JP5110885B2 - 複数の導電性の領域を有する構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、電気的に絶縁した複数の領域を有するマイクロ構造体などである複数の導電性の領域を有する構造体、その製造方法、こうした構造体を用いた加速度センサ、ジャイロセンサ、電位センサ、アクチュエータなどのデバイスに関する。
従来、MEMSの技術などで製造される従来のマイクロ構造体には、構造体や可動体に対して、電気的な信号を用いて駆動、制御、変位などの検出を行うために、構造体を電気的に絶縁した複数の領域に分け、構造体自体を電極として用いるものがある。この構成を用いることにより、複数の駆動力発生機構を有したアクチュエータや、複数の静電検出部を有したセンサなどを容易に実現することができる。以下、具体例を説明する。
複数の可動電極の間に絶縁体を設けて梁部とした構造の半導体加速度スイッチが提案されている(特許文献1参照)。図13は、特許文献1の加速度スイッチの斜視図である。図13において、支持基板901、固定部902、可動部903、固定電極905、制御電極906、ストッパ907a、907bが示されている。また、支持部908、梁909、991、992、質量体910、可動電極911、913、枠部916、絶縁膜917、可動部本体930、端子981、982、電極961が示されている。この構成において、可動電極911と913の間に絶縁膜917が配置され、梁909を形成している。その梁909により、入力される加速度を受ける質量体910を保持している。梁909が有する複数の可動電極911と913が絶縁されているので、可動電極911と固定電極902間でセンサ特性の制御を行い、可動電極913と固定電極905間で加速度の検出を行うことができる。特許文献1の構成では、シリコン基板に形成した深く狭い溝中に、SOG、熱酸化膜、ポリシリコンなどの絶縁膜917を形成している。
また、梁の支持部や静電櫛歯の支持部に絶縁膜を埋め込み、他の部位と電気的に絶縁した構造を含む半導体力学量センサがある(特許文献2参照)。図14は、特許文献2の半導体力学量センサの斜視図である。図12に、単結晶シリコン基板1、溝4a〜4d、四角枠部5、梁構造体6、アンカー部7、8、梁部9、10、質量部11、可動電極12a〜12d、可動電極13a〜13d、溝14a、14b、絶縁材料15a〜15dが示されている。また、第1の固定電極16a〜16d、第2の固定電極17a〜17d、溝18a〜18d、絶縁材料19a〜19d、溝20a〜20d、絶縁材料21a〜21d、第1の固定電極22a〜22d、第2の固定電極23a〜23d、溝24a〜24d、絶縁材料25a〜25d、溝26a〜26d、絶縁材料27a〜27dを示す。
質量部11を支持している梁9、10は、絶縁材料15a〜15dを介して、四角枠部5に保持されている。一方。第1と第2の固定電極16a〜16d、17a〜17d、22a〜22d、23a〜23dは、絶縁材料19a〜19d、21a〜21d、25a〜25d、27a〜27dを介して、四角枠部5に保持されている。この構成により、四角枠部5と、可動電極12a〜12d、13a〜13dを有した質量部11と、第1の固定電極と第2の固定電極が、夫々電気的に絶縁されて、且つ機械的に保持されている。そのため、測定対象の力学量により、質量部11が可動となり、第1の固定電極と可動電極の間の静電容量と、第2の固定電極と可動電極の間の静電容量を検出して、この可動量を検出することができる。
特許文献2では、形成した溝の内部にシリコン酸化膜を形成し、さらにポリシリコン膜を形成して溝を埋めることについて言及されている。この様に低応力のポリシリコンを併用することで、シリコン酸化膜単体で溝を埋め込む場合に比べて、溝に発生する応力を低減する効果があると記載されている。
特開2000-065855号公報(図1) 特開2000-286430号公報(図5)
上記従来の構成では、電気的に絶縁した複数の領域間に絶縁材料を配置して、複数の領域同士を保持している。そのため、複数の領域同士の位置関係が、絶縁材料が有する内部応力の影響を受けやすい構造となっている。加えて、絶縁材料とそれを挟む基板部材の熱膨張係数が異なっているため、基板部材と絶縁材料間に応力が発生しやすい。従って、環境温度の変化による材料間の応力変化の影響も受けやすい構造となっている。また、高電圧を印加する場合には、絶縁耐圧を高くするために絶縁材料を厚くする必要がある。しかし、絶縁材料を厚くすればする程、絶縁材料の内部応力や、材料間の熱膨張係数差による応力の影響を受けやすい構造となる。
更に、基板部材に貫通孔や溝を形成し、溝や貫通孔に絶縁材料を埋め込むことによって、上記構成を実現することはできる。しかし、埋め込んだ絶縁膜が均一になりにくいことがある。また、絶縁膜を埋め込むために、溝や貫通孔の幅を広くする必要がある場合がある。この場合、埋め込んだ絶縁材料の応力の影響を受けやすくなる。加えて、貫通孔や溝の深さ位置によって、絶縁材料の形成状態が変わり、応力の分布が発生する可能性もある。一方、低応力の絶縁材料を含めた多種の絶縁材料を貫通孔や溝に埋め込む方法があるが、貫通孔の幅を広めに取る必要があったり、製造工程が複雑になったりする。
上述した様な応力がマイクロ構造体に発生した場合、梁や質量体自体が変形し、機械特性が変わることにより、アクチュエータの駆動特性やセンサの検出感度特性が変動してしまう。加えて、梁や質量体自体、櫛歯電極の変形により電極間の距離が変わってしまうこともある。これにより、マイクロ構造体に印加する駆動力が所望のものより大きくずれたり、マイクロ構造体の可動量の測定精度が低下したりする可能性がある。これらのことは、結果的に、アクチュエータの駆動性能や、センサの検出性能を低下させる原因となる。
上記課題に鑑み、単一のシリコン基板を母材とし、固定部と可動体と前記固定部に対して前記可動体を可動に支持するための梁とを有する本発明の構造体は、次の特徴を有する。すなわち、前記固定部または可動体が、互いに電気的に絶縁された複数の導電性の領域を含み、前記複数の導電性の領域間が、連続した酸化領域によって絶縁され、前記酸化領域は、前記固定部または可動体を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔の間の部分、もしくは前記固定部または可動体に空けられた複数のの間および底面から下の部分を占める、前記母材の酸化物から成る。
また、上記課題に鑑み、単一のシリコン基板を母材とし、固定部と可動体と前記固定部に対して前記可動体を可動に支持するための梁とを有する構造体の製造方法は次の2つの工程を含むことを特徴とする。第1の工程では、前記固定部または可動体を形成する母材に複数の貫通孔もしくは溝を間隔をおいて配置する。第2の工程では、少なくとも前記複数の貫通孔もしくは溝の内部表面の前記母材に熱酸化を行って、前記複数の貫通孔の間の部分、もしくは前記複数のの間および底面から下の部分を、前記母材の酸化物で占めることにより、前記固定部または可動体を互いに電気的に絶縁された複数の導電性の領域に分割する連続した酸化領域を形成する。
