JP2005123167A - スパークプラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】 火花放電ギャップが突き出されたスパークプラグで、且つ、接地電極本体に接合された貴金属チップの突き出し量が大きいスパークプラグの貴金属チップの温度を低減し、貴金属チップの耐消耗性が低下することを抑制することができるスパークプラグを提供することにある。
【解決手段】貴金属チップ41の先端面41aと接合部43との軸線方向の最短距離をtとし、貴金属チップ41及び貴金属チップ41と接地電極本体4aとの接合部43の表面積をSt、先端面4aから接地電極本体4aの内周面45を見たときに、接地電極本体4aと貴金属チップ41との接合部43の面積をSwとしたとき、t≧0.3mm、St/Sw≦7である。
【選択図】 図1

Description

本発明は内燃機関の着火用に使用されるスパークプラグに関する。
自動車エンジン等の内燃機関の着火用に使用されるスパークプラグは、中心電極を従来のスパークプラグよりも主体金具の先端から突き出すタイプのものが多数提案されている。これは、通常、スパークプラグをエンジン等の内燃機関に取り付けた際に、中心電極と接地電極で形成される火花放電ギャップが燃焼室の内部に設けられることで、スパークプラグの着火性を向上させることができるためである。(特許文献1参照)
また、接地電極のうち、主体金具と接合される一端とは反対の他端付近(他端部)に貴金属チップを接合したスパークプラグも多数提案されている。これは、上記のように、スパークプラグの着火性向上のために、スパークプラグの火花放電ギャップを燃焼室内部に突出させるようになっているため、火花放電ギャップを形成する接地電極が高温に曝されるからである。(特許文献2参照)
特開昭56−153677 特開2001−345162
ところが、上記のようなスパークプラグの場合、火花放電ギャップが燃焼室の内部に設けられるため、火花放電ギャップ間で形成される火花がスワール流等の影響を受け、火花が流されることがある。その結果、火花が貴金属チップ先端面から外れてしまい、接地電極本体と貴金属チップとの接合部での飛火が生じる虞がある。その結果、接合部が消耗してしまい、貴金属チップが接地電極本体から脱落する虞があった。
そこで、接地電極に接合された貴金属チップのうち、中心電極と対向する先端面と接合部との軸線方向の最短距離を大きくすることが有効であった。これにより、スワール流で火花が流された場合でも、チップ側面で火花を受けることができ、接合部での飛火が少なくなり、貴金属チップが接地電極本体から脱落するのを抑制することができる。
ところで、上記のような接合部との軸線方向の最短距離を大きくするスパークプラグは、貴金属チップの先端面と接地電極本体の内周面との距離(以後、突き出し量ともいう)が大きくなる。しかし、このような貴金属チップの突き出し量を大きくしたスパークプラグでは、貴金属チップの熱容量が増大し、貴金属チップの温度が上昇することで、貴金属チップの耐消耗性が低下する虞があった。
本発明の課題は、火花放電ギャップが突き出されたスパークプラグで、且つ、接地電極本体に接合された貴金属チップの突き出し量が大きいスパークプラグの貴金属チップの温度を低減し、貴金属チップの耐消耗性が低下することを抑制することができるスパークプラグを提供することにある。
本発明のスパークプラグは、軸線方向に軸孔を有する絶縁体と、該絶縁体の軸孔の先端側に配設される中心電極と、前記絶縁体の周囲を取り囲む主体金具と、一端が該主体金具に接合される接地電極本体と、該接地電極本体の他端部に接合部を介して接合され、且つ前記中心電極と対向して前記中心電極との間に火花放電ギャップを形成する貴金属チップとを有する接地電極と、を備えるスパークプラグにおいて、前記貴金属チップの先端面と前記接合部との軸線方向の最短距離をtとし、前記貴金属チップ及び前記接合部の表面積をSt、前記接地電極本体の内周面を見たときの、前記貴金属チップ及び前記接合部の面積をSwとしたとき、t≧0.3mm、St/Sw≦7であることを特徴とする。
本発明のスパークプラグは、貴金属チップの先端面と接合部との軸線方向の最短距離tが0.3mm以上とするように構成されている。貴金属チップの先端面と接合部との軸線方向の最短距離tを0.3mm以上とすることで、貴金属チップの先端面と、貴金属チップと接地電極本体との接合部との軸線方向の距離を十分に得ることができ、スワール流等の影響を受け火花が流されたとしても、接合部での飛火が少なくなり、貴金属チップが接地電極本体から脱落する虞が抑制することができる。なお、貴金属チップの先端面と接合部との軸線方向の最短距離をtが0.3mm未満であると、スワール流等の影響を受けた火花による接合部での飛火が生じ、接合部での飛火を抑制する効果を得ることができず、貴金属チップの接地電極本体からの脱落を抑制することができないことがある。
