JP5111526B2 - エレベータの制御装置 - Google Patents
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Description
特に、長周期地震発生時又は強風時に重複して火災が発生した際の消防活動を可能な限り実施可能とするための、エレベータの制御装置に関するものである。
この地震時管制運転において、S波地震感知器で「低gal」を検知した場合、通常運転中であれば乗客の安全を確保しエレベータ機器の損傷を防止するため早期に最寄階に停止させることを第一の目的としているが、消防活動中であればS波地震感知器を手動又は自動リセットし、地震時管制運転による運転休止中のエレベータを再び運転可能とし、非常運転を可能な限り実施できるものとしている。
そして、前記制御手段は、前記地震時運転によりエレベータかごを所定階に休止させた後、前記火災時救出運転を行う際に、エレベータかごが釣り合い重りとすれ違わない範囲の階床で火災時救出運転を行う。
また、特開2005−82292号公報に記載の火災時救出運転装置によれば、地震後の火災時にエレベータホールに取り残された人を安全に救出することができるとされる。
従って、同様の運転動作フローを、建物の揺れが数分間継続する長周期地震動や数時間継続する強風に対して適用した場合、長周期振動検知装置をリセットしても、建物の揺れが継続しているために再動作するため、円滑な消防活動の実施が困難であった。
エレベータ昇降路が配置されている建物における長周期振動の発生を検知する長周期振動検知装置から、長周期振動の発生が検知されたことを通知する長周期振動検知信号を入力する長周期振動検知信号入力部と、
前記長周期振動検知信号が入力された場合に、前記エレベータかごをいずれかの階に停止させ休止させるかご運転休止部と、
前記エレベータかごの非常運転を許可する非常運転許可信号を入力する非常運転許可信号入力部と、
前記かご運転休止部によって前記エレベータかごが運転休止している際に、前記かご運転休止部により前記エレベータかごが停止している階が、前記エレベータ昇降路内で垂下している垂下物が前記建物の振動に共振しない非共振階であるか否かを判断する停止階判断部を有し、前記非常運転許可信号入力部により前記非常運転許可信号が入力され、前記停止階判断部により前記エレベータかごの停止階が非共振階であると判断した場合に前記エレベータかごの非常運転を開始し、前記停止階判断部により前記エレベータかごの停止階が非共振階でないと判断した場合に前記エレベータかごを停止階に停止させておく非常運転制御部とを有することを特徴とする。
非常運転が開始された後に前記エレベータかごがいずれかの階で停止した場合に、前記停止階判断部により前記エレベータかごの停止階が非共振階であるか否かを判断し、
前記停止階判断部により前記エレベータかごの停止階が非共振階であると判断した場合に前記エレベータかごの非常運転を継続し、
前記停止階判断部により前記エレベータかごの停止階が非共振階でないと判断した場合に、前記エレベータかごが前記停止階に停止してから所定の制限時間内に前記エレベータかご内にいる者により操作された場合は前記エレベータかごを操作された階まで走行させ、前記エレベータかごが前記停止階に停止してから所定の制限時間内に前記エレベータかご内にいる者により操作されない場合は前記エレベータかごを前記停止階に停止させておくことを特徴とする。
前記停止階判断部により前記エレベータかごの停止階が非共振階でないと判断された場合に、前記エレベータかご内にいる者に対して早期に前記エレベータかごを操作して前記エレベータかごを走行可能な状態にするよう警告する警告メッセージを出力する警告メッセージ出力部を有することを特徴とする。
前記非常運転許可信号入力部により入力された非常運転許可信号に基づいて非常運転を実施する場合に、通常運転時よりも低速で前記エレベータかごを走行させることを特徴とする。
このため、垂下物が昇降路内機器と接触している可能性が低い場合には、エレベータかごの非常運転を開始することができ、長周期振動地震時又は強風時に火災が発生したような場合に、消防夫による消火活動を迅速かつ安全に行うことができる。