また、上記課題に鑑み、本発明の加速度センサは、上記の構造体を含み、前記可動体が加速度を感知することを特徴とする。また、上記課題に鑑み、本発明のジャイロセンサは、上記の構造体を含み、前記可動体が角速度に起因する力を感知することを特徴とする。
また、上記課題に鑑み、本発明のアクチュエータは、上記の構造体を含み、前記可動体が入力された電気エネルギーの力を物理的な運動に変換することを特徴とする。また、本発明の電位センサは、上記の構造体を含み、前記可動体が測定対象の電位に応じた電気信号を出力する検知電極部を持つことを特徴とする。
上述した様に、本発明の構造体によると、複数の導電性の領域間が、連続した酸化領域によって絶縁され、この酸化領域が、複数の貫通孔もしくは溝が形成された材料の酸化物から成る。従って、絶縁部を成す酸化領域の量を比較的少なくできて、該領域において応力の発生しにくい、電気的に絶縁した複数の領域を持つ構造体を、簡易な構成で提供することができる。また、その製造方法において、少なくとも前記複数の貫通孔もしくは溝の内部表面の母材に熱酸化を行って、連続した酸化領域を形成するので、製造容易となる。また、当該酸化領域を形成する際に、当該構造体を形成する基板をエッチングや切断等により、物理的に分離する必要がないため、基板の強度や加工精度を大きく損なうことなく絶縁加工が可能となる。更に、応力の発生しにくい本発明の構造体を用いるデバイスにおいては、その検出感度、駆動特性などの性能向上を図ることができる。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態を、図1、図2、図3-1乃至3-5、図4を用いて説明する。本実施形態は、互いに電気的に絶縁された複数の導電性の領域を有する構造体を含むアクチュエータ(入力された電気エネルギー等の力を物理的な運動に変換する機構)、及びその製造方法に係る。図1は、本実施形態に係るアクチュエータの斜視図である。図1において、101は導電性のシリコンなどの基板、102は可動体、103は梁、104は熱酸化膜(酸化領域)、105は貫通孔、106は第1の可動電極、107は第2の可動電極、108は第1の固定電極、109は第2の固定電極である。
基板101は、可動体102、梁103、固定電極108、109などが形成される母材である。貫通孔105は、熱酸化膜(酸化領域)104内にある。こうして、熱酸化膜104は、連続した酸化領域を構成する。この構成では、熱酸化膜104を挟む一方の導電性の領域から、如何なる経路を採っても、熱酸化膜104の部分を通らなくては他方の導電性の領域には到達できないようになっている。すなわち、複数の導電性の領域間の接合部が完全に酸化領域の熱酸化膜104で占められるので、これを挟む複数の導電性の領域間は電気的に絶縁される。熱酸化膜104は、複数の貫通孔105が形成された材料(上記母材)の酸化物から成る。また、第1の可動電極106と第1の固定電極108は、間隔を隔てて互いに対向した櫛歯部を有する。第2の可動電極107と第2の固定電極109も、同様に対向した櫛歯部を有する。
上記構成により、第1の可動電極106、第2の可動電極107、第1の固定電極108、第2の固定電極109は、熱酸化膜104でもって、互いに電気的に絶縁されている。この熱酸化膜104が、複数の貫通孔105を有していることが本実施形態の特徴である。図1に示す熱酸化膜104の形成パターンにより、第1の可動電極106は、梁103を介して、第1の固定電極108を除く基板101の左半分の部分(左側電極)と電気的に繋がっている。第2の可動電極107は、梁103を介して、第2の固定電極109を除く基板101の右半分の部分(右側電極)と電気的に繋がっている。
図2に、貫通孔105を有した熱酸化膜104の一部を拡大した図を示す。図2(a)は基板の上面図、図2(b)は直線B1-B2での基板の断面図、図2(c)は直線C1-C2での基板の断面図である。図2において、111は第1の領域、112は第2の領域である。第1の領域111と第2の領域112は、熱酸化膜104の位置により種々の領域となる。
図2の構成において、熱酸化膜104は、第1の領域111と第2の領域112を電気的に分離する様に、連続して形成されている。そのため、第1の領域111と第2の領域112間を、電気的に完全に絶縁することができる。ここで、熱酸化膜104が、複数の貫通孔105を有していることにより、第1の領域111と第2の領域112間を接続する絶縁材料(熱酸化膜)の体積ないし厚さを、機械的強度を必要とする最小限に留めることができる。それにより、貫通孔を有さない絶縁膜を配置した上記従来の構成に比べて、熱酸化膜の応力の影響による可動体102や基板101の変形がより生じにくい構成のマイクロ構造体を実現することができる。
図1の構成で、可動体102は、2対の梁103により基板101から支持されており、矢印A1、A2の方向に可動になっている。また、可動体102は、第1の可動電極106と第2の可動電極107と複数の貫通孔105を有した熱酸化膜104により構成されている。一方、基板101は、第1の固定電極108と第2の固定電極109と複数の貫通孔105を有した熱酸化膜104と、左側電極と右側電極により構成されている。また、第1の可動電極106と第2の可動電極107の制御回路への配線は、夫々、基板101の左側電極と右側電極へ外部からボンディングワイヤなどで配線することで、梁103を介して行うことができる。第1の固定電極108と第2の固定電極109の制御回路への配線は、夫々、それらへ外部からボンディングワイヤなどで配線することや、基板101上の適当な箇所に施される絶縁膜上にそれらに繋がる配線を形成することで行うことができる。
第1の可動電極106、第2の可動電極107、第1の固定電極108、第2の固定電極109は、互いに電気的に絶縁されているので、夫々の電極には、任意の異なる電位を印加することができる。そのため、第1の可動電極106と第1の固定電極108間に電位差を印加すると、第1の可動電極106と第1の固定電極108間に静電引力が発生し、可動体102を矢印A1の方向に移動させることができる。同様に、第2の可動電極107と第2の固定電極109間に電位差を印加すると、第2の可動電極107と第2の固定電極109間に静電引力が発生し、可動体102を矢印A2の方向に移動させることができる。第1の可動電極106と第1の固定電極108間への電位差印加と、第2の可動電極107と第2の固定電極109間への電位差印加を交互に行うことによって、可動体102を所望の周期で振動させることができる。
本実施形態の構成では、上述した理由により、静電引力を発生させるための可動電極106、107と固定電極108、109間の位置関係は、応力の影響を受けて変化することが生じにくくなる。そのため、アクチュエータの全体において、均一な静電引力をアクチュエータに印加することができる。また、可動体102の変形や基板101の変形により可動体支持用の梁103へ与えられる外力の影響を抑えることができる。そのため、アクチュエータの機械特性も変化しにくくなる。これらのことから、より高精度な駆動を行うアクチュエータを実現することができる。
