JP5113957B2 - 始動補助部材付高圧放電ランプ、ランプユニット、ランプシステム、及びプロジェクタ - Google Patents

始動補助部材付高圧放電ランプ、ランプユニット、ランプシステム、及びプロジェクタ Download PDF

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Description

本発明は、始動補助部材付高圧放電ランプ、ランプユニット、ランプシステム、及びプロジェクタに関し、特にランプの放電開始電圧を低減させる技術に関する。
液晶プロジェクタやDLP(Digital Light Processing)プロジェクタ等の画像表示装置等において、メタルハライドランプやキセノンランプや高圧水銀ランプ等の高圧放電ランプを用いたランプシステムが利用されている。
従来の一般的な高圧放電ランプは、放電空間を内包する略球状の発光部に対し、一対の封止部が連接された、石英ガラス製の外囲器を有する。各封止部の内部には、金属箔の長手方向両端部に、放電電極と外部リード線が設けられる。放電空間には所定の放電ガスと水銀が封入され、放電電極はこの放電空間で一定間隔をおいて対向配置される。点灯時には一対の放電電極を対向電極とし、当該電極間で生じるアーク放電によって発光する。前記外部リード線は部分的に封止部外部に露出するように配され、外部の点灯回路より電力供給を受ける。
以上の構成の高圧放電ランプには、発光部の発光を効率よく前方に出射させるため、反射面を有する反射鏡が組み合わされ、ランプユニットとして用いられる。
従来より、高圧放電ランプにおいては、放電開始電圧の低減が要求されている。一般に、高圧放電ランプの放電開始電圧はkVオーダーの高電圧であり、点灯回路は放電開始電圧を超える印加電圧を生成する必要があるために、その高電圧発生回路に大型のトランスや高耐圧の電子部品等を用いなければならない。また高電圧がかかっているケーブルやコネクタ等、ならびにその周辺部品には絶縁のための十分な配慮が必要になる。したがって、高圧放電ランプの放電開始電圧が高いことは、点灯回路を含むランプシステムの小型化や低価格化を図る上での大きな障害となっており、放電開始電圧の低減が望まれている。
高圧放電ランプの放電開始電圧を低減させる方策として、図22のランプ10Xに示すように、いわゆる近接導体21Xを始動補助部材として発光部100近傍の外表面に配設する方法が古くから知られている(例えば特許文献1を参照)。これは、具体的には前記いずれかの封止部101A、101B(ここでは101A)から露出した外部リード線102Aにワイヤー状の近接導体21Xの上流側端部を接続し、当該近接導体21Xをランプ10Xの発光部100の外面に近接または接触するように、発光部100を渡って前記封止部101Aとは他端側の封止部101B側に延伸させ、発光部100と封止部101Bの境界付近の外表面に巻回したものである。これにより始動時には、外部リード線21Xに電圧印加することで、放電空間105内の一対の放電電極104A、104B間で生じる放電に先立ち、近接導体21Xと前記逆極性の放電電極(図22では放電電極104B)との間で強電界を発生させる。この強電界により当該放電電極104Bからの電子放出を促すことで、ランプ10Xの放電開始電圧の低減を図っている。しかしながら、上記した近接導体21Xを用いた場合でも、ランプ10Xの放電開始電圧を十分に低減させる効果が得られているとは言い難い。
また別の方策として、発光部内に放射性ガス(例えば、Kr85等)を封入して放電開始電圧を低減させる方法も存在する。当該方法はランプの放電開始電圧を十分に低減させる効果があるものの、近年の環境意識の高まりへの配慮という点でも当該方法以外の選択ができることが好ましい。
そこで、近年、近接導体ワイヤーの構造に工夫を講じてさらに始動補助効果の高めた方策が提案されている(例えば特許文献2を参照)。これは、前記いずれかの外部リード線に近接導体ワイヤーの上流側端部を接続して、下流側端部を前記外部リード線と逆極性の金属箔が封止された石英ガラス製の封止部外表面に実質的に1点のみで接触するように配設したものである。これにより始動時に外部リード線に電圧印加することで、一対の放電電極間で生じる放電に先立ち、近接導体ワイヤーの下流側端部と石英ガラス製の封止部外表面の接触点においてコロナ放電が生じる。この放電に伴って紫外線(UV)が発生し、前記ランプに照射される。この紫外線の照射により、放電電極の表面で光電効果が生じ、電子(光電子)が放出されることで、放電開始が促され放電開始電圧の低減が図られるものである。
WO2004/090934 特開2009−181927号公報 特許第3938038号公報 特開2004−139955号公報
しかしながら、上記した近接導体を用いた場合でも、前記の放射性ガスを用いた場合ほどの効果は得られず、点灯回路を含むランプシステムの小型化や低価格化に十分に寄与できるものではない。また、近接導体の配設位置が限定されるなどの制約もあるため、ランプの小型化を図る場合には適用が困難である。
特許文献2とは異なる観点での方策として、封止部内部に金属または金属化合物を混入させて当該封止部内部の比誘電率を向上させ、強電界の発生を促す方法が提案されているが(例えば特許文献3を参照)、それでも放電開始電圧を効果的に低減する効果は得られにくい。また、特許文献3記載の技術では、外囲器の内部において封止部と電極との間に電界形成のための一定の空隙を設けているが、高圧放電ランプにおける封止部内部の空隙は点灯中の高圧ガスによる封止部を起点としたランプ破裂の危険につながるため、このような構成を実現させる設計は非常に困難であるし、さらに封止部内部に金属化合物を混入させること自体が封止部の耐圧信頼性を損なうことにつながるため、ガス圧の高い高圧放電ランプでは採用が困難である。
また、発光部の近傍に補助放電管を配置し、当該補助放電管の発光で生じた紫外線を利用して放電開始電圧の低減をねらった構成も考えられている(例えば特許文献4を参照)。しかしながら、この方法も効果があまり高くない他、ランプユニットを構成する場合などに放電管の配置位置が制約される新たな問題が生じる。
このように高圧放電ランプにおいては、放電開始電圧を低減させる点において未だ改良の余地が存在する。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、第一に、従来に比べて十分に放電開始電圧が低く、生産性に優れる始動補助部材付高圧放電ランプ、ランプユニット、ランプシステム、及びプロジェクタの提供を目的とする。
また、第二に、上記目的に加え、近接導体の配置位置の制約を低減することにより、高い設計自由度を有する始動補助部材付高圧放電ランプ、ランプユニット、ランプシステム、及びプロジェクタの提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、外囲器および当該外囲器内の放電空間に臨んで配された一対の放電電極を備える高圧放電ランプと、当該ランプの発光を反射する反射鏡と、当該ランプの始動補助部材とを備えるランプユニットであって、前記外囲器は、前記放電空間を内包する発光部と、前記発光部に連接された第一封止部および第二封止部とを備えてなり、前記始動補助部材は、前記高圧放電ランプの少なくとも一方の前記放電電極に一端部が電気的に接続された第一金属線と、前記外囲器よりも高い比誘電率を有する誘電体とで構成されており、前記第一金属線の他端側と前記誘電体は、前記高圧放電ランプを放電開始させるための印加電圧によって放電を起こす程度に、近接または接触して配されている構成とした。
なお、「前記高圧放電ランプを放電開始させるための印加電圧によって放電を起こす程度に、近接または接触」とは、「前記高圧放電ランプを放電開始させるための印加電圧によって放電を起こす程度に近接、または前記高圧放電ランプを放電開始させるための印加電圧によって放電を起こす程度に接触」を意味する。
