JP2006318771A - 色素増感型太陽電池の触媒電極、及びそれを備えた色素増感型太陽電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 安価な材料および簡便な製造法により作製でき、かつ、電解質中に含まれる酸化還元対の酸化体を速やかに還元することができる耐久性に優れた高導電性の触媒電極、およびこれを備え、優れた光電変換効率を有する色素増感型太陽電池を提供する。
【解決手段】 金属層及び該金属層上に形成された導電性高分子膜層を少なくとも含む触媒電極及び、該触媒電極を対極として備えた色素増感型太陽電池。前記触媒電極において、金属層上に形成された導電性高分子膜層が、緻密に形成されてなる導電性高分子膜層と、該導電性高分子層上に、電極の作用部分として形成された多孔質導電性高分子膜層とを少なくとも含むことがより好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】 金属層及び該金属層上に形成された導電性高分子膜層を少なくとも含む触媒電極及び、該触媒電極を対極として備えた色素増感型太陽電池。前記触媒電極において、金属層上に形成された導電性高分子膜層が、緻密に形成されてなる導電性高分子膜層と、該導電性高分子層上に、電極の作用部分として形成された多孔質導電性高分子膜層とを少なくとも含むことがより好ましい。
【選択図】 なし
Description
本発明は、色素増感型太陽電池の触媒電極、及びそれを備えた色素増感型太陽電池に関する。
近年、多孔質金属半導体層に可視光域を吸収させる増感色素を担持させた色素増感型太陽電池が検討されている。この色素増感型太陽電池は、使用する材料が安価であること、比較的シンプルなプロセスで製造できること等の利点からその実用化が期待されている。
前記色素増感型太陽電池は、可視光を吸収して励起した増感色素から半導体電極に電子が注入され、集電体を通して外部に電流が取り出される。一方、増感色素の酸化体は電解質中の酸化還元対により還元されて再生する。酸化された酸化還元対は、半導体電極に対向して設置された触媒電極表面で還元されてサイクルが一周する。
色素増感型太陽電池に従来用いられている触媒電極としては、導電性酸化物が集電体として被覆されてなる基体上に、塩化白金酸を塗布・熱処理したものや、白金を蒸着、もしくは電析した白金触媒電極が知られている。
電解質は実用を考慮して高粘度化やゲル化などが検討されているが、上記に示したような白金触媒電極を備えた色素増感型太陽電池において、電解質の高粘度化にともない酸化還元対であるヨウ素の拡散が該太陽電池内での電子移動反応の律速過程となり、太陽電池特性を低下させてしまうという問題があった。このため、触媒電極表面でのヨウ素還元反応をより速やかに進行させるためには膜厚を厚く、かつ、凹凸を形成させて表面積を拡大させる必要が出てきた結果、白金使用量が増加、または製造プロセスが煩雑になり製造コストが高くなるという問題もあった。
また、集電体として一般的に使用されている導電性酸化物は導電性が不足するため膜厚を厚くする必要があり、その結果、電極基体のコストが上がってしまうという問題があった。さらに、実用サイズの色素増感型太陽電池においては、該導電性酸化物層の膜厚を厚くしても電導度が不足するため、太陽電池性能が大幅に低下してしまうという問題があった。
特許文献1には、モノマーを重合させると同時に形成される有機膜からなるホール集電電極(触媒電極)を使用した色素増感型太陽電池が開示されている。
この文献によると、従来の触媒電極形成方法に比べ、簡潔な工程で安価にホール集電電極を作製でき、製造プロセス及び製造コストの面で有利な色素増感型太陽電池を提供し得ると記載されている。
特許文献2では、アナターゼ型酸化チタンよりも電導度の高い導電性酸化物粒子を導電助剤に用いることで、電導度の向上を図った炭素電極が開示されており、その結果前記酸化還元対の酸化体の還元反応を速やかに進行させることができるとともに、白金触媒ガラス電極よりも広い電極面積を確保しやすく、また、軽量かつ化学的に安定で低コストの電極ができると記載されている。
しかしながら、ホール集電電極として導電性高分子材料もしくは粉体状の炭素材料を用いた場合では実用化サイズでは電導度が不足しており、高い変換効率を得るためには導電性を補完しなければならない。すなわち、依然として触媒電極では高導電性の電極基体が欠かせないが、一般的に酸化還元対として用いられているヨウ素による腐食を避けるため、電極基体には高価な導電性酸化物からなる電極を使用しているのが現状である。
非特許文献1にあるように、触媒電極製造コストの大半は材料費、とりわけ導電性酸化物からなる電極が占めており、白金の使用に伴う製造コストの削減だけでは不十分である。したがって、ヨウ素に対する腐食性と高い導電性を有しながら、安価な電極基体を用いたより優れた電池特性を示す色素増感型太陽電池が求められている。
本発明は前記した実情に鑑み、安価な材料および簡便な製造法により作製でき、かつ、電解質中に含まれる酸化還元対の酸化体を速やかに還元することができる耐久性に優れた高導電性の触媒電極、およびこれを備え、優れた光電変換効率を有する色素増感型太陽電池を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、金属層及び該金属層上に形成された導電性高分子膜層を少なくとも含む電極が、高耐食性と高導電性を有し、長期間に渡って電解質中に含まれる酸化還元対の酸化体を速やかに還元することができる触媒電極となることを見出し、本研究を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下に示すものである。
1.光増感作用を有する色素を含む光透過性の半導体電極と、酸化還元対となる化学種を含む電解質層とを有する色素増感型太陽電池において、前記電解質層を介して前記半導体電極に対向配置される触媒電極であって、
該触媒電極が、金属層及び該金属層上に形成された導電性高分子膜層を少なくとも含むことを特徴とする触媒電極。
2.前記金属層上に形成された導電性高分子膜層が、
緻密に形成されてなる導電性高分子膜層と、該導電性高分子層上に、電極の作用部分として形成された多孔質導電性高分子膜層とを少なくとも含むことを特徴とする上記1に記載の触媒電極。
3.前記導電性高分子膜層を形成する導電性高分子材料が、芳香族化合物の重合体であることを特徴とする上記1又は2に記載の触媒電極。
4.前記芳香族化合物が、下記一般式(1)で表されるピロール化合物であることを特徴とする上記3記載の触媒電極。
1.光増感作用を有する色素を含む光透過性の半導体電極と、酸化還元対となる化学種を含む電解質層とを有する色素増感型太陽電池において、前記電解質層を介して前記半導体電極に対向配置される触媒電極であって、
該触媒電極が、金属層及び該金属層上に形成された導電性高分子膜層を少なくとも含むことを特徴とする触媒電極。
2.前記金属層上に形成された導電性高分子膜層が、
緻密に形成されてなる導電性高分子膜層と、該導電性高分子層上に、電極の作用部分として形成された多孔質導電性高分子膜層とを少なくとも含むことを特徴とする上記1に記載の触媒電極。
3.前記導電性高分子膜層を形成する導電性高分子材料が、芳香族化合物の重合体であることを特徴とする上記1又は2に記載の触媒電極。
4.前記芳香族化合物が、下記一般式(1)で表されるピロール化合物であることを特徴とする上記3記載の触媒電極。
5.前記芳香族化合物が、ピロール、3−メチルピロール、3−ブチルピロール、3−オクチルピロールからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記4に記載の触媒電極。
