以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
[実施形態]
<施封装置の全体構成>
以下、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る施封装置の全体構成につき説明する。図1は、本実施形態に係る施封装置の外部構成を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る施封装置の内部構成を示す断面図である。
施封装置1は、紙葉類束を帯体で施封する装置である。施封装置1は、例えば、銀行や信用金庫等の金融機関、ショッピングモールやスーパーマーケット等の流通機関で利用される。ここで、「紙葉類束」とは、束状に整えられた複数枚の紙葉類を意味している。また、「施封」とは、帯体で結束する動作を意味している。
施封装置1は、紙葉類として、例えば、紙幣や乗車券、航空券、チケット、帳票等の媒体を用いることができる。また、施封装置1は、帯体として、例えば、紙帯や合成樹脂材製の帯を用いることができる。ここでは、紙葉類が紙幣であり、帯体が紙帯である場合を想定して説明する。以下、紙葉類を「紙幣」と称し、帯体を「紙帯」と称する。また、後記する集積部20(図2参照)に集積された紙葉類(集積紙葉類)を「集積紙幣」と称し、紙葉類束を「紙幣束」と称し、後記する施封部30(図2参照)によって施封された紙葉類束(施封紙葉類束)を「施封紙幣束」と称する。
図1に示す例では、施封装置1は、上部ユニット2と下部ユニット3とを有する構成になっている。上部ユニット2は、紙幣束を紙帯で施封するユニットである。下部ユニット3は、紙幣を収納する金庫部60が内部に収納されているユニットである。
上部ユニット2の正面(前面)側には、アッパパネル2Uとロアパネル2Lとが設けられている。アッパパネル2U及びロアパネル2Lは、上部ユニット2の内部空間を閉鎖する可動部材である。アッパパネル2Uは、後斜め上方向に摺動することによって、開く構成になっている(図6A参照)。一方、ロアパネル2Lは、上端側が下端付近を中心にして前方向に回動することによって、開く構成になっている(図6A参照)。
アッパパネル2Uの正面(前面)側には、カードリーダ4、表示部5、及び、操作部6が設けられている。カードリーダ4は、カード媒体に記憶されている情報をカード媒体から読み取る構成要素である。表示部5は、各種情報を表示する構成要素である。操作部6は、オペレータの操作を受け付ける構成要素である。施封装置1は、例えば、カードリーダ4で、オペレータによって所持されたIDカード(図示せず)からオペレータのID情報を読み取ることによって、オペレータを特定する。そして、施封装置1は、各種処理を実行する上で必要となる情報を表示部5に表示し、操作部6からオペレータの操作を受け付ける。
一方、ロアパネル2Lの正面(前面)側には、放出部7が設けられている。放出部7は、施封紙幣束を外部に放出する部位である。ここでは、放出部7がシャッタ構造になっているものとして説明する。放出部7のシャッタは、通常時に、閉鎖されており、施封紙幣束の放出時にのみ、開放される。
施封装置1は、放出部7のシャッタを開放した状態にして、施封紙幣束の一部分をシャッタの外部に突出させることによって、施封紙幣束を装置の内部から外部に放出することができる。
下部ユニット3の正面(前面)側には、取込部8、及び、前扉9が設けられている。取込部8は、紙幣を取り込む構成要素である。前扉9は、下部ユニット3の内部空間を閉鎖する可動部材である。
取込部8は、シャッタ構造になっている。取込部8のシャッタは、通常時に、閉鎖されており、紙幣の投入時にのみ、開放される。施封装置1は、取込部8のシャッタを開放することによって、紙幣の投入を受け付ける。
前扉9は、左端及び右端のいずれか一方の端部が他端付近を中心にして前方向に回動することによって、開く構成になっている。前扉9は、通常時に、図示せぬロック機構によって施錠されている。
図2に示す例では、施封装置1は、上部ユニット2の内部に、制御部CN、搬送部10、集積部20、施封部30、ロック機構40、及び、トレイ50を有している。なお、施封装置1は、上部ユニット2の内部に、後記するトレイ50を集積部20及び施封部30の下方の位置から後下方の位置に押し出させるための押し出し機構PUも有している(図7参照)。
制御部CNは、各部の動作を制御する構成要素である。
搬送部10は、紙幣を搬送する構成要素である。
集積部20は、紙幣が紙幣束として集積される構成要素である。
施封部30は、紙幣束を紙帯で施封する構成要素である。
ロック機構40は、施封部30を所定の位置に固定する機構である。
トレイ50は、オペレータが集積部20から後記する端数分の紙幣を抜き取る際に、紙幣を誤って落下させてしまったときに、落下した紙幣を受け止める部材である。トレイ50は、上面に、落下した紙幣を収納するための凹部が形成された構成になっている。
また、施封装置1は、下部ユニット3の内部に、金庫部60、搬送部61、鑑別部62、リジェクト部63、及び、一時集積部64を有している。
金庫部60は、紙幣が収納される構成要素である。
搬送部61は、紙幣を搬送する構成要素である。
鑑別部62は、紙幣を鑑別する構成要素である。
リジェクト部63は、鑑別部62によって再利用不能なリジェクト紙幣として鑑別された紙幣を収納する構成要素である。
一時集積部64は、紙幣を一時的に収納する構成要素である。
なお、図2は、集積部20及び施封部30の構成を簡略化して示している。集積部20及び施封部30の具体的な構成については、後記の<集積部及び施封部の構成>の章で説明する。
本実施形態では、集積部20及び施封部30は、一体の連結ユニット2CMとして連結された構成になっている。施封装置1は、連結ユニット2CMの周囲に、連結ユニット2CMを摺動可能に保持する機構として、レール機構2rlを有している。これにより、オペレータは、集積部20及び施封部30を上部ユニット2の内部から外部に引き出すことができる(図6B参照)。
なお、施封装置1は、オペレータの意図しないタイミングで集積部20及び施封部30が移動しないように、施封部30を所定の位置に固定する機構として、ロック機構40(図2参照)を有している。
施封装置1の制御部CNは、集積部20及び施封部30を引き出してはいけない場合に、ロック機構40をロックさせることによって、集積部20及び施封部30が引き出されてしまう誤操作を防止することができる。
また、施封装置1の制御部CNは、集積部20及び施封部30を引き出してもよい場合に、ロック機構40のロックを解除させることによって、集積部20及び施封部30を引き出し可能な状態にする。これにより、施封装置1は、例えば、オペレータによる集積部20からの後記する端数分の紙幣の抜き取りを行うことができる。
本実施形態では、施封装置1は、オペレータによって集積部20及び施封部30が上部ユニット2の内部から外部に引き出された場合に、そのことを検知する第1センサSN1を有している。第1センサSN1は、例えば、発光素子と受光素子とによって構成されている。
また、施封装置1は、上部ユニット2の外部に引き出された集積部20及び施封部30がオペレータによって上部ユニット2の内部に押し込まれる場合に、そのことを検知する第2センサSN2を有している。
