JP5057073B2 - スパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明は、スパークプラグに関し、より詳細には、中心電極に対向配置された接地電極に、火花放電部材として貴金属チップが設けられた、内燃機関に使用されるスパークプラグに関する。
内燃機関に使用されるスパークプラグの従来例としては、高着火性を確保するため、接地電極に細径の電極として貴金属チップをレーザ溶接したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に開示されたスパークプラグ及びその製造方法では、レーザ溶接される貴金属チップの溶接部面積や溶接角度を具体的に規定することにより、細い柱状の貴金属チップを溶接する際の接合信頼性の向上を図っている。
特開2002−237365号公報
ここで、スパークプラグとは、自動車等のエンジン(内燃機関)に取り付けられて、燃焼室内に露出する接地電極と中心電極との間に高電圧を印加して火花放電させることにより、着火源として機能するものである。そして、この燃焼室内では、混合気の燃焼に伴って混合気の乱気流が高速で発生しており、また、近年のエンジンの高出力化、低燃費化に伴って、このエンジン内部での乱気流は益々高速化する傾向にある。このため、図9に示すように、接地電極に接合された貴金属チップ2と中心電極3との間に発生した火花4が、混合気の高速気流5により横方向に吹き流されてしまい、吹き流され量が限界に達すると接地電極側の貴金属チップ2と中心電極3間の火花4を維持することが困難になって火花4が切れる現象が生じることになる。そして、このスパークプラグに電気的に接続されるコイルに電気的エネルギが残存している場合には、接地電極側の貴金属チップ2と中心電極3間で再び火花放電が行われることになる。
このような火花4の切断と再火花放電の現象が、混合気の高速気流5が原因で必要以上に繰り返し行われることにより多重放電が発生すると、特に高温になり易い接地電極側の貴金属チップ2が短期間で激しく消耗することになる。この接地電極側の貴金属チップ2の消耗は、接地電極側の貴金属チップ2と中心電極3間のギャップgの増大につながり、このため放電電圧が上昇してしまって、火花放電し難くなって着火性が低下してしまうおそれがある。そして、接地電極側の貴金属チップ2の消耗が更に進んで、やがて放電電圧が限界電圧に達すると、火花放電しなくなってしまう場合がある。
特許文献1に記載のように細径の貴金属チップを有するスパークプラグは、火花放電が起こり易く、また火花放電により生成された火炎核が、中心電極又は接地電極により冷却される作用(消炎作用)が軽減されるので、高い着火性を有する。しかし、その一方、貴金属チップが細いために、混合気の高速乱気流に起因する火花の切断が生じ易く、多重放電が発生しやすい問題点があり、改善の余地があった。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、接地電極と中心電極間の不必要な多重放電の発生を防止して貴金属チップの消耗を抑制し、これにより長期間にわたって高い着火性を確保することのできる長寿命のスパークプラグを提供することを目的とする。
本発明の前述した目的は、下記構成により達成される。
(1) 筒状の主体金具と、
当該主体金具に嵌め込まれ、当該主体金具の先端部から自身の先端部が露出された筒状の絶縁体と、
当該絶縁体の前記先端部から自身の先端部が露出されるように当該絶縁体内に配置された中心電極と、
前記主体金具に一端部が結合され、且つ他端部が前記中心電極の前記先端部に対向配置された接地電極と、
所定の火花放電ギャップが前記中心電極の前記先端部と前記接地電極との間に形成されるように前記接地電極の前記他端部に固着された複数の貴金属チップと、
を備え、
当該複数の貴金属チップは、柱状の主チップと、当該主チップの周方向にわたって取り囲む位置に当該主チップに離間して配設された少なくとも1つの副チップと、を含み、
前記副チップは円環状に形成されており、前記主チップの周方向にわたって取り囲むように配設されている
ことを特徴とするスパークプラグ。

) 前記副チップの中心軸が前記主チップの中心軸と略一致しており、これにより前記主チップと前記副チップとが略同心円状に配設されている
ことを特徴とする上記()のスパークプラグ。
) 前記副チップの、前記接地電極から前記中心電極に向かう方向の長さ寸法は、前記主チップの、前記接地電極から前記中心電極に向かう方向の長さ寸法の40%〜60%である