6.前記芳香族化合物が、下記一般式(2)で表されるチオフェン化合物であることを特徴とする上記3記載の触媒電極。
7.前記芳香族化合物が、チオフェン、3−メチルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、または3,4−エチレンジオキシチオフェンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記6に記載の触媒電極。
8.芳香族化合物が、下記一般式(3)又は(4)で表される芳香族アミン化合物であることを特徴とする上記3に記載の触媒電極。
9.前記芳香族化合物が、アニリン、アニシジン、フェネチジン、トルイジン、フェニレンジアミン、ヒドロキシアニリン、N−メチルアニリンからなる群から選ばれる少なくとも1種類である上記8に記載の触媒電極。
10.前記芳香族化合物が、トリフルオロメタンアニリン、ニトロアニリン、シアノアニリン、またはハロゲン化アニリンからなる群から選ばれる少なくとも1種類である上記8に記載の触媒電極。
11.前記導電性高分子膜層に触媒化合物を含有していることを特徴とする上記1から10のいずれか一項に記載の触媒電極。
12.光増感作用を有する色素を含む光透過性の半導体電極と、酸化還元対となる化学種を少なくとも含む電解質層と、前記電解質層を介して前記半導体電極に対向配置される対極とを少なくとも有する色素増感型太陽電池であって、
該対極が、上記1から11のいずれか一項に記載の触媒電極である色素増感型太陽電池。
本発明によれば、耐食性に優れる導電性高分子膜層を金属層上に形成するため、腐食性の電解液環境下においても高導電性を有する金属材料を集電体として用いることができる。その結果、電極の材料および製造コストを低減することができる。また、集電体の電気抵抗値を下げることができるため、少ない触媒使用量においても電解質中に含まれる酸化還元対の酸化体の還元反応を速やかに行なうことができるようになり、さらなるコスト削減が可能となるとともに、高いエネルギー変換効率を得ることができる。さらに、変換効率を下げることなく太陽電池の大型化が図れるようになる。したがって、還元反応を長期間に渡って高効率に安定して行なうことができる触媒電極、およびこれを備え、優れた光電変換効率を有する高耐久な大型の色素増感型太陽電池を低コストで容易に提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面をもとに詳細に説明する。
図1は、本発明の色素増感型太陽電池の断面模式図である。透明基体2とその上に形成された透明導電膜3からなる電極基体1の表面に、多孔質金属酸化物半導体層4が形成され、さらに該多孔質金属酸化物半導体層4の表面には、増感色素層5が吸着されている。そして、電解質層6を介して、本発明の触媒電極7が対向して設置されている。
図2は、本発明における触媒電極7の断面模式図である。図2に示す触媒電極7は、金属層9上に導電性高分子膜層10が形成されている。場合によっては、導電性高分子膜層10に触媒化合物を含有させることもできる。また、図3に示すように、金属層9は、ガラスやプラスチックなどからなる基体8上に形成されたものであっても構わない。なお、図2及び図3に示した触媒電極7において、導電性高分子膜層10が形成された面は、図1に示した太陽電池において、電解質層6に接するよう配置させて用いられる。
以下、本発明の色素増感型太陽電池の各構成材料について、好適な形態を説明する。
[透明基体]
透明基体2は、可視光を透過するものが使用でき、透明なガラスが好適に利用できる。また、ガラス表面を加工して入射光を散乱させるようにしたもの、半透明なすりガラス状のものも使用できる。また、ガラスに限らず、光を透過するものであればプラスチック板やプラスチックフィルム等が使用できる。
[透明基体]
透明基体2は、可視光を透過するものが使用でき、透明なガラスが好適に利用できる。また、ガラス表面を加工して入射光を散乱させるようにしたもの、半透明なすりガラス状のものも使用できる。また、ガラスに限らず、光を透過するものであればプラスチック板やプラスチックフィルム等が使用できる。
[透明導電膜]
透明導電膜3としては、可視光を透過して、かつ導電性を有するものが使用でき、このような材料としては、例えば金属酸化物が挙げられる。特に限定はされないが、例えばフッ素をドープした酸化スズ(以下、「FTO」と略記する。)や、酸化インジウム、酸化スズと酸化インジウムの混合体(以下、「ITO」と略記する。)、酸化亜鉛などが好適に用いることができる。また、分散させるなどの処理により可視光が透過すれば、不透明な導電性材料を用いることもできる。このような材料としては炭素材料や金属が挙げられる。炭素材料としては、特に限定はされないが、例えば黒鉛(グラファイト)、カーボンブラック、グラッシーカーボン、カーボンナノチューブやフラーレンなどが挙げられる。また、金属としては、特に限定はされないが、例えば白金、金、銀、ルテニウム、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、クロム、鉄、モリブデン、チタン、タンタル、およびそれらの合金などが挙げられる。したがって、透明導電膜3としては、上述の導電性材料のうち少なくとも1種類以上からなる導電材料を、透明基体2の表面に設けて形成することができる。あるいは透明基体2を構成する材料の中へ上記導電性材料を組み込んで、透明基体と透明導電膜を一体化して電極基体1とすることも可能である。
透明導電膜3としては、可視光を透過して、かつ導電性を有するものが使用でき、このような材料としては、例えば金属酸化物が挙げられる。特に限定はされないが、例えばフッ素をドープした酸化スズ(以下、「FTO」と略記する。)や、酸化インジウム、酸化スズと酸化インジウムの混合体(以下、「ITO」と略記する。)、酸化亜鉛などが好適に用いることができる。また、分散させるなどの処理により可視光が透過すれば、不透明な導電性材料を用いることもできる。このような材料としては炭素材料や金属が挙げられる。炭素材料としては、特に限定はされないが、例えば黒鉛(グラファイト)、カーボンブラック、グラッシーカーボン、カーボンナノチューブやフラーレンなどが挙げられる。また、金属としては、特に限定はされないが、例えば白金、金、銀、ルテニウム、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、クロム、鉄、モリブデン、チタン、タンタル、およびそれらの合金などが挙げられる。したがって、透明導電膜3としては、上述の導電性材料のうち少なくとも1種類以上からなる導電材料を、透明基体2の表面に設けて形成することができる。あるいは透明基体2を構成する材料の中へ上記導電性材料を組み込んで、透明基体と透明導電膜を一体化して電極基体1とすることも可能である。
[多孔質金属酸化物半導体]
多孔質金属酸化物半導体4としては、特に限定はされないが、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズなどが挙げられ、特に二酸化チタン、さらにはアナターゼ型二酸化チタンが好適である。また、電気抵抗値を下げるため、金属酸化物の粒界は少ないことが望ましい。また、増感色素をより多く吸着させるために、多孔質になっていることが望ましい。また、増感色素の吸光量を増加させるため、使用する酸化物の粒径に幅を持たせて光を散乱させることが望ましい。
このような多孔質金属酸化物半導体は、特に限定されず既知の方法で透明導電膜3上に設けることができる。例えば、ゾルゲル法や、分散体ペーストの塗布、また、電析や電着させる方法がある。
