JP3498121B2 - 超薄板水晶素子及び、その製造方法 - Google Patents

超薄板水晶素子及び、その製造方法

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JP3498121B2
JP3498121B2 JP2000109987A JP2000109987A JP3498121B2 JP 3498121 B2 JP3498121 B2 JP 3498121B2 JP 2000109987 A JP2000109987 A JP 2000109987A JP 2000109987 A JP2000109987 A JP 2000109987A JP 3498121 B2 JP3498121 B2 JP 3498121B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水晶素子に関し、特
に高周波の基本振動を生じ得る小型水晶フィルタに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯無線機のキャリア周波数が高
周波化へと進むに伴い、無線機の周波数選択手段として
用いられる多重モード水晶フィルタ(以下、水晶フィル
タと称する)には、中心周波数が高周波であるものが要
求されている。このような水晶フィルタは、水晶基板の
厚みに反比例して中心周波数が高くなるが、水晶基板が
薄くなると落下等の衝撃に対して破損し易いという不具
合を解消する為に図7に示すような構造のものが実用化
されている。
【0003】即ち、図7は、従来の超高周波用水晶フィ
ルタを示すものであって、同図(a)は側面断面構成
図、同図(b)は上面斜視構成図である。同図(a)に
示すようにこの水晶フィルタ100は、凹陥部101を
有するATカット水晶基板102(以下、水晶基板と称
する)の凹陥部側全面に全面電極103を備え、更に、
該凹陥部101の反対面、即ち、水晶基板102の薄肉
部である振動部104の位置に入力電極105を配置す
ると共に、該入力電極を挟むように出力電極106を配
置したものである。このとき同図(b)に示すように破
線に囲まれた上記振動部104は、その水晶のX軸方向
に平行な外周辺108、109と、Z'軸方向(水晶結
晶軸ZをX軸を中心に−35°15'回転させた軸)に
平行な外周辺107、110とを有する矩形とし、該凹
陥部分は有機溶剤を用いた所謂ケミカルエッチング加工
により形成されるのが一般的である。
【0004】上記ケミカルエッチング加工による振動部
104の形成方法としては、例えば、先ず、一次加工と
して水晶基板の一方の主面に浅い凹陥部を機械的加工等
により設けた後、この凹陥部にこれに対応した孔を有す
る厚板を接着すると共に、該孔内にエッチング液を滴下
するようにした(特開平6−334461号)方法があ
り、これにより周囲を厚肉状態で残存させながら振動部
となる凹陥部分を所望の薄肉とするようエッチングする
ことができる。このような加工方法により形成されたの
水晶フィルタは、周囲の厚肉部が振動部の機械的強度を
補う骨格として機能することから、耐衝撃性に優れたも
のとなる。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
のように凹陥部をケミカルエッチング加工する場合、水
晶結晶がエッチングスピードに異方性を有するものであ
る為に振動部104の厚みを均一にすることが困難であ
り、以下説明する種々不具合を生じていた。即ち、単結
晶体である水晶基板は、図7(b)に示すZ'軸に対し
てほぼ−20°傾いたα軸方向が最もエッチングが速く
進行する特性を有している(以下、エッチングが最も速
く進行する方向をエッチング進行方向と称する)。従っ
て、図7(b)に示すフィルタに於いては、振動部10
4の外周辺107と108との交点角近辺が最も深くエ
ッチングされ、この対角である他の外周辺109と11
0との交点角近辺が最も浅くエッチングされる。
【0006】その結果、振動部104は外周部107と
108との交点角から外周部109と110との交点角
方向に向かうに従って厚肉が増加したものとなる。そし
て、このような水晶基板102を使用した水晶フィルタ
100は、例えば、入力電極105を境に+X軸側(図
面右方)の出力電極106の配置位置の基板厚が他方の