一方、垂下物が昇降路内機器と接触している可能性が高い場合にはエレベータかごが走行しないため、危険な状態での走行を回避して消防夫の身の安全を図ることできる。
以下、本実施の形態に係るエレベータシステムを、図1〜図6を用いて説明する。
エレベータ用の昇降路101内を移動するエレベータかご102は、つり合いおもり103とメインロープ104によって連結され、このメインロープ104を巻き掛けた巻上機105を回転させることで、エレベータかご102とつり合いおもり103が釣瓶式に昇降する構成としている。
106−1から106−4は、それぞれ1階から4階の乗場を示しており、エレベータ制御盤107が巻上機105の回転を制御することで、エレベータかご102を該当階の乗場へ停止させる構成としている。
長周期振動検知装置109は、エレベータ昇降路101が配置されている建物における長周期振動の発生を検知する。また、長周期振動検知装置109は、長周期地震動や強風の揺れに応じて複数段のレベル検知を行うことができる。
長周期振動検知装置109とエレベータ制御盤107は接続されており、長周期振動検知装置109が長周期地震動や強風を検知した場合、エレベータ制御盤107は、メインロープ104、制御ケーブル108などの垂下物が建物の揺れと共振し、昇降路101に設置されている昇降路機器(図示しない)に接触し破損することを防止すべく、予め定められた階に走行し運転休止させる制御を行う。
非常運転優先装置は非常運転優先状態と非常運転非優先状態とを切替える。
非常運転優先状態とは、長周期振動検知装置109により長周期地震動や強風が検知され、エレベータ制御盤107がエレベータかご102の運転を運転休止させた後、メンテナンス作業員によるエレベータの点検が行われる前でもエレベータかご102の運転(非常運転)を許可する状態である。例えば、長周期地震発生時又は強風時に重複して火災が発生した場合に、エレベータを使っての消防活動を可能にするためにメンテナンス作業者による点検作業を経ずにエレベータかご102の非常運転を許可する場合に非常運転優先状態に切り替わる。
防災センター110の作業員が非常運転優先装置を操作して非常運転非優先状態から非常運転優先状態に切り替えると、監視装置111からエレベータ制御盤107に、エレベータかご102の非常運転を許可する非常運転許可信号が出力される。
一方、非常運転非優先状態とは、長周期振動検知装置109により長周期地震動や強風が検知され、エレベータ制御盤107がエレベータかご102の運転を運転休止させた後、メンテナンス作業員によるエレベータの点検が行われなければ、非常運転を許可しない状態である。
なお、図2に示す非常運転優先装置は、一例であり、非常運転優先状態と非常運転非優先状態の切り替えができるのであれば、切り替え釦等、どのような形態の装置でもよい。
なお、エレベータ制御盤107は、エレベータの制御装置の例である。
長周期振動検知装置通信部2は、長周期振動検知装置インタフェース3を介して長周期振動検知装置109と通信を行う。
また、長周期振動が発生した場合は、長周期振動検知装置通信部2は、長周期振動検知装置109から、長周期振動の発生が検知されたことを通知する長周期振動検知信号を入力する。
長周期振動検知装置通信部2は、長周期振動検知信号入力部の例である。
長周期振動検知装置インタフェース3は、長周期振動検知装置109との物理通信インタフェースである。
また、監視装置通信部4は、長周期振動が検知され、エレベータかご102がいずれかの階に停止し運転を休止した際に、監視装置111からエレベータかご102の非常運転を許可する非常運転許可信号を入力する。
監視装置通信部4は、非常運転許可信号入力部の例である。
監視装置インタフェース5は、監視装置111との物理通信インタフェースである。
非共振階とは、エレベータ昇降路内で垂下しているロープ、ケーブル、つり合いおもり103等の垂下物が建物の振動に共振しない階である。つまり、エレベータかご102が非共振階に停止していれば、ロープ、ケーブル、つり合いおもり103等の垂下物は建物の振動に共振しないため、これら垂下物は昇降路内機器に接触しない。
非共振階は、建物の固有振動数及び垂下物の固有振動数等により決められる。