このような半導体層の厚さは、用いる酸化物により最適値が異なるため特には限定されないが、0.1μm〜50μm、好ましくは5μm〜30μmである。
多孔質金属酸化物半導体4としては、特に限定はされないが、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズなどが挙げられ、特に二酸化チタン、さらにはアナターゼ型二酸化チタンが好適である。また、電気抵抗値を下げるため、金属酸化物の粒界は少ないことが望ましい。また、増感色素をより多く吸着させるために、多孔質になっていることが望ましい。また、増感色素の吸光量を増加させるため、使用する酸化物の粒径に幅を持たせて光を散乱させることが望ましい。
このような多孔質金属酸化物半導体は、特に限定されず既知の方法で透明導電膜3上に設けることができる。例えば、ゾルゲル法や、分散体ペーストの塗布、また、電析や電着させる方法がある。
このような半導体層の厚さは、用いる酸化物により最適値が異なるため特には限定されないが、0.1μm〜50μm、好ましくは5μm〜30μmである。
[増感色素]
増感色素層5としては、太陽光により励起されて前記金属酸化物半導体層4に電子注入できるものであればよく、一般的に色素増感型太陽電池に用いられている色素を用いることができるが、変換効率を向上させるためには、その吸収スペクトルが太陽光スペクトルと広波長域で重なっていて、耐光性が高いことが望ましい。特に限定はされないが、ルテニウム錯体、特にルテニウムポリピリジン系錯体が望ましく、さらに望ましいのは、Ru(L)2(X)2で表されるルテニウム錯体が望ましい。ここでLは4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジン、もしくはその4級アンモニウム塩、およびカルボキシル基が導入されたポリピリジン系配位子であり、また、XはSCN、Cl、CNである。他の色素としては、ルテニウム以外の金属錯体色素、例えば鉄錯体、銅錯体などが挙げられる。さらに、シアン系色素、ポルフィリン系色素、ポリエン系色素、クマリン系色素、シアニン系色素、スクアリン酸系色素、スチリル系色素、エオシン系色素などの有機色素が挙げられる。これらの色素には、該金属酸化物半導体層への電子注入効率を向上させるため、該金属酸化物半導体層との結合基を有していることが望ましい。該結合基としては、特に限定はされないが、カルボキシル基、スルホン酸基などが望ましい。
多孔質金属酸化物半導体4へ増感色素を吸着させる方法は、特には限定されないが、多孔質金属酸化物半導体4を形成させた電極基体1ごと、色素を溶解させた溶液中に浸漬させることで簡便に吸着することができる。
多孔質金属酸化物半導体4へ吸着させる増感色素の量は、最適値が存在する。すなわち、色素が少ないと十分な増感効果が得られず十分な光電流が得られないし、逆に多すぎても色素間での電子移動反応などにより十分な光電流が得られない。このような最適値は用いる半導体と色素との組合せにより異なってくるが、半導体層に均一に色素の単分子膜が形成されることが望ましい。
増感色素層5としては、太陽光により励起されて前記金属酸化物半導体層4に電子注入できるものであればよく、一般的に色素増感型太陽電池に用いられている色素を用いることができるが、変換効率を向上させるためには、その吸収スペクトルが太陽光スペクトルと広波長域で重なっていて、耐光性が高いことが望ましい。特に限定はされないが、ルテニウム錯体、特にルテニウムポリピリジン系錯体が望ましく、さらに望ましいのは、Ru(L)2(X)2で表されるルテニウム錯体が望ましい。ここでLは4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジン、もしくはその4級アンモニウム塩、およびカルボキシル基が導入されたポリピリジン系配位子であり、また、XはSCN、Cl、CNである。他の色素としては、ルテニウム以外の金属錯体色素、例えば鉄錯体、銅錯体などが挙げられる。さらに、シアン系色素、ポルフィリン系色素、ポリエン系色素、クマリン系色素、シアニン系色素、スクアリン酸系色素、スチリル系色素、エオシン系色素などの有機色素が挙げられる。これらの色素には、該金属酸化物半導体層への電子注入効率を向上させるため、該金属酸化物半導体層との結合基を有していることが望ましい。該結合基としては、特に限定はされないが、カルボキシル基、スルホン酸基などが望ましい。
多孔質金属酸化物半導体4へ増感色素を吸着させる方法は、特には限定されないが、多孔質金属酸化物半導体4を形成させた電極基体1ごと、色素を溶解させた溶液中に浸漬させることで簡便に吸着することができる。
多孔質金属酸化物半導体4へ吸着させる増感色素の量は、最適値が存在する。すなわち、色素が少ないと十分な増感効果が得られず十分な光電流が得られないし、逆に多すぎても色素間での電子移動反応などにより十分な光電流が得られない。このような最適値は用いる半導体と色素との組合せにより異なってくるが、半導体層に均一に色素の単分子膜が形成されることが望ましい。
[電解質層]
電解質層6は、支持電解質と、酸化された増感色素を還元することのできる酸化還元対、およびそれらを溶解させる溶媒からなる。この溶媒としては、特に限定はされないが、非水性有機溶媒、常温溶融塩、水やプロトン性有機溶媒などから任意に選択でき、例えばアセトニトリルやジメチルホルムアミド、エチルメチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルイミド、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、炭酸プロピレンなどが挙げられ、中でもメトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、炭酸プロピレンなどを好適に用いることができる。また、溶媒をゲル化して用いることもできる。
支持電解質として、リチウム塩やイミダゾリウム塩、4級アンモニウム塩などが挙げられる。
酸化還元対として、例えば、ヨウ素アニオンやポリピリジルコバルト錯体、チオシアン酸などが挙げられる。
支持電解質、酸化還元対などは、其々用いる溶媒、半導体電極および色素などにより最適な濃度が異なるため、特には限定されないが、1mmol/L〜5mol/L程度である。
電解質層にはさらに添加剤として、t−ブチルピリジン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイド、水などを添加することができる。
電解質層6は、支持電解質と、酸化された増感色素を還元することのできる酸化還元対、およびそれらを溶解させる溶媒からなる。この溶媒としては、特に限定はされないが、非水性有機溶媒、常温溶融塩、水やプロトン性有機溶媒などから任意に選択でき、例えばアセトニトリルやジメチルホルムアミド、エチルメチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルイミド、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、炭酸プロピレンなどが挙げられ、中でもメトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、炭酸プロピレンなどを好適に用いることができる。また、溶媒をゲル化して用いることもできる。
支持電解質として、リチウム塩やイミダゾリウム塩、4級アンモニウム塩などが挙げられる。
酸化還元対として、例えば、ヨウ素アニオンやポリピリジルコバルト錯体、チオシアン酸などが挙げられる。
