図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。始動口62は、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62の拡開機構を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動口62の拡開機構が拡開されたとき、始動口62の開口幅が拡がって入球容易性が向上する。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。
大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66はアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。ここで、特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が停止されたときの図柄態様が当たりと定められた図柄であった場合、その停止図柄が表示されたタイミングが大当たり発生タイミングとなる。
特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段である。演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、ドラムなどの機械式回転装置やLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は始動口62の拡開機構を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が停止すると、通常、50%から80%程度の確率で始動口62が所定時間拡開する。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、特別図柄表示装置61および演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。演出表示装置60の下方には、抽選保留ランプ20が設けられ、その対称的な位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に作動保留ランプ22が設けられている。抽選保留ランプ20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。作動保留ランプ22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。さらに演出表示装置60の上方および下方には、それぞれ遊技効果ランプ90が設けられている。
操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作する操作入力装置としてのボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。操作ボタン82は、遊技者が所定の予告演出をキャンセルする際にも操作されるが、その詳細については後述する。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当たりを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。特別遊技において、大入賞口66は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口66の開閉が所定回数、例えば15回繰り返される。
特別遊技が終了した後の通常遊技においては特定遊技の一つである変動時間短縮遊技(以下、適宜「時短」という)が開始される。変動時間短縮遊技においては、特別図柄および装飾図柄の変動時間が通常より短縮される。特別図柄および装飾図柄の変動時間は、所定の変動回数の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻される。特別遊技が発生した場合であってそのときの当たり停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)がさらに開始される。確率変動遊技においては、通常の確率状態より当たりの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や複数の可動役物140の動作、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90、可動役物140のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や可動役物140、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134、役物制御手段136を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、始動口62への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を当否抽選値として取得する。例えば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。当否抽選手段112は、通常時には通常確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確率変動時には通常確率より当たりの確率が高くなる当否テーブルを参照する。当否抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当たりであるか否かを判定する。当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄の形で変動表示される。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。
