JP2007318350A - 圧電振動片及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧電基板表面又は裏面の励振電極を反対側に引き出す構造の厚みすべり振動モードの圧電振動片をより少ない工数で製造し、生産性の向上、製造コストの低減を図る。
【解決手段】 ATカット水晶振動片1は、表裏両面に励振電極7a、7bを有する薄肉の励振部2と、その外側に同じ薄肉の支持部5,6により貫通溝4を挟んで一体に結合した厚肉の補強枠部3とを備える。補強枠部の長手方向一端に1対の接続電極8,9が形成され、それぞれ補強枠部及び支持部の表面又は裏面に形成した引出電極10a,11aを介して対応する励振電極と接続されている。各支持部には、内面を電極膜で被覆した貫通孔12,13が設けられ、支持部表裏両面の引出電極を互いに接続している。
【選択図】 図1
【解決手段】 ATカット水晶振動片1は、表裏両面に励振電極7a、7bを有する薄肉の励振部2と、その外側に同じ薄肉の支持部5,6により貫通溝4を挟んで一体に結合した厚肉の補強枠部3とを備える。補強枠部の長手方向一端に1対の接続電極8,9が形成され、それぞれ補強枠部及び支持部の表面又は裏面に形成した引出電極10a,11aを介して対応する励振電極と接続されている。各支持部には、内面を電極膜で被覆した貫通孔12,13が設けられ、支持部表裏両面の引出電極を互いに接続している。
【選択図】 図1
Description
本発明は、様々な電子機器において使用される圧電振動子等の圧電デバイスに関し、特に厚みすべりモードを主振動としかつ薄肉の振動部に励振電極を形成した所謂逆メサ型の圧電振動片及びその製造方法に関する。
従来より、情報通信機器やOA機器、民生機器等の様々な電子機器に電子回路のクロック源等として振動子、共振子、発振器等の圧電デバイスが広く使用されている。最近は、電子機器の小型化・薄型化に伴う圧電デバイスの小型化・薄型化が要求され、装置の回路基板への実装に適した表面実装型が多く採用されている。特に携帯電話等の情報通信分野では、情報伝送の大容量化及び高速化に対応して、圧電デバイスの高周波化が要求されている。
厚みすべり振動モードの圧電振動子において高周波化を図るためには、圧電振動片の励振部の厚さを薄くする必要がある。そこで、高周波化を実現するために、圧電振動片を薄肉の励振部とその周囲に厚肉の補強枠とを一体化した構造とし、その機械的強度を向上させて取扱い及び実装を容易にした逆メサ型の圧電振動子が良く知られている。更に、薄肉の励振部と補強枠との間にスリットまたは溝を形成することにより、補強枠から励振部に外力が伝わりにくくし、信頼性を高めた水晶振動子が提案されている(例えば、特許文献1,2を参照)。また、水晶のエッチング速度がその結晶軸の方向により異なり、薄肉の励振部をエッチング加工するとその縁部に傾斜や丸みが形成されるので、それにより発生する不要な振動やスプリアスの影響を排除するために、励振部と補強枠との間にスリットを形成した水晶振動子が知られている(例えば、特許文献3を参照)。
このような逆メサ型圧電振動片の製造では、大型の水晶ウエハに多数の圧電振動片を縦及び横方向に連続して形成した後、個片化して大量に生産する方法が一般的である。その場合、先に個々の振動片の外形をエッチング加工すると、そのための取りしろを設ける必要があるので、それだけ1枚のウエハから得られる振動片の個数が少なくなる。そこで、かかる取りしろの無駄を無くすために、水晶ウエハに多数の振動子形状及び電極を形成した後、ダイシングで個々の振動子を分離する水晶振動子の製造方法が提案されている(例えば、特許文献4を参照)。また、この水晶振動子は、厚肉の補強部に貫通孔を設け、該孔に形成した引出電極により、外部と接続するために補強部表面に形成した電極と振動領域裏面の励振用電極とを接続している。
