JP5103962B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

この発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、トラクション性能を維持しつつ耐偏摩耗性能を向上できる空気入りタイヤに関する。
重荷重用タイヤとして用いられる空気入りタイヤでは、ウエット路面や氷上路面などでの走行性能を確保するために高いトラクション性能が要求される。
かかる課題において従来の空気入りタイヤには、特許文献1に記載される技術が知られている。従来の空気入りタイヤ(重荷重用スタッドレス空気入りタイヤ)は、円筒状の踏面部に、少なくとも4本の周方向主溝によって区画された中央陸部と、踏面の両端に近接する一対のショルダ−陸部と、これら陸部間に中間陸部を有するトレッドを備えたタイヤにおいて、上記トレッドの中央および中間陸部は、これらを横切る多数のラグ溝によって区分されたブロックの列を形成する一方、上記ショルダ−陸部は、周方向に所定間隔を置きトレッド踏面部端から軸方向内側に向かってこの陸部の中途まで延びる多数の広幅ラグ溝を設けることにより櫛状に実質上連なる周方向リブをなし、このリブおよび上記ブロックに複数の横向きサイプを有することを特徴とする。
特開平8−197913号公報
しかしながら、従来の空気入りタイヤでは、ショルダー陸部に形成されたラグ溝(オープンラグ溝)を起点として偏摩耗が発生し、特に、タイヤがステア軸に装着されたときにショルダー摩耗が発生するという課題がある。
そこで、この発明は、上記に鑑みてされたものであって、トラクション性能を維持しつつ耐偏摩耗性能を向上できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝と、前記周方向主溝により区画されて成る複数のブロック列と、トレッド部ショルダー領域に形成されたショルダーリブとをトレッド面に有する空気入りタイヤであって、前記ショルダーリブが、タイヤ幅方向外側の端部に沿って延在する細リブと、タイヤ幅方向外側の端部に形成された複数のサイプと、タイヤ幅方向外側の端部からタイヤ幅方向内側に向かって前記ショルダーリブを横断することなく形成された複数の外側ラグ溝と、少なくとも一部の領域においてタイヤ周方向に連続するトレッド踏面とを備え、且つ、前記外側ラグ溝の溝幅tout[mm]および溝深さhout[mm]が、2.0≦tout≦4.0および2.0≦hout≦4.0の範囲内にあり、前記ショルダーリブのタイヤ周方向に連続する前記トレッド踏面の領域の幅Wsと前記ショルダーリブのリブ幅WbとがWs/Wb≧0.20の関係を有することを特徴とする。
この空気入りタイヤでは、トレッド部センター領域のブロック列と、トレッド部ショルダー領域のショルダーリブに形成された外側ラグ溝とによって、タイヤのトラクション性能が確保される。また、ショルダーリブは、その外側ラグ溝がショルダーリブを横断(貫通)することなく形成されており(クローズドラグ溝)、且つ、そのトレッド踏面が少なくとも一部の領域においてタイヤ周方向に連続するので、外側ラグ溝がショルダーリブを横断している構成(オープンラグ溝)と比較して、外側ラグ溝を起点とした偏摩耗の発生が抑制される。これにより、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する利点がある。また、ショルダーリブに形成された細リブおよびサイプにより、ショルダーリブにおける偏摩耗の発生がさらに抑制される。これにより、タイヤの耐偏摩耗性能がさらに向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝と、前記周方向主溝により区画されて成る複数のブロック列と、トレッド部ショルダー領域に形成されたショルダーリブとをトレッド面に有する空気入りタイヤであって、前記ショルダーリブが、前記ショルダーリブのタイヤ幅方向外側の側面に配置されてタイヤ周方向に延在する細溝と、前記細溝により区画されると共に前記細溝のタイヤ径方向内側に位置する非接地リブと、タイヤ幅方向外側の端部に形成された複数のサイプと、タイヤ幅方向外側の端部からタイヤ幅方向内側に向かって前記ショルダーリブを横断することなく形成された複数の外側ラグ溝と、少なくとも一部の領域においてタイヤ周方向に連続するトレッド踏面とを備え、且つ、前記外側ラグ溝の溝幅tout[mm]および溝深さhout[mm]が、2.0≦tout≦4.0および2.0≦hout≦4.0の範囲内にあり、前記ショルダーリブのタイヤ周方向に連続する前記トレッド踏面の領域の幅Wsと前記ショルダーリブのリブ幅WbとがWs/Wb≧0.20の関係を有することを特徴とする。
この空気入りタイヤでは、タイヤ接地時にて、接地圧により細溝が塞がり、非接地リブとショルダーリブとが当接する。これにより、ショルダーリブの接地圧が低減されて、ショルダーリブの偏摩耗が抑制される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、少なくとも2列以上の前記ブロック列が配列される。
この空気入りタイヤでは、トレッド部センター領域におけるエッジ力が増加して、タイヤのトラクション性能が適正に確保される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、ショルダー陸部のタイヤ幅方向外側の端部を測定点としてタイヤ展開幅TDWが定義されるときに、タイヤ展開幅TDWと前記ブロック列のブロック幅Waとが0.15≦Wa/TDW≦0.20の関係を有する。
この空気入りタイヤでは、ブロック列のブロック幅Waが適正化されて、タイヤの耐久性能およびトラクション性能が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記ブロック列を構成するブロックのブロック長Laとタイヤ周長Dとが0.015≦La/D≦0.030の関係を有する。
この空気入りタイヤでは、ブロック列のブロック長Laが適正化されて、タイヤの耐久性能およびトラクション性能が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記ブロック列のタイヤ幅方向の端部に複数のクローズドサイプが配置され、前記クローズドサイプの溝幅ts[mm]が0.5≦ts≦1.0、サイプ長さls[mm]が2.0≦ls≦4.0、且つ、サイプ配置間隔ps[mm]が4.0≦ps≦8.0の範囲内にある。
