JP2017009322A - 加速度センサおよびその製造方法 - Google Patents

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恭彦 伊藤
Yasuhiko Ito
恭彦 伊藤
伸顕 紺野
Nobuaki Konno
伸顕 紺野
善明 平田
Yoshiaki Hirata
善明 平田
吉田 幸久
Yukihisa Yoshida
幸久 吉田
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Abstract

【課題】可動部を封止しつつ、可動電極が形成された導電性基板に異なる電位となる複数の電極を設けることができる加速度センサを提供する。【解決手段】加速度センサは、第1〜第3の導電性基板101〜103を備えている。第2の導電性基板102は、第1の導電性基板101と第3の導電性基板103との間に配置されている。第2の導電性基板102は、第1の導電性基板101に固定された固定部2と、固定部2に対して変位可能な可動部3と、可動部3と固定部2との間に配置された絶縁部7とを含んでいる。可動部3は、第1および第3の導電性基板101,103と固定部2と絶縁部7とにより閉塞された空間内に配置されており、かつ固定部2に対して絶縁部7により電気的に分離されている。【選択図】図2

Description

本発明は、加速度センサおよびその製造方法に関するものである。
従来、加速度変化に伴う電極間の静電容量変化により加速度を検出する方式の加速度センサが知られている。この静電容量検出型の加速度センサは、加速度変化に伴って変位する可動部(可動電極)および可動電極の変位を検出するための固定部(固定電極)等を有している。温度変化等に対する特性変化を抑えるために、可動電極、固定電極等を導電性を持たせたシリコンよりなる基板(シリコン基板)によって作製された加速度センサが提案されている。
たとえば、特許第2728237号公報(特許文献1)には、3枚のシリコン基板が接合された構成を有する加速度センサが開示されている。この加速度センサは、シリコン基板の厚さ方向の加速度を検出する。この加速度センサでは、3枚のシリコン基板のうち真ん中のシリコン基板に作製された可動電極が、固定電極となる上下のシリコン基板によって封止されている。このため、加速度の検出に際して、周辺環境の圧力変化に伴う周波数応答特性の変化を抑制することができる。
特許第2728237号公報
上記の公報に記載された加速度センサでは、可動電極が形成されたシリコン基板は、機械的に分離されていない一体のシリコン材料から構成されているため、電気的に分離することができない。このため、可動電極が形成されたシリコン基板に互いに異なる電位となる複数の電極を設けることができない。したがって、異なる電位となる複数の可動電極を有する加速度センサを構成することができない。異なる電位となる複数の可動電極を有する加速度センサとしては、たとえば、基板厚さ方向および基板面内方向を検出軸方向とする2軸加速度センサ、加速度検出にサーボ方式を適用した加速度センサなどが挙げられる。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、可動部を封止しつつ、可動電極が形成された導電性基板に異なる電位となる複数の電極を設けることができる加速度センサを提供することである。
本発明の加速度センサは、第1の導電性基板と、第1の導電性基板に接合された第2の導電性基板と、第2の導電性基板に接合された第3の導電性基板とを備えている。第2の導電性基板は、第1の導電性基板と第3の導電性基板との間に配置されている。第2の導電性基板は、第1の導電性基板に固定された固定部と、固定部に対して変位可能な可動部と、可動部と固定部との間に配置された絶縁部とを含んでいる。可動部は、第1および第3の導電性基板と固定部と絶縁部とにより閉塞された空間内に配置されており、かつ固定部に対して絶縁部により電気的に分離されている。
本発明の加速度センサによれば、可動部は第1および第3の導電性基板と固定部と絶縁部とにより閉塞された空間内に配置されているため、可動部を封止することができる。さらに、可動部は固定部に対して絶縁部により電気的に分離されているため、可動部を含む第2の導電性基板に異なる電位となる複数の電極を設けることができる。
本発明の実施の形態1における加速度センサの概略斜視図である。 図1に示す加速度センサの分解斜視図である。 図2のIII−III線に沿う断面図である。 図2のIV−IV線に沿う断面図である。 図3のV−V線に沿う概略断面図である。 本発明の実施の形態1における加速度センサの製造方法の一工程を示す概略断面図である。 図6に示す工程の次工程を示す概略断面図である。 図7に示す工程の次工程を示す概略断面図である。 図8のパターンを示す拡大上面図である。 図8のパターンを示す拡大断面図である。 図8に示す工程の次工程を示す概略断面図である。 パターンに熱酸化膜が形成される様子を示す概略断面図である。 図11に示す工程の次工程を示す概略断面図である。 スリットが熱酸化膜で埋め込まれた様子を示す概略断面図である。 図13に示す工程の次工程を示す概略断面図である。 図15に示す工程の次工程を示す概略断面図である。 図16に示す工程の次工程を示す概略断面図である。 図17に示す工程の図4の断面位置に対応する概略断面図である。 図17に示す工程の次工程を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態1の変形例1における加速度センサの絶縁部の周辺の構造を示す概略斜視図である。 本発明の実施の形態1の変形例2における加速度センサを示す概略分解斜視図である。 本発明の実施の形態1の変形例3における加速度センサを示す概略斜視図である。 本発明の実施の形態1における加速度センサが複数作製されたウエハ状態の基板を示す概略斜視図である。 図23のP2部のXXIV−XXIV線に沿う概略断面図である。 図24のXXV−XXV線に沿う断面位置でのウエハ状態の基板を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態1における加速度センサが互いに接して複数作製されたウエハ状態の基板を示す概略断面図である。 図26のXXVII−XXVII線に沿う断面位置でのウエハ状態の基板を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態2における加速度センサの概略断面図である。 本発明の実施の形態3における加速度センサの概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
