JP5109232B2 - レンズ鏡筒 - Google Patents

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Description

本発明は、その光軸方向にそれぞれ独立して駆動される複数の光学素子群を有するレンズ鏡筒に関するものである。
カメラの撮影用光学系は、その光軸方向に沿ってそれぞれ独立して移動する複数の可動レンズ群を備えたものが知られている。
このような多群構成の光学系を備えたレンズ鏡筒は、光軸と平行に延在するリードスクリューと、可動レンズ群に接続されこのリードスクリューと係合するネジ部を有する伝達部とを設け、リードスクリューを回転駆動することによって可動レンズ群を光軸方向に駆動するものが知られている。このようなリードスクリューは、可動レンズ群毎にそれぞれ設けられ、例えば2つの可動レンズ群を有するレンズ鏡筒においては、光学系に隣接して2本のリードスクリューを配列し、その一方の端部に各リードスクリューを回転駆動するモータを並べて配置したものが知られている(例えば、特許文献1)。
しかし、レンズ鏡筒は、上述したように光軸と平行に配置された複数のリードスクリューを並列配置されたモータによって駆動する場合、モータのサイズによる制約からリードスクリューの軸間距離を小さくすることが難しく、レンズ鏡筒の光軸と直交する方向(リードスクリューの配列方向)の寸法をコンパクトにすることが困難であった。
またレンズ鏡筒は、その途中でプリズム等の屈曲部によって光軸方向を変換するいわゆる屈曲光学系を備えたものが近年普及している。このような屈曲光学系を備えたカメラは、その可動レンズ群の駆動方向と直交する方向(対物レンズの光軸方向)の寸法をコンパクト化し、カメラの外形を薄型にすることが強く要望されている。
特開2003−241056号公報
本発明の課題は、独立して駆動される複数の可動光学素子群を備え、外形をコンパクト化したレンズ鏡筒を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施例に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、光軸(I2)方向に移動可能に支持された第1の光学素子群(40)と、前記第1の光学素子群(40)に接続された第1の被駆動部材(42)と、前記第1の光学素子群(40)に対して該第1の光学素子群(40)の光軸(I2)方向に配列され、前記第1の光学素子群(40)と独立して前記光軸(I2)方向に移動可能に支持された第2の光学素子群(50)と、前記第2の光学素子群(50)に接続された第2の被駆動部材(52)と、最も像側に固設された第3の光学素子群(70)と、前記光軸(I2)と平行に配置され、前記第1の被駆動部材(42)を前記光軸(I2)方向に駆動する第1の駆動軸(110)と、前記光軸(I2)と平行に配置され、前記第2の被駆動部材(52)を前記光軸(I2)方向に駆動する第2の駆動軸(120)と、前記第1の駆動軸(110)の光軸(I2)方向対物側の端部に接続され、前記第1の駆動軸(110)を駆動する第1の駆動部(130)と、前記第2の駆動軸(120)の前記光軸(I2)方向像側の端部に接続されかつ前記光軸(I2)方向から見てその少なくとも一部が前記第1の駆動部(130)と重なった位置に配置され、前記第2の駆動軸(120)を駆動する第2の駆動部(140)と、少なくとも一部が前記第2の駆動部よりも像側且つ前記第3の光学素子群に隣接して設けられた、像光を制限する像光制限部とを備えるレンズ鏡筒(1)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載のレンズ鏡筒において、前記像光制限部は、前記像光を遮断するシャッタ幕を有するシャッタ部を駆動するシャッタ駆動部(61)と、前記像光を低減するフィルタを有する絞り部を駆動する絞り駆動部(62)とを含むことを特徴とするレンズ鏡筒である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のレンズ鏡筒(1)において、前記第1の光学素子群(40)、前記第2の光学素子群(50)を収容する鏡胴部(2)に対して着脱可能に装着され、前記第1の駆動軸(110)、前記第2の駆動軸(120)、前記第1の駆動部(130)、前記第2の駆動部(140)がそれぞれ支持される支持部材(3)を備えることを特徴とするレンズ鏡筒(1)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒(1)において、前記第1の光学素子群(40)及び前記第2の光学素子群(50)の前記光軸(I2)方向における移動をガイドし、前記光軸(I2)に対して前記第1の駆動軸(110)及び前記第2の駆動軸(120)が設けられた側の領域に配置されたガイド部(4)を備えることを特徴とするレンズ鏡筒(1)である。
請求項5の発明は、請求項4に記載のレンズ鏡筒において、前記ガイド部(4)は、前記第1の光学素子群(40)のガイドに用いられる範囲と、前記第2の光学素子群(50)のガイドに用いられる範囲の少なくとも一部が前記光軸(I2)方向において重なって設けられることを特徴とするレンズ鏡筒(1)である。
請求項6の発明は、光軸(I2)方向に移動可能に支持された第1の光学素子群(40)と、前記第1の光学素子群(40)に接続された第1の被駆動部材(42)と、前記第1の光学素子群(40)に対して該第1の光学素子群(40)の光軸(I2)方向に配列され、前記第1の光学素子群(40)と独立して前記光軸(I2)方向に移動可能に支持された第2の光学素子群(50)と、前記第2の光学素子群(50)に接続された第2の被駆動部材(52)と、最も像側に固設された第3の光学素子群(70)と、前記光軸(I2)と平行に配置され、前記第1の被駆動部材(42)を前記光軸(I2)方向に駆動する第1の駆動軸(110)と、前記光軸(I2)と平行に配置され、前記第2の被駆動部材(52)を前記光軸(I2)方向に駆動する第2の駆動軸(120)と、前記第1の駆動軸(110)の端部に接続され、前記第1の駆動軸(110)を駆動する第1の駆動部(130)と、前記第2の駆動軸(120)の端部に接続され、前記第2の駆動軸(120)を駆動する第2の駆動部(140)と、前記第1の光学素子群(40)、前記第2の光学素子群(50)を収容する鏡胴部(2)に対して着脱可能に装着され、前記第1の駆動軸(110)、前記第2の駆動軸(120)、前記第1の駆動部(130)、前記第2の駆動部(140)がそれぞれ支持される支持部材(3)と、少なくとも一部が前記第2の駆動部よりも像側且つ前記第3の光学素子群に隣接して設けられた、像光を制限する像光制限部とを備えるレンズ鏡筒(1)である。
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)第1の駆動部及び第2の駆動部を、それぞれ第1の駆動軸及び第2の駆動軸の異なった側の端部に互い違いに装着したから、第1の駆動軸と第2の駆動軸との軸間距離を、第1の駆動部と第2の駆動部の一部とが光軸方向から見て重なる位置まで短縮することができ、これら第1の駆動軸、第2の駆動軸の配列方向におけるレンズ鏡筒のサイズをコンパクト化することができる。
(2)第1の駆動軸、第2の駆動軸、第1の駆動部、第2の駆動部をそれぞれ支持し、鏡 胴部に対して着脱可能な支持部材を設けたから、この支持部材に各駆動軸、駆動部を予め組み付けてモジュール化した状態にすることにより、2つの駆動軸、駆動部を1回の取付作業で鏡胴部に装着することができるため、レンズ鏡筒の組立工程を簡素化することができる。
(3)第1の光学素子群、第2の光学素子群をガイドするガイド部を第1の駆動軸、第2の駆動軸と隣接して設けることができるため、駆動力によって第1の光学素子群、第2の光学素子群がガイド部との接続部回りに回転して光軸に対して傾斜することを防止でき、ガイド部における摩擦を低減するとともに、駆動精度を確保することができる。
(4)光量調整部駆動部を、第2の駆動部に対して光軸を挟んだ反対側に配置したから、光軸方向においてこれらを配置するのに必要なスペースを小さくすることができる。