次に、本実施形態に係るアクチュエータの製造方法について説明する。この方法は、間隔を置いて複数の貫通孔を母材に形成する工程と、少なくとも前記複数の貫通孔の内部表面の母材に熱酸化を行って、複数の貫通孔を含む連続した酸化領域を形成し、互いに電気的に絶縁された複数の導電性の領域を母材に形成する工程を含む。図3-1乃至図3-5は、本実施形態に係るアクチュエータの製造工程を説明するための断面図である。各図において、(a)は図1の破線Pに沿った部分の断面を示し、(b) は図1の破線Qに沿った部分の断面を示す。ただし、(a)では、見易くするために、可動体102に相当する部分の貫通孔の数は少なくしてあると共に基板101に相当する部分の酸化領域の形成は省略してある。図3-1乃至図3-5において、201は、基板や可動体などが形成される母料であるシリコン、202はレジスト、203はマスク材料、204は熱酸化膜、210は酸化領域の貫通孔である。
まず、図3-1で示す様に、シリコン基板201の片面上にマスク材料203を成膜し、レジスト202を塗布後、任意パターンでレジスト202のパターニングを行う。そして、その残ったレジストパターンを用いて、マスク材料203を選択的にエッチング除去する。このマスク材料を除去した部分が、次のドライエッチング工程でシリコンの貫通孔を形成する部分となる。具体的には、酸化領域の貫通孔210の部分と、構造体(可動体や梁、可動電極、固定電極、支持用の基板)として必要でない部分の除去を、同時に行う。ここで、マスク材料203には、Al(アルミニウム)を始めとする金属や、窒化シリコン、酸化シリコン、ポリシリコンなどの材料を用いることができる。但し、マスク材料はこれに限るものではない。次の異方性エッチング工程において、マスク材料として耐えられるものであれば、どの様な材料でも用いられる。また、レジスト202のパターンは、除去してもよいし、次のドライエッチング工程のマスクとして用いてもよい。この場合、別のマスク材料の成膜とエッチングは、必ずしも必要ではなくなる。
次に、図3-2で示す様に、マスク203を形成した基板面から、マスクのない部分より異方性エッチングを行い、基板201に貫通孔210を形成する。ここで、異方性エッチングには、Si Deep-RIEを始めとするドライエッチングを用いることができる。
異方性エッチング後、図3-3で示す様に、マスク材料203及びレジスト202などを除去し、シリコン基板201の表面の洗浄を行う。
それから、図3-4で示す様に、シリコン表面から熱酸化を行う。熱酸化工程では、1000℃以上の温度の酸素雰囲気中にシリコンを長時間置くことで、露出しているシリコンに酸化シリコンが成長する。この酸化シリコンは、シリコン表面上に成長するだけでなく、シリコン表面から内部にも酸化領域を広げて、成長する(前者と後者の厚さは55:45程度の比となる)。
ここで、熱酸化の過程について説明する。図4は、熱酸化の進み方を説明する基板上面図である。図4において、111は第1の領域、112は第2の領域、113はシリコン表面上の熱酸化膜、114はシリコン内部に形成された熱酸化膜である。まず、酸化前の状態を、図4(a)に示す。この時、貫通孔105の間は全てシリコンである(幅X)ので、第1の領域111と第2の領域112とは、絶縁されていない状態である。
次に、所定時間の半分、熱酸化を行った状態を、図4(b)に示す。この時は、貫通孔105の表面上に熱酸化膜113が成長すると共に、シリコン内部にも熱酸化膜114が成長しており、隣同士の貫通孔105の間に存在するシリコンの幅Xは狭くなっている。そのため、第1の領域111と第2の領域112とは、少し絶縁がされた状態である。
最後に、所定時間、熱酸化を行った状態を、図4(c)に示す。この時は、隣同士の貫通孔105からシリコン内部に成長した熱酸化膜114が接触して、一体化している。そのため、第1の領域111と第2の領域112とは、絶縁された状態である。
熱酸化時間と熱酸化膜104の形成される膜厚は、対数関数の関係にある。つまり、十分な酸化時間を取ると、熱酸化膜104の膜厚は或る値に飽和していく(1μm〜数μm程度)。そのため、熱酸化膜厚の制御は、高精度に行うことができる。また、貫通孔105間のシリコンを完全に酸化させて導電性の両領域間の電気的な絶縁を取るように、実際の製造工程の実施時間を考慮すると、貫通孔104間の最も近接している距離(図4(a)の幅X)は、2μm程度以下がより望ましいと言える。
一方、シリコンの異方性エッチングでは、基板の厚さ(すなわち、貫通孔の深さ)は、100μm程度以下であることがより望ましい。つまり、基板の厚さが100μm程度以上であると、基板面に対してのエッチングの傾きにより、熱酸化膜とシリコンとの形状の非対称性に起因する熱応力が無視できない変形をもたらすことになる。
以上の様に、これらの工程により、電気的に絶縁された複数の導電性の領域を形成することができる。つまり、複数の貫通孔105を近接して配置した後、熱酸化を行うだけで、電気的に絶縁された複数の導電性の領域を容易に形成することができる。また、この複数の貫通孔105の形成は、可動体102や梁103を形成するための工程と同時に行うことができる。そのため、単純な構造体を作製する時の工程に加えて、シリコンエッチングの工程数を増やすことなく本実施形態の構造体を作製することができる。また、構造体作製用のマスクと共用できるため、シリコンエッチング用のマスクの数が増えることがない。
熱酸化膜104は、狭いギャップでも酸素が供給されていれば、形成することができる。そのため、電気的に絶縁された領域間の間隔を狭くすることができ、酸化領域の絶縁材料(熱酸化膜)の応力の影響を最小限に抑えることができる。加えて、本実施形態では、複数の貫通孔105間の材料が熱酸化されてしまうことで絶縁を実現しており、従来の様に貫通孔を絶縁材料で埋め込んでしまう必要がない。よって、それに伴う内部応力等の問題の発生を抑制することができる。
また、単一のシリコン基板のみで作製することができるので、SOI基板などの特殊な基板を必ずしも用いる必要がなくなる。
また、従来は、SOI基板を用いずに単一のシリコン基板を用いた場合、可動体の下のシリコンをエッチングによって除去していたため、可動体の厚さ精度があまり高くできなかった。一方、本実施形態では、シリコン基板の厚さを利用して、可動体102の厚さを決定するので、より高い厚さ精度を実現することができる。
最後に、図3-4の工程の後、図3-5で示す様に、基板両面からのドライエッチングを用いて、シリコン基板201表面上のシリコン酸化膜を除去してもよい。これにより、基板上下面に成膜した熱酸化膜が除去されるので、熱酸化膜による応力を更に低減することができる。尚、図3-5(b)に示す熱酸化膜は、機能上必要とされるものではなく製造過程で不可避的に形成されるものに過ぎないが、そのままにしておいても支障は無い。