最初に、図1〜図5を参照して、本発明の実施の形態1の加速度センサ1の構成について説明する。図1および図2を参照して、本実施の形態の加速度センサ1は、基板厚さ方向および基板面内方向を検出軸方向とする2軸加速度センサである。図1および図2には、説明の便宜のため、座標軸X軸、Y軸、Z軸が導入されている。X軸およびZ軸の方向はそれぞれ本実施の形態の加速度センサ1が測定対象とする加速度方向に一致する。なお、図3以降にも適宜説明の便宜のため、座標軸X軸、Y軸、Z軸が導入されている。
本実施の形態の加速度センサ1は、第1の導電性基板101と、第2の導電性基板102と、第3の導電性基板103と、第1の絶縁膜81と、第2の絶縁膜82と、ボンディングパッド111,121,122,123,131とを主に有している。
第1の導電性基板101、第2の導電性基板102および第3の導電性基板103はそれぞれ導電性を有する基板である。第1の導電性基板101、第2の導電性基板102および第3の導電性基板103はそれぞれ不純物が添加されることにより導電性を有するシリコンよりなっている。
第1の導電性基板101、第2の導電性基板102および第3の導電性基板103は互いに基板の厚さ方向に積層されている。第1の導電性基板101の一方面に第2の導電性基板102が接合されている。第2の導電性基板102は、第1の絶縁膜81を介して第1の導電性基板101に接合されている。第3の導電性基板103は、第2の絶縁膜82を介して第2の導電性基板102に接合されている。第2の導電性基板102は、第1の導電性基板101と第3の導電性基板103との間に配置されている。第1の絶縁膜81および第2の絶縁膜82はそれぞれ窒化シリコン膜、シリコン酸化膜などを用いることをできる。
図2〜図4を参照して、第2の導電性基板102は、固定部2と、可動部3と、梁6と、絶縁部7とを有している。固定部2は、第1の絶縁膜81を介して第1の導電性基板101に固定されている。可動部3は、固定部2に対して変位可能である。梁6は、固定部2と可動部3とを接続している。絶縁部7は、可動部3と固定部2との間に配置されている。なお、絶縁部7は、可動部3と、固定部2の一部との間に配置されていればよい。
固定部2は、固定電極10と、アンカー部20とを有している。加速度センサ1は、固定電極10と可動部3との間に静電容量を形成するように構成されている。
固定電極10は、第1の固定電極11と、第2の固定電極12とを有している。第1の固定電極11と第2の固定電極12とは可動部3を挟んで互いに対向するように配置されている。第1の固定電極11は、第1の本体部11aと、第1の固定櫛歯電極41とを有している。第1の本体部11aは、第1の導電性基板101の外縁に沿って配置されている。第1の固定櫛歯電極41は、櫛歯状に配置された複数の第1の固定板状電極41aを有している。第1の固定櫛歯電極41は、第1の本体部11aから内方に延在している。
第2の固定電極12は、第2の本体部12aと、第2の固定櫛歯電極42とを有している。第2の本体部12aは、第2の導電性基板102の外縁に沿って配置されている。第2の固定櫛歯電極41は、櫛歯状に配置された複数の第2の固定板状電極42aを有している。第2の固定櫛歯電極42は、第2の本体部12aから内方に延在している。
アンカー部20は、第1のアンカー部21と、第2のアンカー部22とを有している。第1のアンカー部21と第2のアンカー部22とは可動部3を挟んで互いに対向するように配置されている。第1のアンカー部21と第2のアンカー部22とが対向する方向は、第1の固定電極11と第2の固定電極12とが対向する方向に対して直交している。
可動部3は、第1の導電性基板101と、第3の導電性基板103と、固定部2と、絶縁部7とにより閉塞された空間内に配置されている。可動部3は、固定部2に対して絶縁部7により電気的に分離されている。つまり、可動部3は、固定電極10に対して絶縁部7により電気的に分離されている。
可動部3は、慣性質量体30と、第1の可動櫛歯電極31と、第2の可動櫛歯電極32とを有している。慣性質量体30は、固定部2および絶縁部7に取り囲まれている。慣性質量体30は、平面視において固定部2および絶縁部7の内側に配置されている。慣性質量体30は、第1の導電性基板101と第3の導電性基板103との間に配置されている。
慣性質量体30は、第2の導電性基板102の面内方向(図中X軸方向)および第2の導電性基板102の厚さ方向(図中Z軸方向)に変位可能に梁6に支持されている。慣性質量体30は、第1の導電性基板101および第3の導電性基板103の各々と互いに静電容量を形成している。
梁6は、第2の導電性基板102の面内方向(図中X軸方向)および第2の導電性基板102の厚さ方向(図中Z軸方向)に変位可能に構成されている。梁6が第2の導電性基板102の面内方向(図中X軸方向)および第2の導電性基板102の厚さ方向(図中Z軸方向)に変位することによって、慣性質量体30と、第1の可動櫛歯電極31と、第2の可動櫛歯電極32とが図中X軸方向および図中Y軸方向に変位する。
梁6は、第1の梁61および第2の梁62を有している。第1の梁61と第2の梁62とは慣性質量体30を挟んで互いに対向するように配置されている。第1の梁61は、慣性質量体30と第1のアンカー部21とを接続している。第2の梁62は、慣性質量体30と第2のアンカー部22とを接続している。
第1の可動櫛歯電極31および第2の可動櫛歯電極32は、慣性質量体30の互いに対向する側面から外方に延在している。つまり、第1の可動櫛歯電極31は慣性質量体30の一方端面に接続されており、第2の可動櫛歯電極32は慣性質量体30の一方端面に対向する他方端面に接続されている。第1の可動櫛歯電極31は、櫛歯状に配置された複数の第1の可動板状電極31aを有している。第2の可動櫛歯電極32は、櫛歯状に配置された複数の第2の可動板状電極32aを有している。
