログラム150にてファイルを印刷するための印刷用データを生成する。生成された印刷用データを用いて、例えば、プリンタ126で印刷する。ネットワーク102を介して接続されたプリンタ125を用いて印刷することもできる。また、記憶装置内にファイルとして一旦保存した後、このファイルをネットワーク102を介してサーバ124に送信することもできる。
【0112】
図22に示す実施例においては、処理プログラム140bに印刷物10のコード部分を復号化するデコーダ160bが含まれているが、デジタル複写機123では処理プログラム140bにて印刷物10のコード部分をそのまま印刷用データにして、印刷物10の元となる文書ファイルを生成しない構成、より具体的には、印刷するために付加された誤り訂正符号や圧縮等を元に戻す処理を実施しないような構成も可能である。サーバ124の記憶装置124aにデコーダ160bを格納しておき、デジタル複写機123は印刷用データをネットワーク102を介してサーバ124に送信する。サーバ124は、デコーダ160bで印刷用データをデコードする。デコード結果をデジタル複写機123にネットワーク102を介して戻してもよいし、サーバ124でアプリケーションプログラム150を実行し、サーバ124からネットワーク102を介してデジタル複写機123、プリンタ125で印刷することもでき、PC114にデコード結果をネットワーク102を介して送信することもできる。
【0113】
図23は、本発明が適用される印刷物10の生成処理の一例を説明するフローチャートである。
まず、印刷物10の作成者に印刷するファイルを指定するように促す(ステップS11)。ファイルの指定は、1つだけでなく複数、例えば、1つの文書が複数ファイルで構成される場合や、2以上の文書を構成する複数のファイルを指定する場合もある。また、以下の処理を実施する前に、ユーザが指定したファイルを検査するような処理を実施してもよい。例えば、指定したファイルが読み取り専用である場合や、隠しファイルのプロパティが付されている場合には、プロパティを検査して以下の処理を実施してよいのか判断する。
【0114】
ステップS11の次に、文書のサムネール11dに印刷するページを指定するか作成者に尋ねる(ステップS12)。ここで、文書のサムネール11dに印刷するページを指定する場合には、印刷物10の作成者にページを指定するように促し、このページの指定を例えば、メモリに保存しておく(ステップS13)。もし、ステップS12でページ指定を行わない場合には、予め定められた最初の数ページを文書のサムネール11dに印刷するように指定し、このページの指定をメモリに保持しておく(ステップS14)。
【0115】
次に、チェックボックスを設けるか否か印刷物10の作成者に尋ねる(ステップS15)。作成者がチェックボックスを設ける場合には、チェックボックスの種類の指定を印刷物10の作成者に促し、チェックボックスの種類の指定を例えば、メモリに保持しておく(ステップS16)。ここで、チェックボックスの種類とは、印刷物10の作成者が印刷物10の保持者に許可する読取装置の行なう処理内容である。印刷物10の作成者がチェックボックスを使用しない場合にはステップS17に移行する。
【0116】
パスワードが必要か印刷物10の作成者に尋ねる(ステップS17)。印刷物10の作成者がパスワードを必要とした場合には、パスワードの入力を促し、パスワードの入力を例えば、メモリに保持しておく(ステップS18)。次に、セキュリティボックス14を使用するかを印刷物10の作成者に尋ねる(ステップS19)。印刷物10の作成者がセキュリティボックス14を使用する場合には、セキュリティボックス14の使用を指定する。この指定を例えば、メモリに保持しておく(ステップS20)。印刷物10の作成者がセキュリティボックスを使用しない場合にはステップS21に移行する。
【0117】