支持電解質、酸化還元対などは、其々用いる溶媒、半導体電極および色素などにより最適な濃度が異なるため、特には限定されないが、1mmol/L〜5mol/L程度である。
電解質層にはさらに添加剤として、t−ブチルピリジン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイド、水などを添加することができる。
[触媒電極−基体]
触媒電極7は、金属層9及び導電性高分子膜層10からなる。その上部に金属層9を形成できること、および電極を支持できるものであれば、基体8を用いることもできる。その材料および厚さは色素増感太陽電池の形状に応じて変更することができるため、特に限定はされない。実用性や耐久性を考え、例えばプラスチックやガラスなどが好適に利用できる。さらに、該基体は透明でも不透明でも構わないが、増感色素層への入射光量を増加させることができるため、また、場合によっては意匠性が向上できるため透明または半透明であることが望ましい。
また、該基体の形状は、触媒電極として用いる色素増感太陽電池の形状に応じて変更することができるため特には限定されず、板状としてもフィルム状で湾曲できるものでも構わない。
触媒電極7は、金属層9及び導電性高分子膜層10からなる。その上部に金属層9を形成できること、および電極を支持できるものであれば、基体8を用いることもできる。その材料および厚さは色素増感太陽電池の形状に応じて変更することができるため、特に限定はされない。実用性や耐久性を考え、例えばプラスチックやガラスなどが好適に利用できる。さらに、該基体は透明でも不透明でも構わないが、増感色素層への入射光量を増加させることができるため、また、場合によっては意匠性が向上できるため透明または半透明であることが望ましい。
また、該基体の形状は、触媒電極として用いる色素増感太陽電池の形状に応じて変更することができるため特には限定されず、板状としてもフィルム状で湾曲できるものでも構わない。
[触媒電極−金属層]
金属層9は、集電体として機能するものである。その材料は、導電性を有する金属であれば好適に使用できるが、利便性とコスト性の面で優れた、鉄、ニッケル、クロム、モリブデン、チタン、アルミニウムの中から選ばれた少なくとも1種の金属、もしくはそれらの合金、もしくはステンレス鋼であることが望ましい。
また、その形状は触媒電極として用いる色素増感太陽電池の形状に応じて変更することができるため特には限定されず、任意の形状・厚みで形成することができる。
また、その形成方法としては特には限定されず、基体8上にスパッタする方法や、金属板や金属箔を貼り合せるなどの既存の方法を行なうことができる。また、図2に例示するように、基体8は省略することもできる。
また、該金属層9上に下記導電性高分子膜層10を形成させる前に、基体とともにプレス加工などの曲げ加工により、目的とする成型を行なうことによって、複雑な形状でも、該導電性高分子膜層10および該導電性高分子膜層10に含有される触媒化合物を損傷することなく、該導電性高分子膜層10及び触媒化合物の効果を確実に得ることができる。
該金属層の厚みは、集電体として機能できる電導度を保持できることが求められるが、その材料により必要な膜厚は異なり、また、用いる色素増感型太陽電池の形状に応じて変更できるため特には限定されない。一般的には5nm以上が好ましく、より好ましくは1μm以上である。
金属層9は、集電体として機能するものである。その材料は、導電性を有する金属であれば好適に使用できるが、利便性とコスト性の面で優れた、鉄、ニッケル、クロム、モリブデン、チタン、アルミニウムの中から選ばれた少なくとも1種の金属、もしくはそれらの合金、もしくはステンレス鋼であることが望ましい。
また、その形状は触媒電極として用いる色素増感太陽電池の形状に応じて変更することができるため特には限定されず、任意の形状・厚みで形成することができる。
また、その形成方法としては特には限定されず、基体8上にスパッタする方法や、金属板や金属箔を貼り合せるなどの既存の方法を行なうことができる。また、図2に例示するように、基体8は省略することもできる。
また、該金属層9上に下記導電性高分子膜層10を形成させる前に、基体とともにプレス加工などの曲げ加工により、目的とする成型を行なうことによって、複雑な形状でも、該導電性高分子膜層10および該導電性高分子膜層10に含有される触媒化合物を損傷することなく、該導電性高分子膜層10及び触媒化合物の効果を確実に得ることができる。
該金属層の厚みは、集電体として機能できる電導度を保持できることが求められるが、その材料により必要な膜厚は異なり、また、用いる色素増感型太陽電池の形状に応じて変更できるため特には限定されない。一般的には5nm以上が好ましく、より好ましくは1μm以上である。
[触媒電極−導電性高分子膜層]
導電性高分子膜層10としては、芳香族化合物の重合体であり、導電性を有していれば特に限定はされず、単一物質でも、複数の芳香族化合物の共重合体でも構わないが、金属層表面に酸化被膜を形成しやすくするため、また、一般的に酸化還元対として使用され、腐食の原因となるヨウ化物アニオンをドーパントとして取り込むことで耐食性を向上できるため、酸化重合により形成されるp型の導電性高分子であることが望ましい。具体的には、ピロール、アニリン、チオフェン、もしくは、それらの誘導体の中から、少なくとも1種類以上のモノマーを重合してなる導電性高分子を好適に利用できる。また、基体との密着性が高くなるよう、置換基を導入したモノマーが好適に利用でき、前記ピロール誘導体としては、3−メチルピロール、3−ブチルピロール、3−オクチルピロール、前記チオフェン誘導体としては、3−メチルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、または3,4−エチレジオキシチオフェン、また、前記アニリン誘導体としては、アニシジン、フェネチジン、トルイジン、フェニレンジアミン、ヒドロキシアニリン、N−メチルアニリン、トリフルオロメタンアニリン、ニトロアニリン、シアノアニリン、またはハロゲン化アニリンからなる群から選ばれる少なくとも1種類であることが好ましい。
他の芳香族化合物としては、例えば、フラン、セレノフェン、イソチアナフテン、ピリジンなどの複素芳香環化合物、ベンゼンや、ナフタレン、アントラセン、ピレンなどの縮合芳香環化合物、また、アセチレンや、上記芳香族化合物とアセチレンによるビニレン系重合体、さらには、フタロシアニンなどの大環状共役化合物、また、アニリンの窒素原子を硫黄原子、酸素原子で置換したパラフェニレンスルフィド、パラフェニレンオキシド構造を有する芳香族化合物等から選択することもできる。
また、密着性、耐久性を向上させるため、絶縁性の高分子を上記モノマーからなる導電性高分子と混合して使用することができる。前記絶縁性高分子としては、使用する電解液により分解反応などが起きなければ特に限定はされず、例えばポリエチレンテレフタラートやポリエチレンナフタレート、ポリエステルなどが使用できる。
前記導電性高分子は未ドープ状態でも構わないが、導電性や耐久性を向上させるため、ドーパントを添加することができる。
