JP2002374146A - 圧電振動片及び圧電デバイス - Google Patents

圧電振動片及び圧電デバイス

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JP2002374146A
JP2002374146A JP2001179209A JP2001179209A JP2002374146A JP 2002374146 A JP2002374146 A JP 2002374146A JP 2001179209 A JP2001179209 A JP 2001179209A JP 2001179209 A JP2001179209 A JP 2001179209A JP 2002374146 A JP2002374146 A JP 2002374146A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 水晶振動片10は、ATカット水晶素子
片11の表裏両主面に形成した凹陥部12a、12bに
より薄肉の励振部13とその周囲に厚肉の補強枠部14
とを備える。励振部の両面に形成した励振電極21a、
21bは、補強枠部との段差を越えて配線されたリード
23a、23bを介して、強枠部の長手方向端部に形成
した対応する引出電極22a、22bと接続されてい
る。励振部と補強枠部との段差には、そのエッジに沿っ
て複数の楔形突条25からなる凹凸を設けたリード引出
部24が形成され、これを通るようにリード23aが成
膜されている。 【効果】 リード引出部を通るリードの線幅が実質的に
広がるので、その膜厚を厚くしなくても電気抵抗を低く
でき、段差における十分な導通性を確保しかつ電極膜の
切断等を回避でき、CI値のばらつきをなくして安定し
た振動特性が得られ、高い信頼性及び歩留まりの向上を
実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報通信機器やコ
ンピュータ等のOA機器、電子時計等の民生機器を含む
様々な電子機器において使用される圧電振動子等の圧電
デバイスに関し、特に厚みすべりモードを主振動としか
つ圧電体チップの主面に凹設した薄肉振動部に励振電極
を形成した所謂逆メサ型の圧電振動片及びこれをパッケ
ージに搭載した圧電デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、様々な電子機器に電子回路の
クロック源等として圧電振動子等の圧電デバイスが広く
使用されている。最近は、電子機器の小型化・薄型化に
伴い、圧電デバイスの小型化・薄型化が要求され、装置
の回路基板への実装に適した表面実装型のものが多く採
用されている。特に携帯電話等の情報通信分野では、情
報伝送の大容量化及び高速化に伴う通信周波数の高周波
化・システムの高速化に対応して、従来よりも高い90
〜200MHz程度の周波数で動作する圧電振動子が要
求されている。
【0003】厚みすべりモードを主振動とする圧電振動
子において高周波化を図るためには、圧電振動片の励振
部の厚さを薄くする必要がある。そこで、例えば特開平
11−355094号公報、特開平11−205062
号公報、再公表WO98/038736号特許公報等に
記載されるように、圧電振動片を薄い励振部とその周囲
の厚い補強枠との一体構造にして機械的強度を向上さ
せ、取扱い及び実装を容易にして振動片の欠けや割れ等
を無くし、高周波化を実現できる逆メサ型の圧電振動子
が提案されている。
【0004】図8(A)及び(B)は、従来の一般的な
逆メサ型水晶振動片の一例を示している。この水晶振動
片1は、矩形薄板状のATカット水晶素子片2の表裏両
主面にそれぞれ矩形凹部を形成することにより、薄肉の
励振部3とその外周に厚肉の補強枠部4とが設けられて
いる。励振部3の表裏両面には1対の励振電極5a、5
bが形成され、それぞれリード6a、6bを介して補強
枠部4の長手方向の端部に設けられた引出電極7a、7
bと電気的に接続されている。これら励振電極、リード