第1の可動櫛歯電極31と第1の固定櫛歯電極41とは互いに櫛歯状に組み合うように近接して配置されている。第1の可動櫛歯電極31の複数の第1の可動板状電極31aの各々と第1の固定櫛歯電極41の複数の第1の固定板状電極41aの各々とは互いに対向するように配置されている。第1の可動櫛歯電極31の複数の第1の可動板状電極31aの各々と第1の固定櫛歯電極41の複数の第1の固定板状電極41aの各々との距離は等間隔に配置されていてもよい。第1の可動櫛歯電極31と第1の固定櫛歯電極41とは互いに静電容量を形成している。
第2の可動櫛歯電極32と第2の固定櫛歯電極42とは互いに櫛歯状に組み合うように近接して配置されている。第2の可動櫛歯電極32の複数の第2の可動板状電極32aの各々と第2の固定櫛歯電極42の複数の第2の固定板状電極42aの各々とは互いに対向するように配置されている。第2の可動櫛歯電極32の複数の第2の可動板状電極32aの各々と第2の固定櫛歯電極42の複数の第2の固定板状電極42aの各々との距離は等間隔に配置されていてもよい。第2の可動櫛歯電極32と第2の固定櫛歯電極42とは互いに静電容量を形成している。
絶縁部7は絶縁性を有している。絶縁部7は、シリコンの酸化物により構成されている。絶縁部7は、第1〜第4の絶縁部71〜74を有している。第1の絶縁部71は、第1の固定電極11と第1のアンカー部21との間に配置されており、第1の固定電極11と第1のアンカー部21とを接続している。第1の絶縁部71によって第1の固定電極11と第1のアンカー部21とは電気的に分離されている。第2の絶縁部72は、第2の固定電極12と第1のアンカー部21との間に配置されており、第2の固定電極12と第1のアンカー部21とを接続している。第2の絶縁部72によって第2の固定電極12と第1のアンカー部21とは電気的に分離されている。
第3の絶縁部73は、第2の固定電極12と第2のアンカー部22との間に配置されており、第2の固定電極12と第2のアンカー部22とを接続している。第3の絶縁部73によって第2の固定電極12と第2のアンカー部22とは電気的に分離されている。第4の絶縁部74は、第1の固定電極11と第2のアンカー部22との間に配置されており、第1の固定電極11と第2のアンカー部22とを接続している。第4の絶縁部74によって第1の固定電極11と第2のアンカー部22とは電気的に分離されている。
第1の導電性基板101の一方面にボンディングパッド111が設けられている。ボンディングパッド111は、第2の導電性基板102および第3の導電性基板103のそれぞれから露出している。第2の導電性基板102の一方面にボンディングパッド121,122,123がそれぞれ設けられている。具体的には、第1の固定電極11にボンディングパッド121が設けられている。第2の固定電極12にボンディングパッド122が設けられている。第1のアンカー部21にボンディングパッド123が設けられている。ボンディングパッド121,122,123はそれぞれ第3の導電性基板103から露出している。第3の導電性基板103の一方面にボンディングパッド131が設けられている。
ボンディングパッド111,121,122,123,131の材料は、たとえば、金(Au)である。本実施の形態1の加速度センサ1は、ボンディングパッド111,121,122,123,131を介して外部電気処理回路に電気的に接続される。
図5に示すように、本実施の形態1の加速度センサでは、第1および第2の固定電極11,12、第1および第2のアンカー部21,22、第1〜第4の絶縁部71〜74は、X軸方向およびY軸方向にそれぞれ線対称になるよう設けられている。
また、本実施の形態1の加速度センサ1では,第1〜第4の絶縁部71〜74によって第2の導電性基板102が4つの部分に電気的に分離されている。しかしながら、絶縁部の数、場所、電気的に分離されている部分の数はこれに限定されない。
また、本実施の形態1の加速度センサ1では、外部信号処理回路との接続のために、金(Au)によるボンディングパッド111,121,122,123,131が各基板の面内方向に設けられている。しかしながら、ボンディングパッド111,121,122,123,131は、外部電気処理回路と電気的に接続されればよく、その材質、形状、位置は限定されない。
続いて、本実施の形態1の加速度センサ1の各部材間の電気的な接続について説明する。第1の導電性基板101および第3の導電性基板103はそれぞれ他の部材と第1の絶縁膜81および第2の絶縁膜82を介して接続されており、電気的に接続されていない。第2の導電性基板102から構成されている、第1のアンカー部21、第2のアンカー部22、第1の梁61、第2の梁62、慣性質量体30、第1の可動櫛歯電極31および第2の可動櫛歯電極32は電気的に等電位になるよう接続されている。
第1の固定電極11の第1の本体部11aと第1の固定櫛歯電極41とは電気的に等電位になるよう接続されている。第2の固定電極12の第1の本体部12aと第1の固定櫛歯電極42とは電気的に等電位になるよう接続されている。第1の固定電極11、第2の固定電極12、第1のアンカー部21および第2のアンカー部22はそれぞれ互いに第1の絶縁膜81、第2の絶縁膜82および絶縁部7を介して接続されており、電気的に接続されていない。
次に、図2〜5を参照して、本実施の形態1の加速度センサ1の動作について説明する。
本実施の形態1の加速度センサ1に基板厚さ方向(図中Z軸方向)に加速度が印加されると、第1および第2の梁61,62の剛性により慣性質量体30は基板厚さ方向(図中Z軸方向)に変位する。これにより、慣性質量体30と第1の導電性基板101との間の距離、慣性質量体30と第3の導電性基板103との間の距離がそれぞれ変化する。これらの距離の変化に応じて、慣性質量体30と第1の導電性基板101との間に形成されている静電容量、慣性質量体30と第3の導電性基板103との間に形成されている静電容量がそれぞれ変化する。
慣性質量体30は第1の梁61を介して第1のアンカー部21に電気的に接続されているため、慣性質量体30は第1のアンカー部21と同電位である。このため、第1のアンカー部21と、第1の導電性基板101および第3の導電性基板103との間の各々の静電容量を、ボンディングパッド111、123、131を介して、外部電気処理回路のC−V(静電容量−電圧)変換回路等で検出することにより基板厚さ方向(図中Z軸方向)の加速度を検出することができる。
