JP5105936B2 - 色素増感太陽電池用シール材およびそれを用いた色素増感太陽電池 - Google Patents
色素増感太陽電池用シール材およびそれを用いた色素増感太陽電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5105936B2 JP5105936B2 JP2007093212A JP2007093212A JP5105936B2 JP 5105936 B2 JP5105936 B2 JP 5105936B2 JP 2007093212 A JP2007093212 A JP 2007093212A JP 2007093212 A JP2007093212 A JP 2007093212A JP 5105936 B2 JP5105936 B2 JP 5105936B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dye
- sensitized solar
- solar cell
- sealing material
- conductive polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
- Y02E10/542—Dye sensitized solar cells
Landscapes
- Photovoltaic Devices (AREA)
- Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)
- Hybrid Cells (AREA)
Description
上記色素増感太陽電池は、可視光を吸収して励起した増感色素から半導体電極に電子が注入され、集電体を通して外部に電流が取り出される。一方、増感色素の酸化体は電解質中の酸化還元対により還元されて再生する。酸化された酸化還元対は、半導体電極に対向して設置された対極表面で還元されてサイクルが一周する。
したがって、依然としてより安価な製造コストとプロセスで作製でき、かつ色素増感太陽電池に使用される電解質成分、特に酸化還元対であるヨウ素に対して優れた耐性を有するとともに、信頼性の高いシール性能を有するシール材、ならびにそれを用い、太陽電池特性の経時的低下が抑制され高い耐久性を有する色素増感太陽電池が求められている。
[1]光増感作用を有する色素を含む多孔質金属酸化物半導体電極と、
該半導体電極に対向配置された対極との間に封入された酸化還元対となる化学種を含む電解質を有する色素増感太陽電池に用いられる樹脂シール材において、
樹脂成分中に導電性高分子を含有することを特徴とする色素増感太陽電池用シール材であり、
該色素増感太陽電池の周縁部が前記[1]〜[8]のいずれかに記載の色素増感太陽電池用シール材により封止されてなることを特徴とする色素増感太陽電池であり、
該色素増感太陽電池の電極面の少なくとも一部が前記[1]〜[8]のいずれかに記載の色素増感太陽電池用シール材によって区画されており、一対の半導体電極と対極とを有する色素増感太陽電池セルが複数併設されてなることを特徴とする色素増感太陽電池モジュールである。
[透明基体]
電極基体1を構成する透明基体2は、可視光を透過するものが使用でき、透明なガラスが好適に利用できる。また、ガラス表面を加工して入射光を散乱させるようにしたもの、半透明なすりガラス状のものも使用できる。また、ガラスに限らず、光を透過するものであればプラスチック板やプラスチックフィルム等も使用できる。
透明基体2の厚さは、太陽電池の形状や使用条件により異なるため特に限定はされないが、例えばガラスやプラスチックなどを用いた場合では、実使用時の耐久性を考慮して1mm〜1cm程度であり、フレキシブル性が必要とされ、プラスチックフィルムなどを使用した場合は、1μm〜1mm程度である。
透明導電膜3としては、可視光を透過して、かつ導電性を有するものが使用でき、このような材料としては、例えば金属酸化物が挙げられる。特に限定はされないが、例えばフッ素をドープした酸化スズ(以下、「FTO」と略記する。)や、酸化インジウム、酸化スズと酸化インジウムの混合体(以下、「ITO」と略記する。)、酸化亜鉛などが好適に用いることができる。また、分散させるなどの処理により可視光が透過すれば、不透明な導電性材料を用いることもできる。このような材料としては炭素材料や金属が挙げられる。炭素材料としては、特に限定はされないが、例えば黒鉛(グラファイト)、カーボンブラック、グラッシーカーボン、カーボンナノチューブやフラーレンなどが挙げられる。また、金属としては、特に限定はされないが、例えば白金、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、クロム、鉄、モリブデン、チタン、およびそれらの合金などが挙げられる。したがって、透明導電膜3としては、上記の導電性材料のうち少なくとも1種類以上からなるものを、透明基体2の表面に設けて形成することができる。あるいは透明基体2を構成する材料の中へ上記導電性材料を組み込んで、透明基体と透明導電膜を一体化して電極基体1とすることも可能である。
