JP5104867B2 - 圧電振動子 - Google Patents

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Description

本発明は、圧電振動子に関するものであり、特に圧電振動子の電極構造に関するものである。
ATカット水晶振動板などの厚み振動系圧電振動板を用いた圧電振動子は、一般に圧電振動板の表裏面に一対の励振電極を正対向して形成し、当該励振電極に交流電圧を印加する構成である。このような圧電振動子の諸特性は励振電極の構成に依存する。例えば大きなサイズの電極を用いることにより励振領域を広くし、直列共振抵抗を改善したり、周波数可変量を広くすることができる。また圧電振動子の諸特性は圧電振動板の特性にも大きく依存する。例えば圧電振動板は加工条件あるいは加工バラツキにより、板面の平面平行度が均一でない場合があり、このような場合スプリアス振動を強く励振させ、圧電振動子としての特性を悪化させることがあった。
このように圧電振動板の平面平行度のバラツキにより特性が悪化することについては、例えば特開2001−196890号(特許文献1)に開示されている。特許文献1においては、対向電極(励振電極)の一方は2つの分割電極からなる構成とし、当該分割電極はそれぞれ他方の対向電極との間の共振周波数をほぼ一致させることにより特性を改善するものであり、分割電極は導通手段によって互いに電気的に導通している構成が開示されている。
上述のスプリアス振動による問題は、高周波になるにつれて顕在化し、励振領域の厚みが薄く形成された高周波向けの圧電振動板で特に影響を受けやすい。また、外部電圧を変化させることにより主振動周波数を可変する電圧制御型圧電発振器において、周波数を大きく可変させる場合に顕著に現れることがある。主振動周波数の可変は前述のスプリアス振動とのカップリングを起こす可能性が高くなり、周波数のジャンプ現象が生じたり、発振が不安定になるという不具合が発生することがあった。
特開2001−196890号公報
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、スプリアス振動を抑制した特性の良好な圧電振動子を提供することを目的としたものである。
そこで、本発明の圧電振動子では、厚みすべり振動にて動作する圧電振動板の表裏に対向して一対の励振電極と引出電極が形成され、前記表裏の励振電極は1つ以上の平行辺を有し、かつ、前記表裏の励振電極の中心が互いに対向して形成され、前記表裏の励振電極のうち一方の励振電極における平行辺が、圧電振動板のX軸方向またはZ’軸方向のいずれかの軸方向に沿って形成され、前記表裏の励振電極のうち他方の励振電極における平行辺が、圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向に沿わずに形成され、前記表裏の励振電極は同形状に形成されていることを特徴とする。
上記構成により、前記表裏の励振電極のうち一方の励振電極における平行辺が圧電振動板のX軸方向またはZ’軸方向のいずれかに沿って形成されるとともに、表裏の励振電極の中心付近で正対向する領域が確保されるので、励振電極の中心付近に最も強い振動変位分布を有する主振動の発振を妨げることない。しかも、励振電極の端部付近に振動変位分布を有するスプリアス振動、例えば厚み系の2次モードである(1,2,1)モードや(1,1,2)モード、あるいは厚み系の3次モードである(1,3,1)モードや(1,1,3)モードなどについては、表裏の励振電極の端部で正対向する領域(圧電振動子の平面視において表裏の励振電極の重なりあう領域)が少なくなるので、各スプリアスの振動変位に影響して抑制される。なお、前記表裏の励振電極の中心が完全に対向する同一位置に形成されていることが好ましいが、製造誤差などにより多少ずれているものであっても同様の効果が期待できるので本発明の権利範囲内のものである。また、本発明によれば、表裏の励振電極は同形状に形成されているので、圧電振動板に形成される励振電極の面積を大型化させることなく、励振電極の中心付近の振動領域を確保しながら、励振電極の端部付近の各スプリアスの振動領域を縮小させる構成とすることが可能となる。すなわち、圧電振動板の小型化と主振動の発振を妨げることなく、スプリアス振動を抑制することが可能となる。
また、上記構成に加えて、前記表裏の励振電極が、互いの中心を中心点として、いずれか一つの他方の励振電極の平行辺をZ’軸から(Z’軸に対して)平面視的に(主面上において)20°〜70°の範囲で回転させて形成されてもよい。
この場合、スプリアス抑制効果増大するので好ましい。特に、上記構成において、前記表裏の励振電極のうちいずれか一つの励振電極が、その中心を中心点として、その平行辺がZ’軸から平面視的に45°傾いて形成されていることが好適である。具体的に、前記平行辺をZ’軸から平面視的に45°に回転させると、表裏の励振電極の端部で正対向する領域が最も少なくなるので、各スプリアスの抑制効果が最も高いものが得られる。
また、上記構成に加えて、励振電極の平面視形状は方形状が好ましい。
この場合、表裏の励振電極を相互に回転させた際に、圧電振動板のX軸とZ’軸に延在するスプリアスが回転させた励振電極の互いに直交する各辺によってスプリアスの振動変位領域を確実に狭め、より効率的にスプリアス抑制することができる。また、一方の励振電極の各辺がX軸とZ‘軸に平行に延在させることができるので、主振動の抑圧を無くすという点でより好ましい。
また、励振電極の平面視形状を方形状とした場合、X軸とZ’軸に沿った方形状の圧電振動板を用いて当該圧電振動板の各辺と一方の励振電極の各辺とをそれぞれ平行に配置させることが好ましい。
この場合、圧電振動板の小型化を妨げることなく励振電極の面積を圧電振動板の端部の辺に近接して拡大させることが可能となり、かつ、このように設計された励振電極の主振動の振動変位が圧電振動板の端部の辺で遮られて主振動を抑圧することがない。
また、本発明の他の圧電振動子では、厚みすべり振動にて動作する圧電振動板の表裏に対向して一対の励振電極と引出電極が形成され、前記表裏の励振電極のうち一方の励振電極は、平行辺が圧電振動板のX軸方向またはZ’軸方向のいずれかに沿って形成された矩形状で形成され、前記表裏の励振電極のうち他方の励振電極は平行辺が、圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向に沿わずに形成された菱形形状で形成され、前記一方の矩形状の励振電極の中心と前記他方の菱形状の励振電極の中心とが対向することを特徴とする。ここでいう前記一方の矩形状の励振電極の中心と前記他方の菱形状の励振電極の中心とが対向するとは、圧電振動子の平面視において、前記一方の矩形状の励振電極の中心と前記他方の菱形状の励振電極の中心とが対向して同一位置に形成されたことをいう。