さらに本発明のスパークプラグは、前記貴金属チップ及び前記接合部の表面積をSt、前記接地電極本体の内周面を見たときの、前記貴金属チップ及び前記接合部の面積をSwとしたとき、St/Sw≦7であるように構成されている。上記のような貴金属チップと接合部との軸線方向の最短距離を0.3mm以上とする貴金属チップは、突き出し量が大きくなる。そして、この突き出し量が大きいスパークプラグは、貴金属チップの熱容量が増大し、貴金属チップの温度が上昇することで、貴金属チップの耐消耗性が低下する虞があった。そこで本発明のように、前記貴金属チップ及び前記接合部の表面積をSt、前記貴金属チップ及び前記接合部の面積をSwとしたとき、St/Sw≦7とすることで、貴金属チップが燃焼ガスから受ける熱量が十分に少なくでき、又は、貴金属チップが燃焼ガスから受け取った熱を有効に接地電極本体に移動させることができ、貴金属チップの温度の上昇が抑制され、その結果、貴金属チップの耐消耗性が低下することを抑制することができる。なお、St/Swが7を越えると、上記のような、貴金属チップの温度の上昇を抑制することができず、貴金属チップの耐消耗性の低下を抑制することができないことがある。また、St/Sw≦3であることが望ましい。
なお、接地電極本体の内周面とは、接地電極本体における中心電極と対向する側の面のことである。また、貴金属チップ及び貴金属チップと接地電極本体との接合部の表面積Stとは、接地電極本体に接合された、貴金属チップを視認した際、表面に見える面積のことである。さらに、前記接地電極本体の内周面を見たときの、前記貴金属チップ及び前記接合部の面積をSwとは、接地電極本体の内周面と平行な仮想面に投影させたときに、貴金属チップ及び接合部が投影される面積のことである。
さらに、本発明のスパークプラグは、主体金具の先端と中心電極の先端面との軸線方向の距離をLsが3mm以上とするように構成されている。このように中心電極の先端面と主体金具の先端との距離を従来よりも大きくする(言い換えれば、中心電極を突き出す)ことで、スパークプラグをエンジン等の内燃機関に取り付けた際に、スパークプラグの中心電極と接地電極で形成される火花放電ギャップが燃焼室の内部に設けられ、スパークプラグの着火性を向上させることができる。なお、主体金具の先端と中心電極の先端面との軸線方向の距離をLsが3mm未満となると、上記のように、着火性が向上する効果を得ることができないことがある。
ところで、上記のような中心電極を突き出したスパークプラグは、特に火花放電ギャップが燃焼室の内部に設けられるため、火花放電ギャップ間で形成される火花がスワール流等の影響を受け、火花が流されることがある。その結果、火花が貴金属チップ先端面から外れてしまい、接地電極本体と貴金属チップとの接合部での飛火が生じ、その結果、接合部が消耗してしまい、貴金属チップが接地電極本体から脱落する虞がある。
しかし、本発明のように、t≧0.3mm、St/Sw≦7とすることで、上記のような中心電極を突き出したスパークプラグにおいても、有効に接合部が消耗することを抑制することができ、さらには、貴金属チップ自身の耐消耗性が低下することを抑制できる。
なお、本発明において、火花放電ギャップは2mm以下が好ましい。火花放電ギャップが2mmを越えると、フラッシュオーバや失火等が発生する虞がある。よって、火花放電ギャップを2mm以下とすることで、放電電圧を下げる事ができ、火花放電ギャップで容易に放電することができる。
また、本発明のスパークプラグは、前記接地電極本体の前記内周面と外周面とに垂直な断面をとり、該断面のうち最小となる断面の断面積をSyとしたとき、Sy/Sw≧1であることが好ましい。貴金属チップから移動した熱は接地電極本体、主体金具、エンジンヘッドの順で移動していく。つまり、接地電極本体の熱容量が小さいと、貴金属チップから移動した熱を主体金具に移動させることができず、貴金属チップから熱を受け取ることができなくなり、貴金属チップの耐久性が低下する虞がある。よって、前記接地電極本体の前記内周面と外周面とに垂直な断面をとり、該断面のうち最小となる断面の断面積をSyとしたとき、Sy/Sw≧1とすることで、貴金属チップから受け取った熱を有効に主体金具に移動させることができ、貴金属チップの耐久性の低下を抑制することができる。なお、Sy/Swが1未満であると、上記効果を得ることができないことがある。
