JP5113161B2 - スパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明は、接地電極に中心電極との間で火花放電間隙を形成する針状の発火部が設けられたスパークプラグに関するものである。
近年、内燃機関から排出される排気ガスによる環境汚染への対策の強化が求められている。排気ガスの清浄化にはスパークプラグの着火性の向上が寄与することから、接地電極の内面に耐火花消耗性の高い貴金属部材(チップ)を中心電極へ向けて突き出すように設けたものがある(例えば、特許文献1参照。)。この構成のスパークプラグでは、従来のものと比べ接地電極を火花放電間隙から遠ざけることができるため、火花放電間隙で形成される火炎核が、その成長過程の初期の段階において接地電極に接触しにくい。このため、火炎核が接地電極と接触して熱を奪われることによりその成長が阻害される、いわゆる消炎作用が低減されるので、スパークプラグの着火性を向上することができる。
このような形態のスパークプラグでは、貴金属部材に大きな熱負荷がかかるため、貴金属部材と接地電極との接合部位においてクラックや剥離等が生ずる虞がある。そこで特許文献1では、貴金属部材と接地電極との接合において、両者間に両者の中間の線膨張係数を有する根元部(中間部材)を介在させている。そして、高い熱負荷のかかる貴金属部材と根元部との接合部位において生じ得る熱応力を緩和することで、クラックやの剥離等の発生を防止している。また、特許文献1では、貴金属部材と根元部との接合を、接合時に過大な圧接力が作用する抵抗溶接では行っておらず、熱の集中が容易で溶け深さを大きくできると共に、接合後に内部応力が残留しにくいレーザ溶接により行っている。
特開2004−134209号公報
しかしながら、レーザ溶接では、貴金属部材と根元部とを構成するそれぞれの材料(成分)が互いに溶け合い混合した溶融部が両者間に形成されるが、この溶融部では、レーザ光の照射位置、照射角度、出力、照射時間など、溶接時における諸条件により、部位によって、両者由来の成分それぞれが占める割合(以下、「混合比」という。)が変わる。このため、貴金属部材と根元部とをレーザ溶接により単に接合するだけでは、溶融部内において両者由来の成分の混合比が偏り、部分的に線膨張係数の差の大きな部位が生ずる虞があった。近年、内燃機関の高出力化や省燃費化に伴いエンジンの燃焼条件が厳しくなっており、この溶融部に対して冷熱サイクルに伴う熱負荷の影響が大きくかかる傾向にある。たとえ接合前の状態で貴金属部材と根元部との線膨張係数の差を小さくしたとしても、依然としてその差は残るため、溶融部内にて両者由来の成分の混合比が偏った部位を起点にクラックや剥離等を生ずる虞があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、接地電極に突設される発火部を構成する貴金属部材と根元部との接合部位に形成される溶融部において両者由来の成分の配分を規定することで、クラックや剥離等の発生を抑制できるスパークプラグを提供することを目的とする。
本発明の第1態様によれば、中心電極と、軸線方向に沿って延びる軸孔を有し、その軸孔の内部で前記中心電極を保持する絶縁碍子と、当該絶縁碍子を周方向に取り囲んで保持する主体金具と、一端部が前記主体金具の先端面に接合され、他端部における自身の一側面が前記中心電極の先端部に向き合うように屈曲された接地電極と、当該接地電極の前記他端部における前記一側面上で、前記中心電極の前記先端部と対向する位置にて、前記一側面から前記中心電極へ向けて少なくとも0.5mm以上突出する発火部とを備えたスパークプラグにおいて、前記発火部は、Niを主成分とし、前記一側面から前記中心電極に向けて突出する形状をなす根元部と、貴金属を主成分とし、前記根元部の突出先端に接合され、自身と前記中心電極の前記先端部との間で火花放電間隙を形成する貴金属部材と、当該貴金属部材と前記根元部とを側方からレーザ溶接することにより両者の構成材料が互いに溶け合って形成された溶融部とを有してなるものであり、前記発火部の突出方向に平行な平面で当該発火部を二分したときの断面をみたときに、前記溶融部は、前記貴金属部材と前記根元部との間において、前記発火部の突出方向と直交する方向における前記発火部の一方の側面と他方の側面とのそれぞれから、当該両側面間の中央を通り前記発火部の突出方向に沿う中心線へと向かう形態で形成されており、当該発火部の断面において、前記一方の側面における、前記貴金属部材と前記溶融部との境界の位置を点A、前記一方の側面における、前記根元部と前記溶融部との境界の位置を点B、前記貴金属部材と前記溶融部との境界で、最も前記中心線寄りの位置を点C、前記根元部と前記溶融部との境界で、最も前記中心線寄りの位置を点D、点Aと点Cとを直線で結んだ線分ACを4等分する3つの等分点を点A側から順に点E、点Fおよび点G、点Bと点Dとを直線で結んだ線分BDを4等分する3つの等分点を点B側から順に点H、点Iおよび点J、点Eと点Hとを直線で結んだ線分EHを4等分する3つの等分点を点E側から順に点K1、点K2および点K3、点Fと点Iとを直線で結んだ線分FIを4等分する3つの等分点を点F側から順に点L1、点L2および点L3、点Gと点Jとを直線で結んだ線分GJを4等分する3つの等分点を点G側から順に点M1、点M2および点M3、としたときに、点K1、点L1および点M1における前記溶融部の成分のうち前記貴金属部材由来の成分の占める平均割合Pが、P≧80[%]を満たし、点K3、点L3および点M3における前記溶融部の成分のうち前記根元部由来の成分の占める平均割合Qが、Q≧20[%]を満たすと共に、P+Q≦160[%]を満たす、スパークプラグが提供される。
また、本発明の第2態様によれば、中心電極と、軸線方向に沿って延びる軸孔を有し、その軸孔の内部で前記中心電極を保持する絶縁碍子と、当該絶縁碍子を周方向に取り囲んで保持する主体金具と、一端部が前記主体金具の先端面に接合され、他端部における自身の一側面が前記中心電極の先端部に向き合うように屈曲された接地電極と、当該接地電極の前記他端部における前記一側面上で、前記中心電極の前記先端部と対向する位置にて、前記一側面から前記中心電極へ向けて少なくとも0.5mm以上突出する発火部とを備えたスパークプラグにおいて、前記発火部は、Niを主成分とし、前記一側面から前記中心電極に向けて突出する形状をなす根元部と、貴金属を主成分とし、前記根元部の突出先端に接合され、自身と前記中心電極の前記先端部との間で火花放電間隙を形成する貴金属部材と、当該貴金属部材と前記根元部とを側方からレーザ溶接することにより両者の構成材料が互いに溶け合って形成された溶融部とを有してなるものであり、前記発火部の突出方向に平行な平面で当該発火部を二分したときの断面をみたときに、前記溶融部は、前記貴金属部材と前記根元部との間において、前記発火部の突出方向と直交する方向における前記発火部の一方の側面と他方の側面とのそれぞれから、当該両側面間の中央を通り前記発火部の突出方向に沿う中心線へと向かう形態で形成されており、当該発火部の断面において、前記一方の側面における、前記貴金属部材と前記溶融部との境界の位置を点A、前記一方の側面における、前記根元部と前記溶融部との境界の位置を点B、前記貴金属部材と前記溶融部との境界で、最も前記中心線寄りの位置を点C、前記根元部と前記溶融部との境界で、最も前記中心線寄りの位置を点D、点Aと点Cとを直線で結んだ線分ACを4等分する3つの等分点を点A側から順に点E、点Fおよび点G、点Bと点Dとを直線で結んだ線分BDを4等分する3つの等分点を点B側から順に点H、点Iおよび点J、点Eと点Hとを直線で結んだ線分EHを4等分する3つの等分点を点E側から順に点K1、点K2および点K3、点Fと点Iとを直線で結んだ線分FIを4等分する3つの等分点を点F側から順に点L1、点L2および点L3、点Gと点Jとを直線で結んだ線分GJを4等分する3つの等分点を点G側から順に点M1、点M2および点M3、としたときに、点K1、点L1および点M1における前記溶融部の成分のうち前記貴金属部材由来の成分の占める平均割合Pが、P≧60[%]を満たし、点K3、点L3および点M3における前記溶融部の成分のうち前記根元部由来の成分の占める平均割合Qが、Q≧20[%]を満たすと共に、P+Q≦160[%]を満たす、スパークプラグが提供される。
