JP2007079887A - 電子ペン、画像記録システム及び情報消去方法 - Google Patents

電子ペン、画像記録システム及び情報消去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 視覚で認識する用紙上のインクとデータとしての筆跡情報との不一致の防止を可能にする。
【解決手段】 ヘッドにより印刷物500上で消去される消去幅d2は、消色インクによる線幅d1よりも大きい(d2>d1)。また、線幅d1及び消去幅d2は、印刷物500の最小検出単位d3と同一又はそれよりも大きい(d3≦d1≦d2)。消色範囲を画定する半径Rは、視覚的に消去する消去幅d2の半分以上の任意の値である(R≧d2/2)。そして、筆跡位置情報Tdrawのうちの、消跡位置情報Teraseの各座標位置を中心にする半径Rの円内に存在するものすべてを消去する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、電子ペン、画像記録システム及び情報消去方法に関し、より詳細には、手書きした内容がコンピュータに送信可能な電子ペン等に関するものである。
近年、細かなドットが印刷された特殊な用紙に文字や絵を描き、ユーザがこの用紙上に書いた文字等のデータをパソコンや携帯電話等に転送し、この内容の保存や、メール送信を可能にする技術が注目されている。この技術では、この特殊な用紙に例えば0.3mm程度の間隔にて小さなドットが印刷され、これが例えば所定の大きさのグリッドごとに、全て異なるパターンを描くように構成されている。これを、例えばデジタルカメラを内蔵した電子ペンを用いて読み込むことで、この特殊な用紙上に書かれた線図等の位置を特定することができ、このような線図等を電子情報として利用することが可能となる。
ここで、電子ペンによる手書きを行った場合、誤記の修正等のために、一度書かれた線図等を消したい場合がある。このような場合、手書きイメージが電子情報としても入力される電子ペンでは、実際に用紙表面に書かれたイメージと電子的に入力されたイメージデータとを共に消去することが必要となる。
このため、従来から、電子ペンで手書きされたイメージを消去するための技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術は、用紙に記録された位置情報を表すドットを撮影し、撮影されたドットの動きから消しゴムの移動軌跡を認識している。具体的には、ペン部で特殊な用紙に書かれた文字等の情報を消去するための消しゴムと、用紙上における消しゴムの軌跡を撮影するためのカメラとを備えている。また、カメラにて撮影された軌跡から消しゴムによる消し跡情報を算出する制御部と、情報処理機器との間で通信する通信部とを備えている。この制御部は、ペン部による筆跡情報と消しゴムによる消し跡情報とを、時系列にメモリに記録する。通信部は、制御部の制御により読み出された筆跡情報及び消し跡情報をこれらの時系列状態が認識可能となるような形態で送信する。
特開2004−94558号公報(第4〜5頁、図1)
しかしながら、上述した従来技術において、カメラは、所定の用紙上のドット状のコード情報を読み取るものであり、所定の用紙上に記入されたインクの軌跡を検知しない。その一方で、ユーザは、所定の用紙上に記入されたインク自体を認識して記入内容を把握するものである。
このように、ユーザの認識と、用紙背景のドット状のコード上方による消色情報とは必ずしも一致しない場合がある。そして、所定の用紙上に記入されたインクを消色する場合にも、ユーザの認識した消色情報と、用紙背景のドット状のコード情報による消色情報とは必ずしも一致しない場合があり得る。
すなわち、ユーザが消しゴムで用紙上のインクを消したものの、消し跡情報が筆跡情報に反映されず、消えていなければならない筆跡情報がそのまま消されずに残っているということもあり得る。したがって、かかる不一致が発生することは、ユーザにとって使いにくい。このように、従来の技術では、消しゴムで用紙上のインクを消す場合における使い勝手に問題があった。
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、視覚で認識する用紙上のインクとデータとしての筆跡情報との不一致の防止を可能にすることにある。
かかる目的のもと、本発明が適用される電子ペンは、コード情報を変換して得たコード画像が印刷された印刷物に記入された画像の筆跡位置情報を取得するものであって、印刷物に記入された画像を印刷物において所定の消去幅をもって消去する画像消去手段と、画像消去手段の印刷物における軌跡を消跡位置情報として取得する取得手段と、取得手段により取得された消跡位置情報に対して所定の領域内にある画像の筆跡位置情報を消去する情報消去手段と、を含むものである。
情報消去手段は、取得手段により取得された消跡位置情報によって特定される印刷物上の位置を中心とする所定の円内にある画像の筆跡位置情報を消去し、所定の円の半径は、画像消去手段に係る消去幅の半分に所定の加算値を加えた値であることを特徴とすることができる。そして、所定の加算値として、取得手段が取得する消跡位置情報により特定される印刷物上の各位置の最小離間距離の21/2/2倍の値を採用することができる。
また、画像消去手段に係る消去幅は、電子ペンにより印刷物に記入される線の幅と同一又はそれよりも大きいことを特徴とすることができる。そして、電子ペンにより印刷物に記入される線の幅は、取得手段が取得する消跡位置情報により特定される印刷物上の各位置の最小離間距離と同一又はそれよりも大きいことが好ましい。
他の観点から捉えると、本発明が適用される電子ペンは、コード情報を変換して得たコード画像が印刷された印刷物に記入された画像を印刷物において所定の消去幅をもって消去する画像消去手段と、画像消去手段の印刷物における軌跡を消跡位置情報として取得する取得手段と、取得手段により取得された消跡位置情報に対して所定の領域内にある印刷物上の領域を演算する演算手段と、演算手段による演算結果を外部機器に送出する送出手段と、を含むものである。
この演算手段は、取得手段により取得された消跡位置情報によって特定される印刷物上の位置を中心とする所定の円内にある印刷物上の領域を演算するものであり、所定の円の半径は、画像消去手段に係る消去幅の半分に所定の加算値を加えた値であることを特徴とすることができる。また、画像消去手段に係る消去幅は、電子ペンにより印刷物に記入される線の幅と同一又はそれよりも大きいことを特徴とすることができる。