印刷物10の作成者に制御コードを使用するか尋ねる(ステップS21)。制御コードは、例えば、バーコード13aで表したり、コード12aの最初又は最後に含むことも可能である。制御コードを使用する場合には、制御コードに含ませる処理内容を印刷物10の作成者に指定するよう促し、ここで、処理内容とは、例えば、全ページ印刷、一部印刷、ファイル保存(送信及び保存を含む)のいずれかを行うか、印刷物10の保持者が処理内容を選択可能とするか、パスワード検査を実施するか、といった処理の指定である。この処理内容の指定を例えば、メモリに保持しておく(ステップS22)。制御コードを使用しない場合には、ステップS23に移行する。
【0118】
なお、パスワードを必要とする指定を行ったにもかかわらず、セキュリティボックスの指定も、制御コードにパスワードの指定もしない場合、ユーザにパスワードの取り扱いをどうするか尋ねる必要がある。但し、セキュリティボックス、制御コードを使用しない場合、読取装置においてデフォルトでセキュリティチェックを行うような設定がなされていればその必要はない。
【0119】
次に、書誌事項の決定を印刷物10の作成者に促し、この書誌事項の決定内容を例えば、メモリに保持しておく(ステップS23)。書誌事項とは、例えば、作成日、作成者、文書名、保存場所、ファイル容量、ページ数、印刷時における解像度といった事項である。
【0120】
次に、メモリに保持している、サムネール、チェックボックス、セキュリティボックス、書誌事項の指定に基づき印刷用データを作成する(ステップS24)。メモリに保持している、入力パスワード、指定した処理内容、ファイル内容をコード化し、印刷用データを生成する(ステップS25)。なお、入力パスワード、指定した処理内容、ファイル内容に用いる各コードのコード体系を変えることも、同一にすることも、一部同じにすることも可能である。
【0121】
ステップS24とS25にて生成した印刷用データに基づき、プリンタで印刷を実行する(ステップS26)。
【0122】
ここで、ステップS11で指定されるファイルのフォーマットを、タグ付きファイルフォーマットとすることも可能である。タグの部分にチェックボックス、セキュリティボックス、制御コード、パスワードの指定を埋め込んでおき、生成プログラムでは当該タグを解釈して印刷用データを生成する。ユーザが生成プログラムに対してチェックボックス、セキュリティボックス、制御コード、パスワードの指定を行うのではなく、ファイルに対して指定を行っておく。
【0123】
図24は、本発明が適用される印刷物10の読取処理の一例を説明するフローチャートである。まず印刷物10を光学的に読み取る(ステップS31)。読取内容を解析して、解析結果に基づき、セキュリティボックスが存在しているか判断する(ステップS32)。セキュリティボックスが存在していれば、印刷されたパスワードのコードをデコードする(ステップS33)。印刷されたパスワードのコードは、バーコード13a又は、コード12aの最初もしくは最後に含まれている。次に、セキュリティボックス内に記入されたパスワードと、デコードされたパスワードが等しいか判断する(ステップS34)。セキュリティボックス内に記入されたパスワードは、読取内容の解析処理における文字認識によって読み取られる。
【0124】
ステップS34の検査にてパスワードが正しく記入されていない場合には、処理不能である旨を印刷物10の保持者に表示する(ステップS43)。ステップS34の検査にてパスワードが正しく記入されている場合には、ステップS35に移行する。ステップS32においてセキュリティボックスがないと判断された場合もステップS35に移行する。
【0125】
制御コードが含まれているか判断する(ステップS35)。制御コードは、例えば、バーコード13aとして印刷されているか、コード12aの最初又は最後に印刷されている。この制御コードをデコードし、制御コード中にパスワード検査の指定があるか判断する(ステップS36)。制御コード中にパスワード検査の指定がある場合には、印刷されたパスワードのコードをデコードし(ステップS37)、印刷物10の保持者にパスワードの入力を促す(ステップS38)。印刷されたパスワードのコードは、例えば、バーコード13a又は、コード12aの最初又は最後に含まれる。
【0126】