第2センサSN2は、集積部20及び施封部30の引き出し動作や押し込み動作に伴って移動する遮光板shが受光素子と受光素子との間で射出される光を遮る状態になったり、又は、遮らない状態になったりする。これに応じて、第2センサSN2は、その状態に応じた値の信号を検知信号として制御部CNに出力する。制御部CNは、検知信号の値に応じて、集積部20及び施封部30の状態を検知する。
本実施形態では、第2センサSN2が施封部30の内壁面に設けられており、また、遮光板shがトレイ50に設けられているものとして説明する。そして、遮光板shは、トレイ50が集積部20及び施封部30の下方の位置に配置されたときに、第2センサSN2の発光素子と受光素子との間の位置に配置され、一方、トレイ50が集積部20及び施封部30の後下方の位置に配置されたときに、第2センサSN2の発光素子と受光素子との間から外れた位置に配置されるように、設けられているものとして説明する。
なお、トレイ50は、集積部20及び施封部30が引き出されていない場合に、集積部20及び施封部30の下方に配置されており、一方、集積部20及び施封部30が引き出された場合に、自動的に後方向に移動して、集積部20及び施封部30の後下方の位置に配置される構成になっている。これにより、施封装置1は、オペレータによる集積部20からの後記する端数分の紙幣の抜き取り時に、万が一、オペレータが紙幣を落下させてしまったとしても、落下した紙幣をトレイ50で受け止めることができる。これにより、施封装置1は、紙幣がトレイ50よりも下側(例えば、下部ユニット3の内部側)に入り込むことを防止することができる。
<施封装置の紙幣の投入時の動作>
係る構成において、施封装置1は、紙幣の投入時に以下のように動作する。
例えば、施封装置1は、オペレータが操作部6(図1参照)を操作して紙幣の投入処理の実行を指示することによって、紙幣の投入処理を開始する。
この場合に、施封装置1は、取込部8のシャッタを開いて、オペレータに紙幣の投入を促す。そして、施封装置1は、オペレータが紙幣を取込部8に投入すると、投入された紙幣を内部に取り込み、取り込まれた紙幣を搬送部61によって搬送しながら鑑別部62で鑑別し、真券として鑑別された紙幣を一時集積部64に一時的に収納するとともに、真券として鑑別されなかった紙幣を取込部8に戻して、オペレータに紙幣の再投入を促す。
施封装置1は、投入される紙幣がなくなるまで、このような動作を繰り返し行い、その後に、鑑別部62によって再利用可能な正常紙幣として鑑別された紙幣を金庫部60に金種毎に収納し、一方、鑑別部62によって再利用不能なリジェクト紙幣として鑑別された紙幣をリジェクト部63に収納する。
このようにして施封装置1は、紙幣の投入処理を実行する。
<施封装置の紙幣の施封時の動作>
また、係る構成において、施封装置1は、紙幣の施封時に以下のように動作する。ここでは、施封装置1が金庫部60に収納された紙幣を集積部20に搬送して施封部30で施封する場合を想定して説明する。ただし、施封装置1は、取込部8に投入された紙幣を集積部20に搬送して、施封部30で施封することもできる。
例えば、施封装置1は、オペレータが操作部6(図1参照)を操作して紙幣の施封処理の実行を指示することによって、紙幣の施封処理を開始する。ここでは、例えば、オペレータが、施封する紙幣の金種として「万円券」を指定し、施封枚数(一束に施封する紙幣の枚数)として「100枚」を指定して、紙幣の施封処理の実行を指示したものとして説明する。
この場合に、施封装置1は、金庫部60の中からオペレータによって指定された金種の紙幣(ここでは、「万円券」の紙幣)を繰り出し、繰り出された紙幣を搬送部61によって搬送しながら鑑別部62で鑑別し、真券として鑑別された紙幣を上部ユニット2の搬送部10に向けて搬送する。
搬送部10は、内部に、搬送路11と、例えばローラやベルト等によって構成された搬送機構12とを有している。搬送部10は、搬送部61から紙幣を受け取ると、紙幣を集積部20に向けて搬送する。
集積部20は、搬送部10によって搬送された紙幣を内部に集積し、施封枚数分の紙幣(ここでは、「100枚」分の紙幣)が集積紙幣束として集積されると、集積紙幣束を施封部30に繰り出す。
施封部30は、内部に印字部prやスタンプ機構(図示せず)、切断部ct、巻付機構(図示せず)を有しており、また、内部に紙帯wrを収納している。施封部30は、集積部20から施封枚数分の集積紙幣束を受け取ると、印字部prで日付や通番等の情報を紙帯wrに印字したり、スタンプ機構(図示せず)で金融機関の印章等を紙帯wrに押印したりした後、切断部ctで紙帯wrを所定の長さに切断して、切断された紙帯wrを巻付機構(図示せず)で集積紙幣束に巻き付けて結束する。これにより、施封装置1は、集積紙幣束を施封紙幣束として施封する。
そして、施封装置1は、放出部7のシャッタを開放した状態にして、施封紙幣束の一部分をシャッタの外部に突出させることによって、施封紙幣束を装置の内部から外部に放出する。
このようにして施封装置1は、紙幣の施封処理を実行する。
ただし、施封装置1は、図6Aに示すように、ロアパネル2L及びアッパパネル2Uを開放した状態にして、施封紙幣束の一部分を施封部30の外部に突出させることによって、放出部7のシャッタを閉鎖したままの状態で、施封紙幣束を装置の内部から外部に放出することができる。
<集積部及び施封部の構成>
以下、図3A及び図3Bを参照して、集積部20及び施封部30の具体的な構成につき説明する。図3Aは、本実施形態で用いる集積部20及び施封部30の概略構成を模式的に示す側面図である。図3Aは、図2に示すA部の概略構成であって、図3Bに示す線X1−X1に沿って切断した切断面の構成を示している。図3Bは、本実施形態で用いる集積部20の概略構成を模式的に示す斜視図である。
図3Aに示すように、集積部20は、集積下側搬送機構21、及び、集積上側搬送機構22を有している。また、施封部30は、施封下側搬送機構31、及び、施封上側搬送機構32を有している。
集積下側搬送機構21及び集積上側搬送機構22、並びに、施封下側搬送機構31及び施封上側搬送機構32は、ともに、ローラ搬送又はベルト搬送によって紙葉類束(紙幣束)を搬送する機構である。すなわち、集積下側搬送機構21及び集積上側搬送機構22、並びに、施封下側搬送機構31及び施封上側搬送機構32は、ともに、回転体及び複数の回転体に張架された張架部材を搬送部材とし、それぞれに設けられた搬送部材で紙葉類束(紙幣束)を上下方向から挟み込み、搬送部材を作動させて紙葉類束を水平方向に搬送する機構である。「回転体」は、後記するローラ211,221,311,321を意味している。「張架部材」は、後記するベルト212,222,312,322を意味している。また、ここでは、「水平方向」とは、前後方向及び左右方向を含む面に平行な方向を意味している。
なお、ローラ搬送とベルト搬送とでは、ローラ搬送よりもベルト搬送の方が紙葉類束(紙幣束)を安定して搬送することができる(つまり、束のずれの発生を抑制させた状態で搬送することができる)ため、ベルト搬送の方が好ましい。ここでは、集積下側搬送機構21及び集積上側搬送機構22、並びに、施封下側搬送機構31及び施封上側搬送機構32は、ベルト搬送によって紙葉類束(紙幣束)を搬送する機構になっているものとして説明する。