出力電極106(図面左方)の配置位置の基板厚よりも
厚いものであるという具合に入力出力電極105、10
6部のそれぞれの振動部間に厚み差が生じることになる
ので、これに伴い入出力電極105、106間で周波数
偏差が発生し、そのままでは所望のフィルタ特性が得ら
れない場合があった。
【0007】従来、このような両電極の周波数ズレを補
正する方法としては、周波数が高い方の電極にはメタラ
イズ膜厚が厚く、また周波数が低い方の電極にはメタラ
イズ膜厚が薄くなるように加工するという具合に質量効
果を利用した周波数の調整が行われていた。しかし、特
に超高周波タイプの場合は、相対的に厚み差に対する周
波数偏差の調整には電極膜厚を微妙にコントロールする
必要があるので一定以上の厚み差があるものについては
作業の効率性から破棄せざるを得なく、その結果、歩留
まりの悪化を招く要因となっていた。
【0008】一方、上記のような問題を回避する為の手
段としては、凹陥部の平面積を大きくし、振動部104
を広面積とすることにより、振動部104領域内の比較
的平坦度の良い部分に入出力電極105、106を配置
するとしたことも考えられるが、このような手段では水
晶フィルタの大型化が避けられないことから近年の小型
部品へのニーズに対応することができず実用的ではな
い。
【0009】本発明は水晶素子の上記諸問題を解決する
ことによって小型、且つ、製造時の歩留まりに優れ、も
って低価格の水晶素子を提供することを目的としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為に
本発明に係わる請求項1記載の発明は、ATカット水晶
基板の少なくとも一方の主面に凹陥をケミカルエッチン
グ方法を用いて形成することにより薄肉の振動部と該振
動部の周囲を支持する厚肉の囲繞部とを一体的に形成す
る水晶素子の製造方法に於いて、前記振動部の形状を四
角形または矩形または、多角形とすると共に、該振動部
の少なくとも一辺が前記水晶基板の主面垂直方向を回転
軸として前記ATカット水晶基板のX軸に対して−13
°〜−30°回転した方向とほぼ一致し、更に、該一辺
と延長線上にて交差する少なくとも他の一辺が前記X軸
に対して−103°〜−120°回転した方向にほぼ一
致するよう前記エッチングを行うことを特徴とする。
【0011】請求項2記載の発明は、ATカット水晶基
板の少なくとも一方の主面に凹陥をケミカルエッチング
方法を用いて形成することにより薄肉の振動部と該振動
部の周囲を支持する厚肉の囲繞部とを一体的に形成する
水晶素子の製造方法に於いて、前記振動部の形状を四角
形または矩形または、多角形とすると共に、該振動部の
少なくとも一辺が前記水晶基板の主面垂直方向を回転軸
として前記ATカット水晶基板のX軸に対して−17°
〜−23°回転した方向とほぼ一致し、更に、該一辺と
延長線上にて交差する少なくとも他の一辺が前記X軸に
対して−107°〜−113°回転した方向にほぼ一致
するよう前記エッチングを行うことを特徴とする。
【0012】請求項3記載の発明は、ATカット水晶基
板の少なくとも一方の主面に凹陥をケミカルエッチング
方法を用いて形成することにより薄肉の振動部と該振動
部の周囲を支持する厚肉の囲繞部とを一体的に形成する
水晶素子の製造方法に於いて、前記振動部の形状を四角
形または矩形または、多角形とすると共に、該振動部の
少なくとも一辺が前記水晶基板の主面垂直方向を回転軸
として前記ATカット水晶基板のX軸に対して−20°
回転した方向とほぼ一致し、更に、該一辺と延長線上に
て交差する少なくとも他の一辺が前記X軸に対して−1
10°回転した方向にほぼ一致するよう前記エッチング
を行うことを特徴とする。
【0013】請求項4記載の発明は、ATカット水晶基
板の少なくとも一方の主面に凹陥をケミカルエッチング
方法を用いて形成することにより薄肉の振動部と該振動
部の周囲を支持する厚肉の囲繞部とを一体的に形成した
水晶素子に於いて、前記振動部の形状が四角形または矩
形または、多角形であって、該振動部の少なくとも一辺
が前記水晶基板の主面垂直方向を回転軸として前記AT
カット水晶基板のX軸に対して−13°〜−30°回転
した方向にほぼ一致し、更に、該一辺と延長線上にて交
差する他の少なくとも一辺が前記X軸に対して−103
°〜−120°回転した方向にほぼ一致するよう構成さ
れたものであることを特徴とする。