更に本発明を別の観点から捉えると、本発明が適用される画像記録システムは、コード情報を変換して得たコード画像が印刷された印刷物に画像を筆記する筆記部の軌跡を筆跡位置情報として取得する筆跡位置情報取得手段と、印刷物に筆記された画像を印刷物において所定の消去幅をもって消去する消去部の軌跡を消跡位置情報として取得する消跡位置情報取得手段と、消跡位置情報取得手段により取得された消跡位置情報に対して所定の領域内にある印刷物上の消去対象領域を演算する演算手段と、演算手段により演算された消去対象領域を筆跡位置情報取得手段により取得された筆跡位置情報から除外する処理を行う処理手段と、を含むものである。
また別の観点では、本発明は、コード情報を変換して得たコード画像が印刷された印刷物上で消去される画像の筆跡位置情報を消去する消去方法と捉えることができる。すなわち、本発明が適用される情報消去方法は、印刷物において所定の消去幅をもって消去する画像消去手段の軌跡を消跡位置情報として取得する取得ステップと、取得ステップにより取得された消跡位置情報に対して所定の領域内にある画像の筆跡位置情報を消去する情報消去ステップと、を含むものである。
本発明によれば、視覚で認識する用紙上のインクとデータとしての筆跡情報との不一致の防止が可能になる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用されるシステムの構成の一例を示したものである。このシステムは、少なくとも、電子文書の印刷を指示する端末装置100と、電子文書を印刷する際に媒体に付与する識別情報を管理し電子文書の画像にこの識別情報等を含むコード画像を重畳した画像を生成する識別情報管理サーバ200と、電子文書を管理する文書管理サーバ300と、電子文書の画像にコード画像を重畳した画像を印刷する画像形成装置400とがネットワーク900に接続されることにより構成されている。
また、識別情報管理サーバ200には、識別情報を記憶する記憶装置としての識別情報リポジトリ(repository)250が接続され、文書管理サーバ300には、電子文書を記憶する記憶装置としての文書リポジトリ350が接続されている。
更に、このシステムは、端末装置100からの指示により画像形成装置400にて出力される印刷物500と、印刷物500に文字又は図形を記録し、その文字又は図形の記録情報を読み取るペンデバイス600とを含む。また、ネットワーク900には、文書管理サーバ300で管理される電子文書とペンデバイス600により読み取られた記録情報とを重ね合わせて表示する端末装置700も接続されている。
なお、本明細書では、「電子文書」の文言を用いるが、これは、テキストを含む「文書」を電子化したデータのみを意味するものではない。例えば、絵、写真、図形等の画像データ(ラスタデータかベクターデータかによらない)、その他の印刷可能な電子データも含めて「電子文書」としている。
以下、本システムの動作の概略を説明する。
まず、端末装置100は、識別情報管理サーバ200に対し、文書リポジトリ350にて管理されている特定の電子文書の画像にコード画像を重畳して印刷するよう指示する(A)。このとき、端末装置100からは、用紙サイズ、向き、縮小/拡大、N−up(用紙の1ページ内に電子文書のNページを割り付ける印刷)、両面印刷等の印刷属性も入力される。
これにより、識別情報管理サーバ200は、印刷を指示された電子文書を文書管理サーバ300から取得する(B)。そして、取得した電子文書の画像に対し、識別情報リポジトリ250にて管理されている識別情報と、印刷属性に応じて決定された位置情報とを含むコード画像を付与し、画像形成装置400にその印刷を指示する(C)。なお、ここにいう識別情報とは、電子文書の画像が印刷された個々の媒体(用紙)を一意に識別する情報をいい、位置情報とは、個々の媒体上の座標位置(X座標、Y座標)を特定するための情報をいう。また、コード画像は、位置情報のみを含むものであってもよい。
その後、画像形成装置400は、識別情報管理サーバ200からの指示に従い、印刷物500を出力する(D)。
一方、ユーザが、ペンデバイス600を用いて印刷物500に文字又は図形を記録(筆記)したとする(E)。これにより、ペンデバイス600の撮像素子が、印刷物500上の一定の領域を捕捉し、位置情報及び識別情報を得る。そして、位置情報に基づいて求められた文字又は図形の筆跡位置情報と、識別情報とが、無線又は有線により端末装置700へ転送される(F)。なお、本システムでは、赤外光の吸収率が所定の基準よりも高い不可視トナーを用いて不可視画像を形成し、赤外光の照射及び検知が可能なペンデバイス600によって不可視画像を読み取ることを可能にしている。
その後、端末装置700は、識別情報管理サーバ200に識別情報を送信することにより、この識別情報に対応する電子文書の送信を要求する。識別情報管理サーバ200は、この要求を受けると、文書管理サーバ300から識別情報に対応する電子文書を取得し、端末装置700に送信する(G)。その結果、端末装置700には、識別情報管理サーバ200から送られた電子文書とペンデバイス600から送られた筆跡位置情報とが合成され表示される。
ただし、このような構成はあくまで一例であり、識別情報管理サーバ200の機能と文書管理サーバ300の機能とを1台のサーバに持たせてもよいし、識別情報管理サーバ200の機能を画像形成装置400の画像処理部にて実現してもよい。
次に、本システムの構成及び動作について、より詳細に説明する。
図2は、識別情報管理サーバ200の構成の一例を示す図である。
識別情報管理サーバ200は、受信部20aと、対応情報管理部21と、対応情報データベース(DB)22と、情報分離部23と、文書画像生成部24と、文書画像バッファ25と、コード画像生成部26と、コード画像バッファ27と、画像合成部29と、送信部20bとを備えている。
また、コード画像生成部26は、位置情報符号化部26aと、位置コード生成部26bと、識別情報符号化部26cと、識別コード生成部26dと、コード配置部26gと、パターン格納部26hと、パターン画像生成部26iとを備えている。
受信部20aは、印刷指示、印刷対象の電子文書等の各種情報をネットワーク900から受信する。
対応情報管理部21は、対応情報DB22への情報の登録、及び、対応情報DB22からの情報の読み出しを行う。対応情報DB22は、媒体を識別する識別情報や、その媒体に印刷された画像の元となる電子文書の格納場所等の対応を記憶するデータベースである。
情報分離部23は、対応情報管理部21から受け渡された情報を、文書画像の生成に必要な情報と、コード画像の生成に必要な情報とに分離する。文書画像生成部24は、情報分離部23によって分離された文書画像の生成に必要な情報に基づいて、電子文書を画像化し、文書画像バッファ25へ格納する。