ことを特徴とする上記(1)又は)のいずれか1つのスパークプラグ。
) 前記副チップの外径は、前記中心電極の延長方向、及び前記接地電極の前記他端部の延出方向それぞれに対し直交する方向の、前記接地電極の幅の80%以上である
ことを特徴とする上記()〜()のいずれか1つのスパークプラグ。
上記(1)の構成によれば、接地電極には、主チップと、この主チップの周方向にわたって取り囲む位置に配設された少なくとも1つの副チップが設けられるので、中心電極と接地電極の主チップ間で発生する火花が、混合気の高速乱気流により大きく流されても、この火花が主チップから副チップに移動することにより火花の切断が防止され、火花の連続性を維持することができる。これにより、中心電極と接地電極間での多重放電の発生を防止して、接地電極に設けられた貴金属チップ(特に、主チップ)の消耗を大幅に抑制することができ、高い着火性を長期間にわたって維持することができる。なお、副チップの数量は、1つでも、複数個でもよく、副チップが独立した所謂島状に形成される場合には、主チップの周囲にわたって複数個の副チップを設けることにより、より安定した火花の連続性を確保することができる。
チップが、柱状の主チップの周方向にわたって取り囲むように円環状に形成されているので、中心電極と接地電極の主チップ間で発生する火花が、混合気の高速乱気流によりどの方向に流されても、必ずその方向に副チップが配置されていることになる。これにより、円環状の副チップが、主チップから移動する火花を確実に受け取って火花の連続性を確保することができる。したがって、多重放電の発生を防止して、接地電極に設けられた貴金属チップ(特に、主チップ)の消耗を大幅に抑制することができ、スパークプラグの寿命を長くすることができる。また、このとき、副チップは1つに限らず、ある一つの円環状の副チップがその他の円環状の副チップを包含するように、即ち円環状の副チップが複数設けられて、これらが多重(多層)に配置されてもよく、この場合には、主チップから移動する火花をより確実に受け取ることができる。
上記()の構成によれば、副チップと主チップの中心軸が略一致して略同心円状に配設されているので、主チップと副チップとの離間距離がどの方向でも一定となり、中心電極と接地電極の主チップ間で発生する火花が、混合気の高速乱気流によりどの方向に流されても、副チップは同じ条件で火花を主チップから受け取ることができる。これにより、乱気流の方向、即ち、火花の流される方向に関係なく、安定して火花の連続性を確保することができ、多重放電の発生を防止して、接地電極に設けられた貴金属チップ(特に、主チップ)の消耗を大幅に抑制することができ、スパークプラグの寿命を長くすることができる。このように、主チップに対して同心円状に配置される副チップは、混合気の高速乱気流の流れる方向が不定、或いは不明の場合、極めて有効に作用する。なお、着火時における乱気流の流れる方向が一定方向であることが分かっている場合は、必ずしも、副チップを円環状に形成する必要はなく、乱気流の流れる方向に独立した島状の副チップを配置することもできる。この島状の副チップは、1つでも、複数個でもよい。
上記()の構成によれば、副チップの、前記接地電極から前記中心電極に向かう方向の長さ寸法が、主チップの、前記接地電極から前記中心電極に向かう方向の長さ寸法の40%〜60%であるので、副チップにより多重放電の発生を防止して主チップの消耗を抑制すると共に、中心電極と接地電極間での火花発生を、主として、ギャップの小さな中心電極と主チップ間で安定して発生させることができる。そして、この火花が高速気流により流された場合、移動する火花を副チップで受けて火花の連続性を維持する。これにより、主チップの消耗を抑制して、高い着火性を維持しつつ、スパークプラグの寿命を長くすることができる。
上記()の構成によれば、副チップの外径が、接地電極の幅の80%以上であるので、主チップの消耗をより抑制して、高い着火性を維持しつつ、スパークプラグの寿命を長くすることができる。
本発明によれば、接地電極と中心電極間の不必要な多重放電の発生を防止して、接地電極に設けられた貴金属チップの消耗を抑制し、これにより長期間にわたって高い着火性を確保することのできる長寿命のスパークプラグを提供することができる。
以下、本発明に係るスパークプラグの好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係るスパークプラグの断面図であり、図2は図1におけるスパークプラグの電極部の拡大図であり、図3は図2における接地電極のA矢視図である。