本発明は、独立して駆動される複数の可動光学素子群を備え、外形をコンパクト化したレンズ鏡筒を提供するという目的を、2つのレンズ群をそれぞれ駆動するリードスクリューを隣接して配置し、各リードスクリューを駆動するモータを、対応するリードスクリューの光軸方向対物側、像側に互い違いに配置することによって実現した。
以下、図面等を参照して、本発明の実施例をあげて、さらに詳しく説明する。
図1は、本発明を適用したレンズ鏡筒の実施例を対物レンズの光軸側から見た外観図である。図2は、図1のII−II部矢視断面図である。図3は、図2のIII―III部矢視断面図である。図4は、図3のIV−IV部矢視断面図である。図5は、図3のV−V部矢視断面図である。
実施例のレンズ鏡筒1は、その途中で光軸の方向を変換するいわゆる屈曲光学系を備え、例えばデジタルスチルカメラの撮影用レンズ鏡筒として用いられるものである。
レンズ鏡筒1は、鏡胴部2と、モータホルダ部3と、ガイド軸4と、回転防止軸5とを備えている(ガイド軸4、回転防止軸5は図3参照)。
鏡胴部(鏡筒本体)2は、略直方体のボックス状に形成され、その内部に後述する屈曲光学系を収容するものである。
モータホルダ部3は、鏡胴部2の側部に対して着脱可能に装着され、後述するリードスクリュー110,120及びモータ130,140を支持するものである。モータホルダ部3は、その鏡胴部2との接合部に開口を有するボックス状に形成されている。また、鏡胴部2のモータホルダ部3側の部分にも開口が形成され、鏡胴部2とモータホルダ部3は、これらの開口どうしを対向させて接合されることによって、その内部に連続した空間部が形成されるものである。
なお、これらの鏡胴部2及びモータホルダ部3は、それぞれ樹脂系材料をインジェクション成形することによって形成されている。
ガイド軸4は、鏡胴部2の内部に設けられ、光軸I2と平行して延在する丸棒状の部材であって、後述する第2レンズ群40及び第3レンズ群50をその光軸方向にガイドするものである。
回転防止軸5は、ガイド軸4に対して第2レンズ群40及び第3レンズ群50を挟んだ反対側の領域に設けられ、光軸I2と平行して延在する丸棒状の部材であって、第2レンズ群40及び第3レンズ群50がガイド軸4回りに回転することを防止するものである。
鏡胴部2は、その内部に収容される光学系として、対物レンズ10と、プリズム20と、第1レンズ群30と、第2レンズ群40と、第3レンズ群50と、シャッタユニット60と、第4レンズ群70と、ローパスフィルタ(LPF)80と、CCD90とを備えている。
対物レンズ10は、鏡胴部2の被写体側の面部の通常撮影時における上端部付近に形成された開口部に隣接して固定されている。
プリズム20は、鏡胴部2の対物レンズ10の射出側の領域に固定され、対物レンズ10から出た像光の方向を例えば90度変換する屈曲部である。
第1レンズ群30は、鏡胴部2のプリズム20の射出側(通常撮影時における下側)の領域に固定されている。なお、この第1レンズ群30以降の光学系の光軸I2は、対物レンズ10の光軸I1に対して直交して配置されている。この光軸I2は、カメラの通常撮影時において略鉛直方向に配置される。
第1レンズ群30は、その光軸I2方向に入光側から順次配列されたレンズ31,32を張り合わせて構成され、レンズ31は、レンズ32よりもその外径を大きく形成されている。第1レンズ群30は、レンズ31の外周縁部がレンズ32から突き出した部分を、鏡胴部2に形成された凹部に固定することによってその位置決めが行われる。
図6は、対物レンズ10及び第1レンズ群30の構成を示す図である。図6(a)は、第1レンズ群30を光軸I1,I2にそれぞれ直交する方向から見た図であり、図6(b)、図6(c)はそれぞれ図6(a)のb−b部矢視図及びc−c部矢視図である。
対物レンズ10は、その外周縁部のうち第1レンズ群30に隣接した部分を切り落としたDカット形状に形成され、この部分の端面10aは、通常撮影時における下側に面した平坦面になっている。