また、この断面Syは、接地電極の一端から接合部において、Sy/Sw≧1であることを意味する。
また、本発明のスパークプラグは、貴金属チップが比熱が0.5J/gdeg以下で、且つ融点が1500℃以上の材質であることが好ましい。上記のような貴金属チップを用いることで、貴金属チップの耐久性をより向上させることができる。なお、具体的には、IrやPt等の合金が挙げられる。
また、本発明のスパークプラグは、接合部が、前記貴金属チップと前記接地電極本体とをレーザ溶接して形成されたものであり、接地電極本体の内周面を見たときに、接地電極の一端側が他端側よりも大きいことが好ましい。このように、接合部が接地電極の一端側、すなわち主体金具に向かってより長く形成されていることで、貴金属チップが受け取った熱を有効に主体金具に移動させることができる。
ところで、中心電極側の発火部も接地電極側と同様に高温に曝されるため、中心電極の先端にも第2貴金属チップを有しているスパークプラグが知られている。このようなスパークプラグでは、第2貴金属チップの先端面と第2接合部との軸線方向の最短距離をTとしたとき、t>Tであることが好ましい。一般的なスパークプラグでは、中心電極側よりも接地電極側の方に、火花放電ギャップ間で形成される火花がスワール流等の影響を受け、火花が貴金属チップ先端面から外れる現象が起こる可能性が多い。つまり、接地電極本体と貴金属チップとの接合部での飛火が生じる可能性が、中心電極本体と第2貴金属チップとの接合部での飛火が生じる可能性よりも大きくなる傾向にある。そこで、本発明のように、貴金属チップの先端面と接合部との軸線方向の距離tを、第2貴金属チップの先端面と第2接合部との軸線方向の最短距離をTよりも大きくすることで、接地電極本体と貴金属チップとの接合部での飛火が生じる可能性を減少させることができる。よって、中心電極よりも損傷を受けやすい接地電極側においても、貴金属チップが接地電極本体から脱落するのを抑制することができる。
以下、本発明のいくつかの実施の形態を図面を用いて説明する。図1〜図3に示す本発明の一例たる抵抗体入りスパークプラグ100は、筒状の主体金具1、先端部が突出するようにその主体金具1に嵌め込まれた絶縁体2、貴金属チップ31を突出させた状態で絶縁体2の内側に設けられた中心電極3、その一端(接地電極の後端面)42が主体金具1と接合され、他端(接地電極の先端面)44近傍(他端部)の内周面45に貴金属チップ41が接合された接地電極4等を備えている。接地電極4は、貴金属チップ41の先端面41aが、貴金属チップ31の先端面31aと対向するように曲げられている。そして、貴金属チップ31と貴金属チップ41との間が火花ギャップgとなっている。
主体金具1は炭素鋼等で形成され、図1に示すように、その外周面には、スパークプラグ100を図示しないエンジンブロックに取付けるためのねじ部12が形成されている。また、絶縁体2は、例えばアルミナあるいは窒化アルミニウム等のセラミック焼結体により構成され、その内部には自身の軸方向に沿って中心電極3を嵌め込むための貫通孔6を有している。貫通孔6の一方の端部側に端子金具8が挿入・固定され、同じく他方の端部側に中心電極3が挿入・固定されている。また、該貫通孔6内において端子金具8と中心電極3との間に抵抗体15が配置されている。この抵抗体15の両端部は、導電性ガラスシール層16、17を介して中心電極3と端子金具13とにそれぞれ電気的に接続されている。
中心電極3は、INCONEL600(INCO社の登録商標)等のNi合金である。そして、中心電極3は、先端側が縮径されるとともにその先端面31aが平坦に構成され、ここに上記円板状の貴金属チップ重ね合わせ、さらにその接合面外縁部に沿ってレーザー溶接、電子ビーム溶接、抵抗溶接等により固着することにより接合部33と共に第2貴金属チップ31が形成される。上記第2貴金属チップ31は、Pt、Ir及びWを主成分とする金属にて構成される。具体的には、Pt−Ir、Pt−Rh等のPt合金や、Ir−5wt%Pt、Ir−20wt%Rh等のIr合金が挙げられる。