【0014】請求項5記載の発明は、ATカット水晶基
板の少なくとも一方の主面に凹陥をケミカルエッチング
方法を用いて形成することにより薄肉の振動部と該振動
部の周囲を支持する厚肉の囲繞部とを一体的に形成した
水晶素子に於いて、前記振動部の形状が四角形または矩
形または、多角形であって、該振動部の少なくとも一辺
が前記水晶基板の主面垂直方向を回転軸として前記AT
カット水晶基板のX軸に対して−17°〜−23°回転
した方向にほぼ一致し、更に、該一辺と延長線上にて交
差する少なくとも他の一辺が前記X軸に対して−107
°〜−113°回転した方向にほぼ一致するよう構成さ
れたものであることを特徴とする。
【0015】請求項6記載の発明は、ATカット水晶基
板の少なくとも一方の主面に凹陥をケミカルエッチング
方法を用いて形成することにより薄肉の振動部と該振動
部の周囲を支持する厚肉の囲繞部とを一体的に形成した
水晶素子に於いて、前記振動部の形状が四角形または矩
形または、多角形であって、該振動部の少なくとも一辺
が前記水晶基板の主面垂直方向を回転軸として前記AT
カット水晶基板のX軸に対して−20°回転した方向に
ほぼ一致し、更に、該一辺と延長線上にて交差する少な
くとも他の一辺が前記X軸に対して−110°回転した
方向にほぼ一致するよう構成されたものであることを特
徴とする。
【0016】請求項7記載の発明は請求項4乃至請求項
6記載の発明に加え、前記水晶素子が、前記振動部表面
上であって、X軸から所要量回転した該振動部の前記一
辺とほぼ一致する方向に一列に配置された入出力電極を
備えたものであることを特徴とする。
【0017】
【本発明の実施の形態】以下、図示した実施例に基づい
て本発明を詳細に説明する。図1は本発明に基づく多重
モード水晶フィルタ(以下、水晶フィルタと称する)の
一実施例であって、同図(a)側面断面構成図、同図
(b)は上面構成図であり、同図(a)は同図(b)の
A−A'の接断面である。同図(a)に示す水晶フィル
タ1は、凹陥部2を有するATカット水晶基板3(以
下、水晶基板と称する)の凹陥部2側の薄肉部及びその
周囲の厚肉の囲繞部を覆うようにメタライズした全面電
極4を備えると共に、該薄肉部である振動部5の反対主
面上の入力電極6と、これを挟む2つの出力電極7を備
えたものである。
【0018】そして更に同図(b)に示すように振動部
5の外周辺の2辺8、9が水晶結晶のX軸方向に対して
θ'回転したX'軸方向とほぼ一致し、更に、これとほぼ
直行する他の2辺10、11がX軸方向に対して−90
°+θ''回転したX''軸方向とほぼ一致するよう構成さ
れたものであり、その表面には前記X'軸方向に一列に
入出力電極6、7が配置されたものである。前記図1
(a)、(b)から明らかなように、この例に示す水晶
フィルタ1の特徴は、振動部5(この例では矩形である
が)が従来の水晶結晶軸Xに平行なものではなくX軸に
対しθ'だけ回転したX'軸に平行となるように形成した
点である。
【0019】即ち、ATカット水晶基板を主面に垂直な
方向を回転軸として、X軸から約−20°回転した方向
に矩形に切り出し、周囲を残してエッチングにより凹陥
部2を設け、薄肉の振動部5を形成したものである。そ
の結果、以下に説明するように上述したエッチング進行
方向αに対して当該振動部5の一組の辺が平行となるの
で、それと直交方向の断面厚がほぼ均一となる。従っ
て、当該断面厚が均一となる方向に入出力電極6、7を
並べれば、それそれの電極に対する振動部の厚み条件が
ほぼ同一となる。
【0020】次に上記回転角θ'、θ''と振動部5の厚
み差との関係について検討した結果を説明する。尚、厚
み差とは、水晶結晶のエッチング速度の異方性特性によ
り生じた振動部5の平坦度を表すものとして振動部5の
最も厚い部分と最も薄い部分との厚みの差を云い、この
厚みの差が小さいほど平坦度に優れた振動部であると云
える。更に、供試用水晶フィルタ(HFF)は、80μ
mの厚みの水晶基板を用い、凹陥部2の底部を振動部5
最も薄い部分の厚みが約12μm(共振周波数が約13
0MHz)となるよう加工したものである。
【0021】図2は、横軸に回転角度(θ'、θ")、縦
軸に厚み差を示したもので、この実験では上記2つの回
転角θ'とθ"とを同一にしθ'=θ''=−30〜−13
°の範囲に於いて、2°刻みでサンプルを作りそれぞれ