導電性高分子膜層10としては、芳香族化合物の重合体であり、導電性を有していれば特に限定はされず、単一物質でも、複数の芳香族化合物の共重合体でも構わないが、金属層表面に酸化被膜を形成しやすくするため、また、一般的に酸化還元対として使用され、腐食の原因となるヨウ化物アニオンをドーパントとして取り込むことで耐食性を向上できるため、酸化重合により形成されるp型の導電性高分子であることが望ましい。具体的には、ピロール、アニリン、チオフェン、もしくは、それらの誘導体の中から、少なくとも1種類以上のモノマーを重合してなる導電性高分子を好適に利用できる。また、基体との密着性が高くなるよう、置換基を導入したモノマーが好適に利用でき、前記ピロール誘導体としては、3−メチルピロール、3−ブチルピロール、3−オクチルピロール、前記チオフェン誘導体としては、3−メチルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、または3,4−エチレジオキシチオフェン、また、前記アニリン誘導体としては、アニシジン、フェネチジン、トルイジン、フェニレンジアミン、ヒドロキシアニリン、N−メチルアニリン、トリフルオロメタンアニリン、ニトロアニリン、シアノアニリン、またはハロゲン化アニリンからなる群から選ばれる少なくとも1種類であることが好ましい。
他の芳香族化合物としては、例えば、フラン、セレノフェン、イソチアナフテン、ピリジンなどの複素芳香環化合物、ベンゼンや、ナフタレン、アントラセン、ピレンなどの縮合芳香環化合物、また、アセチレンや、上記芳香族化合物とアセチレンによるビニレン系重合体、さらには、フタロシアニンなどの大環状共役化合物、また、アニリンの窒素原子を硫黄原子、酸素原子で置換したパラフェニレンスルフィド、パラフェニレンオキシド構造を有する芳香族化合物等から選択することもできる。
また、密着性、耐久性を向上させるため、絶縁性の高分子を上記モノマーからなる導電性高分子と混合して使用することができる。前記絶縁性高分子としては、使用する電解液により分解反応などが起きなければ特に限定はされず、例えばポリエチレンテレフタラートやポリエチレンナフタレート、ポリエステルなどが使用できる。
前記導電性高分子は未ドープ状態でも構わないが、導電性や耐久性を向上させるため、ドーパントを添加することができる。
前記ドーパントとしては、特に限定はされず、公知の材料が使用できるが、ヘキサフロロリン、ヘキサフロロヒ素、ヘキサフロロアンチモン、テトラフロロホウ素、過塩素酸等のハロゲン化物アニオン、ヨウ素、臭素、塩素等のハロゲンアニオン、ヘキサフロロリン、ヘキサフロロヒ素、ヘキサフロロアンチモン、テトラフロロホウ素、過塩素酸等のハロゲン化物アニオン、メタンスルホン酸、ドデシルスルホン酸等のアルキル基置換有機スルホン酸アニオン、カンファースルホン酸等の環状スルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸等のアルキル基置換または無置換のベンゼンモノまたはジスルホン酸アニオン、2−ナフタレンスルホン酸、1,7−ナフタレンジスルホン酸等のスルホン酸基1〜3を置換させたナフタレンスルホン酸のアルキル基置換または無置換アニオン、アントラセンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、アルキルビフェニルスルホン酸、ビフェニルジスルホン酸等のアルキル基置換または無置換のビフェニルスルホン酸イオン、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化ポリエーテル、スルホン化ポリエステル、スルホン化ポリイミド、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合体等の高分子スルホン酸アニオン、置換または無置換の芳香族スルホン酸アニオン、ビスサルチレートホウ素、ビスカテコレートホウ素等のホウ素化合物アニオン、あるいはモリブドリン酸、タングストリン酸、タングストモリブドリン酸等のヘテロポリ酸アニオン、また、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等のビス(パーフルオロアルカンスホニル)イミドアニオンが挙げられ、少なくとも1種が用いられる。
ドーパントの脱離を抑制するため、無機アニオンよりも有機酸アニオンであることが望ましく、熱分解などが起きにくいことが望ましい。また、基体8への密着性を向上させるために、前記ドーパントのうちポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、スルホン化ポリエステル、スルホン化ポリエーテル、スルホン化ポリイミドなどの高分子スルホン酸アニオンを用いることが望ましい。
該導電性高分子膜層の製造方法としては、特に限定はされないが、電解重合法もしくは化学重合法が好適に利用できる。化学重合法は、酸化剤を用いて芳香族化合物を酸化重合させる方法である。
前記化学重合法を行なう場合、芳香族化合物を含有する溶液中で酸化剤と作用させると、得られる高分子は粒子状もしくは塊状の形態になってしまい、求めるような電極形状に成型することは困難である。したがって、基体を芳香族化合物もしくは酸化剤のどちらかを含む溶液に浸漬、もしくは該溶液を塗布した後、続いてもう一方の成分を溶解させた溶液に浸漬もしくは塗布するなど、金属層9の表面にて重合が進行するようにし、該金属層上に導電性高分子膜層を形成させることが望ましい。
化学重合法に用いられる酸化剤としては、ヨウ素、臭素、ヨウ化臭素、二酸化塩素、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、亜塩素酸等のハロゲン化物、五フッ化アンチモン、五塩化リン、五フッ化リン、塩化アルミニウム、塩化モリブデン等の金属ハロゲン化物、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、無水クロム酸、第二鉄塩、第二銅塩等の高原子価金属塩、硫酸、硝酸、トリフルオロメタン硫酸等のプロトン酸、三酸化硫黄、二酸化窒素等の酸素化合物、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過ホウ酸ナトリウム等のペルオキソ酸またはその塩、あるいはモリブドリン酸、タングストリン酸、タングストモリブドリン酸等のヘテロポリ酸またはその塩があげられ、少なくとも1種が用いられる。
また、前記酸化剤のうち高原子価金属塩を用いる場合、前記ドーパントアニオンをカウンターアニオンとした塩を用いれば余計な不純物を混入することがなく、またドーパントがドープされた状態で高分子層を形成させることができより望ましい。
一方、電解重合法は、前記芳香族化合物および支持電解質を含む溶液中で電解酸化を行なうことにより金属などの電極上に導電性高分子の膜を形成する方法である。したがって、その合成方法も簡便であり、電極材料の作製方法として好適に利用できる。さらに、電解酸化を行なうことにより、前記金属層9と生成する導電性高分子膜10との界面に酸化被膜が形成され、より耐食性が向上するため、好適に利用できる。
電解重合液に使用する溶媒としては、芳香族化合物を溶解でき、芳香族化合物の電解重合電位においても、安定していれば特に限定はされないが、例えば、水、アセトニトリルなどのニトリル類、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、プロピレンカーボネートなどのカーボネート類、テトラヒドロフランなどを用いることができる。またこれらは単独、もしくは2種以上の混合溶媒として用いることも出来る。前記のうち、ある程度の極性を有した有機溶媒、例えば、アセトニトリル、メタノール、プロピレンカーボネート、テトラヒドロフランなどが好適に利用できる。さらに、前記ドーパントを添加する場合は、ドーパントも溶解できることが望ましい。