集積下側搬送機構21及び施封下側搬送機構31は、互いの間で紙葉類束(紙幣束)を水平に受け渡しできるように、並設(並べて設置)されている。ここでは、集積下側搬送機構21及び施封下側搬送機構31は、施封装置1の前後方向に紙葉類束(紙幣束)を搬送するために、前後方向に直列に配置されているものとして説明する。
また、集積上側搬送機構22は、集積下側搬送機構21の上方に、上下方向に移動するように配置されている。
また、施封上側搬送機構32は、施封下側搬送機構31の上方に、施封上側搬送機構32の前後方向の任意の場所を中心にして、回動するように配置されている。施封上側搬送機構32は、回転中心を上下方向に移動させることができる構成になっている。
本実施形態では、集積下側搬送機構21及び集積上側搬送機構22、並びに、施封下側搬送機構31及び施封上側搬送機構32は、以下に説明するように、ベルト搬送を行う機構として構成されているものとして説明する。
(集積下側搬送機構の構成)
図3A及び図3Bに示すように、集積下側搬送機構21は、複数個のローラ211、及び、複数本のベルト212を有している。図3Bに示す例では、集積下側搬送機構21は、4本のベルト212と、1本のベルト212につき3個ずつ、合計12個のローラ211とを有している。
12個のローラ211は、左右方向に4個ずつ、また、前後方向に3個ずつ、同じ高さの所定の位置に、回転自在に配置されている。左右方向の4個のローラ211は、1本のシャフトSF1に取り付けられている。シャフトSF1は、3本設けられている。各シャフトSF1は、図示せぬ支持部によって回転自在に支持されている。
いずれかのシャフトSF1(例えば、前端側のシャフトSF1)に連結された4個のローラ211は、モータ等の駆動源(図示せず)に連結されており、駆動源によって回転駆動されることによりベルト212を走行させる駆動ローラとして機能する。他の8個のローラ211は、ベルト212の走行に追従して回転する従動ローラとして機能する。
4本のベルト212は、それぞれ、前後方向に配置された駆動ローラとして機能する1個のローラ211と従動ローラとして機能する2個のローラ211とによって走行自在に張架されている。
(集積上側搬送機構の構成)
集積上側搬送機構22は、集積下側搬送機構21と同様に、複数個(図3Bに示す例では12個)のローラ221、及び、複数本(図3Bに示す例では4本)のベルト222を有している。
ここでは、集積上側搬送機構22は、ローラ221を回転駆動させる駆動源を有しておらず、集積下側搬送機構21がベルト212とベルト222との間で紙葉類束(紙幣束)を挟み込んだ状態でベルト212を走行させることによって、ベルト222がベルト212の走行に追従して走行する構成になっているものとして説明する。ただし、集積上側搬送機構22は、集積下側搬送機構21と同様に、ローラ221を回転駆動させる駆動源を有する構成にしてもよい。又は、集積上側搬送機構22と集積下側搬送機構21とは、図示せぬギヤ列等によって、同一の駆動源から駆動力を得て、ローラ211とローラ221を回転駆動させる構成にしてもよい。
12個のローラ221は、左右方向に4個ずつ、また、前後方向に3個ずつ、同じ高さの所定の位置に、回転自在に配置されている。左右方向の4個のローラ221は、1本のシャフトSF2に取り付けられている。シャフトSF2は、3本設けられている。各シャフトSF2は、連結部材225によって回転自在に支持されている。
4本のベルト222は、それぞれ、前後方向に配置された3個のローラ221によって走行自在に張架されている。
なお、集積部20は、ガイド部材223、摺動部材224、前記した連結部材225、リンク機構226、及び、上下動機構227を備えている。
ガイド部材223は、摺動部材224を上下方向に摺動自在に支持する部材である。
摺動部材224は、ガイド部材223の延在方向に沿って、上下方向に摺動する部材である。
連結部材225は、ローラ221を支持しているシャフトSF2と摺動部材224とを連結する部材である。
リンク機構226は、集積上側搬送機構22の上下方向の移動に合わせて作動する機構である。
上下動機構227は、リンク機構226を作動させることによって集積上側搬送機構22を上下方向に移動させる機構である。
ガイド部材223は、長尺な板状の部材として構成されており、上下方向に延在するように、集積部20の所定の場所に固定して設けられている。ガイド部材223は、摺動部材224を摺動させるレールとして機能する溝が長手方向に沿って設けられている。摺動部材224は、長尺な板状の部材として構成されており、ガイド部材223に形成された溝に嵌め込まれている。ガイド部材223は、摺動部材224及び連結部材225を介して、集積上側搬送機構22を上下方向に移動可能に支持している。集積上側搬送機構22は、連結部材225と摺動部材224とが直交した状態で連結されることにより、ベルト222の搬送面(紙葉類束(紙幣束)との当接面)が水平方向に一致した状態で、上下方向に移動する。
リンク機構226は、リンク部材226a,226bによって構成されている。図3Bに示す例では、リンク部材226aは、長方形状に形成された天井板と、天井板の両横に配置され、略L字状に形成された2つの側板とを備えた構成になっている。側板は、集積部20の前後方向に向けて配置されている。側板の前後方向の一端側(図示例では前端側)は、下方向に突出しており、集積部20の筺体の壁面の任意の場所に回動自在に取り付けられている。側板の前後方向の他端側(図示例では後端側)は、リンク部材226bと回動自在に連結されている。リンク部材226bは、棒状の板として形成されている。リンク部材226bは、一端側(図示例では上端側)でリンク部材226aと回動自在に連結されており、他端側(図示例では下端側)で連結部材225と回動自在に連結されている。
上下動機構227は、例えば、モータ227aと、モータ227aとリンク部材226aの回動支点とに連結されたギヤ列227bとを有しており、モータ227aを回転駆動させることによってリンク部材226aを作動させる構成になっている。ただし、上下動機構227は、例えば、ラックアンドピニオン機構によって構成することもできる。集積上側搬送機構22は、上下動機構227が作動していない状態では、自重によって、下方向に移動した状態(落下した状態)となる。上下動機構227は、例えば、紙葉類(紙幣)の集積時に、落下している集積上側搬送機構22を上方向に移動させて、集積上側搬送機構22を任意の高さの位置で保持する。
オペレータは、上下動機構227が作動していない状態において、落下している集積上側搬送機構22を上方向に移動させたい場合に、リンク部材226aの後端側を手で持ち上げることによって、集積上側搬送機構22を上方向に移動させることができる。
また、集積部20は、ステージ26、案内板27、シャッタ28、及び、ストッパ29を備えている。
ステージ26は、紙葉類(紙幣)が上に集積される部材である。
案内板27は、搬送部10の舌片ローラ13によって搬送部10から集積部20の内部に放出された紙葉類(紙幣)の上面と当接することによって、紙葉類(紙幣)をステージ26の上に案内する部材である。
シャッタ28は、集積部20の内部の空間を前側(施封部30側)の空間と後側(搬送部10側)の空間とに区分する部材である。