コード画像生成部26は、情報分離部23によって分離されたコード画像の生成に必要な情報に基づいて、コード画像を生成し、コード画像バッファ27へ格納する。画像合成部29は、文書画像バッファ25に格納されている文書画像と、コード画像バッファ27に格納されているコード画像とを合成する。送信部20bは、画像合成部29による合成後の画像を出力する指示を、PostScript等に代表されるPDL(Page Description Language)として画像形成装置400へ送信する。
位置情報符号化部26aは、位置情報を所定の符号化方式により符号化する。この符号化には、例えば、既知の誤り訂正符号であるRS(リードソロモン)符号やBCH符号を用いることができる。また、誤り検出符号として、位置情報のCRC(Cyclic Redundancy Check)やチェックサム値を計算し、それを冗長ビットとして位置情報に付加することもできる。また、疑似雑音系列の一種であるM系列符号を位置情報として利用することもできる。M系列符号は、P次のM系列(系列長2P−1)の場合、M系列から長さPの部分系列を取り出したときに、その部分系列に現われるビットパターンがM系列中に一度しか現われない性質を利用して符号化を行うものである。
位置コード生成部26bは、符号化された位置情報を、コード情報として埋め込む形式に変換する。例えば、第三者による解読が困難になるように、符号化された位置情報における各ビットの配置を、疑似乱数等により入れ替えたり暗号化したりすることができる。また、位置コードが2次元配置される場合は、ビット値をコードの配置と同様に2次元配置しておく。
なお、本実施の形態において、位置情報符号化部26aは、印刷属性ごとに予め生成され格納された符号化位置情報の中から、情報分離部23から渡された印刷属性に応じた符号化位置情報を選択するものとする。用紙サイズ、向き、縮小/拡大、N−up等の印刷が決まれば、用紙上に印刷する位置コードは1つに特定できるからである。
一方、印刷属性が常に同じ場合は、用紙上に印刷する位置コードも常に同じになる。従って、同じ印刷属性での印刷のみを行う場合は、位置情報符号化部26aと位置コード生成部26bとをまとめて、1セットの位置コードを格納する位置コード格納部とし、常にその位置コードを用いるようにしてもよい。
識別情報符号化部26cは、識別情報が入力されると、識別情報を所定の符号化方式により符号化する。この符号化には、位置情報の符号化に使用したのと同様の方式を使用することができる。
識別コード生成部26dは、符号化された識別情報を、コード情報として埋め込む形式に変換する。例えば、第三者による解読が困難になるように、符号化された識別情報における各ビットの配置を、疑似乱数等により入れ替えたり暗号化したりすることができる。また、識別コードが2次元配置される場合は、ビット値をコードの配置と同様に2次元配置しておく。
コード配置部26gは、コードと同じ形式に配置された符号化位置情報と符号化識別情報とを合成し、出力画像サイズに相当する2次元コード配列を生成する。このとき、符号化位置情報としては、配置位置により異なる位置情報を符号化した符号を使用し、符号化識別情報としては、位置によらず同じ情報を符号化した符号を使用する。
パターン画像生成部26iは、2次元コード配列における配列要素のビット値を確認し、各ビット値に対応するビットパターン画像をパターン格納部26hより取得して、2次元コード配列を画像化したコード画像として出力する。
なお、これらの機能部分は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。具体的には、識別情報管理サーバ200の図示しないCPUが、受信部20a、対応情報管理部21、情報分離部23、文書画像生成部24、コード画像生成部26、画像合成部29、送信部20bの各機能を実現するプログラムを外部記憶装置から主記憶装置に読み込んで処理を行う。
次に、この識別情報管理サーバ200が端末装置100からの指示に応じて画像形成装置400に対し画像出力指示を送信する際の動作について説明する。
識別情報管理サーバ200では、まず、受信部20aが、端末装置100から印刷対象の電子文書の格納場所の指定と印刷属性とを含む印刷指示を受信する。そして、受信した情報のうち、印刷属性は対応情報管理部21に受け渡され、対応情報管理部21がこの印刷属性を保持する。また、電子文書の格納場所は送信部20bに受け渡され、送信部20bがこの格納場所から印刷対象の電子文書を取得する要求を文書管理サーバ300に送出する。
これにより、文書管理サーバ300が印刷対象の電子文書を識別情報管理サーバ200へ送信し、識別情報管理サーバ200では、受信部20aがこの電子文書を受信し、対応情報管理部21に受け渡す。そして、対応情報管理部21は、識別情報リポジトリ250から識別情報を取り出し、識別情報と電子文書の格納場所との対応を対応情報DB22に登録する。また、印刷対象の電子文書の特定の位置を指定することにより参照対象の電子文書にリンクするようになっている場合は、その位置情報と参照対象の電子文書の格納場所との対応も対応情報DB22に登録する。
このように対応情報DB22に情報の登録を行うと、対応情報管理部21は、電子文書と、識別情報と、先に保持しておいた印刷属性とを、情報分離部23に受け渡す。
情報分離部23は、受け渡された情報を、コード生成に必要な情報(識別情報及び印刷属性)と、文書画像の生成に必要な情報(電子文書)とに分離し、前者をコード画像生成部26に、後者を文書画像生成部24に出力する。
これにより、位置情報符号化部26aで、印刷属性に対応する位置情報が符号化され、位置コード生成部26bで、符号化された位置情報を示す位置コードが生成される。また、識別情報符号化部26cで、識別情報が符号化され、識別コード生成部26dで、符号化された識別情報を示す識別コードが生成される。
そして、コード配置部26gにより出力画像サイズに相当する2次元コード配列が生成され、パターン画像生成部26iにより2次元コード配列に対応するパターン画像が生成される。
一方で、文書画像生成部24が、電子文書の文書画像を生成する。
そして、最後に、この文書画像生成部24が生成した文書画像と、先にコード画像生成部26が生成したコード画像とが、画像合成部29にて合成され、送信部20bに受け渡される。
そして、送信部20bは、画像合成部29で合成され送信部20bに受け渡された合成画像を画像形成装置400に対して送信する。これにより、送信部20bから、合成後の画像の出力指示が画像形成装置400に対して送信される。
