JP5607711B2 - 始動補助部材付高圧放電ランプ、及び始動補助部材付高圧放電ランプの製造方法 - Google Patents
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Description
高圧放電ランプは、放電空間を内包する略球状の発光部に対し、一対の封止部が連設された、石英ガラス製の外囲器を有する。各封止部の内部には、金属箔の長手方向両端部に、放電電極と外部リード線が設けられている。
始動補助部材として近接導体と筒状の誘電体部材とを用いる上述の構成では、始動時に外部リード線に電圧を印加することで、一対の放電電極間で生じる放電に先立ち、近接導体の他端部と誘電体部材表面との接触点近傍でコロナ放電(電子放出)が生じる。このコロナ放電によって発生する紫外線(UV)が照射された放電電極の表面では、光電効果により電子(光電子)が放出される。これにより、放電開始が促され、放電開始電圧の低減が図られるものである。
特に、誘電体部材は、コロナ放電によって発生する紫外線が発光部内の放電電極に好適に照射されるように、発光部に近い位置に固定することが望まれるが、このような位置は点灯時に高温に曝される部位である。そのため、点灯、消灯を繰り返すことで経時劣化により、誘電体部材と固着剤とが剥離することが危惧される。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、従来に比べて耐久性に優れる始動補助部材付高圧放電ランプの提供を目的とする。
を有することを特徴とする。
本発明は、従来に比べて耐久性に優れる始動補助部材付高圧放電ランプの提供を目的とする。
本発明の第1態様である始動補助部材付高圧放電ランプは、発光部に第一封止部および第二封止部が連設された高圧放電ランプに、始動補助部材が設けられた始動補助部材付高圧放電ランプであって、前記始動補助部材は、一端部が、前記第一封止部の表面に近接配置され、他端部が、第二封止部に封止されている放電電極に電気的に接続された金属線と、金属線の前記一端部の表面と、前記第一封止部の表面において前記金属線の一端部が近接配置されている部位との少なくとも一方に密着して薄膜状に形成された、前記第一封止部よりも高い比誘電率を有する誘電体層とを有する。
上記本発明の第2態様の構成によれば、ガラス材料からなる第一封止部を基材として、その表面にガラス部材が融着するよう形成されるため、高い耐久性を得ることができる。
上記本発明の第3態様の構成によれば、誘電体層が第一封止部の周方向に連続してリング状に覆うように形成されているため、金属線を高圧放電ランプに取り付ける工程において、一端部を第一封止部の表面に配設する位置は高圧放電ランプの周方向に回転依存性がなく、組み立てが容易である。
紫外線を吸収するような材料で粉体が構成されていると、コロナ放電によって生じた紫外線は誘電体層の透過中に大幅に減衰することになる。上記本発明の第4態様の構成によれば、発光部側で膜厚が薄くなるよう誘電体層が形成されていることで、誘電体層を透過して発光部方向へ向かう紫外線の減衰量が抑えられ、紫外線が放電電極に良好に照射される。
上記本発明の第5態様の構成によれば、誘電体層の表面に金属線の一端部は引掛りやすく、第一封止部の表面に金属線の一端を配する場合に比して、始動補助部材付高圧放電ランプの構造が安定する。
上記本発明の第6態様の構成によれば、誘電体層の表面に金属線の一端部が引掛りやすくなり、始動補助部材付高圧放電ランプの構造が安定する。
また、本発明の第7態様は第2態様において、前記誘電体層は、少なくとも前記粉体とガラスフリットと有機バインダーと有機溶剤とを混練したペーストを、前記第一封止部の表面に塗布して焼成することにより形成されるよう構成してもよい。
また、本発明の第8態様は第1態様において、前記誘電体層は、前記第一封止部の表面に付着する、前記第一封止部よりも高い比誘電率を有する材料の粉体からなるよう構成してもよい。
また、本発明の第9態様は第8態様において、前記粉体は、平均粒径が5μm〜10μmであるよう構成してもよい。
また、本発明の第10態様は第8態様において、前記誘電体層は、少なくとも前記粉体と有機溶剤とを混合したスラリーを、前記第一封止部の表面に塗布して乾燥させることにより形成されるよう構成してもよい。