透明基体と透明導電膜を一体化させるには、透明基体の成型時に導電性のフィラーとして上記導電膜材料を混合させるなどがある。
透明導電膜3の厚さは、用いる材料により導電性が異なるため特には限定されないが、一般的に使用されるFTO被膜付ガラスでは、0.01μm〜5μmであり、好ましくは0.1μm〜1μmである。また、必要とされる導電性は、使用する電極の面積により異なり、大面積電極ほど低抵抗であることが求められるが、一般的に100Ω/□以下、好ましくは10Ω/□以下、より好ましくは5Ω/□以下である。100Ω/□を超えると太陽電池の内部抵抗が上がり、好ましくない。
透明基体及び透明導電膜から構成される電極基体1、又は透明基体と透明導電膜とを一体化した電極基体1の厚さは、上記のように太陽電池の形状や使用条件により異なるため特に限定はされないが、一般的に1μm〜1cm程度である。
多孔質金属酸化物半導体4としては、特に限定はされないが、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズなどが挙げられ、特に二酸化チタン、さらにはアナターゼ型二酸化チタンが好適である。また、電気抵抗値を下げるため、金属酸化物の粒界は少ないことが望ましい。また、増感色素をより多く吸着させるために、当該半導体層は多孔質になっていることが望ましく、具体的には比表面積が10〜200m2/gであることが望ましい。また、増感色素の吸光量を増加させるため、使用する酸化物の粒径に幅を持たせて光を散乱させることが望ましい。
このような多孔質金属酸化物半導体は、特に限定されず既知の方法で透明導電膜3上に設けることができる。例えば、ゾルゲル法や、分散体ペーストの塗布、また、電析や電着させる方法がある。さらに、多孔質金属酸化物半導体に対し、半導体粒子同士の電子的接触の強化及び支持体との密着性の向上のために、さらに高温処理をしてもよい。
このような半導体層の厚さは、用いる酸化物およびその性状により最適値が異なるため特には限定されないが、0.1μm〜50μm、好ましくは5〜30μmである。
増感色素層5としては、太陽光により励起されて前記金属酸化物半導体層4に電子注入できるものであればよく、一般的に色素増感太陽電池に用いられている色素を用いることができるが、変換効率を向上させるためには、その吸収スペクトルが太陽光スペクトルと広波長域で重なっていて、耐光性が高いことが望ましい。特に限定はされないが、ルテニウム錯体、特にルテニウムポリピリジン系錯体が望ましく、さらに望ましいのは、Ru(L)2(X)2で表されるルテニウム錯体が望ましい。ここでLは4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジン、もしくはその4級アンモニウム塩、およびカルボキシル基が導入されたポリピリジン系配位子であり、また、XはSCN、Cl、CNである。例えばビス(4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジン)ジイソチオシアネートルテニウム錯体などが挙げられる。
他の色素としては、ルテニウム以外の金属錯体色素、例えば鉄錯体、銅錯体などが挙げられる。さらに、シアン系色素、ポルフィリン系色素、ポリエン系色素、クマリン系色素、シアニン系色素、スクアリン酸系色素、スチリル系色素、エオシン系色素などの有機色素が挙げられる。これらの色素には、該金属酸化物半導体層への電子注入効率を向上させるため、該金属酸化物半導体層との結合基を有していることが望ましい。該結合基としては、特に限定はされないが、カルボキシル基、スルホン酸基などが望ましい。
増感色素を溶解するために用いる溶媒の例としては、エタノールなどのアルコール類、アセトニトリルなどの窒素化合物、アセトンなどのケトン類、ジエチルエーテルなどのエーテル類、クロロホルムなどのハロゲン化脂肪族炭化水素、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチルなどのエステル類などが挙げられる。溶液中の色素濃度は、使用する色素及び溶媒の種類により適宜調整することが望ましい。例えば、5×10-5mol/L以上の濃度が望ましい。