また、本実施の形態1の加速度センサに基板面内方向(図5X軸方向)に加速度が印加されると、第1および第2の梁61,62の剛性により慣性質量体30は基板面内方向(図中X軸方向)に変位する。これにより、慣性質量体30に接続されている第1および第2の可動櫛歯電極31,32と、第1および第2の固定櫛歯電極41,42との各々の距離がそれぞれ変化する、これらの距離の変化に応じて、第1の可動櫛歯電極31と第1の固定櫛歯電極41との間に形成されている静電容量、第2の可動櫛歯電極32と第2の固定櫛歯電極42との間に形成されている静電容量がそれぞれ変化する。
第1および第2の可動櫛歯電極は31,32は、慣性質量体30、第1の梁61を介して第1のアンカー部21に電気的に接続されているため、第1および第2の可動櫛歯電極31,32は、第1のアンカー部21と同電位である。このため、第1のアンカー部21と、第1および第2の固定電極11,12との間の各々の静電容量を、ボンディングパッド121、122、123を介して、外部電気処理回路のC−V変換回路等で検出することにより基板面内方向(図中X軸方向)の加速度を検出することができる。
次に、図6〜図19を参照して、本実施の形態の加速度センサ1の製造方法について説明する。なお、図6〜図8、図16〜図17および図19は、図3の断面位置に対応する断面図である。図9は、スリットが形成されたシリコン構造物のパターンを示す上面図である。図18は、図4の断面位置に対応する断面図である。
上記の本実施の形態の加速度センサ1の構造は、たとえば、シリコン基板上に成膜、パターニング、エッチングといったプロセスを繰り返し行う、いわゆる半導体微細加工技術、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイス技術、シリコン基板同士の直接接合技術を適用して作製することができる。
図6を参照して、まず、不純物が添加されることにより導電性を有するシリコンよりなる第1の導電性基板101が準備される。酸素雰囲気中で1000℃の熱処理が行われることにより、第1の導電性基板101の表面に熱酸化膜(第1の絶縁膜)81が形成される。
図7を参照して、第1の導電性基板101に接合され、不純物が添加されることにより導電性を有するシリコンよりなる第2の導電性基板102が準備される。第1の導電性基板101と表面を活性化した第2の導電性基板102とは熱酸化膜81を介して常温で接合される。そして、第2の導電性基板102に、第1の導電性基板101に固定された固定部2と、固定部2に対して変位可能な可動部3と、可動部3と固定部2との間に配置された絶縁部7とが形成される。
図8を参照して、第2の導電性基板102に対して、フォトリソグラフィーによるパターニングを経て異方性エッチングが行われる。ここで、図2中、第1〜第4の絶縁部71〜74に相当する箇所に、図9および図10に示すように、幅1マイクロメートル(μm)のスリットSLが1マイクロメートル(μm)の間隔で配置されたシリコン構造物のパターン70が形成される。本実施の形態では、スリットSLは複数個形成される。
この工程で、第2の導電性基板102に、図2に示す第1および第2の固定電極11,12と、第1および第2のアンカー部21,22と、慣性質量体30と、第1および第2の可動櫛歯電極31,32と、第1および第2の固定櫛歯電極41,42と、第1および第2の梁61,62とが形成される。第1および第2の固定電極11,12と、第1および第2のアンカー部21,22とは、パターン70を介して接続されている。
図11を参照して、酸素雰囲気中で1000℃の熱処理が行われることにより、第2の可動櫛歯電極32、第2の固定櫛歯電極42、パターン70などの表面が酸化されて熱酸化膜(第2の絶縁膜)82が形成される。ここで、図12に示すように、熱酸化膜82となった個所では体積膨張が生じる。このため、図12に示すスリットSLがシリコン基板の酸化膜で埋め込まれる。
図13を参照して、さらに熱処理が進められることにより、図12に示すスリットSLを有するパターン70が設けられた領域では、図14に示すように壁状に残ったシリコン全体が酸化されるとともに、スリットSLの両側に位置するシリコンの酸化に伴う体積膨張によりスリットSLが完全に埋め込まれる。このようにして、パターン70が設けられた領域では導電性が失われる。このようにして、第3の絶縁部73が形成される。また、同様に、図2に示す第1、第2および第4の絶縁部71,72,74が形成される。つまり、絶縁部7は、シリコンを熱酸化することにより形成される。絶縁部7は、第2の導電性基板102に形成されたスリットSLがシリコンの酸化物で埋められることにより形成される。本実施の形態では、スリットSLは複数個形成される。
図15を参照して、第2および第3の絶縁部72,73の上面を保護するように、CVD(Chemical vapor Deposition)法によるシリコン窒化膜91の成膜を経て、パターニングが行われる。また、図2に示す第1および第4の絶縁部71,74、第1および第2のアンカー部21,22,第1および第2の固定電極11,12の上面を保護するように、CVD法によるシリコン窒化膜91の成膜を経て、パターニングが行われる。
図16を参照して、第2の可動櫛歯電極32、第2の固定櫛歯電極42の表面に形成された熱酸化膜82がフッ酸を用いたエッチングにより除去される。また、図2に示す第1の可動櫛歯電極31、第1の固定櫛歯電極41、慣性質量体30の表面に形成された熱酸化膜82がフッ酸を用いたエッチングにより除去される。
ここで、慣性質量体30、第1および第2の可動櫛歯電極31,32、第1および第2の固定櫛歯電極41,42は、熱処理によって熱酸化された部分がエッチングされるため、シリコン構造物のサイズが1マイクロメートル(μm)ほど小さくなる。このため、第1および第2の可動櫛歯電極31,32と第1および第2の固定櫛歯電極41,42との間隙が広くなる。したがって、この工程での間隙の拡大を予め見込んで図8に示す異方性エッチングのパターンが策定される。また、第1〜第4の絶縁部71〜74の側面もエッチングされるが、スリットSLが複数個形成されることにより,エッチング後にも封止に充分な幅を確保することができる。