ここで、前記第一封止部および第二封止部の内部に金属箔が配され、前記金属箔の一端から、前記放電電極が前記放電空間中に延設され、前記金属箔の他端から、外部リード線が前記各封止部より部分的に外部露出するように延設され、前記誘電体は、前記第一封止部および第二封止部のうち、いずれか一方の封止部の外表面上に配設され、前記第一金属線は、他方の封止部より露出する前記外部リード線に電気的に接続されている構成とすることもできる。
また、前記高圧放電ランプには、発光部からの発光を前記反射鏡側に反射させる副反射鏡が配設されている構成とすることもできる。
また、前記第一封止部および第二封止部の内部には金属箔が配され、前記金属箔の一端から、前記放電電極が前記発光部内側に延設され、前記金属箔の他端から、外部リード線が前記第一封止部および第二封止部より部分的に外部露出するように延設され、前記誘電体は、前記反射鏡の反射面に配設され、前記第一金属線は、前記第一封止部または前記第二封止部のいずれかより外部露出する外部リード線に電気的に接続されている構成とすることもできる。
さらに、前記第一封止部および第二封止部の内部には金属箔が配され、前記金属箔の一端から、前記放電電極が前記発光部内側に延設され、前記金属箔の他端から、外部リード線が前記各封止部より部分的に外部露出するように延設され、前記高圧放電ランプには、発光部からの発光を反射鏡側に反射させる副反射鏡が配設されており、前記誘電体は、当該副反射鏡の表面に配設されている構成とすることも可能である。
また、前記誘電体は、前記反射鏡の反射膜である構成とすることもできる。
また、前記高圧放電ランプには、さらに発光部からの発光を前記反射鏡側に反射させる副反射鏡が配設され、前記誘電体は、当該副反射鏡の反射膜である構成とすることもできる。
また、前記第一封止部および第二封止部は円柱状、楕円柱状、または偏平柱状であり、前記誘電体はリング状であって、前記第一封止部または第二封止部に嵌入されている構成とすることもできる。この場合、前記誘電体の外径は、発光部の最大外径以下に設定されている構成とすることもできる。
或いは、前記誘電体は直方体状とすることもできる。
また、前記外囲器を石英ガラスで構成することもできる。
前記誘電体はチタン化合物を含むように構成することもできる。この場合、前記チタン化合物は、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムの内の1種以上とすることが望ましい。
前記第一金属線については、その先端または一部側面が前記誘電体との接触方向に弾性付勢されている構成とすることもできる。
また、前記第一金属線は、前記高圧放電ランプに巻回させることもできる。
また、前記第一金属線が延設された外部リード線と逆極性の外部リード線には、第二金属線が電気的に接続され、前記誘電体はさらに前記第二金属線と近接または接触している構成とすることも可能である。
さらに本発明は、外囲器および当該外囲器内の放電空間に臨んで配された一対の放電電極を備える高圧放電ランプと、当該高圧放電ランプの始動補助部材が配され、前記外囲器は、前記放電空間を内包する発光部と、当該封止部に連接された第一封止部および第二封止部とを備えてなり、前記始動補助部材は、前記高圧放電ランプの少なくとも一方の前記放電電極に一端部が電気的に接続された第一金属線と、前記外囲器よりも高い比誘電率を有する誘電体を有し、前記第一金属線の他端側と前記誘電体は、前記高圧放電ランプを放電開始させるための印加電圧によって放電を起こす程度に、近接または接触して配されている、始動補助部材付高圧放電ランプとした。
また本発明は、上記した本発明のいずれかの始動補助付高圧放電ランプに対し、点灯回路が電気的に接続されてなることを特徴とするランプシステムとした。
また本発明は、上記ランプシステムを備えたプロジェクタとした。
上記構成を有する本発明のランプユニットでは、高圧放電ランプの少なくとも一方の放電電極に電気的に接続した第一金属線と、外囲器よりも高い比誘電率の誘電体からなる紫外線発生デバイスを始動補助部材として設けている。ここで第一金属線は誘電体を介し、当該第一金属線とは逆極性の放電電極の配線との間で対向電極を構成する。前記第一金属線の他端側は高圧放電ランプを放電開始させるための印加電圧によって放電を起こす程度に、誘電体に対して近接して配されている。
従って高圧放電ランプの始動時には、当該ランプに電圧印加することにより、まず前記対向電極間に電圧が印加されると同時に、誘電体と第一金属線との近接または接触部位付近においてコロナ放電が生じる。この放電に伴って紫外線が発生し、前記ランプに照射される。ここで本発明のランプユニットでは前記誘電体として、外囲器よりも高い比誘電率の誘電体を用いることで、低い印加電圧で紫外線を発生させることができる。この紫外線の照射により、放電電極の表面で光電効果が生じ、電子(光電子)が放出されることで、従来に比べて相当に低い値の印加電圧でもランプが放電開始する。よって本発明では、ランプの放電開始電圧の低減を図るとともに、点灯回路が生成する印加電圧の低減も図ることができるため、点灯回路を含むランプシステムの小型化や低価格化を期待することができる。また、特許文献3記載の技術のように、外囲器内部において封止部と電極との間に空隙を設けてさらに封止部内部において金属化合物を混入させる必要がないため、封止部の耐圧信頼性を損なう恐れもない。さらに、放射性ガスを用いる必要がないため、近年の環境意識の高まりへも配慮がなされたものである。
また、上記構成を有する本発明のランプユニットにおいては、誘電体はランプだけでなく、反射鏡の反射面上に設けることもできる。この場合、誘電体と金属線の印加接点付近でコロナ放電が発生し、これに伴って上記ランプと同様に紫外線が発生する。この紫外線の照射によって生じる光電子により、発光部の内部では放電開始電圧の低減が図られ、比較的容易に放電開始する。よって、発光効率の向上を期待することができる。
このように本発明のランプユニットは、始動補助部材の配設に関して特に設計自由度が高く、小型のランプユニットにおいても始動補助部材の配設により発光効率の低下を招くことなく、適切に放電開始電圧の低減を図れる。
実施の形態1に係るランプユニット1の構成を示す一部断面図である。 ランプ10の構成を示す正面図である。 (a)は誘電体の構成を示す斜視図であり、(b)は二重構造の誘電体の斜視図である。 実施の形態2に係るランプユニット1Aの構成を示す一部断面図である。 実施の形態3に係るランプユニット1Bの構成を示す一部断面図である。 実施の形態4に係るランプユニット1Cの構成を示す一部断面図である。 実施の形態5に係るランプユニット1Dの構成を示す一部断面図である。 実施の形態6に係るランプユニット1Eの構成を示す一部断面図である。 実施の形態7に係るランプユニット1Fの構成を示す一部断面図である。 実施の形態8に係るランプユニット1Gの構成を示す一部断面図である。 実施の形態9に係るランプユニット1Hの構成を示す一部断面図である。 (a)は実施の形態1の誘電体と金属線の構造を示す要部拡大断面図であり、(b)は実施の形態2の誘電体と金属線の構造を示す要部拡大断面図であり、(c)は図12(b)においてパッド部が無い場合の誘電体と金属線の構造を示す要部拡大断面図(d)は金属線の端部が複数ある場合の誘電体と金属線の構造を示す要部拡大断面図であり、(e)は誘電体が二層構造である場合の誘電体と金属線の構造を示す要部拡大断面図であり、(f)は図12(b)において誘電体が二層構造である場合の誘電体と金属線の構造を示す要部拡大断面図であり、(g)は誘電体が三層構造である場合の誘電体と金属線の構造を示す要部拡大断面図である。 実施の形態10に係る、ランプユニット1Iの構成を示す一部断面図である。 実施の形態11に係る、ランプユニット1Jの構成を示す一部断面図である。 実施の形態12に係る、反射鏡及びランプユニット1Kの構成を示す一部断面図である。 実施の形態13に係る、反射鏡及びランプユニット1Lの構成を示す一部断面図である。 実施の形態14に係る、メタルハライドランプ1Mの構成を示す一部断面図である。 実施の形態15に係る、メタルハライドランプ1Nの構成を示す一部断面図である。 (a)は始動実験に用いるランプと高電圧発生器との接続構成を示す概念図であり、(b)は本発明の誘電体を用いた始動実験の様子を説明する図である。 (a)は図19(b)の要部を拡大した概念図であり、(b)はそのさらに要部を拡大した概念図である。 本発明のランプシステム(画像表示装置)の構成例を示す図である。 従来のランプへの近接導体の配設例を示す図である。