図柄決定手段114は、特別図柄表示装置61に表示させる特別図柄の停止図柄と変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。また、図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を抽選により決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。図柄決定手段114は、特別図柄や普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターン決定テーブルを保持する。
図柄決定手段114は、特別図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、当否抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。図柄決定手段114は、当否抽選手段112による当否判定結果に応じて複数の変動パターンからいずれかのパターンを選択する。図柄決定手段114は、決定した停止図柄および変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118および演出決定手段132へ送出する。
図柄決定手段114は、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められた複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。
図柄決定手段114は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための抽選乱数を取得し、その抽選乱数に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。普通図柄の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段124が始動口62の普通電動役物を所定時間拡開する。
保留制御手段116は、当否抽選手段112により取得された当否抽選値を保留球として保持する。当否抽選値は、その保留数が所定の上限に達するまで蓄積される。保留数の上限は4である。
メイン表示制御手段118は、当否抽選手段112による抽選の結果を、図柄決定手段114により決定された変動パターンにしたがって特別図柄の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。メイン表示制御手段118は、特別図柄の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信することにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄の変動を普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選結果が当たりであった場合に、特別遊技の実行処理を制御する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした1回または複数回の単位遊技で構成される。単位遊技は例えば15回を上限として繰り返され、1回の単位遊技において大入賞口66を約30秒間開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数が上限回数に達していなければ、現在の単位遊技の終了後に次の単位遊技を開始させる。単位遊技の上限回数を消化した場合には、特別遊技を終了させる。
特定遊技実行手段122は、遊技状態を通常状態から特定遊技状態へ移行させる制御と、特定遊技状態から通常状態へ戻す制御を実行する。本実施例における特定遊技には、当否抽選の当選確率を通常確率の状態から高確率の状態へ切り替える確変と、図柄変動時間を通常時間より短時間へ切り替える時短とがある。
特定遊技実行手段122は、当否抽選値が確変状態へ移行すべき値であった場合に、特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させる。確変状態は原則として次の大当たりが発生するまで続行され、その間は当否抽選手段112による当たり判定の確率が高い値のまま維持される。また、特定遊技実行手段122は、当否抽選値の如何に関わらず、特別遊技後に遊技状態を時短の状態へ移行させる。時短は、特別遊技後の特別図柄の変動回数が所定回数、例えば100回に至るまで継続される。
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
パターン記憶手段130は、演出画像記憶手段として機能し、装飾図柄190を含む演出画像の変動パターンとして変動表示における変動開始から停止までの変動過程が定められた複数の変動パターンデータを保持する。変動パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。
装飾図柄190の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば当否抽選手段112による判定結果が特別遊技への移行を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄190として揃える数字には、特別図柄192と同じ数字が選ばれるのが好ましい。例えば、特別図柄192が「3」の場合は装飾図柄190が「333」となる。当否抽選手段112による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄192の変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せが選択される。
パターン記憶手段130は、また、予告演出記憶手段としても機能し、当否抽選の結果が当たりである期待度(「当たり期待度」ともいう)を予告的に示唆する予告演出を構成する複数の予告候補を保持する。本実施例の予告候補には、当たり期待度を段階的に示唆するいわゆるステップアップ予告、所定のキャラクタの大群を表示させて当たり期待度を示唆する群予告、いわゆる滑り予告など図柄の変動態様を通常とは異なる態様で表示させることにより通常よりも当たり期待度が高いことを示唆する特定変動予告、特定の写真や動画を差し込むカットイン予告など、様々な予告が保持されている。各予告候補は、演出画像の一部を構成する演出パターンデータとして保持され、図柄の変動表示に付加的に伴わせるように表示される。複数の予告候補の中には、先行して表示が決定された予告演出がキャンセルされた場合にのみ表示されるものも含まれる。