図17を参照して、リン酸溶液を用いてシリコン窒化膜91が除去される。図18は、この時の図4の断面位置に対応する断面図である。図18を参照して、第1および第2にアンカー部21,22の上には熱酸化膜82が残っている。図2に示す第1および第2の固定電極11,12の上にも熱酸化膜82が残っている。熱酸化膜82の第1の導電性基板101からの高さは第1〜第4の絶縁部71〜74の上面の高さに等しくなっている。
図19を参照して、不純物が添加されることにより導電性を有するシリコンよりなる第3の導電性基板103が準備される。第2の導電性基板102に第3の導電性基板103が接合される。具体的には、第2および第3の絶縁部72,73の上面に、表面を活性化した第3の導電性基板103が熱酸化膜82を介して常温で接合される。同様に、図2に示す第1および第4の絶縁部71,74、第1および第2のアンカー部21,22、第1および第2の固定電極11、12の上面に、表面を活性化した第3の導電性基板103が熱酸化膜82を介して常温で接合される。
図2、図17および図18に示すように、第1および第2の固定電極11、12、第1および第2のアンカー部21、22、第1〜第4の絶縁部71〜74の上面の熱酸化膜82の高さは等しいため、図19に示すように第3の導電性基板103が熱酸化膜82に接合されることにより可動部3が封止される。このように、可動部3は、第1および第3の導電性基板101,103と固定部2と絶縁部7とにより閉塞された空間内に配置される。
図1を参照して、第1の導電性基板101、第3の導電性基板103、第1および第2の固定電極11,12、第1のアンカー部21にそれぞれボンディングパッド111,121,122,123,131が作製される。ボンディングパッド111,121,122,123,131の材料は、たとえば、金(Au)である。このようにして、本実施の形態1の加速度センサが作製される。
本実施の形態1の加速度センサ1の製造方法では、第1の導電性基板101と第2の導電性基板102との接合および第2の導電性基板102と第3の導電性基板103との接合に常温接合が適用されているが、これに限定されない。1000℃程度の高温環境で行う拡散接合、または、シリコン基板の表面をプラズマによって活性化させ、温度を印加した下で接合するプラズマ活性化接合等が適用されてもよい。
次に、本実施の形態の変形例について説明する。以下、特に言及しない限り、上記の本実施の形態と同じ構成については同じ符号を付し、その説明を繰り返さない。
まず、図20を参照して、本実施の形態の変形例1の加速度センサ1について説明する。上記の本実施の形態1の加速度センサ1の製造方法では、第1〜第4の絶縁部71〜74は、第2の導電性基板102に形成されたスリットSLを有するパターン70が熱酸化処理されることによって作製されている。しかしながら、第1〜第4の絶縁部71〜74は、熱処理によって局所的にシリコンが酸化されて形成される熱酸化膜が各電極間を絶縁させるように構成されていればよい。つまり、スリットSLの幅および形状によらない。
図20に示すように、本実施の形態の変形例1の加速度センサ1では、第2の導電性基板102の面内方向における第1の絶縁部71の厚さが薄くなっている。この変形例1では、第1の絶縁部71が形成される第2の導電性基板102の部分は、表面から内部まで全体が酸化され、かつ封止可能な厚さに形成されている。
続いて、図21を参照して、本実施の形態の変形例2の加速度センサ1について説明する。上記の本実施の形態1の加速度センサでは、第1および第2の固定電極11,12、第1および第2のアンカー部21,22、第1〜第4の絶縁部71〜74は、図5中X軸方向およびY軸方向にそれぞれ線対称になるよう設けられている。しかしながら、第1および第2の固定電極11,12、第1および第2のアンカー部21,22、第1〜第4の絶縁部71〜74は、図5中X軸方向およびY軸方向にそれぞれ線対称になるよう設けられていなくてもよい。
図21に示すように、本実施の形態の変形例2の加速度センサ1では、上記の本実施の形態の加速度センサ1の第4の絶縁部74が設けられていない。第1の固定電極11と第2の固定電極12との間に第3の絶縁部73が配置されており、第1の固定電極11と第2の固定電極12とは第3の絶縁部73により接続されている。第2のアンカー部22は第1の固定電極11と離れて、第1の固定電極11よりも内方に配置されている。
続いて、図22を参照して、本実施の形態の変形例3の加速度センサ1について説明する。上記の本実施の形態1の加速度センサでは、第1の導電性基板101と第2の導電性基板102とが熱酸化膜81を介して接合されている。しかしながら、第1の導電性基板101、第2の導電性基板102、熱酸化膜81に替わり、SOI(Silicon on Insulator)基板が適用されてもよい。図22に示すように、本実施の形態の変形例3の加速度センサ1では、SOI基板150が適用されている。SOI基板150は、支持層151と、活性層152と、酸化膜層(BOX層)181とを有している。支持層151と、活性層152との間に酸化膜層(BOX層)181が挟まれている。活性層152に第1および第2の固定電極11,12、第1および第2のアンカー部21,22、第1〜第4の絶縁部71〜74、可動部3が形成されている。
続いて、図23〜図25を参照して、ウエハ状態の第1〜第3の導電性基板に多数の加速度センサ1が作製された様子について説明する。
図23に示すように、ウエハ状態の第1〜第3の導電性基板には多数の加速度センサ1を作製することができる。これらの加速度センサ1は、ダイシングにより個々の加速度センサ1に分離される。ここで、隣接するセンサ素子との位置関係に注目する。
図24は、ダイシング工程前の隣接するセンサ素子との接続形態に注目した第2の導電性基板102の基板面内方向の断面図である。図25には、第1および第2の固定電極11,12、第1および第2のアンカー部21,22、第1〜第4の絶縁部71〜74が模式的に示されている。図25は、図24のXXV−XXV線に沿う断面位置での第2の導電性基板102の厚さ方向の断面図である。