本発明の第1態様に係るスパークプラグでは、溶融部の貴金属部材寄りの部位、すなわち点K1,L1,M1における貴金属部材由来の成分の平均割合Pを80%以上としている。レーザ溶接は貴金属部材と根元部との合わせ面を狙って行われるため、溶融部の貴金属部材との境界付近においては、貴金属部材由来の成分、すなわち貴金属の混合比が高くなっている。このような部位において、上記のように貴金属部材由来の成分の平均割合Pを80%以上とすることで、内燃機関の稼働に伴う熱負荷により貴金属部材と溶融部との境界付近にかかる熱応力に対し十分な耐力(接合状態を維持できる強度)を得ることができる。
もっとも、上記の平均割合Pについて、80%以上に規定するのは高い品質を確保するためであり、本発明の実施形態によれば、過酷な試験条件のもとで導き出された規定である。ゆえに、スパークプラグの実使用時の形態に近い、より穏当な試験条件のもとで、平均割合Pに対する規定を導き出しても、貴金属部材と溶融部との境界付近にかかる熱応力に対する十分な耐力を確保することは可能である。本発明の第2態様では、上記の平均割合Pを60%以上としている。第2態様によれば、平均割合Pを60%以上としても十分に高い品質を確保することができ、すなわち、貴金属部材と溶融部との境界付近にかかる熱応力に対し十分な耐力を得ることができる。
一方で、本発明の第1態様および第2態様では、溶融部の根元部寄りの部位、すなわち点K3,L3,M3における根元部由来の成分の平均割合Qを20%以上としている。溶融部では、根元部との境界付近において、根元部由来の成分、すなわちNiの混合比が高くなっている。ここで、貴金属部材が貴金属を主成分とするのに対し、根元部はNiを主成分としており、両者の材料が異なるので、貴金属部材と溶融部との境界付近にかかる熱応力に対する耐力と、溶融部と根元部との境界付近にかかる熱応力に対する耐力とは、異なるものである。また、スパークプラグの使用時に発火部が受ける熱は、根元部側から熱引きされるため、貴金属部材と溶融部との境界付近にかかる熱応力と、根元部と溶融部との境界付近にかかる熱応力とに、違いが生ずる。こうした条件の違いから、溶融部において、貴金属部材に近い側の部位における貴金属部材由来の成分の混合比と、根元部に近い側の部位における根元部由来の成分の混合比とは、一律とはならない。よって、熱応力によるクラックや剥離等の発生を十分に抑制する上で、上記のように、根元部由来の成分の平均割合Qについては20%以上とすることが好ましい。
さらに、本発明の第1態様および第2態様では、P+Qを160%以下に規定している。これにより、溶融部内における貴金属部材寄りの部位と、根元部寄りの部位との間で、貴金属部材由来の成分と、根元部由来の成分との混合比の違いが、大きくなるのを抑えることができる。つまり、溶融部内において、部位による成分の混合比の違いによって生じ得る線膨張係数の差を、比較的小さく抑えることができるので、クラックや剥離等の発生も抑制し、より強固な溶接性を維持することができる。
なお、貴金属部材は、貴金属以外に、根元部と同一の材料を含む場合がある。また、溶融部においては、貴金属部材の成分と根元部の成分とが溶融した状態にある。点K1,L1,M1において見いだされた根元部と同一の成分のうち、貴金属部材由来の成分を特定するには、まず、貴金属部材の組成から根元部に含まれない成分(以下、「特異成分」ともいう。)を特定し、溶融部の点K1,L1,M1において、その特異成分の含有率を求める。そして貴金属部材の組成をもとに、その点K1,L1,M1における貴金属部材由来の成分の混合比を推定すればよい。根元部側の点K3,L3,M3についても同様である。
また、中心電極の先端部と対向する位置に発火部を配置したが、本発明の第1態様および第2態様でいう対向とは、厳密に、先端部と発火部との向かい合う面同志が平行に配置された状態をいうものではなく、また、中心電極と発火部とを厳密に軸合わせした構成を意味するものでもない。すなわち、本発明の第1態様および第2態様に係るスパークプラグに所定の電力を供給したときに、中心電極の先端部と発火部との間で火花放電間隙が形成されれば足りる。
また、本発明の第1態様および第2態様における発火部を二分した断面とは、発火部の中心線を含む平面で二分した断面を意味する。よって、発火部が円柱形状であれば、その軸線を含む平面で二分した断面をいう。一方、突出方向と直交する発火部の断面の形状が不定形であれば、突出方向の断面において任意の点を座標でみたときの平均座標の位置を、その突出方向の断面における中心位置と捉える。そして、断面を連ねたときの各中心位置に最も近い直線を、発火部の中心線として捉え、この中心線を含む発火部の断面を見ればよい。
また、本発明の第1態様および第2態様において「主成分」とは、その成分(元素あるいは化合物)が、含有される全成分のうち最も含有量(重量%)の高い成分であるものをいう。例えば、Niを主成分とする場合、全成分中、Ni元素の含有量がその他の成分よりも多ければよい。Ni化合物を主成分とする場合、Ni元素の含有量ではなく、対象となるNi化合物の含有量がその他の成分よりも多ければよい。また、貴金属を主成分とする場合、全成分中、貴金属として分類される元素や化合物を抽出し、それらの個々の含有量の合計が、その他の成分より多ければよい。具体的に、例えば、40Pt−20Rh−40Niの場合、貴金属であるPtの含有量とRhの含有量の合計がNiの含有量を上回るため、主成分は貴金属であるものとする。
ところで、溶融部は、貴金属部材と根元部との合わせ面を狙うように発火部の側方からレーザ溶接により形成されるため、発火部の外面において、溶融部は外気に晒される。発火部から接地電極側への熱引きの経路において、溶融部は根元部よりも上流側に位置するため、内燃機関の稼働に伴い高温となったときに、溶融部は根元部よりも酸化影響を受けやすい。そこで、本発明の第1態様および第2態様において、点K1、点K2および点K3における前記溶融部の成分のうち前記貴金属部材由来の成分の占める平均割合Rが、R≧60[%]を満たすとよい。溶融部の外縁寄りの部位、すなわち点K1,K2,K3における貴金属部材由来の成分の割合Rを60%以上とすれば、その部位における貴金属の含有率を比較的高くすることができ、耐酸化性を向上し、クラックや剥離等の発生を十分に抑制することができる。
さらに本発明の第1態様および第2態様において、前記平均割合Rが、R≧55[%]を満たしてもよい。平均割合Rについて、55%以上であれば高い耐酸化性が得られ、クラックや剥離等の発生を抑制することができる。たとえクラックが生じても、そのクラックが極微細であれば、溶融部による貴金属部材と根元部との接合性を十分に確保でき、スパークプラグの実使用時において十分な性能を得ることができる。
また、本発明の第1態様および第2態様において、前記根元部が、前記接地電極とは異なる部材からなるものであってもよい。根元部を接地電極とは異なる部材から形成し、根元部において、貴金属部材と接地電極との線膨張係数の差を緩和する。そして上記のように、溶融部内における貴金属部材由来の成分と根元部由来の成分との混合比を規定すれば、部材間の接合強度をより高め、クラックや剥離等の発生を抑制することができる。
ところで、このように貴金属部材と根元部との接合強度を高められるのであれば、貴金属部材から接地電極への熱引きを敢えて低下させた構成が実現可能となる。具体的に、本発明の第1態様および第2態様において、前記根元部の熱伝導率をW[W/(m・K)]、前記接地電極の熱伝導率をX[W/(m・K)]、前記貴金属部材の熱伝導率をY[W/(m・K)]としたときに、Y>X≧Wを満たす構成としてもよい。このような熱伝導率の関係を有する場合、貴金属部材に熱が籠もりやすくなるが、特に内燃機関の駆動開始時など内燃機関自体の温度が低いときに、火花放電間隙に面する貴金属部材が高温となれば、混合気への着火をより円滑に行うことができ、高い着火性を得ることができる。
また、本発明の第1態様および第2態様において、前記貴金属部材が、Ptを主成分とし、少なくともIr,Rh,W,Pd,Ru,Re,Ni,Al,Al,Y,Yのうちのいずれか1つ以上を1重量%以上含有してもよい。このような貴金属部材を用いることは、耐酸化性、耐火花消耗性を得る上で望ましい。