また、本発明の第11態様は第2態様および第8態様の何れかにおいて、前記第一封止部が石英ガラスで構成されており、前記粉体がチタン化合物を含んで構成されていてもよい。
上記本発明の第11態様および第12態様の構成によれば、電圧印加時に誘電体層に豊富な電荷を蓄積させることができ、低い印加電圧でコロナ放電およびこれによる紫外線を発生させることができる。
上記本発明の第13態様の構成によれば、金属線の一端部を基材として、その表面に誘電体材料が堆積した薄膜として誘電体層が形成されるため、誘電体層を固着剤によって固定する必要がなく、始動補助部材付高圧放電ランプの耐久性を向上させることができる。
また、本発明の第14態様は第13態様において、前記薄膜は、前記金属線の一端部に物理気相堆積を用いて形成されるよう構成してもよい。
また、本発明の第15態様は第13態様において、前記第一封止部が石英ガラスで構成されており、前記薄膜がソーダガラス、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、五酸化タンタルの内の1種以上を含んで構成されるよう構成してもよい。
本発明の第16態様である始動補助部材付高圧放電ランプの製造方法は、発光部に第一封止部および第二封止部が連設された高圧放電ランプに、始動補助部材である金属線が設けられた始動補助部材付高圧放電ランプの製造方法であって、前記第一封止部よりも高い比誘電率を有する粉体を含む誘電体層を、前記第一封止部の表面の一部に密着した薄膜状に形成するステップと、前記金属線の一端部を、第二封止部に封止されている放電電極に電気的に接続させ、前記金属線の他端部を、前記第一封止部の表面に形成された前記誘電体層に近接配置させるステップとを含む。
なお、各図面における部材の縮尺は実際のものとは異なる。また、本発明において、数値範囲を示す符号「〜」は、その両端の数値を含むものとする。
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1に係る始動補助部材付高圧放電ランプを用いたランプユニット1の構成を示す一部断面図である。当図では説明のため、反射鏡40及びコネクタ110の一部のみ断面を図示する。
(高圧放電ランプ10の構成について)
図2は、高圧放電ランプ10の構成を示す正面図である。当図では説明のため、高圧放電ランプ10の内部も実線にて図示する。
放電容器108は、発光部100と、当該発光部100の両側から延設されて一対をなす細管からなる第一封止部101Aおよび第二封止部101Bとを一体的に形成してなる。
第一封止部101Aおよび第二封止部101Bは、例えば略円柱状であり、第二封止部101Bが反射鏡40(図1参照)と固着される。
外部リード線102A、102Bは、金属箔103A、103B側が封止部101A、101B内に埋め込まれ、金属箔103A、103Bとは反対側が封止部101A、101Bから外部に突出する。
(始動補助部材について)
図2に示すように、始動補助部材は、誘電体層20と、金属線21とからなる。
誘電体層20は、第一封止部101Aの表面において、金属線21の端部21aが近接する部位に密着するよう形成されている。誘電体層20の表面は、第一封止部101Aの表面と比較して表面粗さが粗く形成されている。
誘電体層20の内部構造は、図4(a)の模式断面図に示すように、第一封止部101Aを基材として、その外表面にガラス部材201が融着している。このガラス部材201の内部には、高圧放電ランプ10の外囲器108の構成材料(石英ガラス)よりも高い比誘電率を有する誘電体材料からなる粉体200が混在する。このような構造により、誘電体層20全体としても、外囲器108の構成材料より高い比誘電率を有する。
図1に戻って、反射鏡40は、発光部100からの出射光のうち、特定波長の光を選択的に前面に反射する凹状の反射面41が形成された椀部42と、当該椀部42の後方に延設された筒部43とを有する。高圧放電ランプ10の第二封止部101Bおよび金属線21は、椀部42の反射面41側から筒部43内へと挿入され、反射面41の焦点と高圧放電ランプ10の一対の放電電極104A、104B間の中央位置とが略一致させられた状態で、第二封止部101Bと前記筒部43との隙間に固着剤44としてのセメント(例えばスミセラムS−10A、朝日化学工業株式会社製)が充填されて固着されている。なお、固着剤44としてはセメントに限定されず、ランプ用の耐熱性固着剤として入手可能な市販品を使用しても良い。