一方、第1レンズ群30のレンズ31,32は、それぞれその外周縁部のうち対物レンズ10に隣接した部分を切り落としたDカット形状に形成され、この部分の端面31a,32aは、光軸I1の対物側に面した平坦面になっている。そして、第1レンズ群30は、レンズ31の端面31aを、対物レンズ10の裏面側に微小な間隔を隔てて対向させて配置されている。
第2レンズ群40は、鏡胴部2の第1レンズ群30の射出側の空間部内に配置され、鏡胴部2に対して光軸I2方向に移動可能に支持された第1の可動光学素子群である。
第2レンズ群40は、その周囲に備えられた枠体であるレンズホルダ41を有し、この可動レンズホルダ41は、ガイド軸4及び回転防止軸5に対してその長手方向に摺動することによって光軸I2方向に移動する。
図3に示すように、ガイド軸4及び回転防止軸5は、レンズホルダ41の光軸I2を挟んだ両側の領域に設けられ、それぞれ光軸I2と平行に延在している。
図5に示すように、レンズホルダ41は、開口部41aと、溝部41bとを備えている。
開口部41aは、ガイド軸4が挿入されるものであって、その直径はガイド軸4の直径に対して不可避的に設けられるクリアランスだけ大きく設定されている。
溝部41bは、回転防止軸5が挿入されるものであって、レンズホルダ41の外縁部を凹ませて形成され、その溝幅は回転防止軸5の直径に対して不可避的に設けられるクリアランスだけ大きく設定されている。なお、回転防止軸5は、溝部41bの延在方向においてはレンズホルダ41を拘束せず、万一開口部41aと溝部41bとの間に寸法のばらつきがあった場合にその吸収が可能となっている。
また、レンズホルダ41は、レンズホルダナット42を備えている。レンズホルダナット42は、後述するリードスクリュー110がその内部に挿入される溝部の一方の内面に、このリードスクリュー110と係合するめネジ部が形成された第1の被駆動部材であって、この溝部を挟んだ二股状に形成されている。レンズホルダナット42は、レンズホルダ41の外周縁部に光軸I2と平行に配置された軸部41c回りに回転可能に支持されるとともに、バネ42a,52a(図8参照)によってその一方の回転方向側に付勢され、めネジ部が後述するリードスクリューの表面に押圧されるようになっている。
第3レンズ群50は、第2レンズ群40の射出側に設けられ、鏡胴部2の第2レンズ群40を収容する空間部内に収容されている。第3レンズ群50は、鏡胴部2に対して光軸I2方向に移動可能に支持された第2の可動光学素子群である。
第3レンズ群50は、その周囲に備えられた枠体であるレンズホルダ51を有し、この可動レンズホルダ51は、上述した可動レンズホルダ41と同様にガイド軸4及び回転防止軸5によって、光軸I2方向に移動可能に支持されている。
また、レンズホルダ51は、上述したレンズホルダ41のレンズホルダナット42と同様に構成され、後述するリードスクリュー120と係合されるレンズホルダナット52を備えている。
なお第2レンズ群40の移動範囲と第3レンズ群50の移動範囲とは、その一部が相互に重なった範囲に設定されている。
シャッタユニット60は、第3レンズ群50から出て第4レンズ群70に入光する像光を遮断するシャッタ幕を有するシャッタ部と、シャッタ部の対物側に配置され、像光の光量を低減するNDフィルタを備えた絞り部(光量調整部)とを備えている。この絞り部は、図示しない制御部が出力する挿入指示信号、退避信号に応じて所定のNDフィルタを光路上に出し入れするものである。
シャッタユニット60は、これらのシャッタ部、NDフィルタをそれぞれ駆動するシャッタ駆動部61及びNDフィルタ駆動部62をそれぞれ備えている。
シャッタ駆動部61及びNDフィルタ駆動部62は、光路を挟んだ両側にそれぞれ設けられ、光軸I2方向における位置は、シャッタ駆動部61は後述するモータ140の光軸I2方向像側に隣接して配置され、NDフィルタ駆動部62は、シャッタ駆動部61よりも光軸I2方向対物側にオフセットして配置されている。
第4レンズ群70は、鏡胴部2のシャッタユニット60の射出側の領域に固定されている。
LPF80は、鏡胴部2の第4レンズ群の射出側の領域に固定された光学式のローパスフィルタである。