この画像出力指示に応じて、画像形成装置400は、印刷対象の電子文書の文書画像とコード画像との合成画像を媒体の面に印刷し、ユーザは印刷物500を得ることになる。
次に、画像形成装置400について詳細に説明する。
図3は、画像形成装置400の構成例を示した図である。図3に示す画像形成装置400は、所謂タンデム型の装置であって、例えば、電子写真方式にて各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット41(41Y、41M、41C、41K、41I)と、各画像形成ユニット41にて形成された各色成分トナー像を順次転写(一次転写)して保持させる中間転写ベルト46とを備えている。また、画像形成装置400は、中間転写ベルト46上に転写された重ね画像を、用紙カセット430からの用紙(媒体)Pに一括転写(二次転写)させる二次転写装置410と、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置440とを備えている。
この画像形成装置400では、常用色(通常色)であるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナー像を形成する画像形成ユニット41Y、41M、41Cの他に、赤外に吸収を持たない黒(K)のトナー像を形成する画像形成ユニット41K、不可視のトナー像を形成する画像形成ユニット41Iがタンデムを構成する画像形成ユニットの一つとして設けられている。なお、トナーの組成については、後で詳しく述べる。
本実施の形態において、各画像形成ユニット41(41Y、41M、41C、41K、41I)は、矢印U方向に回転する感光体ドラム42の周囲に、これらの感光体ドラム42を帯電させる帯電器43と、感光体ドラム42上に静電潜像を書き込むレーザ露光器44(図中露光ビームを符号Bmで示す)とが配置されている。また、感光体ドラム42の周囲には、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム42上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器45、感光体ドラム42上に形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト46に転写する一次転写ロール47、および、感光体ドラム42上の残留トナーを除去するドラムクリーナ48等の電子写真用デバイスが順次配設されている。
これらの画像形成ユニット41は、中間転写ベルト46の上流側から、黄(Y色)、マゼンタ(M色)、シアン(C色)、黒(K色)、不可視(I色)の順に配置されている。
中間転写ベルト46は、各種ロールによって図に示すV方向に回動可能に構成されている。
二次転写装置410は、中間転写ベルト46のトナー像担持面側に圧接配置される二次転写ロール411と、中間転写ベルト46の裏面側に配置されて二次転写ロール411の対向電極をなすバックアップロール412とを備えている。
二次転写ロール411の下流側には二次転写後の中間転写ベルト46の表面をクリーニングするベルトクリーナ421が設けられている。二次転写ロール411の上流側には、画質調整を行なうための画像濃度センサ422が配設されている。
次に、この画像形成装置400の作像プロセスについて説明する。ユーザによりスタートスイッチ(図示せず)がオン操作されると、所定の作像プロセスが実行される。具体的に述べると、例えばこの画像形成装置400をカラープリンタとして構成する場合には、ネットワーク900から送信されたデジタル画像信号をメモリに一時的に蓄積し、その蓄積されている5色(Y、M、C、K、I)のデジタル画像信号に基づいて各色のトナー像形成を行わせるようにする。
すなわち、画像処理によって得られた各色の画像記録信号に基づいて画像形成ユニット41(41Y、41M、41C、41K、41I)をそれぞれ駆動する。そして、各画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K、41Iでは、帯電器43により一様に帯電された感光体ドラム42に対し、画像記録信号に応じた静電潜像が、レーザ露光器44によりそれぞれ書き込まれる。また、書き込まれた各静電潜像を各色のトナーが収容される現像器45により現像して各色のトナー像が形成される。
そして、各感光体ドラム42に形成されたトナー像は、各感光体ドラム42と中間転写ベルト46とが接する一次転写位置で、一次転写ロール47により印加される一次転写バイアスにより感光体ドラム42から中間転写ベルト46の表面に一次転写される。このようにして中間転写ベルト46に一次転写されたトナー像は中間転写ベルト46上で重ね合わされ、中間転写ベルト46の回動に伴って二次転写位置へと搬送される。
一方、用紙Pは、所定のタイミングで二次転写装置410の二次転写位置へと搬送され、中間転写ベルト46(バックアップロール412)に対して二次転写ロール411が用紙Pをニップする。そして、二次転写ロール411とバックアップロール412との間に形成される二次転写電界の作用で、中間転写ベルト46に担持された重ねトナー像が用紙Pに二次転写される。
その後、トナー像が転写された用紙Pは定着装置440へと搬送され、トナー像の定着が行われる。一方、二次転写後の中間転写ベルト46は、ベルトクリーナ421によって残留トナーが除去される。
ここで、画像形成装置400で使用されるトナーについて詳細に説明する。
まず、画像形成ユニット41Yにて用いられるYトナー、画像形成ユニット41Mにて用いられるMトナー、画像形成ユニット41Cにて用いられるCトナー、および画像形成ユニット41Kにて用いられるKトナーとしては、従来から使用されているトナーを用いる。
また、画像形成ユニット41Iにて用いられる不可視トナーとしては、例えば、特開2003−186238号公報に記載された材料を用いることができる。即ち、結着樹脂と、無機材料粒子からなる近赤外光吸収材料とを含むものを用いることが考えられる。
ここで、結着樹脂としては、具体的には、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
また、近赤外光吸収材料としては、少なくともCuOとP25を含む無機材料粒子を用いることができる。なお、不可視トナー粒子中におけるCuOの含有濃度は、6質量%〜35質量%の範囲が好ましく、10質量%〜30質量%の範囲がより好ましい。更に、無機材料粒子は、不可視トナー中における無機材料粒子の均一分散性と、電子写真用の記録材料として必要となる適度な負極摩擦帯電性とを得るため、CuO、Al23、P25、及びK2Oを必須の構成成分とする銅燐酸結晶化ガラスからなることが好ましい。この銅燐酸結晶化ガラスの組成は、CuOが20質量%〜60質量%の範囲であり、Al23が1質量%〜10質量%の範囲であり、P25が30質量%〜70質量%の範囲であり、K2Oが1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましい。