の振動部5のX'軸方向の厚み差の変化を実線にて示し
たものである。尚、同図に示した黒点は、図7に示した
従来の水晶フィルタの構造であるθ'=θ''=0°の場
合の厚み差をプロットしたものである。この結果から明
らかなように、従来構造であるθ'=θ''=0°の場合
では厚み差が約37nmであるのに対して、θ'=θ''=
−30°〜−13°の範囲内では厚み差が約20nm以下
(例えばθ'=θ"=−30°の場合、外周辺9の近辺の
振動部5の基板厚が40μm、外周辺8の近辺の振動部
5の基板厚が20μmであった)であり、θ'=θ''=0
°の場合と比較して厚み差が半分になったことから平坦
度に優れていることが理解できる。
【0022】更に、θ'=θ''=−23°〜−17°の
範囲内では厚み差が約15nm以下であり、θ'=θ''=
0°の場合と比較して厚み差が約40%に抑圧されると
共に、θ'=θ''=−20°の場合では厚み差が約10n
mとなりθ'=θ''=0°の場合と比較して厚み差が約2
7%に抑圧され極めて平坦度に優れた振動部が得られ
た。このように本発明によれば振動部5の厚み差が小さ
くなるので電極膜厚による調整が容易となり、製品歩留
まり向上効果が得られ、特に超高周波タイプの水晶フィ
ルタを構成する場合に有効である。
【0023】このように、特にθ'=θ''=−20°の
ときに平坦度に優れた振動部5が得られるが、その理由
について以下に説明する。図3は、エッチング速度の差
異によって振動部5に厚み差が生じた様子を説明する為
の水晶フィルタの側面断面図であり、同図(a)はX"
軸方向に沿った断面図、同図(b)はX'軸方向に沿っ
た断面図を示すものである。ATカット水晶基板の場
合、基板主面垂直方向を回転軸としてZ'軸方向(水晶
結晶軸ZをX軸を中心に−35°15'回転させた軸)
より−20°回転した方向がエッチング進行速度が最高
となり(以下、この方向をエッチング進行方向と云う)
前記図1に示した通りθ'=θ''=−20°に設定した
X''軸方向とエッチング進行方向とが一致することは既
に上述した。
【0024】その為、振動部5のX''軸方向切断面は、
図3(a)に示す如く外周辺9の近辺が最も深く(振動
部厚みが最小となり)、外周辺8の近辺が最も浅く(振
動部厚みが最大となる)加工された傾斜形状となる。
尚、同図(b)は概略図として振動部5の傾斜面が直線
的傾きを有するように図示したが、実際の振動部5の形
状は緩やかな凸曲面形状となる。一方、振動部5のX'
軸方向については、エッチング進行方向に対して垂直方
向となることからエッチング速度に差が無くその結果、
振動部5のX'軸方向切断面は、図3(b)に示した断
面図の如く外周辺10、外周辺11間の厚みが均一とな
る。
【0025】図(b)に示したX'軸方向の断面の厚み
は均一であるが、これは回転角θ'=−20°、θ"=−
20°としたからであるが、この角度が−20°からず
れるに従ってX'軸方向にもエッチング進行速度に差が
生じるので、同図(a)に示すように厚み差が生じる。
従って、θ'=θ''=−20°に近づく程、外周辺11
から外周辺10の方向の傾斜が緩やかとなるので、平坦
度に優れた振動部5が得られることが解る。そして、こ
のように平坦度に優れた振動部5の表面に単に入出力電
極を配置すれば入出力電極間に生じる周波数偏差量を小
さく抑えることが可能である。また更に、図1に示すよ
うに入出力電極6、7の配置方向をX'軸方向とすれ
ば、振動部5が優れた平坦度であるということに加え、
各電極直下の基板の厚みの変化の度合いがほぼ同じにな
るので入出力電極6、7間の周波数偏差をより小さく抑
えることが可能である。
【0026】尚、上記ではθ'=θ''の場合を説明した
が、使用する水晶基板の形状及び、必要とする振動部5
の面積により必ずしもθ'=θ''という関係を満足でき
ない場合があり得るが本発明の実施例にあたってはこの
例に限らず、θ'及びθ''が−30°≦θ'≦−13°、
−30°≦θ''≦−13°の関係を満たしたものであれ
ば上述した電極部分の平坦度は従来のものより優れたも
のとなり得る。上述したような水晶フィルタを製造する
場合、図4(a)に示すような予め水晶結晶軸X及び
Z'に対して所要の回転角θ'、θ"傾けて切り出した水
晶ウエハー基板12を用いて、このθ'、θ"に沿ったラ
インを切断ライン13としてバッチ処理を行えば水晶フ