この空気入りタイヤでは、クローズドサイプの寸法が適正化されて、タイヤの耐偏摩耗性能およびトラクション性能が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記ショルダーリブと前記細リブとを区画する細溝の溝深さhserが、前記周方向主溝の溝深さGDに対して0.50≦hser/GD≦1.00の関係を有する。
この空気入りタイヤでは、細溝の溝深さhserが適正化されて、タイヤの耐偏摩耗性能および操安性能が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記ショルダーリブのリブ幅Wbと前記細リブのリブ幅Wserとが0.20≦Wser/Wb≦0.30の関係を有する。
この空気入りタイヤでは、ショルダーリブのリブ幅Wbと細リブのリブ幅Wserとが適正化されて、タイヤの耐久性能および転がり特性が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記ショルダーリブの踏面と前記細リブの踏面との段差d[mm]が1.0≦d≦3.0の範囲内にある。
この空気入りタイヤでは、細リブの踏面の高さが適正化されて、細リブの機能が適正に確保される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ子午線方向の断面視にて、前記ショルダーリブのタイヤ幅方向外側の側面と前記ショルダーリブの踏面に垂直な直線とのなす角αが20[deg]≦α≦60[deg]の範囲内にあり、且つ、前記細溝と前記ショルダーリブの踏面に垂直な直線とのなす角βが10[deg]≦β≦50[deg]の範囲内にある。
この空気入りタイヤでは、ショルダーリブに対する細溝の配置角度α、βが適正化される。これにより、ショルダーリブの接地圧が効果的に低減されて、ショルダーリブの偏摩耗が抑制される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ子午線方向の断面視にて、前記細溝の溝底から前記ショルダーリブのタイヤ幅方向外側の側面までの距離hと、前記ショルダーリブを区画する前記周方向主溝の溝深さdと、前記非接地リブの頂面から前記ショルダーリブの踏面までの距離gとが0.5≦h/d≦1.2および0.5≦g/h≦0.8の関係を有する。
この空気入りタイヤでは、周方向主溝と細溝との溝深さ比h/d、ならびに、細溝との溝深さと非接地リブの頂面の位置との関係g/hが適正化される。これにより、ショルダーリブの接地圧が効果的に低減されて、ショルダーリブの偏摩耗が抑制される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記サイプが前記ショルダーリブのタイヤ幅方向外側の端部およびタイヤ幅方向内側の端部の双方に形成されている。
この空気入りタイヤでは、ショルダーリブの双方の端部にサイプが形成されることにより、ショルダーリブの偏摩耗が効果的に低減される利点がある。また、サイプによって、タイヤのトラクション性能が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記サイプの溝幅ts[mm]が0.5≦ts≦1.0の範囲内にある。
この空気入りタイヤでは、サイプの溝幅ts[mm]が適正化されて、タイヤの耐偏摩耗性能および耐クラック性能が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記サイプのサイプ深さhcsと前記周方向主溝の溝深さGDとが0.2≦hs/GD≦0.9の関係を有する。
この空気入りタイヤでは、サイプのサイプ深さhcsが適正化されて、タイヤの耐偏摩耗性能および耐クラック性能が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記サイプのサイプ長さls[mm]が2.0≦ls≦4.0の範囲内にある。
この空気入りタイヤでは、サイプのサイプ長さls[mm]が適正化されて、タイヤの耐偏摩耗性能および耐クラック性能が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記サイプのサイプ配置間隔ps[mm]が4.0≦ps≦8.0の範囲内にある。
この空気入りタイヤでは、サイプのサイプ配置間隔ps[mm]が適正化されて、タイヤの耐偏摩耗性能および耐クラック性能が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤ幅方向にかかる前記外側ラグ溝の幅方向長さWe[mm]がWe≧13.0の範囲にある。
この空気入りタイヤでは、外側ラグ溝の幅方向長さWe[mm]が適正化されてタイヤのトラクション性能が維持される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記ショルダーリブを横断するオープンサイプが前記ショルダーリブに形成されており、且つ、前記オープンサイプの溝幅tos[mm]が0.5≦tos≦1.0の範囲内にある。
この空気入りタイヤでは、オープンサイプによりショルダーリブのエッジ力が増加して、タイヤのトラクション性能が向上する利点がある。また、このオープンサイプの溝幅tos[mm]が適正化されることにより、タイヤのトラクション性能および耐偏摩耗性能が維持される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記ショルダーリブを横断するオープンサイプが前記ショルダーリブに形成されており、且つ、前記オープンサイプのサイプ深さhosと前記周方向主溝の溝深さGDとが0.2≦hos/GD≦0.8の関係を有する。
この空気入りタイヤでは、オープンサイプによりショルダーリブのエッジ力が増加して、タイヤのトラクション性能が向上する利点がある。また、このオープンサイプのサイプ深さhosが適正化されることにより、タイヤのトラクション性能および耐偏摩耗性能が維持される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記外側ラグ溝と前記オープンサイプとがタイヤ周方向に交互に配置されている。