以下、本実施の形態に係るランプユニット及びランプシステムについて、図面を参照しながら説明する。
なお、各図面における部材の縮尺は実際のものとは異なる。また、本発明において、数値範囲を示す符号「〜」は、その両端の数値を含むものとする。
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1に係るプロジェクタ用のランプユニット1の構成を示す一部断面図である。当図では説明のため、反射鏡40及びコネクタ110の一部のみ断面を図示する。
図1に示されるように、ランプユニット1は大別すると高圧放電ランプ10、反射鏡40、一対のリード線120A、120B及びコネクタ110を備える。
(ランプ10の構成について)
図2は、ランプ10の構成を示す正面図である。当図では説明のため、ランプ10の内部も実線にて図示する。
高圧放電ランプ10は、例えば石英ガラスからなる放電容器(外囲器)108を有する。この放電容器108は、発光部100と、当該発光部100の両側から延設されて一対をなす、例えば略円柱状の封止部101A、101Bとを一体的に形成してなる。このうち封止部101Aの外表面にはリング状の誘電体20が嵌入されている。
発光部100は、内部に放電空間105を有し、当該放電空間105には、例えば、発光物質としての水銀、始動時の放電ガスとしての希ガス、及び、ハロゲン物質が封入されている。プロジェクタ用の高圧水銀ランプの場合、水銀は、放電容器108の内容積あたり0.15[mg/mm]〜0.40[mg/mm]封入されており、一例として0.30[mg/mm]である。また希ガスとしては、例えば、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)のいずれか又はそれらの少なくとも2種の混合ガス等が、ランプ消灯時かつ常温放置下での封入圧力として0.01[MPa]以上1[MPa]以下の範囲内で封入されており、一例としてアルゴンが0.03[MPa](25[℃])である。ハロゲン物質としては、例えば、ヨウ素(I)、臭素(Br)、塩素(Cl)のいずれか又はそれらの少なくとも2種の混合物質などが、発光管の単位内容積あたり1×10−6[μmol/mm]以上1×10−2[μmol/mm]以下の範囲内で封入されており、一例として臭素が5×10−4[μmol/mm]である。
一対の封止部101A、101Bは、その一方(以下、第二封止部101Bと称する)のみが反射鏡40と固着されているが、他方(以下、第一封止部101Aと称する)はどこにも固着されていない。
第二封止部101B及び第一封止部101Aには、それぞれ電極組立体107A、107Bが封止されている。
電極組立体107A、107Bは、金属箔103A、103Bの長手方向各一端側から放電電極104A、104Bを延設し、同方向各他端側から外部リード線102A、102Bを延設してなる。金属箔103A、103Bは、それぞれ放電電極104A、104Bおよび外部リード線102A、102Bと溶接等で接合されている。封止部101A、101Bの内部には、このうち金属箔103A、103Bがその中央付近において封止され、発光部100内側の放電空間105には放電電極104A、104Bがそれぞれ突出するように配され、封止部101A、101Bの外側には外部リード線102A、102Bがそれぞれ突出するように配される。
放電電極104A、104Bは、例えばタングステン(W)材からなる対向電極であって、互いの先端部において放電容器108の放電空間105内で対向し、且つ、先端部と反対側の端部が封止部101A、101B内に埋め込まれた状態で、略一直線上に並べて配設されている。先端部間の距離である電極間距離(放電ギャップ)は任意に設定できる。ショートアーク形の場合、例えば0.5[mm]〜2.0[mm]の範囲に設定することができる。
金属箔103A、103Bは、例えば、モリブデン(Mo)材で構成されている。
外部リード線102A、102Bは、例えばモリブデン材やタングステン材で作製された直径約0.4[mm]の棒状であって、金属箔103A、103B側が封止部101A、101B内に埋め込まれ、金属箔103A、103Bとは反対側が封止部101A、101Bから外部に導出されている。ここで外部リード線102A、102Bの直径は約0.4[mm]に限定されないが、封止部101A、101Bの気密性を高めるためには、0.5[mm]以下であることが好ましい。
なお前記第二封止部101Bには、発光部100から出射された紫外線が当該第二封止部101Bを通過して外部へ漏れるのを防止する金属キャップが冠着されることがある。
図1に戻って、第一封止部101Aの外表面には、第一金属線(金属線21)の一部が巻回されている。金属線21は、例えば鉄―クロム(Fe−Cr)系合金材、またはモリブデン材等で構成され、後述する誘電体20とともにランプ始動時の放電開始電圧を下げるための始動補助部材であり、後述するように紫外線発生デバイスとして作用する。具体的に金属線21は第二封止部101Bから外部露出された外部リード線102Bに対し、その一端部(上流側端部21b)において電気的に接続され、これにより放電電極104Bに対しても間接的に電気接続されている。金属線21はさらに、ランプ10の外周面に沿って第一封止部101Aまで引き回され、当該第一封止部101Aの外表面に数度巻回された後、金属箔103Aに対応する位置に嵌入された誘電体20の上面に対し、他端部(下流側端部21a)が点接触するように配設されている。すなわち、金属線21の下流側他端部21aと誘電体とは、前記高圧放電ランプを放電開始させるための印加電圧によって放電を起こす程度に接触して配されている。このとき、下流側端部21aは弾性付勢により、その先端または一部側面を誘電体20の上面(第一封止部101Aとは反対側の面)に突き立てるように(当図構成では先端を略直角に突き立てるようにして)接触させる。このときの接点の面積が小さいほど、電圧印加時の電界集中が大きくなり、コロナ放電およびこれに伴う紫外線が良好に生じ易い。なお、ここで言う「点接触」とは数学的定義に限定されず、金属線21と誘電体20の互いの接触面積を極力小さく抑えた接触を指す。
なお、金属線21の他端側とは、下流側他端部21aに限らず、金属線21の他端側であれば、どの部分であってもよい。
また、金属線21は、第一封止部101Aに必ずしも巻回させなくても良いが、巻回させることで金属線21が構造上安定するほか、巻回された金属線21によって発光部100周辺に強電界の発生を促すことで放電開始電圧の低減を期待できるため望ましい。
誘電体20は、ランプユニット1の主たる特徴部分であって、高圧放電ランプ10の外囲器108の構成材料(石英ガラス)よりも高い比誘電率を有し、且つ、高圧放電ランプの点灯中の発熱に対して十分な耐熱性を有する材料、例えば金属酸化物を高温で熱処理することによって焼き固めたセラミック材料を利用して構成される。具体的には、石英ガラス(高純度SiO)の比誘電率が3.5〜4.0程度であるため、これらの上限値よりも比誘電率が高い材料であればよい。具体的には、チタン酸バリウム(BaTiO、比誘電率1200程度)やチタン酸ストロンチウム(SrTiO、比誘電率300程度)、二酸化チタン(TiO、比誘電率100程度)等のチタン化合物(チタン酸化物等)の中から選んだ1種以上を用いるのが好適である。特にチタン酸バリウムやチタン酸ストロンチウムの比誘電率は石英ガラスに比べて非常に高いため望ましい。なお、前記セラミック材料としては焼き固めた材料に限定されず、たとえばペースト状のセラミック材料を塗布して用いることも可能である。