以上が、実施の形態1に係る始動補助部材付高圧放電ランプを用いたランプユニット1の構成である。
続いて、誘電体層20の形成方法について説明する。
平均粒径(d50)が5〜10[μm]の誘電体材料の粉体200、軟化点が800℃程度のガラスフリット、バインダとしてのニトロセルロース、及びターピネオール等の有機溶剤を混練することで、誘電体ペーストを生成して、この誘電体ペーストを第一封止部101Aの外表面に塗布して、焼成することで、誘電体層20を形成することができる。なお、本明細書において粉体の粒径には、レーザー回折法により計測した値を用いる。なお、誘電体材料からなる粉体の平均粒径が1[μm]未満では形成した誘電体層の実効的な誘電率が低くなり、粉体の平均粒径が20[μm]超では誘電体層の厚膜形成がしにくい。したがって、粉体200の平均粒径は1〜20[μm]の範囲であればよく、前記5〜10[μm]は好ましい範囲である。
誘電体ペーストの塗布には、例えば、スクリーン印刷を利用することができる。図6(a)は、誘電体ペーストの塗布に用いる印刷製版300を示す。印刷製版300は、金属枠301にポリエステルメッシュ302が張られ、ポリエステルメッシュ302の上に、矩形状の開口部を有するマスク303が被せられている。
以上のような工程で、第一封止部101Aの外表面に密着した誘電体層20が形成される。
(1)誘電体層20
誘電体層20の表面粗さは、表面に金属線21の端部21aを接触させたときに係止効果を奏するように、Ra値が5[μm]以上であることが好ましい。上述したスクリーン印刷を利用した形成方法で形成した場合には、おおよそRa値が5[μm]程度の表面粗さで誘電体層20を形成することができる。
(2)金属線21の材料
金属線21は、例えば鉄―クロム(Fe−Cr)系合金材、ニッケル−クロム(Ni−Cr)系合金、またはモリブデン材で構成される。
(3)放電空間に封入される水銀、始動時の放電ガスとしての希ガス、及び、ハロゲン物質
プロジェクタ用の高圧水銀ランプの場合、水銀は、放電容器の内容積あたり0.15[mg/mm3]〜0.40[mg/mm3]封入されており、一例として0.30[mg/mm3]である。
ハロゲン物質としては、例えば、ヨウ素(I)、臭素(Br)、塩素(Cl)のいずれか又はそれらの少なくとも2種の混合物質などが、発光管の単位内容積あたり1×10−6[μmol/mm3]以上1×10−2[μmol/mm3]以下の範囲内で封入されており、一例として臭素が5×10−4[μmol/mm3]である。
(4)電極組立体
外部リード線102A、102Bは、例えばモリブデン材やタングステン材で構成される。外部リード線102A、102Bの直径は、封止部101A、101Bの気密性を高めるために、0.5[mm]以下であることが好ましい。一例として、約0.4[mm]である。
放電電極104A、104Bは、例えばタングステン(W)材で構成される。放電電極104A、104Bの先端部間の距離である電極間距離(放電ギャップ)は、任意に設定できる。ショートアーク形の場合、例えば0.5[mm]〜2.0[mm]の範囲に設定することができる。
本実施の形態1の構成によれば、誘電体層20は、第一封止部101Aを基材として、その表面にガラス部材201が融着するよう形成されるため、第一封止部101Aに対して固着剤で固定する必要がない。そのため、固着剤の経時劣化による不具合が生じ得ず、始動補助部材付高圧放電ランプは高い耐久性を得ることができる。
(1)誘電体層の形状
誘電体層20の形状は、第一封止部101Aの表面において、金属線21の端部21aが近接配置される部位に形成されていればよく、必ずしも、図3(a)のように、第一封止部101Aを周方向に連続してリング状に覆うように形成されている必要はない。例えば、図3(b)に示すように、第一封止部101Aの表面において、周方向の半周程度を覆うように誘電体層20を形成してもよいし、あるいは、図3(c)に示すように、端部21aを配設する部位の近傍にのみパッチ状に誘電体層20を形成してもよい。