しかしながら、上記特許文献4に記載される従来の水晶振動子では、薄肉の振動領域と補強部の貫通孔とでエッチング量が大きく異なるので、それらのエッチング加工を別個に行う必要がある。即ち、従来の薄肉振動領域を水晶ウエハにハーフエッチングする工程に加えて、貫通孔のエッチング工程を追加しなければならない。この特許文献4に記載の水晶振動子は、振動領域と補強部との間に上記特許文献1,2のような溝やスリットを備えていないが、その場合でも、同様に貫通孔のエッチング工程を追加しなければならないことに変わりはない。そのため、水晶振動子の製造上工数が多くなり、作業が複雑かつ面倒になって生産性を低下させ、コストを増大させるという問題を生じる。
また、上記特許文献1,2のように薄肉の励振部と厚肉の補強枠部との間に溝やスリットを設けた逆メサ型の圧電振動片において、励振部と補強枠部とを結合する支持部の幅を大きくすると、励振部の支持強度を増して落下などに対する耐衝撃性を向上させることができる。しかしながら、支持部の幅を大きくし過ぎると、それだけ補強枠部により励振部が強く拘束されて、却って水晶振動片の温度特性を低下させる虞がある。
そこで本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、薄肉の励振部と厚肉の補強枠部との間に貫通溝を設けた逆メサ型の圧電振動片において、従来の製造工程に比して工数を低減し、生産性の向上及び製造コストの低減を図ると共に、振動特性に影響を与えることなく励振部の支持強度を大きくすることができ、安定性及び信頼性を高めた圧電振動片及びその製造方法を提供することにある。
本発明によれば、上記目的を達成するために、薄肉の励振部、その周囲に貫通溝を挟んで配置された厚肉の補強枠部、貫通溝において励振部と同一平面に形成されて励振部と補強枠部とを一体に結合する支持部からなる圧電素子片と、励振部の表裏各面に設けられた1対の励振電極と、補強枠部に設けられた1対の接続電極と、各励振電極を対応する接続電極と接続するために補強枠部及び支持部に設けられた引出電極と、支持部に形成された貫通孔及び該貫通孔の内面に形成された電極膜とを有し、該電極膜を介して励振部の表面または裏面の励振電極を反対側の面の対応する引出電極に接続した圧電振動片が提供される。
励振部と同一平面に形成される支持部は励振部と同じ厚さを有するので、これに設ける貫通孔は、例えばウエットエッチングにより貫通溝と同時にかつ容易に加工することができる。従って、貫通孔を加工するための新たな工程を追加する必要が無く、従来の製造工程に比して工数を削減し、加工作業を簡単にすることができる。しかも、励振部と同じ薄肉の支持部は、微小な寸法の貫通孔であってもその加工が比較的容易であり、圧電振動片の小型化にも十分対応することができる。
更に、支持部の貫通孔は、補強枠部から支持部を介して励振部に作用する外部応力を分散させることができる。従って、圧電振動片を使用時において、発振させた周波数をより安定させることができ、かつ落下などに対する耐衝撃性が向上する。また、励振部の支持強度は、支持部の幅を広くするほど大きくなるが、その分補強枠部による励振部の拘束が強くなり、却って圧電振動片の温度特性を低下させる虞がある。本発明によれば、貫通孔により、補強枠部からの外部応力を分散させる効果が得られるので、支持部幅を多少広くしても、温度特性への影響を有効に回避することができ、機械的に十分な支持強度と、安定した振動特性とを同時に実現することができる。
或る実施例では、接続電極及び引出電極を補強枠部の表裏両面に設けることにより、圧電振動片を表裏の区別無く実装することができる。別の実施例では、接続電極及び引出電極を補強枠部の同じ表面または裏面の一方のみに設けることにより、無駄な電極の引き回しを省略することができる。
また、或る実施例では、支持部の貫通孔が補強枠部から励振部に延長する向きに細長くした、例えば楕円形又はトラック型の長円形に形成される。これにより、貫通孔の寸法を小さくしつつ、その内面に形成される電極膜の面積を大きくして、より良好な導通性を確保することができる。