誘電体20は、外観的には図3(a)の斜視図に示すように、リング状に形成されている。なお、誘電体20は単一材料からなる構成に限定されず、図3(b)に示すように、開口部201を持つ第一層200に対し、第一層200と異なる材料からなる第二層210を積層した多重構造(当図では2重構造)としてもよい。ここで、第一層200は比誘電率の高いセラミック材料とし、第二層210は前記セラミック材料に限定されず石英ガラスやアルミナ、金属等でも良い。
誘電体20の外径D(図3(a)参照)としては、理想的には発光部100からの発光を遮蔽しないようにする。特に注意すべきは、発光部100からの発光が反射鏡40によって反射され、光が前方へ出射されるのを遮蔽しないようにする。このため発光部100の最大外径部分から第一封止部101A(または第二封止部101B)の先端までを結ぶ仮想線を想定するとき、当該仮想線から外にはみ出ない程度の値であることが最も望ましい。或いは、外径Dは発光部100の最大外径以下の値としても好ましい。しかしながら、外径Dは必ずしも上記した値に限られず、若干であれば、発光部100の最大外径以上の値であっても許容できる場合がある。
誘電体20の長さLとしては表面積を広く確保するほど、電圧印加時に誘電体20の外表面付近に豊富な電荷を蓄積させ、コロナ放電の増大に寄与させることが期待できるため望ましい。但し、発光部100の発光を遮蔽しないように留意する。
誘電体20は、例えば熱膨張率が低く、耐熱性に優れるセメント等の固着剤を用いて第一封止部101Aに固定することができる。
(その他のランプ10の構成要素)
反射鏡40は、例えばダイクロイック反射鏡であり、発光部100からの出射光のうち、特定波長の光を選択的に前面に反射する凹状の反射面41が形成された椀部42と、当該椀部42の後方に延設された筒部43とを有する。高圧放電ランプ10の第二封止部101Bおよび金属線21は、椀部42の反射面41側から筒部43内へと挿入され、反射面41の焦点と高圧放電ランプ10の一対の放電電極104A、104B間の中央位置とが略一致させられた状態で、第二封止部101Bと前記筒部43との隙間に固着剤44としてのセメントが充填されて固着されている。なお、固着剤44としてはセメントに限定されず、ランプ用の耐熱性固着剤として入手可能な市販品を使用しても良い。
図1に戻って、各リード線120A、120Bは、被覆導線126A、126B、ニッケル線122A、122B、及び、それらを接続する接続部材124A、124Bからなる。各リード線120A、120Bのニッケル線122A、122B側の先端部には、接続端子としてのスリーブ121A、121Bが取り付けられており、被覆導線126A、126B側の先端部には、内部空間112に接続端子127A、127B(127Aは不図示)を内包する樹脂製の外部接続用コネクタ110が取り付けられている。なお、リード線120A、120Bは上記構成に限定されず、例えば継線でなく単線であっても良い。また、接続端子はスリーブ121A、121Bに限定されず、導電性を有する部材であれば良い。
各リード線120A、120Bは、高圧放電ランプ10の電極組立体107A、107Bの外部リード線102A、102Bに、スリーブ121A、121Bを介してそれぞれ電気的に接続されている。
被覆導線126A、126Bは、導電性を有する芯材123A、123Bを絶縁性の被覆材125A、125Bで被覆したものであり、前記芯材123A、123Bとニッケル線122A、122Bとが接続部材124A、124Bによって接続されている。なお、ニッケル線122A、122Bは、純ニッケル線に限定されず、銅−ニッケル(Cu−Ni)等のニッケル合金製であっても良い。
スリーブ121A、121Bは、外部リード線102A、102Bとリード線120A、120Bとの接合強度を向上させるための接続端子であって、鉄−ニッケル(Fe−Ni)合金製の筒状体をニッケル線122A、122Bに外嵌させ、それをかしめることによって、前記リード線120A、120Bに取り付けられている。なお、スリーブ121A、121Bの材料は、鉄−ニッケル合金に限定されないが、外部リード線102Bとのなじみの良い材料であることが好ましい。
スリーブ121A、121Bは、外部リード線102A、102Bに、例えば溶接により接合されている。具体的には、外部リード線102A、102Bとスリーブ121A、121Bとが直交し、かつ、スリーブ121A、121Bが外部リード線102A、102Bを抱き込むように「く」の字形に折れ曲げられた状態で溶接されている。このように、「く」の字形に折れ曲げることによってスリーブ121A、121Bと外部リード線102A、102Bとの接触面積を大きくして接合強度を高めている。
なお、スリーブ121A、121Bと外部リード線102A、102Bとは、例えば、ねじ締め、かしめ、圧着など溶接以外の方法によって接合しても良いが、接合強度の強い溶接がより好ましい。
(誘電体20の効果について)
以上の構成を持つ実施の形態1のランプユニット1では、まず放電開始時にランプ10および金属線21に対し、外部より数百〜100[kHz]程度の高周波電圧を印加する。ここで、金属線21の下流側端部21aは前記印加電圧によって、放電を起こす程度に、誘電体20に対して近接(ランプユニット1においては接触)して配されている。従って、金属線21の下流側端部21aと誘電体20の外表面における印加接点との間で強電界が発生し、コロナ放電(電子放出)を生じる。このコロナ放電に伴って発生する紫外線の照射によって、発光部100内の一対の放電電極104A、104Bの表面で光電効果が生じ、電子(光電子)が放出される。
これによりランプ10では、一対の放電電極104A、104Bの間で希ガスの絶縁破壊を促進させて、比較的低い印加電圧にて火花放電が発生する。いったん放電電極104A、104B間で発生した火花放電は、その後アーク放電に移行し、水銀の蒸発に伴い良好な発光効率によるランプ10の水銀発光点灯が実現される。
ここで、石英ガラスの比誘電率よりも非常に高い比誘電率を有する材料(一例としてチタン化合物)で誘電体20が構成されているので、誘電体20の表面には帯電による電荷が豊富に蓄積される。これにより金属線21の下流側端部21aと誘電体20の間では、従来よりも相当に低い印加電圧でコロナ放電およびこれに伴う紫外線が発生する。
また、金属線21の下流側端部21aと、封止部101A内の金属箔103Aおよび放電電極104Aとの間に、高い比誘電率の誘電体20が介在することで、金属線21と誘電体20の接触部分における電界が増大し、豊富な紫外線を発生させることができる。
実際に本願発明者らの行った実験によれば、従来型の近接導体ワイヤーを用いた高圧放電ランプでは、始動時に1.5[kV]〜2.0[kV]程度の印加電圧で、トリガー線の下流側端部付近でコロナ放電が発生し、3[kV]程度の印加電圧で発光部内の発光が確認された。これに対し、実施の形態1の構成では、300[V]〜800[V]程度の印加電圧でコロナ放電が発生するとともに、1.5[kV]以下の印加電圧で発光部内の放電開始を確認することができた。これは前述の、始動補助手段として放射性ガスを用いた場合と同様に、十分に低い放電開始電圧である。
このような効果が発揮されることにより、ランプユニット1では、放電開始電圧の低減と良好な始動性の両立効果により、点灯回路が生成する印加電圧の低減を実現している。またこれにより、点灯回路を含むランプシステムの小型化や低価格化を期待することができる。
また、ランプユニット1では特許文献2記載の技術のように、主として強電界を利用するのではなく、紫外線照射を利用してランプ10の放電開始電圧の低減を図る。従って、外囲器108の内部において封止部101A、101Bと電極組立体107A、107Bとの間に微小空隙を設ける必要がなく、当該空隙の精度管理を回避できるため、良好な生産性を有している。