ステップS37においてデコードされたパスワードとステップS38において入力されたパスワードを照合して、ステップS38において入力されたパスワードが正しくない場合、ステップS43に移行する。正しいパスワードが入力されていると判断すると、ステップS40に移行する。ここで、ステップS36において制御コードにパスワード検査の指定がないと判断された場合もステップS40に移行する。
【0127】
制御コードに含まれる処理内容の表示を行なう(ステップS40)。処理内容の選択が可能である場合、印刷物10の保持者は処理内容を選択する。文書の符号化領域のデコードを行い(ステップS41)、選択された処理内容を実行する(ステップS42)。選択された処理内容とは例えば、ファイルの送信、印刷、FAX送信である。
【0128】
また、ステップS35において制御コードが含まれないと判断した場合には、チェックボックスが含まれるか判断する(ステップS44)。チェックボックスが含まれていると判断した場合、ステップS41に移行して、文書の符号化領域をデコードし(ステップS41)、チェックボックスにて選択された処理内容を実行する(ステップS42)。
【0129】
ステップS44でチェックボックスが含まれていないと判断した場合には、文書の符号化領域をデコードし(ステップS45)、文書のファイル形式に対応するアプリケーションプログラム150を実行する(ステップS46)。そして、アプリケーションプログラム150を用いて文書の印刷を実行する(ステップS47)。
【0130】
図25は、本発明が適用される印刷物10の選択された処理内容の実行手順の一例を説明するフローチャートである。まず、選択された処理内容がファイル送信であるか判断する(ステップS51)。ファイル送信が選択されている場合、ファイルの送信先を印刷物10の保持者に指定するよう促す(ステップS58)。次に、指定されたファイルの送信先にファイルを送信する(ステップS59)。
【0131】
ステップS51においてファイルの送信でないと判断した場合には、選択された処理内容が全ページ印刷かを判断する(ステップS52)。全ページ印刷である場合、文書のファイル形式を検査し、当該ファイル形式に対応するアプリケーションプログラム150を実行する(ステップS60)。次に、アプリケーションプログラム150を用いて文書の印刷を実行する(ステップS61)。
【0132】
また、ステップS52において全ページ印刷でないと判断した場合には、選択された処理内容が一部印刷であるか判断する(ステップS53)。選択された処理内容が一部印刷である場合、文書のファイル形式を検査し、当該ファイル形式に対応するアプリケーションプログラム150を実行する(ステップS54)。次に、サムネール表示を行い、印刷物10の保持者に選択を促す(ステップS55)。ここで、サムネール表示を行わずに、単にページ番号を入力するように印刷物10の保持者に促すことも可能である。印刷物10の保持者は印刷する必要があるページを指定し、指定されたページを印刷する(ステップS56)。
【0133】
ステップS53において指定された処理内容が一部印刷でないと判断した場合には、本実施例では文書のファイルをデジタル複写機123又は、PC114に保存する(ステップS57)。ここで、文書のファイルを保存せずに、印刷物10の保持者に警告を発することも可能であるし、他に処理すべき事項があれば、その処理を実施することもできる。ここで、図25に示す選択された処理内容の実行手順における判断ステップは、どの順番で実行してもよい。
【0134】
前述の本発明における実施例は一例であって様々な処理構成が可能である。例えば、図23に示すフローチャートは、文書のサムネール11dにサムネールを印刷する処理の一例であるが、サムネールを印刷するか印刷物10の作成者に判断させ、サムネールを印刷しないという選択がなされた場合には、文書の要約を入力する欄を表示し、印刷物10の作成者に文章を入力させて、当該文章を印刷する構成も可能であり、また、自動的に文書の要約を生成するプログラムを実行して、そのプログラムが生成した要約文を印刷する構成も可能である。
【0135】