CCD90は、LPFから出た像光が結像され、その像を電気的な信号として取得する撮像素子である。
図7は、レンズ鏡筒1をCCD90が設けられる側から見た外観斜視図である。
CCD90は、その背面側に固定された基板91に支持されている。図3に示すように、基板91は、これと対向する鏡胴部2の端面2aとの間に弾性部材(バネ)92を介して装着されている。
端面2aは、ここから突き出して形成されたピン2bを備え、このピン2bが基板91に形成された開口91aに挿入されることによって基板91の光軸I2と直交する方向における位置決めがなされている。
基板91は、その外周縁部に分散して配置された例えば3本のビス93を鏡胴部2の端面2aに対してねじ込み、締結することによって固定されている。ここで、ビス93をねじ込むことによって、上述した弾性部材92が押圧されて弾性変形するが、その変形量はビス93の締付量に依存する。そして、3本のビス93のうち一部のものを締め付け、又は緩めることによって、基板91を光軸I2に対して任意の方向へ傾斜することができ、このように基板91を傾斜させることによってCCD90の撮像面が光学系に起因する像面の倒れに適合するように角度調整が行われる。
図4に示すように、モータホルダ部3は、リードスクリュー110,120と、モータ130,140を備えている。
リードスクリュー110,120は、それぞれ光軸I2と平行に延在して配置され、その外周面にネジ部が形成された駆動軸であって、光軸I1方向に配列され、リードスクリュー120が光軸I1方向において対物側に配置されている。リードスクリュー110,120は、モータホルダ部3に対して、それぞれの中心軸回りに回転可能に支持されている。
リードスクリュー110は、第レンズ群40のレンズホルダ41に接続されたレンズホルダナット42と係合し、第レンズ群40の光軸I2方向の駆動を行うものである。
リードスクリュー120は、第レンズ群50のレンズホルダ51に接続されたレンズホルダナット52と係合し、第レンズ群50の光軸I2方向の駆動を行うものである。
モータ130は、リードスクリュー110を回転駆動するものであって、リードスクリュー110の光軸I2方向対物側(上側)の端部に接続されている。
モータ130は、リードスクリュー110と略同心の円筒状に形成されたハウジングを備え、このハウジングのリードスクリュー110側の端面からその外径側に突き出して形成されたフランジ部131をビス132によりモータホルダ部3に締結することによって固定されている(フランジ部131、ビス132は図10を参照)。
モータ140は、リードスクリュー120を回転駆動するものであって、リードスクリュー120の光軸I2方向像側(下側)の端部に接続されている。このモータ140は、光軸I2方向から見た場合にその一部がモータ130と重なった位置に配置されている。
モータ140は、リードスクリュー120と略同心の円筒状に形成されたハウジングを備え、このハウジングのリードスクリュー120側の端面からその外径側に突き出して形成されたフランジ部141をビス142によりモータホルダ部3に締結することによって固定されている(フランジ部141、ビス142は図10を参照)。
なお、リードスクリュー110,120のモータ130,140が接続される側と反対側の端部110a,120aは、鏡胴部2にそれぞれ形成された凹部3a、3bにそれぞれ挿入されている。この凹部3a,3bは、モータホルダ3の材料よりも摩擦係数が小さい異なる材料によって形成してもよい。これによって、リードスクリュー110,120はいわゆる両持ち支持されることになり、回転時の振れが低減される。
また、レンズ鏡筒1は、図5に示すように、可動レンズ群である第2レンズ群40、第3レンズ群50それぞれの位置を検出する位置検出器150を備えている。
位置検出器150は、図1から図4では図示を省略するが、第2レンズ群40、第3レンズ群50のそれぞれに例えば1対ずつ備えられ、各レンズ群の位置検出器150は、検出対象となるレンズ群の移動範囲の両端部近傍にそれぞれ配置されている。