電解質層7は、支持電解質、酸化された増感色素を還元することのできる酸化還元対、およびそれらを溶解させる溶媒からなる。この溶媒としては、特に限定はされないが、非水性有機溶媒、常温溶融塩、水やプロトン性有機溶媒などから任意に選択でき、例えばアセトニトリルやジメチルホルムアミド、エチルメチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルイミド、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、炭酸プロピレン、γ-ブチルラクトンなどが挙げられ、中でもメトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、炭酸プロピレン、γ-ブチルラクトンなどを好適に用いることができる。また、溶媒をゲル化して用いることもできる。
支持電解質として、リチウム塩やイミダゾリウム塩、4級アンモニウム塩などが挙げられる。
支持電解質、酸化還元対などは、其々用いる溶媒、半導体電極および色素などにより最適な濃度が異なるため、特には限定されないが、1mmol/L〜5mol/L程度である。
電解質層にはさらに添加剤として、t−ブチルピリジン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイド、水などを添加することができる。
対極8は、電極基体9上に、酸化還元対を還元するための触媒活性層10が備えられている。該電極基体9は、対極の支持体兼集電体として用いられるため、少なくとも触媒活性層10を形成させる表面部分は導電性を有している。
このような電極基体の材質としては、例えば導電性を有する金属や金属酸化物、炭素材料などが用いられる。金属としては、電解質に対して耐久性が高いものが好ましく、また、安価であるものが望ましい。酸化還元対としてヨウ素を用いる場合は、例えばニッケル、チタン、ステンレスや耐食性合金などが挙げられる。炭素材料としては、特に限定はされないが、例えば黒鉛(グラファイト)、カーボンブラック、グラッシーカーボン、カーボンナノチューブ、フラーレンなどが挙げられる。また、FTO、ITO、酸化インジウム、酸化亜鉛などの金属酸化物は、透明または半透明であるため増感色素層への入射光量を増加させることができ、好適に用いることができる。
電極基体9の厚さは、上記のように太陽電池の形状や使用条件により異なるため特に限定はされないが、一般的に1μm〜1cm程度である。
本発明における触媒活性層10は、電解質中の酸化還元対の酸化体を還元体に還元する還元反応の触媒として機能するものであり、特には限定されず公知の材料が使用できる。具体的には、白金、およびその合金、また、導電性高分子が挙げられる。導電性高分子としては、1種以上のホモポリマー、1種以上のコポリマー、又はそれらの混合体であってよい。前記導電性高分子を形成するモノマーとして、アニリン、チオフェン、ピロール、およびそれらの誘導体を用いることができ、特にポリアニリン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が好適に利用することができる。
また、導電性高分子を用いて触媒活性層を形成する場合は、導電性高分子を溶解させた溶液もしくは導電性高分子粒子の分散溶液から成膜する方法や、導電性高分子を構成するモノマーを含む溶液中で、電極基体9を作用電極として電解することで、該電極基体9の表面に酸化重合させて成膜する方法などが挙げられる。
また、本発明における色素増感太陽電池には、必要に応じて前記対極と前記半導体電極間の一部には両電極間の間隔を規定するスペーサー11を設けることができる。このようなスペーサー11の材料としては、少なくとも非導電性の材料であって、ガラスや、プラスチック等を挙げることができる。前記両電極間はスペーサーにより任意に調整が可能であるため、その形状・大きさは特には限定されず、シート状、球状、繊維状、棒状など任意の形状のものが使用可能である。このとき、両電極の間隔は好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下であるため、前記スペーサー11の厚みもしくは径は、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下である。