図24および図25に示すように、ダイシング前の、第2の導電性基板102に慣性質量体等の構造を作製するエッチング加工時に、隣接するセンサ素子の第1および第2の固定電極11,12、第1および第2のアンカー部21,22、第1〜第4の絶縁部71〜74が互いに接しないように分離して形成されている。これにより、ダイシングライン99に沿って行うダイシング加工を要する厚さを薄くすることができるため、加工工程の負荷を低減することができる。
また、図26および図27を参照して、ダイシング工程前には、隣接するセンサ素子の第1および第2の固定電極11,12と、第1および第2のアンカー部21,22と、第1〜第4の絶縁部71〜74が互いに接するように作製されていてもよい。図26は、ダイシング工程前の隣接するセンサ素子との接続形態に注目した第2の導電性基板102の基板面内方向の断面図である。図27は、図27のXXVIII−XXVIII線に沿う断面位置での第2の導電性基板102の厚さ方向の断面図である。
図26および図27に示すように、ダイシングにより隣接するセンサ素子の第1および第2の固定電極11,12と、第1および第2のアンカー部21,22と、第1〜第4の絶縁部71〜74とが互いに分離される。これにより、隣接するセンサ素子同士をより近接して配置することが可能となり、基板からより多くの加速度センサを作製することができる。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態の加速度センサ1によれば、可動部3は第1および第3の導電性基板101,103と固定部2と絶縁部7とにより閉塞された空間内に配置されているため、可動部3を封止することができる。これにより、加速度の検出に際して、周辺環境の圧力変化に伴う周波数応答特性の変化を抑制することができる。また、可動部3が閉塞された空間内への埃等の侵入を防止することができる。さらに、可動部3は固定部2に対して絶縁部7により電気的に分離されているため、可動部3を含む第2の導電性基板102に異なる電位となる複数の電極を設けることができる。これにより、可動部3と固定部2との各々に異なる電位となる電極を形成できるため、可動部3と固定部2との対向方向の可動部3の変位を検知することができる。したがって、基板の面内方向の加速度を検知することができる。
また、第2の導電性基板102は、第1の導電性基板101と第3の導電性基板103との間に配置されているため、基板の厚さ方向の可動部3の変位を検知することができる。これにより、基板の厚さ方向の加速度を検知することができる。
つまり、第2の導電性基板102により作製された構造物は機械的に接続されており、第2の導電性基板102の上下に第1および第3の導電性基板101,103を接合することにより可動部3を封止することができる。また、第2の導電性基板102により作製された構造物は絶縁部7および第1および第2の絶縁膜81,82により電気的に分離されているため、複数の電極を設けた加速度センサ1を提供することができる。
そのため、複数の電極を有する加速度センサ1を構成することができる。具体的には、基板の厚さ方向および基板の面内方向を検出軸方向とする2軸加速度センサを構成することができる。
また、固定部2および絶縁部7が図5中X軸方向およびY軸方向に線対称に設けられていることにより、絶縁部7に起因する応力による各部位の変形もX軸方向およびY軸方向に対称に生じる。このため、絶縁部7に起因する応力の加速度センサ1の出力への影響を抑えることができる。
本実施の形態の加速度センサ1によれば、第2の導電性基板102は不純物が添加されることにより導電性を有するシリコンよりなり、絶縁部7はシリコンの酸化物により構成されているため、第2の導電性基板102の機械的接続が保たれたまま、可動部3を封止することができる。
本実施の形態の加速度センサ1によれば、第2の導電性基板102の面内方向に加速度が印加されることにより、固定電極10と可動部3との間に形成される静電容量が変化するように構成されている。このため、固定電極10により第2の導電性基板102の面内方向の加速度を検知することができる。
本実施の形態の加速度センサ1の製造方法によれば、不純物が添加されることにより導電性を有するシリコンよりなる第2の導電性基板102に絶縁部7が形成され、絶縁部7はシリコンを熱酸化することにより形成される。このため、別の部材を使用することなく絶縁部7を形成することができる。これにより、別の部材を使用することなく可動部3を封止することができる。
本実施の形態の加速度センサ1の製造方法によれば、絶縁部7は、第2の導電性基板102に形成されたスリットSLがシリコンの酸化物で埋められることにより形成される。したがって、スリットSLがシリコンの酸化物で埋められるため、絶縁性を向上できる。
本実施の形態の加速度センサ1の製造方法によれば、スリットSLは複数個形成されるため、一部のスリットSLが製造プロセスのばらつき等により封止に寄与しなくても他のスリットSLで封止できる。このため、封止の信頼性を高めることができる。
また、本実施の形態の加速度センサ1の製造方法によれば、ウエハ状態の第1〜第3の導電性基板に多数の加速度センサ1が作製され、個々の加速度センサ1に分離するためのダイシング時にも、可動部3の周辺への水および切削片の侵入も防ぐことができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の加速度センサについて説明する。以下、特に説明しない限り、実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。本実施の形態の加速度センサは、加速度検出にサーボ方式を適用した加速度センサである。
図28を参照して、本実施の形態の加速度センサ1の構成について説明する。図28は、実施の形態1の図5に対応する断面図である。本実施の形態の加速度センサ1では、固定部2は、可動部3との間に電圧が印加されることによって可動部3との間に静電力を発生させるように構成されている。固定部2は、第3および第4の固定電極13,14を有している。また、絶縁部7は、第5および第6の絶縁部75,76を有している。
