JP5103729B2 - 紙葉類処理装置及び取引装置 - Google Patents

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Description

この発明は、例えばATMや券売機などの取引装置に設けられるような紙葉類処理装置に関する。
従来、ATMや券売機などの取引装置は、重ねられた複数枚の紙幣が投入口に投入された後、押圧板を可動させて紙幣をピックアップローラに押圧させ、ピックアップローラを回転させて紙幣を一枚ずつ取込む技術が用いられている。
ここで、重ねて投入された紙幣の間には、稀にクリップや硬貨などの異物が存在している。このような異物が存在すると、紙幣とともに異物が装置内部に取込まれ、取引装置がダウンしてしまうという問題がある。
このような状況のもと、異物を除去できる紙幣処理装置が提案されている(特許文献1参照)。この紙幣処理装置は、傾斜して配置された底板上部の受け入れスペース部により、重ねられた複数枚の紙幣を立位の状態で受け入れ、受け入れた紙幣を立位の押圧板で略水平方向に取込ローラへ向けて押圧し、該取込ローラで紙幣を取り込むものである。そして、底板には櫛歯が設けられており、この櫛歯間の開口部から異物を下方に落下除去できるとされている。またこの特許文献1には、取引終了時に底板を開口操作して異物を残留させないことが記載されている。
しかし、上記の公知例は、ATMなど紙幣を上から下へ向けて投入許容するタイプの取引装置に適用するものであり、券売機など紙幣を略水平方向に投入許容し押圧板で上下方向に押圧して紙幣を取込むタイプの取引装置に適用できなかった。
特開平01−308324号公報
この発明は、上述の問題に鑑み、紙葉類を略水平方向に投入許容して取り込むことができ、異物が投入された場合に該異物を除去できるような紙葉類処理装置を提供することを目的とする。
この発明は、重ねられた複数枚の紙葉類の一括投入を受け付ける略水平な紙葉類投入口と、前記紙葉類投入口に投入された紙葉類を上部から一枚ずつ取り込むピックアップローラと、前記紙葉類を下部より前記ピックアップローラへ向けて押圧する押圧板と、紙葉類取り込みの際に前記押圧を行う押圧位置と、紙葉類返却の際に押圧解除して前記紙葉類の下部を開放する開放位置とに前記押圧板を変位させる駆動手段とを備えた紙葉類処理装置であることを特徴とする。
これにより、紙葉類を略水平方向に投入許容して取り込むことができ、異物が投入された場合に該異物を除去することができる。
この発明の態様として、前記押圧板は、前記紙葉類投入口側の端部が取込幅方向の回動軸により軸支され、前記駆動手段により、取込方向後段側が上下動するように回動する構成とすることができる。
この発明の態様として、前記紙葉類を正常に取り込めているか検知する取込検知手段と、前記ピックアップローラを紙葉類取込方向に回転制御し、前記取込検知手段で紙葉類の正常取込を検知できない場合に前記ピックアップローラを逆転制御するとともに前記駆動手段を駆動制御して前記押圧板を開放位置に変位させる制御手段とを備えることができる。
これにより、投入された異物を除去できるとともに、紙葉類を取込逆方向に排出して利用者に投入のやり直しを求めることができる。
またこの発明の態様として、前記駆動手段を、前記正常取込を検知できない場合に前記押圧板を押圧位置と開放位置とに繰り返し変位させる構成にすることができる。
これにより、紙葉類を取込逆方向に間欠的に排出することができる。
またこの発明の態様として、前記駆動手段を、前記押圧位置と、前記開放位置と、紙葉類の投入を許容する投入許容位置とに前記押圧板を変位させる構成にすることができる。
これにより、紙葉類の投入を容易にすることができる。
またこの発明の態様として、前記押圧板の上面に、紙葉類の取込方向に長いリブを取込幅方向に複数突設することができる。
これにより、小さく軽い異物の除去を容易にすることができる。
この発明により、紙葉類を略水平方向に投入許容して取り込むことができ、異物が投入された場合に該異物を除去できるような紙葉類処理装置を提供できる。
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
図1は紙幣処理装置1を右側面から見た概略構成図を示し、図2は紙幣処理装置1を左側面から見た概略構成図を示し、図3は紙幣処理装置1を平面から見た概略構成図を示し、図4は紙幣処理装置1のA−A矢視(図1)の概略構成図を示し、図5は紙幣処理装置1のB−B矢視(図1)の概略構成図を示し、図6(A)は紙幣取込時の紙幣処理装置1を右側面から見た概略構成図を示し、図6(B)は異物除去時の紙幣処理装置1を右側面から見た概略構成図を示す。
紙幣処理装置1は、紙幣取込口3から取込方向(図1の矢印Y1方向)に向かって、紙幣投入検知センサ51、およびシャッタ11がこの順で設けられている。シャッタ11の後段には、上部のピックアップローラ31と下部の押圧板20とで構成される紙幣ピックアップ部が設けられ、さらにその後段にフィードローラ35とゲートローラ39とで構成される紙幣送出部が設けられている。この紙幣ピックアップ部と紙幣送出部とで紙幣取込部(紙幣繰出部)が構成される。
紙幣取込口3は、略水平な底面台5が設けられており、この底面台5の幅方向両側部に、紙幣取込方向に一直線で互いに平行な側面ガイド6,6が立設されている。左右の側面ガイド6,6の内幅は、紙幣の短辺長さより僅かに広く、かつ定期券などのカード類の長辺長さより狭い程度に形成されている。これにより利用者は、複数枚重ねて揃えた紙幣を底面台5の上に置いて、該紙幣を取込搬送路Lに容易に挿入できる。また、定期券などのカード類を誤って投入しようとした場合、カード類の長辺が幅方向に向いていると側面ガイド6,6の内幅にカード類が納まらず、該カード類を装置内部に投入できないため、利用者は誤投入に気づくことができる。
紙幣投入検知センサ51は、シャッタ11の直前位置で、図4に示すように左右対称に2つ設けられている。この2つの紙幣投入検知センサ51は、それぞれが取込搬送路L内の側面ガイド6,6近傍位置で、互いの間隔が紙幣Bの短辺長さより短くかつ定期券などのカード類の短辺長さより長くなるように配設されている。これにより、両方の紙幣投入検知センサ51がON(またはOFF)することで紙幣Bの投入を的確に検知できる。仮に定期券などのカード類が短辺を幅方向に対応させて誤投入されても、片方の紙幣投入検知センサ51しかON(またはOFF)とならないため、紙幣Bが投入されたのではないと検知することができる。
シャッタ11は、図1に示すように、紙幣投入検知センサ51の後段位置に設けられ、上方に設けられたソレノイド10に接続されている。このシャッタ11は、上方に後退して紙幣の投入を許容する開位置と、下方に進出して紙幣の投入を拒否する閉位置とにソレノイド10によって駆動される。
ピックアップローラ31は、シャッタ11の後段に、取込搬送路Lの天井面より下方に一部が少し突出するように設けられている。このピックアップローラ31は、紙幣取込方向に沿って回転する円形ローラ31aが、図3に示すように取込幅方向に一定間隔を隔てて2つ並設されて構成されている。このピックアップローラ31は、シャフト32に軸支されており、該シャフト32がベルト38(図2参照)を介してステッピングモータで構成されたモータ(回転駆動手段)の回転駆動力を得て回転することで、シャフト32と共に正逆回転する。
押圧板20は、図1に示すように、ピックアップローラ31の下方位置に設けられ、取込搬送路Lの底面の一部を構成している。この押圧板20は、紙幣取込口3側の端部近傍部分が、取込幅方向に一直線上の回動軸19により軸支されている。これにより、押圧板20は、図6(A)に示す紙幣取込用の押圧位置から、図6(B)に示す異物除去用の開放位置まで、取込方向後段側が上下動するように回動する。また、押圧板20は、図2に示すバネ(弾性部材)60の下端支持部25に接続されている。このバネ60の上端支持部61は紙幣処理装置1の筐体に回動可能に取り付けられている。これにより、押圧板20は、バネ60の弾性力により、ピックアップローラ31の存在する上方へ向けて常時付勢される。