この空気入りタイヤでは、ショルダー部に発生するヒールアンドトゥ摩耗が抑制される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記ショルダーリブがタイヤ幅方向内側の端部からタイヤ幅方向外側に向かって前記ショルダーリブを横断することなく形成された複数の内側ラグ溝を有し、且つ、当該内側ラグ溝の溝幅tinと前記ブロック列を構成するブロックのブロック長Laとが0.10≦tin/La≦0.20の関係を有する。
この空気入りタイヤでは、内側ラグ溝の溝幅tinが適正化されて、タイヤのトラクション性能および耐偏摩耗性能が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記ショルダーリブがタイヤ幅方向内側の端部からタイヤ幅方向外側に向かって前記ショルダーリブを横断することなく形成された複数の内側ラグ溝を有し、且つ、当該内側ラグ溝の溝深さhinと前記周方向主溝の溝深さGDとが0.10≦hin/GD≦0.30の関係を有する。
この空気入りタイヤでは、内側ラグ溝の溝深さhinが適正化されて、タイヤのトラクション性能および耐偏摩耗性能が向上する利点がある。
この発明にかかる空気入りタイヤでは、トレッド部センター領域のブロック列と、トレッド部ショルダー領域のショルダーリブに形成された外側ラグ溝とによって、タイヤのトラクション性能が確保される。また、ショルダーリブは、その外側ラグ溝がショルダーリブを横断(貫通)することなく形成されており(クローズドラグ溝)、且つ、そのトレッド踏面が少なくとも一部の領域においてタイヤ周方向に連続するので、外側ラグ溝がショルダーリブを横断している構成(オープンラグ溝)と比較して、外側ラグ溝を起点とした偏摩耗の発生が抑制される。これにより、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する利点がある。また、ショルダーリブに形成された細リブおよびサイプにより、ショルダーリブにおける偏摩耗の発生がさらに抑制される。これにより、タイヤの耐偏摩耗性能がさらに向上する利点がある。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施例の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的同一のものが含まれる。また、この実施例に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1は、この発明の実施例にかかる空気入りタイヤのトレッド面を示す平面図である。図2〜図4は、図1に記載した空気入りタイヤのショルダー部を示す拡大図(図2および図4)ならびにタイヤ子午線方向の断面図(図3)である。図5〜図8は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。図9および図10は、この発明にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
この空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝21と、隣り合う周方向主溝21、21を結ぶ複数の幅方向溝22と、これらの周方向主溝21および幅方向溝22により区画されて成る複数のブロック列31と、トレッド部ショルダー領域に形成されたショルダーリブ32とをトレッド面に有する(図1参照)。この実施例では、4本の周方向主溝21が形成され、これらの周方向主溝21間に3列のブロック列31が形成されている。また、トレッド部の両ショルダー領域には、それぞれショルダーリブ32が形成されている。
ここで、各ショルダーリブ32のタイヤ幅方向外側の端部には、タイヤ周方向に延在する直線基調の細溝41が形成される(図1〜図3参照)。この細溝41によって、各ショルダーリブ32には、そのタイヤ幅方向外側の端部に沿って延在する細リブ42が形成される。この細リブ42は、タイヤ子午線方向の断面視にてショルダーリブ32の踏面よりも低い位置(タイヤ径方向内側)に踏面を有する。すなわち、ショルダーリブ32の踏面と細リブ42の踏面との間には、段差が形成されている。かかる構成では、タイヤ転動時にて細リブ42が犠牲リブとして積極的に摩耗することにより、ショルダーリブ32本体の偏摩耗が抑制される。これにより、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する。
また、各ショルダーリブ32のタイヤ幅方向外側の端部およびタイヤ幅方向内側の端部には、複数のサイプ43が形成される(図1および図2参照)。これらのサイプ43は、ショルダーリブ32を横断(貫通)しないサイプ(クローズドサイプ)である。かかる構成では、サイプ43がショルダーリブ32の端部の剛性を低減させることにより、接地圧が均一化されてショルダーリブ32の偏摩耗が低減される。これにより、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する。また、サイプ43がショルダーリブ32を横断しないことにより、サイプ43を起点としたショルダーリブ32の偏摩耗が低減される。これにより、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する。
また、各ショルダーリブ32には、タイヤ幅方向外側の端部からタイヤ幅方向内側に向かってショルダーリブ32を横断しない複数の外側ラグ溝(クローズドラグ溝)44が形成される(図1〜図3参照)。これらの外側ラグ溝44は、ショルダーリブ32上にて等間隔でタイヤ周方向に配列される。また、これらの外側ラグ溝44間に上記のサイプ43が配置される。かかる構成では、外側ラグ溝44によりトレッド面のエッジ力が増加してタイヤのトラクション性能が向上する利点がある。また、外側ラグ溝44がショルダーリブ32を横断しないことにより、外側ラグ溝44を起点としたショルダーリブ32の偏摩耗が低減される。これにより、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する。