位置検出器150は、鏡胴部2のレンズホルダ41、51と対向する内壁面部に備えられ、レンズホルダ41(51)の外周縁部から突き出した突起部151の通過を検出するフォトインタラプタを備えている。このフォトインタラプタは、突起部151が通過する間隔を隔てて対向して配置されたLEDとSPDとを備え、LEDから出た光が突起部151によって遮られたか否かを検出するものである。
このレンズ鏡筒1に備えられる図示しない制御部は、モータ130,140を駆動して第2レンズ群40、第3レンズ群50をそれぞれその移動範囲にわたって駆動し、このとき各レンズ群の突起部151が対応する位置検出器150を通過するタイミングに応じて、制御部は各レンズ群の位置割り出しを行う。
次に、本実施例のレンズ鏡筒1の組立方法について説明する。
本実施例においては、モータホルダ部3にリードスクリュー110,120、モータ130,140を予め装着してモジュール化した状態で鏡胴部2に装着している。
図8は、モータホルダ部3の鏡胴部2への装着方法を示す模式図であって、図8(a)は装着前の状態を示し、図8(b)は装着後の状態を示している。
なお、図8は、図示及び理解の容易のために、各部材の構成等は簡略化して図示している。
図8に示すように、モータホルダ部3は、光軸I1、I2とそれぞれ略直交する方向に沿って鏡胴部2に装着される。レンズホルダナット42,52は、それぞれこの装着方向に延在し、そのモータホルダ部3側の端部が開いた溝部を備え、その内部の一端面にめネジ部が形成されているから、上述したようにモータホルダ部3を鏡胴部2に装着することによって、リードスクリュー110,120は、それぞい対応するレンズホルダナット42,52の溝部内に挿入される。
そして、モータホルダ部3は、鏡胴部2のモータホルダ部3側の端部に形成された弾性を有する爪部2cを、モータホルダ部3の対応する位置に形成された開口部3cに嵌め込んで係止させることによって鏡胴部2に固定される。
なお、鏡胴部2とモータホルダ部3との接合部には、これらが対向する面間に挟まれて配置され、例えばゴム等の弾性を有する材料によって形成された弾性部材6が設けられ、この弾性部材6の反発力により爪部2cにテンションがかかることによって、鏡胴部2とモータホルダ部3との位置関係が安定し、リードスクリュー110,120とレンズホルダナット42,52との位置関係が略一定に保たれるようになっている。
次に、上述した本実施例の効果を本発明の比較例と対比して説明する。
なお、比較例は、上述した実施例と同様の部分については説明を省略し、主に相違点について説明する。
図9は、本発明の比較例であるレンズ鏡筒におけるリードスクリューとモータとの配置を示す図である。
比較例においては、モータホルダ部200は、リードスクリュー210,220と、モータ230,240とを備えている。
リードスクリュー210,220は、実施例のリードスクリュー110,120と同様に、レンズホルダナット42,52を駆動するものであって、それぞれ光軸I2に対して平行に配置されている。
モータ230,240は、それぞれリードスクリュー210,220の光軸I2方向対物側の端部に並列して配置されている。
このような比較例の場合は、モータ230,240のハウジング直径をそれぞれC、Dとした場合、リードスクリュー210,220の軸間距離D2は、(C+D)/2よりも小さくすることができず、例えば実施例と同様の屈曲光学系を備えたレンズ鏡筒の場合、対物レンズの光軸方向における厚さが大きくなってしまう。
これに対し、図10は、本実施例のレンズ鏡筒1におけるリードスクリューとモータとの配置を示す図である。
本実施例の場合は、モータ130,140をリードスクリュー110,120それぞれの反対側の端部に互い違いに配置しているから、これらのハウジング直径をそれぞれA、Bとした場合、リードスクリュー110,120の軸間距離D1を(A+B)/2よりも小さくすることができ、対物レンズ10の光軸I1方向における厚さを小さくすることができる。