ストッパ29は、舌片ローラ13によって放出された紙葉類(紙幣)を停止させる部材である。
ステージ26は、平坦面状の上面を備える板状の部材によって構成されている。図3Bに示すように、ステージ26は、ベルト212と衝突しないように、切欠CT1が形成された構成になっている。ステージ26は、図示せぬ付勢部材によって、上方向に付勢されており、集積上側搬送機構22と集積下側搬送機構21との間の空間で浮いた状態になっている。そして、ステージ26は、集積下側搬送機構21の紙葉類束(紙幣束)との当接部分(ここでは、ベルト212の搬送面)に対して平行な状態で上下方向に移動するように配置されている。ステージ26は、紙葉類束(紙幣束)が集積されるにつれて少しずつ下方向に移動する構成になっている。ステージ26は、集積上側搬送機構22が下方向に移動することによって、集積下側搬送機構21の紙葉類束(紙幣束)との当接部分(ベルト212の搬送面)と同じ高さの位置又はそれよりも低い高さの位置にまで下方向に移動する。
案内板27は、平坦面状の下面を備える板状の部材によって構成されている。図3Bに示すように、案内板27は、ベルト222と衝突しないように、切欠CT2が形成された構成になっている。また、案内板27は、搬送部10の舌片ローラ13によって放出された紙葉類(紙幣)を効率よく(漏れなく)受け止めることができるように、前端が上方向に屈曲した構成になっている。また、案内板27は、ステージ26の上に集積された紙葉類束(紙幣束)と接触して束を崩さないように、後端が上方向に屈曲した構成になっている。案内板27は、後端側が前端側よりも高い位置になるように、集積上側搬送機構22と集積下側搬送機構21との間の空間に、傾斜した姿勢の状態で配置されている。案内板27は、集積上側搬送機構22の上下方向の移動に伴って、上下方向に移動する。案内板27の位置は、常にステージ26よりも上方の位置となる。
シャッタ28は、搬送部10と対向する側(後側)に平坦面状の面を備える板状の部材によって構成されている。シャッタ28は、紙葉類(紙幣)が集積部20から施封部30に受け渡される際に、例えば前方向に倒れて、開放される(例えば、図5B参照)。
ストッパ29は、シャッタ28の搬送部10と対向する側(後側)の壁面に設けられている。ストッパ29は、例えば、プラスチックによって構成されている。ストッパ29は、側面視において例えば三角状の突起が多数並設されている。
なお、搬送部10の後端付近には、舌片ローラ13が設けられている。舌片ローラ13は、径方向に突出する可撓性の複数の突起部(舌片)を備えたローラである。舌片ローラ13は、搬送部10の搬送路11に沿って搬送されてきた紙葉類(紙幣)stを突起部(舌片)で集積部20の方向に押して、紙葉類(紙幣)stを搬送部10から集積部20の内部に放出する。
(施封下側搬送機構の構成)
図3Aに示すように、施封下側搬送機構31は、複数個のローラ311、及び、複数本のベルト312を有している。ここでは、施封下側搬送機構31のベルト312が集積下側搬送機構21のベルト212と前後方向に直列に配置されているものとして説明する。また、施封下側搬送機構31は、4本のベルト312と、1本のベルト312につき4個ずつ、合計16個のローラ311とを有しているものとして説明する。
16個のローラ311は、左右方向に4個ずつ、また、前後方向に4個ずつ、同じ高さの所定の位置に、回転自在に配置されている。左右方向の4個のローラ311は、1本の図示せぬシャフトに取り付けられている。シャフトは、4本設けられている。各シャフトは、図示せぬ支持部によって回転自在に支持されている。
いずれかのシャフト(例えば、前端側のシャフト)に連結された4個のローラ311は、モータ等の駆動源(図示せず)に連結されており、駆動源によって回転駆動されることによりベルト312を走行させる駆動ローラとして機能する。他の12個のローラ311は、ベルト312の走行に追従して回転する従動ローラとして機能する。
4本のベルト312は、それぞれ、前後方向に配置された駆動ローラとして機能する1個のローラ311と従動ローラとして機能する3個のローラ311とによって走行自在に張架されている。ベルト312の搬送面は、集積下側搬送機構21のベルト212の搬送面と同一水平面の位置に配置されている。
(施封上側搬送機構の構成)
施封上側搬送機構32は、複数個のローラ321、及び、複数本のベルト322を有している。ここでは、施封上側搬送機構32のベルト322が集積上側搬送機構22のベルト222と前後方向に直列に配置されているものとして説明する。また、施封上側搬送機構32は、ベルト322の長手方向の長さが施封下側搬送機構31のベルト312の長手方向の長さよりも短く形成されており、さらに、前端部の前後方向の位置が施封下側搬送機構31の前端部の前後方向の位置とほぼ同じになるように、配置されているものとして説明する。また、施封上側搬送機構32は、4本のベルト322と、1本のベルト322につき3個ずつ、合計12個のローラ321とを有しているものとして説明する。
なお、施封上側搬送機構32を施封下側搬送機構31よりも短く形成する理由は、集積下側搬送機構21と施封下側搬送機構31との間での紙葉類束(紙幣束)の受け渡し時に、紙葉類束(紙幣束)が施封上側搬送機構32に引っかかって、束のずれが発生しないように、紙葉類束(紙幣束)の受け渡しが完了した後に、施封上側搬送機構32を回動させて、施封上側搬送機構32と施封下側搬送機構31とで紙葉類束(紙幣束)を挟み込むようにするためである。
ただし、施封上側搬送機構32は、ベルト322の長手方向の長さが施封下側搬送機構31のベルト312の長手方向の長さと同じになるように形成してもよい。なお、この場合に、施封上側搬送機構32のローラ321は、施封下側搬送機構31のローラ311と同じ個数かつ同じ配列にしてもよい。また、この場合に、施封上側搬送機構32を回動させるタイミングを調整することによって、集積下側搬送機構21と施封下側搬送機構31との間での紙葉類束(紙幣束)の受け渡し時に、紙葉類束(紙幣束)が施封上側搬送機構32に引っかかって、束のずれが発生することを抑制することができる。
ここでは、施封上側搬送機構32は、ローラ321を回転駆動させる駆動源を有しておらず、施封下側搬送機構31がベルト312とベルト322との間で紙葉類束(紙幣束)を挟み込んだ状態でベルト312を走行させることによって、ベルト322がベルト312の走行に追従して走行する構成になっているものとして説明する。ただし、施封上側搬送機構32は、施封下側搬送機構31と同様に、ローラ321を回転駆動させる駆動源を有する構成にしてもよい。又は、施封上側搬送機構32と施封下側搬送機構31とは、図示せぬギヤ列等によって、同一の駆動源から駆動力を得て、ローラ311とローラ321を回転駆動させる構成にしてもよい。
12個のローラ321は、左右方向に4個ずつ、また、前後方向に3個ずつ、回転自在に配置されている。左右方向の4個のローラ321は、1本の図示せぬシャフトに取り付けられている。シャフトは、3本設けられている。各シャフトは、図示せぬ支持部材によって回転自在に支持されている。
4本のベルト322は、それぞれ、前後方向に配置された3個のローラ321によって走行自在に張架されている。