また、貫通孔105はその幅が小さい場合、最終的に貫通孔105が熱酸化膜113で殆ど埋められてしまうこともあり得るが、本発明における複数の貫通孔もしくは溝を含む連続した酸化領域は、こうした形態のものも含む。ただし、内部応力等の問題の発生の抑制のためには、酸化領域の酸化物の量は、絶縁の機能を果たす限り、なるべく少ない方が良いので、通常は貫通孔105の幅は、酸化膜の厚さより数倍以上が用いられる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を、図5-1乃至図5-5を用いて説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態とは製造工程が異なるのみである。それ以外は、第1の実施形態と同じである。
図5-1乃至図5-5は、本実施形態に係るアクチュエータの製造工程を説明するための断面図である。これらの図においても、201はシリコン、202はレジスト、203はマスク材料、204は熱酸化膜、210は酸化領域の貫通孔である。また、各図における(a)、(b) の約束事項と省略事項についても、図3-1乃至図3-5と同じである。
本実施形態では、図5-1で示す様に、シリコン基板201の両面にマスク材料203を形成した基板(母材)を用いる。まず、基板上にレジスト202を塗布し、片面を任意パターンでパターニングを行う。その残ったレジストパターンを用いて、マスク材料203を選択的にエッチングした後の状態を、図5-2に示す。
次に、マスク材料203をエッチングマスクとして、シリコン201のドライエッチングを行い貫通孔210を形成する。その後、図5-3を示す様に、裏面のマスク材料203も貫通孔210のパターンと同じ形状にエッチング除去する。
その後、レジスト202を除去し、洗浄を行う。それから、図5-4に示す様に、高温の酸素雰囲気中で、シリコン201の熱酸化を行う。この時、基板両面にマスク材料203が形成された部分では熱酸化されず、前の工程のドライエッチングにより露出されたシリコン部分だけに、シリコン熱酸化膜204が形成される。
最後に、図5-5で示す様に、マスク材料203をエッチングにより除去する。
本実施形態によると、マスク材料203が形成された領域には、熱酸化が行われない。そのため、絶縁を形成する図5-4の熱酸化工程で、熱酸化膜の応力による変形がより発生しにくくなる。
本実施形態のマスク材料203には、熱酸化工程での温度に耐えることができるものであれば、如何なるものも用いることができる。特に、窒化シリコンが適している。窒化シリコンを用いることで、熱酸化シリコンだけを選択的に、マイクロ構造体に残すことができる。
また、マスク材料203として酸化シリコンを用いることもできる。マスクとして用いている酸化シリコンの厚さが厚ければ、図5-4の熱酸化工程時、マスクとして用いている酸化シリコンの厚さは殆ど変化しない。そのため、マスク203として用いている酸化シリコンの応力は、殆ど変化しない。
上述した様に、本実施形態では、前記酸化領域を形成する工程において、熱酸化を行う前に、母材の貫通孔の内部表面以外の部分にマスク材料である窒化シリコンなどが形成されている様にしておく。従って、熱酸化工程時の基板表面に発生する応力を低減してマイクロ構造体を形成することができる製造工程を提供できる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態を、図6-1乃至図6-8を用いて説明する。第3の実施形態は、第1の実施形態とは製造工程が異なる。それ以外は、第1の実施形態とほぼ同じである。
図6-1乃至図6-8は、本実施形態に係るアクチュエータの製造工程を説明するための断面図である。これらの図において、201はシリコン、202はレジスト、203はマスク材料、204は熱酸化膜、205は酸化膜、206は第2のシリコン基板、207は保護膜材料、210は酸化領域の貫通孔である。また、各図における(a)、(b) の約束事項と省略事項については、図3-1乃至図3-5と同じである。
本実施形態では、基板201と第2のシリコン206を、酸化膜205を用いて接続したSOI(Silicon on Insulator)基板(母材)を用いる。図6-1では、SOI基板の両面にマスク材料203を形成した状態になっている。
まず、図6-2で示す様に、SOI基板の片面上にマスク材料203を成膜し、レジスト塗布後、任意パターンでレジスト202のパターニングを行う。その残ったレジストパターンを用いて、マスク材料203を選択的にエッチング除去する。
次に、図6-3で示す様に、マスク203を形成した基板面側から、マスクのない部分より異方性エッチングを行い、基板201に貫通孔210を形成する。ここで、異方性エッチングには、Si Deep-RIEを始めとするドライエッチングを用いることができる。異方性エッチング後、レジスト202を除去し、シリコン基板表面の洗浄を行う。
それから、図6-4で示す様に、シリコン表面から熱酸化を行う。1000℃以上の温度の酸素雰囲気中に長時間置くことで、異方性エッチングにより露出したシリコン側面のみに酸化シリコン204を成長させる。
次に、図6-5で示す様に、異方性エッチングを行った面側に保護膜を形成し、パターニング、エッチングにより、熱酸化膜204を残したい領域のみに保護膜207を残す。それから、図6-6で示す様に、任意のパターンで裏面からシリコン206のエッチングを行う。
次に、酸化シリコンをエッチングにより除去する。このとき、露出している熱酸化膜204や、SOI基板の酸化膜205が除去される。図6-7で示す様に、エッチングする時間を調節することにより、残したい領域の熱酸化膜204だけを残すことができる。
最後に、図6-8で示す様に、保護膜207を除去する。これにより、熱酸化膜204で形成された絶縁部だけを残して、電気的に絶縁された複数の導電性の領域を含むマイクロ構造体を形成することができる。
上述した様に、酸化膜205を含むSOI基板を用いる本実施形態では、複数の導電性の領域を電気的に絶縁するために必要な熱酸化膜(酸化領域)だけを、保護膜207を用いて、より正確な形状で容易に残すことができる。よって、熱酸化膜のエッチング後の形状によって、マイクロ構造体の機械特性や電気的な絶縁特性に影響を与えることが、より少なくなる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態を説明する。第4の実施形態は、上記の実施形態とは、構造体の輪郭の形成と、絶縁部(酸化領域)の貫通孔の形成と、熱酸化の手順が異なる。
まず、以下の様な方法を用いることができる。構造体部分の輪郭と絶縁部の貫通孔の形成をエッチングにより同時に行う。その後、構造体の輪郭部分を保護材料で覆ってしまい、貫通孔の側壁のみを熱酸化してもよい。これにより、構造体の輪郭部分は、熱酸化の工程により形状が変化することがなくなる。そのため、より特性のばらつきの少ないマイクロ構造体を提供することができる。特に、可動体の駆動、可動体の変位検出に用いることができる静電櫛歯部分では、櫛歯間の距離が駆動、検出特性に大きく影響を及ぼす。そのため、本例では、櫛歯部分の実効的な距離が、熱酸化により広がることがなくなるため、櫛歯部分での駆動、検出特性の劣化を抑えることができる。