ところで、着火性のさらなる向上のため、火花放電間隙で形成される火炎核がその成長過程において接地電極に対し、より接触しにくくなるようにするには、接地電極の一側面からの発火部の突出量を大きくすればよい。しかし、火花放電間隙の大きさは確保しなければならず、そのためには接地電極自身を主体金具からより大きく突出させる必要が生ずる。すると接地電極自身の燃焼室からの受熱量が増加するため、発火部からの熱引き性能が低下し、発火部にかかる熱負荷がより大きくなる虞がある。こうした場合において、本発明の第1態様および第2態様によれば、前記発火部の突出方向に平行な平面で当該発火部を二分したときの断面をみたときの前記溶融部内の位置で、前記軸線方向において最も前記主体金具の前記先端面に近い位置と、その先端面との最短距離を、4mm以上とするとよい。このような構成となるように発火部を設けた場合、その発火部は、こうした厳しい使用条件下に晒されることとなる。しかし、溶融部内における貴金属部材由来の成分と根元部由来の成分との混合比を規定して部材間の接合強度をより高めることによって、クラックや剥離等の発生を抑制することが可能な本発明の第1態様および第2態様に係るスパークプラグであれば、十分に、上記の厳しい条件下での使用に耐えることができ、好適である。
また、本発明の第1態様および第2態様において、前記発火部は、自身の突出方向と直交する断面の面積が、4mm以下であってもよい。断面の面積が4mm以下の針状をなせば、熱引きの経路における熱の流量が少なくなるため、発火部の熱引き性能が低くなる。しかし、溶融部内における貴金属部材由来の成分と根元部由来の成分との混合比を規定して、部材間の接合強度をより高めることができる本発明の第1態様および第2態様に係るスパークプラグであれば、十分に、クラックや剥離等の発生を抑制することができ、好適である。
スパークプラグ100の部分断面図である。 図1の2点鎖線Sで示すスパークプラグ100の先端部分を拡大した部分断面図である。 中心線Zを含む平面で発火部80を切断してみた断面図である。 異なる形態の溶融部185が形成された発火部180を、中心線Zを含む平面で切断してみた断面図である。 発火部80に生じ得るクラックや剥離等の形態について説明するための図である。 発火部180に生じ得るクラックや剥離等の形態について説明するための図である。 異なる形態の溶融部285が形成された発火部280を、中心線Zを含む平面で切断してみた断面図である。 異なる形態の溶融部385が形成された発火部380を、中心線Zを含む平面で切断してみた断面図である。 異なる形態の溶融部485が形成された発火部480を、中心線Zを含む平面で切断してみた断面図である。 異なる形態の溶融部585が形成された発火部580を、中心線Zを含む平面で切断してみた断面図である。
以下、本発明を具体化したスパークプラグの一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1,図2を参照し、一例としてのスパークプラグ100の構造について説明する。なお、図1,図2において、スパークプラグ100の軸線O方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ100の先端側、上側を後端側として説明する。
図1に示すように、スパークプラグ100は、概略、自身の軸孔12内の先端側に中心電極20を保持し、後端側に端子金具40を保持した絶縁碍子10を、その絶縁碍子10の径方向周囲を主体金具50で取り囲んで保持した構造を有する。また、主体金具50の先端面57には接地電極30が接合されており、その他端部(先端部31)側が中心電極20の先端部22と向き合うように屈曲されている。
まず、このスパークプラグ100の絶縁碍子10について説明する。絶縁碍子10は周知のようにアルミナ等を焼成して形成され、軸中心に軸線O方向へ延びる軸孔12が形成された筒形状を有する。軸線O方向の略中央には外径が最も大きな鍔部19が形成されており、鍔部19より後端側(図1における上側)には後端側胴部18が形成されている。また、鍔部19より先端側(図1における下側)には、後端側胴部18よりも外径の小さな先端側胴部17が形成されている。さらに、先端側胴部17よりも先端側に、先端側胴部17よりも外径の小さな脚長部13が形成されている。脚長部13は先端側ほど縮径されており、スパークプラグ100が内燃機関のエンジンヘッド(図示外)に取り付けられた際には、その燃焼室内に曝される。また、脚長部13と先端側胴部17との間は、段部15として、段状に形成されている。
次に、中心電極20について説明する。中心電極20は、インコネル(商標名)600または601等のNiまたはNiを主成分とする合金から形成された母材24の内部に、その母材24よりも熱伝導性に優れる銅または銅を主成分とする合金からなる芯材25を埋設した構造を有する棒状の電極である。中心電極20は絶縁碍子10の軸孔12内の先端側に保持されている。図2に示すように、中心電極20の先端部22は、絶縁碍子10の先端よりも先端側に突出されている。この中心電極20の先端部22は、先端側に向かって径小となるように形成されており、先端部22の先端面には、耐火花消耗性を向上するため貴金属からなる電極チップ90が接合されている。
また、絶縁碍子10の先端付近の軸孔12の内周面と、その内周面に対向する中心電極20の外周面との間には、若干の間隙が設けられている。燻り時に、この間隙にてコロナ放電が発生することで、絶縁碍子10の先端付近に付着したカーボンが焼き切られるので、スパークプラグ100は、火花放電間隙における絶縁抵抗を回復することができる。中心電極20は、図1に示すように、軸孔12内を後端側に向けて延びており、軸線O方向に沿って延設される導電性のシール体4およびセラミック抵抗3を経由して、後方(図1における上方)の端子金具40と電気的に接続されている。そして端子金具40には高圧ケーブル(図示外)がプラグキャップ(図示外)を介して接続され、高電圧が印加されるようになっている。
次に、主体金具50について説明する。図1に示す、主体金具50は、内燃機関のエンジンヘッド(図示外)にスパークプラグ100を固定するための円筒状の金具である。主体金具50は、絶縁碍子10の後端側胴部18の一部から脚長部13にかけての部位を取り囲むようにして、絶縁碍子10を筒孔内に保持している。主体金具50は低炭素鋼材より形成され、図示外のスパークプラグレンチが嵌合する工具係合部51と、エンジンヘッドの取付孔(図示外)に螺合するねじ山が形成された取付ねじ部52とを備えている。
また、主体金具50の工具係合部51と取付ねじ部52との間には、鍔状のシール部54が形成されている。そして、取付ねじ部52とシール部54との間のねじ首59には、板体を折り曲げて形成した環状のガスケット5が嵌挿されている。ガスケット5は、スパークプラグ100がエンジンヘッドの取付孔(図示外)に取り付けられた際に、シール部54の座面55と取付孔の開口周縁との間で押し潰されて変形し、両者間を封止することで、取付孔を介したエンジン内の気密漏れを防止するものである。
主体金具50の工具係合部51より後端側には、薄肉の加締部53が設けられている。また、シール部54と工具係合部51との間には、加締部53と同様に薄肉の座屈部58が設けられている。そして、工具係合部51から加締部53にかけての主体金具50の内周面と絶縁碍子10の後端側胴部18の外周面との間には、円環状のリング部材6,7が介在されている。更に両リング部材6,7間に、タルク(滑石)9の粉末が充填されている。加締部53を内側に折り曲げるようにして加締めることにより、絶縁碍子10は、リング部材6,7およびタルク9を介し、主体金具50内で先端側に向け押圧される。これにより、主体金具50の内周で取付ねじ部52の位置に形成された段部56に、環状の板パッキン8を介し、絶縁碍子10の段部15が支持されて、主体金具50と絶縁碍子10とが一体となる。このとき、主体金具50と絶縁碍子10との間の気密性は板パッキン8によって保持され、燃焼ガスの流出が防止される。また、座屈部58は、加締めの際に、圧縮力の付加に伴い外向きに撓み変形するように構成されている。この座屈部58によって、タルク9の軸線O方向の圧縮長が長くなり、主体金具50内の気密性が高められている。