第3の固定電極13は、第3の本体部13aと、第3の固定櫛歯電極43とを有している。第4の固定電極14は、第4の本体部14aと、第4の固定櫛歯電極44とを有している。第1および第2の固定電極11,12と同様に、第3および第4の固定櫛歯電極43,44はそれぞれ第1および第2の可動櫛歯電極31,32と互いに櫛歯状に組み合うように近接して配置され、静電容量を形成している。
第5の絶縁部75は、第1の固定電極11と第3の固定電極13との間に配置されており、第1の固定電極11と第3の固定電極13とを接続している。第5の絶縁部75によって第1の固定電極11と第3の固定電極13とは電気的に分離されている。第6の絶縁部76は、第2の固定電極12と第4の固定電極14との間に配置されており、第2の固定電極12と第4の固定電極14とを接続している。第6の絶縁部76によって第2の固定電極12と第4の固定電極14とは電気的に分離されている。
第3の固定電極13の第3の本体部13aと第3の固定櫛歯電極43とは電気的に等電位になるよう接続されている。第4の固定電極14の第4の本体部14aと第4の固定櫛歯電極44とは電気的に等電位になるよう接続されている。第1〜第4の固定電極11〜14、第1および第2のアンカー部21,22はそれぞれ互いに第1および第2の絶縁膜81,82、第1〜第6の絶縁部71〜76を介して接続されており、電気的に接続されていない。
第3および第4の固定電極13,14にも、図2に示すのと同様のボンディングパッドが設けられている。図28および図2を参照して、本実施の形態の加速度センサ1は、第1の導電性基板101、第3の導電性基板103、第1〜第4の固定電極11,12,13,14、第1のアンカー部21に設けられたボンディングパッドを介して外部電気処理回路に電気的に接続される。
次に、本実施の形態の加速度センサ1の動作について説明する。
本実施の形態の加速度センサに基板面内方向(図28中X軸方向)に加速度が印加されると、第1および第2の梁61,62の剛性により慣性質量体30は変位し、慣性質量体30に接続されている第1の可動櫛歯電極31と第1および第3の固定櫛歯電極41,43との間の距離、第2の可動櫛歯電極32と第2および第4の固定櫛歯電極42,44との間の距離がそれぞれ変化する。これらの距離の変化に応じて、第1の可動櫛歯電極31と第1の固定櫛歯電極41との間に形成されている静電容量、第2の可動櫛歯電極32と第2の固定櫛歯電極42との間に形成されている静電容量がそれぞれ変化する。
ここで、第3の固定電極13と第1のアンカー部21との間に電圧が印加されると、第3の固定櫛歯電極43と第1の可動櫛歯電極31との間に静電力を発生させることができる。同様に第4の固定電極14と第1のアンカー部21との間に電圧が印加されると、第4の固定櫛歯電極44と第2の可動櫛歯電極32との間に静電力を発生させることができる。
本実施の形態の加速度センサ1では、電圧を印加する電極、電圧の大きさによって静電力を制御することができる。そして、適当な電圧を印加することによって加速度の印加による慣性質量体30の変位を加速度の印加がない状態に戻すことができる。そのため、印加する電圧によって、印加されている加速度を検出することができる。
つまり、本実施の形態の加速度センサ1によれば、固定部2は、可動部3との間に電圧が印加されることによって可動部3との間に静電力を発生させるように構成されている。このため、固定部2により可動部3の変位を制御することができる。これにより、加速度検出にサーボ方式を適用した加速度センサを構成することができる。
サーボ方式の適用により、機械的な形状の変化が小さいため、変位に伴う信号の変化の影響を抑えることができる。そのため、出力線形性の向上および信号のダイナミックレンジの拡大が可能となる。また、動作において形状の変化が小さいため、壊れにくくなり、信頼性を高めることができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3の加速度センサについて説明する。以下、特に説明しない限り、実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
図29を参照して、本実施の形態の加速度センサ1の構成について説明する。図29は、実施の形態1の図5に対応する断面図である。本実施の形態の加速度センサ1では、固定部2は、第1の固定部材10aと、第2の固定部材10bとを有している。第1の固定部材10aは絶縁部7に接続されている。第2の固定部材10bは、第1の固定部材10aと離れて配置されている。
第1のアンカー部21は、第1の一方アンカー部材21aと、第1の他方アンカー部材21bとを有している。第1の一方アンカー部材21aは第1の他方アンカー部材21bと離れて配置されている。第1の一方アンカー部材21aは第1の他方アンカー部材21bの外側に配置されている。第1の他方アンカー部材21bは第1の梁61を介して慣性質量体30に接続されている。
第2のアンカー部22は、第2の一方アンカー部材22aと、第2の他方アンカー部材22bとを有している。第2の一方アンカー部材22aは第2の他方アンカー部材22bと離れて配置されている。第2の一方アンカー部材22aは第2の他方アンカー部材22bの外側に配置されている。第2の他方アンカー部材22bは第2の梁62を介して慣性質量体30に接続されている。
第1の固定電極11は、第1の一方電極部材11Fと、第1の他方電極部材11Sとを有している。第1の一方電極部材11Fは第1の他方電極部材11Sと離れて配置されている。第1の一方電極部材11Fは第1の他方電極部材11Sの外側に配置されている。第1の一方電極部材11Fは、第1の絶縁部71を介して第1の一方アンカー部材21aに接続されており、第4の絶縁部74を介して第2の一方アンカー部材22aに接続されている。第1の他方電極部材11Sは、第1の本体部11aと、第1の固定櫛歯電極41とを有している。
第2の固定電極12は、第2の一方電極部材12Fと、第2の他方電極部材12Sとを有している。第2の一方電極部材12Fは第2の他方電極部材12Sと離れて配置されている。第2の一方電極部材12Fは第2の他方電極部材12Sの外側に配置されている。第2の一方電極部材12Fは、第2の絶縁部72を介して第1の一方アンカー部材21aに接続されており、第3の絶縁部73を介して第2の一方アンカー部材22aに接続されている。第2の他方電極部材12Sは、第2の本体部12aと、第2の固定櫛歯電極42とを有している。