即ち、画像形成装置400は、コード画像を人間の目で容易に識別できない(ほぼ不可視の)色材を使用して形成し、文書画像を人間の目で識別可能な(可視の)色材を使用して形成する。また、不可視の色材としては、特定の赤外領域の波長が可視光量域の波長より多く吸収される特性を有するものを用い、可視の色材としては、可視光領域の波長を多く吸収する特性を有するものを用いる。
なお、本実施の形態では、不可視の色材を利用する例を説明したが、これに限るものではない。例えば、コード画像を、赤外域の波長を吸収するカーボンブラックを使用して形成し、文書画像を、イエロー、マゼンタ、シアンの色材(通常、これらの色材は赤外域の波長の吸収量が少ない)を使用して形成してもよい。
図4の(a)〜(c)は、識別情報管理サーバ200のコード画像生成部26によって生成され、画像形成装置400にて印刷物500に印刷される2次元コード画像を説明するための図である。図4の(a)は不可視画像によって形成され、配置される2次元コード画像の単位を模式的に示すために格子状に表現した印刷物500の図である。また、図4の(b)は不可視画像が赤外光照射により認識された2次元コード画像の1単位を示した図である。更に、図4の(c)は、バックスラッシュ「\」とスラッシュ「/」の斜線パターンを説明するための図である。
図4の(b)に示す2次元コードパターンは、媒体上の座標位置を示す位置コードが格納される領域と、電子文書又は印刷媒体を一意に特定するための識別コードが格納される領域とを含んでいる。また、同期コードが格納される領域も含んでいる。そして、図4の(a)に示すように、この2次元コードパターンが複数、配置され、印刷される媒体の大きさに合わせて媒体一面(紙面)の全面に異なる位置情報が格納された2次元コードが格子状に配置される。即ち、媒体一面に、図4の(b)に示すような2次元コードパターンが複数個、配置され、その各々が、位置コード、識別コード、及び同期コードを備えている。そして、複数の位置コードの領域には、それぞれ配置される場所により異なる位置情報が格納されている。一方、複数の識別コードの領域には、配置される場所によらず同じ識別情報が格納されている。
図4の(b)において、位置コードは、6ビット×6ビットの矩形領域内に配置されている。各ビット値は、回転角度が異なる複数の微小ラインビットマップで形成され、図4の(c)に示される斜線パターン(パターン0とパターン1)で、ビット値0とビット値1を表現している。より具体的には、相互に異なる傾きを有するバックスラッシュ「\」及びスラッシュ「/」を用いてビット0とビット1とを表現している。斜線パターンは600dpiで8×8画素の大きさで構成されており、左上がりの斜線パターン(パターン0)がビット値0を、右上がりの斜線パターン(パターン1)がビット値1を表現する。従って、1つの斜線パターンで1ビットの情報(0又は1)を表現できる。このような2種類の傾きからなる微小ラインビットマップを用いることで、可視画像に与えるノイズが極めて小さく、かつ大量の情報を高密度にデジタル化して埋め込むことが可能な2次元コードパターンを提供することが可能となる。
即ち、図4の(b)に示した位置コード領域には合計36ビットの位置情報が格納されている。この36ビットのうち、18ビットをX座標の符号化に、18ビットをY座標の符号化に使用することができる。各18ビットを全て位置の符号化に使用すると、218通り(約26万通り)の位置を符号化できる。各斜線パターンが図4の(c)に示したように8画素×8画素(600dpi)で構成されている場合には、600dpiの1ドットは0.0423mmであることから、図4の(b)の2次元コード(同期コードを含む)の大きさは、縦横共に3mm程度(8画素×9ビット×0.0423mm)となる。3mm間隔で26万通りの位置を符号化した場合、約786mの長さを符号化できる。このように18ビット全てを位置の符号化に使用してもよいし、或いは、斜線パターンの検出誤りが発生するような場合には、誤り検出や誤り訂正のための冗長ビットを含めてもよい。
また、識別コードは、2ビット×8ビット及び6ビット×2ビットの矩形領域に配置されており、合計28ビットの識別情報を格納できる。識別情報として28ビットを使用した場合は、228通り(約2億7千万通り)の識別情報を表現できる。識別コードも位置コードと同様に、28ビットの中に誤り検出や誤り訂正のための冗長ビットを含めることができる。
なお、図4の(c)に示す例では、2つの斜線パターンは互いに角度が90度異なるが、角度差を45度とすれば4種類の斜線パターンを構成できる。このように構成した場合は、1つの斜線パターンで2ビットの情報(0〜3)を表現できる。即ち、斜線パターンの角度種類を増やすことで、表現できるビット数を増加することができる。
また、図4の(c)に示す例では、斜線パターンを使用してビット値の符号化を説明しているが、選択できるパターンは斜線パターンに限らない。ドットのON/OFFや、ドットの位置を基準位置からずらす方向により符号化する方法も採用することが可能である。
ここで、図5及び図6を参照し、ペンデバイス600の筆跡位置情報を取得するための機構及び筆跡位置情報の取得動作について述べる。
図5は、ペンデバイス600の構成を示した図である。
このペンデバイス600は、コード画像と文書画像とが合成されて印刷された用紙(媒体)に通常のペンと同様の操作により文字や図形を記録する筆記部(ペン先)61と、筆記部61の動きを監視しペンデバイス600が用紙に押し付けられていることを検出する筆圧検出部62とを備えている。また、ペンデバイス600は、全体の電子的な動作を制御する制御部63と、用紙上のコード画像を読み取るために赤外光を照射する赤外照射部64と、反射される赤外光を受光することによりコード画像を認識して入力する画像入力部65とを備えている。また、ペンデバイス600は、筆記部61によって記録された文字や図形を消去するための消去部(画像消去手段)66を備えている。
ここで、本実施の形態では、ペンデバイス600を用いて手書きイメージを書くためのインク(筆記具用水性インク組成物)として、熱に反応して消色する消色インクを用いる。そして、消去部66により、消色インクでイメージが書かれた媒体表面を加熱することで消色インクを変性させ、イメージを消去することができるように構成されている。
