JP5105129B2 - 介護用車椅子 - Google Patents
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Description
被介護者が車椅子に着座状態で洋式便器正面と対向状態で便所内に入った後、被介護者の背中側が洋式便器正面側に向くように、介護者が車椅子を便所内で180度方向転換し、被介護者は立ち上がった状態で後退し、介護者が被介護者の下着を膝まで降ろして便座座面に着座する方法が採られている。この方法であると現場介護者の介助労働が多大である。又、便所のスペースを介護者が車椅子を押して横方向に180度回転可能な広いものとする必要性があり、特に家庭内で介護している場合は便所をリフォームしなければならず敷地面及び費用面からして多大の経済的負担を同居家族に強いることになるという欠点を有していた。
上記欠点に鑑みて、車椅子のシート部に排泄口を開設した車椅子が提案されている(例えば、特許文献1〜特許文献3参照)。
特許文献1〜特許文献3に記載の車椅子は、洋式便器の上方に平視楕円形の排泄口を開設したシート部(座部)を設け、被介護者はシート部に着座した状態で排泄をする構成であるので、被介護者の臀部や大腿部背面側がシート部に密着状態となる。又、洋式便座の上方にシート部の裏面が配設されているので、排泄物の飛沫や跳ね返りがシート部の裏面やシート部の排泄口周縁に付着し、拭き取り清掃が使用の都度必要で、介護者の清掃手間を要し、且つ不衛生であるという問題点があった。
1対のベアリングスライドレールを座部左右両側に平行に設け、複数の座板を蝶番付けした座席を前方へ下降して車椅子の下方に位置せしめた洋式便器を露出させる構成の介護用車椅子が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特許文献4に記載の介護用車椅子であると、被介護者が直接的に洋式便器の便座上面に着座可能であるため、車椅子が排泄物の跳ね返り等で汚損されることが無く、衛生面の課題は解決される。しかしながら、被介護者が着座中は座面が前方にて垂下しているため、着座者は大腿部に対して下腿部が鈍角を以って膝を曲げた姿勢で着座しており、足の裏から床面に対して作用する力が弱く、極めて立ち上がりにくいという問題点があった。
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請求項2に記載の発明は、上記台座の正面に於ける上記枢着部側にはダンパーの一端を取り付け、該ダンパーの他端は上記シート部の正面に於いて前記枢着部とは反対側位置に取り付けたことを特徴とする。
介護用車椅子のシート部左右何れか一側部を台座の一側部に枢着しているので、介助者は片手のみでシート部を起こし台座面を開いて平視U字形台座の内側に露出した洋式便器の便座に介護者を着座させることができ、介助労力が軽減されるという効果がある。
介助者がシート部53を上方に持ち上げると、摺動体55はガイド筒52内をスライドして上昇し、バネ57は復元状態になる。シート部53を上方に持ち上げた状態を保持下で、蝶番58を中心としてシート部53を右方向に回転動し、シート部53の開き操作により、ダンパー61はダンパー61は伸長する。図2及び図3に示すように、ダンパー61を伸長させるとシート部53が立ち上がる。シート部51の上面の延長線と台座51の上面延長線は略90度の角度を有して開き、台座51の上面が露出する。被介護者は台座51の内側に配設された洋式便器の便座に着座し排泄する。
排泄が終了すると、被介護者は本体フレーム50に取り付けたサークル(図示省略)に掴まって立ち上がる。被介護者が立ち上がると、介護者はシート部53を閉じる。ダンパー61は縮小してシート部53は台座51上に隙間を介して被覆される。
図1〜図4に示される介護用車椅子は介助者が片手で操作できるという利便性を有する。実施例1は、シート部53を引き上げ後に回動させて開く構成であるが、これは車輪が 大径である場合に車輪に右側側板54が衝突することを防止するためである。
介護者がシート部53を台座51に対して平行な位置関係をもって上昇させる。シート部53が上昇する際に、摺動棒55はガイド筒52内をスライドして上昇する。介護者がシート部53を開くとシート部53は摺動体55の軸心線に対して外傾し、太った人の身体にシート部53が接触せず、シート部53に殆ど接触することなく着座できる。シート部53を開くと、W蝶番70のうち摺動体55の上端面外側に位置する枢軸を中心としてシート部53は外側方へ回動し、台座51の上面に被介護者が着座可能に露出する。