また、図23に示すフローチャートでは、チェックボックス、セキュリティボックス、制御コードの全てを印刷させることが可能となっていたが、それらの一部のみを印刷できるようにする構成も可能である。また、セキュリティボックスと制御コードの両方を用いてパスワード検査を実行させる設定にすることが可能であったが、一方のみでパスワードの検査を実行させる設定とすることも可能である。書誌事項についても、例えば、印刷物10の取り扱い注意、連絡先といった付加的な情報を含めることができる。
【0136】
図24に示すフローチャートでは、チェックボックスがない場合には、文書の印刷を行う設定としているが、記憶装置にファイルを格納するという構成も可能であり、デジタル複写機123の操作パネルにおいて実施可能な全ての処理内容を選択可能とする構成にすることもできる。また、チェックボックスがあると判断した場合でも、印刷物10の保持者によってはチェックボックスにチェックを付すのを忘れる場合があるため、デジタル複写機123の操作パネルにてどの処理を実施するか尋ねる構成とすることも可能である。
【0137】
また、図24に示すフローチャートにおいて、パスワードが正しく入力されなかった場合には、単に処理不能を表示するだけでなく、例えば、デジタル複写機123の操作パネルにおいて再度入力するように促すこともできる。
【0138】
(実施例1)
図13に示す感熱記録媒体にCTCフィルム、透明光吸収発熱層33にフタロシアニン系の材料、書き込み手段に2540dpiで書き込み可能な85mW半導体レーザ、読み取り手段に1270dpi、2540dpiで読み取り可能な読取装置を用いて、下記の各媒体サイズに各種の書込/読取を行った結果、いずれも安定した画像書き込みとコード読み取りができ、表1に示す容量が得られ、安価な記憶媒体として充分使用できることを確認した。ただし、媒体(5)、(6)に対しては、書き込み手段の4スポットで1画素を形成して1270dpiのコードを形成した。
(1)54×85.5mm(カードサイズ)、厚み0.25mm、図13(A)の構成
(2)54×85.5mm(カードサイズ)、厚み0.8mm、図13(C)の構成
(3)55×91mm(名刺サイズ)、厚み0.25mm、図13(A)の構成(4)55×91mm(名刺サイズ)、厚み0.8mm、図13(C)の構成
(5)100×148mm(葉書きサイズ)、厚み0.25mm、図13(A)の構成
(6)100×148mm(葉書きサイズ)、厚み0.8mm、図13(C)の構成
【0139】
【表1】
【0140】
(実施例2)
感熱記録媒体にCTCフィルム、書き込み手段に600dpiで書き込み可能なサーマルヘッド、読み取り手段に1200dpiで読み取り可能なスキャナを用いて、下記の各媒体サイズに各種の書込/読取を行った結果、いずれも安定した画像書き込みとコード読み取りができ、表2に示す容量が得られ、安価な記憶媒体として充分使用できることを確認した。
(1)54×85.5mm(カードサイズ)、厚み0.25mm
(2)54×85.5mm(カードサイズ)、厚み0.8mm
(3)55×91mm(名刺サイズ)、厚み0.25mm
(4)55×91mm(名刺サイズ)、厚み0.8mm
(5)100×148mm(葉書きサイズ)、厚み0.25mm
(6)100×148mm(葉書きサイズ)、厚み0.8mm
【0141】
【表2】
【0142】
(実施例3)
感熱記録媒体にCTCフィルム、書き込み手段に600dpiで書き込み可能なサーマルヘッドを用いて、図8(A)に示す幅100mmのロール形状で供給される下記の各厚みの媒体に対して画像書き込みを行い、表3に示す項目について評価した結果、総合的には0.05〜0.2mmが良好な性能であった。
(1)厚み0.025mm
(2)厚み0.05mm
(3)厚み0.1mm
(4)厚み0.2mm
(5)厚み0.25mm
【0143】
【表3】
【0144】
図13(A)に示す感熱記録媒体にCTCフィルム、透明光吸収発熱層33にフタロシアニン系の材料、書き込み手段に1270dpiで書き込み可能なサーマルヘッドを用いて、図8(B)に示すサイズ54×85.5mmのカード形状で供給される下記の各厚みの媒体に対して画像書き込みを行い、表4に示す項目について評価した結果、総合的には0.2〜1.0mmが良好な性能であった。
(1)厚み0.1mm
(2)厚み0.2mm