また、各ショルダーリブ32は、トレッド踏面がタイヤ周方向に連結されている領域を有する。すなわち、各ショルダーリブ32は、タイヤ周方向に連続するトレッド踏面を少なくとも一部の領域に有する(図1および図2参照)。したがって、サイプ43および外側ラグ溝44は、かかるトレッド踏面が連続している領域を外れた位置に配置される。かかる連続した踏面により、タイヤのトラクション性能が維持される利点がある。
以上説明したように、この空気入りタイヤ1では、トレッド部センター領域のブロック列31と、トレッド部ショルダー領域のショルダーリブ32に形成された外側ラグ溝44とによって、タイヤのトラクション性能が確保される。また、ショルダーリブ32は、その外側ラグ溝44がショルダーリブを横断(貫通)することなく形成されており(クローズドラグ溝)、且つ、そのトレッド踏面が少なくとも一部の領域においてタイヤ周方向に連続するので、外側ラグ溝がショルダーリブを横断している構成(オープンラグ溝)と比較して、外側ラグ溝を起点とした偏摩耗の発生が抑制される。これにより、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する利点がある。また、ショルダーリブ32に形成された細リブ42およびサイプ43により、ショルダーリブ32における偏摩耗の発生がさらに抑制される。これにより、タイヤの耐偏摩耗性能がさらに向上する利点がある。
[付加的事項1]
なお、この空気入りタイヤ1では、少なくとも2列以上のブロック列31が配列されることが好ましい(図1参照)。これにより、トレッド部センター領域におけるエッジ力が増加して、タイヤのトラクション性能が適正に確保される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダー陸部(ショルダーリブ32および細リブ42)のタイヤ幅方向外側の端部を測定点としてタイヤ展開幅TDWが定義されるときに、タイヤ展開幅TDWとブロック列31のブロック幅Waとが0.15≦Wa/TDW≦0.20の関係を有することが好ましい(図1参照)。これにより、ブロック列31のブロック幅Waが適正化されて、タイヤの耐久性能およびトラクション性能が向上する利点がある。例えば、Wa/TDW<0.15では、ブロック幅Waが小さすぎてブロックティアが発生するおそれがある。また、0.20<Wa/TDWでは、ブロック幅Waが大きすぎてタイヤのトラクション性能が悪化する。なお、ブロック幅Waは、ブロック列31のタイヤ幅方向の幅寸法である。
また、この実施例では、各ブロック列31のブロック幅Waが同一に設定されている(図1参照)。しかし、これに限らず、各ブロック列31のブロック幅は、相異していても良い(図示省略)。
また、この空気入りタイヤ1では、ブロック列31を構成するブロックのブロック長Laとタイヤ周長Dとが0.015≦La/D≦0.030の関係を有することが好ましい(図1参照)。これにより、ブロック列31のブロック長Laが適正化されて、タイヤの耐久性能およびトラクション性能が向上する利点がある。例えば、La/D<0.015では、ブロック長Laが小さすぎてブロックティアが発生するおそれがある。また、0.030<La/Dでは、ブロック長Laが大きすぎてタイヤのトラクション性能が悪化する。なお、ブロック長Laは、ブロック列31を構成するブロックのタイヤ周方向の長さである。
また、この空気入りタイヤ1では、ブロック列31のタイヤ幅方向の端部に複数のクローズドサイプ45が配置され、これらのクローズドサイプ45の溝幅ts[mm]が0.5≦ts≦1.0、サイプ長さls[mm]が2.0≦ls≦4.0、且つ、サイプ配置間隔ps[mm]が4.0≦ps≦8.0の範囲内にあることが好ましい(図2参照)。これにより、クローズドサイプ45の寸法が適正化されて、タイヤの耐偏摩耗性能およびトラクション性能が向上する利点がある。なお、クローズドサイプ45は、ブロック列31を横断しないサイプである。
[付加的事項2]
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダーリブ32と細リブ42とを区画する細溝41の溝深さhserが、周方向主溝21の溝深さGDに対して0.50≦hser/GD≦1.00の関係を有することが好ましい(図1〜図3参照)。これにより、細溝41の溝深さhserが適正化されて、タイヤの耐偏摩耗性能および操安性能が向上する利点がある。例えば、hser/GD<0.50では、細溝41の溝深さhserが浅すぎてショルダーリブ32の偏摩耗が顕著になる。また、1.00<hser/GDでは、細溝41の溝深さhserが深すぎてタイヤの操縦安定性能が悪化する。
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダーリブ32のリブ幅Wbと細リブ42のリブ幅Wserとが0.20≦Wser/Wb≦0.30の関係を有することが好ましい(図2および図3参照)。これにより、タイヤの耐久性能および転がり特性が向上する利点がある。例えば、Wser/Wb<0.20では、細リブ42のリブ幅Wserが小さすぎて細リブ42がもげるおそれがある。また、0.30<Wser/Wbでは、細リブ42のリブ幅Wserが大きすぎてトレッドゴムのボリュームが増加し、タイヤの耐久性能および転がり特性が低下する。
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダーリブ32の踏面と細リブ42の踏面との段差d[mm]が1.0≦d≦3.0の範囲内にあることが好ましい(図3参照)。これにより、細リブ42の踏面の高さが適正化されて、細リブ42の機能が適正に確保される利点がある。例えば、d<1.0あるいは3.0<dでは、細リブ42がうまく機能せずに、ショルダーリブ32の偏摩耗が抑制され難い。なお、踏面の段差d[mm]は、タイヤ径方向(接地方向)にかかる段差である。
[付加的事項3]