演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄の組合せとその配置および変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターンに応じて決定する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持し、特別図柄と変動時間が等しい変動パターンを選択する。
演出決定手段132は、また、予告決定手段としても機能し、選択した変動パターンに上述したいずれかの予告演出を伴わせるか否か、伴わせる場合にいずれの予告候補を表示させるかを決定する。ステップアップ予告を行う場合には、どの段階(ステップ)まで表示させるかについても決定する。演出決定手段132は、予告候補を決定するために参照すべきパターンテーブルを保持し、変動パターンの決定とともに予告演出の内容も決定する。複数の予告候補は、当否抽選の結果が当たりである場合の選択確率が異なるように設定されているため、当否抽選の結果に応じてどの予告候補が選択され易いかは変わる。本実施例では、出現頻度が低い予告候補ほど当たりのときに選択され易く、その当たり期待度が高くなるように設定されている。演出決定手段132は、決定した装飾図柄の停止図柄、変動パターンおよびの予告候補の情報を演出表示制御手段134へ送る。
演出表示制御手段134は、当否抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動パターンデータおよび演出パターンデータにしたがって演出表示装置60に演出画像を表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
役物制御手段136は、演出表示制御手段134から受け取る指示にしたがい、演出表示装置60における演出内容や遊技効果ランプ90の点滅過程に沿って、可動役物140を演出的に動作させる。
以下、本実施例における特徴的な機能および動作を説明する。
本実施例においては、当否抽選の結果に応じて遊技者の持ち点(ポイント)が0〜100ポイントの間で設定される。そのポイントは、当たり期待度の評価基準となる評価値を示すものであり、当否抽選の結果が当たりであれば高いポイントが設定され、外れであれば低いポイントが設定される。各予告候補には、それを表示させるために必要なポイント数が設定されている。ポイント数が高いほど当たり期待度の高い予告演出、つまり出現率の低いレアな予告演出が対応づけられている。ただし、本実施例のポイント数は予告演出を決定する内部処理のために設定されるものであり、遊技者に明示されるものではない。
本実施例では、図柄変動に合わせて特定の予告演出が表示される旨の決定があった場合、
これを遊技者に報知し、その予告候補をキャンセルする機会を与える。キャンセルされた予告候補はその表示決定が無効となるため、遊技者はその予告演出を見ることができなくなる。その代わり、キャンセルされた予告候補に設定されたポイント数の消化が留保される。したがって、決定された予告演出のキャンセルが繰り返されることにより未消化のポイント数が累積され、遊技者にはその累積値に応じた他の予告候補が表示されるチャンスが与えられる。つまり、提示された予告候補をキャンセルして遊技者がそれを見るのを我慢する対価として、それより当たり期待度の高い予告演出やレアな予告演出を見る可能性が高められることになる。ただし、当初取得したポイント数が少なければ、キャンセルを繰り返したとしてもレアな予告演出は見られないことは言うまでもない。
図4は、演出表示装置に表示される画面例を表す図である。
演出表示装置60の画面200には、演出画像の表示領域が設定されている。予告演出を伴わない遊技状態においては、同図(a)のように画面200の中央に装飾図柄190が比較的大きく変動表示される。
演出決定手段132により予告演出の内容が決定されると、同図(b)に示すように、その演出内容を報知するとともにそのキャンセル入力を促す選択画面が表示される。図示の例では、ステップアップ予告が選択されたため、そのステップ1が表示される予定である旨と、キャンセルする場合には操作ボタン82の操作を要求する内容が表示されている。また、キャンセルすることにより、出現確率の低いレアな演出が表示される可能性があることが示唆されている。なお、装飾図柄190については図示のように画面200の隅部に小さく変動表示させるようにしてもよい。
遊技者は、この選択画面を見ることでそのステップアップ予告を見るかどうかを判断する。例えば、そのステップアップが頻繁に出現するなど、それよりもレアな演出を見たいと判断した場合には、操作ボタン82を押圧し、ひとまずそのステップアップ予告をキャンセルする。このような遊技者による能動的なキャンセルが繰り返されるごとにポイントの消化が留保されるため、元々設定されたポイント数が大きい場合には、同図(c)に示されるようなレアな予告演出が表示される可能性が高くなる。同図には一例として、出現確率が低くて当たり期待度が高いプレミア演出が表示されている。
図5は、図柄決定手段が特別図柄の変動パターンを決定する際に用いるパターン決定テーブルのデータ構造図である。なお、同図に示すパターン決定テーブルは、説明を分かりやすくするために簡略化したものが示されている。実際には多種多様のものが存在するが、同図においてはその一部が概念的に表示されている。