上記構成により、励振電極の中心付近に最も強い振動変位分布を有する主振動の発振を妨げることない。励振電極の端部付近に振動変位分布を有するスプリアス振動、例えば厚み系の2次モードである(1,2,1)モードや(1,1,2)モード、あるいは厚み系の3次モードである(1,3,1)モードや(1,1,3)モードなどについては、表裏の励振電極の端部で正対向する領域が少なくなるので、各スプリアスの振動変位に影響して抑制される。特に、前記表裏の励振電極のうち一方の励振電極は各辺が圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向に沿って形成された矩形状で形成され、前記表裏の励振電極のうち他方の励振電極は平行辺が圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向に沿わずに形成された菱形形状で形成されるとともに、前記一方の矩形状の励振電極の中心と前記他方の菱形状の励振電極の中心とが対向する同一位置に形成されているので、前記圧電振動板の各軸に辺が沿った矩形状の励振電極により主振動が抑圧されるのをおさえながら、前記菱形状の励振電極の各辺によって圧電振動板のX軸とZ’軸に延在するスプリアスの振動変位領域を最も確実かつ効率的に狭めることができ、各スプリアスの抑制効果が高い圧電振動子の励振電極構造となる。なお、前記一方の矩形状の励振電極の中心と前記他方の菱形状の励振電極の中心とが完全に対向する同一位置に形成されていることが好ましいが、製造誤差などにより多少ずれているものであっても同様の効果が期待できるので本発明の権利範囲内のものである。
また、上記構成に加えて、前記他方の励振電極が、前記一方の励振電極より厚く形成することが好ましい。
この場合、圧電振動板のX軸とZ’軸に沿わずに形成された他方の励振電極の重み付け効果により、各スプリアスの抑制効果がさらに高められる。
さらに、高周波向けに形成される圧電振動板では、振動領域のみを薄肉に形成したいわゆる逆メサ形状で構成されることが最近多くなっている。このような逆メサ形状の圧電振動板では、周辺の厚肉の枠領域と薄肉の振動領域の境界部分である段差部をX軸とZ’軸に沿った方形状とし、前記一方の励振電極の各辺をそれぞれ平行に配置させることが好ましい。
この場合、圧電振動板の薄肉の振動領域に対して、励振電極の面積を圧電振動板の端部の辺に近接して拡大させることが可能となり、かつ、このように設計された励振電極の主振動の振動変位が圧電振動板の段差部で遮られて主振動を抑圧することがない。
また、前記構成において、前記励振電極では、外周角部(平面視外周角部)に切欠が形成されてもよい。
この場合、前記励振電極の外周角部に切欠が形成されることで、切欠部分におけるスプリアスの面積を小さくしながら、主振動とスプリアスとの距離を離すことが可能となり、その結果、振動漏れしているエネルギーを更に抑制することが可能となる。
次に、本発明品(本発明A,本発明B,本発明C,本発明D,本発明E,本発明F,本発明G)と従来品(従来A,従来B,従来C,従来D)について、各性能について比較確認を行った。確認した性能は、主振動の直列共振抵抗値(いわゆるCI値)、スプリアスの直列共振抵抗値、およびこれらの抵抗値比である。
なお、本発明品と従来品の共通項目として、例えば、基本波で300MHzに発振する圧電振動子を用い、ATカット水晶振動板の表裏面に正方形状の励振電極が形成されている。当該励振電極は、クロムの下地層の上部に金層が形成されてなり、その電極膜厚が0.2μmとされ、その平面視1辺の寸法が0.25mm(サンプルA)もしくは0.275mm(サンプルB)とされている。または、当該励振電極は、クロムの下地層の上部に金層が形成されてなり、その電極膜厚が0.3μmとされ、その平面視1辺の寸法が0.25mm(サンプルC)もしくは0.275mm(サンプルD)とされている。
従来品(従来A,従来B,従来C,従来D)は、表裏の励振電極が互いにずれることなく正対向している(表1参照)。
これに対して、本発明品(本発明A,本発明B,本発明C,本発明D)は、表面側の励振電極に対して裏面側の励振電極が、その中心(中心位置)を中心点としてその平行辺をZ’軸から20°回転させたもの(表2参照)、45°回転させたもの(表3参照)、70°回転させたもの(表4参照)を用いる。
また、表5では、本発明品(本発明E,本発明F,本発明G)は、表面側の励振電極に対して裏面側の励振電極が、その中心(中心位置)を中心点としてその励振電極の平行辺をZ’軸から45°回転させたものである。
本発明E,本発明F,本発明Gの表裏の励振電極は同じ電極材料であり、励振電極の1辺の寸法が0.275mmとされた正方形状のものからなる。また、これら本発明E,本発明F,本発明Gは、基本波で300MHzに発振する圧電振動子を用いる。
さらに具体的に、本発明Eは、表面側の励振電極の電極膜厚が0.025μmであるのに対して、裏面側の励振電極の電極膜厚が0.75μmに形成されたもの(サンプルE)である。
本発明Fは、表面側の励振電極の電極膜厚が0.2μmであるのに対して、裏面側の励振電極の電極膜厚が0.1μmに形成されたもの(サンプルF)である。
さらに、本発明Gは、表面側の励振電極の電極膜厚が0.1μmであるのに対して、裏面側の励振電極の電極膜厚が0.2μmに形成されたもの(サンプルG)である。
また、表6では、本発明品(本発明H)として、基本波で200MHzに発振し、表面側の励振電極に対して裏面側の励振電極が、その中心(中心位置)を中心点としてその励振電極の平行辺をZ’軸から45°回転させた圧電振動子(サンプルH)を用いる。
本発明Hの表裏の励振電極は同じ電極材料であり、励振電極の1辺の寸法が0.2mmとされた正方形状のものからなる。なお、この本発明Hでは、表面側の励振電極と裏面側の励振電極との正対向した励振電極の領域(圧電振動子の平面視において表裏の励振電極の重なりあう領域)は、八角形状とされている。
また、この表6では、従来品(従来例E)として、圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向に沿って形成された表面側の正方形(0.2×0.2mm)の励振電極と、圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向に沿って形成された表面側の正方形(0.2×0.2mm)の励振電極とから構成され、基本波で200MHzに発振する圧電振動子を用いる。なお、この従来品Eでは、表面側の励振電極と裏面側の励振電極とが正対向した励振電極の領域(圧電振動子の平面視において表裏の励振電極の重なりあう領域)は、正方形(0.2×0.2mm)とされている。
また、表7では、本発明品(本発明I)として、圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向に沿って形成された表面側の長方形(0.15×0.268mm)の励振電極と、圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向に沿わずにそれぞれ対角線が圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向に沿って形成された裏面側の菱形(一辺0.215mm)の励振電極とから構成され、基本波で200MHzに発振する圧電振動子を用いる。なお、この本発明Iでは、表面側の励振電極と裏面側の励振電極との対向した励振電極の領域(圧電振動子の平面視において表裏の励振電極の重なりあう領域)は、八角形状とされている。
また、表7では、従来品(従来例F)として、圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向に沿って形成された表面側の長方形(0.15×0.268mm)の励振電極と、圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向に沿って形成された裏面側の長方形(0.15×0.268mm)の励振電極とから構成され、基本波で200MHzに発振する圧電振動子を用いる。なお、この従来品Fでは、表面側の励振電極と裏面側の励振電極とが対向した励振電極の領域(圧電振動子の平面視において表裏の励振電極の重なりあう領域)は、長方形(0.15×0.268mm)とされている。