次に、接地電極30について説明する。図2に示す、接地電極30は、断面矩形の棒状に形成した電極であり、一端部(基端部32)が、主体金具50の先端面57に接合されている。そして基端部32から軸線O方向に沿って延びつつ、他端部(先端部31)において、自身の一側面(内面33)が中心電極20の先端部22と向き合うように、屈曲部34にて折り曲げられている。接地電極30は、中心電極20と同様に、インコネル(商標名)600または601等のNiまたはNiを主成分とする合金からなる。
この接地電極30の先端部31には、断面積が4mm以下の柱状(針状)をなし、内面33から少なくとも0.5mm以上、中心電極20へ向けて突出する発火部80が設けられている。本実施の形態の発火部80は、接地電極30の内面33に、その内面33から中心電極20へ向けて突出する形態で設けた柱状の根元部82の突出先端に、さらに、柱状の貴金属部材81を接合してなるものである。貴金属部材81は、Ptを主成分とし、少なくともIr,Rh,W,Pd,Ru,Re,Ni,Al,Al,Y,Yのうちのいずれか1つ以上を1重量%以上含有するものであり、耐火花消耗性に優れる。貴金属部材81と接地電極30の根元部82との接合はレーザ溶接によってなされており、両者の合わせ部位には、両者の構成材料(成分)が互いに溶け合って混合された溶融部85が形成されている。
また、発火部80は、貴金属部材81側が中心電極20の先端部22(より詳細には先端部22に接合された電極チップ90)と対向する位置に設けられており、両者間で火花放電間隙GAPが形成されている。そして接地電極30は、先端部31が軸線O方向先端側へ向けて、より突き出す構成となっている。具体的には、発火部80の溶融部85内の位置で、軸線O方向において最も主体金具50の先端面57に近い部位と、その先端面57との最短距離Nが、4mm以上離れている。つまり、スパークプラグ100がエンジンに組み付けられたとき、火花放電間隙GAPを、燃焼室内のより中央側に配置できる構成となっている。
なお、発火部80と中心電極20の先端部22との対向関係は、両者間で火花放電間隙GAPが形成されれば足り、必ずしも発火部80と電極チップ90の互いの対向面(向き合う面)同士が、厳密な対応関係になくともよい。よって、スパークプラグ100の軸線Oと、発火部80の中心線Zとが厳密に一致していなくともよい。ここで、発火部80の中心線Zとは、発火部80の突出方向(すなわち接地電極30の内面33から中心電極20へ向けて発火部80が突出する方向)と直交する自身の断面の中央を通り、その突出方向と平行な直線あるいはその近似直線をいう。
このように構成された本実施の形態のスパークプラグ100では、上記のように、発火部80を構成する貴金属部材81と根元部82との接合が、レーザ溶接によってなされている。具体的には、貴金属部材81と根元部82とを、発火部80としての突出方向(内面33から中心電極20へ向かう方向であり、後述する中心線Zの方向)に重ねる。この状態で、貴金属部材81と根元部82との合わせ面を狙うように、側方(中心線Zを軸とした場合の径方向の外側)から中心線Zに向けてレーザ光を照射し、そのまま周方向に一周させる。これにより、貴金属部材81と根元部82との間に、両者の構成材料が互いに溶け合い混合された溶融部85が形成され、両者を一体に接合した発火部80が形成される。このときのレーザ光の照射は、連続的に行っても断続的に行ってもよいが、断続的に行う場合には、発火部80の外周側から見たときの貴金属部材81と根元部82との合わせ面の位置が溶融部85となるように、レーザ光の照射位置を隣同士重ねることが望ましい。
ところで、Ptを主成分とする貴金属部材81と、Niを主成分とする根元部82とでは線膨張係数に違いがあるため、溶融部85と貴金属部材81や根元部82との境界付近では、熱応力によるクラックや剥離等が発生する虞がある。これを防止するためには、溶融部85と貴金属部材81や根元部82との線膨張係数を近づけることが望ましい。ここで、溶融部85では、貴金属部材81由来の成分と根元部82由来の成分とが混合された状態となっているが、各部材由来の成分の混合比は溶融部85全体にわたって均一ではなく、溶融部85内で、部位によって異なる。貴金属部材81に近い側では、貴金属部材81由来の成分の混合比を高くするほど線膨張係数の差を小さくできるので、貴金属部材81と溶融部85との境界付近における熱応力に対する耐力(両者の接合状態を維持できる強度)を高められる。同様に、根元部82に近い側の部位では、根元部82由来の成分の混合比を高くするほど、根元部82と溶融部85との境界付近における熱応力に対する耐力を高められる。このように溶融部85内の部位における各部材由来の成分の混合比が狙いの範囲となるようにするには、レーザ光の照射位置、照射角度、出力、照射時間など、溶接時における諸条件を設定すれば調整することが可能である。
もっとも、貴金属部材81と溶融部85との境界付近における熱応力に対する耐力と、根元部82と溶融部85との境界付近における熱応力に対する耐力とは、貴金属部材81が主成分とする貴金属と、根元部82が主成分とするNiとが異なる材料であるがゆえ、異なる。また、スパークプラグ100の使用時に発火部80が受ける熱は、根元部82側から熱引きされるため、貴金属部材81と溶融部85との境界付近にかかる熱応力と、根元部82と溶融部85との境界付近にかかる熱応力とに、違いが生ずる。こうしたことから、溶融部85において、貴金属部材81に近い側の部位における貴金属部材81由来の成分の混合比や、根元部82に近い側の部位における根元部82由来の成分の混合比を一律に設定するのではなく、部位に応じた混合比を設定することが、熱応力によるクラックや剥離等の発生を十分に抑制する上で肝要である。そこで本実施の形態では、溶融部85の特定部位において溶融部85を構成する成分の組成を求め、その特定部位において、貴金属部材81由来の成分と、根元部82由来の成分との混合比を規定している。
以下、図3,図4を参照し、溶融部85の特定部位における組成に対し定めた規定について説明する。図3に示すように、本実施の形態では、発火部80の溶融部85が、発火部80の側方側から中心線Zに達する深さに形成されている。つまり、発火部80の断面において、発火部80の輪郭線のうち、中心線Zと直交する方向の一方の側面83と他方の側面84との間にて、両側面83,84間を溶融部85が連続する形態となっている。
このような形態をなす溶融部85の断面において、以下に示す手順に従い、特定部位(点A,B,C,D,E,F,G,H,I,J,K1〜K3,L1〜L3,M1〜M3)を定める。まず、発火部80の一方の側面83上において、貴金属部材81と溶融部85との境界の位置を点A、溶融部85と根元部82との境界の位置を点Bとする。また、貴金属部材81と溶融部85との境界で、最も中心線Zに近い位置を点Cとし、同様に、溶融部85と根元部82との境界で、最も中心線Zに近い位置を点Dとする。両側面83,84間を溶融部85が連続する形態をなす発火部80の場合、中心線Z上において、貴金属部材81と溶融部85との境界の位置が点Cとなり、根元部82と溶融部85との境界の位置が点Dとなる。次に、点Aと点Cとを結ぶ線分ACを4等分する3つの等分点を、点A側から順に、点E、点F、点Gとする。同様に、点Bと点Dとを結ぶ線分BDを4等分する3つの等分点を、点B側から順に、点H、点I、点Jとする。さらに、点Eと点Hとを結ぶ線分EHを4等分する3つの等分点を、点E側から順に、点K1、点K2、点K3とし、点Fと点Iとを結ぶ線分FIを4等分する3つの等分点を、点F側から順に、点L1、点L2、点L3とする。また、点Gと点Jとを結ぶ線分GJを4等分する3つの等分点を、点G側から順に、点M1、点M2、点M3とする。