本実施形態で用いる消色インクは、ロイコ染料、顕色剤及び消色剤を含むマイクロカプセルまたはロイコ染料、顕色剤、消色剤及び樹脂を含む微粉体を含む着色剤の水分散体であって、筆記後に消色を可能とする。この消色インクは、予めロイコ染料と顕色剤を化学的に結合させた状態、つまり発色状態にある着色剤を筆記時のインクとして用いる。そして、消色時には、溶剤の膨潤または加熱による着色剤の擬溶融状態における、擬液相反応によって、ロイコ染料と顕色剤の化学結合が切れ、着色剤中に含有させておいた消色剤と顕色剤が新たに強い化学結合を形成することによって、再発色することなく筆記線を消色することが可能である。
この種の消色インクとしては、例えば、特開2001−247807号公報に記載されたボールペン用インク組成物を用いることができる。
ここで、制御部63について更に詳しく説明する。
制御部63は、コード取得部631と、軌跡算出部(筆跡位置情報取得手段)632と、情報記憶部633とを備えている。コード取得部631は、画像入力部65から入力された画像を解析してコードを取得する部分である。軌跡算出部632は、コード取得部631により取得したコードに対し、筆記部61のペン先の座標と画像入力部65が捕捉した画像の座標とのずれを補正してペン先の軌跡を算出する部分である。情報記憶部633は、コード取得部631が取得したコードや軌跡算出部632が算出した筆跡位置情報を記憶する部分である。
なお、本実施の形態においては、図示しないが、情報記憶部633に記憶された筆跡位置情報を解析し、筆跡位置情報を取得する機構も設けられているものとする。
図6は、ペンデバイス600の主に制御部63にて実行される処理を示したフローチャートである。ペンデバイス600を用いて、例えば用紙に文字や図形の記録が行われると、制御部63は、用紙に対してペンによる記録が行われていることの検出信号を筆圧検出部62から取得する(ステップ601)。この検出信号を検出すると、制御部63は、赤外照射部64に対し、赤外光を用紙に照射するように指示する(ステップ602)。赤外照射部64によって用紙に照射される赤外光は不可視画像にて吸収され、それ以外の部分では反射される。画像入力部65ではこの反射された赤外光を受光し、赤外光が反射されなかった部分をコード画像として認識する。制御部63は、画像入力部65からこのコード画像を入力(スキャン)する(ステップ603)。
その後、制御部63のコード取得部631では、ステップ604〜ステップ610に示すコード画像検出処理が実行される。まず、コード取得部631は、入力されたスキャン画像を整形する(ステップ604)。このスキャン画像の整形は、傾き補正やノイズ除去等である。そして、整形されたスキャン画像からスラッシュ「/」やバックスラッシュ「\」等のビットパターン(斜線パターン)を検出する(ステップ605)。また一方で、整形されたスキャン画像から、2次元コード位置決め用のコードである同期コードを検出する(ステップ606)。コード取得部631は、この同期コード位置を参照して2次元コードを検出する(ステップ607)。また、2次元コードからECC(Error Correcting Code:誤り訂正符号)等の情報を取り出し復号する(ステップ608)。そして、復号した情報を元の情報に復元する(ステップ609)。
制御部63のコード取得部631では、以上のようにして復元したコード情報から位置情報及び識別情報を取り出し、取り出した情報を情報記憶部633に記憶する(ステップ610)。その一方で、軌跡算出部632は、情報記憶部633に格納された座標情報からペン先の軌跡を算出し、情報記憶部633に記憶する(ステップ611)。
その後、情報記憶部633に記憶された軌跡から筆跡位置情報が取得され、端末装置700へと送信される。
図7は、消去部66の具体的な構成を示す概略構成図である。
図7に示すように、消去部66は、印刷物500の表面に書かれたイメージを消去するためのヘッド661と、コード画像を検知するためのコード検知部662と、コード検知部662の検知結果に基づくイメージの消去処理を行う消去判断部(取得手段、情報消去手段、演算手段、消跡位置情報取得手段)663と、消去判断部663の処理結果を端末装置700(図1参照)へ送信する通信部(送出手段)665と、電力を供給する電源664と、を備える。
ヘッド661は、通電することで発熱する発熱体にて実現され、印刷物500を加熱することにより印刷物500に付着された消色インクを変性させて消去する。ヘッド661の電力は電源665から供給される。また、電力供給の制御は、例えばペンデバイス600のケースの外部に図示しないスイッチを設け、ユーザがスイッチのオン・オフを切り換えて制御することができる。また、消去部66におけるヘッド661を設けた位置に図示しない圧力センサを設けておき、ヘッド661が印刷物500の表面に押圧されたことを図示しない圧力センサが感知して電力供給が開始されるように構成することも考えられる。
コード検知部662は、上述したペンデバイス600の赤外照射部64(図5参照)と画像入力部65(図5参照)とで構成されたものである。すなわち、コード検知部662は、赤外光を発光する発光ダイオードと赤外光を感知するセンサとで実現され、印刷物500の表面に赤外線を照射し、その反射光を感知して印刷物500の表面に印刷されているコード画像を検知する。したがって、コード検知部662が発光し感知する赤外光は、コード画像を形成する画形材によって吸収される波長域(800nm〜900nm)の光である。
また、イメージを消すという消去部66の使用目的から、コード検知部662は、印刷物500の表面に近接した状態でコード画像の検出を行うので、赤外光の発光量は微量で良い。
消去判断部663は、所定のデータ処理を行うプロセッサとメモリで実現され、コード検知部662の検知結果に基づき、印刷物500上に付着された消色インクをデータ上どの範囲で消去するかの算出を行い、その算出結果に基づき消去の処理を行う。
消去判断部663は、このような消色インクの消去についてデータ処理を行うため、コード検知部662の検知結果に基づいて媒体上の位置の特定を行う。すなわちこの場合、コード検知部662と消去判断部663とで、コード画像により特定される媒体上の位置を認識するコード読み取り手段として機能する。具体的には、消去判断部663は、まずコード検知部662により得られた画像データを整形し、整形された画像からコード画像におけるビットパターンを抽出する。そして、抽出されたビットパターンを解析して同期コードを検出する。その後、消去判断部663は、検出された同期コードの位置を基準として、コード画像に記述されている2次元コードを検出しコード情報を読み取る。そして、読み取ったコード情報を復号し、元の情報を復元する。