以上のように、本実施例によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)モータ130,140を、それぞれリードスクリュー110,120の異なった側の端部に互い違いに装着したから、リードスクリュー110,120の軸間距離を、モータ130,140の一部が光軸I2方向から重なる位置まで短縮することができ、リードスクリュー110,120の配列方向におけるレンズ鏡筒1のサイズをコンパクト化することができる。
(2)リードスクリュー110,120、モータ130,140を支持するモータホルダ部3を設けてこれらをモジュール化し、鏡胴部2に対して着脱可能としたから、レンズ鏡筒1の組立工程を簡素化することができる。
(3)第2レンズ群40、第3レンズ群50をガイドするガイド軸4をリードスクリュー110,120と隣接して設けたから、駆動力によって第2レンズ群40、第3レンズ群50がガイド軸4との接続部回りに回転して傾斜することを防止でき、摩擦を低減するとともに、駆動精度を向上することができる。
(4)第2レンズ群40、第3レンズ群50を共通のガイド軸4によってガイドしているから、これらが相互に偏心することを防止でき、また、各群の移動範囲が部分的に重複する構成とすることができる。
(5)NDフィルタ駆動部62を、モータ140に対して光軸I2を挟んだ反対側に配置したから、NDフィルタ駆動部62を光軸I2方向対物側に寄せて配置することができ、レンズ鏡筒1の外形をコンパクトにすることができる。
(6)対物レンズ10と第1レンズ群30とは、その相互に隣接する部分においてレンズの外周縁部を切り落とした形状としたから、これらのレンズをその干渉を防止しつつ相互に近づけて配置することができ、レンズ鏡筒1の外形をコンパクトにすることができる。また、レンズの片側のみを切り落とした形状としたから、円形のレンズを加工してこのような形状を成形する場合に、加工に要する工数が低減される。
(変形例)
本発明は、以上説明した各実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)実施例は、いわゆる屈曲光学系を備えるものであったが、本発明は屈曲部を持たない光学系であっても適用することができる。
また、レンズ鏡筒の用途も実施例のようなデジタルスチルカメラ用のものに限定されない。
(2)実施例は、例えば2本の駆動軸を有するものであったが、3本以上の駆動軸を有する場合であっても、その少なくとも2本に接続された駆動部を異なった側に設けることによってレンズ鏡筒のコンパクト化を図ることができる。
(3)駆動軸及び駆動部を支持部材に予め装着してモジュール化することによって組立を簡素化することは、実施例のように複数の駆動部をそれぞれ対応する駆動部の異なった側に互い違いに配置する場合に限らず、同じ側に並列して設けるようにしても同様の効果を得ることができる。
図1は、本発明を適用したレンズ鏡筒の実施例を対物レンズの光軸側から見た外観図である。 図1のII−II部矢視断面図である。 図2のIII―III部矢視断面図である。 図3のIV−IV部矢視断面図である。 図3のV−V部矢視断面図である。 図1のレンズ鏡筒の対物レンズ及び第1レンズ群の構成を示す図である。 図1のレンズ鏡筒をCCDが設けられる側から見た外観斜視図である。 図1のレンズ鏡筒の組立方法を示す模式図である。 本発明の比較例のレンズ鏡筒におけるリードスクリュー及びモータの配置を示す模式図である。 図1のレンズ鏡筒におけるリードスクリュー及びモータの配置を示す模式図である。
符号の説明
1 レンズ鏡筒
2 鏡胴部
3 モータホルダ部
4 ガイド軸
5 回転防止軸
10 対物レンズ
20 プリズム
30 第1レンズ群
31,32 レンズ
40 第2レンズ群
42 レンズホルダナット
50 第3レンズ群
52 レンズホルダナット
60 シャッタユニット
61 シャッタ駆動部
62 NDフィルタ駆動部
70 第4レンズ群
80 ローパスフィルタ(LPF)
90 CCD
110,120 リードスクリュー
130,140 モータ
I1,I2 光軸


Claims (5)

  1. 光軸方向に移動可能に支持された第1の光学素子群と、