なお、図4に示すように、発火部180に形成された溶融部185が、側面83や側面84から中心線Zに達する深さに形成されていない場合についても、特定部位(点A,B,C,D,E,F,G,H,I,J,K1〜K3,L1〜L3,M1〜M3)を定める手順は同様である。まず、発火部180の一方の側面83上において、貴金属部材81と溶融部185との境界の位置を点A、溶融部185と根元部82との境界の位置を点Bとする。また、貴金属部材81と溶融部185との境界で、最も中心線Zに近い位置を点Cとし、同様に、溶融部185と根元部82との境界で、最も中心線Zに近い位置を点Dとする。なお、図4のように、中心線Z方向においてやや貴金属部材81寄りに溶融部185が形成された場合には、点Dは、根元部82と溶融部185との境界と、貴金属部材81と根元部82との合わせ面との交点の位置となる。一方、図示しないが、例えば、溶融部の最も深い位置が貴金属部材と根元部との合わせ面の位置となるようにレーザ溶接がなされた場合など、貴金属部材と溶融部との境界で最も中心線Zに近い位置と、溶融部と根元部との境界で最も中心線Zに近い位置とが一致すれば、点Cと点Dの位置は同一となる。次に、図4に示すように、点Aと点Cとを結ぶ線分ACを4等分する3つの等分点を、点A側から順に、点E、点F、点Gとする。同様に、点Bと点Dとを結ぶ線分BDを4等分する3つの等分点を、点B側から順に、点H、点I、点Jとする。以降は上記同様であり、点Eと点Hとを結ぶ線分EHを4等分する3つの等分点を、点E側から順に、点K1、点K2、点K3とし、点Fと点Iとを結ぶ線分FIを4等分する3つの等分点を、点F側から順に、点L1、点L2、点L3とする。また、点Gと点Jとを結ぶ線分GJを4等分する3つの等分点を、点G側から順に、点M1、点M2、点M3とする。
本実施の形態では、特定部位・点K1、点L1および点M1のそれぞれにおいて溶融部85の組成を測定し、各特定部位ごとに貴金属部材81由来の成分の占める割合を求め、それらの平均割合Pを求めたときに、P≧60[%]、より望ましくはP≧80[%]を満たすことを規定している。同様に、特定部位・点K3、点L3および点M3のそれぞれにおいて溶融部85の組成を測定し、各特定部位ごとに根元部82由来の成分の占める割合を求め、それらの平均割合Qを求めたときに、Q≧20[%]を満たすことを規定している。さらに、得られた平均割合Pと平均割合Qとを足し合わせたものが、P+Q≦160[%]を満たすことを規定している。また、特定部位・点K1、点K2および点K3のそれぞれにおいて溶融部85の組成を測定し、各特定部位ごとに貴金属部材81由来の成分の占める割合を求め、それらの平均割合Rを求めたときに、R≧55[%]、より望ましくはR≧60[%]を満たすことを規定している。
ここで、溶融部85の各特定部位において、狙いの部材由来の成分の占める平均割合を求める方法について説明する。例えば、溶融部85の各特定部位・点K1,L1,M1における貴金属部材81由来の成分の占める平均割合Pは、以下のように求める。
(1) 予め、貴金属部材81の組成と、根元部82の組成とをそれぞれ測定し、両者の成分を比較して、貴金属部材81に含まれる成分で根元部82には含まれない成分(特異成分)を特定する。
(2) 次に、溶融部85の特定部位・点K1において溶融部85の組成を測定し、その中に含まれる貴金属部材81の特異成分の単位当たりの含有量(含有率)を求める。
(3) そして、特定部位・点K1における特異成分の含有率と、貴金属部材81の組成とから、特定部位・点K1における貴金属部材81由来の成分の混合比、すなわち、貴金属部材81由来の成分が占める割合を推定する。
(4) (2),(3)を特定部位・点L1や点M1についても行い、各特定部位・点K1,L1,M1における貴金属部材81由来の成分の占める割合の平均(平均割合P)を求める。
なお、溶融部85の特定部位・点K3,L3,M3における根元部82由来の成分の占める平均割合Qや、特定部位・点K1,K2,K3における貴金属部材81由来の成分の占める平均割合Rについても上記同様の手順で求めればよい。
このようにして、溶融部85の特定部位・点K1,L1,M1において得られた貴金属部材81由来の成分の占める平均割合Pが80%以上であれば、貴金属部材81と溶融部85との境界付近においてクラックや剥離等が発生するのを十分に抑制できることが、後述する実施例1より確認できた。もっとも、実施例1は過酷な試験条件のもとで行ったものであり、後述する実施例2によれば、P≧60[%]であっても十分に、クラックや剥離等の発生を抑制できることが確認されている。一方、溶融部85の特定部位・点K3,L3,M3においては、根元部82由来の成分の占める平均割合Qが20%以上であれば、根元部82と溶融部85との境界付近においてクラックや剥離等が発生するのを十分に抑制できることが、後述する実施例1より確認できた。また、平均割合Pと平均割合Qとを足し合わせたP+Qに着目したとき、その値が大きいほど、溶融部85内の貴金属部材81側の部位から根元部82側の部位までの間における貴金属部材81由来の成分と根元部82由来の成分との混合比が、大きく変化することとなる。後述する実施例1によると、P+Qが160%以下であれば、溶融部85内における貴金属部材81由来の成分と根元部82由来の成分との混合比の変化を抑え、溶融部85の内部においてクラックや剥離等が発生するのを低減できることがわかった。
ところで、溶融部85は、貴金属部材81と根元部82との合わせ面を狙うように発火部80の側方からレーザ溶接により形成されるため、中心線Zを軸とする発火部80の外周面では溶融部85が外気に晒される。発火部80から接地電極30側への熱引きの経路において、溶融部85は根元部82よりも上流側に位置するため、エンジンの稼働に伴い高温となったときに根元部82よりも酸化影響を受けやすく、より過酷な加熱・冷却条件のもとではその露出部位から溶融部85の酸化消耗が生じ、クラックや剥離等の発生に至る虞がある。このことから溶融部85内で発火部80の外周面に近い部位には耐酸化性の高い貴金属が多く含まれることが望ましい。後述する実施例3によれば、特定部位・点K1,K2,K3における貴金属部材81由来の成分の平均割合Rが60%以上となれば、溶融部85の酸化による消耗を十分に抑制できることがわかった。また、平均割合Rが55%以上であっても溶融部85の酸化消耗に起因したクラックや剥離等の発生を抑制でき、たとえクラックが生じても、そのクラックは極微細なもので、貴金属部材81の脱落には至らないことがわかった。すなわち、平均割合Rが55%以上であれば、溶融部85による貴金属部材81と根元部82との接合性を十分に確保でき、スパークプラグ100の実使用時において十分な性能を得ることができる。
また、自身の突出方向(中心線Zの方向)と直交する断面積が4mm以下で、内面33から少なくとも0.5mm以上突出する柱状(針状)をなす発火部80は、熱引きの経路における熱の流量が少なくなるため、断面積のより大きな発火部が設けられた場合と比べ熱引き性能が低くなる。しかし、上記のように、溶融部85内における貴金属部材81由来の成分と根元部82由来の成分との混合比を規定し、部材間の接合強度をより高めることによって、クラックや剥離等の発生を抑制することができる発火部80であれば、より過酷な加熱・冷却条件のもとでも十分に使用に耐えることができる。
また、発火部80は、溶融部85内の位置で、軸線O方向において最も主体金具50の先端面57に近い部位と、その先端面57との最短距離Nが、4mm以上離れた構成となっている。つまり、接地電極30の先端部31が、軸線O方向先端側へ向けてより突き出す構成となっており、スパークプラグ100を図示外のエンジンに組み付けたときに、火花放電間隙GAPを、燃焼室内のより中央側に配置できる構成となっている。この構成は着火性の向上に効果があるが、その一方で接地電極30の先端部31を主体金具50からより大きく突出させる必要が生ずる。すると接地電極30自身の燃焼室からの受熱量が増加するため、発火部80からの熱引き性能が低下し、溶融部85にかかる熱負荷がより大きくなる。しかし、上記のように、溶融部85内における貴金属部材81由来の成分と根元部82由来の成分との混合比を規定し、部材間の接合強度をより高めることによって、クラックや剥離等の発生を抑制することができる発火部80であれば、より過酷な加熱・冷却条件のもとでも十分に使用に耐えることができる。