また、かご運転制御部8は、長周期振動検知装置通信部2により長周期振動検知信号が入力された場合に、エレベータかご102をいずれかの階に停止させ運転を休止させる。
更には、非常運転を開始した後に、エレベータかご102がいずれかの階で停止した場合に、停止階判断部7によりエレベータかご102の停止階が非共振階であると判断した場合にエレベータかご102の非常運転を継続し、停止階判断部7によりエレベータかご102の停止階が非共振階でないと判断した場合は、エレベータかご102が停止階に停止してから所定の制限時間内にエレベータかご102内にいる者(例えば、消防夫)により操作された場合はエレベータかご102を操作された階まで走行させ、エレベータかご102が停止階に停止してから所定の制限時間内にエレベータかご102内にいる者により操作されない場合はエレベータかご102を停止階に停止させておく。
かご運転制御部8は、かご運転休止部及び非常運転制御部の例である。
この場合、図3に示すエレベータ制御盤107の制御部1、長周期振動検知装置通信部2、監視装置通信部4、停止階判断部7、かご運転制御部8、警告メッセージ出力部10は例えばプログラムにより実現することができる。これらプログラムは、磁気ディスク装置等の記憶装置に格納され、CPUにより読み出され実行される。
また、RAMには、CPUに実行させるプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。
また、RAMには、CPUによる処理に必要な各種データが格納される。
例えば、RAMには、本実施の形態の説明において、「〜の判断」、「〜の計算」、「〜の比較」、「〜の設定」、「〜の登録」、「〜の選択」等として説明している処理の結果を示す情報やデータや信号値や変数値やパラメータが記憶される。
また、本実施の形態説明において制御部1、長周期振動検知装置通信部2、監視装置通信部4、停止階判断部7、かご運転制御部8、警告メッセージ出力部10は、回路であってもよい。また、ROMに記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。
また、制御部1、長周期振動検知装置通信部2、監視装置通信部4、停止階判断部7、かご運転制御部8、警告メッセージ出力部10を「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」と表現することも可能である。
エレベータかご102の平常運転(S401)の実施中は、エレベータ制御盤107は、ステップS402にて長周期振動検知装置109の検知レベル(LV1)を検知していない間はS401の平常運転を継続する。
所定時間後としたのは、検知レベルを低くしているため、再度検知レベル(LV1)を検知することで、表示灯が再点灯することを防止するためである。
エレベータ制御盤107の制御部1は、非共振階記憶部6の情報を参照して、走行方向に非共振階が存在するかの判断を行う。
なお、このとき、制御部1は図3に図示していないRAMやレジスタに停止階を記憶させる。
また、制御部1はRAMやレジスタに建物揺れによる運転休止である旨を記憶させる。
なお、このとき、制御部1は図3に図示していないRAMやレジスタに停止階を記憶させる。
また、制御部1はRAMやレジスタに建物揺れによる運転休止である旨を記憶させる。
なお、このとき、制御部1は図3に図示していないRAMやレジスタに停止階を記憶させる。
また、制御部1はRAMやレジスタに建物揺れによる運転休止である旨を記憶させる。
なお、図6のフローは、長周期振動が継続している間及び長周期振動が収まった後のいずれにおいても実施可能である。
先ず、ステップS501にて、火災発生により消防夫が消防活動を実施すべ<非常運転を実施するための操作を実施する。
なお、建物揺れによる運転休止であるか否かは、RAM又はレジスタに建物揺れによる運転休止である旨の記録があるか否かにより判断する。
停止階判断部7は、運転休止時にRAM又はレジスタに記憶されている停止階と非共振階記憶部6に記憶されている非共振階とを比較することで、エレベータかご102の停止階が非共振階であるかを判断する。