本発明におけるシール材は、色素増感太陽電池セルの周縁シール部12および、前記セルを複数並設してなる太陽電池モジュールの各セル間を隔てる中間シール部13において、半導体電極と対極の両電極間を、規定された間隔を隔てて接着および封止するために使用される。なお、以降前記両シール部を、シール部と呼ぶ。前記シール材は、シール用樹脂成分14と導電性高分子15を含んでおり、前記の接着および封止する機能自体は、主としてシール用樹脂成分が担うものである。
これらの硬化性樹脂の硬化方法についても、熱硬化型、光硬化型、電子線硬化型などの種々の硬化法の適用が可能である。
また、周縁シール部12および中間シール部13で、同一の樹脂を用いても、別々の樹脂を用いても構わない。
本発明のシール材に含まれる導電性高分子15は、色素増感太陽電池セルの周縁シール部12および、前記セルを複数並設してなる太陽電池モジュールの各セル間を隔てる中間シール部13において、シール用樹脂成分14の劣化を抑制し、電解液の漏洩・揮発を低減させることにより、セルの長期的な耐久性を高めるために使用されるものである。特に、シール用樹脂成分の劣化を促進させるアニオン、その中でも、I−やI3 −などのヨウ化物アニオンからシール用樹脂成分を保護するものである。
また、シール部における導電性高分子15は、電解液成分からシール用樹脂成分をより効果的に保護できるよう、シール材内部において、電解質に近づくほど、導電性高分子の分布割合が増加するように分布させることが望ましい。さらに、電解質成分がシール材内部を浸透して漏洩することがないよう、シール材内部において、電解質から遠い導電性高分子ほどより緻密に重合されていることが望ましい。
このような導電性高分子を形成するモノマーとして、例えば下記一般式(1)又は(2)で表される芳香族アミン化合物、下記一般式(3)で表されるチオフェン化合物、及び下記一般式(4)で表されるピロール化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーが挙げられる。
チオフェン化合物を1種又は2種以上用いて導電性高分子を形成してもよい。
このような電解重合により得られた導電性高分子を用いて、本発明のシール材を形成する方法として、前記導電性基板から、生成した導電性高分子膜を剥離させ、物理的に粉砕して粉体としたのち、もしくはそのままの形状でシール部に配置してから、シール用樹脂成分を注入設置するなどの方法を採ることができる。
このとき、シール材の形成、両電極の張り合わせや電解質の注入などの工程上の順序は、作製するセルの形状や各種材料により適宜変更するため、特には限定されない。
シール材の幅は、封止する電解質成分や電極材料によりその最適値が異なるため、特に制限はされないが、1mm以上であることが望ましく、さらには3mm以上であることが望ましい。
以上に説明したような色素増感太陽電池の各構成要素材料を準備した後、従来公知の方法で金属酸化物半導体電極と対極とを電解質を介して対向させるように組み上げ、本発明のシール材を用いて封止することにより。色素増感太陽電池を完成させる。
〔実施例〕
[多孔質金属酸化物半導体]
透明導電膜付きの透明基体としてFTOガラス(日本板ガラス製25mm×30mm)を用い、その表面に50nmの厚さの酸化チタン薄膜層をスパッタリングにより形成させた。さらに、前記酸化チタン薄膜層表面に、酸化チタンペースト(触媒化成工業株式会社製チタニアペースト PST-18NR)をバーコーターで塗布し、100℃で1時間乾燥後、大気雰囲気下550℃で120分間焼成してそのまま室温となるまで放置し、10μmの厚さの多孔質酸化チタン半導体層を形成させた。さらに、前記多孔質酸化チタン半導体層の上に、酸化チタンペースト(触媒化成工業株式会社製チタニアペースト PST-400C)をバーコーターで重ねて塗布したのち同様に焼成を行なって、15μm厚とした多孔質酸化チタン半導体電極を完成させた。
増感色素として、一般にN3dyeと呼ばれるビス(4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジン)ジイソチオシアネートルテニウム錯体を使用した。一旦150℃まで加熱した前記多孔質酸化チタン半導体電極を色素濃度0.5mmol/Lのエタノール溶液中に浸漬し、遮光下1晩静置した。その後エタノールにて余分な色素を洗浄してから風乾してから、色素を吸着させた半導体電極が6mm角となるように研削して太陽電池の半導体電極を完成させた。
[対極]
対極として、ソーダライムガラスを基板とし、チタンを30nm、該チタン層上に白金を270nmスパッタしたPtスパッタ膜付ガラス(ジオマテック社製)を、25mm×30mmにカットして使用した。