試験結果を表1〜表7に示す。
Figure 0005104867
Figure 0005104867
Figure 0005104867
Figure 0005104867
Figure 0005104867
Figure 0005104867
Figure 0005104867
これらの試験結果から明らかなように、従来品に比べて本発明品のほうが、主振動とスプリアスの抵抗比が断然高くなり、スプリアス抑制効果が飛躍的に高まっていることが明らかである。
加えて、本発明品のうち45°回転品で、電極膜厚が0.3μmのものが最もスプリアス抑制効果が高いのがわかる。以上の検証結果から、一方の励振電極の平行辺をZ’軸から回転させるとスプリアスの抑制効果が表れ、今回比較した中では45°の時に最大となった。また励振電極の厚みが0.3μmとより厚みのあるものの方についてスプリアス抑制効果が高い傾向にある。また、表5より圧電振動板のX軸とZ’軸に沿わない前記裏面側の励振電極を前記表面側の励振電極より厚く形成することでスプリアスの抑制効果が高められているのがわかる。
また、本発明の他の圧電振動子では、厚みすべり振動にて動作する圧電振動板の表裏に一対の励振電極と引出電極が形成され、前記表裏の励振電極は、同形状で互いに対向して形成されているとともに、圧電振動板のX軸方向またはZ’軸方向のいずれかに沿って形成された1つ以上の平行辺と、圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向のいずれにも沿わずに形成され、互いに同寸法で形成された4つ以上の辺とから構成され、前記軸に沿う平行辺より前記軸に沿わない辺の方が長く形成されている、もしくは、前記軸に沿う平行辺と前記軸に沿わない辺が同寸法に形成されていることを特徴とする。
上記構成により、励振電極の中心付近に最も強い振動変位分布を有する主振動の発振を妨げることない。励振電極の端部付近に振動変位分布を有するスプリアス振動、例えば厚み系の2次モードである(1,2,1)モードや(1,1,2)モード、あるいは厚み系の3次モードである(1,3,1)モードや(1,1,3)モードなどについては、表裏の励振電極の端部で正対向する領域が少なくなるので、各スプリアスの振動変位に影響して抑制される。特に、前記表裏の励振電極は同形状で互いに対向して形成されているとともに、圧電振動板のX軸方向またはZ’軸方向のいずれかに沿って形成された1つ以上の平行辺と、圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向のいずれにも沿わずに形成され互いに同寸法で形成された4つ以上の辺とから構成されており、前記軸に沿う平行辺と軸に沿わない辺が同寸法に形成されるか、または前記軸に沿う平行辺より軸に沿わない辺の方が長く形成されているので、前記圧電振動板の表裏の励振電極のうちいずれかの軸に沿って形成された1つ以上の平行辺部分により主振動が抑圧されるのをおさえながら、前記圧電振動板の表裏の励振電極のうち平行辺以上の長さでいずれの軸にも沿わずに形成された4つ以上の各辺部分によって圧電振動板のX軸とZ’軸に延在するスプリアスの振動変位領域を最も確実かつ効率的に狭めることができ、各スプリアスの抑制効果が高い圧電振動子の励振電極構造となる。
次に、本発明品(本発明J,本発明K)と従来品(従来G,従来H)について、各性能について比較確認を行った。確認した性能は、主振動の直列共振抵抗値(いわゆるCI値)、スプリアスの直列共振抵抗値、およびこれらの抵抗値比である。
本発明Jは基本波で200MHzに発振する圧電振動子であり、励振電極の1辺の寸法を0.124mmとした正八角形状の励振電極が形成されている。
これに対して、従来Gは基本波で200MHzに発振する圧電振動子であり、励振電極の1辺の寸法を0.3mmとした正方形状の励振電極が形成されている。
本発明Kは基本波で300MHzに発振する圧電振動子であり、励振電極の1辺の寸法を0.124mmとした正八角形状の励振電極が形成されている。
これに対して、従来Hは基本波で300MHzに発振する圧電振動子であり、励振電極の1辺の寸法を0.3mmとした正方形状の励振電極が形成されている。
なお、上記した本発明J,本発明Kと従来G,従来Hの共通項目としては、例えば、ATカット水晶振動板の表裏面に励振電極の電極膜厚が0.2μmに形成され、当該励振電極は、クロムの下地層の上部に金層が形成されている。
試験結果を表8に示す。
Figure 0005104867
これらの試験結果から明らかなように、従来品(従来G,従来H)に比べて本発明品(本発明J,本発明K)のものでは主振動とスプリアスの抵抗比が断然高くなりスプリアス抑制効果が飛躍的に高まっているのが明らかである。
また、上記構成に加えて、X軸とZ’軸に沿った方形状の圧電振動板を用いて当該圧電振動板の各辺いずれかと前記平行辺とを平行に配置させることが好ましい。
この場合、圧電振動板の小型化を妨げることなく励振電極の面積を圧電振動板の端部の辺に近接して拡大させることが可能となり、かつ、このように設計された励振電極の主振動の振動変位が圧電振動板の端部の辺で遮られて主振動を抑圧することがない。
また、上記構成に加えて、高周波向けに形成される圧電振動板では、振動領域のみを薄肉に形成したいわゆる逆メサ形状で構成されることが最近多くなっている。このような逆メサ形状の圧電振動板では、周辺の厚肉の枠領域と薄肉の振動領域の境界部分である段差部をX軸とZ’軸に沿った方形状とし、この段差部いずれかと前記励振電極の平行辺とを平行に配置させることが好ましい。
この場合、圧電振動板の薄肉の振動領域に対して、励振電極の面積を圧電振動板の端部の辺に近接して拡大させることが可能となり、かつ、このように設計された励振電極の主振動の振動変位が圧電振動板の段差部で遮られて主振動を抑圧することがない。
また、上記構成に加えて、前記圧電振動板は中央に薄肉の振動領域と周囲に厚肉の枠領域を有する逆メサ形状で構成するとともに、前記圧電振動板の薄肉の振動領域における中心と前記表裏の励振電極における中心とが同一位置に形成させることが好ましい。
この場合、圧電振動板の薄肉の振動領域における中心ではエッチングレート差などによる平面平行度にばらつきが生じにくいため、この中心と励振電極の中心を同一位置にすることで平面平行度のばらつきに起因するスプリアス振動の影響をより効果的に抑制することができる。特に水晶などの圧電振動板に対してウェットエッチング加工により逆メサ形状に加工する場合、前記薄肉の振動領域と厚肉の枠領域の境界近傍ではエッチングレート差によりスロープ状の厚み漸減領域が形成されるので、振動領域の平行平面度がばらつくことが懸念される。このような厚み漸減領域域の影響を受けない振動領域の中心に励振電極を形成することがスプリアス抑制するうえでより好ましい構成となる。
上記したように、本発明によれば、特に、圧電振動板の励振領域の厚みが薄く形成されて平面平行度のバラツキの影響が顕著となり、基本波振動で150MHz以上にて発振する高周波向けの圧電振動子のスプリアス振動の抑制に好適であり、特別な調整方法を施すことなく励振電極の形状変更のみで極めて容易かつ効率的にスプリアス振動を抑制することができる。また、外部電圧を変化させることにより主振動周波数を可変する電圧制御型圧電発振器に使用される圧電振動子のスプリアス振動の抑制にも好適であり、主振動とスプリアス振動とのカップリングや周波数のジャンプ現象をなくし、発振周波数の安定化を実現することができる。