図1に示すように、本発明に係るスパークプラグ100は、筒状の主体金具11と、この主体金具11に嵌め込まれ、この主体金具11の先端部11aから自身の先端部12aが露出された筒状の絶縁体12と、この絶縁体12の先端部12aから自身の先端部13aが露出されるようにこの絶縁体12内に配置された中心電極13と、主体金具11の先端部11aに一端部が結合され、且つ他端部が中心電極13の先端部13aに対向配置された接地電極14等を主に備えて構成されている。
なお、以下の説明において、中心電極13の軸線方向において接地電極14が配置される側を「前方側」、これと反対側を「後方側」として説明し、また接地電極14から中心電極13に向かう方向の長さ寸法を「高さ」として説明する。
主体金具11は炭素鋼等で形成されており、主体金具11の外周面には、例えば内燃機関のシリンダヘッドに取り付けられるための取付け用のねじ部15が周方向にわたって形成されている。そして、アルミナ等のセラミックス焼成体からなる絶縁体12には、軸方向に形成された貫通孔16の後方側(図中上方)の端部に端子金具17がその先端部17aが露出された状態で挿入・固定されており、前方側(図中下方)の端部に中心電極13がその先端部13aが露出された状態で挿入・固定されている。
また、貫通孔16内において端子金具17と中心電極13との中間部には、抵抗体18が配置されており、そしてこの抵抗体18の軸方向両端部には、導電性ガラスシール層19,20が配置されている。即ち、この抵抗体18及び導電性ガラスシール層19,20を介して中心電極13と端子金具17とは電気的に接続されていることになる。これら導電性ガラスシール層19,20及び抵抗体18は、導電性結合層を形成するものである。
なお、抵抗体18を省略して、端子金具17と中心電極13とを単一の導電性ガラスシール層で接合するようにしてもよい。
図2にも示すように、中心電極13は、インコネル(Inconel:商標名)等の耐熱性及び耐食性に優れたNi合金により円柱状に形成されており、この中心電極13の先端部13aには、例えば、イリジウムを主成分として5質量%の白金を含有する合金(Ir−5Pt)からなる円柱状の貴金属チップ21がレーザ溶接等により固着されている。
接地電極14は、耐熱性及び耐食性に優れたNi合金により角柱状に形成されており、基部14aが主体金具11の前方側端部に溶接により固定され、先端部(他端部)14bが中心電極13に対向するようにその中間部に曲部14cを有して略L字型に屈曲している。この接地電極14の、中心電極13の貴金属チップ21と対向する位置に、例えば、白金を主成分として20質量%のロジウムを含有する合金(Pt−20Rh)からなる円柱状の主チップ22が、レーザ溶接等により固着されている。
これにより、中心電極13の貴金属チップ21と、接地電極14の主チップ22との間には、火花放電ギャップgが形成されることになる。火花放電ギャップgの距離は、例えば、略0.9mm程度として設定される。そして、この状態で接地電極14(主チップ22)と中心電極13(貴金属チップ21)との間に高電圧が印加されることにより、火花放電ギャップgに火花放電させて、本発明に係るスパークプラグ100がエンジンの着火源として機能することになる。
さらに、接地電極14の先端部14bには、円環状に形成された副チップ23が、主チップ22の周囲を周方向にわたって取り囲むように離間配置されて抵抗溶接等により接地電極14に固着されている。このとき、主チップ22の中心軸CL1と、副チップ23の中心軸CL2とは、略一致しており、主チップ22と副チップ23とは、略同心円状に配置されている。
なお、副チップ23は、例えば、白金を主成分として20質量%のロジウムを含有する合金(Pt−20Rh)からなる。
また、スパークプラグ100のこれらチップ21,22,23に使用される貴金属としては、イリジウム(Ir)を主成分として、Pt,Rh,Ni,W,Pd,Ru,Re,Al,Al,Y,Y等の添加物を少なくとも1種含有した合金や、白金(Pt)を主成分として、Ir,Rh,Ni,W,Pd,Ru,Re等の添加物を少なくとも1種含有した合金等、耐酸化性が高く、且つ耐火花消耗性の優れた材料が使用される。
通常、スパークプラグ100は、中心電極13に負の高電圧を印加して火花放電させて使用されるので、中心電極13側のチップ21は、火花消耗が大きい。このため、中心電極13側のチップ21としては、耐火花消耗性の高いイリジウム系の合金からなる貴金属チップが使用されることが多い。