(3)厚み0.8mm
(4)厚み1mm
(5)厚み1.5mm
【0145】
【表4】
【0146】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によると、
通常の紙、消去及び書き込み可能な感熱シート、感熱紙といった記録媒体に対し、例えば、文字、図、写真、音、動画といった電子化されたデータを所定の読取装置により読み取り可能なコードに符号化してデータを記録する領域と、例えば、文書のサムネールといった人間により読み取り可能な情報を印刷する領域を持たせることで、電子化されたデータを配布、携帯することができる。
【0147】
記録媒体のサイズを葉書サイズ以下にすることで、配布性、携帯性、使い勝手に優れた媒体を提供することができる。
【0148】
記録媒体への印刷手段に感熱記録を用いてデータを記録することにより、大容量のデータが保持可能となる高精細コードの書き込み手段と読み取り手段を低コスト、省スペースで実現することができる。
【0149】
印刷物に所定の読取装置にて行わせる処理内容を指定する制御コード、チェックボックスを印刷して、パスワードの設定も可能としたことで、当該印刷物に関連する効率的かつ簡便な印刷システムを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用される感熱記録媒体(印刷物)の一例を示す図である。
【図2】 本発明が適用される印刷物の一例を示す図である。
【図3】 本発明が適用される印刷物の一例を示す図である。
【図4】 本発明が適用される印刷物の一例を示す図である。
【図5】 本発明が適用される印刷物の一例を示す図である。
【図6】 本発明が適用される印刷物の一例を示す図である。
【図7】 本発明が適用される印刷物の一例を示す図である。
【図8】 本発明が適用される印刷物に用いる媒体の供給状態の一例を示す図である。
【図9】 本発明が適用される印刷物のコードの開始と終了を表すマークの一例を示す図である。
【図10】 本発明が適用される印刷物のコードが濃度差を区別できる複数の濃度で形成された一例を示す図である。
【図11】 本発明が適用される印刷物のコードが識別可能な複数色で形成された一例を示す図である。
【図12】 本発明が適用される印刷物の構成例を示す図である。
【図13】 本発明が適用される印刷物の構成例を示す図である。
【図14】 本発明が適用される印刷物の一例を示す図である。
【図15】 本発明が適用される印刷物の一例を示す図である。
【図16】 本発明が適用される印刷物の構成例を示す図である。
【図17】 本発明が適用される印刷物に関わるシステムの構成例を示す図である。
【図18】 本発明が適用される印刷物に関連するシステムの構成例を示すブロック図である。
【図19】 図18に示すシステムにおける印刷物の生成処理の一例を説明するフローチャートである。
【図20】 図18に示すシステムにおける印刷物から電子化されたデータを復元する処理の一例を説明するフローチャートである。
【図21】 本発明が適用される印刷物を処理するシステムの一例を示す図である。
【図22】 本発明が適用される印刷物を処理するシステムの一例を示す図である。
【図23】 本発明が適用される印刷物の生成処理の一例を説明するフローチャートである。
【図24】 本発明が適用される印刷物の読取処理の一例を説明するフローチャートである。
【図25】 本発明が適用される印刷物の選択された処理内容の実行手順の一例を説明するフローチャートである。
【図26】 CCDセンサーと専用の光学系からなる読取装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1…CCD素子、2…レンズ、3…ミラー、4…光源、10…感熱記録媒体(印刷物)、11…第2領域、12…第1領域、13…第4領域、14…セキュリティボックス、15…第3領域、20,22…マーク、21…コード、30…発色層、31…光吸収発熱層、32…基板、33…透明光吸収発熱層、34…発色層30と透明光吸収発着層33を一体化した層、35…保護層、40…筆記領域、100…印刷物10のコピー、101…書込/読取装置、102…ネットワーク、110…電子データ供給系、111…原稿、112…スキャナ、113,114…PC、120…データ出力系、121,125,126…プリンタ、122,123…デジタル複写機、124…サーバ、130…文書ファイル、140…生成/処理プログラム、150…アプリケーションプログラム、160…符号処理プログラム、170…画像形成装置。