    前記第1の光学素子群に接続された第1の被駆動部材と、
    前記第1の光学素子群に対して該第1の光学素子群の光軸方向に配列され、前記第1の光学素子群と独立して前記光軸方向に移動可能に支持された第2の光学素子群と、
    前記第2の光学素子群に接続された第2の被駆動部材と、
    最も像側に固設された第3の光学素子群と、
    前記光軸と平行に配置され、前記第1の被駆動部材を前記光軸方向に駆動する第1の駆動軸と、
    前記光軸と平行に配置され、前記第2の被駆動部材を前記光軸方向に駆動する第2の駆動軸と、
    前記第1の駆動軸の光軸方向対物側の端部に接続され、前記第1の駆動軸を駆動する第1の駆動部と、
    前記第2の駆動軸の前記光軸方向像側の端部に接続されかつ前記光軸方向から見てその少なくとも一部が前記第1の駆動部と重なった位置に配置され、前記第2の駆動軸を駆動する第2の駆動部と、
    前記第1の光学素子群、前記第2の光学素子群を収容する鏡胴部と、
    前記鏡胴部に対して着脱可能に装着され、前記第1の駆動軸、前記第2の駆動軸、前記第1の駆動部、及び前記第2の駆動部を支持する支持部材と、
    少なくとも一部が前記第2の駆動部よりも像側且つ前記第3の光学素子群に隣接して設けられた、像光を制限する像光制限部と
    を備え
    前記支持部材は開口を有し、前記鏡胴部は開口を有し、且つ前記支持部材と前記鏡胴部はこれらの開口同士を対向させて接合される
    レンズ鏡筒。
  2. 請求項1に記載のレンズ鏡筒において、
    前記像光制限部は、前記像光を遮断するシャッタ幕を有するシャッタ部を駆動するシャッタ駆動部と、前記像光を低減するフィルタを有する絞り部を駆動する絞り駆動部とを含むこと
    を特徴とするレンズ鏡筒。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のレンズ鏡筒において、
    前記第1の光学素子群及び前記第2の光学素子群の前記光軸方向における移動をガイドし、前記光軸に対して前記第1の駆動軸及び前記第2の駆動軸が設けられた側の領域に配置されたガイド部を備えることを特徴とするレンズ鏡筒。
  4. 請求項に記載のレンズ鏡筒において、
    前記ガイド部は、前記第1の光学素子群のガイドに用いられる範囲と、前記第2の光学素子群のガイドに用いられる範囲の少なくとも一部が前記光軸方向において重なって設けられること
    を特徴とするレンズ鏡筒。
  5. 光軸方向に移動可能に支持された第1の光学素子群と、
    前記第1の光学素子群に接続された第1の被駆動部材と、
    前記第1の光学素子群に対して該第1の光学素子群の光軸方向に配列され、前記第1の光学素子群と独立して前記光軸方向に移動可能に支持された第2の光学素子群と、
    前記第2の光学素子群に接続された第2の被駆動部材と、
    最も像側に固設された第3の光学素子群と、
    前記光軸と平行に配置され、前記第1の被駆動部材を前記光軸方向に駆動する第1の駆動軸と、
    前記光軸と平行に配置され、前記第2の被駆動部材を前記光軸方向に駆動する第2の駆動軸と、
    前記第1の駆動軸の端部に接続され、前記第1の駆動軸を駆動する第1の駆動部と、
    前記第2の駆動軸の端部に接続され、前記第2の駆動軸を駆動する第2の駆動部と、
    前記第1の光学素子群、前記第2の光学素子群を収容する鏡胴部と、
    記鏡胴部に対して着脱可能に装着され、前記第1の駆動軸、前記第2の駆動軸、前記第1の駆動部、前記第2の駆動部がそれぞれ支持される支持部材と、
    少なくとも一部が前記第2の駆動部よりも像側且つ前記第3の光学素子群に隣接して設けられた、像光を制限する像光制限部と
    を備え
    前記支持部材は開口を有し、前記鏡胴部は開口を有し、且つ前記支持部材と前記鏡胴部はこれらの開口同士を対向させて接合される
    レンズ鏡筒。
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