(性能確認実験)
図19、21は、本願発明者らの行った、高圧放電ランプの始動性に係る性能確認実験(点灯試験)の内容を模式的に示す図である。本願発明者らは、十分に高い比誘電率を持つ材料を用いて実験用トリガー部材50を構成し、ランプ10の始動性を調べた。図19(a)に示すように、交流高電圧発生器をランプ10の各外部リード線102A、102Bと接続した回路を基本とし、同図(b)に示すように、ランプ10及びトリガー部材50とを並列接続した。このトリガー部材50は、図20(a)の構成図のように、ランプ10の封止部101A、101Bを模した封止部51の内部に金属箔103Aおよび外部リード線102Aを配置し、封止部51の外部に誘電体20Xを配置してなる。交流高電圧発生器には、外部リード線102Aと金属線52とを接続した。なおここで、交流高電圧発生器の出力電流は、便宜上、火花放電は維持できるがアーク放電には移行しないレベル(約10[mA]以下)に制限をかけている。
この回路に周波数10[kHz]の正弦波交流電圧を電圧値を高めながら電圧印加した。電圧値(ピーク値)を300[V]〜800[V]程度まで上昇させると、金属線52の下流側端部52aと誘電体20Xの接点付近でコロナ放電が発生し、これに伴って紫外線が発生した(図20(b))。さらに電圧値を上昇させると、コロナ放電は前記接点周囲に拡大し、紫外線も増大した。前記紫外線がランプ10の発光部100内部に照射され、印加電圧が1.5[kV]以下の範囲において、ランプ10の火花放電発生(放電開始)が確認された(図19(b))。なお、ランプ10の火花放電が生じると、発光部内に放電パスが形成されるため、ランプ10に点灯回路から所定の電力が供給されればアーク放電に移行することを意味している。なお追加実験で、交流高電圧発生器の周波数を変化させたところ、500[Hz]から200[kHz]までの範囲では、若干の違いは見られるものの周波数10[kHz]の場合とほぼ同様の効果が得られた。
このように本発明の高圧放電ランプでは、800[V]以下程度の低い印加電圧でも、誘電体上の印加接点においてコロナ放電および紫外線を発生させることができ、1.5[kV]以下の印加電圧でランプを放電開始させることができる。さらに、その主な特徴として、高圧放電ランプに対して始動補助部材(金属線及び誘電体)を10[cm]程度まで分離配置させても、十分に低い印加電圧値で高圧放電ランプを始動させることができる。ここで特徴的なのは、本発明の誘電体は強電界を発生させるための電界調整手段ではなく、コロナ放電に伴う紫外線を発生させる手段として作用させ、この紫外線照射効果により発光部の始動を促進させている点である。従って、誘電体と金属線の接点付近におけるコロナ放電に伴って発生する紫外線が、一定量以上、発光部に到達できる範囲であれば、トリガー部材と高圧放電ランプを互いに分離して配置させることができる。このため本発明の高圧放電ランプでは、誘電体の配置位置の制約が少なく、たとえば後述する別の実施の形態のように、反射鏡内に誘電体を配置できるなど、極めて高い設計自由度を発揮できるものである。
また、実施の形態1の高圧放電ランプ10では、金属線21と第一封止部101Aとの間に誘電体20を設けているため、当該金属線21に対して対向電極となる第一封止部101A内の電極組立体107Aとの間の距離が比較的広くなっている。しかしながら本発明では、前記したように金属線21と誘電体20との接点周囲で生じる紫外線を利用して始動電圧の低減を図るものであるため、前記距離の増加はそれほど問題とならない。これは従来、金属線をできるだけ封止部に近接させ、金属線周囲に強電界を発生させようとする構成(特許文献1、2等)に比べ、本発明が有する大きな特徴である。
以下、本発明の別の実施形態について、実施の形態1との差異を中心に説明する。
<実施の形態2、3>
図4は実施の形態2に係るランプユニット1Aの構成を示す一部断面図である。実施の形態1との違いは、直方体状の誘電体20Aを第一封止部101A上に配置し、誘電体20Aの上面に金属線21の下流側端部21aを点接触させた点である。誘電体20Aは、第一封止部101A上にセメント等の固着剤を用いて固定されている。
このランプユニット1Aによっても、始動時には実施の形態1のランプユニット1と同様の効果を期待できる。
次に、図5は実施の形態3に係るランプユニット1Bの構成を示す一部断面図である。当該ランプユニット1Bの特徴は、直方体状の誘電体20Bをランプ10の第一封止部101A上に設けるとともに、各極性の外部リード線102A、102Bに接続した金属線21、22を誘電体20Bに点接触させた点にある。外部リード線102Aから延長された金属線22の下流側端部22aは、金属材料からなるパッド部22cを介して誘電体20Bと接続されている。一方、発光部100に近接する金属線21は外部リード線102Bより延長され、誘電体20Bに対して点接触している。
このような構成のランプユニット1Bにおいても実施の形態1と同様の効果が奏される。さらに、石英ガラスに比べて非常に高い比誘電率を持つ誘電体20Bに両極性の金属線21、22が接触しているため、始動時には比較的低い印加電圧でコロナ放電および紫外線を発生させることができる。このため、特に良好な放電開始電圧の低減を期待できる。
また、本願発明者らの実験によれば、誘電体の片面だけに金属線を接触させた場合と、同じ誘電体の両面に金属線を接触させた場合とを比較すると、後者の方が低い印加電圧でコロナ放電が発生することが確認できた。このコロナ放電に伴って発生する紫外線を利用することで、ランプユニット1Bでは放電開始電圧のさらなる低減を期待できる。
<実施の形態4、5>
次に、図6は実施の形態4に係るランプユニット1Cの構成を示す一部断面図である。
ランプユニット1Cの特徴は、厚みの薄い誘電体20Cを反射鏡40の反射面41の下部表面に配設し、その上面にニッケル線122Aより延長した金属線22の下流側先端22aを点接触させた点にある。金属線22は、ここでは反射鏡40の内部を貫通させているが、この構成に限定されない。
また、図7は実施の形態5に係るランプユニット1Dの構成を示す一部断面図である。ランプユニット1Dは、反射鏡40の反射面41に誘電体20Dを埋設している点では実施の形態3と共通する。ただし、誘電体20Dはその上面において、外部リード線102Aより延長された金属線22の下流側端部22aと点接触する。また、誘電体20Dの下面側は、外部リード線102Bより延長された金属線21の下流側端部21aと、パッド部21cを介して接触している。
この場合、誘電体20Dが反射鏡40の内側と外側に共に露出しているため、誘電体20Dに対して、両極性の金属線21、22を接触させる場合において、一方の金属線21を反射鏡40の外側に配置することができる。従って、両極性の金属線21、22を共に反射鏡40の内側に配置する場合に比べて金属線21、22が光を遮る量を少なくすることができる。これにより、小型のランプユニットにおいても誘電体20Dおよび金属線21、22の配設により発光効率の低下を抑制しつつ、放電開始電圧の低減を図ることができる。
これら実施の形態4、5の場合、誘電体が反射鏡に配置されているため、先の実施の形態のように誘電体をランプの近傍に配置する場合に比べて誘電体が光を遮る量を少なくすることができる。従って、小型のランプユニットにおいても誘電体20Dおよび金属線21、22の配設により発光効率の低下を抑制しつつ、放電開始電圧の低減を図ることができる。
このような実施の形態3、4の各ランプユニット1C、1Dでは、始動時にはそれぞれ誘電体20C、20Dの上面において、金属線の下流側端部22aとの接触付近でコロナ放電および紫外線を発生する。この紫外線が、ランプ10の発光部100に照射されることで、実施の形態1と同様に、従来よりも放電開始電圧の低減が実現できる。