(2)誘電体層20の膜厚分布
誘電体層20の膜厚分布は全体が均一である必要はなく、例えば、誘電体層20は、発光部100から遠い部位よりも、発光部100に近い部位の膜厚を薄く形成してもよい。
チタン化合物は紫外線を吸収するため、このような材料で粉体200が構成されていると、コロナ放電によって生じた紫外線は誘電体層20の透過中に大幅に減衰することになる。しかし、発光部100側の膜厚が薄くなるよう誘電体層20を形成することで、誘電体層20を透過して発光部100方向へ向かう紫外線の減衰量が抑えられ、紫外線が放電電極に良好に照射される。
(3)誘電体ペーストの塗布
誘電体ペーストの塗布方法は、誘電体ペーストをスクリーン印刷で第一封止部101Aに塗布する方法に限定されない。例えば、インクジェット印刷により誘電体ペーストを第一封止部101Aに吹き付けて塗布してもよいし、刷毛等を用いて塗布してもよい。あるいは、印刷用途よりも高い粘度になるように溶剤成分を減らして誘電体ペーストを生成し、この粘度の高い誘電体ペーストをシート状に成形して、第一封止部101Aに貼り付けてもよい。
(4)誘電体膜の焼成
上述した誘電体層20の形成工程では、第一封止部101Aに塗布した誘電体ペーストを900℃程度で焼き付けるとした。
(5)端部21aと誘電体層20との接触
図5(b)に示すように、端部21aの先端が、端部内よりの部位から端に向かって断面積が縮小するように、先鋭に加工された金属線を用いてもよい。誘電体層20と金属線21との接点は面積が小さいほど、電圧印加時の電界が集中し、コロナ放電およびこれによる紫外線が生じ易い。従って、図5(b)のように、金属線の先端を先鋭なものとすることで、図5(a)に示すものよりも低い印加電圧でコロナ放電を発生させることができる。
「始動補助部材を有していない高圧放電ランプを放電開始させるための印加電圧よりも低い印加電圧によってコロナ放電を起こす程度に近接」とは、具体的には、誘電体層と金属線の一端部との最短距離が2[mm]以内であることが好ましい。この場合には、誘電体と金属線とが接触していなかったとしても、放電開始電圧の低減効果をより確実に得ることができる。但し、端部21aと誘電体層20Aの表面との距離が近いほど、低い印加電圧でコロナ放電が発生しやすい。
(6)誘電体層の構造
誘電体層は、粉体200がガラス部材201の内部に混在した構成に限定されず、 図4(b)に示す誘電体層20Aのように、ガラス部材201を有しておらず、粉体200が分子間力により第一封止部101Aの表面に直接吸着した構造であってもよい。
なお、誘電体層20Aの構造では、端部21aの接触により粉体200が第一封止部101Aから脱落する虞がある。そこで、本変形例では、図5(d)のように、端部21aと誘電体層20Aとは間隔dをあけて、近接して配されることが好ましい。dの距離は、始動補助部材を有していない高圧放電ランプを放電開始させるための印加電圧よりも低い印加電圧によってコロナ放電を起こす程度の距離であればよい。
<実施の形態2>
以下、実施の形態1とは異なる部位に誘電体層が形成されている実施の形態2について、実施の形態1との差異を中心に説明する。
本実施の形態2では、金属線21の端部21aの端を基材として、薄膜状の誘電体層20Bが形成されている。
一方、本実施の形態2において第一封止部101Aの表面には、誘電体層が形成されておらず、図8(a)のように、端部21aに形成された誘電体層20Bが、第一封止部101Aの表面に点接触するように金属線21が配設されている。
(効果)
本実施の形態1の構成によれば、誘電体層20Bは、金属線21の端部21aを基材として、その表面に薄膜状に形成されるため、端部21aに対して固着剤で固定する必要がない。そのため、固着剤の経時劣化による不具合が生じ得ず、始動補助部材付高圧放電ランプは高い耐久性を得ることができる。
また、筒状の誘電体部材を封止部に外嵌し固着剤を用いて固定した従来の始動補助部材付高圧放電ランプでは、その組み立てにおいて、誘電体部材を外嵌する工程や、固着剤を塗布する工程が必要であったが、本実施の形態2の構成によれば、誘電体層20Bが金属線21の端部21aに形成されているため、これらの工程が必要なく、生産性に優れている。