及び引出電極は、一般に電極材料のスパッタリング又は
蒸着により水晶素子片2の表面に電極膜を形成し、これ
をフォトリソグラフィ技術を用いてパターニングするこ
とにより形成される。励振部3は、外部から引出電極7
a、7bに入力する電気信号により励振電極5a、5b
間に電界を印加すると、その形状・寸法により決定され
る所定の周波数で振動する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなATカット
水晶振動子において、引出電極に入力する電気信号をリ
ード部分を介して良好に励振電極に伝達するためには、
その沿面抵抗をできる限り低くすることが重要である。
そのため、リード部分の膜厚は厚い方が有利である。他
方、水晶振動子は、振動エネルギが水晶表面の励振電極
の周辺にトラップされると、主振動と同時に高次の厚み
すべり副振動が励振されるという弊害が生じる。特に高
周波水晶振動子は、励振部の寸法比即ち水晶の厚みに対
する縦横寸法の比が大きいので、高次厚みすべり副振動
の周波数は主振動の周波数に近くなり、主振動に影響を
与える虞がある。その中でも逆メサ型水晶振動片は、通
常の平板状水晶振動片と比較して、励振電極の膜厚に対
する縦横寸法の比が水晶の厚みに対して大きいので、エ
ネルギトラップの程度も通常より高く、それだけ主振動
に影響を与える影響も大きくなる。かかる観点からこの
ような逆メサ型の圧電振動子において、励振電極の膜厚
を厚くすることはあまり好ましくない。
【0006】上述したように、励振電極、引出電極及び
リードの電極膜は通常同時に、従って同じ膜厚に形成さ
れる。ところが、励振電極から引出電極へ延びるリード
は、凹陥形状の励振部と厚肉補強枠部との段差で水晶板
の鋭利なエッジ部分を通るため、その膜厚が薄いと電極
膜の一部又は全部が切断されて導通不良を起こす虞があ
る。また、導通不良を起こさないまでも、段差特にその
エッジ部分は、スパッタリングや蒸着による電極材料が
付着し難く、他の部分よりも膜厚が薄くなりかつばらつ
きを生じ易いので、電気抵抗が高くなりかつばらつきを
生じて励振電極間に所望の電圧が印加されず、CI(ク
リスタルインピーダンス)値が高くなりかつばらつきを
生じて振動特性が不安定になる虞がある。これらの問題
は、電極膜全体の膜厚が薄くなればなるほど、水晶振動
子が小型化されてリードの配線自由度が小さくなりかつ
その線幅が狭くなればなるほど、深刻になる。
【0007】そこで本発明は、上述した従来の問題点に
鑑みてなされたものであり、その目的は、特に逆メサ型
の圧電振動片において、励振部と補強枠部との段差を通
るリードを、その膜厚を不必要に厚くすることなく低抵
抗にし、安定した振動特性を得ると共に、エッジ部分で
の切断等による導通不良の発生を防止し、高い信頼性及
び歩留まりの向上を実現することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的を達成するために、薄肉の励振部及びその周囲に設け
られた厚肉の補強枠部を有する圧電素子片と、励振部の
表裏両主面に設けられる1対の励振電極と、補強枠部に
設けられかつそれぞれリードを介して対応する励振電極
に接続された1対の引出電極とを有し、補強枠部が、リ
ードを通過させるために励振部との段差にそのエッジに
沿って凹凸を設けたリード引出部を有することを特徴と
する圧電振動片が提供される。
【0009】このように段差のエッジに沿って凹凸を設
けたリード引出部をリードが通ることにより、その線幅
が実質的に広がるので、膜厚を不必要に厚くしなくて
も、段差における十分な導通性を確保しかつ電極膜の切
断等を回避しながら、その電気抵抗を低くすることがで
きる。従って、CI値を低下させかつそのばらつきをな
くし、振動特性の安定した圧電振動片を得ることができ
る。
【0010】特に、リード引出部を設けた補強枠部の段
差が励振部に向けて傾斜していると、それだけエッジの
角度が緩やかになり、それだけスパッタリングや蒸着に