施封上側搬送機構32は、回動機構323によって回動自在に支持されている。回動機構323は、施封上側搬送機構32の前後方向の任意の場所に設けられた回転軸を中心にして、施封上側搬送機構32を回動させる機構である。ここでは、回転軸が最前列のローラ321のシャフトと同一に構成されている場合を想定して説明する。回動機構323は、紙葉類束(紙幣束)が集積部20から施封部30に受け渡される前の段階では、ベルト322の搬送面の後端側が前端側よりも高い位置になるように、施封上側搬送機構32(特にベルト322)を傾斜した姿勢の状態にする。一方、回動機構323は、紙葉類束(紙幣束)が集積部20から施封部30に受け渡されたときに、ベルト322の搬送面の後端側と前端側とが同じ高さの位置になるように、施封上側搬送機構32(特にベルト322)を回動させて水平な姿勢の状態にする。これによって、施封部30は、施封上側搬送機構32のベルト322と施封下側搬送機構31のベルト312とで紙葉類束(紙幣束)を挟み込む。このとき、回動機構323は、施封する紙葉類束(紙幣束)の厚さに応じて、施封上側搬送機構32を上下方向に微細に移動させて、施封上側搬送機構32のベルト322の搬送面の高さを調整する。
<集積部及び施封部の動作>
以下、図4、図5A〜図5F、及び、図6A〜図6Dを参照して、集積部20及び施封部30の動作につき説明する。図4は、集積部20及び施封部30の集積時の動作を示す説明図である。図5A〜図5Fは、それぞれ、集積部20及び施封部30の施封時の動作を示す説明図である。図6A〜図6Dは、それぞれ、集積部20及び施封部30の端数分の紙幣束の抜き取り時の動作を示す説明図である。なお、本発明は、集積部20に主な特徴があるため、集積部20の動作を重点的に説明する。
施封装置1は、オペレータが操作部6(図1参照)を操作して紙幣の施封処理の実行を指示することによって、紙幣の施封処理を開始する。このとき、施封装置1は、集積部20の内部で紙幣stを集積紙幣束staとして集積する動作(図4参照)と、施封枚数分の集積紙幣束staを集積部20から施封部30に繰り出して施封部30で施封する動作(図5A〜図5F参照)とを行う。
(集積時の動作)
まず、図4を参照して、集積部20及び施封部30の集積時の動作につき説明する。
図4に示すように、紙幣の集積時において、集積部20は、上下動機構227によって集積上側搬送機構22が水平な姿勢で上方向に移動させられた(持ち上げられた)状態になっている。また、施封部30は、回動機構323によって施封上側搬送機構32(特にベルト322)が傾斜した姿勢の状態になっている。
ステージ26は、水平な姿勢の状態で、集積上側搬送機構22のベルト222と集積下側搬送機構21のベルト212との間の空間に配置されている。また、案内板27は、後端側が前端側よりも高い位置になるように、傾斜した姿勢の状態で、ステージ26の上方に配置されている。
搬送部10の舌片ローラ13(図3A参照)は、紙幣stが搬送されてくる度に、紙幣stを集積部20の内部に放出する(矢印A11参照)。放出された紙幣stは、案内板27と当接することによって、ステージ26の上に案内される。そして、紙幣stは、ストッパ29と当接することによって、集積部20の内部の前後方向の所定の位置で停止する。その結果、紙幣stが集積紙幣束staとしてステージ26の上に集積される。
なお、ステージ26は、集積紙幣束staが集積されるにつれて少しずつ下方向に移動する(矢印A12参照)。これにより、集積部20は、体積があまり変動しない空間を紙幣stを集積させるための空間として確保することができ、その結果、紙幣stを常に安定して集積させることができる。
(施封時の動作)
次に、図5A〜図5Fを参照して、集積部20及び施封部30の施封時の動作につき説明する。集積部20及び施封部30は、集積紙幣束staとして施封枚数(例えば100枚)分の紙幣stがステージ26の上に集積されると、施封時の動作を開始する。
(1)図5Aに示すように、施封時において、集積部20は、まず、集積上側搬送機構22を水平な姿勢で下方向に移動させた(落下させた)状態にする(矢印A21参照)。この動作は、例えば、上下動機構227によって集積上側搬送機構22を下方向に向けて移動させたり、上下動機構227の作動を停止させたりすることによって行うことができる。
ステージ26と集積紙幣束staと案内板27とは、集積上側搬送機構22が下方向に移動することによって、下方向に移動する(矢印A22参照)。その結果、集積部20は、集積上側搬送機構22のベルト222と集積下側搬送機構21のベルト212とで集積紙幣束staを挟み込んだ状態となる。また、ステージ26の上面は、集積下側搬送機構21のベルト212の搬送面と同じ高さになる。このとき、集積紙幣束staは、集積上側搬送機構22等の重みによって押圧される。その結果、集積紙幣束staは、各紙幣stが隙間なく整えられた状態となる。
また、このとき、摺動部材224が下方向に移動する(矢印A23参照)。また、リンク部材226bが下方向に移動するとともに、リンク部材226aが回動するように、リンク機構226が作動する(矢印A24参照)。
(2)次に、図5Bに示すように、集積部20は、例えば、シャッタ28を施封部30側に倒して、シャッタ28を集積紙幣束staの搬送方向上から退避させる(矢印A31参照)。
(3)次に、図5Cに示すように、集積部20は、集積上側搬送機構22のベルト222と集積下側搬送機構21のベルト212とで集積紙幣束staを挟み込んだ状態で、集積下側搬送機構21のベルト212を施封部30の方向(前方向)に走行させることによって、集積紙幣束staを施封部30に向けて繰り出す(矢印A41参照)。これと同時に、施封部30は、施封下側搬送機構31のベルト312を放出部7(図2参照)の方向(前方向)に走行させる(矢印A42参照)。これにより、集積下側搬送機構21と施封下側搬送機構31との間で、集積紙幣束staの受け渡しが開始される。
この後、施封部30は、集積紙幣束staが一定の長さ以上に施封下側搬送機構31のベルト312の上に載ったタイミングで、回動機構323によって施封上側搬送機構32を回動させて、施封上側搬送機構32のベルト322と施封下側搬送機構31のベルト312とで集積紙幣束staを挟み込む(矢印A43参照)。そして、施封部30は、施封下側搬送機構31のベルト312を放出部7(図2参照)の方向(前方向)に走行させる(矢印A42参照)。これによって、集積紙幣束staが完全に施封下側搬送機構31のベルト312の上に載る。その結果、集積紙幣束staの受け渡しが完了する。
(4)次に、図5Dに示すように、施封部30は、印字部pr(図2参照)で日付や通番等の情報を紙帯wrに印字し、スタンプ機構(図示せず)で金融機関の印章等を紙帯wrに押印した後、切断部ct(図2参照)で紙帯wrを所定の長さに切断する。そして、施封部30は、切断された紙帯wrを集積紙幣束staの周囲に繰り出す(矢印A51参照)。
この後、施封部30は、集積紙幣束staを前後方向に繰り返し搬送しながら(矢印A52及び矢印53参照)、巻付機構(図示せず)で紙帯wrを集積紙幣束staに巻き付ける。これにより、図5Eに示すように、施封部30は、紙帯wrで施封された施封紙幣束stbを作成する。