また、実施の形態4のランプユニット1Dでは、実施の形態2と同様に両極性の金属線22、21を誘電体20Dに接触させているため、放電開始電圧のさらなる低減効果を期待することができる。
また、ランプユニット1C、1Dにおいては、反射鏡40の反射面41上に占める誘電体20C、20Dの面積は非常に小さいため、反射鏡からの出射光量を損なうおそれも小さい。これは、例えば従来技術(特許文献3等)のように、ランプ10に極めて近い位置に始動補助部材の放電管を設ける必要があった構成に比べ、優れた利点であると言える。
<実施の形態6〜8>
次に、図8は実施の形態6に係るランプユニット1Eの構成を示す一部断面図である。
ランプユニット1Eの特徴は、外部リード線102Bから端部21bより延長した金属線21を、反射鏡40を貫通させ、その下流側端部21aを反射面41の下部と点接触させた構成にある。
一方、図9は実施の形態7に係るランプユニット1Fの構成を示す一部断面図であって、ランプユニット1Eとは逆に、外部リード線102Bから端部21bより延長した金属線22をランプ10に巻回した後、下流側端部22aを反射面41の上部と点接触させている。
或いは図10の実施の形態8に係るランプユニット1Gのように、基本的にはランプユニット1Eと同様であるが、金属線21を反射鏡40の筒部43に充填された固着剤44の内部を挿通させる構成としている。
このような各構成を有するランプユニット1E、1F、1Gでは、いずれも反射鏡40の反射面41の反射膜が誘電体多層膜である。特に、この誘電体多層膜が酸化チタンで構成されている場合は、石英ガラスよりも高い比誘電率の誘電体として機能する。従って、始動時には各金属線21の端部21aとの接触点付近において、比較的低い印加電圧でコロナ放電およびこれに伴う紫外線を生じる。この紫外線が発光部100に照射され、発光部100内部で光電子が発生することで、放電開始電圧の低減を実現できる。
<実施の形態9>
次に示す図11は、実施の形態9に係るランプユニット1Hの構成を示す一部断面図である。
このランプユニット1Hの特徴は、反射鏡40の反射面41の表面に誘電体20Hを配設し、独立配線である被覆導線126Cに接続した端部23cから金属線23を延長し、その下流側端部23aを誘電体20Hの表面に点接触させた点にある。
以上の構成を持つランプユニット1Hの始動時には、外部から被覆導線126Cに交流電圧を印加する。これにより、金属線23の下流側端部と誘電体20Hの表面の間でコロナ放電および紫外線が発生し、当該紫外線が発光部100に照射されることで、発光部100の始動電圧の低減効果を得ることができる。なお、放電開始後は被覆導線126A、126Bのみに通電を行い、被覆導線126Cへの通電を遮断して、通常の点灯動作を行えばよい。
このような構成のランプユニット1Hにおいても、ランプユニット1E〜1Gと同様の効果を期待することができる。
なお、図11に示すランプユニット1Hは、誘電体20Hが反射面に設けられているが、誘電体20Hがランプ100に設けられている場合、誘電体20Hが後述する副反射鏡に設けられている場合、反射鏡や副反射鏡の反射面が誘電体である場合等にも適用できる。
(誘電体と金属線の構造について)
次に、本発明における誘電体の形状および金属線の配線について説明する。図12は、各構成の誘電体と金属線の構造を示す要部拡大断面図である。
本発明の誘電体の形状は特に限定されない。例えば実施の形態1のようにリング状とすれば、高圧放電ランプ10の円柱状の第一封止部101Aに嵌入して取り付けが容易であるほか、両者の固定も確実である。一方、直方体状または板体状とすれば、反射鏡40の反射面上、または埋め込みにより容易に取り付けることができる。
さらに誘電体は、単一材料からなる単層構造に限定されない。図12(e)に示すように、互いに異なる材料からなる層を二層以上積層して構成することもできる。当図では20C1、20C2の二層構造からなる誘電体20C‘を示している。ここではコロナ放電を発生させたい面の層は比誘電率の高いセラミック材料として、他方の面の層はそれに限定されず石英ガラスやアルミナ、金属等でも良い。このような構成は、反射鏡40、副反射鏡45の反射面41、46を高い比誘電率の誘電体として構成する場合にも採れる。
次に実施の形態1の場合、基本的には図12(a)のように、直方体状の誘電体20Cの上面に金属線22の下流側端部22aを接触させる(その他、実施の形態2の下流側端部21a、実施の形態4、5、13の下流側端部22a、実施の形態9の下流側端部23a、実施の形態12の下流側端部24aもそれぞれ同様である)。この場合、金属線22は、図12(d)に示すように、複数の端部22a1、22a2、22a3において誘電体(図中では20C)と接触させてもよい。なお、同電位の複数の端部を接触させる場合、全ての端部を誘電体のある一面に接触させてもよいし、複数の端部を誘電体の異なる複数の面に接触させてもよい。
また、誘電体の両面を2本の金属線21、22等で挟む構成については、図12(b)に示すように、パッド部21cを介して金属線21、22を接触させることもできる。ここで図12(b)は実施の形態3の誘電体20Bを図示するが、実施の形態5も同様である。この場合も、図12(f)の誘電体20D’に示すように、多層構造(当図では異なる材料からなる層20D1、20D2の積層構造)の誘電体としてもよい。
或いは図12(g)に示すように、一対の同じ材料からなる層20D3、20D5の間に、異なる材料からなる層20D4を積層した、3層構造の誘電体20D‘’も採り得る。
なおパッド部21cは、金属線22aの対向電位として電界強度を確保するための金属部材であるが、必須の構成ではない。従って図12(c)に示すように、これを省略することもできる。なお、金属部材としては、例えばニッケル製のシート等を用いることができる。
また、2本の金属線21、22は、誘電体の両面を挟む構成に限らず、例えば誘電体の隣り合う面にそれぞれ接触させてもよい。
<実施の形態10、11>
図13は、実施の形態10に係る副反射鏡付ランプ1Iの構成を示す、一部断面図(副反射鏡45のみ断面図示)である。
当図に示す副反射鏡付ランプ1Iでは、ランプ10の第一封止部101Aに対し、椀型の反射面46を持つ公知の副反射鏡45を、反射光が第二封止部101B側に出射されるように配設している。そして、副反射鏡45を固定するための固着部47が配された筒部48に対し、リング状の誘電体20Iを配設する。誘電体20Iは筒部48に不図示のセメントで固定されている。ここでランプ10の外部リード線102Bは金属線24の端部24Bが接続され、金属線24の下流側端部24aが誘電体20Iに点接触している。
このような構成を持つ副反射鏡付ランプ1Iでは、始動時には金属線24の下流側端部24aとリング状の誘電体20Iとの間でコロナ放電が生じる。これに伴い発生した紫外線は直接または反射鏡の反射面で反射されることによって、発光部100に照射され、一対の放電電極104A、104Bの間で放電開始が促進される。これにより副反射鏡付ランプ1Iでは、従来に比べて十分に低い印加電圧にて放電が発生し、放電開始電圧の低減が実現できる。
次の図14に示す実施の形態11に係る副反射鏡付ランプ1Jは、実施の形態10に係る副反射鏡付ランプ1Iとほぼ同様であるが、副反射鏡45の反射面46の反射膜が酸化チタンで構成される誘電体多層膜であり、金属線24の下流側端部24aを前記反射面46に接触させている。
このような構成の副反射鏡付ランプ1Jにおいても、実施の形態8と同様の効果を期待することができる。また、副反射鏡付ランプ1Jでは比較的小面積の副反射鏡45の反射面46に誘電体を設ける場合の配置位置の制約がないため、副反射鏡45における反射効果を特に良好に維持することが可能であるという特徴を有する。
<実施の形態12、13>
図15は、実施の形態12に係るランプユニット1Kの構成を示す、一部断面図(副反射鏡45、反射鏡40のみ断面を図示)である。