図示のパターン決定テーブルは、図柄決定手段114が特図変動パターンを決定するときに参照するデータを示す。図柄決定手段114は、特別図柄の変動表示に先立って、パターン決定抽選値を「0〜255」の範囲から取得する。このパターン決定抽選値と当否抽選手段112による当否抽選の結果とに基づいて特別図柄の変動時間が決定される。各変動パターンには、これを識別する変動パターン番号「01」〜「06」が付けられている。例えば、当否抽選の結果が当たりであって図柄決定手段114が取得したパターン決定抽選値が「0〜15」の範囲にあるときには変動パターン「01」が選択され、特別図柄の変動時間は5秒となる。同様に、例えば当否抽選の結果が外れであってパターン決定抽選値が「51〜220」の範囲にあるときには変動パターン「05」が選択され、特別図柄の変動時間は30秒となる。基本的に、変動時間が長いほど、リーチ演出やその発展演出など多彩な演出を行うための時間を確保できる。また、当否抽選の結果が当たりの場合には、より信頼度の高い演出を行う必要があることから、当否抽選の結果が外れの場合よりも相対的に変動時間が長い変動パターンが選択される傾向にある。
図柄決定手段114は、このパターン決定テーブルを用いて変動パターンを決定するとともに、図示しない図柄範囲テーブルを用いて停止図柄を決定する。図柄決定手段114は、決定された変動パターンの変動パターン番号および停止図柄を示すデータを演出決定手段132へ送る。これを受けた演出決定手段132は、その停止図柄に対応する装飾図柄の停止図柄と、その変動パターン番号に対応する装飾図柄の変動パターンとを決定する。
図6は、演出決定手段が装飾図柄の変動パターンを決定する際に用いるパターンテーブルのデータ構造図である。なお、同図に示すパターンテーブルは、説明を分かりやすくするために簡略化したものが示されている。実際には多種多様のものが存在するが、同図においてはその一部が概念的に表示されている。
上述のように特別図柄の変動パターンが選択された後、その特別図柄の変動時間と装飾図柄の変動時間とが一致するように装飾図柄の変動パターンが選択される。なお、本実施例では、図5に示した特別図柄の変動パターン番号と図6に示す装飾図柄の変動パターン番号とが対応している。
すなわち、図6に示すパターンテーブルの変動パターンとその変動時間は、図5に示したパターン決定テーブルの変動パターン、変動時間に一致する。変動パターン「01」は、リーチ演出を伴わずに当たり図柄組合せを表示させるパターンである。この場合、装飾図柄を構成する3つの図柄が高速変動から揃って停止される。変動パターン「02」は、ノーマルリーチの演出を伴って当たり図柄組合せを表示させるパターンである。変動パターン「03」は、スーパーリーチの演出を伴って当たり図柄組合せを表示させるパターンである。スーパーリーチの演出は、背景の切り替わりや特定のキャラクタによるストーリーの演出を伴うため、ノーマルリーチの演出よりも変動時間がかなり長くなっている。一方、変動パターン「04」〜「06」は、その内容および変動時間がそれぞれ変動パターン「01」〜「03」と共通するが、最終的に外れ図柄組合せを表示させるパターンである。
図7は、演出決定手段が予告演出の演出パターンを決定する際に用いるパターンテーブルのデータ構造図である。なお、同図に示すパターンテーブルは、説明を分かりやすくするために簡略化したものが示されている。実際には多種多様のものが存在するが、同図においてはその一部が概念的に表示されている。
すなわち、図6に示したノーマルリーチやスーパーリーチなどの各変動パターンには、上述した予告演出を構成する複数の予告候補の組み合わせが所定の選択率で割り当てられる。各予告候補には上述したポイント数がそれぞれ設定されている。図示の例では、ステップアップ予告としてステップ1〜5の5段階からなるものが選択対象となっている。そのほか、装飾図柄190の最終停止図柄を擬似的に停止してから1図柄分ずらすような滑り予告、特殊な音声を伴うスペシャル調牌音予告、カットイン予告、群予告が選択対象となっている。さらに、出現頻度が特に低い予告演出としてレア演出1,2、および当たり期待度が相当高いプレミア演出1〜3なども選択対象となっている。
図中一点鎖線にて囲まれたステップアップ予告は、ステップが上がるごとにそのポイント数も高くなっているが、当否抽選の結果によってその段階まで表示されるかが決定される。最終ステップまで表示されると50ポイントが消化されるように設定されている。また、図中太い実線にて囲まれたレア演出2,プレミア演出2,3は特に出現率が低く期待度の高い予告演出となっており、ポイント数も高く設定されている。これらの予告演出は、そのポイント数が高いために、先行して決定された予告演出のキャンセルを繰り返さない限り、遊技者がこれを見ることができる可能性は低い。プレミア演出2,3については、ほぼ当たり確定を示すものであり、当否抽選の結果が当たりであり、かつキャンセル入力があった場合にのみ表示される予告候補となっている。
図8は、予告演出の演出パターンが決定されて表示されるまでの過程を例示するタイミングチャートである。
図示の例では、演出決定手段132が、当否抽選の結果に基づいてステップアップ予告、群予告、レア演出1、プレミア演出2、プレミア演出3、カットイン、滑り等の各予告候補を順に表示させる旨を決定している。ただし、これらの予告候補の中には、当否抽選の結果に基づき決定された変動パターンの変動時間や設定されたポイント数によっては表示できないものも含まれる。ここでは、当否抽選の結果が当たりであり、総ポイント数として100ポイントが設定された例が示されている。
ステップアップ予告の各段階および続く各予告候補の表示が開始される前には、図4に示したような選択画面が表示される。実際に表示される予告演出は、遊技者によるキャンセル入力があるか否かによって異なる内容となる。すなわち、遊技者がキャンセル入力を行わなかった場合、パターン1として示されるように、ステップアップ予告が最終ステップまで表示された後、群予告が表示される。これにより100ポイントが消化されるため、その図柄変動における予告演出は終了される。