ィルタ1単体を得ることができる。
【0027】また、製造コストを低く抑える為に図4
(b)に示すように水晶結晶軸X及びZ'を切断して切
り出された一般に汎用品の水晶ウエハー基板14を使用
する場合は、水晶ウエハー基板14をθ'、θ"に沿って
切断したのでは、水晶ウエハー基板14の中心部分では
四角形の水晶フィルタチップが得られるが外周部分では
得られないのでウエハー基板一枚から得られる水晶フィ
ルタ1の数が図4(a)の場合と比較して減少してしま
い十分なコストダウンを図ることができない。
【0028】従って、このような水晶ウエハー基板14
を使用する場合は、水晶結晶軸X、Z'軸に沿ったライ
ンを切断ライン15とすると共に、図5に示すように構
成した水晶フィルタとすれば良い。即ち、図5は本発明
の他の実施例を示す図であり、入出力電極面を表面に形
成した水晶フィルタの上面構成図を示すものである。同
図に示すようにこの例に示す水晶フィルタ1は、図7に
示した従来の水晶フィルタと同様にX軸方向及びZ'軸
方向を切断面とした水晶基板3を用いたものであるが、
その裏面側に設ける矩形の振動部5の外周辺8と外周辺
9とが水晶結晶のX軸方向から回転角θ傾いたX'軸方
向にほぼ一致し、他の辺10と11とがX軸方向から回
転角−90°+θ傾いたX''軸方向にほぼ一致するよう
に構成した点が特徴的である。
【0029】尚、振動部5上の表面側に設けた入出力電
極6、7をX'軸方向に一列に配置するよう構成する方
が好ましいことは上述した通りである。このような構成
の水晶フィルタ1に於いても、上述した図1の水晶フィ
ルタの場合と同様に、等しい機能を得ることができる。
更に、図5に示したように切断した水晶基板3を用い
て、広面積の振動部5を有する水晶フィルタを実現する
為に、図6に示すような構成とすることもできる。
【0030】即ち、図6は、本発明に基づく水晶フィル
タ1の他の実施例であり、入出力電極面を表とした上面
構成図を示すものである。同図に示すように水晶フィル
タ1は、図5の場合と比較して振動部5の形状が異なる
ものであり、X軸に対して回転角θ'傾けたX'軸方向に
ほぼ一致した外周辺8、9と、X軸に対して回転角−9
0°+θ"傾けたX''軸方向にほぼ延長した他の辺1
0、11とを含む外周辺を有する多角形の振動部5を備
えたものである。
【0031】このような構成であっても、従来のものと
比較して充分に優れた平坦度を有する振動部を得ること
が可能であることは理解できよう。更に、水晶フィルタ
を用いて本発明を説明したが、本発明はこれに限定され
るものではなくATカット水晶基板を使用した例えば水
晶振動子等のあらゆる水晶素子に適用することが可能で
ある。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明に基づく水晶
素子は、振動部の形状を四角形または矩形または、多角
形とすると共に、振動部の少なくとも一辺が水晶基板の
主面垂直方向を回転軸としてATカット水晶基板のX軸
に対して−13°〜−30°回転した方向とほぼ一致
し、更に、一辺と延長線上にて交差する少なくとも他の
一辺がX軸に対して−103°〜−120°回転した方
向にほぼ一致するようエッチングを行うことにより平坦
度に優れた振動部を形成することができ、この結果、入
出力電極間の周波数偏差量が抑えられて歩留まり向上に
よる低価格化を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明に基づく水晶フィルタの側面断面
構成図を示すものである。 (b)本発明に基づく水晶フィルタの上面構成図を示す
ものである。
【図2】本発明に基づく水晶フィルタの外周辺の回転角
θと厚み差との関係を示すものである。
【図3】(a)本発明に基づく水晶フィルタのX''軸方
向の側面断面構成図を示すものである。 (b)本発明に基づく水晶フィルタのX'軸方向の側面
断面構成図を示すものである。
【図4】本発明に基づく水晶フィルタに用いる水晶ウエ
ハー基板の上面構成図を示すものである。
【図5】本発明の基づく水晶フィルタの他の実施例の上
面構成図を示すものである。
【図6】本発明に基づく水晶フィルタの他の実施例をの
上面構成図を示すものである。
【図7】(a)従来の水晶フィルタの側面断面構成図を
示すものである。 (b)従来の水晶フィルタの上面構成図を示すものであ
る。
【符号の説明】