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダーリブ32のサイプ43が、少なくとも各ショルダーリブ32のタイヤ幅方向外側の端部に形成されていることが好ましい(図1および図2参照)。ショルダーリブ32のタイヤ幅方向外側の端部では、特に偏摩耗が発生し易い。したがって、かかる位置にサイプ43が形成されることにより、ショルダーリブ32の偏摩耗が効果的に低減される利点がある。
また、上記の構成では、ショルダーリブ32のサイプ43が、各ショルダーリブ32のタイヤ幅方向外側の端部およびタイヤ幅方向内側の端部の双方にそれぞれ形成されることが好ましい。ショルダーリブ32には、タイヤ幅方向外側の端部およびタイヤ幅方向内側の端部の双方に偏摩耗が発生する。したがって、双方の端部にサイプ43が形成されることにより、ショルダーリブ32の偏摩耗が効果的に低減される利点がある。また、サイプ43によって、タイヤのトラクション性能が向上する利点がある。
なお、ショルダーリブ32のサイプ43は、トレッド部の平面視にて微細なものであることが好ましい。これにより、サイプ43によるショルダーリブ32のもげ等が低減される利点がある。例えば、溝のように大きなサイプでは、サイプによってショルダーリブにもげ等が発生するおそれがある。
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダーリブ32のサイプ43の溝幅ts[mm]が0.5≦ts≦1.0の範囲内にあることが好ましい(図4参照)。これにより、サイプ43の溝幅ts[mm]が適正化されて、タイヤの耐偏摩耗性能および耐クラック性能が向上する利点がある。例えば、ts<0.5では、サイプ43の機能が低下してショルダーリブ32に偏摩耗が発生し易い。また、1.0<tsでは、サイプ43を起点としたクラックがショルダーリブ32に発生するおそれがある。
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダーリブ32のサイプ43のサイプ深さhcsと周方向主溝21の溝深さGDとが0.2≦hs/GD≦0.9の関係を有することが好ましい(図4参照)。これにより、タイヤの耐偏摩耗性能および耐クラック性能が向上する利点がある。例えば、hs/GD<0.2では、サイプ43の機能が低下してショルダーリブ32に偏摩耗が発生し易い。また、0.9<hs/GDでは、サイプ深さhcsが深すぎてサイプ43を起点としたクラックがショルダーリブ32に発生するおそれがあり、また、ショルダーリブ32の剛性が低下してタイヤの操安性能が悪化するおそれがある。なお、サイプ深さhcsは、ショルダーリブ32の踏面を基準としたサイプ43の切り込み深さである。
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダーリブ32のサイプ43のサイプ長さls[mm]が2.0≦ls≦4.0の範囲内にあることが好ましい(図4参照)。これにより、タイヤの耐偏摩耗性能および耐クラック性能が向上する利点がある。例えば、ls[mm]<2.0では、サイプ43の機能が低下してショルダーリブ32に偏摩耗が発生し易い。また、4.0<ls[mm]では、サイプ43を起点としたクラックがショルダーリブ32に発生するおそれがある。
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダーリブ32のサイプ43のサイプ配置間隔ps[mm]が4.0≦ps≦8.0の範囲内にあることが好ましい(図4参照)。これにより、タイヤの耐偏摩耗性能および耐クラック性能が向上する利点がある。例えば、ps<4.0では、サイプ43を起点としたクラックがショルダーリブ32に発生するおそれがある。また、8.0<psでは、サイプ43の機能が低下してショルダーリブ32に偏摩耗が発生し易く、また、タイヤのトラクション性能が向上し難い。
[付加的事項4]
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダーリブ32の外側ラグ溝44の溝幅tout[mm]が2.0≦tout≦4.0の範囲内にあることが好ましい(図4参照)。これにより、タイヤのトラクション性能および耐偏摩耗性能が向上する利点がある。例えば、tout<2.0では、溝幅tout[mm]が狭すぎるためタイヤのトラクション性能が低下する。また、4.0<toutでは、溝幅tout[mm]が広すぎるため陸部(ショルダーリブ32)の剛性が不足して偏摩耗が発生し易くなる。
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダーリブ32の外側ラグ溝44の溝深さhout[mm]が2.0≦hout≦4.0の範囲内にあることが好ましい(図4参照)。これにより、タイヤのトラクション性能および耐偏摩耗性能が向上する利点がある。例えば、hout<2.0では、溝幅houtが狭すぎるためタイヤのトラクション性能が低下する。また、4.0<houtでは、溝幅tout[mm]が広すぎるため陸部(ショルダーリブ32)の剛性が不足して偏摩耗が発生し易くなる。
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダーリブ32のタイヤ周方向に連続するトレッド踏面の領域の幅Wsとショルダーリブ32のリブ幅WbとがWs/Wb≧0.20の関係を有することが好ましい(図4参照)。これにより、タイヤの耐偏摩耗性能が維持される利点がある。例えば、Ws/Wb<0.20では、ショルダーリブ32の剛性が不足して偏摩耗が発生し易くなる。
また、上記の構成では、タイヤ幅方向にかかる外側ラグ溝44の幅方向長さWe[mm]がWe≧13.0の範囲にあることが好ましい。これにより、タイヤのトラクション性能が維持される利点がある。例えば、We<13.0では、外側ラグ溝44が十分に機能しないため、タイヤのトラクション性能が低下する。
[付加的事項5]
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダーリブ32を横断するオープンサイプ46がショルダーリブ32に形成されており、且つ、このオープンサイプ46の溝幅tos[mm]が0.5≦tos≦1.0の範囲内にあることが好ましい(図5参照)。かかる構成では、オープンサイプ46によりショルダーリブ32のエッジ力が増加して、タイヤのトラクション性能が向上する利点がある。また、このオープンサイプ46の溝幅tos[mm]が適正化されることにより、タイヤのトラクション性能および耐偏摩耗性能が維持される利点がある。例えば、tos<0.5では、オープンサイプ46が十分に機能せずに、タイヤのトラクション性能が低下する。また、1.0<tosでは、ショルダーリブ32の剛性が低下して偏摩耗が発生するおそれがある。