5℃以下に氷冷した1wt%ピロール水溶液に、2.5倍等量の過硫酸アンモニウムを撹拌しながら滴下し、氷冷したまま20時間撹拌を続けることで、ピロールを重合させた。得られたポリピロールの黒色粉末を純水、メタノール、アセトンを順に用いて、ピロールおよび酸化剤残渣、ピロールオリゴマーを洗浄した。次いで、得られたポリピロール粉末を、5%アンモニア水溶液中で1時間撹拌することでドーパントの脱離処理を行なったのち、純水を用いて十分に洗浄を行なった。
一方、シール材を構成するシール用樹脂成分として、シリコーン系樹脂シール剤(信越ポリマー株式会社製LHR−120S)を使用した。このシール用樹脂成分に対して、調製したポリピロール粉末を100℃で20時間真空乾燥させたのち、30wt%の配合比で添加・混合させてシール材を調製した。
前記のように作製した半導体電極上に、予め前記シール材を両面に塗布した、25μm厚のフッ素樹脂製フィルムをセパレータとして載せたのち、プレ乾燥工程として60℃で10分間加熱してから、前記半導体電極と対向するように対極を貼り合わせた。続いて張り合わせた電極の外縁部に、環状に前記シール材を塗布してから、120℃30分加熱処理してシール材を硬化させた。ただし、シール材塗布後硬化前に、電解液を封入させるための封入口としてシール材の一部を2箇所除去させてある。シール材硬化後、前記封入口の一方から、電解質を毛管現象にて両電極間に含浸させるとともに、他方から減圧することで両電極間の気泡を除去しながら電解質を入れ、封入口を常温硬化性樹脂にて封入することで、太陽電池セルを組み上げた。電解質としては、溶媒をメトキシプロピオニトリル、還元剤としてヨウ化リチウム、酸化剤としてヨウ素、添加剤としてn−メチルベンズイミダゾール、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイドを含む溶液を用いた。
上記の太陽電池セルについて、5mm角の窓をつけた光照射面積規定用黒色遮蔽マスクを装着させた上で、光量100mW/cm2の擬似太陽光を照射して開放電圧(以下、「Voc」と略記する。)、短絡電流密度(以下、「Jsc」と略記する。)、形状因子(以下、「FF」と略記する。)、および光電変換効率を評価したところ、以下の結果を得た。
「Voc」、「Jsc」、「FF」及び光電変換効率の各測定値については、より大きい値が太陽電池セルの性能として好ましいことを表す。
開放電圧(Voc):0.65V
短絡電流密度(Jsc):11.5mA/cm2
形状因子(FF):0.64
光電変換効率:4.8%
上記太陽電池セルを、85℃の恒温保持試験を行ない、500時間経過後の光電変換特性を測定したところ、下記のように、96%の保持率が得られた。
[実施例の耐久性試験結果]
開放電圧(Voc):0.67V
短絡電流密度(Jsc):11.1mA/cm2
形状因子(FF):0.62
光電変換効率:4.6%
シール材の作製において、導電性高分子であるポリピロール微粒子を添加すること以外は、実施例と同様に太陽電池セルを作製し、実施例と同様の耐久性試験を実施したところ、封止を維持できずに電解液が漏洩してしまい、光電変換を行なうことはできなかった。
[耐久性試験前の測定結果]
開放電圧(Voc):0.66V
短絡電流密度(Jsc):11.3mA/cm2
形状因子(FF):0.64
光電変換効率:4.8%
2 透明基体
3 透明導電膜
4 多孔質金属酸化物半導体層
5 増感色素層
6 半導体電極
7 電解質層
8 対極
9 電極基体
10 触媒活性層
11 スペーサー
12 周縁シール部
13 中間シール部
14 シール用樹脂成分
15 導電性高分子
Claims (10)
- 光増感作用を有する色素を含む多孔質金属酸化物半導体電極と、
該半導体電極に対向配置された対極との間に封入された酸化還元対となる化学種を含む電解質を有する色素増感太陽電池に用いられる樹脂シール材において、
樹脂成分中に導電性高分子を含有することを特徴とする色素増感太陽電池用シール材。 - 前記導電性高分子がアニオンを吸蔵可能であることを特徴とする請求項1に記載の色素増感太陽電池用シール材。
- 前記導電性高分子のドーパントが脱離されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の色素増感太陽電池用シール材。
- 前記導電性高分子が、前記樹脂成分と化学的に架橋していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の色素増感太陽電池用シール材。
- 前記導電性高分子が、樹脂成分中にモノマーを含有させ重合した導電性高分子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の色素増感太陽電池用シール材。