当図に示す構成では、リング状の誘電体20Kが第一封止部101Aの外表面に嵌入され、外部リード線102Bに上流側端部20bが接続された金属線24が、その下流側端部24aにおいて誘電体20Kの上面と点接触されている。金属線24は、反射鏡40の筒部43に充填された固着剤44を貫通するように配設される。
以上の構成を持つランプユニット1Kでは、始動時には前記点接触部分と、誘電体20Kが配設された第一封止部101Aの内部においてコロナ放電が発生し、これに伴う紫外線が発光部100内部に照射されることで、比較的低い印加電圧にて放電が開始する。
また、図15に示す金属線24は、反射鏡40の筒部43と第1封止部101Aとの間を通っているが、これに限らず、反射鏡40の外側から回り込んで、第2の封止部101B側に延長されていてもよい。なお、金属線24が反射鏡40の筒部43と第1封止部101Aとの間を通っている場合には、金属線24を反射鏡40の筒部43と第1封止部101Aとの間で固定できるため、金属線24を配置しやすくすることができる。
次に示す図16は、実施の形態13に係るランプユニット1Lの構成を示す、一部断面図(副反射鏡45、反射鏡40のみ断面を図示)である。ランプユニット1Kとの違いとして、ランプユニット1Lではリング状の誘電体20Lが第二封止部101Bに嵌入され、外部リード線101Aより延長された金属線24の下流側端部22aが、誘電体20Lの上面と点接触している。
このような構成を持つ、実施の形態13に係るランプユニット1Lにおいても、実施の形態12と同様の効果を期待できる。
なお、ランプ10に誘電体を配設する場合には、第一封止部101Aおよび第二封止部102Bのいずれに配設してもよい。但し、配設した誘電体20Lが発光部100からの出射光を大きく遮蔽すると、発光効率に影響するため注意する。実施の形態13では、副反射鏡45からの出射光が誘電体20Lに若干当たるため、ランプ10の最大外径よりも誘電体20Lの外径を小さくすることが望ましい。
また、図16に示す金属線24は、副反射鏡45と第2封止部101Bとの間を通っているが、これに限らず、副反射鏡45の外側から回り込んで。第1の封止部101A側に延長されていてもよい。なお、金属線24が副反射鏡24と第2封止部101Bとの間を通っている場合には、金属線24を副反射鏡24と第2封止部101Bとの間で固定できるため、金属線24を配置しやすくすることができる。
<実施の形態14、15>
本発明は上記した画像表示装置用のランプユニットの他、店舗や大型施設などで用いられる一般照明用のメタルハライドランプに適用することもできる。
図17は、実施の形態14に係るメタルハライドランプ1Mの構成を示す、一部断面図(外管301のみ断面を図示)である。
メタルハライドランプ1Mは、石英ガラスからなる発光管400から延出された一対の細管部400a、400bのそれぞれから給電体401a、401bが外部露出しており、当該給電体401a、401bにそれぞれ電力供給線302a、302bが接続されている。発光管400の内部には、始動時放電ガスとしてのAr等の希ガスと、ハロゲン化金属からなる発光物質が封入される。外管301の開口部は口金300で閉じられている。303は、外管301内部に存在する酸素成分や水蒸気等の不純物ガスを吸着するためのゲッターである。
ここでメタルハライドランプ1Mでは、一方の給電体401bを覆う石英ガラスの封止体の外面に誘電体30Mが配設されている。誘電体30Mの外表面には、電極供給線302aから延出された金属線25が点接触されている。
続いて図18は、実施の形態15に係るメタルハライドランプ1Nの構成を示す、一部断面図(外管301のみ断面を図示)である。
メタルハライドランプ1Mとの違いは、誘電体が電極供給線側に設けられ、給電体(電力供給線)から延出された金属線が誘電体表面と点接触している点である。
メタルハライドランプ1M、1Nのいずれの場合も、その他の実施の形態1〜13と同様の効果が期待できる。
<ランプシステムの実施の形態>
図21は、実施の形態1のランプユニット1と点灯回路からなるランプシステムを備えた画像表示装置500を示す一部破断斜視図であって、内部の様子がわかるように筐体の天板を取り除いている。当図に示す画像表示装置500は、前方に設置したスクリーン(不図示)に向けて画像を投影する投射型の液晶フロントプロジェクタである。当該画像表示装置500は、筐体501内に、光源としてのランプユニット1、3枚の液晶パネル(不図示)等を有する光学ユニット502、前記液晶パネル等を駆動制御する制御ユニット503、投射レンズ504、冷却ファンユニット505、及び、商用電源から供給される電力を前記制御ユニット503や前記ランプユニット1の点灯回路(不図示)に供給する電源ユニット506等が収納された構成を有する。
当該画像表示装置500は、放電開始電圧を低減させたランプユニット1と始動時の印加電圧が低い点灯回路からなるランプシステムを備えているため、従来の画像表示装置に比べて小型で低価格化を図ることができる。
なお、当該画像表示装置500に適用するランプユニットは、当然ながらその他の実施の形態のランプユニットであってもよい。
また、誘電体はランプにおいて1個のみ設ける構成に限定されず、複数個にわたり設けてもよい。この場合、実施の形態1のように、ランプの封止部上に複数個設けても良いし、封止部と反射鏡(又は副反射鏡)の双方に設けても良い。また、反射鏡に対して複数の誘電体を設けても良い。
<その他の事項>
本発明の実施の形態において、誘電体と金属線の下流側端部が高圧放電ランプを放電開始させるための印加電圧によって放電を起こす程度に接触している例を示したが、高圧放電ランプを放電開始させるための印加電圧によって放電を起こす程度に近接している場合にも同様の効果が得られる。
なお、「高圧放電ランプを放電開始させるための印加電圧によって放電を起こす程度に近接」とは、具体的には、誘電体と金属線の他端側との最短距離が2[mm]以内であることが好ましい。この場合には、誘電体と金属線とが接触していなかったとしても、放電開始電圧の低減効果をより確実に得ることができる。
本発明において、誘電体が、ランプのいずれか一方の封止部の外表面上に配設され、誘電体の片面だけに金属線の下流側端部が近接または接触する場合において、金属線の下流側端部とランプの封止部の金属箔および放電電極との間に誘電体が介在するように誘電体の上面に金属線が配される構成の例を示したが、これに限定されるものではなく、金属線の下流側端部が誘電体の側面に近接又は接触した場合でも近似の効果が得られる。この場合、金属線の下流側端部と誘電体が近接又は接触する誘電体の面が発光部に最も近い面であれば、始動時のコロナ放電で発生する紫外線を発光部に良好に照射できるという利点がある。
また、本発明において、誘電体の形状は、直方体、円柱、角柱、球、またはそれらに切欠きを設けた形状等様々な形状のものを用いることができる。
例えば、誘電体がリング状で、ランプの封止に嵌入されている場合、封止部の長手方向に沿うスリットが形成されていてもよい。この場合、封止部の熱膨張、収縮に対応しやすく、封止部への固定力を向上することができる。
また、固着剤等を介して誘電体をランプや反射鏡等に固着させる場合、誘電体の固着剤が接触する面に凹凸が形成されていてもよい。この場合、誘電体の固着力を高めることができる。
また、誘電体をランプの封止部の外表面上に配設する場合、誘電体が保温部材を兼ねていてもよい。この場合、ランプを定格電力よりも大幅に下げた電力(例えば50[%]以下)にて点灯させた場合に、放電空間内の最冷点温度が下がり過ぎるのを抑制することで、光束が低下するのを抑制することができる。
この場合、誘電体は、両封止部に配設してもよく、一方の誘電体は、電気的にいずれの部材とも接続されていない状態であってもよい。なお、誘電体とは別途、金属製コイル等、誘電体以外の保温部材をランプの封止部の外表面に設けてもよい。