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダーリブ32を横断するオープンサイプ46がショルダーリブ32に形成されており、且つ、このオープンサイプ46のサイプ深さhosと周方向主溝21の溝深さGDとが0.2≦hos/GD≦0.8の関係を有することが好ましい(図5参照)。かかる構成では、オープンサイプ46によりショルダーリブ32のエッジ力が増加して、タイヤのトラクション性能が向上する利点がある。また、このオープンサイプ46のサイプ深さhosが適正化されることにより、タイヤのトラクション性能および耐偏摩耗性能が維持される利点がある。例えば、hos/GD<0.2では、オープンサイプ46が十分に機能せずに、タイヤのトラクション性能が低下する。また、0.8<hos/GDでは、ショルダーリブ32の剛性が低下して偏摩耗が発生するおそれがある。
また、上記の構成では、ショルダーリブ32の外側ラグ溝44とオープンサイプ46とがタイヤ周方向に交互に配置されていることが好ましい(図5参照)。これにより、ショルダー部に発生するヒールアンドトゥ摩耗が抑制される利点がある。また、かかる構成では、外側ラグ溝44とオープンサイプ46とが所定間隔を隔てて配置されることが好ましい。これにより、ヒールアンドトゥ摩耗の発生が抑制される利点がある。
[付加的事項6]
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダーリブ32がタイヤ幅方向内側の端部からタイヤ幅方向外側に向かってショルダーリブ32を横断することなく形成された複数の内側ラグ溝47を有し、且つ、これらの内側ラグ溝47の溝幅tinとブロック列31を構成するブロックのブロック長Laとが0.10≦tin/La≦0.20の関係を有することが好ましい(図6および図7参照)。これにより、内側ラグ溝47の溝幅tinが適正化されて、タイヤのトラクション性能および耐偏摩耗性能が向上する利点がある。例えば、tin/La<0.10では、内側ラグ溝47の機能が十分に発揮されないためタイヤのトラクション性能が向上しない。また、0.20<tin/Laでは、溝幅tinによりショルダーリブ32の剛性が低下してショルダーリブ32に偏摩耗が発生し易くなる。
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダーリブ32がタイヤ幅方向内側の端部からタイヤ幅方向外側に向かってショルダーリブ32を横断することなく形成された複数の内側ラグ溝47を有し、且つ、これらの内側ラグ溝47の溝深さhinと周方向主溝21の溝深さGDとが0.10≦hin/GD≦0.30の関係を有することが好ましい(図6および図7参照)。これにより、内側ラグ溝47の溝深さhinが適正化されて、タイヤのトラクション性能および耐偏摩耗性能が向上する利点がある。例えば、hin/La<0.10では、内側ラグ溝47の機能が十分に発揮されないためタイヤのトラクション性能が向上しない。また、0.30<hin/Laでは、溝幅hinによりショルダーリブ32の剛性が低下してショルダーリブ32に偏摩耗が発生し易くなる。
[付加的事項7]
また、この空気入りタイヤ1では、ショルダーリブ32のタイヤ幅方向外側の側面(バットレス部)に配置されてタイヤ周方向に延在する細溝321と、この細溝321により区画されて成るタイヤ径方向内側の非接地リブ322とが形成されても良い(図8参照)。かかる構成では、タイヤ接地時にて、接地圧により細溝321が塞がり、非接地リブ322とショルダーリブ32とが当接する。これにより、ショルダーリブ32の接地圧が低減されて、ショルダーリブ32の偏摩耗が抑制される利点がある。
また、上記の構成では、タイヤ子午線方向の断面視にて、ショルダーリブ32のタイヤ幅方向外側の側面とショルダーリブ32の踏面に垂直な直線とのなす角αが20[deg]≦α≦60[deg]の範囲内にあり、且つ、細溝321とショルダーリブ32の踏面に垂直な直線とのなす角βが10[deg]≦β≦50[deg]の範囲内にあることが好ましい(図8参照)。かかる構成では、ショルダーリブ32に対する細溝321の配置角度α、βが適正化される。これにより、ショルダーリブ32の接地圧が効果的に低減されて、ショルダーリブ32の偏摩耗が抑制される利点がある。
例えば、α<20[deg]では、ショルダーリブの端部の剛性が低下して、タイヤ接地時におけるショルダーリブの動きが大きくなり、ショルダーリブに偏摩耗が発生する。また、60[deg]<αでは、ショルダーリブの端部の剛性が増加し過ぎて、ショルダーリブにおける肩落ち摩耗の抑制効果が低減する。また、β<10[deg]では、非接地リブのショルダーリブ端部に対する支持効果が低減する。また、50[deg]<βでは、ショルダーリブの端部に荷重が負荷されて細溝が塞がり非接地リブがショルダーリブを支えたときに、接地圧が急激に上昇して肩落ち摩耗の抑制効果が低減する。
また、上記の構成では、タイヤ子午線方向の断面視にて、細溝321の溝底からショルダーリブ32のタイヤ幅方向外側の側面までの距離hと、ショルダーリブ32を区画する周方向主溝21の溝深さdと、非接地リブ322の頂面からショルダーリブ44の踏面までの距離gとが0.5≦h/d≦1.2および0.5≦g/h≦0.8の関係を有することが好ましい(図8参照)。かかる構成では、周方向主溝21と細溝321との溝深さ比h/d、ならびに、細溝321との溝深さと非接地リブ322の頂面の位置との関係g/hが適正化される。これにより、ショルダーリブ32の接地圧が効果的に低減されて、ショルダーリブ32の偏摩耗が抑制される利点がある。