ガイド筒52は上下両端面を開放した中空角柱状に形成され、周面のうち一側面が台座51の右側面に一体的に取り付けられている。下側中空角柱状体71と上側中空角柱状体72は人々の軸心線が同一線上に位置し、且つ蝶番の枢軸73が外側に配置される枢着手段により上下方向に接続されている。つまり、枢軸73の2枚の取付板のうち一方の取付板は下側中空角柱状体71の上側面に、他方の取付板は上側中空角柱状体72の下側面に固定的に取り付けられ、上側中空角柱状体72が枢軸を中心として下側中空角柱状体71が外側方に回動するようにしている。下側中空角柱状体71の上端外側と上側中空角柱状体72の下端外側には窪み部を形成し、該窪み部に蝶番の枢軸73が配設されている。蝶番の2枚の取付板を重合して閉じると、下側中空角柱状体71は上側中空角柱状体72の4側面が夫々一面状に位置し、外視が1本の角柱状になるように連結されている。下側中空角柱状体71の上側面には開口74を、上側中空角柱状体72の下側面には開口75を夫々対向する位置に開設している。上側中空角柱状体72の内側には、仕切り板76を上下側面と平行な位置関係に設けている。上側中空角柱状対72の上側面と仕切り板76には対向する位置に作動棒挿通孔が夫々開設され、これら作動棒挿通孔には作動棒77が遊挿されている。作動棒77の上端部は、上側中空角柱状体72の上側面より上方に露出している。上側中空角柱状体72の上側面と仕切り板76とで形成される室に於いて、作動棒77に座金78が固着されている。座金78と仕切り板76との間に於いては、作動棒77の周面にバネ79が巻着されている。下端を係止爪に形成し屈曲部を具備したクランク状係止杆80の上端には作動棒77の下端を枢着し、該枢着部と係止杆80の屈曲部との中途位置にはピン81を上側中空角柱状体72の正背側面に軸架している。上側中空角柱状体72の上側面とシート部の側板54は蝶番82で連結されている。下側中空角柱状体71の下端には、平坦な上端面を具備するバネ取り付け片56連設されている。バネ57は鶴巻バネよりなり、下端はバネ取り付け片56に取り付けられ、上端は台座51の右側面に取り付けられている。
実施例3に開示の介護用車椅子は、被介護者が肥満体形の人であっても、上側中空角柱状体72が外傾することで、着座しやすいという効果がある。
51 台座
11 洋式便器配設部
53 シート部
52 ガイド筒
54 側板
55 摺動体
61 ダンパー
71 下側中空角柱状体
72 上側中空角柱状体
77 作動棒
80 係止杆
Claims (2)
- 後方に洋式便器が出入可能な出入口を開設し平視U字形の台座が支持される複数の杆より成る本体フレームの左右両側に車輪が回転自在に取り付けられると共に、背凭れ部が設けられ、
前記台座上には隙間を介してシート部が配設され、且つ前記台座と前記シート部の対向する左右何れか一側部が枢着手段により接続され、
前記台座の上方をシート部が平行な位置関係をもって上昇し、上昇後に前記シート部が前記枢着部を中心として起伏動することで、前記台座をシート部で隠顕可能にするシート部昇降傾斜手段を前記台座と前記シート部に設け、
前記シート部昇降傾斜手段は、台座の左右何れか一側部にガイド筒をガイド筒の軸心を上下方向に沿わせて取り付け、
前記ガイド筒の内側には枢着手段により連結された下側中空角柱状体と上側中空角柱状体とを摺動可能に配設し、前記下側中空角柱状体の下部には下方向付勢手段を設け、
シート部の側板と上側中空角柱状体上面を重合可能に枢着手段により取り付け、
前記上側中空角柱状体には上側中空角柱状体上面に設けた開口より突出する作動棒を上側中空角柱状体の軸心と平行に配設し、該作動棒の下端には先端に係止爪を具備した係止杆を枢着し、
前記作動棒に下方向への力を作用しない状態では、前記係止爪が下側中空角柱状体上側面の内側面に係止し、
前記シート部側面を上側中空角柱状体の上側面に重合し作動棒を押し下げると、前記係止爪が下側中空角柱状体上側面の内側面から解放するようにしたことを特徴とする介護用車椅子。 - 上記台座の正面に於ける上記枢着部側にはダンパーの一端を取り付け、該ダンパーの他端は上記シート部の正面に於いて前記枢着部とは反対側位置に取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の介護用車椅子。
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