仮にパターン2として示されるように、ステップアップ予告のステップ4がキャンセルされた場合、それ以降そのステップアップ予告は表示されないため、続く群予告を表示させるか否かの選択が促される。図示の例では、それ以降のキャンセル入力がなかったため、群予告、レア演出1、カットインが順次表示されている。すなわち、ステップアップ予告のステップ4,5に設定された合計40ポイントが持ち越されて残存するポイント数が90ポイントとなったため、群予告の表示で50ポイント、レア演出1の表示で20ポイントがそれぞれ消化されている。しかし、続くプレミア演出2,3に設定されたポイント数が大きいためにこれを表示させることができず、その後のカットイン予告が選択され、表示されている。このカットイン予告で20ポイントが消化されることで、持ち点である100ポイントが全て消化されたため、予告演出は終了される。
また、パターン3として示されるように、ステップアップ予告および群予告が連続してキャンセルされた場合、続くレア演出1を表示させるか否かの選択が促される。図示の例では、それ以降のキャンセル入力がなかったため、レア演出1、プレミア演出2が順次表示されている。すなわち、ステップアップ予告に設定された50ポイントおよび群予告に設定された50ポイントが持ち越されて残存するポイント数が100ポイントであったため、続くレア演出1の表示で20ポイント、プレミア演出2の表示で80ポイントがそれぞれ消化されている。このように当初の持ち点が高い状態でキャンセルを繰り返すことにより、滅多に見ることができないプレミア演出2を見ることができるようになる。遊技者は、このような希少性の高い予告演出を見ることを期待してキャンセル入力を行うことができる。
なお、図示の例では、各々の予告候補が一つずつ時系列的に並ぶように順次決定された例を示したが、一つのタイミングに表示開始の可能性がある複数の予告候補を選択可能に設定し、その予告候補が表示される前の所定のタイミングでそのいずれかの予告候補を決定して表示させてもよい。例えば図示の予告候補において、レア演出1およびプレミア演出2,3の3つの予告候補を同じタイミングの選択候補として設定し、いずれかの予告候補を抽選等により決定して表示させるようにしてもよい。なお、その場合においても、既に消化されたポイント数により選択できない予告候補があってもよい。また、同図の演出パターンにおける予告候補の順序は一例にすぎず、例えば図示の群予告とカットインとの順番が逆となるように入れ替えられた演出パターンがあってもよいことは言うまでもない。
図9は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。
まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入賞した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の処理を実行し(S10)、特別遊技中でなければ(S12のN)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、特別遊技中であれば(S12のY)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、S10からS16までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図10は、図9におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。 通常遊技制御処理において、当否抽選値の保留がなされている場合であって(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。その判定結果に応じてメイン表示制御手段118が変動表示を開始するとともに、変動開始コマンドを演出表示制御手段134へ送信し、これを受信した演出表示制御手段134が変動パターンデータにしたがって演出画像の変動表示を開始する(S36)。S30において当否抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS36までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S34およびS36の処理がスキップされる。続いて、図柄変動表示がすでに開始されていれば(S38のY)、図柄変動表示処理を実行し(S40)、図柄変動表示が開始されていないときは(S38のN)、S40をスキップする。
図11は、図10におけるS34の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。 まず、当否抽選手段112が当否抽選値を読み出して(S42)、その当否抽選値に基づいて当否を判定する(S44)。図柄決定手段114は、当否判定結果に基づいて特別図柄の停止図柄を決定し(S46)、特別図柄の変動パターンを選択する(S48)。演出決定手段132は、当否判定結果および特別図柄に基づいて装飾図柄の停止図柄組合せを決定し(S50)、特別図柄の変動パターンに応じて装飾図柄の変動パターンを選択する(S52)。このとき、上述した確率で予告演出を伴う変動パターンが選択される。
図12は、図10におけるS40の変動表示処理を詳細に示すフローチャートである。 まず、演出決定手段132により予告演出の決定およびその予告候補が決定されると(S102のY)、演出表示制御手段134が、その予告候補の表示許可またはキャンセルを促すために図4(b)に示したような選択画面を表示する(S104)。このとき、遊技者によるキャンセル入力がなく(S106のN)、未消化の累積ポイントが残存していれば(S108のY)、その残存ポイント数に基づいて表示可能な予告演出を再度決定する(S110)。そして、表示開始予定の予告候補に設定されたポイント数を減算し(S112)、その予告候補の表示を開始する(S114)。本フローチャートの例では、S102にて予告演出の一連の演出パターンが一旦選択されても、その各予告候補が実際に表示される前の所定タイミングで予告演出を再度決定している。したがって、S106においてキャンセルがなされた場合、そのキャンセルにかかる予告候補の次の予告候補以降の実行が決定され、再びS102が実行されることになる。例えば、既に説明した図8の例でいえば、ステップアップ予告がいずれかの段階でキャンセルされた場合、S102において群予告以降の演出が一旦決定され、S104にてその群予告のキャンセルを促す選択画面が表示される。このとき、S106にてキャンセル2が入力されると、群予告は表示されず、続くレア演出1以降の演出が決定される。このような処理が繰り返される。