また、本発明を高圧放電ランプに適用する場合、リード線及びスリーブは不可欠ではなく、それらリード線及びスリーブを備えていない構成であっても良い。
また、リード線は備えているがスリーブは備えておらず、リード線がスリーブを介さずに外部リード線と電気的に接続されている構成であっても良い。
本発明に係る始動補助部材付高圧放電ランプ、ランプユニット、ランプシステム、及びプロジェクタは、従来に比べ、特にランプの放電開始電圧を低減させたものである。このため、液晶プロジェクタやDLP(Digital Light Processing)プロジェクタ等の画像表示装置に幅広く利用できる。誘電体をランプ上に設けた場合は、小型の各種画像表示装置に幅広く用いることが可能であり、その産業上の利用可能性は極めて高い。
1、1A〜1H ランプユニット(反射鏡付ランプ)
1I、1J ランプユニット(副反射鏡付ランプ)
1K、1L ランプユニット(反射鏡・副反射鏡付ランプ)
1M、1N メタルハライドランプ
10、10X 高圧放電ランプ
20、20A〜20N 誘電体
20X 実験用誘電体
21X 近接導体
21〜25 金属線
21a〜24a 上流側端部
21b〜24b、52a 下流側端部
22c〜 パッド部
40 反射鏡
41、46 反射面
45 副反射鏡
50 実験用トリガー部材
51 実験用封止部
52 実験用金属線
100 発光部
101A 第一封止部
101B 第二封止部
102A、102B 外部リード線
103A、103B 金属箔
104A、104B 放電電極
105 放電空間
107A、107B 電極組立体
108 放電容器(外囲器)
112a、112b 電極組立体
126A〜126C 被覆導線
200 誘電体外表面
201 誘電体内表面
500 ランプシステム(投射型フロントプロジェクタ)

Claims (20)

  1. 外囲器および当該外囲器内の放電空間に臨んで配された一対の放電電極を備える高圧放電ランプと、当該高圧放電ランプから発せられた光を反射する反射鏡と、当該高圧放電ランプの始動補助部材とを備えるランプユニットであって、
    前記外囲器は、前記放電空間を内包する発光部と、前記発光部に連接された第一封止部および第二封止部とを備えてなり、
    前記始動補助部材は、前記高圧放電ランプの少なくとも一方の前記放電電極に一端部が電気的に接続された第一金属線と、前記外囲器よりも高い比誘電率を有する誘電体とを有し、前記第一金属線の他端側と前記誘電体とは、前記高圧放電ランプを放電開始させるための印加電圧によって放電を起こす程度に、近接または接触して配されている
    ことを特徴とするランプユニット。
  2. 前記第一封止部および第二封止部の内部に金属箔が配され、
    前記金属箔の一端から、前記放電電極が前記放電空間中に延設され、
    前記金属箔の他端から、外部リード線が前記各封止部より部分的に外部露出するように延設され、
    前記誘電体は、前記第一封止部および第二封止部のうち、いずれか一方の封止部の外表面上に配設され、
    前記第一金属線は、他方の封止部より露出する前記外部リード線に電気的に接続されている
    ことを特徴とする、請求項1に記載のランプユニット。
  3. 前記高圧放電ランプには、発光部からの発光を前記反射鏡側に反射させる副反射鏡が配設されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のランプユニット。
  4. 前記第一封止部および第二封止部の内部には金属箔が配され、
    前記金属箔の一端から、前記放電電極が前記発光部内側に延設され、
    前記金属箔の他端から、外部リード線が前記第一封止部および第二封止部より部分的に外部露出するように延設され、
    前記誘電体は、前記反射鏡の反射面に配設され、
    前記第一金属線は、前記第一封止部または前記第二封止部のいずれかより外部露出する外部リード線に電気的に接続されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のランプユニット。
  5. 前記第一封止部および第二封止部の内部には金属箔が配され、
    前記金属箔の一端から、前記放電電極が前記発光部内側に延設され、
    前記金属箔の他端から、外部リード線が前記各封止部より部分的に外部露出するように延設され、
    前記高圧放電ランプには、発光部からの発光を反射鏡側に反射させる副反射鏡が配設されており、
    前記誘電体は、当該副反射鏡の表面に配設されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のランプユニット。
  6. 前記誘電体は、前記反射鏡の反射膜である
    ことを特徴とする請求項1記載のランプユニット。
  7. 前記高圧放電ランプには、さらに発光部からの発光を前記反射鏡側に反射させる副反射鏡が配設され、
    前記誘電体は、当該副反射鏡の反射膜である
    ことを特徴とする請求項1記載のランプユニット。
  8. 前記第一封止部および第二封止部は円柱状、楕円柱状、または偏平柱状であり、前記誘電体はリング状であって、前記第一封止部または第二封止部に嵌入されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のランプユニット。
  9. 前記誘電体の外径は、発光部の最大外径以下に設定されている
    ことを特徴とする、請求項8に記載のランプユニット。
  10. 前記誘電体は直方体状である
    ことを特徴とする、請求項2に記載のランプユニット。
  11. 前記外囲器が石英ガラスで構成されている
    ことを特徴とする、請求項1に記載のランプユニット。
  12. 前記誘電体はチタン化合物を含んで構成されている
    ことを特徴とする、請求項1に記載のランプユニット。
  13. 前記チタン化合物は、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムの内の1種以上である
    ことを特徴とする、請求項12に記載のランプユニット。
  14. 前記第一金属線は、その先端または一部側面が前記誘電体との接触方向に弾性付勢されている
    ことを特徴とする、請求項1に記載のランプユニット。
  15. 前記第一金属線は、前記高圧放電ランプに巻回されている
    ことを特徴とする、請求項1に記載のランプユニット。
  16. 前記第一金属線が延設された外部リード線と逆極性の外部リード線には、第二金属線が電気的に接続され、
    前記誘電体はさらに前記第二金属線と近接または接触している
    ことを特徴とする、請求項2に記載のランプユニット。
  17. 外囲器および当該外囲器内の放電空間に臨んで配された一対の放電電極を備える高圧放電ランプと、当該高圧放電ランプの始動補助部材が配され、
    前記外囲器は、前記放電空間を内包する発光部と、当該封止部に連接された第一封止部および第二封止部とを備えてなり、
    前記始動補助部材は、前記高圧放電ランプの少なくとも一方の前記放電電極に一端部が電気的に接続された第一金属線と、前記外囲器よりも高い比誘電率を有する誘電体を有し、前記第一金属線の他端側と前記誘電体は、前記高圧放電ランプを放電開始させるための印加電圧によって放電を起こす程度に、近接または接触して配されている
    ことを特徴とする始動補助部材付高圧放電ランプ。
  18. 請求項1〜16のいずれかに記載の前記高圧放電ランプに対し、点灯回路が電気的に接続されてなる
    ことを特徴とするランプシステム。
  19. 請求項17に記載の始動補助付高圧放電ランプに対し、点灯回路が電気的に接続されてなる
    ことを備えることを特徴とするランプシステム。
  20. 請求項18に記載のランプシステムを備える
    ことを特徴とするプロジェクタ。
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