例えば、h/d<0.5では、ショルダーリブの端部における接地圧の低減効果が不十分となり、肩落ち摩耗の抑制効果が低減する。また、1.2<h/dでは、非接地リブが変形し易くなり、ショルダーリブを十分に支えることができなくなる。また、g/h<0.5では、非接地リブの頂面が踏面に接触しやすくなり、リブティア等の損傷が生じるおそれがある。また、0.8<g/hでは、ショルダーリブを十分に支えることができなくなる。
[性能試験]
この実施例では、条件が異なる複数種類の空気入りタイヤについて、(1)トラクション性能および(2)耐偏摩耗性能にかかる性能試験が行われた(図9および図10参照)。この性能試験では、タイヤサイズ275/80R22.5の空気入りタイヤがJATMA規定の適用リムに装着され、この空気入りタイヤに規定内圧および規定荷重が負荷される。また、空気入りタイヤが試験車両であるGVW25t車に装着される。
(1)トラクション性能に関する性能試験では、空気入りタイヤを装着した試験車両がウエット路面を走行して、速度40[km/h]からの制動距離が測定される。そして、この測定結果に基づいて従来例の空気入りタイヤを基準(100)とした指数評価が行われる。評価結果は、その数値が大きいほど好ましい。
(2)耐偏摩耗性能に関する性能試験では、空気入りタイヤが試験車両のステア軸に装着され、40000[km]走行後におけるトレッド部ショルダー領域のヒールアンドトゥ摩耗およびステップ摩耗が観察される。そして、この観察結果に基づいて従来例の空気入りタイヤを基準(100)とした指数評価が行われる。評価結果は、その数値が大きいほど好ましい。
従来例の空気入りタイヤは、ショルダーリブにオープンラグ溝を有する。発明例1〜4は、この実施例にかかる空気入りタイヤ1であり、ショルダーリブ32にオープンラグ溝が形成されておらず、クローズドラグ溝44のみが形成されている。
試験結果に示すように、発明例1〜4では、従来例と比較してタイヤのトラクション性能および耐偏摩耗性能が向上していることが分かる。また、ブロック列31を構成するブロックの寸法、クローズドサイプ45の寸法、細溝41および細リブ42の寸法、外側ラグ溝44および内側ラグ溝47の寸法、オープンサイプ46の寸法が適正化されることにより、タイヤのトラクション性能および耐偏摩耗性能が維持あるいは向上することが分かる。
また、発明例5〜8においても、従来例と比較してタイヤのトラクション性能および耐偏摩耗性能が向上していることが分かる。また、ショルダーリブ32のタイヤ幅方向外側の側面(バットレス部)に細溝321が配置される構成(図8参照)では、周方向主溝21と細溝321との溝深さ比h/d、ならびに、細溝321との溝深さと非接地リブの頂面の位置との関係g/hが適正化されることにより、ショルダーリブ32の接地圧が効果的に低減されて、ショルダーリブ32の偏摩耗が抑制されることが分かる。
以上のように、本発明にかかる空気入りタイヤは、トラクション性能を維持しつつ耐偏摩耗性能を向上できる点で有用である。
この発明の実施例にかかる空気入りタイヤのトレッド面を示す平面図である。 図1に記載した空気入りタイヤのショルダー部を示す拡大図である。 図1に記載した空気入りタイヤのショルダー部を示すタイヤ子午線方向の断面図である。 図1に記載した空気入りタイヤのショルダー部を示す拡大図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 この発明にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。 この発明にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
21 周方向主溝
22 幅方向溝
31 ブロック列
32 ショルダーリブ
321 細溝
322 非接地リブ
41 細溝
42 細リブ
43 サイプ
44 外側ラグ溝
45 クローズドサイプ
46 オープンサイプ
47 内側ラグ溝

Claims (22)

  1. タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝と、前記周方向主溝により区画されて成る複数のブロック列と、トレッド部ショルダー領域に形成されたショルダーリブとをトレッド面に有する空気入りタイヤであって、
    前記ショルダーリブが、タイヤ幅方向外側の端部に沿って延在する細リブと、タイヤ幅方向外側の端部に形成された複数のサイプと、タイヤ幅方向外側の端部からタイヤ幅方向内側に向かって前記ショルダーリブを横断することなく形成された複数の外側ラグ溝と、少なくとも一部の領域においてタイヤ周方向に連続するトレッド踏面とを備え、且つ、
    前記外側ラグ溝の溝幅tout[mm]および溝深さhout[mm]が、2.0≦tout≦4.0および2.0≦hout≦4.0の範囲内にあり、
    前記ショルダーリブのタイヤ周方向に連続する前記トレッド踏面の領域の幅Wsと前記ショルダーリブのリブ幅WbとがWs/Wb≧0.20の関係を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝と、前記周方向主溝により区画されて成る複数のブロック列と、トレッド部ショルダー領域に形成されたショルダーリブとをトレッド面に有する空気入りタイヤであって、
    前記ショルダーリブが、前記ショルダーリブのタイヤ幅方向外側の側面に配置されてタイヤ周方向に延在する細溝と、前記細溝により区画されると共に前記細溝のタイヤ径方向内側に位置する非接地リブと、タイヤ幅方向外側の端部に形成された複数のサイプと、タイヤ幅方向外側の端部からタイヤ幅方向内側に向かって前記ショルダーリブを横断することなく形成された複数の外側ラグ溝と、少なくとも一部の領域においてタイヤ周方向に連続するトレッド踏面とを備え、且つ、
    前記外側ラグ溝の溝幅tout[mm]および溝深さhout[mm]が、2.0≦tout≦4.0および2.0≦hout≦4.0の範囲内にあり、