(5)次に、図5Fに示すように、施封部30は、放出部7(図2参照)のシャッタを開放して、作成された施封紙幣束stbを放出部7の方向(前方向)に走行させて(矢印A61参照)、施封紙幣束stbの一部分を放出部7のシャッタよりも外側に突出させる。
これにより、施封時の動作が完了する。
なお、施封装置1は、施封枚数未満の集積紙幣束sta(以下、「端数分の紙幣束sta」と称する)が集積部20の内部に残留している場合に、その端数分の紙幣束staを抜き取る(除去する)動作(図6A〜図6D参照)を行う。
(端数分の紙幣束の抜き取り時の動作)
以下、図6A〜図6Dを参照して、集積部20及び施封部30の端数分の紙幣束staの抜き取り時の動作につき説明する。端数分の紙葉類staの抜き取りは、集積部20及び施封部30が上部ユニット2の外部に引き出された状態で行われる。
(1)施封装置1は、オペレータが操作部6(図1参照)を操作して端数分の紙幣束staの抜き取り(除去)処理の実行を指示することによって、端数分の紙幣束staの抜き取り(除去)処理を開始する。
このとき、図6Aに示すように、施封装置1は、アッパパネル2Uを開放するとともに(矢印AA1参照)、ロアパネル2Lを開放する(矢印AA2参照)。また、施封装置1は、ロック機構40のロックを解除して、集積部20及び施封部30を上部ユニット2の内部から外部に引き出すことができる状態にする。
(2)図6Bに示すように、オペレータは、集積部20及び施封部30を上部ユニット2の内部から外部に引き出す。このとき、集積部20及び施封部30は、レール機構2rlによって水平方向に引き出された状態で保持される。
また、このとき、トレイ50は、押し出し機構PU(図7参照)によって後方向に押し出されて、集積部20及び施封部30の後下方の位置に配置される(矢印A71参照)。これにより、施封装置1は、万が一、オペレータが集積部20から端数分の紙幣束staを抜き取る際に、紙幣を落下させてしまうことがあっても、落下した紙幣をトレイ50で受け止めて、紙幣がトレイ50よりも下側(例えば、下部ユニット3の内部側)に入り込むことを防止する。
また、このとき、集積部20は、内部に残留している端数分の紙幣束staの一部分が集積部20の外側に突出するように、端数分の紙幣束staを後方向に繰り出す(矢印A72参照)。これにより、オペレータは、上部ユニット2の筺体と集積部20との間の隙間から手を入れて、集積部20から端数分の紙幣束staを抜き取ることができる。なお、ここでは、後方向は、特許請求の範囲に記載された「抜き取り方向」に相当する。
なお、集積部20での端数分の紙幣束staの繰り出し動作は、以下のようにして行われる。
まず、施封装置1は、オペレータが集積部20及び施封部30を上部ユニット2の内部から外部に引き出したときに、そのことを第1センサSN1によって検知する。すると、集積部20は、図6Cに示すように、図5Aに示す動作時と同様に、集積上側搬送機構22を水平な姿勢で下方向に移動させた(落下させた)状態にする(矢印A81参照)。
これにより、ステージ26と端数分の紙幣束staと案内板27とが下方向に移動する(矢印A82参照)。ただし、このとき、紙幣束staの枚数が図5Aに示す状態時よりも少ないため、集積上側搬送機構22のベルト222の搬送面の位置は図5Aに示す状態時の位置よりも下になる。
その結果、集積部20は、集積上側搬送機構22のベルト222と集積下側搬送機構21のベルト212とで端数分の紙幣束staを挟み込んだ状態となる。このとき、端数分の紙幣束staは、集積上側搬送機構22等の重みによって押圧されて、各紙幣stが隙間なく整えられた状態となる。また、このとき、摺動部材224が下方向に移動する(矢印A83参照)。また、リンク部材226bが下方向に移動するとともに、リンク部材226aが回動するように、リンク機構226が作動する(矢印A84参照)。
次に、集積部20は、図6Dに示すように、集積下側搬送機構21のベルト212を後方向に走行させる(矢印A91参照)。これによって、集積部20は、集積上側搬送機構22のベルト222と集積下側搬送機構21のベルト212とで挟み込まれた端数分の紙幣束staを後方向に繰り出して、端数分の紙幣束staの一部分を集積部20の外側に突出させる。
これにより、端数分の紙幣束staの繰り出し動作が完了する。
なお、施封装置1は、端数分の紙幣束staの抜き取り(除去)が完了していない状態で、オペレータによって集積部20及び施封部30が上部ユニット2の内部に押し込まれる場合に、例えば、トレイ50の後端部を搬送部10の壁面に当接させて、付勢部材(例えば、図7に示す弦巻バネ51)からトレイ50にかかる後方向の押圧よりも強い前方向の押圧が搬送部10の壁面からトレイ50にかかるようにする。これにより、施封装置1は、トレイ50を元の位置(集積部20及び施封部30の下方の位置)に戻す。このとき、トレイ50は、紙幣束staを収納するための凹部が上面に形成されているため、紙幣束staを収納した状態で、紙幣束staを施封部30に衝突させることなく、集積部20及び施封部30の後下方の位置から下方の位置に移動することができる。したがって、施封装置1は、このような場合において、トレイ50の上に落下した紙幣束staを集積部20及び施封部30の下方で保管するとともに、紙幣束staが施封部30と接触して折れ曲がってしまうことを防止することができる。
また、この場合に、施封装置1は、端数分の紙幣束staの全部分が集積部20の内部に収納されるように、端数分の紙幣束staを集積部20の内部方向に搬送する。これにより、施封装置1は、このような場合において、集積部20の外部に突出された状態になっている紙幣束staが上部ユニット2の内部に設けられた構成要素(例えば、搬送部10等)と接触して折れ曲がってしまうことを防止することができる。
本実施形態では、施封装置1は、第2センサSN1によって集積部20及び施封部30が上部ユニット2の内部に押し込まれたことを検知することによって、このような動作を実行する。
本実施形態では、前記した通り、第2センサSN2が施封部30の内壁面に設けられており、また、遮光板shがトレイ50に設けられている。そして、遮光板shは、トレイ50が集積部20及び施封部30の下方の位置に配置されたときに、第2センサSN2の発光素子と受光素子との間の位置に配置され、一方、トレイ50が集積部20及び施封部30の後下方の位置に配置されたときに、第2センサSN2の発光素子と受光素子との間から外れた位置に配置されるように、設けられている。
施封装置1は、オペレータが集積部20及び施封部30を上部ユニット2の内部に押し込まない場合に、トレイ50が集積部20及び施封部30の後下方に配置され続けた状態となる。そのため、トレイ50に設けられた遮光板shが、第2センサSN2の発光素子と受光素子との間から外れた位置に配置されて、第2センサSN2の発光素子から受光素子に向けて射出された射出光を遮断しない状態となる。第2センサSN2は、その状態に応じた値の検知信号を制御部CNに出力する。これによって、制御部CNは、オペレータが集積部20及び施封部30を上部ユニット2の内部に押し込んでいないことを検知する。