接地電極4の一端42は、主体金具1の先端面に対して溶接等により固着・一体化されている。一方、接地電極本体4aの他端部の内周面45には、貴金属チップ41が接合しており、中心電極先端面(具体的には貴金属チップ31)に対向している。貴金属チップ41は、円板状乃至円柱状の貴金属チップを接地電極4の所定位置に設け、レーザー溶接、電子ビーム溶接、抵抗溶接等により固着することにより接合部43と共に貴金属チップ41が形成される。接地電極4の電極本体4aは、INCOMEL600である。貴金属チップ41は、Pt、Ir及びWを主成分とする金属にて構成される。具体的には、Pt−20wt%Ni、Pt−20wt%Rh等のPt合金や、Ir−5wt%Pt、Ir−20wt%Rh等のIr合金が挙げられる。
このように、貴金属チップ31、41がIrやPt等の比熱が0.5J/gdeg以下で、且つ融点が1500℃以上の材質からなる合金にて形成されている。上記のような貴金属チップを用いることで、貴金属チップの耐久性をより向上させることができる。
また、図3に示されるように、接合部43は、接地電極本体4aの内周面45を見たときに、接地電極4の一端42側の長さ(図3におけるLa)が他端44側の長さ(図3におけるLb)よりも大きい。このように、接合部43が接地電極4の一端42側に向かって長く形成されていることで、貴金属チップ41が受け取った熱を有効に主体金具1に伝導させることができる。なお、La、Lbは、貴金属チップ41の側面から接合部43の外縁43a、43bまでの最短距離のことを指す。43aは接合部43のうちもっとも接地電極の一端42(すなわち、主体金具1)に近い部分であり、43bは接合部43のうち接地電極の他端(先端面)44にもっとも近い部分を示す。
また、図2に示される、貴金属チップ41の先端面41aと接合部43との軸線方向の最短距離tが、第2貴金属チップ31の先端面31aと第2接合部33との軸線方向の最短距離をTよりも大きくなっている(本実施形態では、t=0.45mm、T=0.4mm)。これにより、接地電極本体4aと貴金属チップ41との接合部43での飛火が生じにくく、接合部43の損傷を減少させる事ができる。よって、さらに有効に貴金属チップ41が接地電極本体4aから脱落するのを抑制することができる。
さらに、本発明に係る実施例1〜4について説明する。
図1、図2に示す形状のスパークプラグ100に関し、図2におけるLsの長さと着火限界の関係を、サンプルを用意して調査した。具体的には、Lsの寸法を変化させることでA/Fがどのように変化するか調査した。なお、サンプルは、絶縁体2の材質として焼結アルミナセラミックを、中心電極3の電極本体3aとしてINCONEL600、貴金属チップ31の材質として、Ir−20wt%Rh、貴金属チップ41の材質としてPt−20wt%Niを、それぞれ選定した。また、貴金属チップ41の高さを0.8mm、直径をφ0.6mmの円柱状とし、接地電極本体4aの幅1.4mm、高さ2.5mmとする。さらに、火花放電ギャップを1.1mmとした。また、貴金属チップ41は、レーザ溶接により、接地電極本体4aに接合されている。そして、接合部43の一端42側の長さLaは、1.2mm、接合部の他端44側の長さLbは、0.4mmである。主体金具1への放熱を効果的に行うために、接合部43の一端42側の長さLaは、他端44側の長さLbの2倍以上とされている。一方、第2貴金属チップ31は、直径0.55mmとなっている。さらに、t=0.45mm、T=0.4mmとなっている。
上記のように設定したスパークプラグ100を、排気量1600cc、4気筒のDOHC型ガソリンエンジンに取り付け、吸気管圧を−350mmHgとして着火性の試験を行った。本試験では、上記エンジン条件でHCスパイク法を用いており、HCスパイク法にて失火が全体の1%となる値を着火限界と判断し、調査した。なお、本試験は、HC(ハイドロカーボン)が発生すると、エンジンが失火する事が知られている。結果を図4に示す。
図4に示すように、Lsを3mm以上に設定したサンプルは、着火限界におけるA/Fが20以上と高い値を示し、良好な着火性を得ることができた。ところが、Lsが3mm未満に設定したサンプルは、A/Fが20未満となり、Lsが0mmに近づくにつれて、A/Fが次第に低下してしまった。つまり、主体金具1の先端と中心電極3の先端面31aとの軸線方向の距離をLsが3mm以上とすれは、中心電極3を突き出すこととなり、スパークプラグ100をエンジン等の内燃機関に取り付けた際に、スパークプラグ100の中心電極3と接地電極4で形成される火花放電ギャップgが燃焼室の内部に設けられることで、スパークプラグ100の着火性を向上させることができる。