一方、接地電極14は、燃焼室内に最も突き出して取り付けられて高温になり易いので、接地電極14側のチップ22,23には、耐酸化性(詳細には、高温での耐酸化揮発性)が要求される。このため、接地電極14側のチップ22,23としては、耐酸化性の高
い白金系の合金からなる貴金属チップが主に使用される。
ところで、本発明のスパークプラグ100の副チップ23の高さh及び外径Dは、良好な着火性を維持し、且つ主チップ22の消耗が少ない高さ及び外径であることが望ましい。即ち、図3に示すように、接地電極14の副チップ23の高さhは、主チップ22の高さHの40%〜60%に設定されている(h/H=40%〜60%)。また、副チップ23の外径Dは、接地電極14の幅{中心電極13の延長方向、及び接地電極14の先端部14bの延出方向それぞれに対し直交する方向}Wの80%以上に設定されている(D/W>=80%)。また、これに合わせて、副チップ23の径方向の厚さtを、略0.2mmに設定するとよい。
次に、本発明のスパークプラグ100において、中心電極13(貴金属チップ21)及び接地電極14(主チップ22)間に発生した火花30が、高速乱気流により流されて主チップ22から副チップ23に移動するメカニズムについて説明する。
図4は、本発明に係るスパークプラグの火花が、主チップから副チップに移動する状態を示す模式図である。
図4に示すように、中心電極13(貴金属チップ21)及び接地電極14(主チップ22)間に高電圧が印加されると火花放電して、貴金属チップ21と主チップ22間に火花30が発生する。このとき、燃焼室内に混合気の高速乱気流があると、発生した火花30は、この高速乱気流により火花30a,30bのように横方向に押し流され、やがて貴金属チップ21と主チップ22間の火花が維持できなくなるまで流されてしまうと、接地電極14側の火花30が主チップ22から副チップ23に移動し、貴金属チップ21と副チップ23間の火花30cとなって途切れることなく維持される。これにより、多重放電の発生が防止される。
このとき、主チップ22と副チップ23とは、略同心円状に配置されているので、高速乱気流の流れる方向がどの方向に変化しても、主チップ22と副チップ23との位置関係は一定であるので、主チップ22から副チップ23へ移動する火花30は、常に安定して移動することができ、多重放電の発生が確実に防止される。
以上説明したように、本発明のスパークプラグ100によれば、接地電極14には、主チップ22と、この主チップ22の周方向にわたって取り囲む位置に配設された副チップ23が設けられるので、中心電極13と接地電極14の主チップ22間で発生する火花が、混合気の高速乱気流により大きく流されても、この火花が主チップ22から副チップ23に移動することにより火花の切断が防止され、火花の連続性を維持することができる。これにより、中心電極13と接地電極間14での多重放電の発生を防止して接地電極14(主チップ22)の消耗を大幅に抑制することができ、高い着火性を長期間にわたって維持することができる。
また、副チップ23が、円柱状の主チップ22の周方向にわたって取り囲むように円環状に形成されているので、中心電極13と接地電極14の主チップ22間で発生する火花が、混合気の高速乱気流によりどの方向に流されても、必ずその方向に副チップ23が配置されていることになる。これにより、円環状の副チップ23が、主チップ22から移動する火花を確実に受け取って火花の連続性を確保することができる。
さらに、副チップ23と主チップ22の中心軸が略一致して略同心円状に配設されているので、主チップ22と副チップ23との離間距離がどの方向でも一定となり、中心電極13と接地電極14の主チップ22間で発生する火花が、混合気の高速乱気流によりどの方向に流されても、副チップ23は同じ条件で火花を主チップ22から受け取ることがで
きる。これにより、乱気流の方向、即ち、火花の流される方向に関係なく、安定して火花の連続性を確保することができる。
次に、良好な着火性を維持し、且つ主チップ22の消耗を少なくするための、スパークプラグ100の副チップ23の高さh及び外径Dそれぞれについて、評価試験結果を示す図及び表を用いて、さらに詳細に説明する。
なお、本評価試験では、前述した実施形態のスパークプラグ100を用いて実施した。
<副チップの高さについて>