また、別の実施例では、圧電振動片が、従来から厚みすべり振動モードの水晶振動子にに使用され、周波数温度特性に優れたATカット水晶薄板で形成される。ATカット水晶板は、そのエッチング速度がZ軸方向に大きく、X軸方向に小さく、Y軸方向には更に小さいという、当業者に良く知られた水晶のエッチング速度の結晶軸依存性を有するので、特に支持部の貫通孔を強枠部から励振部に向けて細長く形成する場合に有利である。
本発明の別の側面によれば、上述した本発明の複数の圧電振動片を形成するために、圧電ウエハを励振部の厚さにハーフエッチングして励振部、貫通溝及び支持部の形状に対応する薄肉部を形成し、該薄肉部をエッチングして貫通溝及び支持部の貫通孔を形成すると共に補強枠部、励振部及び支持部を画定し、それら補強枠部、励振部及び支持部の表裏各面に所望の励振電極、接続電極及び引出電極をパターニングしかつ貫通孔の内面に電極膜を形成する過程を有する圧電振動片の製造方法が提供される。
この方法によれば、貫通溝と貫通孔を同時に加工できるので、貫通孔を加工するための新たな工程を追加する必要が無く、従来の製造工程に比して工数を削減し、加工作業を簡単にすることができる。しかも、貫通孔は薄肉の支持部に形成されるので、微小な寸法であっても、ウエットエッチングによる加工が比較的容易であり、小型化にも適している。従って、生産性の向上及び製造コストの低減を図りつつ、安定性及び信頼性を高めることができかつ小型化に適した圧電振動片を製造することができる。
或る実施例では、圧電ウエハに複数の圧電振動片を縦及び/又は横方向に連続して形成し、各圧電振動片の補強枠部の外形を画定する切断線に沿って、例えばダイシング等の機械的手段で切断することにより、個々の圧電振動片を分離することができる。切断線は、使用するダイシングブレードの刃厚を考慮して、所定の補強枠部の外形寸法が得られるように設定すればよく、従来の振動片の外形をエッチング加工するために取りしろを設ける必要がないので、1枚のウエハから得られる振動片の個数をより多くすることができ、生産性の向上及びコストの低減を図ることができる。
以下に、本発明の好適な実施例について添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1(A)(B)は、本発明による圧電振動片として、逆メサ型のATカット水晶振動片の第1実施例を概略的に示している。本実施例の水晶振動片1は、従来から厚みすべり振動モードの水晶振動子に多く使用されているATカットの矩形水晶薄板で形成されている。ATカット水晶板は、水晶をそのX軸回りにZ軸から所定の約35度のカットアングルで切り出したもので、水晶振動片1は、その対向する長手方向の2辺が水晶のX軸方向に延長し、かつ対向する幅方向の2辺が水晶のZ軸に関して前記所定の角度をなすZ´方向に延長するように配向している。水晶振動片1の表裏両主面は、水晶のY軸に関して前記所定の角度をなすY´方向に直交する、別言すればY軸に直交する平面に関して前記所定の角度で傾斜している。
図1(A)(B)は、本発明による圧電振動片として、逆メサ型のATカット水晶振動片の第1実施例を概略的に示している。本実施例の水晶振動片1は、従来から厚みすべり振動モードの水晶振動子に多く使用されているATカットの矩形水晶薄板で形成されている。ATカット水晶板は、水晶をそのX軸回りにZ軸から所定の約35度のカットアングルで切り出したもので、水晶振動片1は、その対向する長手方向の2辺が水晶のX軸方向に延長し、かつ対向する幅方向の2辺が水晶のZ軸に関して前記所定の角度をなすZ´方向に延長するように配向している。水晶振動片1の表裏両主面は、水晶のY軸に関して前記所定の角度をなすY´方向に直交する、別言すればY軸に直交する平面に関して前記所定の角度で傾斜している。
水晶振動片1は、中央に矩形薄肉の励振部2と、その周囲に配置された矩形厚肉の補強枠部3とからなる水晶素子片を有する。励振部2と補強枠部3とは、それらの間に設けた所定幅の貫通溝4により分離され、かつ励振部2の長手方向即ちX軸方向の各辺の中央付近に配置した支持部5,6により、一体に結合されている。支持部5,6は、励振部2と同じ厚さを有し、かつそれと同一平面をなすように形成される。別の実施例では、支持部5,6を励振部2の長手方向各辺の中央以外の位置に設けることができ、また、2個所以上の支持部を設けることができる。