よる電極材料が付着し易くなるので、膜厚が薄くなり過
ぎて高抵抗になったり断線する虞が少なく、好都合であ
る。
【0011】或る実施例では、リード引出部の凹凸が段
差に1つ又は複数の突条を設けることにより簡単に形成
でき、別の実施例では、リード引出部の凹凸が段差に1
つ又は複数の凹溝を設けることにより簡単に形成するこ
とができる。
【0012】また、或る実施例では、前記圧電素子片が
ATカット水晶薄板からなる。この素子片は、水晶をそ
のX軸回りにZ軸から所定の約35度のカットアングル
で切り出した薄板又はウエハを、通常一方の対向する2
辺がX軸の方向に延長しかつ他方の対向する2辺が水晶
のZ軸に関して前記所定の角度をなす向きに延長する矩
形に切断したもので、その主面は水晶のY軸に直交する
平面に関して前記所定の角度で傾斜している。主面にフ
ォトリソグラフィ技術を用いて異方性ウェットエッチン
グにより矩形の凹陥部を形成すると、該凹陥部と補強枠
部との段差は、X軸方向の対向する2辺のうち、1辺が
略垂直にエッチングされるのに対し、他の1辺は凹陥部
に向けて比較的緩やかな傾斜面を形成する。これらと直
交する残りの2辺は比較的急な傾斜面を形成する。これ
は、水晶のエッチング速度がその結晶方位別に異なり、
Z軸方向に大きく、X軸方向に小さく、Y軸方向には更
に小さいという、当業者に良く知られた水晶のエッチン
グ速度の結晶軸依存性に因るものである。
【0013】従って、リード引出部が、水晶のX軸に沿
って延長しかつ励振部に関してZ軸正側の補強枠部の段
差に設けられていると、この段差は比較的緩やかな傾斜
面を有するので、エッジ部分においても電極材料の付着
が良好で、膜厚のばらつきや断線の虞が少なく、好都合
である。
【0014】また、本発明の別の側面によれば、上述し
た本発明の圧電振動片と該圧電振動片を搭載するパッケ
ージとを有する圧電デバイスが提供される。この圧電デ
バイスには、圧電振動子、圧電発振器等の様々なデバイ
スが含まれる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施例に
ついて添付図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、
本発明による圧電振動片として、逆メサ型水晶振動片の
構成を概略的に示している。本実施例の水晶振動片10
は、従来から水晶振動子(圧電振動子)に多く使用され
ているATカット水晶素子片(圧電素子片)11からな
る。この水晶素子片11は、水晶をそのX軸回りにZ軸
から所定の約35度のカットアングルで切り出した矩形
のATカット水晶薄板で、その一方の対向する2辺がX
軸の方向に延長しかつ他方の対向する2辺が水晶のZ軸
に関して前記所定の角度をなすZ´軸の向きに延長して
いる。ATカット水晶素子片11の表裏両主面は、水晶
のY軸に関して前記所定の角度をなすY´軸に直交する
平面、別言すればY軸に直交する平面に関して前記所定
の角度で傾斜している。
【0016】ATカット水晶素子片11は、その各辺と
平行な4辺を有する矩形の凹陥部12a、12bがそれ
ぞれ表裏両主面に形成され、それにより薄肉の励振部1
3とその周囲に厚肉の補強枠部14とが設けられてい
る。本実施例において、これら凹陥部12a、12b
は、フォトリソグラフィ技術を用いて水晶素子片11の
前記表裏主面を異方性ウェットエッチングすることによ
り形成される。
【0017】具体的には、先ず所定厚さの水晶ウエハ1
5を準備してその両面を鏡面研磨で仕上げた後、耐フッ
酸性の耐蝕膜16を全面に形成する。耐蝕膜16は、一
般に蒸着又はスパッタリングにより厚さ約10〜100
nmのCr層に厚さ50〜300nmのAu層を積層し
た薄膜により形成される。次に、水晶ウエハ15の両面
全面に亘ってレジスト膜17を塗布する(図2
(A))。水晶ウエハ15の上に凹陥部12a、12b
の形状をパターニングしたフォトマスク18を配置し、
紫外線19を照射して耐蝕膜16をパターニングする