この場合、構造体部分だけのエッチングと保護材料での保護を先に行い、その後、絶縁部の貫通孔のエッチングと熱酸化による絶縁とを行う手順にしてもよい。
また、次の様な方法を用いることもできる。絶縁部の貫通孔のエッチングだけを行った後、熱酸化工程を行い、絶縁を行う。次に、改めて、構造体の輪郭部分をエッチングし、構造体を形成する。これにより、シリコンのエッチング工程は増えるが、櫛歯部分の実効的な距離が、熱酸化により広がることがなくなる。そのため、櫛歯部分での駆動、検出特性の劣化を抑えることができる。加えて、熱酸化で絶縁を行った後に、櫛歯電極を含む構造体の部分の形成を行うため、櫛歯電極を形成した後に熱酸化する場合に比べて、より高精度に櫛歯電極間の配置を行うことができる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態は、貫通孔の形状や配置が上記実施形態とは異なる幾つかの例を示す。他は、第1の実施形態と同じである。
図7-1は、本実施形態の貫通孔の断面形状や配置を説明するための図である。貫通孔の形状は、第1の実施形態で記載した形状に限るものではない。円((a)の例)、楕円、長方形((b)の例)、三角形((c)の例)、正方形、平行四辺形((d)の例)、その他の多角形((e)の例であり、ここでは八角形を示す)などを用いることができる。図7-1(c)の例では、孔間の間隙の材料の幅をほぼ一定にするために三角形孔の上下を交互に逆転している。図7-1(f)の例で示す様に、異なる形状の貫通孔を組み合わせて配列してもよい(ここでは、向きを適当に変化させつつ三角形と平行四辺形の孔を交互に配列している)。また、貫通孔の配置は、直線状に並べてもよいし、曲線状、階段状等に並べてもよい。また、図7-1(g)の例で示す様に、貫通孔の列を複数にして夫々の列の貫通孔間の間隙の位置をずらして並べてもよい(すなわち、貫通孔を千鳥足状に互い違いに並べてもよい)。勿論、これらの例の何れにおいても、孔間の間隙の材料の幅は、両側の孔の内面から材料の中間点まで酸化工程で確実に酸化されて絶縁部となる様に設定される必要がある。
場合に応じて適宜選択してこれらの孔の形態を用いることで、熱酸化膜の応力を影響を減らし、且つ絶縁部での機械強度を良好に保ったマイクロ構造体を提供することができる。
(第6の実施形態)
図7-2は、第6の実施形態を説明するための図である。この図は、第1の実施形態の図3-2に対応する断面図である。本実施形態の図7-2に示す様に、孔の部分は、完全に基板201を貫通していない溝211でもよい。この場合、基板201の厚さと溝211の深さの差(溝の底面から下の材料の部分の厚さ)は、熱酸化工程によりシリコン内部に熱酸化膜が形成される厚さに依り、適切値を選ぶ必要がある。基板201の両面から熱酸化を行う場合は、上記差は、熱酸化膜の厚さの2倍以下にする必要がある。基板201の片面側のみから熱酸化を行う場合は、上記差は、熱酸化膜の厚さ以下にする必要がある。これらの値は、第1の実施形態の所で説明した理由により、2μm程度以下(前者の場合)或いは1μm程度以下(後者の場合)であるのが望ましい。また、溝の深さは、同じく第1の実施形態の所で説明した理由により、100μm程度以下であるのが望ましい。この様に、本発明の構造体における酸化領域の複数の孔は溝であってもよい。また、貫通孔と溝を混在させることもできる。
こうした形態を用いることで、必ずしも貫通孔を用いる必要がなくなり、マイクロ構造体の設計の制約が少なくなり、マイクロ構造体の強度特性を向上させやすくなる。
(第7の実施形態)
次に、図8を用いて、第7の実施形態に係るFB(FeedBack)型加速度センサを説明する。上記の実施形態とは、アクチュエータではなくFB型の加速度センサに本発明の構造体を用いていることが異なる。
図8において、101は基板、102は可動体、103は梁、104は熱酸化膜、105は貫通孔、106は第1の可動電極、107は第2の可動電極、108は第1の固定電極、109は第2の固定電極、128は第3の固定電極、129は第4の固定電極である。第1の固定電極108、第2の固定電極109、第1の可動電極106、第2の可動電極107、第3の固定電極128、第4の固定電極129は、上記の実施形態に説明した方法で、夫々、他の電極から絶縁されている。各電極は、可動体102や梁103などを介して、制御回路に電気的に配線されている。第3の固定電極128と第4の固定電極129の制御回路への配線については、上述した様に、それらへ外部からボンディングワイヤなどで配線することや、基板101上の適当な箇所に施される絶縁膜上にそれらに繋がる配線を形成することで行われる。
実施形態の加速度センサでは、基板101に接続した梁102より、可動体103は保持されている。可動体103は、矢印Aの方向にのみ移動しやすい構成になっている。本実施形態の加速度センサに、矢印Aの方向に加速度が加わると、可動体103は、加速度の大きさに従って、矢印Aのどちらかの方向に移動する。ここで、第1の固定電極108と第1の可動電極106間の静電容量と、第2の固定電極109と第2の可動電極107間の静電容量は、可動体102の移動した距離に応じて変化する。この時、片方の静電容量が増加すると、もう片方の静電容量は減少する関係になっている。静電容量は、電極間距離が小さくなるほど、大きくなる。そのため、静電容量が大きくなった電極対の方向へ、可動体102が移動していることが分かる。
本実施形態に係る加速度センサは、この可動体102の動きを検出して、加速度の力と逆向きに、それを打ち消す力を印加する手段を有している。具体的には、第3の固定電極128と第4の固定電極129のどちらかに、或る電位を印加する。こうすることで、第1の可動電極106または第2の可動電極107との間に電位差を設け、電位差が生じた電極間に静電引力を発生させる。
この様に、可動電極とそれに対向する固定電極間に電位差がある場合は、その電極対では静電引力が発生する。一方、可動電極とそれに対向する固定電極間に電位差がない場合は、その電極対では静電引力は発生しない。このことを用いて、本実施形態の加速度センサでは、検出した加速度を打ち消すような力が、可動体102に常に加わる様に制御されている。
本実施形態の加速度センサでは、上記の如く、印加される加速度を常にフィードバックさせて打ち消しているので、大きな加速度が印加された場合でも、可動体102が移動し過ぎることがない。従って、可動体102が櫛歯電極に接触し、破損させることがない。また、フィードバックして、釣り合ったときの力の大きさを検出すればよいので、高精度な加速度の検出を行うことができる。この構成の加速度センサに、本発明の絶縁構造を用いることで、可動体102にも複数の可動電極を形成することができるため、より複雑な検出制御や、より高精度な検出制御を行うことができる。
また、シリコン基板を加工することで、厚い構造体にも静電櫛歯部分を容易に形成することができるので、センサの駆動、検出の効率が良くなる。また、酸化領域の絶縁部での応力によるマイクロ構造体の変形を少なくすることができる。これらのことにより、加速度を感知するための可動体を含む本発明による構造体を用いて、より高性能な加速度センサを提供することができる。