非共振階でない場合(S504でNO)は、メインロープ104、制御ケーブル108などが建物の揺れと共振し昇降路101に設置されている昇降路機器(図示しない)に接触し破損している可能性があるため、かご運転制御部8が、ステップS505で運転休止状態を継続する。
つまり、監視装置通信部4が、監視装置111から非常運転許可信号を受信しているか否かを判断する。
「非優先」である場合、つまり、非常運転許可信号を受信していない場合(S506でNO)は、ステップS507にて、運転休止の状態で待機する。
このとき以後の非常運転における走行速度は平常時よりも低速とする。
これにより、消防夫は消火活動を実施することができる。
走行可能状態とは、例えばエレベータかご102のドアが閉じている状態又はドアを閉じる動作が行われている状態である。
以降は、ステップS509以降の処理が繰り返される。
このため、垂下物が昇降路内機器と接触している可能性が低い場合には、メンテナンス作業員による点検を経ずに、エレベータかごの非常運転を開始することができ、長周期振動地震時又は強風時に火災が発生したような場合に、消防夫による消火活動を迅速かつ安全に行うことができる。
一方、垂下物が昇降路内機器と接触している可能性が高い場合にはエレベータかごが走行されないため、危険な状態での走行を回避して消防夫の身の安全を図ることができる。
Claims (4)
- エレベータかごの運転を制御するエレベータの制御装置であって、
エレベータ昇降路が配置されている建物における長周期振動の発生を検知する長周期振動検知装置から、長周期振動の発生が検知されたことを通知する長周期振動検知信号を入力する長周期振動検知信号入力部と、
前記長周期振動検知信号が入力された場合に、前記エレベータかごをいずれかの階に停止させ休止させるかご運転休止部と、
前記エレベータかごの非常運転を許可する非常運転許可信号を入力する非常運転許可信号入力部と、
前記かご運転休止部によって前記エレベータかごが運転休止している際に、前記かご運転休止部により前記エレベータかごが停止している階が、前記エレベータ昇降路内で垂下している垂下物が前記建物の振動に共振しない非共振階であるか否かを判断する停止階判断部を有し、前記非常運転許可信号入力部により前記非常運転許可信号が入力され、前記停止階判断部により前記エレベータかごの停止階が非共振階であると判断した場合に前記エレベータかごの非常運転を開始し、前記停止階判断部により前記エレベータかごの停止階が非共振階でないと判断した場合に前記エレベータかごを停止階に停止させておく非常運転制御部とを有することを特徴とするエレベータの制御装置。 - 前記非常運転制御部は、
非常運転が開始された後に前記エレベータかごがいずれかの階で停止した場合に、前記停止階判断部により前記エレベータかごの停止階が非共振階であるか否かを判断し、
前記停止階判断部により前記エレベータかごの停止階が非共振階であると判断した場合に前記エレベータかごの非常運転を継続し、
前記停止階判断部により前記エレベータかごの停止階が非共振階でないと判断した場合に、前記エレベータかごが前記停止階に停止してから所定の制限時間内に前記エレベータかご内にいる者により操作された場合は前記エレベータかごを操作された階まで走行させ、前記エレベータかごが前記停止階に停止してから所定の制限時間内に前記エレベータかご内にいる者により操作されない場合は前記エレベータかごを前記停止階に停止させておくことを特徴とする請求項1に記載のエレベータの制御装置。 - 前記エレベータの制御装置は、更に、
前記停止階判断部により前記エレベータかごの停止階が非共振階でないと判断された場合に、前記エレベータかご内にいる者に対して早期に前記エレベータかごを操作して前記エレベータかごを走行可能な状態にするよう警告する警告メッセージを出力する警告メッセージ出力部を有することを特徴とする請求項2に記載のエレベータの制御装置。 - 前記非常運転制御部は、
前記非常運転許可信号入力部により入力された非常運転許可信号に基づいて非常運転を実施する場合に、通常運転時よりも低速で前記エレベータかごを走行させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエレベータの制御装置。
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