本発明における電解重合条件としては、予め上記芳香族化合物を溶解させた電解重合液中に、前記集電体を浸漬させ、同じ電解溶液中に設置した対向電極との間に任意の電圧を印加することで重合を進行させる。このときの芳香族化合物濃度としては、用いる芳香族化合物により最適値が異なるため特には限定されないが、一般的に0.01mol/L〜50mol/Lの範囲が望ましい、特に0.1mol/L〜5mol/Lの範囲がより望ましい。さらに、ドーパントを共存させる場合のドーパントの濃度としては、用いる芳香族化合物とドーパントの組合せにより最適値が異なるため、特には限定されないが、芳香族化合物濃度に対して1/10〜100倍の範囲が望ましく、特に1/3〜20倍の範囲がより望ましい。また、電解時においては、定電流電解でも、もしくは定電圧電解でも構わないが、電流密度としては、0.01mA/cm2〜100mA/cm2の範囲であることが望ましく、特に1mA/cm2〜10mA/cm2の範囲であることがより望ましい。
また、別途調製した導電性高分子を、溶融もしくは溶解させた溶液を用いて成膜する方法や、導電性高分子の粒体をペースト状、もしくはエマルジョン状、もしくは高分子溶液およびバインダーを含む混合物形態に処理した後に、該金属層9上へスクリーン印刷、スプレー塗布、刷毛塗りなどにより形成させる方法なども使用できる。また、予め別途膜状に作成した導電性高分子膜層を、金属層9に貼り合せる方法も可能である。
また、該導電性高分子膜層10の厚みは、耐食性を高め、かつ金属層9の高導電性を利用できるよう0.01μm〜50μmが望ましい。より好適には、0.1μm〜20μmであることが望ましい。また、該導電性高分子層の電気電導度が、1×10−9S/cm以上であることが望ましい。
[触媒電極−触媒化合物]
本発明の触媒電極には、場合により前記導電性高分子膜層10に触媒化合物を含有させることができる。このような触媒としては、電解質層6中に含まれる酸化還元対の酸化体を還元することができれば特に限定はされず、既知の物質を使用でき、例えば、金属、導電性炭素材料、または有機金属錯体などを用いることができる。このとき、金属としては、白金やパラジウム、ルテニウム、ロジウムなどの遷移金属が好適に利用できる。金属の担持方法としては既知の方法により作製できる。例えば、スパッタや蒸着、電析や熱分解法などが用いることができる。
本発明の触媒電極には、場合により前記導電性高分子膜層10に触媒化合物を含有させることができる。このような触媒としては、電解質層6中に含まれる酸化還元対の酸化体を還元することができれば特に限定はされず、既知の物質を使用でき、例えば、金属、導電性炭素材料、または有機金属錯体などを用いることができる。このとき、金属としては、白金やパラジウム、ルテニウム、ロジウムなどの遷移金属が好適に利用できる。金属の担持方法としては既知の方法により作製できる。例えば、スパッタや蒸着、電析や熱分解法などが用いることができる。
導電性炭素材料としては既知の炭素材料を使用することができるが、カーボンナノチューブやカーボンブラック、活性炭などが望ましい。炭素材料の担持方法としては、フッ素系のバインダーなどを用いたペーストを塗布・乾燥する方法など、既知の方法を用いることができる。
有機金属錯体としてはポルフィリンやフタロシアニン錯体が好適に利用できる。該金属錯体の担持方法としては、既知の方法を用いることができる。例えば、該有機金属錯体をペースト状、もしくはエマルジョン状、もしくは高分子溶液およびバインダーを含む混合物形態に処理した後に、該導電性高分子膜層10上へスクリーン印刷、スプレー塗布、刷毛塗りなどにより形成させる方法や、単に該有機金属錯体を溶解させた溶液から成膜する方法などが挙げられる。
また、上記のような触媒化合物を導電性高分子膜層10の形成時に混入させることで、その表面に含有させることもできる。
また、上記のような触媒化合物を導電性高分子膜層10の形成時に混入させることで、その表面に含有させることもできる。
また、導電性高分子を触媒化合物として利用することもできる。このとき、前記導電性高分子膜層10にて触媒化合物層を兼ねることができるが、酸化還元対の酸化体を還元する還元反応をより効率よく行なえるよう、下記のように、触媒化合物層部分は大きな表面積を持たせることが望ましい。一方で本発明における導電性高分子膜層10は耐食性を発現させるため、緻密に形成されることが望ましい。したがって、導電性高分子を触媒化合物として利用するためには、導電性高分子膜層10とは別途形成することが望ましい。
このような理由で、金属層上に形成する導電性高分子膜層は、緻密に形成されてなる導電性高分子膜層と、該導電性高分子層上に、電極の作用部分として形成された多孔質導電性高分子膜層とが少なくとも含まれることが好ましい。
このような理由で、金属層上に形成する導電性高分子膜層は、緻密に形成されてなる導電性高分子膜層と、該導電性高分子層上に、電極の作用部分として形成された多孔質導電性高分子膜層とが少なくとも含まれることが好ましい。
緻密に形成されてなる導電性高分子膜層として具体的には、電解重合によって形成されたポリピロール膜や、可溶性ポリアニリン溶液を塗布・乾燥することによって得られるポリアニリン膜を例示することができる。
また、多孔質導電性高分子膜層として具体的には、電解重合によって形成したポリアニリンを例示することができる。
また、多孔質導電性高分子膜層として具体的には、電解重合によって形成したポリアニリンを例示することができる。
[触媒電極形状]
触媒電極表面の形態としては、酸化還元対の酸化体を効率よく還元できるように、比表面積が大きいことが望ましい。一方、上述のように、導電性高分子膜層は緻密に形成されることが望ましい。したがって、該触媒電極表面の比表面積を大きくする方法としては、含有させる触媒化合物自体の表面積を大きくする、もしくは基体8又は金属層9の比表面積を大きくする方法が挙げられる。
触媒電極表面の形態としては、酸化還元対の酸化体を効率よく還元できるように、比表面積が大きいことが望ましい。一方、上述のように、導電性高分子膜層は緻密に形成されることが望ましい。したがって、該触媒電極表面の比表面積を大きくする方法としては、含有させる触媒化合物自体の表面積を大きくする、もしくは基体8又は金属層9の比表面積を大きくする方法が挙げられる。
前記の触媒化合物自体の表面積を大きくする方法としては、特には限定されないが、例えば、触媒化合物粉末をペースト状などの形態で該導電性高分子膜層10上に塗布・乾燥させることで多孔質化するなどの方法を行なうことができる。
また、基体の比表面積を広げる方法としては、金属層形成前に予め表面積の大きな基材を使用すればよく、金属層の比表面積を広げる方法としては、例えば電導度が低下しないように、もしくは、求められる電導度を満たすようにした上で、酸で処理するなどの方法をとることができる。
以上説明したような各構成要素材料を準備した後、従来公知の方法で金属酸化物半導体電極と触媒電極とを電解質を介して対向させるように組み上げ、色素増感型太陽電池を完成させる。
以下、本発明を実施例に基づいて、より詳細に説明するが、本発明はこれらによりなんら限定されるものではない。
実施例1
[多孔質金属酸化物半導体]
FTOガラス(日本板ガラス製25mm×50mm)の表面に二酸化チタンペースト(Soralonix社製)をバーコーターで塗布し、乾燥後450℃で30分焼成してそのまま室温となるまで放置し、10μmの厚さの多孔質酸化チタン半導体電極を形成した。さらに、得られた半導体電極の酸化チタン投影面積が25mm2になるよう、半導体層を研削した。
[多孔質金属酸化物半導体]
FTOガラス(日本板ガラス製25mm×50mm)の表面に二酸化チタンペースト(Soralonix社製)をバーコーターで塗布し、乾燥後450℃で30分焼成してそのまま室温となるまで放置し、10μmの厚さの多孔質酸化チタン半導体電極を形成した。さらに、得られた半導体電極の酸化チタン投影面積が25mm2になるよう、半導体層を研削した。
[増感色素の吸着]