励振部2の表裏主面には、同じ矩形パターンの1対の励振電極7a、7bが形成されている。補強枠部3の一方の長手方向端部には、その表裏主面にそれぞれ前記励振電極を外部に接続するための左右1対の接続電極8、9が形成されている。更に、補強枠部3の表裏主面には、各接続電極8、9からそれぞれX軸方向の辺縁に沿って延長し、各辺の中央付近で屈曲して支持部5,6の表裏各主面に至る引出電極10a,10b,11a,11bが形成されている。励振部2表面の励振電極7aは、図1において左側の引出電極10aと接続され、右側の引出電極11aとは分離されている。励振部2裏面の励振電極7bは、図1において右側の引出電極11bと接続され、右側の引出電極10bとは分離されている。本実施例の水晶振動片1は、このように補強枠部3の両面に引出電極及び接続電極を引き回すことによって、裏表の区別無く実装することができる。
水晶は、そのエッチング速度が結晶方位別に異なり、Z軸方向(水晶振動片1の幅方向Z´に関して約35度の傾きをなす)に大きく、X軸方向(水晶振動片1の長手方向)に小さく、Y軸方向(水晶振動片1の面方向Y´に関して約35度の傾きをなす)には更に小さいという、エッチング速度の結晶軸依存性を有する。このため、薄肉の励振部2と厚肉の補強枠部3との段差は、X軸方向に延長する対向2辺のうち、+Z´側が内側に向けて比較的緩やかに傾斜するのに対し、−Z´側は略垂直にエッチングされる。これらと直交してZ´方向に延長する対向2辺は、−X側がやや急峻に傾斜するのに対し、+X側は更に急峻にエッチングされる。
このような段差の下側に位置する支持部5,6には、それぞれ中央に補強枠部3から支持部5,6に向けて即ちZ´方向に細長い楕円形の貫通孔12,13が形成されている。図2(A)(B)には、一方の支持部6及び貫通孔13を拡大して示す。上述したように水晶はエッチング速度の結晶軸依存性を有するので、貫通孔13(12)の内面には突起13aが形成される。貫通孔13(12)の内面は電極膜14で被覆され、それにより支持部6(5)表裏各面の引出電極11a,11b(10a,10b)を互いに接続している。楕円形の貫通孔12,13は、微細な寸法で電極膜14の面積をより大きくとることができるので、良好な導通性が確保される。
更に、貫通孔12,13を設けたことにより、補強枠部3から支持部5,6を介して励振部2に作用する外部応力を分散させることができる。従って、水晶振動片1を実装して使用したとき、発振させた周波数をより安定させることができ、落下などに対する耐衝撃性が向上するという利点が得られる。励振部2の支持強度は、支持部5,6の幅を広くするほど大きくなるが、それだけ補強枠部3により励振部2が強く拘束されて、水晶振動片1の温度特性を低下させる虞がある。本発明によれば、貫通孔12,13による外部応力の分散効果が得られるので、支持部5,6の幅を多少広くしても、温度特性への影響を有効に回避することができる。
また、前記貫通孔は、支持部5,6が励振部2と同じ厚さを有するので、ウエットエッチングにより励振部2の外形を画定する貫通溝4の加工と同時に形成することができる。特に、本実施例に使用するATカット水晶板は、Z軸方向にエッチング速度が高いので、所望の向きに細長い貫通孔12,13の形成は比較的容易である。しかも、前記支持部の厚さが薄いので、前記貫通孔の内面は突起13aが小さく、比較的垂直に近い形で貫通させることができる。
図3は、本発明に好ましい前記貫通孔の別の形状を示している。この実施例では、貫通孔13が、補強枠部3から支持部5,6に向きに細長いトラック型の長円形に形成されている。当然ながら、貫通孔12,13の形状はこれらの楕円形、長円形に限定されるものではない。