なお、溶融部85内の特定部位における各部材由来の成分の混合比が狙いの範囲となるようにするには、前述したように、レーザ光の照射位置、照射角度、出力、照射時間など、溶接時における諸条件を設定すればよい。具体的には、図7に示す、発火部280のように、溶融部285の形成位置(レーザ溶接時のレーザ光の照射位置)を中心線Zに沿って貴金属部材81と根元部82との合わせ面よりもより貴金属部材81寄りの位置とすれば、溶融部285内において、根元部82由来の成分よりも貴金属部材81由来の成分の混合比を増加させることができる。または、図8に示す、発火部380のように、貴金属部材81と根元部82との合わせ面を狙いつつ、貴金属部材81寄りの位置から中心線Zに対し斜めとなる方向にレーザ光を照射して溶融部385を形成しても、上記溶融部285(図7参照)と同様に、溶融部385内において、根元部82由来の成分よりも貴金属部材81由来の成分の混合比を増加させることができる。そしてこのような形態で溶融部285,385を形成しても、各特定部位を前述の手順に従って定めれば、特定部位・点K1,L1,M1における貴金属部材81由来の成分の平均割合Pを求めることで、貴金属部材81と溶融部285,385との境界付近における混合比を確認することができ、特定部位・点K3,L3,M3における根元部82由来の成分の平均割合Qを求めることで、貴金属部材81と溶融部285,385との境界付近における混合比を確認することができる。
なお、本発明は各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、貴金属部材81と根元部82との接合をレーザ溶接により行ったが、電子ビーム溶接を施してもよい。また、レーザ溶接は、厳密に、貴金属部材81と根元部82との合わせ面を狙って中心線Zと直交する方向からレーザ光を照射することにより行うものには限らず、中心線Zに対し斜め方向から貴金属部材81と根元部82との合わせ面を狙って照射するものであってもよい。
また、本発明は、図9に示す、発火部480のように、貴金属部材481の外径が根元部82よりも小さいもの、あるいは図示しないが、貴金属部材の外径が根元部よりも大きいものにおいても同様に適用可能である。貴金属部材481と根元部82との間に形成される溶融部485において、特定部位を定めるにあたっても本実施の形態と同様の手順で行えばよい。すなわち、特定部位・点K1,L1,M1における貴金属部材481由来の成分の平均割合Pを求めることで、貴金属部材481と溶融部485との境界付近における混合比を確認することができる。また、特定部位・点K3,L3,M3における根元部82由来の成分の平均割合Qを求めることで、根元部82と溶融部485との境界付近における混合比を確認することができる。
そして、貴金属部材81と根元部82とのさらなる接合強度の向上を図るには、図10に示す、発火部580のように、根元部582を接地電極530とは別部材から形成し、その際に、根元部582が、貴金属部材581の線膨張係数と接地電極530の線膨張係数との中間の線膨張係数を有するようにすればよい。根元部582はNiを主成分とするため、同様にNiまたはNiを主成分とする接地電極530の内面533との接合を抵抗溶接で行い溶融部586を形成しても、十分な接合強度を得ることができる。このような形態の発火部580においても、溶融部585における特定部位を定めるには、本実施の形態と同様の手順で行えばよい。すなわち、特定部位・点K1,L1,M1における貴金属部材581由来の成分の平均割合Pを求めることで、貴金属部材581と溶融部585との境界付近における混合比を確認することができる。また、特定部位・点K3,L3,M3における根元部582由来の成分の平均割合Qを求めることで、根元部582と溶融部585との境界付近における混合比を確認することができる。
このように、貴金属部材581と接地電極530との間に別部材として根元部582を設けることで貴金属部材581と根元部582とのさらなる接合強度の向上を図ることのできる発火部580であれば、貴金属部材581から接地電極530への熱引きを敢えて低下させた構成が実現可能となる。具体的には、根元部582の熱伝導率をW[W/(m・K)]、接地電極530の熱伝導率をX[W/(m・K)]、貴金属部材581の熱伝導率をY[W/(m・K)]としたときに、Y>X≧Wを満たす構成である。このような熱伝導率の関係を有する場合、貴金属部材581に熱が籠もりやすくなるが、特にエンジンの始動時などエンジン自体の温度が低いときに、火花放電間隙GAP(図2参照)に面することとなる貴金属部材581が高温となれば火炎核に対する消炎作用が軽減され、混合気への着火をより円滑に行うことができ、高い着火性を得ることができる。
また、中心電極の側面に対して接地電極の先端部が向かうように接地電極の折曲部を形成したスパークプラグ(図示しない)においても、本実施の形態と同様の発火部を設けてもよい。この場合、中心電極側(中心電極の側面側)を向く接地電極の面を一側面とし、その一側面に発火部を設ければよい。あるいは、中心電極20の先端部22に設けた電極チップ90(図2参照)の代わりに本実施の形態と同様の発火部80を設けてもよい。
[実施例1]
このように、スパークプラグ100の発火部80に形成される溶融部85の特定部位において、溶融部85を構成する成分について規定を設けた効果を確認するため評価試験を行った。この評価試験では、接地電極30に設けた根元部82に貴金属部材81をレーザ溶接で接合し、発火部80を形成したスパークプラグ100のテストサンプルを作製する上で、発火部80の形成の際に、レーザ光の照射位置、照射角度、出力、照射時間などを以下の範囲で適宜設定し、様々な形態の溶融部85が形成されるようにした。
・パルス幅: 1〜30msec
・パルス照射数: 5〜24回
・1回の照射において投入されるエネルギー: 1〜3J
・パルス波形: 矩形もしくは山形
・スポット径: 0.15〜0.5mm
・照射位置: 貴金属部材と根元部との合わせ面の位置から軸線Z方向に±0.1mm以内
上記の設定条件のもとレーザ光を照射して貴金属部材81と根元部82とのレーザ溶接を行い、溶融部85の形態が異なるサンプル種ごとに、複数個ずつ、サンプルを用意した。次に、各サンプル種ごとに一のサンプルを選び、それぞれの発火部80をその中心線Zを通る断面で切断した。そして、上記のように定めた溶融部85の特定部位・点K1,K3,L1,L3,M1,M3における各組成を、公知のEPMA(例えば、WDS。スポット径20μm、加速電圧20kV)を用い、各特定部位に存在する元素を測定することにより求めた。さらに上記の手順で特定部位・点K1,L1,M1における貴金属部材81由来の成分の占める平均割合Pと、特定部位・点K3,L3,M3における根元部82由来の成分の占める平均割合Qとを求めた。得られた平均割合P,Qの組み合わせによって各サンプル種を分類し、サンプル番号を付与した。また、各サンプル種について、平均割合Pと平均割合Qとの合計も求めた。
そして各サンプルに対し、発火部80が設けられた接地電極30の先端部31を発火部80ごとバーナーで加熱し、先端部31の温度を1000℃にして2分間保持した後、1分間の冷却(徐冷)を行って300℃に下げた。これを1サイクルとして1000サイクル行った後、各サンプルの発火部80を、中心線Zを通る断面で切断し、拡大鏡を用いて溶融部85の観察を行った。そして溶融部85においてクラックや剥離等の生じた部分を観測し、発生箇所を、貴金属部材81と溶融部85との境界付近、根元部82と溶融部85との境界付近、および溶融部85内に分類し、それぞれ、中心線Zと直交する方向における長さを測定した。