上記構成において、厚みすべり振動にて動作する圧電振動板の表裏に対向して一対の励振電極と引出電極が形成され、前記表裏の励振電極の中心が互いに対向して形成され、かつ、当該圧電振動子の平面視において表面側の励振電極の辺と裏面側の励振電極の辺とが重なりあってもよい。
この場合、前記圧電振動板の表裏に対向して一対の前記励振電極と前記引出電極が形成され、前記表裏の励振電極の中心が互いに対向して形成され、かつ、当該圧電振動子の平面視において表面側の励振電極の辺と裏面側の励振電極の辺とが重なりあうので、励振電極の中心付近に最も強い振動変位分布を有する主振動の発振を妨げることなく、スプリアス振動を抑制することが可能となる。
以上のように、本発明では、スプリアス振動を抑制した特性の良好な圧電振動子を得ることができる。
図1は、本発明の実施例1にかかる圧電振動板の概略平面図である。 図2は、図1の底面図である。 図3は図3(a)〜図3(d)からなり、図3(a)〜図3(d)は、それぞれ実施例1にかかる本発明の変形例を示す圧電振動板の概略平面図である。 図4は、実施例1にかかる本発明の変形例を示す圧電振動板の概略平面図である。 図5は、実施例1の他の例にかかる圧電振動板の概略平面図である。 図6は、図5の底面図である。 図7は、実施例1にかかる本発明の変形例を示す圧電振動板の概略平面図である。 図8は、実施例1にかかる本発明の変形例を示す圧電振動板の概略平面図である。 図9は、実施例1にかかる本発明の変形例を示す圧電振動板の概略平面図である。 図10は、実施例1にかかる本発明の変形例を示す圧電振動板の概略平面図である。 図11は、実施例1にかかる本発明の変形例を示す圧電振動板の概略平面図である。 図12は、実施例1にかかる本発明の変形例を示す圧電振動板の概略平面図である。 図13は、本発明の実施例2にかかる圧電振動板の概略平面図である。 図14は、図13の底面図である。 図15は、本発明の実施例2−2を示す圧電振動板の概略平面図である。 図16は、図15の底面図である。 図17は、本発明の実施例2−3を示す圧電振動板の概略平面図である。 図18は、図17の底面図である。 図19は、本発明の実施例2−4を示す圧電振動板の概略平面図である。 図20は、図19の底面図である。
符号の説明
11,14,21,24 水晶振動板(圧電振動板)
12,13,22,23 励振電極
以下、本発明にかかる実施例1について図面に基づいて説明する。本形態では、厚みすべり振動にて動作するATカット水晶振動子に本発明による構成を適用した場合について説明する。図1は本発明の実施例1による圧電振動板の平面図であり、図2は図1の底面図である。
圧電振動板11は矩形平板状のATカット水晶振動板(厚みすべり振動)からなり、その表裏面の中央領域に平面視略正方形状の励振電極12,13が形成されている。励振電極12,13は例えば同形状で同一面積に構成されており、かつ圧電振動板11を介してその中心121,131が正対向して形成されている。圧電振動板11は例えばX軸が長辺、Z’軸が短辺になるよう設定されており、励振電極12は各辺がX軸とZ’軸に沿って形成され、励振電極13は各辺がX軸とZ’軸に沿わずに形成されている。
つまり、本実施例1では励振電極12,13は正方形状であるので、2つの平行辺を有して同形状に形成されるとともに、励振電極12については各平行辺が圧電振動板11のX軸方向とZ’軸方向の両方に沿って形成され、励振電極13については各平行辺が圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向に沿わずに形成されており、励振電極12の中心121を中心点として励振電極12に対して平面視的に(主面上において)20°〜70°の範囲で回転させていることが特徴的な構成となっている。なお、本形態では45°に回転させたものを開示しているので、励振電極12、または励振電極13のそれぞれの励振電極の端部では正対向しない領域(水晶振動子の平面視において表裏の励振電極12,13の重なりあう領域)の面積が最も多くなる(励振電極12と励振電極13の両方の励振電極の端部が正対向する領域が最も少なくなる)ので、励振電極12,13の端部付近に振動変位分布を有するスプリアス振動、例えば厚み系の2次モードである(1,2,1)モードや(1,1,2)モード、あるいは厚み系の3次モードである(1,3,1)モードや(1,1,3)モードなどについては、振動変位に影響して最も効率的に抑制される。
また、各励振電極12,13から圧電振動板11の外周端部に引出電極122,132が引き出されている。これら励振電極12,13および引出電極122,132は例えばクロム−金の積層構成であり、真空蒸着法やスパッタリング法により構成されるが、当該金属材料に限定されるものではない。
圧電振動板11は図示しないセラミックパッケージなどのパッケージへ収納するとともに、圧電振動板11をパッケージに導電性樹脂接着剤や金属バンプ・めっきバンプなどの導電性接合材により電気的機械的接合される。そして所定の加熱などによる安定化処理を行った後、図示しない蓋体にてパッケージの開口部をシーム接合やビーム接合、ろう接合、ガラス封止などの手段により、気密封止を行うことで圧電振動子(具合的に、ATカット水晶振動子)の完成となる。
以上のように構成することで、表裏の励振電極12,13のうち励振電極12の2つの平行辺が圧電振動板11のX軸方向とZ’軸方向の両方に沿って形成されるとともに、励振電極12,13の中心121,131付近で正対向する領域が確保されるので、励振電極12,13の中心121,131付近に最も強い振動変位分布を有する主振動の発振を妨げることない。しかも、励振電極12,13の端部付近に振動変位分布を有するスプリアス振動、例えば厚み系の2次モードである(1,2,1)モードや(1,1,2)モード、あるいは厚み系の3次モードである(1,3,1)モードや(1,1,3)モードなどについては、表裏の励振電極12,13の端部で正対向する領域が少なくなるので、各スプリアスの振動変位に影響して抑制される。なお、表裏の励振電極12,13の中心が完全に対向する同一位置に形成されていることが好ましいが、製造誤差などにより多少ずれているものであっても同様の効果が期待できる。
また、表裏の励振電極12,13は同形状に形成されているので、圧電振動板11に形成される励振電極12,13の面積を大型化させることなく、励振電極の中心付近の振動領域を確保しながら、励振電極の端部付近の各スプリアスの振動領域を縮小させる構成とすることができる。すなわち、圧電振動板の小型化と主振動の発振を妨げることなく、スプリアス振動を抑制することができる。
上記実施例1では、励振電極12,13として正方形のものを開示しているが、少なくとも1つの平行辺を具備しておればよくこれに限定されるものではない。例えば、図3(a)に示すように、長方形でもよく、図3(b)に示すように6角形状などの他の多角形状であってもよい。図3(c)に示すように辺の一部に曲率辺を組み合わせたものでもよい。また、これらの形状の組合せからなるものであってもよい。