(図2(B))。
【0018】露光したレジスト膜17の部分を除去し、
かつそれにより露出した耐蝕膜16の部分を適当なAu
用及びCr用のエッチング液で除去して、水晶ウエハ1
5の表面を露出させる(図2(C))。次に、フッ酸を
主成分とする水晶用エッチング液に水晶ウエハ15を浸
漬し、その露出面を所定の厚さまでハーフエッチングす
る(図2(D))。更に、残存するレジスト膜17を適
当な剥離液又は酸素プラズマで完全に除去し、かつ耐蝕
膜16を剥離液で溶解除去する(図2(E))。この水
晶ウエハ15をダイシング等の機械的加工やウェットエ
ッチングにより個々の素子片に分割すると、凹陥部12
a、12bを有する多数の水晶素子片11が得られる。
【0019】上述したように、水晶はエッチング速度が
その結晶方位別に異なり、Z軸方向(水晶素子片11の
幅方向Z´に関して約35度の傾きをなす)に大きく、
X軸方向(水晶素子片の長手方向)に小さく、Y軸方向
(水晶素子片の面方向Y´に関して約35度の傾きをな
す)には更に小さいという、エッチング速度の結晶軸依
存性を有する。このため、励振部13と補強枠部14と
の段差は、X軸方向の対向する2辺のうち、Z´軸の正
方向側の辺20aが励振部に向けて比較的緩やかな傾斜
面を有するように加工されるのに対し、Z´軸の負方向
側の辺20bは略垂直にエッチングされる。これらと直
交する残りの2辺20c、20dは、辺20cが辺20
aよりも急な傾斜面を、辺20dが更に急な傾斜面を有
するように加工される。
【0020】励振部13の略中央には、同じ矩形パター
ンの1対の励振電極21a、21bが形成され、補強枠
部14の一方の長手方向端部には、前記励振電極を外部
に接続するための左右1対の引出電極22a、22bが
設けられ、それぞれリード23a、23bを介して対応
する前記励振電極と引出電極とが電気的に接続されてい
る。補強枠部14には、そのX軸方向に沿ってZ´軸正
方向側の辺20aにリード引出部24が設けられ、これ
を通過して前記各リードが励振部13から補強枠部14
の段差の上に引き出されている。これら励振電極、リー
ド、引出電極を構成する電極膜は、図2の工程に従って
加工された水晶素子片11に、従来公知のマスク蒸着等
の手段を用いて形成することができる。
【0021】図3は、図1に示す水晶振動片11のリー
ド引出部24を部分的に拡大して示しており、同図に良
く示すように、リード引出部24は、上述したように比
較的緩やかに傾斜する段差のエッジに沿って励振部13
側に突出する複数の楔形突条25が形成され、かつその
上にリード23aが成膜されている。この突条25は、
その楔形形状を予め転写したフォトマスクを図2(B)
の工程で使用することにより、容易に形成することがで
きる。突条25の傾斜面25a、25bは、水晶素子片
11のX軸、Y´軸及びZ´軸方向のエッチング速度が
異なることから、X軸の正方向側により緩やかで、互い
に非対称な形状となっている。
【0022】リード23aは、励振部13から補強枠部
14にかけて同じ線幅で成膜されるが、リード引出部2
4における線幅はその凹凸によって実質的に広くなって
いる。しかも、この段差は緩やかな傾斜面からなるの
で、電極材料をマスク蒸着等によって良好に付着させる
ことができ、膜厚を不必要に厚くしなくても、膜厚のば
らつきや断線を回避しつつ、その電気抵抗を低くするこ
とができる。当然ながら、水晶素子片11の裏側の主面
についても、励振部13と補強枠部14との段差に同様
の楔形突条を有するリード引出部が設けられ、これを通
るようにリード23bが配線されている。従って、この
水晶振動片10を公知のパッケージに搭載すると、CI
値を低下させかつそのばらつきをなくし、振動特性の安
定した逆メサ型水晶振動子を得ることができる。
【0023】実際に図1及び図3に示す構成のATカッ
ト水晶振動片を製作し、そのCI値を測定した。次の表
1は、該水晶振動片の寸法及びリード引出部24に設け
た突条の数を示している。
【0024】
【表1】