次に、スパークプラグ100に関し、図2におけるtの長さと溶接部への飛火の関係を、サンプルを用意して調査した。具体的には、Lsの寸法を4mmとするスパークプラグ100において、tを変化させることで溶接部への飛火の頻度がどのように変化するか調査した。なお、サンプルは、絶縁体2の材質として焼結アルミナセラミックを、中心電極3の電極本体3aとしてINCONEL600、貴金属チップ31の材質として、Ir−20wt%Rh、貴金属チップ41の材質としてPt−20wt%Niを、それぞれ選定した。また、貴金属チップ41の直径をφ0.6mmの円柱状とし、接地電極本体4aの幅1.4mm、高さ2.5mmとする。さらに、火花放電ギャップを1.1mmとした。
上記のように設定したスパークプラグ100を、流速8mm/s、点火コイルのエネルギを40mJ、管内圧力を0.4MPaとし、エンジンの燃焼室内を模擬した管内に取り付け、溶接部への飛火の頻度の机上試験を行った、具体的には、火花放電を500回起こした時の溶接部の飛火の頻度を調査した。結果を図5に示す。
図5に示すように、tを0.3mm以上に設定したサンプルは、溶接部への飛火の頻度が20%未満となり、絶縁体への飛火の頻度が少ない値を示した。ところが、tを0.3mm未満に設定したサンプルは、溶接部への飛火の頻度が20%以上となり、さらには、tが0mmに近づくにつれて、溶接部への飛火の頻度が次第に増加してしまった。つまり、貴金属チップ41の先端面41aと接合部43軸線方向の最短距離tを0.3mm以上とすることで、接合部43での飛火が少なくなり、貴金属チップ41が接地電極本体4aから脱落する虞が抑制することができる。
次に、スパークプラグ100に関し、StとSwとの関係を、サンプルを用意して調査した。具体的には、図2におけるLsの寸法を4mm、tの寸法を0.45mmとしたスパークプラグ100において、StとSwの比率を変化させることで本体と貴金属チップとの温度差がどのように変化するか調査した。なお、サンプルは、絶縁体2の材質として焼結アルミナセラミックを、中心電極3の電極本体3aとしてINCONEL600、貴金属チップ31の材質として、Ir−20wt%Rh、貴金属チップ41の材質としてPt−20wt%Niを、それぞれ選定した。また、貴金属チップ41の直径をφ0.6mmの円柱状とし、接地電極本体4aの幅1.4mm、高さ2.5mmとする。さらに、火花放電ギャップを1.1mmとした。
上記のように設定したスパークプラグ100を、排気量1600cc、4気筒のDOHC型ガソリンエンジンに取り付け、エンジン回転数5600rpmでスロットル全開にて0.5時間運転を行った。そして、スパークプラグ100の接地電極本体4aと貴金属チップ41の温度を計測し、温度差を調査した。結果を図6に示す。
なお、貴金属チップ41及び接合部43の面積Swは、接地電極本体4aの内周面45(図3の状態)をマイクロスコープ(製品名:株式会社キーエンス製デジタルマイクロスコープVHX−100)を使って倍率20倍で撮影し、0.1mm間隔でポイントを取ってそのポイントを結んだ線に囲まれた接合部43の面積を計算した。また、貴金属チップ41及び接合部43の表面積Stは、まず、接地電極4の側面(図2の状態)を投影機でトレースを取り、接地電極本体4aの内周面45から突出している部位(突出部)の表面積をCADにより計算する。さらに、接合部のうち、接地電極本体4aの内周面45からの突出高さが僅かで側面から計測できない部分(平坦部)の表面積については、計算により求めた突出部の底面積を上記Swから減算したものとする。このようにして求めた突出部の表面積と平坦部の表面積とを加算した値をStとする。
図6に示すように、St/Swを7以下に設定したサンプルは、接地電極本体4aと貴金属チップ41との温度差が80℃以下となり、接地電極本体4aと貴金属チップ41との温度差が少ない値を示した。ところが、St/Swを7を越える値に設定したサンプルは、接地電極本体4aと貴金属チップ41との温度差が80℃を越え、さらには、St/Swの値が大きくなるにつれて、接地電極本体4aと貴金属チップ41との温度差が次第に増加してしまった。つまり、貴金属チップ41及び貴金属チップ41と接地電極本体4aとの接合部43の表面積をSt、先端面41aから接地電極本体4aの内周面45を見たときに、貴金属チップ41の面積及び接地電極本体4aと貴金属チップ41との接合部43の面積をSwとしたとき、St/Sw≦7とすることで、貴金属チップ41が燃焼ガスから受ける熱量が十分に少なくでき、又は、貴金属チップ41が燃焼ガスから受け取った熱を有効に接地電極本体4aに移動させることができ、貴金属チップ41の温度の上昇が抑制でき、貴金属チップ41の耐消耗性が低下することを抑制することができる。