一方、第2センサSN2は、オペレータが集積部20及び施封部30を上部ユニット2の内部に押し込む場合に、トレイ50が集積部20及び施封部30の後下方の位置から下方の位置に移動する。そのため、トレイ50に設けられた遮光板shが、第2センサSN2の発光素子と受光素子との間の位置に配置されて、第2センサSN2の発光素子から受光素子に向けて射出された射出光を遮断する状態となる。第2センサSN2は、その状態に応じた値の検知信号を制御部CNに出力する。これによって、制御部CNは、オペレータが集積部20及び施封部30を上部ユニット2の内部に押し込んでいることを検知する。
施封装置1は、端数分の紙幣束staの抜き取り(除去)が完了していない状態で、オペレータによって集積部20及び施封部30が上部ユニット2の内部に押し込まれる場合に、端数分の紙幣束staが折れ曲がってしまうことがないように、端数分の紙幣束staの全部分が集積部20の内部に収納されるように、端数分の紙幣束staを集積部20の内部方向に搬送する。
<トレイの押し出し機構の構成>
以下、図7を参照して、トレイ50の押し出し機構PUの構成につき説明する。図7は、トレイ50の押し出し機構PUの構成を示す斜視図である。ただし、図7に示す構成は、一例に過ぎず、異なる構成によっても押し出し機構PUを実現することができる。
図7に示すように、トレイ50は、施封部30の下方に配置されている。図7に示す例では、トレイ50は、上面に上方向に突出する遮光板shを備えている。遮光板shは、トレイ50が前後方向に水平方向に移動する場合に、施封部30の内壁面に設けられた第2センサSN2の発光素子と受光素子との間を通過する構成になっている。トレイ50は、図示せぬガイド部材によって前後方向に水平に摺動可能な状態で支持されている。施封部30及びトレイ50の下方には、押し出し機構PUが配置されている。
押し出し機構PUは、集積部20及び施封部30の引き出し時に、トレイ50を集積部20及び施封部30の下方の位置から後下方の位置に押し出す機構である。以下、集積部20及び施封部30の下方の位置から後下方の位置に向かう方向を「(トレイ50の)押し出し方向」と称する。また、その逆方向(すなわち、集積部20及び施封部30の後下方の位置から下方の位置に向かう方向)を「(トレイ50の)戻し方向」と称する。
「(トレイ50の)押し出し方向」は、図8に示す矢印A104の方向であり、紙幣束staの抜き取り方向(図6Bに示す矢印A72の方向)と同じ方向である。一方、「(トレイ50の)戻し方向」は、図8に示す矢印A104の逆方向であり、紙幣束staの抜き取り方向(図6Bに示す矢印A72の方向)とは逆方向である。
図7に示す例では、押し出し機構PUは、弦巻バネ51、及び、ポストPS1,PS2,PS3を備える構成になっている。
弦巻バネ51は、トレイ50を押し出し方向(図8に示す矢印A104の方向)に付勢する付勢部材である。
ポストPS1,PS2,PS3は、それぞれ、弦巻バネ51を張架する部材である。
弦巻バネ51は、施封部30の下方に配置されたトレイ50の下面の下方に配置されており、ポストPS1,PS2,PS3によって張架されている。
ポストPS1は、施封部30の下部の前側の位置(放出部7(図1及び図2参照)に近い側の位置)に設けられている。ポストPS2は、施封部30及びトレイ50の下方に配置された上部ユニット2(図2参照)の図示せぬフレーム部材に設けられている。ポストPS2は、ポストPS1及びポストPS2と対向するように、トレイ50の下面の後側の位置(放出部7(図1及び図2参照)から遠い側の位置)に、前記した上部ユニット2の図示せぬフレーム部材から上方向に突出して設けられている。ポストPS3は、ポストPS1に近接するように、トレイ50の下面の前側の位置(放出部7(図1及び図2参照)に近い側の位置)に、下方向に突出して設けられている。
弦巻バネ51は、一端がポストPS1に取り付けられている。そして、弦巻バネ51は、引き延ばされた状態で、略中央部がポストPS2で折り返されるとともに、他端がポストPS3に取り付けられている。
弦巻バネ51は、図7に示すように、集積部20及び施封部30が引き出されていない状態において、引き延ばされた状態になっている。そのため、弦巻バネ51は、縮むように作用することによって、ポストPS3を図8に示す矢印A103の方向に向けて付勢している。したがって、弦巻バネ51は、ポストPS3を介して、トレイ50を押し出し方向(図8に示す矢印A104の方向)に向けて付勢している。
施封装置1は、このような押し出し機構PUを1又は複数(図7に示す例では2つ)備えている。
<トレイの押し出し機構の動作>
以下、図7、図8、並びに、図9A及び図9Bを参照して、押し出し機構PUの動作につき説明する。図8は、押し出し機構PUの集積部20及び施封部30の引き出し時の動作を示す説明図である。図9A及び図9Bは、それぞれ、押し出し機構PUの集積部20及び施封部30の押し込み時の動作を示す説明図である。
(押し出し機構の集積部及び施封部の引き出し時の動作)
まず、図8を参照して、押し出し機構PUの集積部20及び施封部30の引き出し時の動作につき説明する。
トレイ50は、集積部20及び施封部30が上部ユニット2(図6B参照)の内部から引き出されていない状態では、後端部が搬送部10の壁面に当接した状態になっている。そのため、トレイ50は、図7に示すように、集積部20及び施封部30の下方の位置に配置された状態になっている。このとき、トレイ50に設けられた遮光板shは、第2センサSN2の発光素子と受光素子との間の位置に配置された状態になっている。
例えば、オペレータは、端数分の紙幣束staを集積部20から抜き取る場合に、集積部20及び施封部30を上部ユニット2(図6B参照)の内部から外部に引き出す。
このとき、図8に示すように、集積部20及び施封部30は、矢印A101の方向に移動する。その移動に伴って、弦巻バネ51は、矢印A102の方向に縮むように作用し、その結果、弦巻バネ51の他端側に取り付けられたポストPS3を矢印A103の方向に引っ張る。これにより、弦巻バネ51は、トレイ50を押し出し方向(矢印A104の方向)に押し出す。
トレイ50は、集積部20及び施封部30の移動距離がトレイ50の摺動可能な範囲の距離を超えていない状態では、弦巻バネ51によって押し出し方向(矢印A104の方向)に押し出され、その結果、後端部が搬送部10の壁面と当接した状態になる。その後、トレイ50は、集積部20及び施封部30の移動距離がトレイ50の摺動可能な範囲の距離を超えた場合に、施封部30と一緒に引き出し方向(矢印A101の方向)に移動し、その結果、後端部が搬送部10の壁面から離間した状態になる。なお、このとき、トレイ50に設けられた遮光板shが第2センサSN2の発光素子と受光素子との間から外れた位置に配置された状態になる。
また、このとき、集積部20は、図6Bに示すように、端数分の紙幣束staの一部分が集積部20の外部に突出するように、端数分の紙幣束staを抜き取り方向(矢印A72の方向)に搬送する。
(押し出し機構の集積部及び施封部の押し込み時の動作)
次に、図9A及び図9Bを参照して、押し出し機構PUの集積部20及び施封部30の押し込み時の動作につき説明する。
ここでは、集積部20及び施封部30が上部ユニット2(図6B参照)の内部から外部に引き出されており、その結果、図8に示すように、トレイ50が集積部20及び施封部30の後下方の位置に配置された状態になっているものとして説明する。また、図6Bに示すように、集積部20が端数分の紙幣束staの一部分を外部に突出させた状態になっているものとして説明する。