Claims (31)
- 電子化されたデータを記録する記録媒体であって、該媒体は、電子化されたデータ全体が所定の読取装置により読み取り可能なコードに予め符号化されて印刷されている第1領域と、文書の内容を示す情報が人間により読み取り可能な状態にて印刷されている第2領域とから成り、前記媒体は、前記所定の読取装置により読取可能なコードに符号化されたパスワードが印刷され、さらに、ユーザがパスワードを入力する領域を有することを特徴とする感熱記録媒体。
- 請求項1において、前記媒体は、前記第1領域と、前記第2領域とを両面に有することを特徴とする感熱記録媒体。
- 請求項1において、前記媒体は、前記第1領域と、前記第2領域とを片面に有し、他の片面には前記第1領域を有することを特徴とする感熱記録媒体。
- 請求項1において、前記媒体は、前記第1領域を片面に有し、他の片面には前記第2領域を有することを特徴とする感熱記録媒体。
- 請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記媒体のサイズは、パーソナルコンピュータの5インチベイ(開口部の巾)に挿入可能なサイズであることを特徴とする感熱記録媒体。
- 請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記媒体のサイズは、葉書サイズであることを特徴とする感熱記録媒体。
- 請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記媒体のサイズは、パーソナルコンピュータの3.5インチベイ(開口部の巾)に挿入可能なサイズであることを特徴とする感熱記録媒体。
- 請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記媒体のサイズは、名刺サイズ以下であることを特徴とする感熱記録媒体。
- 請求項1ないし8のいずれかにおいて、前記媒体の厚みが、0.05〜1mmであることを特徴とする感熱記録媒体。
- 請求項1ないし9のいずれかにおいて、前記媒体は、前記所定の読取装置が行なう処理内容を指定するためのチェックボックスが印刷されている第3領域を有することを特徴とする感熱記録媒体。
- 請求項1ないし10のいずれかにおいて、前記媒体は、前記所定の読取装置が行なう所定の処理の実行を命ずる制御コードが印刷されている第4領域を有することを特徴とする感熱記録媒体。
- 請求項1ないし11のいずれかにおいて、前記媒体は、前記コードを画素レベルで読み取るために、読み取り画素位置を決定するマークが感熱印刷されていることを特徴とする感熱記録媒体。
- 請求項1ないし12のいずれかにおいて、前記媒体は、前記コードが濃度差を区別できる複数の濃度で形成されていることを特徴とする感熱記録媒体。
- 請求項1ないし12のいずれかにおいて、前記媒体は、前記コードが識別可能な複数色で形成されていることを特徴とする感熱記録媒体。
- 請求項1ないし14のいずれかにおいて、前記媒体は、光を吸収して熱に変換し、発色させる光吸収層を有することを特徴とする感熱記録媒体。
- 請求項15において、前記媒体は、前記光吸収層が透明であることを特徴とする感熱記録媒体。
- 請求項1ないし16のいずれかにおいて、前記媒体は、該媒体の表面の一部に筆記性を有する領域を持つことを特徴とする感熱記録媒体。
- 請求項1ないし17のいずれかにおいて、前記媒体は、少なくとも前記コード記録領域の表面が鏡面であることを特徴とする感熱記録媒体。
- 請求項1ないし18のいずれかにおいて、前記媒体は、該媒体の表面に保護層を有することを特徴とする感熱記録媒体。