(第8の実施形態)
図9を用いて、第8の実施形態に係るフレーム型ジャイロセンサを説明する。上記の実施形態とは、本発明の構造体をフレーム型ジャイロセンサに用いていることが異なる。
図9に、本実施形態に係るフレーム型ジャイロセンサをその上下基板を離した状態で示す斜視図を示す。図9において、101は基板、102は可動体、103は梁、104は熱酸化膜、105は貫通孔、106は第1の可動電極、107は第2の可動電極、108は第1の固定電極、109は第2の固定電極である。また、121は第1の可動体、122は第2の可動体、123は第2の梁、124は第3の可動電極、125は第4の可動電極、131は下部基板、132は、下部基板131が有する凹部、133、134は、下部基板131上の固定電極である。
フレーム型ジャイロセンサは、2つの可動体(本実施形態では可動体121、122)を有しており、夫々の可動体が、異なる方向へ振動を発生しやすい様に支持されていることを特徴とする。ジャイロセンサでは、或る可動体を一定振幅で振動させておき、外部からの角速度の入力により発生するコリオリ力による可動体変位(以下、検出振動と言う)を検出する方式が用いられる。最初の可動体の振動(以下、参照振動と言う)の方向と、角速度を検出する軸方向と、コリオリ力が発生する方向は、互いに垂直な関係にある。フレーム型ジャイロセンサは、参照振動を発生させる可動体と、コリオリ力を検出する可動体が、異なっている。そのため、参照振動と検出振動の方向に振動を発生させやすく(移動しやすく)、その方向以外には振動を発生しにくい(移動しにくい)機構を作製することで、容易に実現することができる。
以下、本実施形態のフレーム型ジャイロセンサについて、具体的に説明する。
本実施形態に係るジャイロセンサは、図9において、基板101と下部基板301を張り合わせた構成になっている。第1の固定電極108、第2の固定電極109、第1の可動電極106、第2の可動電極107、第3の可動電極124、第4の可動電極125は、上記の実施形態に記載した方法で、夫々、他の電極から絶縁されている。各電極は、可動体102、梁103、第2の可動体122、第2の梁123などを介して、電気的に配線されている。
第3の可動電極124と第4の可動電極125、及び下部基板131上の固定電極133と固定電極134を用いて、第2の可動体122は、矢印Yの方向に或る周期で参照振動させられる構成になっている。第1の可動体102(121)は、矢印X方向以外には移動しにくい様に、梁103で基板101から保持されている。そのため、第1の可動体102は、第2の可動体122の参照振動の影響を受けることなく、静止した状態を保つ。
ここで、ジャイロセンサに矢印Z方向の角速度が印加されると、第2の可動体122は、発生したコリオリ力により、矢印X方向に力を受ける。しかし、第2の可動体122は、矢印Y方向以外には移動しにくい様に第2の梁123で保持されている。そのため、第2の可動体122にかかった矢印X方向への力は、そのまま可動体102(121)に伝達さる。可動体102は、矢印X方向へは移動しやすく保持されているので、矢印X方向に検出振動を行う。このとき、可動体102と第2の可動体122の矢印X方向の位置関係は変化しない。ここで、第1の固定電極106と第1の可動電極108間の静電容量と、第2の固定電極107と第2の可動電極109間の静電容量を検出することにより、検出振動の大きさを検出し、これから角速度の測定を行う。
本実施形態によると、参照振動を発生させるための電極124、125、133、134に、夫々別の電位を印加することができる。そのため、より効率良く振動を発生させることができ、大きな参照振動を発生させられる。参照振動の大きさは、ジャイロセンサの検出感度と関連するので、高感度なジャイロセンサを提供することができる。また、検出信号を検出するための電極106、107、108、109を、別々の電位とすることができる。そのため、検出用のキャリア信号を印加することができ、ノイズが少ない信号を取り出すことができる。
また、シリコン基板を加工することで厚い構造体にも、静電櫛歯部分を容易に形成することができるので、センサの駆動、検出の効率が良くなる。また、酸化領域の絶縁部での応力によるマイクロ構造体の変形を少なくすることができる。これらのことにより、加速度に起因する力を感知するための可動体を含む本発明による構造体を用いて、より高性能なジャイロセンサを提供することができる。
(第9の実施形態)
図10を用いて、第9の実施形態に係る他のフレーム型ジャイロセンサを説明する。上記の実施形態とは、図10に示すフレーム型ジャイロセンサに本発明の構造体を用いていることが異なる。
図10に、本実施形態に係るフレーム型ジャイロセンサの斜視図を示す。図10において、101は基板、102は可動体、103は梁、104は熱酸化膜、105は貫通孔、106は第1の可動電極、107は第2の可動電極、108は第1の固定電極、109は第2の固定電極、121は第1の可動体、122は第2の可動体である。また、123は第2の梁、124は第3の可動電極、125は第4の可動電極、126は第5の可動電極、127は第6の可動電極である。
本実施形態のフレーム型ジャイロセンサは、第8の実施形態のそれとは次の点で異なる。すなわち、本実施形態では、第8の実施形態の図9の下部基板131上の固定電極133、134が、第4の可動電極125と第6の可動電極127として第1の可動体121上に配置されている。
第1の固定電極108、第2の固定電極109、第4の可動電極125、第6の可動電極127は、上記の実施形態に記載した方法で、他の電極から絶縁されている。また、第1の可動電極106、第2の可動電極107、第3の可動電極124、第5の可動電極126は、電気的に繋がっており、それ以外の電極とは、 上記の実施形態に記載した方法で、他の電極から絶縁されている。各電極は、可動体102、梁103、第2の可動体122、第2の梁123などを介して、電気的に配線されている。
第1の可動電極106と第1の固定電極108、及び第2の可動電極107と第2の固定電極109を用いて、第1の可動体102(121)は、矢印Xの方向に或る周期で参照振動させられる構成になっている。第2の可動体122は、矢印Y方向以外には移動しにくい様に第2の梁123で保持されている。そのため、第2の可動体122も、第1の可動体102と同じ矢印X方向に同じ周期で参照振動を行う。
ここで、ジャイロセンサに矢印Z方向の角速度が印加されると、第1の可動体102と第2の可動体122は、発生したコリオリ力により、矢印Y方向に力を受ける。しかし、第1の可動体102は、矢印X方向以外には移動しにくい様に第1の梁103で保持されている。そのため、第2の可動体122のみ矢印Y方向に移動し、検出振動を行う。ここで、第3の可動電極124と第4の可動電極125間の静電容量と、第5の可動電極126と第6の可動電極127間の静電容量を検出することにより、検出振動の大きさを検出し、これから角速度の測定を行う。