また押圧板20は、紙幣取込方向の中央付近である頂点部分27が上方へ凸となる傾斜の小さい山形に形成されており、該頂点部分27がピックアップローラ31と上下対向する位置に配置されている。そして、押圧板20における山形の斜面の傾斜角度α(図6(B)参照)は、押圧位置から開放位置までの押圧板20の回動角度β(図6(B)参照)よりも小さな角度に形成されている。つまり、押圧位置のとき、図6(A)に示すように押圧板20における山形の回動軸19側の裾部分(回動軸19側の上面端部)より頂点部分27が上方に位置し、開放位置のとき、図6(B)に示すように回動軸19側の裾部分(回動軸19側の上面端部)より頂点部分27が下方に位置するように構成されている。これにより、紙幣取込時は、押圧位置で頂点部分27がピックアップローラ31に向かって紙幣をしっかり押圧できる。また異物除去時は、開放位置で押圧板20の上面全体が異物回収箱80へ向けて下方に傾斜し、押圧板20上の全ての異物を図6(B)に示す異物回収箱80へ矢印Cに示すように放出することができる。
また、該頂点部分27には、図1、図5に示すように、ピックアップローラ31の円周形状に対応する円弧状の凹部28が設けられるとともに、リブ29が設けられている。この凹部28は、ピックアップローラ31の円形ローラ31aと対応する位置に設けられている。この凹部28により、最後の紙幣を取り込んだ後も円形ローラ31aの表面(外周面)が押圧板20に接触せず、円形ローラ31aの磨耗を防止できる。
また、リブ29は、紙幣取込方向に長い一直線のレール状の突起であり、円形ローラ31a,31aの間位置と、ピックアップローラ31の左右外側位置と、さらに外側位置とに配設されている。これにより、押圧板20が下方からピックアップローラ31に押圧されると、両者の間で搬送される紙幣は、各円形ローラ31aの下面と各リブ29の上面とによって正面視波打つように湾曲変形する。従って、ピックアップローラ31の表面がある程度磨耗しても充分な摩擦力を得ることができ、紙幣をしっかりと一枚ずつ取り込むことができる。
また、押圧板20の回動軸19近傍位置には、上下に貫通するシャッタ挿通孔21が、シャッタ11の上下対向位置に設けられている。これにより、シャッタ11は閉位置で押圧板20のシャッタ挿通孔21に挿通され、紙幣が内部に入り込まないようにしっかりと閉鎖することができる。
また、押圧板20は、紙幣取込方向の長さが、後段のフィードローラ35の前段側からシャッタ11までの長さに形成されている。そして、押圧板20は、横幅(取込幅方向の長さ)が、底面台5(図3参照)の横幅(取込搬送路Lの搬送幅)全体に渡る大きさに形成されている。このため、押圧板20は、シャッタ11より内側に混入されてフィードローラ35より前段に存在する全ての異物を載せることになる。これにより、該押圧板20を上下回動することで、押圧板20上の全ての異物を図6(B)に示す異物回収箱80へ矢印Cに示すように放出することができる。
フィードローラ35は、図1に示すようにピックアップローラ31の後段に、取込搬送路Lの天井面より下方に一部が少し突出するように設けられている。このフィードローラ35は、図3に示すように回転軸36に軸支されており、ベルト38(図2)を介して図示省略するモータの回転力を得、紙幣取込方向に正回転する。また、フィードローラ35には図示省略するワンウェイクラッチが設けられており、ベルト38が逆回転している間にフィードローラ35がモータの回転力によっては逆回転しないように構成されている。このフィードローラ35は、紙幣に接触しているため、紙幣が取込逆方向に返却される際に、返却される紙幣とともに連れまわりして逆回転する。
また、ゲートローラ39は、ピックアップローラ31の後段に、取込搬送路Lの底面より上方に一部が少し突出するように設けられている。このゲートローラ39は、紙幣取込方向となる正回転は、図示省略するワンウェイクラッチによって停止される。この停止により、紙幣を複数枚連れ出しすることを防止している。このゲートローラ39は、紙幣取込逆方向となる逆回転が可能であるから、紙幣が取込逆方向に返却される際に、返却される紙幣とともに連れまわりする。