【0025】比較のために、励振部と補強枠部との段差
に凹凸を有しない従来のATカット水晶振動片について
も、そのCI値を測定したところ、次の表2に示す結果
が得られた。この測定結果から、本実施例の構成を採用
することによって、CI値が大幅に向上したことが分か
る。
【0026】
【表2】
【0027】図4は、リード引出部24の変形例を示し
ており、前記段差のエッジに沿って補強枠部14側に凹
んだ複数の楔形凹溝26が形成され、かつその上にリー
ド23aが成膜されている。この場合にも、凹溝26の
傾斜面26a、26bは、水晶素子片11のX軸、Y´
軸及びZ´軸方向のエッチング速度が異なるため、その
向き及び形状が互いに非対称である。リード23aは、
励振部13から補強枠部14にかけて同じ線幅で成膜さ
れ、リード引出部24における線幅が実質的に広くかつ
段差が緩やかに傾斜しているので、段差における十分な
導通性を確保しかつ膜厚のばらつきや断線を回避しなが
ら、その電気抵抗を低くすることができる。
【0028】図5乃至図7は、それぞれ補強枠部14の
他の3辺20b〜20dに同様のリード引出部24を設
けた場合を示している。図5(A)は、補強枠部14の
Z´軸方向に延びる辺20cに図3と同様の複数の楔形
突条27を形成した場合、図5(B)は、図4と同様の
複数の楔形凹溝28を形成した場合である。突条27及
び凹溝28は、図3及び図4の場合よりも傾斜が急であ
り、かつZ´軸の正方向側がより緩やかで、より非対称
な形状となっている。
【0029】図6(A)は、補強枠部14のZ´軸方向
に延びる図5と反対側の辺20dに図3と同様の複数の
楔形突条29を形成した場合、図6(B)は、図4と同
様の複数の楔形凹溝30を形成した場合である。突条2
9及び凹溝30は、図5(A)(B)の場合よりも傾斜
が更に急であり、同様にZ´軸の正方向側がより緩やか
で、互いに非対称な形状となっている。
【0030】図7(A)は、補強枠部14のX軸方向に
延びる図3と反対側の辺20bに図3と同様の複数の楔
形突条31を形成した場合、図7(B)は、図4と同様
の複数の楔形凹溝32を形成した場合である。この辺2
0bの段差は略垂直に形成されるので、突条31及び凹
溝32は、X軸の正方向側に幾分傾斜している。
【0031】図5乃至図7の場合にも、励振部13と補
強枠部14との段差のエッジに沿って凹凸を設けたリー
ド引出部24をリード23a(23b)が通るように配
線されることにより、その線幅が実質的に広くなり、し
かも励振部に向けて傾斜しているので、膜厚を不必要に
厚くしなくても、段差における十分な導通性を確保しか
つ切断等を回避しながら、その電気抵抗を低くすること
ができる。
【0032】以上、本発明の好適実施例について詳細に
説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技
術的範囲内において上記各実施例に様々な変更・変形を
加えて実施することができる。例えば、水晶素子片の凹
陥部は、異方性ウェットエッチング以外にドライエッチ
ングや機械的加工方法により形成することができる。ま
た、リード引出部の傾斜面は、凹陥部の加工後に、従来
公知の化学的又は物理的手法により形成することができ
る。更に、ATカット以外の水晶、又は水晶以外の圧電
材料からなる圧電振動片についても同様に適用すること
ができる。
【0033】
【発明の効果】本発明は、上述したように構成すること
により、以下に記載するような格別の効果を奏する。本
発明の逆メサ型圧電振動片は、励振部と補強枠部との段
差、より好適には傾斜面を有する段差のエッジに沿って
凹凸を設けたリード引出部をリードが通るように配線す
ることにより、該段差におけるリードの線幅が実質的に
広がるので、膜厚を厚くしなくても、電気抵抗を低く抑
制しつつ、段差における十分な導通性を確保しかつ電極
膜の切断等を回避できるので、CI値を低下させかつそ
のばらつきをなくして、安定した振動特性を得ることが