また、本発明の実施例1では、表裏面が同一形状の励振電極で形成され、このうち一方の励振電極の平行辺を圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向のいずれかに沿って形成し、他方の励振電極の平行辺を圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向に沿わないように中心を中心点として一方の励振電極に対して平面視的に20°〜70°の範囲で回転させていることでスプリアスを抑制しているが、次のような構成でも同様のスプリアス抑制効果がある電極構成が得られる。すなわち図3(d)に示すように、表面側の励振電極12は各辺が圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向に沿って形成された矩形状で形成され、裏面側の励振電極13が圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向に沿わずに形成された菱形形状で形成されるとともに、前記表面側の矩形状の励振電極12の中心と前記裏面側の菱形状の励振電極13の中心とが対向する同一位置に形成している。圧電振動板11のX軸とZ’軸に辺を沿わした矩形状の励振電極12により主振動が抑圧されるのをおさえながら、菱形状の励振電極13の各辺によって圧電振動板11のX軸とZ’軸に延在するスプリアスの振動変位領域を最も確実かつ効率的に狭めることができ、各スプリアスの抑制効果が高い圧電振動子の励振電極構造となる。
本発明の圧電振動板としては上記実施例1に示す平板状のものに限らず、図4に示すように、圧電振動板の中央に薄肉の振動領域と周囲に厚肉の枠領域を有する逆メサ形状のものであってもよい。つまり、高周波向けに形成される圧電振動板では、エッチング加工を施すことで振動領域のみを薄肉に形成したいわゆる逆メサ形状で構成されることが最近多くなっている。このような逆メサ形状の圧電振動板14では、周辺の厚肉の枠領域141と薄肉の振動領域142の境界部分である段差部143をX軸とZ’軸に沿った方形状とし、表裏のうちの一方の励振電極12の各辺とをそれぞれ平行に配置している。励振電極13については上記実施例1と同様にその平行辺をZ’軸から45°回転させている。このように構成することで、高周波向けの逆メサ形状の圧電振動板に対しても極めて容易かつ効率的にスプリアスを抑制することができる。加えて圧電振動板14の薄肉の振動領域142に対して、励振電極の面積を圧電振動板の端部の辺に近接して拡大させることが可能となり、かつ、このように設計された励振電極の主振動の振動変位が圧電振動板の段差部で遮られて主振動を抑圧することがない。また、図4に示す逆メサ形状は平面視方形状のものとなっているので、振動領域142のより多く確保を行うことができ、励振電極12,13の寸法を大きく設定することができる。その結果、水晶振動板14の主振動の特性を向上させることができる。
なお、図4に示す逆メサ形状(圧電振動板11の中央に薄肉の振動領域)は平面視方形状のものとなっているが、これに限定されるものではなく、平面視円形状のものであってもよい。この場合、逆メサ形状における角部がなく、その結果、クラックを防ぐことができる。
また、上記した図1,2に示す励振電極12,13の形状に限定されるものではなく、例えば、図5,6に示すような励振電極12,13であってもよい。この図5,6に示す励振電極12,13では、それぞれ外周角部(平面視外周角部)に切欠を形成したものである。なお、この切欠は、上記した図3(a)〜図3(d)に示す励振電極12,13にも適用できることは言うまでもない。
このように、励振電極12,13の外周角部に切欠を形成することで、切欠部分におけるスプリアスの面積を小さくしながら、主振動とスプリアスとの距離を離すことができ、その結果、振動漏れしているエネルギーを更に抑制することができる。
上記した本実施例1では、励振電極13については各平行辺が圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向に沿わずに形成されており、励振電極12の重心121を中心点として励振電極12に対して平面視的に20°〜70°の範囲で回転させていることが特徴的な構成としている。そこで、次に、この20°と45°と70°で回転させた形態(上記した表2〜5に示す本発明A,本発明B,本発明C,本発明D,本発明E,本発明F,本発明G参照)と、回転させていない従来品(上記した表1に示す従来A,従来B,従来C,従来D参照)とについて各性能について比較確認を行った。確認した性能は、主振動の直列共振抵抗値(いわゆるCI値)、スプリアスの直列共振抵抗値、およびこれらの抵抗値比である。
なお、上記した表1〜表4に示す形態(本発明と従来品)の共通項目としては、例えば、基本波で300MHzに発振する水晶振動子を用い、ATカット水晶振動板の表裏面に正方形状の励振電極12,13が形成されている。励振電極12,13は、クロムの下地層の上部に金層が形成されてなり、その電極膜厚が0.2μmとされ、その平面視1辺の寸法が0.25mm(サンプルA)もしくは0.275mm(サンプルB)とされている。または、当該励振電極12,13は、クロムの下地層の上部に金層が形成されてなり、その電極膜厚が0.3μmとされ、その平面視1辺の寸法が0.25mm(サンプルC)もしくは0.275mm(サンプルD)とされている。
従来品(従来A,従来B,従来C,従来D)は、表裏の励振電極が互いにずれることなく正対向している(表1参照)。
これに対して、表2〜表4に示す本形態(本発明A,本発明B,本発明C,本発明D)は、表面側の励振電極12に対して裏面側の励振電極13が、その中心(中止位置)を中心点としてその平行辺をZ’軸から20°回転させたもの(表2参照)、45°回転させたもの(表3参照)、70°回転させたもの(表4参照)を用いる。
また、表5に示す本形態(本発明E,本発明F,本発明G)は、表面側の励振電極12に対して裏面側の励振電極13がその中心(中心位置)を中心点として、その励振電極13の平行辺をZ’軸から45°回転させたものである。
また、本発明E,本発明F,本発明Gの表裏の励振電極12,13は同じ電極材料であり、励振電極12,13の1辺の寸法が0.275mmとされた正方形状のものからなる。また、この表5では、本発明E,本発明F,本発明Gとして、基本波で300MHzに発振する圧電振動子を用いる。
さらに具体的に、本発明Eは、表面側の励振電極12の表面側電極膜厚が0.025μmであるのに対して、裏面側の励振電極13の裏面側電極膜厚が0.75μmに形成されたもの(サンプルE)である。
本発明Fは、表面側の励振電極12の電極膜厚が0.2μmであるのに対して、裏面側の励振電極13の電極膜厚が0.1μmに形成されたもの(サンプルF)である。
さらに、本発明Gは、表面側の励振電極12の電極膜厚が0.1μmであるのに対して、裏面側の励振電極13の電極膜厚が0.2μmに形成されたもの(サンプルG)である。
また、表6では、図1に示すような本発明品(本発明H)として、基本波で200MHzに発振し、表面側の励振電極12に対して裏面側の励振電極13が、その中心(中心位置)を中心点として一方の励振電極(図1では励振電極13)の平行辺をZ’軸から45°回転させた水晶振動子(サンプルH)を用いる。
本発明Hの表裏の励振電極12,13は同じ電極材料であり、励振電極12,13の1辺の寸法が0.2mmとされた正方形状のものからなる。なお、この本発明Hでは、表面側の励振電極12と裏面側の励振電極13との正対向した励振電極の領域(水晶振動子の平面視において表裏の励振電極12,13の重なりあう領域)は、八角形状とされている。また、図1に示すように、水晶振動子の平面視において表面側の励振電極12と裏面側の励振電極13とはそれぞれ任意の辺で重なりあっている。