さらに、図6に示すように、St/Swを3以下に設定したサンプルは、接地電極本体4aと貴金属チップ41との温度差が0℃以下となり、接地電極本体4aと貴金属チップ41との温度差が極めて良好な値を示した。
なお、本発明においては、上述した具体的な実施形態及び実施例1〜4に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施形態とすることができる。例えば、本発明のスパークプラグ100において、貴金属チップ41は円柱状であったが、これに限られず、円錐台状、角柱状、角錐台状であっても良い。
また、本発明のスパークプラグ100において、中心電極3に貴金属チップ31を設けたがこれに限られず、貴金属チップ31が設けられていない中心電極3であってもよい。
また、本発明のスパークプラグ100は、中心電極3または接地電極4は電極本体のみであるが、これに限らず、中心電極3の電極本体が表面に形成され、内部に金属芯が挿入されている、または接地電極4の電極本体が表面に形成され、内部に金属芯が挿入されていてもよい。そして、この場合の金属芯の材質は、Cu、Ag等の単体または合金から形成されている。
本発明のスパークプラグ100の実施形態1を示す正面断面図。 図1の要部を示す正面断面図。 図1の接地電極本体4aの内周面45を見た正面図。 実施例1に係るスパークプラグ100の着火性試験の結果を示すグラフである。 実施例2に係るスパークプラグ100の溶接部への飛火の頻度の結果を示すグラフである。 実施例3に係るスパークプラグ100の接地電極本体4aと貴金属チップ41との温度差の結果を示すグラフである。
符号の説明
1 主体金具
2 絶縁体
3 中心電極
4 接地電極
6 貫通孔
31 貴金属チップ
41 貴金属チップ
100 スパークプラグ

Claims (6)

  1. 軸線方向に軸孔を有する絶縁体と、
    該絶縁体の軸孔の先端側に配設される中心電極と、
    前記絶縁体の周囲を取り囲む主体金具と、
    一端が該主体金具に接合される接地電極本体と、該接地電極本体の他端部に接合部を介して接合され、且つ前記中心電極と対向して前記中心電極との間に火花放電ギャップを形成する貴金属チップとを有する接地電極と、を備えるスパークプラグにおいて、
    前記貴金属チップの先端面と前記接合部との軸線方向の最短距離をtとし、前記貴金属チップ及び前記接合部の表面積をSt、前記接地電極本体の内周面を見たときの、前記貴金属チップ及び前記接合部の面積をSwとしたとき、
    t≧0.3mm
    St/Sw≦7
    であることを特徴とするスパークプラグ。
  2. 請求項1に記載のスパークプラグにおいて、
    前記主体金具の先端と前記中心電極の先端面との軸線方向の距離をLsとしたとき、
    Ls≧3mm
    であることを特徴とするスパークプラグ。
  3. 請求項1又は2に記載のスパークプラグにおいて、
    前記接地電極本体の前記内周面と外周面とに垂直な断面をとり、該断面のうち最小となる断面の断面積をSyとしたとき、
    Sy/Sw≧1
    であることを特徴とするスパークプラグ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のスパークプラグにおいて、
    前記貴金属チップは、比熱が0.5J/gdeg以下で、且つ融点が1500℃以上の材質であることを特徴とするスパークプラグ。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のスパークプラグにおいて、
    前記接合部は、前記貴金属チップと前記接地電極本体とをレーザ溶接して形成されたものであり、
    前記接地電極本体の内周面を見たときに、前記接地電極の一端側の長さLaが他端側の長さLbよりも大きいことを特徴とするスパークプラグ。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のスパークプラグにおいて、
    前記中心電極は、自身の先端に第2接合部を介して接合ざれた第2貴金属チップを有し、
    前記第2貴金属チップの先端面と前記第2接合部との軸線方向の最短距離をTとしたとき、
    t>T
    であることを特徴とするスパークプラグ。
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