具体的には図5,図6に示すように、貴金属部材81と溶融部85(図6においては溶融部185)との境界付近にクラックや剥離等が発生した場合、その発生形態をαと分類する。そして生じたクラック・剥離部分91,96のうち、一方の側面83から中心線Zへ向けて延びるクラック・剥離部分91について、中心線Zと直交する方向における長さをV7とする。同様に、他方の側面84から中心線Zへ向けて延びるクラック・剥離部分96について、中心線Zと直交する方向における長さをV8とする。また、根元部82と溶融部85との境界付近にクラックや剥離等が発生した場合、その発生形態をβと分類する。そして生じたクラック・剥離部分92,97のうち、一方の側面83から中心線Zへ向けて延びるクラック・剥離部分92について、中心線Zと直交する方向における長さをV3とする。同様に、他方の側面84から中心線Zへ向けて延びるクラック・剥離部分97について、中心線Zと直交する方向における長さをV4とする。さらに、溶融部85内にクラックや剥離等が発生した場合、その発生形態をγと分類する。そして生じたクラック・剥離部分93,98のうち、一方の側面83から中心線Zへ向けて延びるクラック・剥離部分93について、中心線Zと直交する方向における長さをV5とする。同様に、他方の側面84から中心線Zへ向けて延びるクラック・剥離部分98について、中心線Zと直交する方向における長さをV6とする。また、中心線Zから一方の側面83側における溶融部85の長さをV1、中心線Zから他方の側面84側における溶融部85の長さをV2とする。具体的には、図5においては、一方の側面83と中心線Zとの間の距離がV1となり、他方の側面84と中心線Zとの間の距離がV2となる。一方、図6においては、一方の側面83と、一方の側面83側の溶融部185において最も中心線Zに近い位置との間の距離がV1となり、他方の側面84と、他方の側面84側の溶融部185において最も中心線Zに近い位置との間の距離がV2となる。
そして発生したクラックや剥離等について、溶融部85の長さ(V1+V2)に対するクラック・剥離部分91〜93,96〜98の長さ(V3+V4、V5+V6またはV7+V8)の割合((V3+V4)/(V1+V2)、(V5+V6)/(V1+V2)または(V7+V8)/(V1+V2)[×100(%)])を求めた。求めた割合が50%未満である場合には、熱応力に対し十分な耐力があり接合状態を維持できるものとして「○」と評価した。しかし50%以上となった場合には、熱応力に対する十分な体力が得られず、貴金属部材81の脱落が生ずる虞があるとして「×」と評価した。この評価試験の結果を表1に示す。
Figure 0005113161
表1に示すように、サンプル1〜4およびサンプル16,17では、溶融部85の貴金属部材81に近い特定部位(図3における点K1,L1,M1)における貴金属部材81由来の成分の占める平均割合Pが80%未満であり、いずれも、貴金属部材81と溶融部85との境界付近にクラックや剥離等が発生した(発生形態α)。また、サンプル8,9およびサンプル16では、溶融部85の根元部82に近い特定部位(図3における点K3,L3,M3)における根元部82由来の成分の占める平均割合Qが20%未満であり、いずれも、根元部82と溶融部85との境界付近にクラックや剥離等が発生した(発生形態β)。そして、サンプル14,15およびサンプル17では、平均割合Pと平均割合Qとの和が160%よりも大きく、いずれも、溶融部85内においてクラックや剥離等が発生した(発生形態γ)。特にサンプル16では、クラックや剥離等が発生形態αと発生形態βとの複合形態で発生し、また、サンプル17では発生形態αと発生形態γとの複合形態で発生した。一方、P≧80[%]と、Q≧20[%]と、P+Q≦160[%]とのいずれも満たすサンプル5〜7およびサンプル10〜13では、貴金属部材81と根元部82との接合が維持できなくなる虞のある大きなクラックや剥離等は発生しなかった。
[実施例2]
上記の実施例1で各サンプル(サンプル1〜17)に対して行う加熱・冷却試験において、加熱条件を950℃に変更し、それ以外の条件は同一のままとする評価試験を行った。すなわち、本評価試験は、バーナーによる加熱冷却サイクルにおいて、発火部80にかける負荷を、実施例1の場合よりも軽減して行ったものである。試験後に中心線Zを通る発火部80の断面の観察を行い、実施例1と同一の評価基準で貴金属部材81の脱落を生ずる虞のあるクラック・剥離等の発生が認められた場合には「×」、認められなかった場合には「○」と評価した。この評価試験の結果を表2に示す。
Figure 0005113161
表2に示す、本評価試験の結果を、実施例1の評価試験の結果(表1参照)と比較すると、新たにサンプル3およびサンプル4において、貴金属部材81と根元部82との接合が維持できなくなる虞のある大きなクラックや剥離等の発生がみられなくなった。サンプル3,4は、いずれもQ≧20[%]およびP+Q≦160[%]を満たすが、P≧80[%]を満たさない。同様に、Q≧20[%]およびP+Q≦160[%]を満たしP≧80[%]を満たさないサンプル1,2と比較すると、サンプル3,4がP≧60[%]を満たすのに対し、サンプル1,2はP<60[%]であった。上記のように、この評価試験は実施例1よりも穏当な加熱・冷却条件下において行ったものであり、試験条件が、よりスパークプラグ100の実使用時の条件に近い。この評価試験の結果より、P≧60[%]であっても十分に、貴金属部材81と根元部82との接合性を確保できることが確認できた。
[実施例3]
次に、実施例1よりも過酷な加熱・冷却条件下において、クラックや剥離等の発生を抑制できる条件について確認するため評価試験を行った。溶融部85は、上記のように、貴金属部材81と根元部82との合わせ面を狙うように発火部80の側方からレーザ溶接により形成されるため、レーザ光の入射部位が外部に露出された状態となる。より過酷な加熱・冷却条件のもとでは、その露出部位から溶融部85の酸化消耗が生じ、クラックや剥離等の発生に至る虞がある。このため、本実施例においては溶融部85の特定部位・点K1,K2,K3における貴金属部材81由来の成分の占める平均割合Rについて着目する。
そこで、実施例1で作製したスパークプラグ100のテストサンプルのうち、クラックや剥離等の発生を抑制できたサンプル12およびサンプル5を、実施例3の評価試験における比較対象のサンプルとして用いた。サンプル12およびサンプル5において溶融部85の特定部位・点K1,K2,K3における貴金属部材81由来の成分の占める平均割合Rを実施例1と同様に求めたところ、それぞれ50%および60%であった。また、実施例1と同様に作製した複数のサンプル種より、サンプル12と平均割合Pおよび平均割合Qが共に同一であり、平均割合Rが60%および70%のサンプルを抽出し、それぞれサンプル18およびサンプル19としてサンプル番号を付与した。同様に、サンプル5と平均割合Pおよび平均割合Qが共に同一であり、平均割合Rが55%、50%および40%のサンプルを抽出し、それぞれサンプル22、サンプル20およびサンプル21としてサンプル番号を付与した。
そして各サンプルに対し、実施例1と同様の加熱・冷却試験を、加熱条件を1100℃に変更し、それ以外の条件は同一のままで行った。さらに試験後に中心線Zを通る断面の観察を行い、実施例1と同一の評価基準で貴金属部材81の脱落を生ずる虞のあるクラック・剥離等の発生が認められた場合には「×」、極微細なクラックの発生が認められたが貴金属部材81の脱落を生ずる虞がないと判断できる場合には「○」、クラックが認められなかった場合には「◎」と評価した。この評価試験の結果を表3に示す。
Figure 0005113161
表3に示すように、平均割合P,Qが同一のサンプル12,18,19を比較すると、溶融部85の特定部位・点K1,K2,K3における貴金属部材81由来の成分の占める平均割合Rが60%に満たないサンプル12では、溶融部85の酸化消耗に起因したクラックや剥離等が発生した。しかし、平均割合Rが60%のサンプル18,19ではクラックが認められず、十分に、クラックや剥離等の発生を抑制することができた。同様に平均割合P,Qが同一のサンプル5,22,20,21の比較においても、溶融部85の特定部位・点K1,K2,K3における貴金属部材81由来の成分の占める平均割合Rが55%に満たないサンプル20,21では、溶融部85の酸化消耗に起因したクラックや剥離等が発生した。また、平均割合Rが55%のサンプル22にもクラックの発生が認められたが、そのクラックは極微細であったため、クラックに起因して、貴金属部材81に脱落が生ずる虞はないと判断した。そして、平均割合Rが60%のサンプル5ではクラックが認められず、十分に、クラックや剥離等の発生を抑制することができた。サンプル12,18,19の評価結果と、サンプル5,22,20,21の評価結果とを総合すると、平均割合Rが55%以上であれば、溶融部85の酸化消耗に起因したクラックや剥離等の発生を抑制でき、たとえクラックが生じても、そのクラックは極微細なもので、貴金属部材81の脱落には至らない。すなわち、溶融部85による貴金属部材81と根元部82との接合性を十分に確保でき、スパークプラグ100の実使用時において十分な性能を得ることができる。望ましくは平均割合Rを60%以上とすれば、十分に、クラックや剥離等の発生を抑制することができ、耐酸化性の面において十分な信頼性を確保できることがわかった。