(変形例について)
(1)誘電体層20Bの形状
図7(c)は実施の形態2の変形例に係る誘電体層20Bの構成を示す斜視図であり、(d)は実施の形態2の変形例に係る誘電体層20Bの断面図である。誘電体層20Bを成膜する際には、図7(c)および(d)に示すように、端部21aの端面の一部の縁を覆うように誘電体材料を堆積させることで、薄膜を形成してもよい。これは、誘電体層20Bは、少なくとも、端部21aを第一封止部101Aに対して斜めに突き立てる場合(図8(a)参照)に、第一封止部101Aと接触する部位に形成されていればよいためである。このような誘電体層20Bは、物理気相堆積のステップカバレッジに影響されることなく、容易に成膜することができる。
(2)端部21a、第一封止部101Aの両方に誘電体層を有する変形例
実施の形態2では、第一封止部101Aの表面には、誘電体層が形成されていない場合について説明したが、誘電体層は、金属線21の端部21aと、第一封止部101Aの表面との両方に形成されていてもよい。
このような構成では、交流電圧の印加時に両方の誘電体層に帯電により豊富な電荷が蓄積するため、低い印加電圧でコロナ放電を発生させることができる。
(3)誘電体層20Bと第一封止部101Aとの接触
実施の形態2において、誘電体層と第一封止部101Aとが接触している例を示したが、始動補助部材を有していない高圧放電ランプを放電開始させるための印加電圧よりも低い印加電圧によってコロナ放電を起こす程度に近接している場合にも、始動電圧を低減することができる。
(4)誘電体層20Bの形成方法
誘電体層20Bの形成方法は、物理気相堆積を利用した方法に限定されず、他の成膜方法により形成することもできる。例えば、溶融した誘電体材料に金属線21の端部21aを浸して、付着した誘電体材料を固化させることで、誘電体層20Bを成膜することもできる。
<実施の形態3>
図9は、実施の形態3に係るランプユニット1Aの構成を示す、一部断面図(副反射鏡45、反射鏡40のみ断面を図示)である。
このような構成を持つ、実施の形態10に係るランプユニット1Aにおいても、実施の形態1と同様の効果を期待できる。
<ランプシステムの実施の形態>
図10は、実施の形態1のランプユニット1と点灯回路からなるランプシステムを備えた画像表示装置500を示す一部破断斜視図であって、内部の様子がわかるように筐体の天板を取り除いている。当図に示す画像表示装置500は、前方に設置したスクリーン(不図示)に向けて画像を投影する投射型の液晶フロントプロジェクタである。当該画像表示装置500は、筐体501内に、光源としてのランプユニット1、3枚の液晶パネル(不図示)等を有する光学ユニット502、前記液晶パネル等を駆動制御する制御ユニット503、投射レンズ504、冷却ファンユニット505、及び、商用電源から供給される電力を前記制御ユニット503や前記ランプユニット1の点灯回路(不図示)に供給する電源ユニット506等が収納された構成を有する。
なお、当該画像表示装置500に適用するランプユニットは、当然ながらその他の実施の形態のランプユニットであってもよい。
10 高圧放電ランプ
20、20A〜20B 誘電体層
21、22 金属線
21a、21b、22a、22b 端部
40 反射鏡
41 反射面
45 副反射鏡
100 発光部
101A 第一封止部
101B 第二封止部
102A、102B 外部リード線
103A、103B 金属箔
104A、104B 放電電極
105 放電空間
107A、107B 電極組立体
108 放電容器(外囲器)
112 内部空間
126A〜126C 被覆導線
200 粉体
201 ガラス部材
500 ランプシステム(投射型フロントプロジェクタ)
Claims (16)
- 発光部に第一封止部および第二封止部が連設された高圧放電ランプに、始動補助部材が設けられた始動補助部材付高圧放電ランプであって、
前記始動補助部材は、
一端部が、前記第一封止部の表面に近接配置され、他端部が、第二封止部に封止されている放電電極に電気的に接続された金属線と、
金属線の前記一端部の表面と、前記第一封止部の表面において前記金属線の一端部が近接配置されている部位との少なくとも一方に密着して薄膜状に形成された、前記第一封止部よりも高い比誘電率を有する誘電体層と