良好な着火性を維持し、且つ主チップ22の消耗を少なくするための、副チップ23の高さhについて評価試験を行った。この評価試験結果を図5、図6、及び表1に示す。
なお、図5は、副チップ23の高さh/主チップ22の高さHが異なる種々のスパークプラグを、排気量2000cc、直列6気筒、DOHC、4バルブのガソリンエンジンのシリンダヘッドに取り付け、エンジン回転数750rpmにおいてA/F比(Air/Fuel:空燃比)を徐々に増やしながら運転して、運転不能となったときのA/F比(限界A/F)を測定した結果である。
図6は上記スパークプラグを上記エンジンに取り付け、エンジン回転数5600rpmにおいて100時間運転後における、主チップ22の消耗率(体積比)を測定した結果である。
表1は、図5及び図6の結果をまとめて示す表である。着火性の良否判定は、A/F>21.5を「○」、それ以下を「×」とした。また、主チップ消耗の良否判定は、消耗率
30%以下を「○」、30%〜40%を「△」、40%以上を「×」として判定した。
Figure 0005057073
本発明のスパークプラグ100の副チップ23の高さhは、図5及び表1に示すように、主チップ22の高さHの60%を超えると、着火可能なA/F比の限界値が急激に低下して着火性が低下する。これは、副チップ23の高さが高いと、点火した火炎核の広がりが、副チップ23により阻害されて着火性が低下することによるものと推測される。
また、副チップ23の高さhが、主チップ22の高さHの40%未満になると、図6及び表1に示すように、主チップ22の消耗体積が急激に上昇してスパークプラグ100の寿命が短くなる。これは、副チップ23の高さhが低すぎることにより、火花が主チップ22から副チップ23へ移動し難くなり、高速気流により火花が切断される割合が増大して、多重放電が発生することによるものと推測される。
一方、図6に示すように、主チップ22のみの場合(h/H=0%)の消耗体積が50%であるのに比較して、h/Hを40%以上にすることにより消耗体積を略25%〜30%に低減することができることがわかる。
以上まとめると、図5、図6、及び表1の試験結果より、副チップ23の高さhを主チップ22の高さHの40%〜60%に設定することにより、主チップの消耗を抑制して、高い着火性を維持しつつ、スパークプラグの寿命を長くすることができることがわかる
<副チップの外径について>
良好な着火性を維持し、且つ主チップ22の消耗を少なくするための、副チップ23の外径Dについて評価試験を行った。この評価試験結果を図7、図8、及び表2に示す。
なお、図7は、副チップ23の外径D/接地電極14の幅W(D/W)が異なる種々のスパークプラグを、排気量2000cc、直列6気筒、DOHC、4バルブのガソリンエンジンのシリンダヘッドに取り付け、エンジン回転数750rpmにおいてA/F比を徐々に増やしながら運転して、運転不能となったときのA/F比(限界A/F)を測定した結果である。
図8は上記スパークプラグを上記エンジンに取り付け、エンジン回転数5600rpmにおいて100時間運転後における、主チップ22の消耗率(体積比)を測定した結果である。
表2は、図7及び図8の結果をまとめて示す表である。着火性の良否判定は、A/F>21.5を「○」、それ以下を「×」とした。また、主チップ消耗の良否判定は、消耗率
30%以下を「○」、30%〜40%を「△」、40%以上を「×」として判定した。
Figure 0005057073
本発明のスパークプラグ100の副チップ23の外径Dについて、図7及び表2に示すように、接地電極14の幅Wに対する副チップ23の外径Dの比(D/W)が限界A/F比に与える影響は小さいものの、図8及び表2に示すように、接地電極14の幅Wに対する副チップ23の外径Dの比が80%以上になると、主チップ22の消耗率が比較的安定して小さくなっている。即ち、主チップ22のみの場合(h/H=0%)の消耗体積が50%であるのに比較して(図6参照)、図8に示すように、D/W>=80%とすることにより、消耗体積が略30%に低減することがわかる。
なお、D/Wが80%未満において、消耗率が徐々に上昇するのは、副チップ23が主チップ22に近すぎると、かえって火花30が副チップ23に移動し難くなることによるものと推察される。