本実施形態のフレーム型ジャイロセンサでは、参照振動において、第1の可動体102と第2の可動体122の位置関係は変化しない。また、検出振動の検出は、第1の可動体102と第2の可動体122の相対位置を検出することで行う。これらのことから、本実施形態のフレーム型ジャイロセンサによると、参照振動が矢印X方向以外にブレを有していた場合でも、参照振動によるノイズが検出信号に発生しにくくなる。
本実施形態の酸化領域による絶縁方法を用いることで、検出振動を検出するための、第3の可動電極124と第4の可動電極125、及び第5の可動電極126と第6の可動電極127を、可動体102上に容易に配置することができる。また、基板の厚さ方向に対して、対称な構造体にすることができるために、参照振動のブレをより小さなものにすることができる。これらのことより、本発明の酸化領域の絶縁部を含む構造体をフレーム型ジャイロセンサに用いることで、より高精度なジャイロセンサを提供することができる。
上述したフレーム型ジャイロセンサについて、参照振動の方向や、検出振動の方向、どちらの可動体が検出振動を行うかについては、上記構成に限らない。その他の組み合わせの角速度を検出する構成にも、本発明の構造体は用いることができる。
(第10の実施形態)
図11を用いて、第10の実施形態に係る光スキャナを説明する。上記の実施形態とは、図11に示す光スキャナに本発明の構造体を用いていることが異なる。
図11に、本実施形態に係る光スキャナの斜視図を示す。上下基板を分離した状態の光スキャナを示す図11において、801は、ミラーなどの光偏向素子を有する可動体、802はねじりバネなどである支持梁、803は、上述した酸化領域の絶縁部、805は第1の電極部、806は第2の電極部、807は上部基板である。また、808は第3の電極、809は第4の電極、810は下部基板、811はスペーサである。
可動体801は、支持梁802により、Dで示す可動方向に揺動可能に上部基板807に対して支持される。絶縁部803で互いに絶縁された可動体801の第1の電極部805と第2の電極部806は、スペーサ811による適当な間隔を隔てて、同じく絶縁部803で絶縁された下部基板810の第4の電極部809と第3の電極部808と夫々対向して配置される。従って、第1の電極部805と第4の電極部809の間及び第2の電極部806と第3の電極部808の間に、交互に電位差が生じて電極間に交互に引力が働く様に印加電圧が制御されると、可動体801は、支持梁802の軸の回りで揺動させられる。これにより、可動体801上の光偏向素子に入射する光は偏向させられる。
本実施形態の酸化領域による絶縁方法を用いることで、酸化領域の絶縁部での応力による構造体の変形が少なく、第1の電極部805と第2の電極部806を揺動可能な可動体801上に容易に配置することができる。また、下部基板810にも、第3の電極808と第4の電極809を容易に配置することができる。これらのことより、本発明の酸化領域の絶縁部を含む構造体を光スキャナに用いることで、より高性能な光スキャナを提供することができる。尚、酸化領域の部分が光学特性に必要な影響を与えないように、酸化領域の配置を行ったり、酸化領域の表面に反射膜等を形成することが必要な場合がある。
(第11の実施形態)
図12を用いて、第11の実施形態に係る電磁駆動電位センサを説明する。上記の実施形態とは、図12に示す電位センサに本発明の構造体を用いていることが異なる。
図12に、本実施形態に係る電位センサの斜視図を示す。上下基板を分離した状態の電位センサを示す図12において、801は可動体、802はねじりバネなどである支持梁、803は、上述した酸化領域の絶縁部、804は、可動体801の裏面に固着された磁石、Nは磁石804のN極、Sは磁石804のS極である。また、805は第1の検知電極部、806は第2の検知電極部、807は上部基板、810は下部基板、811はスペーサ、812はコイル、813は取り出し電極である。
本実施形態では、可動体801は、ねじりバネ802により保持されており、ねじりバネ802は上部基板807に固定されている。可動体801とねじりバネ802と上部基板807は、図12に示す如く、絶縁部803により互いに絶縁された第1の検知電極部805と第2の検知電極部806に分割されている。下部基板810上には、スペーサ811による適当な間隔を隔てて第1の検知電極部805と第2の検知電極部806に対向して、コイル812が配置されている。
コイル812に交流の駆動信号を印加させることにより、磁石804の磁界の向きとコイル812に流れる電流の方向の関係(フレミングの左手の法則)から、可動体801に機械的な振動を発生させる。可動体801は、ねじりバネ802を軸として、矢印Dの方向にねじり振動を行う。
本実施形態において、電位測定は次の様に行われる。帯電している感光体などの測定対象に第1の検知電極部805と第2の検知電極部806を近接させ、可動体801を振動させることで機械的に測定対象と検知電極部間の容量を変化させる。これにより、静電誘導で検知電極部805、806に誘導される微小な電荷の変化を電流信号を介して検出し、測定対象の電位を測定する。ここでは、検知電極部805、806からの信号は逆位相で変化するので、これらを差動処理することで、同相ノイズの除去比が高い電位センサを提供することができる。
この様な電磁アクチュエータを用いることにより、大きな振動を効率良く得られる。また、本実施形態の酸化領域による絶縁方法を用いることで、酸化領域の絶縁部での応力による構造体の変形が少なく、第1の検知電極部805と第2の検知電極部806を揺動可能な可動体801に容易に配置することができる。そのため、小型な構成で、安定したより大きな電荷の検出信号を得ることができる。こうして、本実施形態に係る電位センサによれば、測定対象の電位に応じた電気信号を出力する検知電極部を持つ可動体を含む本発明の構造体を用いて、小型な構成で、より高精度な電位センサを実現できる。
上記説明では、加速度センサ、ジャイロセンサ、光スキャナ、電位センサを説明したが、本発明の構造体の適用範囲はこれに限ったものではない。半導体センサ等以外のデバイスにも、電気的に絶縁した複数の導電性の領域を有する構造体が適用可能であれば、用いることができる。
また、上記実施形態に示した、加速度センサやジャイロセンサ等での絶縁部の配置や、電極の組み合わせや領域の分け方、配線の方法に、本発明の適用は限ったものでない。アクチュエータやセンサ等に必要な機能を提供でき、マイクロ構造体などの構造体の必要な機械強度を保ち、構造体の応力による変形を必要な仕様以内に収めることができる構成であれば、本発明を用いることができる。
また、上記実施形態では、母材である基板としてシリコンを用いたが、酸化物が絶縁性を持ち貫通孔や溝が形成できる材料であれば、それ以外のものでも使用できる。また、貫通孔や溝の形成方法としてエッチングを用いたが、母材の厚さや材質、貫通孔や溝のサイズなどを考慮して、レーザ加工などで貫通孔や溝を形成してもよい。