を有し、
前記誘電体層は、前記第一封止部の表面よりも表面粗さが粗い
ことを特徴とする始動補助部材付高圧放電ランプ。 - 前記第一封止部がガラス材料からなり、
前記誘電体層は、前記第一封止部の表面に一部が融着しているガラス部材と、当該ガラス部材の残部内に混在する、前記第一封止部よりも高い比誘電率を有する材料の粉体とを含む
ことを特徴とする、請求項1に記載の始動補助部材付高圧放電ランプ。 - 前記第一封止部は柱状をなし、
前記誘電体層は、前記第一封止部の周方向に連続するリング状に形成されている
ことを特徴とする、請求項2に記載の始動補助部材付高圧放電ランプ。 - 前記誘電体層の厚みは、前記発光部に近いほど薄い
ことを特徴とする、請求項2に記載の始動補助部材付高圧放電ランプ。 - 前記誘電体層は、表面に略周期的模様を有する
ことを特徴とする、請求項2に記載の始動補助部材付高圧放電ランプ。 - 前記誘電体層は、少なくとも前記粉体とガラスフリットと有機バインダーと有機溶剤とを混練したペーストを、前記第一封止部の表面に塗布して焼成することにより形成されている
ことを特徴とする、請求項2に記載の始動補助部材付高圧放電ランプ。 - 前記誘電体層は、前記第一封止部の表面に付着する、前記第一封止部よりも高い比誘電率を有する材料の粉体からなる
ことを特徴とする、請求項1に記載の始動補助部材付高圧放電ランプ。 - 前記粉体は、平均粒径が5μm〜10μmである
ことを特徴とする、請求項7に記載の始動補助部材付高圧放電ランプ。 - 前記誘電体層は、少なくとも前記粉体と有機溶剤とを混合したスラリーを、前記第一封止部の表面に塗布して乾燥させることにより形成されている
ことを特徴とする、請求項7に記載の始動補助部材付高圧放電ランプ。 - 前記第一封止部が石英ガラスで構成されており、
前記粉体がチタン化合物を含んで構成されている
ことを特徴とする、請求項2及び7の何れかに記載の始動補助部材付高圧放電ランプ。 - 前記チタン化合物は、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムの内の1種以上である
ことを特徴とする、請求項10に記載の始動補助部材付高圧放電ランプ。 - 前記誘電体層は、前記第一封止部よりも高い比誘電率を有する材料が、前記金属線の一端部に堆積した薄膜からなる
ことを特徴とする、請求項1に記載の始動補助部材付高圧放電ランプ。 - 前記薄膜は、前記金属線の一端部に物理気相堆積を用いて形成されている
ことを特徴とする、請求項12に記載の始動補助部材付高圧放電ランプ。 - 前記第一封止部が石英ガラスで構成されており、
前記薄膜がソーダガラス、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、五酸化タンタルの内の1種以上を含んで構成されている
ことを特徴とする、請求項12に記載の始動補助部材付高圧放電ランプ。 - 発光部に第一封止部および第二封止部が連設された高圧放電ランプに、始動補助部材である金属線が設けられた始動補助部材付高圧放電ランプの製造方法であって、
前記第一封止部よりも高い比誘電率を有する粉体を含み、前記第一封止部の表面よりも表面粗さが粗い誘電体層を、前記第一封止部の表面の一部に密着した薄膜状に形成するステップと、
前記金属線の一端部を、第二封止部に封止されている放電電極に電気的に接続させ、前記金属線の他端部を、前記第一封止部の表面に形成された前記誘電体層に近接配置させるステップと
を含むことを特徴とする始動補助部材付高圧放電ランプの製造方法。 - 発光部に第一封止部および第二封止部が連設された高圧放電ランプに、始動補助部材である金属線が設けられた始動補助部材付高圧放電ランプの製造方法であって、
前記第一封止部よりも高い比誘電率を有する材料を金属線の一端部の表面に堆積させ、前記一端部の表面に密着した薄膜状の誘電体層を形成するステップと、
金属線の他端部を、第二封止部に封止されている放電電極に電気的に接続させ、金属線の前記一端部を、前記第一封止部の表面に近接配置させるステップと
を含むことを特徴とする始動補助部材付高圧放電ランプの製造方法。
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