以上まとまると、図7、図8、及び表2の試験結果により、副チップ23の外径Dを、接地電極14の幅Wの80%以上に設定することにより、高い着火性を維持し、且つスパークプラグの寿命を長くすることができることがわかる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。例えば、前述した実施形態では、副チップ23を1つの円環状の副チップ23として説明したが、これに限らず、ある一つの円環状の副チップがその他の円環状の副チップを包含するように、即ち円環状の副チップが複数設けられて、これらが多重(多層)に配置されてもよく、この場合には、主チップから移動する火花をより確実に受け取ることができる。また、副チップが円環状ではなく、独立した所謂島状に形成されて1又は複数配置されてもよく、この場合においても、本発明の前述した目的は達成される。
本発明に係るスパークプラグの断面図である。 図1におけるスパークプラグの電極部の拡大図である。 図2における接地電極のA矢視図である。 本発明に係るスパークプラグにおいて、火花が高速乱気流により流されて主チップから副チップに移動する状態を示す模式図である。 本発明に係るスパークプラグを、排気量2000cc、直列6気筒、DOHC、4バルブのガソリンエンジンに取り付けて、エンジン回転数750rpm運転したときの、副チップの高さ/主チップの高さと、運転不能となる限界A/F比との関係を示すグラフである。 本発明に係るスパークプラグを、排気量2000cc、直列6気筒、DOHC、4バルブのガソリンエンジンに取り付けて、エンジン回転数5600rpmで100時間運転後の、副チップの高さ/主チップの高さと、主チップの消耗率(体積比)との関係を示すグラフである。 本発明に係るスパークプラグを、排気量2000cc、直列6気筒、DOHC、4バルブのガソリンエンジンに取り付けて、エンジン回転数750rpm運転したときの、副チップの外径/接地電極の幅と、運転不能となる限界A/F比との関係を示すグラフである。 本発明に係るスパークプラグを、排気量2000cc、直列6気筒、DOHC、4バルブのガソリンエンジンに取り付けて、エンジン回転数5600rpmで100時間運転後の、副チップの外径/接地電極の幅と、主チップの消耗率(体積比)との関係を示すグラフである。 従来のスパークプラグにおいて、火花が高速乱気流により流されて切断する状態を示す模式図である。
符号の説明
11 主体金具
11a 主体金具の先端部
12 絶縁体
12a 絶縁体の先端部
13 中心電極
13a 中心電極の先端部
14 接地電極
14b 接地電極の先端部(他端部)
22 主チップ
23 副チップ
100 スパークプラグ
CL1 主チップの中心軸
CL2 副チップの中心軸
D 副チップの外径
g 放電ギャップ
h 副チップの高さ
H 主チップの高さ
t 副チップの径方向の厚さ
W 接地電極の幅

Claims (4)

  1. 筒状の主体金具と、
    当該主体金具に嵌め込まれ、当該主体金具の先端部から自身の先端部が露出された筒状の絶縁体と、
    当該絶縁体の前記先端部から自身の先端部が露出されるように当該絶縁体内に配置された中心電極と、
    前記主体金具に一端部が結合され、且つ他端部が前記中心電極の前記先端部に対向配置された接地電極と、
    所定の火花放電ギャップが前記中心電極の前記先端部と前記接地電極との間に形成されるように前記接地電極の前記他端部に固着された複数の貴金属チップと、
    を備え、
    当該複数の貴金属チップは、柱状の主チップと、当該主チップの周方向にわたって取り囲む位置に当該主チップに離間して配設された少なくとも1つの副チップと、を含み、
    前記副チップは円環状に形成されており、前記主チップの周方向にわたって取り囲むように配設されている
    ことを特徴とするスパークプラグ。
  2. 前記副チップの中心軸が前記主チップの中心軸と略一致しており、これにより前記主チップと前記副チップとが略同心円状に配設されている
    ことを特徴とする請求項に記載のスパークプラグ。
  3. 前記副チップの、前記接地電極から前記中心電極に向かう方向の長さ寸法は、前記主チップの、前記接地電極から前記中心電極に向かう方向の長さ寸法の40%〜60%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記副チップの外径は、前記中心電極の延長方向、及び前記接地電極の前記他端部の延出方向それぞれに対し直交する方向の、前記接地電極の幅の80%以上である
    ことを特徴とする請求項のいずれか1つに記載のスパークプラグ。
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