- 請求項1ないし19のいずれかに記載の感熱記録媒体の印刷装置において、該装置は、前記電子化されたデータを選択する選択手段と、該電子化されたデータを所定の読取装置により読み取り可能なコードに符号化する符号化手段と、前記第1領域に前記コードを印刷し、前記第2領域に前記人間により読み取り可能な情報を印刷する印刷手段とを有し、前記印刷手段は、前記媒体の任意の領域に前記符号化されたパスワードを印刷することを特徴とする印刷装置。
- 請求項20において、前記印刷手段は、前記第3領域に前記チェックボックスを印刷することを特徴とする印刷装置。
- 請求項20または21において、前記印刷手段は、前記第4領域に前記制御コードを印刷することを特徴とする印刷装置。
- 請求項20ないし22のいずれかにおいて、前記印刷手段は、前記第2領域に印刷される前記人間により読み取り可能な情報の少なくとも一部をユーザが指定できることを特徴とする印刷装置。
- 請求項1ないし19のいずれかに記載の感熱記録媒体の印刷方法において、前記電子化されたデータを選択する選択ステップと、該電子化されたデータを所定の読取装置により読み取り可能なコードに符号化する符号化ステップと、前記第1領域に前記コードを印刷し、前記第2領域に前記人間により読み取り可能な情報を印刷する印刷ステップとからなることを特徴とする印刷方法。
- 請求項24に記載の印刷方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納するコンピュータ読取可能な記憶媒体。
- 請求項1ないし19のいずれかに記載の感熱記録媒体の印刷システムにおいて、前記第1領域に印刷されている前記コードを光学的に読み取る読取手段と、前記第1領域に印刷されている前記コードを前記電子化されたデータに復元する復元手段と、復元された前記電子化されたデータのファイル形式に対応したアプリケーションプログラムを実行し、該電子化されたデータを文書として印刷する印刷手段とを有することを特徴とする印刷システム。
- 請求項26において、前記印刷手段は、前記電子化されたデータのファイル形式に対応するアプリケーションプログラムを、ネットワークを介して該プログラムを格納するサーバから読み出すことを特徴とする印刷システム。
- 請求項26または27において、復元された前記電子化されたデータを、ネットワークを介して接続された所定の装置に送信する送信手段を有することを特徴とする印刷システム。
- 請求項26ないし28のいずれかにおいて、前記媒体における前記第1領域に印刷されている前記コードと前記第3領域に印刷されている前記チェックボックスとを光学的に読み取る読取手段と、前記第1領域に印刷されている前記コードを前記電子化されたデータに復元する復元手段と、前記読取手段により読み取られたチェックの付された前記チェックボックスに対応した処理内容に基づき、復元された前記電子化されたデータに対して所定の処理を行なう処理手段とを有することを特徴とする印刷システム。
- 請求項26ないし29のいずれかにおいて、前記媒体における前記第1領域に印刷されている前記コードと前記第4領域に印刷されている前記制御コードとを光学的に読み取る読取手段と、前記第1領域に印刷されている前記コードを前記電子化されたデータに復元し、前記第4領域に印刷されている前記制御コードを復元する復元手段と、前記復元手段により復元された前記制御コードに対応した処理内容に基づき、復元された前記電子化されたデータに対して所定の処理を行なう処理手段とを有することを特徴とする印刷システム。
- 請求項26ないし30のいずれかにおいて、前記媒体における前記第1領域に印刷されている前記コードと任意の領域に印刷されている符号化されたパスワードとパスワード入力領域にユーザにより入力されたパスワードとを光学的に読み取る読取手段と、前記第1領域に印刷されている前記コードを前記電子化されたデータに復元し、前記符号化されたパスワードを復元する復元手段と、該復元手段により復元されたパスワードと前記ユーザ入力されたパスワードとを照合し、該ユーザ入力されたパスワードが正しければ、ユーザを認証する認証手段とを有することを特徴とする印刷システム。
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