また、表6では、従来品(従来例E)として、圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向に沿って形成された表面側の正方形(0.2×0.2mm)の励振電極と、圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向に沿って形成された表面側の正方形(0.2×0.2mm)の励振電極とから構成され、基本波で200MHzに発振する圧電振動子を用いる。なお、この従来品Eでは、表面側の励振電極と裏面側の励振電極とが対向した励振電極の領域(圧電振動子の平面視において表裏の励振電極の重なりあう領域)は、正方形(0.2×0.2mm)とされている。
また、表7では、図3(d)に示すような本発明品(本発明I)として、圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向に沿って形成された表面側の長方形(0.15×0.268mm)の励振電極12と、圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向に沿わずにそれぞれ対角線が圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向に沿って形成された裏面側の菱形(一辺0.215mm)の励振電極13とから構成され、基本波で200MHzに発振する圧電振動子を用いる(サンプルH)。なお、この本発明Iでは、表面側の励振電極12と裏面側の励振電極13との対向した励振電極の領域(水晶振動子の平面視において表裏の励振電極12,13の重なりあう領域)は、八角形状とされている。また、図3に示すように、水晶振動子の平面視において表面側の励振電極12と裏面側の励振電極13とはそれぞれ任意の辺で重なりあっている。
また、表7では、従来品(従来F)として、圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向に沿って形成された表面側の長方形(0.15×0.268mm)の励振電極と、圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向に沿って形成された裏面側の長方形(0.15×0.268mm)の励振電極とから構成され、基本波で200MHzに発振する圧電振動子を用いる。なお、この従来品Fでは、表面側の励振電極と裏面側の励振電極とが対向した励振電極の領域(圧電振動子の平面視において表裏の励振電極の重なりあう領域)は、長方形(0.15×0.268mm)とされている。
上記したように表6,7に示す本発明H,本発明Iによれば、圧電振動板11の表裏に対向して一対の励振電極12,13と引出電極122,132が形成され、表裏の励振電極12,13の中心が互いに対向して形成され、かつ、当該水晶振動子の平面視において表面側の励振電極12の辺と裏面側の励振電極13の辺とが重なりあうので、励振電極12,13の中心付近に最も強い振動変位分布を有する主振動の発振を妨げることなく、スプリアス振動を抑制することができる。
上記した各試験結果から明らかなように、従来品(上記した表1に示す従来A,従来B,従来C,従来D,従来E,従来F参照)に比べて本形態(上記した表2〜4,6,7に示す本発明A,本発明B,本発明C,本発明D,本発明H,本発明I参照)のほうが、主振動とスプリアスの抵抗比が断然高くなり、スプリアス抑制効果が飛躍的に高まっているのが明らかである。
加えて、本形態のうち45°回転品(表3参照)で、電極膜厚が0.3μmのものが最もスプリアス抑制効果が高いのがわかる。以上の検証結果から、一方の励振電極の平行辺をZ’軸から回転させるとスプリアスの抑制効果が表れ、今回比較した中では45°の時に最大となった。また励振電極の厚みが0.3μmとより厚みのあるものの方についてスプリアス抑制効果が高い傾向にある。また、表5より圧電振動板のX軸とZ’軸に沿わない前記裏面側励振電極を前記表面側励振電極より厚く形成することでスプリアスの抑制効果が高められているのがわかる。
また、上記したように、本実施例では、励振電極12,13では、図3(c)を除くすべての辺が直線とされているが、これに限定されるものではなく、図3(c)に示すように曲線であってもよい。
また、励振電極12,13の少なくとも一方が、平面視円形(図7参照)や平面視楕円形(図8参照)であってもよい。なお、図7では、励振電極13は平面視において励振電極12と内接している。この場合、表裏の励振電極12,13の平面視上重ならない部分において角部(エッジ部)がないので、この角部におけるスプリアスが発生し難くなり、スプリアスを抑制するのにより好適である。
また、上記したように、本実施例によれば、励振電極12,13の一方の辺が、X軸とZ’軸に沿った形態となっているが、励振電極12,13のいずれの辺もX軸とZ’軸に沿わない形態とした時、励振電極12,13のいずれの辺もX軸とZ’軸に沿わないことによるスプリアスが発生するため、好ましくない。
また、表7,8に示す本実施例では、水晶振動子の平面視において表面側の励振電極12と裏面側の励振電極13とはそれぞれ任意の辺で重なりあっているが、図9や図10に示すように、水晶振動子の平面視において表面側の励振電極12の辺と裏面側の励振電極13の平面視外周角部とが重なり合ってもよい。なお、図9では、励振電極12,13は平面視矩形(方形)に形成されている。また、図10では、励振電極12は平面視において長辺と短辺を有する長方形に形成され、励振電極13は平面視において菱形に形成されている。これら図9や図10に示す励振電極12,13の関係について、平面視において励振電極12は励振電極13と内接している。
もしくは、図11,12に示すように水晶振動子の平面視において表面側の励振電極12の平面視外周角部と裏面側の励振電極13の辺が重なり合ってもよい。なお、図11では、励振電極12,13は平面視矩形(方形)に形成されている。また、図12では、励振電極12は平面視において長辺と短辺を有する長方形に形成され、励振電極13は平面視において菱形に形成されている。これら図12や図13に示す励振電極12,13の関係について、平面視において励振電極12は励振電極13と外接している。
上記したように励振電極12が励振電極13と内接や外接している場合、表裏の励振電極12,13うちいずれか一方の電極面積を大きくすることができ、その結果、周波数調整の際の位置決めが容易となる
次に、上記した実施例1とは異なる形態の実施例2について説明する。
以下、本発明による実施例2について図面に基づいて説明する。本形態では、厚みすべり振動にて動作するATカット水晶振動子に本発明による構成を適用した場合について説明する。図13は本発明の実施例2による圧電振動板の平面図であり、図14は図13の底面図である。
圧電振動板21は矩形平板状のATカット水晶振動板(厚みすべり振動)からなり、その表裏面の中央領域に平面視略正八角形状の励振電極22,23が形成されている。励振電極22,23は例えば同形状で同一面積に構成されており、かつ圧電振動板21を介してその中心220,230が正対向(水晶振動板21の平面視において表裏の励振電極22,23が同一位置にあり、重なり合っている)して形成されている。圧電振動板21は例えばX軸が長辺、Z’軸が短辺になるよう設定されており、励振電極22の平行辺221と222および励振電極23の平行辺231と232がX軸に沿って形成され、励振電極22の平行辺223と224および励振電極23の平行辺233と234がZ’軸に沿って形成されている。励振電極22の他の辺225,226,227,228および励振電極23の他の辺235,236,237,238は、X軸方向とZ’軸方向のいずれにも沿わずに形成されている。これらの励振電極22および励振電極23の各辺221〜228,231〜238は全て同寸法で構成されている。