そして、フィードローラ35とゲートローラ39は、互いにオーバラップするよう構成されている。
ピックアップローラ31が軸支されたシャフト32には、図2に示すように円形板15が軸支されている。この円形板15は、図示省略するワンウェイクラッチが設けられており、シャフト32の正回転時には連れ回りせずに正回転方向へ回転可能な状態となり、シャフト32の逆回転時には該シャフト32と連れまわりして逆回転する。該円形板15の円周の一部には、遮光板14が設けられている。また、円形板15の上方位置に状態検知センサ13が設けられている。この状態検知センサ13は、投光素子と受光素子とで構成する透過型のセンサであり、遮光板14による遮光を検知する。なお、状態検知センサ13は、反射型のセンサ等、他の適宜のセンサで構成してもよい。
また、円形板15の円周近傍の一部には、スライダ70の一端が回転軸72で軸支されている。このスライダ70は、細長い板状で、回転軸72で軸支される一端と反対側の端部から中央部にかけて一直線上のガイド孔71が形成されている。このガイド孔71には、円形の下端支持部25が挿通されている。これにより、円形板15が回転すると、回転軸72が回転するためスライダ70の一端も回転する。この回転において、回転軸72が一定より下方位置にあるときは、まずガイド孔71が下端支持部25を下方に押下して図6(B)に示すように押圧板20を下方の開放位置に回動(変位)させた後、バネ60の弾性力によって図6(A)に示すように押圧板20を上方の押圧位置へ回動(変位)させる。また、回転軸72が一定より上方位置にあるときは、ガイド孔71でガイドされつつ下端支持部25がガイド孔71内を移動し、押圧板20はバネ60によって上方に付勢される。
取込搬送路L内には、図3に示すようにセンサ52〜56が設けられている。
残留検知センサ52,52は、紙幣取込方向におけるシャッタ11と同様の位置に、紙幣幅より僅かに狭い幅だけ離間させて左右対称に設けられている。この残留検知センサ52,52は、押圧板20でピックアップローラ31に向けて押圧している紙幣が全て取り込まれたか否か、すなわち紙幣の残留の有無を検知するセンサである。
トリガセンサ53は、前記残留検知センサ52,52より紙幣の取込方向後段に設けられ、押圧板20の後段側端部近傍位置で紙幣の有無を検知する。これにより、押圧板20の後段側端部近傍位置まで紙幣がしっかり挿入されたことを検知でき、この検知を紙幣取り込み開始のトリガとすることができる。また、紙幣の残留検知もできる。
また、フィードローラ35およびゲートローラ39の後段側には、形状検知センサ54〜56が設けられている。形状検知センサ55は、ゲートローラ39の後段側で取込幅方向中央位置に設けられている。形状検知センサ54,56は、ゲートローラ39の後段側で取込幅方向左右両端近傍に左右対称に設けられている。このセンサ54〜56により、紙幣を正しく取り込めていること(例えばセンサ54〜56が全てON)や、紙幣が残留していないことを容易に検知することができる。
図7は、紙幣処理装置1の動作を示すフローチャートであり、図8および図9は、紙幣処理装置1の押圧板20の状態を説明する説明図である。
図示省略する制御装置は、図8(A)に示すように、モータを駆動して円形板15を回転させ、状態検知センサ13が遮光板14により遮光される投入許容状態で待機する(ステップn1)。この投入許容状態は、図1や図8(A)に示したように、押圧板20が最上位置より少し下方に下がった投入許容位置に位置する状態、すなわち、押圧板20の頂点部分27が取込搬送路Lの天井面と床面との間の高さに位置してピックアップローラ31と少し離間した状態であり、複数枚(例えば50枚)重ねられた紙幣の一括投入が容易な状態である。このとき、シャッタ11が閉位置になるよう、制御装置がソレノイド10を制御している。
制御装置は、紙幣投入検知センサ51で紙幣の投入を検知するまで待機し(ステップn2:NO)、投入を検知すると(ステップn2:YES)、シャッタ11が開位置になるようソレノイド10を駆動制御する(ステップn3)。