Claims (9)

  1. 中心電極と、軸線方向に沿って延びる軸孔を有し、その軸孔の内部で前記中心電極を保持する絶縁碍子と、当該絶縁碍子を周方向に取り囲んで保持する主体金具と、一端部が前記主体金具の先端面に接合され、他端部における自身の一側面が前記中心電極の先端部に向き合うように屈曲された接地電極と、当該接地電極の前記他端部における前記一側面上で、前記中心電極の前記先端部と対向する位置にて、前記一側面から前記中心電極へ向けて少なくとも0.5mm以上突出する発火部とを備えたスパークプラグにおいて、
    前記発火部は、
    Niを主成分とし、前記一側面から前記中心電極に向けて突出する形状をなす根元部と、
    貴金属を主成分とし、前記根元部の突出先端に接合され、自身と前記中心電極の前記先端部との間で火花放電間隙を形成する貴金属部材と、
    当該貴金属部材と前記根元部とを側方からレーザ溶接することにより両者の構成材料が互いに溶け合って形成された溶融部と
    を有してなるものであり、
    前記発火部の突出方向に平行な平面で当該発火部を二分したときの断面をみたときに、前記溶融部は、前記貴金属部材と前記根元部との間において、前記発火部の突出方向と直交する方向における前記発火部の一方の側面と他方の側面とのそれぞれから、当該両側面間の中央を通り前記発火部の突出方向に沿う中心線へと向かう形態で形成されており、
    当該発火部の断面において、
    前記一方の側面における、前記貴金属部材と前記溶融部との境界の位置を点A、
    前記一方の側面における、前記根元部と前記溶融部との境界の位置を点B、
    前記貴金属部材と前記溶融部との境界で、最も前記中心線寄りの位置を点C、
    前記根元部と前記溶融部との境界で、最も前記中心線寄りの位置を点D、
    点Aと点Cとを直線で結んだ線分ACを4等分する3つの等分点を点A側から順に点E、点Fおよび点G、
    点Bと点Dとを直線で結んだ線分BDを4等分する3つの等分点を点B側から順に点H、点Iおよび点J、
    点Eと点Hとを直線で結んだ線分EHを4等分する3つの等分点を点E側から順に点K1、点K2および点K3、
    点Fと点Iとを直線で結んだ線分FIを4等分する3つの等分点を点F側から順に点L1、点L2および点L3、
    点Gと点Jとを直線で結んだ線分GJを4等分する3つの等分点を点G側から順に点M1、点M2および点M3、
    としたときに、
    点K1、点L1および点M1における前記溶融部の成分のうち前記貴金属部材由来の成分の占める平均割合Pが、P≧80[%]を満たし、
    点K3、点L3および点M3における前記溶融部の成分のうち前記根元部由来の成分の占める平均割合Qが、Q≧20[%]を満たすと共に、
    P+Q≦160[%]を満たすことを特徴とするスパークプラグ。
  2. 中心電極と、軸線方向に沿って延びる軸孔を有し、その軸孔の内部で前記中心電極を保持する絶縁碍子と、当該絶縁碍子を周方向に取り囲んで保持する主体金具と、一端部が前記主体金具の先端面に接合され、他端部における自身の一側面が前記中心電極の先端部に向き合うように屈曲された接地電極と、当該接地電極の前記他端部における前記一側面上で、前記中心電極の前記先端部と対向する位置にて、前記一側面から前記中心電極へ向けて少なくとも0.5mm以上突出する発火部とを備えたスパークプラグにおいて、
    前記発火部は、
    Niを主成分とし、前記一側面から前記中心電極に向けて突出する形状をなす根元部と、
    貴金属を主成分とし、前記根元部の突出先端に接合され、自身と前記中心電極の前記先端部との間で火花放電間隙を形成する貴金属部材と、
    当該貴金属部材と前記根元部とを側方からレーザ溶接することにより両者の構成材料が互いに溶け合って形成された溶融部と
    を有してなるものであり、
    前記発火部の突出方向に平行な平面で当該発火部を二分したときの断面をみたときに、前記溶融部は、前記貴金属部材と前記根元部との間において、前記発火部の突出方向と直交する方向における前記発火部の一方の側面と他方の側面とのそれぞれから、当該両側面間の中央を通り前記発火部の突出方向に沿う中心線へと向かう形態で形成されており、
    当該発火部の断面において、
    前記一方の側面における、前記貴金属部材と前記溶融部との境界の位置を点A、
    前記一方の側面における、前記根元部と前記溶融部との境界の位置を点B、
    前記貴金属部材と前記溶融部との境界で、最も前記中心線寄りの位置を点C、
    前記根元部と前記溶融部との境界で、最も前記中心線寄りの位置を点D、
    点Aと点Cとを直線で結んだ線分ACを4等分する3つの等分点を点A側から順に点E、点Fおよび点G、
    点Bと点Dとを直線で結んだ線分BDを4等分する3つの等分点を点B側から順に点H、点Iおよび点J、
    点Eと点Hとを直線で結んだ線分EHを4等分する3つの等分点を点E側から順に点K1、点K2および点K3、
    点Fと点Iとを直線で結んだ線分FIを4等分する3つの等分点を点F側から順に点L1、点L2および点L3、
    点Gと点Jとを直線で結んだ線分GJを4等分する3つの等分点を点G側から順に点M1、点M2および点M3、
    としたときに、
    点K1、点L1および点M1における前記溶融部の成分のうち前記貴金属部材由来の成分の占める平均割合Pが、P≧60[%]を満たし、
    点K3、点L3および点M3における前記溶融部の成分のうち前記根元部由来の成分の占める平均割合Qが、Q≧20[%]を満たすと共に、
    P+Q≦160[%]を満たすことを特徴とするスパークプラグ。
  3. 点K1、点K2および点K3における前記溶融部の成分のうち前記貴金属部材由来の成分の占める平均割合Rが、R≧60[%]を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記平均割合Rが、R≧55[%]を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載のスパークプラグ。
  5. 前記根元部は、前記接地電極とは異なる部材からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のスパークプラグ。
  6. 前記根元部の熱伝導率をW[W/(m・K)]、前記接地電極の熱伝導率をX[W/(m・K)]、前記貴金属部材の熱伝導率をY[W/(m・K)]としたときに、
    Y>X≧W
    を満たすことを特徴とする請求項5に記載のスパークプラグ。
  7. 前記貴金属部材は、Ptを主成分とし、少なくともIr,Rh,W,Pd,Ru,Re,Ni,Al,Al,Y,Yのうちのいずれか1つ以上を1重量%以上含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のスパークプラグ。
  8. 前記発火部の突出方向に平行な平面で当該発火部を二分したときの断面をみたときの前記溶融部内の位置で、前記軸線方向において最も前記主体金具の前記先端面に近い位置と、その先端面との最短距離が、4mm以上であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のスパークプラグ。
  9. 前記発火部は、自身の突出方向と直交する断面の面積が、4mm以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のスパークプラグ。
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