増感色素として、一般にN3dyeと呼ばれるビス(4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジン)ジイソチオシアネートルテニウム錯体を使用した。一旦150℃まで加熱した前記多孔質酸化チタン半導体電極を色素濃度0.5mmol/Lのエタノール溶液中に浸漬し、遮光下1晩静置した。その後エタノールにて余分な色素を洗浄してから風乾することで太陽電池の半導体電極を作製した。
増感色素として、一般にN3dyeと呼ばれるビス(4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジン)ジイソチオシアネートルテニウム錯体を使用した。一旦150℃まで加熱した前記多孔質酸化チタン半導体電極を色素濃度0.5mmol/Lのエタノール溶液中に浸漬し、遮光下1晩静置した。その後エタノールにて余分な色素を洗浄してから風乾することで太陽電池の半導体電極を作製した。
[触媒電極の作製]
氷浴させたアニリン濃度0.1mol/Lの硫酸水溶液に過硫酸アンモニウムを滴下してアニリンを重合させ、ポリアニリン粒子を得た。得られたポリアニリン粒子にアンモニア水を作用させてドーパントの脱離処理を行ない、脱ドープ状態のポリアニリン粒子を得た。該脱ドープ状態のポリアニリン粒子を、N−メチルピロリドン(以下、「NMP」と略記する。)にポリアニリンが5wt%となるよう溶解させ、ポリアニリン/NMP溶液を得た。
氷浴させたアニリン濃度0.1mol/Lの硫酸水溶液に過硫酸アンモニウムを滴下してアニリンを重合させ、ポリアニリン粒子を得た。得られたポリアニリン粒子にアンモニア水を作用させてドーパントの脱離処理を行ない、脱ドープ状態のポリアニリン粒子を得た。該脱ドープ状態のポリアニリン粒子を、N−メチルピロリドン(以下、「NMP」と略記する。)にポリアニリンが5wt%となるよう溶解させ、ポリアニリン/NMP溶液を得た。
アセトン中で超音波洗浄を行ない、脱脂したステンレス板を金属基体とした。前記ポリアニリン/NMP溶液に浸漬してから引き上げ、空気中150℃で1時間加熱乾燥させて緻密なポリアニリン被覆ステンレス板を得た。
得られたポリアニリン被覆ステンレス板を、アニリン0.1mol/Lとp−トルエンスルホン酸1mol/Lを含有する水溶液中に浸漬させることにより、不導体であった該ポリアニリン被膜にドープ処理を施した。
さらに、前記ドープ処理を施したポリアニリン被覆ステンレス板を作用極として、前記アニリン0.1mol/Lとp−トルエンスルホン酸1mol/Lを含有する水溶液中でアニリンの電解重合を行なった。
対極は白金を使用し、1.2Vの定電位重合とした。電解重合後は、蒸留水で洗浄し、空気中100℃で15分間乾燥させることで、触媒電極を得た。該触媒電極を走査電子顕微鏡にて電解重合部分の表面観察を行なった結果、多孔質状態であることを確認した。
対極は白金を使用し、1.2Vの定電位重合とした。電解重合後は、蒸留水で洗浄し、空気中100℃で15分間乾燥させることで、触媒電極を得た。該触媒電極を走査電子顕微鏡にて電解重合部分の表面観察を行なった結果、多孔質状態であることを確認した。
[太陽電池セルの組み立て]
前記のように作製した半導体電極と触媒電極を対向するよう設置し、電解質を毛管現象にて両電極間に含浸させた。電解質としては、溶媒をメトキシアセトニル、還元剤としてヨウ化リチウム、酸化剤としてヨウ素、添加剤としてt−ブチルピリジン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイドを含む溶液を用いた。
前記のように作製した半導体電極と触媒電極を対向するよう設置し、電解質を毛管現象にて両電極間に含浸させた。電解質としては、溶媒をメトキシアセトニル、還元剤としてヨウ化リチウム、酸化剤としてヨウ素、添加剤としてt−ブチルピリジン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイドを含む溶液を用いた。
[太陽電池セルの光電変換特性の測定]
前記の太陽電池セルについて、光量100mW/cm2の擬似太陽光を照射して開路電圧(以下、「Voc」と略記する。)、短絡電流密度(以下、「Jsc」と略記する。)、形状因子(以下、「FF」と略記する。)、および光電変換効率を評価したところ、以下の結果を得た。なお、「Voc」、「Jsc」、「FF」及び光電変換効率の各測定値については、より大きい値が太陽電池セルの性能として好ましいことを表す。
前記の太陽電池セルについて、光量100mW/cm2の擬似太陽光を照射して開路電圧(以下、「Voc」と略記する。)、短絡電流密度(以下、「Jsc」と略記する。)、形状因子(以下、「FF」と略記する。)、および光電変換効率を評価したところ、以下の結果を得た。なお、「Voc」、「Jsc」、「FF」及び光電変換効率の各測定値については、より大きい値が太陽電池セルの性能として好ましいことを表す。
[太陽電池の耐久性試験]
前記触媒電極の導電性高分子膜層及び触媒化合物層のない金属基体裏面を、シリコン樹脂にて被覆処理を施した上で、適当な容器中に満たしたヨウ素0.1mol/Lおよびヨウ化リチウム0.05mol/Lを含むアセトニトリル溶液中に浸漬し、該容器を密封して室温・暗所に放置した。一定時間毎に該ヨウ素溶液から取り出し、アセトニトリルで洗浄・風乾した後に前記手法にて短絡電流値の変化率を測定した。
前記触媒電極の導電性高分子膜層及び触媒化合物層のない金属基体裏面を、シリコン樹脂にて被覆処理を施した上で、適当な容器中に満たしたヨウ素0.1mol/Lおよびヨウ化リチウム0.05mol/Lを含むアセトニトリル溶液中に浸漬し、該容器を密封して室温・暗所に放置した。一定時間毎に該ヨウ素溶液から取り出し、アセトニトリルで洗浄・風乾した後に前記手法にて短絡電流値の変化率を測定した。
[実施例1の測定結果]
開放電圧(Voc):0.65V
短絡電流(Jsc):10.3mA/cm2
形状因子(FF):0.76
光電変換効率:5.1%
500時間後の短絡電流値変化率 : 82%
1000時間後の短絡電流値変化率:78%
開放電圧(Voc):0.65V
短絡電流(Jsc):10.3mA/cm2
形状因子(FF):0.76
光電変換効率:5.1%
500時間後の短絡電流値変化率 : 82%
1000時間後の短絡電流値変化率:78%
実施例2
金属基体としてチタン基体を用い、多孔質となるよう塩酸処理を施した後、十分に水洗してから100℃で乾燥させた。該塩酸処理済み金属基体を表面SEM観察したところ、多孔質となっていることを確認した。
金属基体としてチタン基体を用い、多孔質となるよう塩酸処理を施した後、十分に水洗してから100℃で乾燥させた。該塩酸処理済み金属基体を表面SEM観察したところ、多孔質となっていることを確認した。
塩酸処理済みの金属基体を、ピロール0.1mol/Lおよび、ポリビニルスルホン酸を溶解させた水溶液中に含浸させた後、1mA/cm2の定電流にて1分間電解重合を行ない、緻密な導電性高分子層を形成させた。生成した黒色のポリピロール膜を洗浄し、100℃で15分乾燥させた。
得られたポリピロール膜付き金属基体を実施例1と同様にSEM観察を行なったところ、下地の金属基体の多孔質を反映し、同様の多孔質となっていることを確認した。
さらに、[Pt(NH3)4]Cl2・nH2Oを含有する硫酸水溶液中において、前記ポリピロール被覆金属基体を作用極、白金板を対極としてサイクリックボルタモグラムを行ない、白金を該金属基体のポリピロール表面に析出・分散担持させ、触媒電極を得た。得られた該触媒電極表面の白金粒子の粒径は5〜10nmであった。
得られた触媒電極を、触媒電極の作製方法、および半導体電極のサイズを10cm×10cmとした以外は実施例1と同様に太陽電池セルを作製し、評価した。