この復元された元の情報には、媒体上の位置を特定する座標情報が含まれている。この座標情報により、消去判断部663は、ヘッド661が接している媒体上の位置を認識することができる。
なお、コード検知部662により検知されるコード画像の位置がヘッド661の接している位置からずれている場合は、必要に応じて復元された座標情報を補正することにより、正確なヘッド661の位置を得ることができる。
図8は、消去部66の消去判断部663における処理内容を説明するための説明図である。
図8に示すように、ペンデバイス600の筆記部61(図5参照)で印刷物500に書くと、印刷物500の表面に、消色インクにより線幅(インク幅)d1の曲線Lが描かれる。また、上述したように、印刷物500の曲線Lに対応した筆跡位置情報Tdrawが、軌跡算出部632(図5参照)により算出取得され、かつ、情報記憶部633(図5参照)に記憶されている。なお、印刷物500の最小検出領域内の面積のうち半分以上に消色インクがかかっている位置を黒丸で示している。この黒丸で示されている位置は、筆跡位置情報Tdrawに含まれる。
このようにして印刷物500に描かれた曲線Lをペンデバイス600の消去部66(図5参照)で消去する場合を説明する。ユーザが、印刷物500の消去したい部分を消去部66のヘッド661(図7参照)でなぞると、なぞった部分の印刷物500に付着された消色インクが消去される。これにより、ユーザは、印刷物500の曲線Lが消えたことを視認できる。
ここで、ヘッド661により印刷物500上で消去される消去幅(消し幅)d2は、消色インクによる線幅d1よりも大きい(d2>d1)。すなわち、消色用のエネルギーは、消色インクの線幅d1よりも大きい消去幅d2で印刷物500に付与される。このような寸法関係の場合には、ユーザは、ペンデバイス600を用いて消去する際に使いやすくなる。また、これら線幅d1及び消去幅d2は、印刷物500の最小検出単位(解像度)d3と同一又はそれよりも大きい(d3≦d1≦d2)。
その一方で、消色インクの消去に伴って、次に示すように筆跡位置情報Tdrawが消去される。
まず、消去部66のヘッド661(図7参照)でなぞられた位置がコード検知部662により検知され、その検知結果に基づき消去判断部663により座標情報が算出される。そして、消去部66のヘッド661(図7参照)による印刷物500での軌跡Cに対応した消跡位置情報Teraseが、消去判断部663により算出取得される。ここで、消跡位置情報Teraseによって特定される印刷物500上の位置は、ヘッド661(図7参照)の軌跡C(消去幅d2の中心線)上ではなく、軌跡Cに対してずれている。
また、消跡位置情報Teraseに基づいて筆跡位置情報Tdrawのいずれを消去するのかが消去判断部663(図7参照)にて判断され、消去処理される。すなわち、消去判断部663(図7参照)は、筆跡位置情報Tdrawのうちの、消跡位置情報Teraseの各座標位置を中心にする半径Rの円内に存在するものすべてを消去する。すなわち、半径Rの円内(消色範囲)にある筆跡位置情報Tdrawが消去される。そして、消跡位置情報Teraseの内容を加味された筆跡位置情報Tdrawは、必要に応じて通信部665(図7参照)を介して端末装置700(図1参照)へ送信される。
ここで、消色範囲を画定する半径Rは、視覚的に消去する消去幅d2の半分以上の任意の値である(R≧d2/2)。すなわち、ヘッド661の軌跡C上の点が中心であれば、当然ながら、半径R=d2/2の場合には、視覚的に消去された部分の筆跡位置情報Tdrawを漏れなく消去することができる。
そして、ユーザがヘッド661の消色幅方向の中心部にて曲線Lを消去した場合には、半径Rが消去幅d2未満の値であっても、印刷物500上で曲線Lが消去されればそれに対応して筆跡位置情報Tdrawも消去される。言い換えると、消去すべき曲線Lの筆跡位置情報Tdrawと、ヘッド661の筆跡位置情報Teraseとが一致すれば、位置ずれは起こらず、位置ずれによる不都合も生じない。
しかしながら、実際には、消去すべき曲線Lの筆跡位置情報Tdrawと、ヘッド661(図7参照)の消跡位置情報Teraseとが常に一致するとは限らない。筆跡位置情報Tdrawと消跡位置情報Teraseとが一致しない場合には、半径Rが消去幅d2未満の値のときには、曲線Lが消去されたのにもかかわらず筆跡位置情報Tdrawが消去されていないという事態が発生するおそれがある。すなわち、データ上の消し残しが存在してしまう。
そして、例えば、ユーザがヘッド661(図7参照)の消色幅方向の一端部にて曲線Lを消去すると、筆跡位置情報Tdrawと消跡位置情報Teraseとが大きくずれる。この点において、図8に示す場合は、筆跡位置情報Tdrawと消跡位置情報Teraseとのズレ量が最も大きくなる場合であると言うことができる。図8に示す場合を考えると、上述したように消跡位置情報Teraseは、軌跡Cとずれている部分があるので、半径R=d2/2とすると、筆跡位置情報Tdrawの消去漏れが生じるおそれがある。このような消去漏れがあると、ユーザは、印刷物500上では消去されているにもかかわらず、筆跡位置情報Tdrawが残存しているという事態が生じる。
そこで、半径Rをd2/2以上の任意の値とすることで、筆跡位置情報Tdrawと消跡位置情報Teraseとが最も大きくずれる図8に示す場合であっても、ヘッド661(図7参照)により印刷物500上で消去された曲線Lに対応する筆跡位置情報Tdrawのすべてを消去することができる。このようにすると、消去幅d2の範囲全域の筆跡位置情報Tdrawがすべて消去される。
更に説明すると、図8に示すように、曲線Lの筆跡位置情報Tdrawの一つを位置Aとし、ヘッド661(図7参照)の消跡位置情報Teraseの一つを位置Bとすると、位置Bを中心に半径Rの円内には、必ず位置Aが含まれる。このため、この円内の筆跡位置情報Tdrawをすべて消去すれば、データ上の消し残しがなくなる。このようなデータ上の処理を消跡位置情報Teraseの各々について行うことにより、ヘッド661(図7参照)で印刷物500上において消去された部分に対応する筆跡位置情報Tdrawのすべてを消去することができる。
ここで、半径Rの値は、R=d2/2+αと表示する場合において、この加算値αとして、印刷物500の最小検出単位d3を用いて定めることができる。例えば、α=(21/2/2)×d3の値を採用することができる。
なお、印刷物500の最小検出単位d3が小さければ小さいほどαの値を小さくすることができる。