第1の実施形態に係るアクチュエータの斜視図である。 第1の実施形態の酸化領域の絶縁部を説明する図である。 第1の実施形態に係るアクチュエータの製造工程を説明するための断面図である。 第1の実施形態に係るアクチュエータの製造工程を説明するための断面図である。 第1の実施形態に係るアクチュエータの製造工程を説明するための断面図である。 第1の実施形態に係るアクチュエータの製造工程を説明するための断面図である。 第1の実施形態に係るアクチュエータの製造工程を説明するための断面図である。 第1の実施形態に係るアクチュエータの製造時の、熱酸化工程を説明するための図である。 第2の実施形態に係るアクチュエータの製造工程を説明するための断面図である。 第2の実施形態に係るアクチュエータの製造工程を説明するための断面図である。 第2の実施形態に係るアクチュエータの製造工程を説明するための断面図である。 第2の実施形態に係るアクチュエータの製造工程を説明するための断面図である。 第2の実施形態に係るアクチュエータの製造工程を説明するための断面図である。 第3の実施形態に係るアクチュエータの製造工程を説明するための断面図である。 第3の実施形態に係るアクチュエータの製造工程を説明するための断面図である。 第3の実施形態に係るアクチュエータの製造工程を説明するための断面図である。 第3の実施形態に係るアクチュエータの製造工程を説明するための断面図である。 第3の実施形態に係るアクチュエータの製造工程を説明するための断面図である。 第3の実施形態に係るアクチュエータの製造工程を説明するための断面図である。 第3の実施形態に係るアクチュエータの製造工程を説明するための断面図である。 第3の実施形態に係るアクチュエータの製造工程を説明するための断面図である。 第4の実施形態における貫通孔の断面形状と配置の種々の例を説明する平面図、及び第5の実施形態における断面図である。 第5の実施形態の構造体を説明するための断面図である。 第7の実施形態に係るFB型加速度センサの斜視図である。 第8の実施形態に係るフレーム型ジャイロセンサの斜視図である。 第9の実施形態に係るフレーム型ジャイロセンサの別の形態の斜視図である。 第10の実施形態に係る光スキャナの斜視図である。 第11の実施形態に係る電位センサの斜視図である。 特許文献1の加速度スイッチの斜視図である。 特許文献2の半導体力学センサの斜視図である。
符号の説明
101、201 基板(母材、シリコン基板)
102、121、122、801 可動体(第1の可動体、第2の可動体)
103、123、802 梁(第2の梁)
104、204 酸化領域(熱酸化膜、絶縁部)
105、210 貫通孔
106 導電性の領域(第1の可動電極)
107 導電性の領域(第2の可動電極)
108 導電性の領域(第1の固定電極)
109 導電性の領域(第2の固定電極)
111、112 導電性の領域(第1の領域、第2の領域)
113 酸化領域(シリコン表面上の熱酸化膜)
114 酸化領域(シリコン内部に形成された熱酸化膜)
124 導電性の領域(第3の可動電極)
125 導電性の領域(第4の可動電極)
126 導電性の領域(第5の可動電極)
127 導電性の領域(第6の可動電極)
128 導電性の領域(第3の固定電極)
129 導電性の領域(第4の固定電極)
211 溝
805 導電性の領域(第1の電極部、第1の検知電極部)
806 導電性の領域(第2の電極部、第2の検知電極部)
808 導電性の領域(第3の電極)
809 導電性の領域(第4の電極)

Claims (10)

  1. 単一のシリコン基板を母材とし、固定部と可動体と前記固定部に対して前記可動体を可動に支持するための梁とを有する構造体であって、
    前記固定部または可動体が、互いに電気的に絶縁された複数の導電性の領域を含み、
    前記複数の導電性の領域間が、連続した酸化領域によって絶縁され、
    前記酸化領域は、前記固定部または可動体を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔の間の部分、もしくは前記固定部または可動体に空けられた複数のの間および底面から下の部分を占める、前記母材の酸化物から成る、
    ことを特徴とする構造体。
  2. 前記複数の貫通孔もしくは溝間の最も近接している距離が、2μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の構造体。
  3. 前記貫通孔もしくは溝の深さが、100μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の構造体。
  4. 前記酸化領域が、前記固定部または可動体に空けられた複数の溝の間および底面から下の部分を占める前記母材の酸化物から成り、前記溝が形成された部分の前記母材の厚さと前記溝の深さとの差であるところの溝の底面から下の部分の厚さが、2μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の構造体。
  5. 単一のシリコン基板を母材とし、固定部と可動体と前記固定部に対して前記可動体を可動に支持するための梁とを有する構造体の製造方法であって、
    前記固定部または可動体を形成する母材に複数の貫通孔もしくは溝を間隔をおいて配置する工程と、
    少なくとも前記複数の貫通孔もしくは溝の内部表面の前記母材に熱酸化を行って、前記複数の貫通孔の間の部分、もしくは前記複数のの間および底面から下の部分を、前記母材の酸化物で占めることにより、前記固定部または可動体を互いに電気的に絶縁された複数の導電性の領域に分割する連続した酸化領域を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする構造体の製造方法。
  6. 前記酸化領域を形成する工程において、前記熱酸化を行う前に、前記母材の貫通孔もしくは溝の内部表面以外の部分に窒化シリコンを形成することを特徴とする請求項5に記載の構造体の製造方法。
  7. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の構造体を含み、前記可動体が加速度を感知することを特徴とする加速度センサ。
  8. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の構造体を含み、前記可動体が角速度に起因する力を感知することを特徴とするジャイロセンサ。
  9. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の構造体を含み、前記可動体が入力された電気エネルギーの力を物理的な運動に変換することを特徴とするアクチュエータ。
  10. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の構造体を含み、前記可動体が測定対象の電位に応じた電気信号を出力する検知電極部を持つことを特徴とする電位センサ。
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