図4(A)(B)は、本発明による逆メサ型のATカット水晶振動片の第2実施例を概略的に示している。第2実施例の水晶振動片1は、補強枠部3及び支持部5,6裏面の接続電極8,9及び引出電極10b,11bが省略され、その表面にのみ接続電極8,9及び引出電極10a,11aが形成されている点において、図1の第1実施例と異なる。励振部2裏面の励振電極7bは、貫通孔13から励振部表面の引出電極11bに接続されている。励振部表面の励振電極7aは引出電極10aに接続されているので、他方の貫通孔12は、その内面に電極膜を形成しなくても良い。本実施例の水晶振動片1は、このように補強枠部3の片面にのみ引出電極及び接続電極を設けることによって、無駄な電極の引き回しを省略することができる。
本発明の水晶振動片1は、フォトリソグラフィ技術を用いてATカット水晶板の表裏主面を異方性ウェットエッチングすることにより形成することができる。具体的には、先ず所定厚さの水晶ウエハを準備してその両面を鏡面研磨で仕上げた後、例えばCr/Au薄膜からなる耐フッ酸性の耐蝕膜をスパッタリング又は蒸着により全面に形成する。この水晶ウエハの両面全面にレジスト膜を塗布し、補強枠部3内側の貫通溝4を含むメサ形状をパターニングしたフォトマスクを用いて、紫外線で前記レジスト膜を露光する。
前記レジスト膜の露光部分を除去し、それにより露出した耐蝕膜の部分を適当なエッチング液で除去して前記メサ形状をパターニングする。これにより前記水晶ウエハの表面を露出させ、その露出面を例えばフッ酸を主成分とする水晶用エッチング液で、励振部2の所望の厚さまでハーフエッチングする。残存するレジスト膜を適当な剥離液又は酸素プラズマなどにより完全に除去し、更に残存する耐蝕膜を剥離液で完全に除去する。
次に、この水晶ウエハの両面全面に同様にして耐蝕膜を形成し、かつレジスト膜を塗布し、貫通溝4及び貫通孔12,13の形状をパターニングしたフォトマスクを用いて、紫外線で前記レジスト膜を露光する。このレジスト膜の露光部分を除去し、それにより露出した耐蝕膜の部分を適当なエッチング液で除去して前記水晶ウエハの表面を露出させる。そして、前記水晶ウエハの露出面を同様にフッ酸を主成分とする水晶用エッチング液などでエッチングして、貫通溝4及び貫通孔12,13を同時に形成する。残存するレジスト膜及び耐蝕膜を同様にして完全に除去する。これにより、水晶振動片1の厚み方向を含む外形を加工した水晶素子片が得られる。本発明によれば、前記貫通溝及び貫通孔を同時に加工できるので、従来の製造工程に比して、貫通孔を加工するための新たな工程を追加する必要が無く、工数を削減して加工作業を簡単にすることができる。
この水晶素子片の表面全面に前記貫通孔の内面も含めて、例えばCr/Au薄膜からなる電極膜をスパッタリング又は蒸着により形成し、かつレジスト膜を塗布する。次に、励振電極7a,7b、引出電極10a,10b,11a,11b及び接続電極8,9の形状をパターニングしたフォトマスクを用いて、紫外線で前記レジスト膜を露光する。このレジスト膜の露光部分を除去し、それにより露出した前記電極膜の部分を適当なエッチング液で除去することにより、前記励振電極、引出電極及び接続電極をパターニングする。最後に、残存するレジスト膜を同様にして完全に除去すると、本発明の水晶振動片1が完成する。この水晶振動片1を公知のパッケージに搭載すると、本発明の逆メサ型ATカット水晶振動子が得られる。
更に本発明によれば、大型の水晶ウエハを用いて一度に多数の水晶振動片1を形成することができる。図5に示すように、両面を鏡面仕上げした所定厚さの大型の水晶ウエハ20を準備し、上述した製造工程に従って多数の水晶振動片21を縦及び横方向に連続して形成する。次に、個々の水晶振動片21を画定する縦及び横方向の切断線22a、22bに沿って水晶ウエハ20をダイシングすることにより、個々の振動片に分割する。切断線22a、22bは、使用するダイシングブレードの刃厚を考慮して、所定の補強枠部3の外形寸法が得られるように設定する。このように個片化することによって、1枚の水晶ウエハから得られる振動片の個数をより多くすることができる。