また、各励振電極22,23から圧電振動板21の外周端部に引出電極229,239が引き出されている。これら励振電極および引出電極は例えばクロム−金の積層構成であり、真空蒸着法やスパッタリング法により構成されるが、当該金属材料に限定されるものではない。
圧電振動板21は図示しないセラミックパッケージなどのパッケージへ収納するとともに、圧電振動板21をパッケージに導電性樹脂接着剤や金属バンプ・めっきバンプなどの導電性接合材により電気的機械的接合される。そして所定の加熱などによる安定化処理を行った後、図示しない蓋体にてパッケージの開口部をシーム接合やビーム接合、ろう接合、ガラス封止などの手段により、気密封止を行うことで圧電振動子(具合的に、ATカット水晶振動子)の完成となる。
以上のように構成することで、表裏の励振電極22,23は同形状の平面視略正八角形状で互いに対向して形成されているとともに、励振電極22の平行辺221と222および励振電極23の平行辺231と232がX軸に沿って形成され、励振電極22の平行辺223と224および励振電極23の平行辺233と234がZ’軸に沿って形成されている。このため、主振動が抑圧されるのをおさえることができる。加えて励振電極22の他の辺225,226,227,228および励振電極23の他の辺235,236,237,238は、X軸方向とZ’軸方向のいずれにも沿わずに形成されている。これらの励振電極22および励振電極23の各辺221〜228,231〜238は全て同寸法で構成されている。このため、圧電振動板21のX軸とZ’軸に延在するスプリアスの振動変位領域を最も確実かつ効率的に狭めることができ、各スプリアスの抑制効果が高い圧電振動子の励振電極構造となる。
また、X軸とZ’軸に沿った方形状の圧電振動板21を用いて、この圧電振動板21の各辺のうち短辺と、励振電極22の平行辺223,224および励振電極23の平行辺233,234とをそれぞれ平行に配置している。また、この圧電振動板21の各辺のうち長辺と、励振電極22の平行辺221,222および励振電極23の平行辺231,232とをそれぞれ平行に配置している。
この場合、圧電振動板21の小型化を妨げることなく励振電極22,23の面積を圧電振動板21の端部の辺に近接して拡大させることが可能となり、かつ、このように設計された励振電極22,23の主振動の振動変位が圧電振動板21の端部の辺で遮られて主振動を抑圧することがない。
次に、本発明による実施例2の他の例(実施例2−2)について図面に基づいて説明する。図15は実施例2−2を示す表面実装型水晶振動子の平面図であり、図16は図15の底面図である。実施例2と同様の部分は同番号を付すとともに、説明の一部を割愛している。
本発明による実施例2−2では、図15,図16に示すように、圧電振動板24として上記実施例2に示す平板状ではなく、圧電振動板24の中央に薄肉の振動領域242と周囲に厚肉の枠領域241を有する逆メサ形状のものを用いている。つまり、高周波向けに形成される圧電振動板24では、エッチング加工を施すことで振動領域のみを薄肉に形成したいわゆる逆メサ形状で構成されることが最近多くなっている。
このような逆メサ形状の圧電振動板24では、周辺の厚肉の枠領域241と薄肉の振動領域242の境界部分である段差部243をX軸とZ’軸に沿った方形状とし、その表裏面の薄肉の振動領域242に平面視略正八角形状の励振電極22,23が形成されている。また、圧電振動板24は、例えばX軸が長辺、Z’軸が短辺になるよう設定されている。
励振電極22,23は例えば同形状で同一面積に構成されている。そして、圧電振動板24の薄肉の振動領域における中心点(図示せず)に対して各励振電極の中心点221,231が正対向して同一位置に形成されている。これら励振電極22の平行辺221と222、および励振電極23の平行辺231と232がX軸に沿って形成されている。また、励振電極22の平行辺223と224、および励振電極23の平行辺233と234がZ’軸に沿って形成されている。励振電極22の他の辺225,226,227,228、および励振電極23の他の辺235,236,237,238は、X軸方向とZ’軸方向のいずれにも沿わずに形成されている。なお、これらの励振電極22および励振電極23の各辺221〜228,231〜238は全て同寸法で構成されている。
このように構成することで、高周波向けの逆メサ形状の圧電振動板24に対しても極めて容易かつ効率的にスプリアスを抑制することができる。つまり上記実施例2と同様に主振動が抑圧されるのをおさえることができる。加えて励振電極22の他の辺225,226,227,228、および励振電極23の他の辺235,236,237,238は、X軸方向とZ’軸方向のいずれにも沿わずに形成されている。これら励振電極22および励振電極23の各辺221〜228,231〜238は全て同寸法で構成されている。このため、圧電振動板24のX軸とZ’軸に延在するスプリアスの振動変位領域を最も確実かつ効率的に狭めることができ、各スプリアスの抑制効果が高い圧電振動子の励振電極構造となる。
また、圧電振動板24の薄肉の振動領域242に対して、周辺の厚肉の枠領域241と薄肉の振動領域242の境界部分である段差部243をX軸とZ’軸に沿った方形状とし、この段差部243と励振電極22,23の平行辺221,222、平行辺223,224、平行辺231,232、平行辺233,234とを平行に配置している。このため、圧電振動板24の薄肉の振動領域242に対して、励振電極22,23の面積を圧電振動板24の端部の辺に近接して拡大させることが可能となる。また、このように設計された励振電極22,23の主振動の振動変位が圧電振動板24の段差部243で遮られて、主振動を抑圧することがない。
また、励振電極22,23は例えば同形状で同一面積に構成され、圧電振動板24の薄肉の振動領域242における中心点に対して各励振電極22,23の中心点221,231が正対向して同一位置に形成されている。このため、圧電振動板24の薄肉の振動領域242における中心では、エッチングレート差などによる平面平行度にばらつきが生じにくいため、この中心と励振電極22,23の中心を同一位置にすることで平面平行度のばらつきに起因するスプリアス振動の影響をより効果的に抑制することができる。特に、水晶などの圧電振動板24に対してウェットエッチング加工により逆メサ形状に加工する場合、薄肉の振動領域242と厚肉の枠領域241の境界近傍(段差部243近傍)ではエッチングレート差によりスロープ状の厚み漸減領域が形成されるので、振動領域242の平行平面度がばらつくことが懸念される。このような厚み漸減領域域の影響を受けない振動領域242の中心に励振電極22,23を形成することがスプリアス抑制するうえでより好ましい構成となる。
なお、上記実施例2−2では、励振電極22,23として平面視略正八角形状のものを開示しているが、図17,図18に示すように、励振電極22および励振電極23の各軸と平行辺221〜224,231〜234を同寸法で構成し、励振電極22および励振電極23の各軸に沿っていない辺225〜228,235〜238は同寸法で構成するとともに、平行辺221〜224,231〜234に対して前記各軸に沿っていない辺225〜228,235〜238を長く形成してX軸方向に長い励振電極として構成してもよい(実施例2−3)。