[実施例2の測定結果]
開放電圧(Voc):0.74V
短絡電流密度(Jsc):11.0mA/cm2
形状因子(FF):0.65
光電変換効率:5.3%
500時間後短絡電流変化率:92%
1000時間後短絡電流変化率:88%
開放電圧(Voc):0.74V
短絡電流密度(Jsc):11.0mA/cm2
形状因子(FF):0.65
光電変換効率:5.3%
500時間後短絡電流変化率:92%
1000時間後短絡電流変化率:88%
比較例1
金属基体としてステンレス基体を用い、多孔質となるよう塩酸処理を施した後、十分に水洗してから100℃で乾燥させた。該塩酸処理済み金属基体を表面SEM観察したところ、多孔質となっていることを確認した。
金属基体としてステンレス基体を用い、多孔質となるよう塩酸処理を施した後、十分に水洗してから100℃で乾燥させた。該塩酸処理済み金属基体を表面SEM観察したところ、多孔質となっていることを確認した。
塩酸処理済みの金属基体を、[Pt(NH3)4]Cl2・nH2Oを含有する水溶液中に浸漬させることで、白金を析出させた。
得られた触媒電極を、触媒電極の作製方法以外は実施例1と同様に太陽電池セルを作製し、評価した。
[比較例1の測定結果]
開放電圧(Voc):0.62V
短絡電流密度(Jsc):10.9mA/cm2
形状因子(FF):0.73
光電変換効率:4.9%
500時間後短絡電流変化率:35%
1000時間後短絡電流変化率:2%
開放電圧(Voc):0.62V
短絡電流密度(Jsc):10.9mA/cm2
形状因子(FF):0.73
光電変換効率:4.9%
500時間後短絡電流変化率:35%
1000時間後短絡電流変化率:2%
比較例2
触媒電極の作製方法について、電極機体をFTOガラスとし、さらにポリピロール層を形成させる以外は実施例2と同様に太陽電池セルを作製し、評価した。
触媒電極の作製方法について、電極機体をFTOガラスとし、さらにポリピロール層を形成させる以外は実施例2と同様に太陽電池セルを作製し、評価した。
[比較例2の測定結果]
開放電圧(Voc):0.70V
短絡電流密度(Jsc):6.5mA/cm2
形状因子(FF):0.32
光電変換効率:1.5%
500時間後短絡電流変化率:103%
1000時間後短絡電流変化率:97%
開放電圧(Voc):0.70V
短絡電流密度(Jsc):6.5mA/cm2
形状因子(FF):0.32
光電変換効率:1.5%
500時間後短絡電流変化率:103%
1000時間後短絡電流変化率:97%
以上の結果から、本発明の触媒電極を備えた色素増感型太陽電池が優れた性能を有していることを示している。
1 電極基体
2 透明基体
3 透明導電膜
4 多孔質金属酸化物半導体層
5 増感色素層
6 電解質層
7 触媒電極
8 基体
9 金属層
10 導電性高分子膜層
2 透明基体
3 透明導電膜
4 多孔質金属酸化物半導体層
5 増感色素層
6 電解質層
7 触媒電極
8 基体
9 金属層
10 導電性高分子膜層
Claims (12)
- 光増感作用を有する色素を含む光透過性の半導体電極と、酸化還元対となる化学種を含む電解質層とを有する色素増感型太陽電池において、前記電解質層を介して前記半導体電極に対向配置される触媒電極であって、
該触媒電極が、金属層及び該金属層上に形成された導電性高分子膜層を少なくとも含むことを特徴とする触媒電極。 - 前記金属層上に形成された導電性高分子膜層が、
緻密に形成されてなる導電性高分子膜層と、該導電性高分子層上に、電極の作用部分として形成された多孔質導電性高分子膜層とを少なくとも含むことを特徴とする請求項1に記載の触媒電極。 - 前記導電性高分子膜層を形成する導電性高分子材料が、芳香族化合物の重合体であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の触媒電極。
- 前記芳香族化合物がピロール、3−メチルピロール、3−ブチルピロール、3−オクチルピロールからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4記載の触媒電極。
- 前記芳香族化合物がチオフェン、3−メチルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、または3,4−エチレンジオキシチオフェンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項6記載の触媒電極。
- 前記芳香族化合物が、下記一般式(3)又は(4)で表される芳香族アミン化合物であることを特徴とする請求項3に記載の触媒電極。
- 前記芳香族化合物が、アニリン、アニシジン、フェネチジン、トルイジン、フェニレンジアミン、ヒドロキシアニリン、N−メチルアニリンからなる群から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項8に記載の触媒電極。
- 前記芳香族化合物が、トリフルオロメタンアニリン、ニトロアニリン、シアノアニリン、またはハロゲン化アニリンからなる群から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項8に記載の触媒電極。
- 前記導電性高分子層に触媒化合物を含有していることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の触媒電極。
- 光増感作用を有する色素を含む光透過性の半導体電極と、酸化還元対となる化学種を少なくとも含む電解質層と、前記電解質層を介して前記半導体電極に対向配置される対極とを有する色素増感型太陽電池であって、
該対極が、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の触媒電極であることを特徴とする色素増感型太陽電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005140482A JP2006318771A (ja) | 2005-05-13 | 2005-05-13 | 色素増感型太陽電池の触媒電極、及びそれを備えた色素増感型太陽電池 |
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ID=37539255
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011060595A (ja) * | 2009-09-10 | 2011-03-24 | Dainippon Printing Co Ltd | 色素増感型太陽電池用対極基板、色素増感型太陽電池素子、および色素増感型太陽電池モジュール |
WO2013118709A1 (ja) * | 2012-02-08 | 2013-08-15 | 富士フイルム株式会社 | 光電変換素子およびその製造方法、これを用いた色素増感太陽電池 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006085574A1 (ja) * | 2005-02-10 | 2006-08-17 | Japan Carlit Co., Ltd. | 色素増感型太陽電池用の触媒電極、及びそれを備えた色素増感型太陽電池 |
-
2005
- 2005-05-13 JP JP2005140482A patent/JP2006318771A/ja active Pending
Patent Citations (1)
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