- 前記導電性高分子を構成するモノマーが、アニリン及びその誘導体、ピロール及びその誘導体、チオフェン及びその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の色素増感太陽電池用シール材。
- シール材内部において、電解質に近いほど、導電性高分子の分布割合が増加していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の色素増感太陽電池用シール材。
- シール材内部において、電解質から遠い導電性高分子ほど、より緻密に重合されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の色素増感太陽電池用シール材。
- 対向して配置された半導体電極と対極との間に電解質が封入されてなる色素増感太陽電池において、
該色素増感太陽電池の周縁部が請求項1〜8のいずれかに記載の色素増感太陽電池用シール材により封止されてなることを特徴とする色素増感太陽電池。 - 対向して配置された半導体電極と対極との間に電解質が封入され、該色素増感太陽電池の周縁部が封止されてなる色素増感太陽電池セルを複数有する色素増感太陽電池用モジュールにおいて、
該色素増感太陽電池の電極面の少なくとも一部が請求項1〜8のいずれかに記載の色素増感太陽電池用シール材によって区画されており、一対の半導体電極と対極とを有する色素増感太陽電池セルが複数併設されてなることを特徴とする色素増感太陽電池モジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007093212A JP5105936B2 (ja) | 2007-03-30 | 2007-03-30 | 色素増感太陽電池用シール材およびそれを用いた色素増感太陽電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007093212A JP5105936B2 (ja) | 2007-03-30 | 2007-03-30 | 色素増感太陽電池用シール材およびそれを用いた色素増感太陽電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008251420A JP2008251420A (ja) | 2008-10-16 |
JP5105936B2 true JP5105936B2 (ja) | 2012-12-26 |
Family
ID=39976116
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007093212A Expired - Fee Related JP5105936B2 (ja) | 2007-03-30 | 2007-03-30 | 色素増感太陽電池用シール材およびそれを用いた色素増感太陽電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5105936B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5026137B2 (ja) * | 2007-04-03 | 2012-09-12 | 尾池工業株式会社 | 電極材料及び該材料を用いた導電性フィルム、及び太陽電池並びに光電極 |
KR101034217B1 (ko) | 2009-03-18 | 2011-05-12 | 주식회사 이건창호 | 염료감응 태양전지 제조방법 및 이에 의하여 제조된 염료감응 태양전지 |
JP2013004178A (ja) * | 2011-06-10 | 2013-01-07 | Fujikura Ltd | 色素増感太陽電池及びその製造方法 |
JP6076016B2 (ja) * | 2011-09-30 | 2017-02-08 | 株式会社フジクラ | 色素増感太陽電池 |
JP6090703B2 (ja) * | 2012-05-30 | 2017-03-08 | 日本電気硝子株式会社 | 複合封着材料 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005302564A (ja) * | 2004-04-13 | 2005-10-27 | Three Bond Co Ltd | 色素増感型太陽電池用シール剤 |
JP2006286413A (ja) * | 2005-03-31 | 2006-10-19 | Toshiba Corp | 光電変換素子用シール剤及び光電変換素子 |