1、100水晶フィルタ、2、101凹陥部、3、10
2水晶基板、4、103全面電極、5、104振動部、
6、105入力電極、7、106出力電極、8、9、1
0、11、107、108、109、110外周辺、1
2、14水晶ウエハー基板、13、14切断ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H03H 9/56 H01L 41/22 Z

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ATカット水晶基板の少なくとも一方の主
    面に凹陥をケミカルエッチング方法を用いて形成するこ
    とにより薄肉の振動部と該振動部の周囲を支持する厚肉
    の囲繞部とを一体的に形成し、前記振動部の一主面に
    つの入力電極と該入力電極を挟むよう2つの出力電極を
    配置した水晶素子に於いて、前記振動部の形状が四角形
    または矩形または、多角形であり、該振動部の少なくと
    も一辺が前記水晶基板の主面垂直方向を回転軸として前
    記ATカット水晶基板のX軸に対して−13°〜−30
    °回転したX’軸方向とほぼ一致し、更に、該一辺と延
    長線上にて交差する少なくとも他の一辺が前記X軸に対
    して−103°〜−120°回転したX”軸方向にほぼ
    一致するように前記ケミカルエッチング加工したことで
    前記振動部の前記X’軸上の厚み差が20nm以下に抑え
    られたものであり、前記振動部のX’軸方向に沿って前
    記入出力電極を構成する3つの電極を配置したことによ
    り前記振動部の基板厚の影響による入出力電極間の周波
    数差を小さくするよう構成したことを特徴とする水晶素
    子。
  2. 【請求項2】ATカット水晶基板の少なくとも一方の主
    面に凹陥をケミカルエッチング方法を用いて形成するこ
    とにより薄肉の振動部と該振動部の周囲を支持する厚肉
    の囲繞部とを一体的に形成し、前記振動部の一主面に
    つの入力電極と該入力電極を挟むよう2つの出力電極を
    配置した水晶素子に於いて、前記振動部の形状が四角形
    または矩形または、多角形であり、該振動部の少なくと
    も一辺が前記水晶基板の主面垂直方向を回転軸として前
    記ATカット水晶基板のX軸に対して−17°〜−23
    °回転したX’軸方向とほぼ一致し、更に、該一辺と延
    長線上にて交差する少なくとも他の一辺が前記X軸に対
    して−107°〜−113°回転したX”軸方向にほぼ
    一致するように前記ケミカルエッチング加工したことで
    前記振動部の前記X’軸上の厚み差が15nm以下に抑え
    られたものであり、前記振動部のX’軸方向に沿って前
    記入出力電極を構成する3つの電極を配置したことによ
    り前記振動部の基板厚の影響による入出力電極間の周波
    数差を小さくするよう構成したことを特徴とする水晶素
    子。
  3. 【請求項3】ATカット水晶基板の少なくとも一方の主
    面に凹陥をケミカルエッチング方法を用いて形成するこ
    とにより薄肉の振動部と該振動部の周囲を支持する厚肉
    の囲繞部とを一体的に形成し、前記振動部の一主面に
    つの入力電極と該入力電極を挟むよう2つの出力電極を
    配置した水晶素子に於いて、前記振動部の形状が四角形
    または矩形または、多角形であり、該振動部の少なくと
    も一辺が前記水晶基板の主面垂直方向を回転軸として前
    記ATカット水晶基板のX軸に対して−20°回転した
    X’軸方向とほぼ一致し、更に、該一辺と延長線上にて
    交差する少なくとも他の一辺が前記X軸に対して−11
    0°回転したX”軸方向にほぼ一致するように前記ケミ
    カルエッチング加工したことで前記振動部の前記X’軸
    上の厚み差が10nm以下に抑えられたものであり、前記
    振動部のX’軸方向に沿って前記入出力電極を構成する
    3つの電極を配置したことにより前記振動部の基板厚の
    影響による入出力電極間の周波数差を小さくするよう構
    成したことを特徴とする水晶素子。
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