S108において累積ポイントが残存していない場合(S108のN)、S106において遊技者によるキャンセル入力があった場合(S106のY)、S102において予告候補が未決定の場合(S102のN)には、いずれも本処理を一旦終了する。遊技者によるキャンセル入力があった場合に未消化の累積ポイントが残存していれば、その残存ポイント数は、次以降に決定される予告候補の表示のために持ち越される。
なお、本実施例では、S102にて予告演出決定の有無を判断するごとにS104にて選択画面を表示させる例を示したが、選択画面を表示させるタイミングを予告候補に関連づけて予め設定するようにしてもよい。図8に示した例でいえば、ステップアップ予告のステップ1の前、群予告の前、レア演出1の前といった予告候補の表示タイミングに対応づけたタイミングで選択画面を表示させるようにしてもよい。そして、そのタイミングがきたときに選択画面を表示させて対応する予告候補のキャンセルを促すようにしてもよい。
図13は、図9におけるS16を詳細に示すフローチャートである。
まず、大入賞口66が開放済でなければ(S70のN)、演出表示制御手段134が特別遊技の演出処理を開始し(S72)、開閉制御手段124が大入賞口66を開放する(S74)。大入賞口66が開放済であればS72およびS74をスキップする(S70のY)。大入賞口66が開放されてから所定の開放時間が経過した場合(S76のY)、または、開放時間が経過していないものの(S76のN)、大入賞口66へ遊技球が9球以上入球した場合(S78のY)、開閉制御手段124が大入賞口66を閉鎖させる(S80)。開放時間が経過しておらず(S76のN)、大入賞口66への入球数も9球以上に達していない場合は(S78のN)、S80以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
S80における大入賞口66の閉鎖後、単位遊技のラウンド数が15に達していた場合(S82のY)、演出表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させ(S84)、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させる(S86)。ラウンド数が15に達していなければ(S82のN)、ラウンド数に1を加算してS16のフローを終了する(S90)。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
上記実施例では、当否抽選の結果に応じて遊技者の持ち点(ポイント数)を予め設定し、予告候補が表示されるごとに対応するポイント数を減算させるようにした。変形例においては、逆に予告候補のキャンセルがあるごとに、対応するポイント数を加算していき、その加算された総ポイント数に応じた他の予告候補が選択されるようにしてもよい。すなわち、上記実施例では未消化のポイント数の累積値に基づいて他の予告演出が決定されたが、変形例においては、蓄積されるポイント数の累積値に応じて他の予告演出を決定することができる。
上記実施例では、図8に示したように、演出パターンの決定に際して予め予告候補とその表示順序とを決定し、残存ポイント数に応じて表示可能な予告候補を順次表示させるようにした。変形例においては、予告候補の表示が終了またはキャンセルされるごとに、残存ポイント数に応じて次の予告候補を抽選等により決定するようにしてもよい。例えば、演出決定手段132が、残存ポイント数に応じて選択対象となりうる予告候補が設定された複数のパターンテーブルを保持し、現在の残存ポイント数に応じたパターンテーブルを用いて予告候補を決定するようにしてもよい。また、上記実施例では、残存ポイント数の全てが消化されるように予告候補を決定していく例を示したが、残存ポイント数を予告候補を表示可能な許容基準と位置づけ、残存ポイント数がありながら、図柄変動を含む演出表示が終了する場合があってもよい。
上記実施例では特に述べなかったが、図4(b)に示した選択画面を表示させる際などに、現在の持ち点(ポイント数)を表示させるようにしてもよい。あるいは、決定された予告候補に設定されたポイント数を表示させるようにしてもよい。これにより、キャンセルによりそれ以降に希少性のある予告候補が表示される可能性を推測することができる。その結果、その可能性が低い場合に、そのまま予告候補を表示させる等の判断をすることができる。また、図柄の変動表示過程でポイント数を増減させるゲームを表示させるなど、ポイント数の増減手段を設けてもよい。
上記実施例では、図4(b)に示す選択画面にて予告演出が表示される旨を報知した例を示した。変形例においては、選択された予告候補による演出の開始が近いことを示唆するために、その予告演出の開始を予見させるプレ予告表示を行うようにしてもよい。例えば、群予告の開始を示唆するために、その群予告に登場するキャラクタの一部を表示させるようにしてもよい。これにより、単なる文字の表示よりも遊技者の興趣を高めることができる。
なお、上記実施例では、本発明の弾球遊技機を、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する複合機として構成した例を示したが、第1種ぱちんこ遊技機単体として構成してもよい。あるいは、第1種ぱちんこ遊技機の機能と第2種ぱちんこ遊技機の機能を組み合わせた遊技機など、第1種ぱちんこ遊技機の機能を含むその他の遊技機として構成してもよい。
10 ぱちんこ遊技機、 50 遊技盤、 52 遊技領域、 60 演出表示装置、 61 特別図柄表示装置、 62 始動口、 66 大入賞口、 68 作動口、 72 一般入賞口、 82 操作ボタン、 100 遊技制御装置、 102 メイン基板、 104 サブ基板、 112 当否抽選手段、 118 メイン表示制御手段、 120 特別遊技制御手段、 130 パターン記憶手段、 132 演出決定手段、 134 演出表示制御手段、 190 装飾図柄、 192 特別図柄、 200 画面。