第1の一方電極部材11Fと、第2の一方電極部材12Fと、第1の一方アンカー部材21aと、第2の一方アンカー部材22aとが第1の固定部材10aを構成している。第1の他方電極部材11Sと、第2の他方電極部材12Sと、第1の他方アンカー部材21bと、第2の他方アンカー部材22bとが第2の固定部材10bを構成している。
第2の導電性基板102は梁部16を有している。梁部16は、第1の固定部材10aと第2の固定部材10bとに支持されている。梁部16は、変形可能である。梁部16は、第1〜第4の梁部161〜164を有している。第1の梁部161は、第1の一方アンカー部材21aと第1の他方アンカー部材21bとに支持されている。第2の梁部162は、第2の一方アンカー部材22aと第2の他方アンカー部材22bとに支持されている。第3の梁部163は第1の一方電極部材11Fと第1の他方電極部材11Sとに支持されている。第4の梁部164は第2の一方電極部材12Fと第2の他方電極部材12Sとに支持されている。
第1の一方アンカー部材21aと第1の他方アンカー部材21bとは第1の梁部161によって電気的に等電位になるよう接続されている。第2の一方アンカー部材22aと第2の他方アンカー部材22bとは第2の梁部162によって電気的に等電位になるよう接続されている。第1の一方電極部材11Fと第1の他方電極部材11Sとは第3の梁部163によって電気的に等電位になるよう接続されている。第2の一方電極部材12Fと第2の他方電極部材12Sとは第4の梁部164によって電気的に等電位になるよう接続されている。
本実施の形態の加速度センサ1では、第1の一方電極部材11Fと、第2の一方電極部材12Fと、第1の一方アンカー部材21aと、第2の一方アンカー部材22aと、第1〜第4の絶縁部71〜74によって、可動部3が封止されている。
本実施の形態の加速度センサ1によれば、梁部16は、第1の固定部材10aと第2の固定部材10bとに支持され、かつ変形可能である。このため、絶縁部7に発生する応力による変形が第2の固定部材10bに与える影響を梁部16によって緩和することができる。つまり、本実施の形態の加速度センサ1では、シリコンよりなる第2の導電性基板102と熱膨張係数の異なる絶縁部7に発生する応力による変形が第1および第2の固定電極11,12、第1および第2のアンカー部21,22に与える影響を第1〜第4の梁部161〜164の変形によって緩和することができる。これにより、絶縁部7に発生する応力によるセンサ出力特性への影響を抑えることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
1 加速度センサ、2 固定部、3 可動部、6 梁、7 絶縁部、10 固定電極、10a 第1の固定部材、10b 第2の固定部材、11〜14 第1〜4の固定電極、16 梁部、20 アンカー部、21 第1のアンカー部、22 第2のアンカー部、30 慣性質量体、31 第1の可動櫛歯電極、32 第2の可動櫛歯電極、41〜44 第1〜4の固定櫛歯電極、71〜76 第1〜6の絶縁部、81 第1の熱酸化膜、82 第2の熱酸化膜、101〜103 第1〜3の導電性基板、SL スリット。

Claims (8)

  1. 第1の導電性基板と、
    前記第1の導電性基板に接合された第2の導電性基板と、
    前記第2の導電性基板に接合された第3の導電性基板とを備え、
    前記第2の導電性基板は、前記第1の導電性基板と前記第3の導電性基板との間に配置されており、
    前記第2の導電性基板は、前記第1の導電性基板に固定された固定部と、前記固定部に対して変位可能な可動部と、前記可動部と前記固定部との間に配置された絶縁部とを含み、
    前記可動部は、前記第1および第3の導電性基板と前記固定部と前記絶縁部とにより閉塞された空間内に配置されており、かつ前記固定部に対して前記絶縁部により電気的に分離されている、加速度センサ。
  2. 前記第2の導電性基板は、不純物が添加されることにより導電性を有するシリコンよりなり、
    前記絶縁部は、前記シリコンの酸化物により構成されている、請求項1に記載の加速度センサ。
  3. 前記固定部は、固定電極を含み、
    前記第2の導電性基板の面内方向に加速度が印加されることにより、前記固定電極と前記可動部との間に形成された静電容量が変化するように構成されている、請求項1または2に記載の加速度センサ。
  4. 前記固定部は、前記可動部との間に電圧が印加されることによって前記可動部との間に発生する静電力により前記可動部の変位を制御可能に構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の加速度センサ。
  5. 前記固定部は、前記絶縁部に接続された第1の固定部材と、前記第1の固定部材と離れて配置された第2の固定部材とを含み、
    前記第2の導電性基板は梁部を含み、
    前記梁部は、前記第1の固定部材と前記第2の固定部材とに支持され、かつ変形可能である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の加速度センサ。
  6. 第1の導電性基板に接合され、かつ不純物が添加されることにより導電性を有するシリコンよりなる第2の導電性基板を準備する工程と、
    前記第2の導電性基板に、前記第1の導電性基板に固定された固定部と、前記固定部に対して変位可能な可動部と、前記可動部と前記固定部との間に配置された絶縁部とを形成する工程と、
    前記第2の導電性基板に第3の導電性基板を接合する工程とを備え、
    可動部は、前記第1および第3の導電性基板と前記固定部と前記絶縁部とにより閉塞された空間内に配置され、
    前記絶縁部は、前記シリコンを熱酸化することにより形成される、加速度センサの製造方法。
  7. 前記絶縁部は、前記第2の導電性基板に形成されたスリットが前記シリコンの酸化物で埋められることにより形成される、請求項6に記載の加速度センサの製造方法。
  8. 前記スリットは複数個形成される、請求項7に記載の加速度センサの製造方法。
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