このように構成することで、上記実施例2−2と同様のスプリアス抑制効果が得られる。各軸に沿わない辺が各軸に沿う平行辺より短くなると励振電極22,23の端部付近に振動変位分布を有するスプリアス振動の抑制効果が低下する。なお、図17,図18とは異なりZ’軸方向に長い励振電極として構成してもよい。
また、上記実施例2−2では、励振電極22,23として各軸に沿った2つの平行辺を有するものを開示しているが、少なくとも1つの平行辺を具備しておればよくこれに限定されるものではない。例えば、図19,図20に示すように、平面視略六角形状の励振電極22,23で構成してもよい(実施例2−4)。
つまり、励振電極22,23は同形状で同一面積に構成されており、かつ、圧電振動板21の薄肉の振動領域における中心点(図示せず)に対して各励振電極22,23の中心点221,231が正対向して同一位置に形成されている。圧電振動板24は例えばX軸が長辺、Z’軸が短辺になるよう設定され、励振電極22の平行辺221と222および励振電極23の平行辺231と232がX軸に沿って形成されている。励振電極22の他の辺225,226,227,228および励振電極23の他の辺235,236,237,238は、X軸方向とZ’軸方向のいずれにも沿わずに形成されている。励振電極22および励振電極23の各軸と平行辺221と222および平行辺231と232を同寸法で構成し、励振電極22および励振電極23の各軸に沿っていない辺225〜228,235〜238は同寸法で構成するとともに、平行辺221と222および平行辺231と232に対して前記各軸に沿っていない辺225〜228,235〜238を長く構成している。このように構成することで上記実施例2−2と同様のスプリアス抑制効果が得られる。
上記した本実施例2や実施例2−2,実施例2−3,実施例2−4を実施形態とする本発明と従来品(上記した表8に示す参照)に関して、各性能について比較確認を行った。確認した性能は、主振動の直列共振抵抗値(いわゆるCI値)、スプリアスの直列共振抵抗値、およびこれらの抵抗値比である。
本発明品Jは、基本波で200MHzに発振する圧電振動子を用い、これに搭載される圧電振動板には、励振電極の1辺の寸法を0.124mmとした正八角形状の励振電極が形成されている。
従来品Gは、基本波で200MHzに発振する圧電振動子を用い、これに搭載される圧電振動板には、励振電極の1辺の寸法を0.3mmとした正方形状の励振電極が形成されている。
本発明品Kは、基本波で300MHzに発振する圧電振動子を用い、これに搭載される圧電振動板には、励振電極の1辺の寸法を0.124mmとした正八角形状の励振電極が形成されている。
従来品Hは、基本波で300MHzに発振する圧電振動子を用い、これに搭載される圧電振動板には、励振電極の1辺の寸法を0.3mmとした正方形状の励振電極が形成されている。
なお、表8に示す本発明品と従来品の共通項目として、例えば、ATカット水晶振動板の表裏面に、厚み全体で0.2μmの励振電極が形成され、当該励振電極はクロムの下地層の上部に金層が形成されてなる。
表8に示すように、これらの試験結果から明らかなように、従来品(従来G,従来H)に比べて本発明品(本発明J,本発明K)のほうが、主振動とスプリアスの抵抗比が断然高くなり、スプリアス抑制効果が飛躍的に高まっているのが明らかである。
なお、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
また、この出願は、2007年8月3日に日本で出願された特願2007−203010号、2007年9月21日に日本で出願された特願2007−246279号、及び2007年9月28日に日本で出願された特願2007−254046号に基づく優先権を請求する。これに言及することにより、その全ての内容は本出願に組み込まれるものである。
本発明は、特に水晶振動子に好適である。

Claims (8)

  1. 厚みすべり振動にて動作する圧電振動板の表裏に対向して一対の励振電極と引出電極が形成された圧電振動子であって、
    前記表裏の励振電極は1つ以上の平行辺を有し、かつ、前記表裏の励振電極の中心が互いに対向して形成され、
    前記表裏の励振電極のうち一方の励振電極における平行辺が、圧電振動板のX軸方向またはZ’軸方向のいずれかの軸方向に沿って形成され、
    前記表裏の励振電極のうち他方の励振電極における平行辺が、圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向に沿わずに形成され
    前記表裏の励振電極は1つ以上の平行辺を有して同形状に形成されたことを特徴とする圧電振動子。
  2. 請求項1に記載の圧電振動子において、
    前記表裏の励振電極が、互いの中心を中心点として、いずれか一つの励振電極の平行辺をZ’軸に対して平面視的に45°回転させて形成されたことを特徴とする圧電振動子。
  3. 厚みすべり振動にて動作する圧電振動板の表裏に対向して一対の励振電極と引出電極が形成された圧電振動子であって、
    前記表裏の励振電極のうち一方の励振電極は、平行辺が圧電振動板のX軸方向またはZ’軸方向のいずれかに沿って形成された矩形状で形成され、
    前記表裏の励振電極のうち他方の励振電極は平行辺が、圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向に沿わずに形成された菱形形状で形成され、
    前記一方の矩形状の励振電極の中心と前記他方の菱形状の励振電極の中心とが対向することを特徴とする圧電振動子。
  4. 請求項1乃至3のうちいずれか1つに記載の圧電振動子において、
    前記他方の励振電極が、前記一方の励振電極より厚く形成したことを特徴とする圧電振動子。
  5. 請求項1乃至4のうちいずれか1つに記載の圧電振動子において、
    前記励振電極では、それぞれ頂点に切欠が形成されたことを特徴とする圧電振動子。
  6. 厚みすべり振動にて動作する圧電振動板の表裏に一対の励振電極と引出電極が形成された圧電振動子であって、
    前記表裏の励振電極は、同形状で互いに対向して形成されているとともに、圧電振動板のX軸方向またはZ’軸方向のいずれかに沿って形成された1つ以上の平行辺と、圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向のいずれにも沿わずに形成され、互いに同寸法で形成された4つ以上の辺とから構成され、
    前記軸に沿う平行辺より前記軸に沿わない辺の方が長く形成されていることを特徴とする圧電振動子。
  7. 厚みすべり振動にて動作する圧電振動板の表裏に一対の励振電極と引出電極が形成された圧電振動子であって、
    前記表裏の励振電極は、同形状で互いに対向して形成されているとともに、圧電振動板のX軸方向またはZ’軸方向のいずれかに沿って形成された1つ以上の平行辺と、圧電振動板のX軸方向とZ’軸方向のいずれにも沿わずに形成され、互いに同寸法で形成された4つ以上の辺とから構成され、
    前記軸に沿う平行辺と前記軸に沿わない辺が同寸法に形成されていることを特徴とする圧電振動子。
  8. 請求項6または7に記載の圧電振動子において、
    前記表裏の励振電極の中心が互いに対向して形成され、かつ、当該圧電振動子の平面視において表面側の励振電極の辺と裏面側の励振電極の辺とが重なりあうことを特徴とすることを特徴とする圧電振動子。
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