以上、本実施の形態について説明したが、種々の変形例が考えられる。例えば、本実施の形態では、ペンデバイス600(図5参照)は、筆跡位置情報Tdrawと消跡位置情報Teraseとを有し、ペンデバイス600(図5参照)にて、消跡位置情報Teraseを加味した筆跡位置情報Tdrawを作成するものであるが、ペンデバイス600は、筆記部61(図5参照)を備えておらず、消去部66のみを備えた構成にすることも考えられる。すなわち、筆記部61と消去部66とが別体となるように構成することも考えられる。
その場合には、ペンデバイス600は、消跡位置情報Teraseのみを有する。そのため、ペンデバイス600において、消跡位置情報Teraseに対して所定の領域内にある印刷物500上の領域(消去対象範囲)が消去判断部663(図7参照)により演算される。演算結果は、通信部665(図7参照)を介して端末装置(処理手段)700(図1参照)へ送信される。端末装置700(図1参照)では、予め取得した筆跡位置情報Tdrawを受信内容に基づいて消去する。このように、ペンデバイス600ではなく、端末装置700側で筆跡位置情報Tdrawの消去を行うことも考えられる。
また、例えば、本実施の形態では、消色インクとして、熱に反応して消色するタイプのものを用いているが、特定の光に反応して消色するタイプのものを用いてもよい。例えば、特定波長の紫外線に対して退色性の強いインクを消色インクとして用いれば、当該消色インクを退色させる波長の紫外線を照射することにより、当該消色インクで書かれたイメージを消去することができる。
また、ここで用いられる消色インクとして、D−ink(株式会社パイロットの商品名)のように機械的な摺動で消去されるタイプのものであっても良い。なお、消色インクは、赤外非吸収のインクであることが望ましい。
本実施の形態が適用されるシステムの全体構成を示した図である。 本実施の形態における識別情報管理サーバの機能構成を示したブロック図である。 画像形成装置の構成例を示した図である。 本実施の形態において媒体上に印刷される2次元コード画像を説明するための図である。 ペンデバイスの構成例を示した図である。 ペンデバイスの動作を示したフローチャートである。 消去部の具体的な構成を示す概略構成図である。 消去部の消去判断部における処理内容を説明するための説明図である。
符号の説明
66…消去部、661…ヘッド、662…コード検知部、663…消去判断部、665…通信部、500…印刷物、600…ペンデバイス、700…端末装置、C…軌跡、d1…線幅、d2…消去幅、d3…最小検出単位、L…曲線、R…半径、Terase…消跡位置情報、Tdraw…筆跡位置情報、α…加算値

Claims (10)

  1. コード情報を変換して得たコード画像が印刷された印刷物に記入された画像の筆跡位置情報を取得する電子ペンであって、
    印刷物に記入された画像を当該印刷物において所定の消去幅をもって消去する画像消去手段と、
    前記画像消去手段の印刷物における軌跡を消跡位置情報として取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された消跡位置情報に対して所定の領域内にある画像の筆跡位置情報を消去する情報消去手段と、
    を含む電子ペン。
  2. 前記情報消去手段は、前記取得手段により取得された消跡位置情報によって特定される印刷物上の位置を中心とする所定の円内にある画像の筆跡位置情報を消去し、当該所定の円の半径は、前記画像消去手段に係る消去幅の半分に所定の加算値を加えた値であることを特徴とする請求項1に記載の電子ペン。
  3. 前記所定の加算値は、前記取得手段が取得する消跡位置情報により特定される印刷物上の各位置の最小離間距離の21/2/2倍であることを特徴とする請求項2に記載の電子ペン。
  4. 前記画像消去手段に係る消去幅は、前記電子ペンにより印刷物に記入される線の幅と同一又はそれよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の電子ペン。
  5. 前記電子ペンにより印刷物に記入される線の幅は、前記取得手段が取得する消跡位置情報により特定される印刷物上の各位置の最小離間距離と同一又はそれよりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の電子ペン。
  6. コード情報を変換して得たコード画像が印刷された印刷物に記入された画像を当該印刷物において所定の消去幅をもって消去する画像消去手段と、
    前記画像消去手段の印刷物における軌跡を消跡位置情報として取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された消跡位置情報に対して所定の領域内にある印刷物上の領域を演算する演算手段と、
    前記演算手段による演算結果を外部機器に送出する送出手段と、
    を含む電子ペン。
  7. 前記演算手段は、前記取得手段により取得された消跡位置情報によって特定される印刷物上の位置を中心とする所定の円内にある印刷物上の領域を演算し、当該所定の円の半径は、前記画像消去手段に係る消去幅の半分に所定の加算値を加えた値であることを特徴とする請求項6に記載の電子ペン。
  8. 前記画像消去手段に係る消去幅は、前記電子ペンにより印刷物に記入される線の幅と同一又はそれよりも大きいことを特徴とする請求項6に記載の電子ペン。
  9. コード情報を変換して得たコード画像が印刷された印刷物に画像を筆記する筆記部の軌跡を筆跡位置情報として取得する筆跡位置情報取得手段と、
    印刷物に筆記された画像を当該印刷物において所定の消去幅をもって消去する消去部の軌跡を消跡位置情報として取得する消跡位置情報取得手段と、
    前記消跡位置情報取得手段により取得された消跡位置情報に対して所定の領域内にある印刷物上の消去対象領域を演算する演算手段と、
    前記演算手段により演算された消去対象領域を前記筆跡位置情報取得手段により取得された筆跡位置情報から除外する処理を行う処理手段と、
    を含む画像記録システム。
  10. コード情報を変換して得たコード画像が印刷された印刷物上で消去される画像の筆跡位置情報を消去する消去方法であって、
    印刷物において所定の消去幅をもって消去する画像消去手段の軌跡を消跡位置情報として取得する取得ステップと、
    前記取得ステップにより取得された消跡位置情報に対して所定の領域内にある画像の筆跡位置情報を消去する情報消去ステップと、
    を含む情報消去方法。
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