    前記ショルダーリブのタイヤ周方向に連続する前記トレッド踏面の領域の幅Wsと前記ショルダーリブのリブ幅WbとがWs/Wb≧0.20の関係を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. 少なくとも2列以上の前記ブロック列が配列される請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. ショルダー陸部のタイヤ幅方向外側の端部を測定点としてタイヤ展開幅TDWが定義されるときに、タイヤ展開幅TDWと前記ブロック列のブロック幅Waとが0.15≦Wa/TDW≦0.20の関係を有する請求項1〜3のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ブロック列を構成するブロックのブロック長Laとタイヤ周長Dとが0.015≦La/D≦0.030の関係を有する請求項1〜4のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記ブロック列のタイヤ幅方向の端部に複数のクローズドサイプが配置され、前記クローズドサイプの溝幅ts[mm]が0.5≦ts≦1.0、サイプ長さls[mm]が2.0≦ls≦4.0、且つ、サイプ配置間隔ps[mm]が4.0≦ps≦8.0の範囲内にある請求項1〜5のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記ショルダーリブと前記細リブとを区画する細溝の溝深さhserが、前記周方向主溝の溝深さGDに対して0.50≦hser/GD≦1.00の関係を有する請求項1、3〜6のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記ショルダーリブのリブ幅Wbと前記細リブのリブ幅Wserとが0.20≦Wser/Wb≦0.30の関係を有する請求項1、3〜7のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記ショルダーリブの踏面と前記細リブの踏面との段差d[mm]が1.0≦d≦3.0の範囲内にある請求項1、3〜8のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  10. タイヤ子午線方向の断面視にて、前記ショルダーリブのタイヤ幅方向外側の側面と前記ショルダーリブの踏面に垂直な直線とのなす角αが20[deg]≦α≦60[deg]の範囲内にあり、且つ、前記細溝と前記ショルダーリブの踏面に垂直な直線とのなす角βが10[deg]≦β≦50[deg]の範囲内にある請求項2〜6のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  11. タイヤ子午線方向の断面視にて、前記細溝の溝底から前記ショルダーリブのタイヤ幅方向外側の側面までの距離hと、前記ショルダーリブを区画する前記周方向主溝の溝深さdと、前記非接地リブの頂面から前記ショルダーリブの踏面までの距離gとが0.5≦h/d≦1.2および0.5≦g/h≦0.8の関係を有する請求項2〜6または10のいずれか一つ記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記サイプが前記ショルダーリブのタイヤ幅方向外側の端部およびタイヤ幅方向内側の端部の双方に形成されている請求項1〜11のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記サイプの溝幅ts[mm]が0.5≦ts≦1.0の範囲内にある請求項1〜12のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  14. 前記サイプのサイプ深さhcsと前記周方向主溝の溝深さGDとが0.2≦hs/GD≦0.9の関係を有する請求項1〜13のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  15. 前記サイプのサイプ長さls[mm]が2.0≦ls≦4.0の範囲内にある請求項1〜14のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  16. 前記サイプのサイプ配置間隔ps[mm]が4.0≦ps≦8.0の範囲内にある請求項1〜15のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  17. タイヤ幅方向にかかる前記外側ラグ溝の幅方向長さWe[mm]がWe≧13.0の範囲にある請求項1〜16のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  18. 前記ショルダーリブを横断するオープンサイプが前記ショルダーリブに形成されており、且つ、前記オープンサイプの溝幅tos[mm]が0.5≦tos≦1.0の範囲内にある請求項1〜17のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  19. 前記ショルダーリブを横断するオープンサイプが前記ショルダーリブに形成されており、且つ、前記オープンサイプのサイプ深さhosと前記周方向主溝の溝深さGDとが0.2≦hos/GD≦0.8の関係を有する請求項1〜18のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  20. 前記外側ラグ溝と前記オープンサイプとがタイヤ周方向に交互に配置されている請求項18または19に記載の空気入りタイヤ。
  21. 前記ショルダーリブがタイヤ幅方向内側の端部からタイヤ幅方向外側に向かって前記ショルダーリブを横断することなく形成された複数の内側ラグ溝を有し、且つ、当該内側ラグ溝の溝幅tinと前記ブロック列を構成するブロックのブロック長Laとが0.10≦tin/La≦0.20の関係を有する請求項1〜20のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  22. 前記ショルダーリブがタイヤ幅方向内側の端部からタイヤ幅方向外側に向かって前記ショルダーリブを横断することなく形成された複数の内側ラグ溝を有し、且つ、当該内側ラグ溝の溝深さhinと前記周方向主溝の溝深さGDとが0.10≦hin/GD≦0.30の関係を有する請求項1〜21のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
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