例えば、オペレータは、任意のタイミングで、上部ユニット2(図6B参照)の外部に引き出されている集積部20及び施封部30を上部ユニット2の内部に押し込む。
このとき、図9Aに示すように、集積部20及び施封部30は、押し込み方向(矢印A201の方向)に移動する。その移動に伴って、トレイ50が、施封部30と一緒に押し込み方向(矢印A201の方向)に移動する。その結果、トレイ50は、後端部が搬送部10の壁面に当接した状態になる。
この後、図9Bに示すように、オペレータが集積部20及び施封部30を上部ユニット2の内部にさらに押し込むと、トレイ50の後端部が搬送部10の壁面に当接しているため、弦巻バネ51(図7参照)の付勢方向に抗する押圧が搬送部10の壁面からトレイ50にかかる。そのため、トレイ50が戻し方向(矢印A202の方向)に移動する。
これにより、トレイ50に設けられた遮光板shが第2センサSN2の発光素子と受光素子との間の位置に配置された状態になる。その結果、第2センサSN2から施封装置1の制御部CN(図2参照)に出力されている検知信号の値が変化する。制御部CNは、その値の変化を検知することによって、オペレータが集積部20及び施封部30を上部ユニット2の内部に押し込んでいることを検知する。すると、制御部CNは、集積部20に紙幣束staを内部に収納させるように指示する。
このとき、集積部20は、端数分の紙幣束staを収納方向(矢印A203の方向)に搬送して、端数分の紙幣束staの全部分を集積部20の内部に収納させる。
<施封装置の主な特徴>
(1)係る構成において、施封装置1は、集積部20の紙幣束stの集積場所自体をローラ搬送やベルト搬送等を行う搬送機構として構成している。このような施封装置1は、従来の施封装置と異なり、ハンド部を用いることなく、集積部20の搬送路の天井部分を構成する集積上側搬送機構22を上下方向に移動させることによって、集積上側搬送機構22と集積下側搬送機構21とで集積紙幣束staを挟持する。
そして、施封装置1は、集積紙幣束staとして施封枚数分の紙幣stが集積されると、ローラ搬送又はベルト搬送により集積紙幣束staを集積部20から施封部30に水平に搬送する。
施封装置1は、集積部20と施封部30との間で、このような搬送を行うため、搬送の途中(特に集積部20と施封部30との間の集積紙幣束staの受け渡しの途中)で集積紙幣束staを落下させてしまったり、集積紙幣束staがずれたりする等の不具合の発生を低減することができる。
(2)施封装置1は、端数分の紙幣束staの抜き取り時に、集積部20及び施封部30が上部ユニット2の内部から外部に引き出されると、端数分の紙幣束staの一部分を集積部20の外部に突出させる。これにより、施封装置1は、端数分の紙幣束staの視認性を向上させることができる。その結果、オペレータは、集積部20に残留する紙葉類束staを容易かつ確実に視認することができ、紙葉類束staを施封部20から確実に抜き取ることができる。また、オペレータは、紙葉類束staを確実に視認してから抜き取ることができるため、紙葉類束staの一部又は全部を誤って落下させることを低減することができる。
(3)施封装置1は、端数分の紙幣束staの抜き取り時に、集積部20及び施封部30が上部ユニット2の内部から外部に引き出されると、トレイ50が集積部20及び施封部30の後方に突出するように、トレイ50を集積部20及び施封部30の下方の位置から後下方の位置に押し出す。これにより、施封装置1は、端数分の紙幣束staの抜き取り時に、万が一、オペレータが紙幣を落下させてしまったとしても、トレイ50を集積部20及び施封部30の後下方の位置に配置することにより、落下した紙幣をトレイ50で受け止めることができる。これにより、施封装置1は、紙幣がトレイ50よりも下側(例えば、下部ユニット3の内部側)に入り込むことを防止することができる。
(4)トレイ50は、上面に、落下した紙幣を収納するための凹部が形成された構成になっている。そして、施封装置1は、集積部20及び施封部30が上部ユニット2の内部に押し込まれる場合に、トレイ50を集積部20及び施封部30の後下方の位置から下方の位置に戻す。これにより、施封装置1は、万が一、オペレータが紙幣をトレイ50の上に落下させてしまったままの状態で集積部20及び施封部30を上部ユニット2の内部に押し込む場合に、紙幣束staが施封部30と接触して折れ曲がってしまうことを防止しながら、トレイ50の上に落下した紙幣束staを集積部20及び施封部30の下方で保管することができる。
(5)施封装置1は、万が一、端数分の紙幣束staの抜き取りが完了していない状態で、集積部20及び施封部30が上部ユニット2の内部に押し込まれる場合に、端数分の紙幣束staの全部分が集積部20の内部に収納されるように、端数分の紙幣束staを集積部20の内部方向に搬送する。これにより、施封装置1は、紙幣束staが潰れてしまったり折れ曲がったりしてしまうことを防止することができる。
(6)施封装置1は、オペレータがリンク機構226を作動させることによって、集積上側搬送機構22を上下方向に移動させる(持ち上げる)ことができる。これにより、オペレータは集積部20から端数分の紙幣束staを比較的容易に抜き取ることができる。
以上の通り、本実施形態に係る施封装置1によれば、端数分の紙葉類束の抜き取りの確実性を向上させることができる。
なお、本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
例えば、前記した実施形態は、本発明の要旨を分かり易く説明するために詳細に説明したものである。そのため、本発明は、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、前記した実施形態では、端数分の紙幣束staの抜き取り方向への搬送動作や収納方向への搬送動作は、オペレータが操作部6を操作して端数分の紙幣束staの抜き取り(除去)処理の実行を施封装置1に指示し、その後に、集積部20及び施封部30を引き出したり又は押し込んだりする場合に、行われるものとして説明している。しかしながら、端数分の紙幣束staの抜き取り方向への搬送動作や収納方向への搬送動作は、オペレータが操作部6を操作して端数分の紙幣束staの抜き取り(除去)処理の実行を施封装置1に指示していなくても、ロアパネル2L及びアッパパネル2Uが開放されていて、オペレータが集積部20及び施封部30を引き出したり又は押し込んだりする場合に、自動的に行われるようにしてもよい。
また、前記した実施形態では、トレイ50を集積部20及び施封部30の下方の位置から後下方の位置に押し出す動作や押し出されたトレイ50を元の位置(集積部20及び施封部30の下方の位置)に戻す動作は、オペレータが操作部6を操作して端数分の紙幣束staの抜き取り(除去)処理の実行を施封装置1に指示していなくても、オペレータが集積部20及び施封部30を引き出したり又は押し込んだりする場合に、自動的に行われるようにしてもよい。
また、例えば、本発明は、紙幣に限らず、乗車券や航空券、チケット、帳票等の紙葉類の施封にも適用することができる。
また、例えば、本発明は、帯体として、紙帯に限らず、合成樹脂製の帯等を用いることができる。