制御装置は、トリガセンサ53で紙幣が奥までしっかり挿入されたことを検知すると、モータを正回転させてピックアップローラ31およびフィードローラ35を紙幣取込方向に正回転させ、紙幣の取り込みを開始する(ステップn4)。
このとき、円形板15はワンウェイクラッチの作用によってピックアップローラ31と連れまわりしないが、正回転方向に自由に回転することができる。このため、図2に示した投入許容状態から、押圧板20がバネ60の付勢力を受けて上方のピックアップローラ31へ向けて回動し、これに伴って下端支持部25によりスライダ70が上方へ押し上げられ、このスライダ70の一端に軸支される回転軸72によって円形板15が正回転し、図9(K)に示す紙幣取込状態へ移行する。この紙幣取込状態で、バネ60の付勢力を受けている押圧板20が、図9(K)や図6(A)に示す押圧位置に位置し、紙幣をピックアップローラ31に向けて押圧し続ける。これにより、図1の矢印Y1方向に一括して挿入された紙幣群を、最上面の紙幣から1枚ずつ取り込み、図1のY2方向へ搬送することができる。
このようにして紙幣の取り込みを開始した後、異常を検知できなければ(ステップn5:NO)、通常の取引処理を実行し(ステップn6)、ステップn10に処理を進める。この異常の有無の検知は、例えば取り込み開始後に所定時間経過しても形状検知センサ54〜56で正常紙幣の存在を検知(例えば形状検知センサ54〜56の全てがON)した状態にならない場合を異常有りと検知する等、適宜のセンサ状態により紙幣の角折れや破れ、異物の存在などを検知する。
異常を検知した場合(ステップn5:YES)、制御装置はモータを逆回転し、紙幣の返却処理を開始する(ステップn7)。この返却処理では、制御装置がモータを逆回転させることにより、ピックアップローラ31および円形板15を逆回転させる。
この円形板15の逆回転により、スライダ70が作用し、図8(A)から図9(K)に示すように、押圧板20を上下回動させる。詳述すると、図8(A)から図8(C)に示す間で押圧板20が下方へ回動して開放位置となり、図8(C)から図8(E)に示す間で押圧板20が上方へ回動して押圧位置となり、残りの図8(F)から図9(K)までの間(円形板15が約220°回転する間)は、押圧板20が押圧位置で上方へ付勢され続けて回動しない。これにより、短い時間(約140°回転する間)で押圧板20を下方へ回動させて異物を下方へ放出して押圧板20を上方へ戻し、それより長い時間(約220°回転する時間)で押圧位置にある押圧板20により紙幣をピックアップローラ31へ向けて押圧し、該紙幣を紙幣返却方向に移動させる。この図8(A)から図9(K)に示す一連の動作を、制御装置は、紙幣の返却が完了するまで繰り返す。
返却完了を検知すると、制御装置は、シャッタ11が閉位置になるようソレノイド10を駆動制御する(ステップn8)。
制御装置は、さらに図8(A)から図9(K)に示す一連の動作を繰り返す異物回収動作を実行する(ステップn9)。この異物回収動作では、円形板15を複数回(例えば2回)回転させて押圧板20を複数回(例えば2回)上下回動させる。このように複数回押圧板20を上下回動させることで、静電気や摩擦によって押圧板20の上面に残っている異物を確実に回収するようにしている。また、押圧板20の上面にはリブ29が設けられているため、1円玉などの軽く小さい異物も容易に落下できる。
制御装置は、異物の残留が検知できる間は前記異物回収動作を繰り返す(ステップn10:YES)。異物の残留が検知できなくなれば(ステップn10:NO)、制御装置は、状態検知センサ13が遮光板14による遮光を検知した状態、すなわち図8(A)に示した投入許容状態でモータの回転を停止し、モータを励磁して位置決め停止させ(ステップn11)、一連の処理を終了してステップn1から繰り返す。
以上の構成および動作により、紙幣処理装置1は、紙幣を略水平方向に投入許容して取り込むことができ、異物が投入された場合に返却動作や異物回収動作によって該異物を除去することができる。