でき、高い信頼性及び歩留まりの向上を実現することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)図は本発明を適用した水晶振動片の実施
例を示す平面図、(B)図はそのB−B線における縦断
面図、(C)図はC−C線における横断面図である。
【図2】図1の水晶素子片を形成する過程を(A)〜
(F)図の行程順に示す断面図である。
【図3】図1に示す水晶振動片のリード引出部を示す部
分拡大平面図である。
【図4】リード引出部の変形例を示す図3と同様の部分
拡大平面図である。
【図5】(A)図は補強枠部の辺20cの段差に図3と
同様の突条からなるリード引出部を設けた部分拡大平面
図、(B)図は図4と同様の凹溝からなるリード引出部
を設けた部分拡大平面図である。
【図6】(A)図は補強枠部の辺20dの段差に図3と
同様の突条からなるリード引出部を設けた部分拡大平面
図、(B)図は図4と同様の凹溝からなるリード引出部
を設けた部分拡大平面図である。
【図7】(A)図は補強枠部の辺20bの段差に図3と
同様の突条からなるリード引出部を設けた部分拡大平面
図、(B)図は図4と同様の凹溝からなるリード引出部
を設けた部分拡大平面図である。
【図8】従来の逆メサ型水晶振動片を示す概略斜視図で
ある。
【符号の説明】
1、10 水晶振動片 2、11 水晶素子片 3、13 励振部 4、14 補強枠部 5a、5b、21a、21b 励振電極 6a、6b、23a、23b リード 7a、7b、22a、22b引出電極 12a、12b 凹陥部 15 水晶ウエハ 16 耐蝕膜 17 レジスト膜 18 フォトマスク 19 紫外線 20a、20b、20c、20d 辺 24 リード引出部 25、27、29、31 突条 25a、25b、26a、26b 傾斜面 26、28、30、32 凹溝

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄肉の励振部及びその周囲に設けられ
    た厚肉の補強枠部を有する圧電素子片と、前記励振部の
    表裏両主面に設けられる1対の励振電極と、前記補強枠
    部に設けられかつそれぞれリードを介して対応する前記
    励振電極に接続された1対の引出電極とを有し、 前記補強枠部が、前記リードを通過させるために前記励
    振部との段差にそのエッジに沿って凹凸を設けたリード
    引出部を有することを特徴とする圧電振動片。
  2. 【請求項2】 前記圧電素子片がATカット水晶薄板
    からなることを特徴とする請求項1記載の圧電振動片。
  3. 【請求項3】 前記リード引出部を設けた前記補強枠
    部の段差が前記励振部に向けて傾斜していることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の圧電振動片。
  4. 【請求項4】 前記リード引出部が、水晶のX軸に沿
    って延長しかつ前記励振部に関してZ軸正側の前記補強
    枠部の段差に設けられていることを特徴とする請求項2
    に記載の圧電振動片。
  5. 【請求項5】 前記リード引出部の凹凸が前記段差に
    設けた1つ又は複数の突条により形成されていることを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の圧電振動
    片。
  6. 【請求項6】 前記リード引出部の凹凸が前記段差に
    設けた1つ又は複数の凹溝により形成されていることを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の圧電振動
    片。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載の圧
    電振動片と、前記圧電振動片を搭載したパッケージとを
    有することを特徴とする圧電デバイス。
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