また、従来の振動片の外形を先に加工する方法では、個々の振動片とウエハの枠部とを連結する部分が、後の分離工程を簡単にするために比較的脆弱に形成される。そのため、製造工程の途中で折れて振動片を欠損する虞がある。本発明によれば、かかる問題が解消され、製造工程におけるウエハの取扱いが容易になるので有利である。
以上、本発明の好適実施例について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において上記各実施例に様々な変更・変形を加えて実施することができる。例えば、水晶振動片のメサ形状は、異方性ウェットエッチング以外にドライエッチングや機械的加工方法により形成することもできる。更に、水晶ウエハから個々の振動片を個片化する際に、ダイシング以外の機械的加工やウェットエッチングを用いることができる。また、ATカット以外の水晶、又は水晶以外の圧電材料からなる圧電振動片についても同様に適用することができる。
1,21…水晶振動片、2…励振部、3…補強枠部、4…貫通溝、5,6…支持部、7a,7b…励振電極、8,9…接続電極、10a,10b,11a,11b…引出電極、12,13…貫通孔、13a…ヒレ、14…電極膜、20…水晶ウエハ、22a、22b…切断線。
Claims (8)
- 薄肉の励振部、その周囲に貫通溝を挟んで配置した厚肉の補強枠部、前記貫通溝において前記励振部と同一平面に形成されて前記励振部と前記補強枠部とを一体に結合する支持部からなる圧電素子片と、前記励振部の表裏各面に設けられた1対の励振電極と、前記補強枠部に設けられた1対の接続電極と、前記各励振電極を対応する前記接続電極と接続するために前記補強枠部及び前記支持部に設けられた引出電極と、前記支持部に形成された貫通孔及び該貫通孔の内面に形成された電極膜とを有し、前記貫通孔の電極膜を介して前記表面または裏面の前記励振電極を反対側の面の対応する前記引出電極に接続したことを特徴とする圧電振動片。
- 前記接続電極及び前記引出電極が前記補強枠部の表裏両面に設けられていることを特徴とする請求項1記載の圧電振動片。
- 前記接続電極及び前記引出電極が前記補強枠部の同じ表面または裏面の一方のみに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片。
- 前記貫通孔が前記補強枠部から前記励振部に延長する向きに細長く形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の圧電振動片。
- 前記圧電素子片がATカット水晶薄板からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の圧電振動片。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載される圧電振動片を形成するために、圧電ウエハを前記励振部の厚さにハーフエッチングして前記励振部、前記貫通溝及び前記支持部の形状に対応する薄肉部を形成し、前記薄肉部をエッチングして前記貫通溝及び前記支持部の貫通孔を形成すると共に前記補強枠部、前記励振部及び前記支持部を画定し、前記補強枠部、前記励振部及び前記支持部の表裏各面に前記励振電極、前記接続電極及び前記引出電極をパターニングしかつ前記貫通孔の内面に前記電極膜を形成する過程を有することを特徴とする圧電振動片の製造方法。
- 前記圧電ウエハに複数の前記圧電振動片を縦及び/又は横方向に連続して形成し、前記各圧電振動片の前記補強枠部の外形を画定する切断線に沿って切断することにより、個々の前記圧電振動片を分離する過程を有することを特徴とする請求項6に記載の圧電振動片の製造方法。
- ダイシングにより前記圧電ウエハから々の前記圧電振動片を分離することを特徴とする請求項7に記載の圧電振動片の製造方法。
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