また、紙幣を取込逆方向に返却し、利用者に紙幣投入のやり直しを求めることができる。このとき、下方の開放位置と上方の押圧位置との間で押圧板20が上下に回動することで紙幣を間欠的に返却するため、紙幣の投入方法が悪いことを利用者に認識させることができる。すなわち、紙幣がグッ、グッ、グッと間欠的に返却される様子を見た利用者は、紙幣の間に何か挟まっているのか、紙幣が折れ曲がっているのか、あるいは紙幣がきちんと揃っていないのかといったように、投入する紙幣の束に異常があることを認識でき、紙幣間に挟まった異物や紙幣に貼り付いた異物を除去し、紙幣の折れを直し、紙幣をそろえ直して再投入することができる。
このようにして、駆動手段として1つのモータのみを使用して円形板15、ピックアップローラ31、およびフィードローラ35を回転駆動し、紙幣の取り込み、返却、および異物除去を実行でき、しかも返却時に紙幣の投入状態の異常を利用者に意識させることができるため、制御を容易にして装置を簡素化することができる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の紙葉類処理装置は、実施形態の紙幣処理装置1に対応し、
以下同様に、
紙葉類投入口は、紙幣取込口3に対応し、
取込検知手段は、形状検知センサ54〜56に対応し、
紙葉類は、紙幣Bに対応し、
駆動手段は、モータに対応し、
制御手段は、制御装置に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
紙幣処理装置を右側面から見た概略構成図。 紙幣処理装置を左側面から見た概略構成図。 紙幣処理装置を平面から見た概略構成図。 紙幣処理装置をA−A矢視した概略構成図。 紙幣処理装置をB−B矢視した概略構成図。 紙幣取込時と異物除去時の紙幣処理装置の説明図。 紙幣処理装置の動作を示すフローチャート。 紙幣処理装置の押圧板の状態を説明する説明図。 紙幣処理装置の押圧板の状態を説明する説明図。
1…紙幣処理装置
3…紙幣取込口
20…押圧板
29…リブ
31…ピックアップローラ
54〜56…形状検知センサ
B…紙幣

Claims (7)

  1. 重ねられた複数枚の紙葉類の一括投入を受け付ける略水平な紙葉類投入口と、
    前記紙葉類投入口に投入された紙葉類を上部から一枚ずつ取り込むピックアップローラと、
    前記紙葉類を下部より前記ピックアップローラへ向けて押圧する押圧板と、
    紙葉類取り込みの際に前記押圧を行う押圧位置と、紙葉類返却の際に押圧解除して前記紙葉類の下部を開放する開放位置とに前記押圧板を変位させる駆動手段とを備えた
    紙葉類処理装置。
  2. 前記押圧板は、前記紙葉類投入口側の端部が取込幅方向の回動軸により軸支され、
    前記駆動手段により、取込方向後段側が上下動するように回動する
    請求項1記載の紙葉類処理装置。
  3. 前記紙葉類を正常に取り込めているか検知する取込検知手段と、
    前記ピックアップローラを紙葉類取込方向に回転制御し、前記取込検知手段で紙葉類の正常取込を検知できない場合に前記ピックアップローラを逆転制御するとともに前記駆動手段を駆動制御して前記押圧板を開放位置に変位させる制御手段とを備えた
    請求項1または2に記載の紙葉類処理装置。
  4. 前記駆動手段を、前記正常取込を検知できない場合に前記押圧板を押圧位置と開放位置とに繰り返し変位させる構成にした
    請求項記載の紙葉類処理装置。
  5. 前記駆動手段を、前記押圧位置と、前記開放位置と、紙葉類の投入を許容する投入許容位置とに前記押圧板を変位させる構成にした
    請求項1、2、3または4記載の紙葉類処理装置。
  6. 前記押圧板の上面に、紙葉類の取込方向に長いリブを取込幅方向に複数突設した
    請求項1からのいずれか1つに記載の紙葉類処理装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1つに記載の紙葉類処理装置を備えた
    取引装置。
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