JP4787540B2 (ja) * | 2005-05-20 | 2011-10-05 | Jx日鉱日石エネルギー株式会社 | 色素増感型太陽電池素子の製造方法 |
-
2007
- 2007-03-30 JP JP2007093212A patent/JP5105936B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008251420A (ja) | 2008-10-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5308661B2 (ja) | 色素増感型太陽電池用の触媒電極、及びそれを備えた色素増感型太陽電池 | |
JP4915785B2 (ja) | 色素増感太陽電池用の対極、及びそれを備えた色素増感太陽電池 | |
JP5204317B2 (ja) | 色素増感太陽電池用電解液およびこれを利用した色素増感太陽電池 | |
KR101166018B1 (ko) | 대향전극의 표면개질방법 및 표면개질된 대향전극 | |
JP4911556B2 (ja) | 色素増感型太陽電池の触媒電極、及びそれを備えた色素増感型太陽電池 | |
JPWO2009041269A1 (ja) | 導電性高分子電極の製造方法及びそれを備えた色素増感太陽電池 | |
JP5088863B2 (ja) | 色素増感太陽電池用の対極、及びそれを備えた色素増感太陽電池 | |
JP4887694B2 (ja) | 光電変換素子およびその製造方法ならびに光電変換素子モジュールならびに電子機器ならびに移動体ならびに発電システムならびにディスプレイおよびその製造方法 | |
JP5158841B2 (ja) | 色素増感太陽電池用電極およびそれを用いた色素増感太陽電池 | |
JP4895361B2 (ja) | 色素増感太陽電池用の電解質−触媒複合電極、及びその製造方法並びにこれを備えた色素増感太陽電池 | |
JP5105936B2 (ja) | 色素増感太陽電池用シール材およびそれを用いた色素増感太陽電池 | |
JP2007128757A (ja) | 色素増感太陽電池 | |
KR102286239B1 (ko) | 색소 증감 태양 전지의 대향 전극 활물질의 재활성화 방법, 및 그 방법을 응용한 색소 증감 태양 전지의 재생 방법, 색소 증감 태양 전지용의 촉매층, 대향 전극, 전해액 및 색소 증감 태양 전지 | |
JP5339799B2 (ja) | 導電性高分子電極とその製造方法、導電性高分子層形成用塗布液、およびそれを備えた色素増感太陽電池 | |
JP2005310722A (ja) | 色素増感型太陽電池 | |
JP4938288B2 (ja) | 色素増感太陽電池 | |
CN110534345B (zh) | 染料敏化太阳能电池对电极及其制备方法和应用 | |
JP2013058400A (ja) | 色素増感太陽電池用電解液およびそれを用いた色素増感太陽電池 | |
JP5701633B2 (ja) | 色素増感太陽電池用電解液およびこれを利用した色素増感太陽電池 | |
JP2008251419A (ja) | 固体色素増感太陽電池 | |
JP2007128750A (ja) | 色素増感太陽電池 | |
JP2013125692A (ja) | 色素増感太陽電池用電解液およびそれを用いた色素増感太陽電池 | |
JP2006318771A (ja) | 色素増感型太陽電池の触媒電極、及びそれを備えた色素増感型太陽電池 | |
JP6315796B2 (ja) | 色素増感太陽電池用電解液及びそれを用いた色素増感太陽電池 | |
JP5607439B2 (ja) | 色素増感太陽電池用電解液及びそれを備えた色素増感太陽電池 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100208 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20121002 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20121002 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5105936 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151012 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |