JP5102476B2 - 薄型表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、一面に配列した複数個の電界放射型電子線源を備え、各電子線源に対応付けて配置した蛍光体に電子線を照射することにより、カラー画像を表示可能とする薄型表示装置に関するものである。
従来から、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどの薄型表示装置が知られているが、前者は自発光しないからバックライトを必要とし、後者は放電を利用するから消費電力が大きくなるという問題を有している。
この種の問題を解決する技術として、電界放射型の電子源から発生する電子線により蛍光体を発光させることが考えられている(たとえば、特許文献1参照)。この構成を採用すると、自発光することにより高い輝度が得られる上に、電子源が電界放射型であって電子の放出時に流れる電流が少ないから消費電力の低減化が期待できる。
一例として、特許文献1に記載された薄型表示装置(ディスプレイ装置)には、電界放射型の電子源として、ナノメータオーダの微細構造を有した多孔質のポリシリコン層を用いる構造のものが用いられている。この電子源は、多孔質のポリシリコン層に注入された電子がポリシリコン層内でドリフトし、ポリシリコン層の表面に設けた電極を電子がトンネルして電子線として放出されるものであり、20V程度の低電圧で駆動でき、また設計にもよるが、ポリシリコン層を流れる電流の電流密度(ダイオード電流)が1mA/cm2程度であるときに、放出電子電流を4μA/cm2程度とすることが可能であり、低消費電力かつ電子の放出効率が高いという長所を有している。
その他、電界放射型の電子源としては、表面電極と下部電極との間に電子通過層として絶縁体層を介在させたMIM(Metal−Insulator−Metal)型の電子源や、下部電極と表面電極との間に配設された電子通過層と、電子通過層と下部電極との間に介在する半導体層とを備え、電子通過層が半導体層により形成されたMIS(Metal−Insulator−Semiconductor)型の電子源など種々の構造のものがある。
薄型表示装置は、電子源に対向させて透明板を配置した構成であって、透明板に透明電極からなるアノードを設けるとともに、電子線で励起され可視光を発光する蛍光体を透明板に塗布してある。また、電子源は縦横に複数個ずつが並ぶマトリクス状に配列されており、縦の並びと横の並びとを選択すると、両者の交差する位置に配置した電子源から電子線が発生するように構成されている。つまり、縦横の位置指定を行うことにより各電子源から電子線を選択的に放出させることができる。
ところで、一般にカラー画像を表示する薄型表示装置では、加法混色の三原色である赤(R)、緑(G)、青(B)の3色が用いられている。たとえば、図6に示すように、R、G、Bという3色の蛍光体3を隣接させて一列に配列した領域を1画素とし、複数画素の蛍光体3を一列に配置するとともに、複数列の蛍光体3を配列する。異なる列では同色の蛍光体3が隣り合うように配置してある。
図6の構成例では、複数個の電子源1をマトリクス状に配列した基板7にガラス板のような透明板からなるフェースプレート2を離間させて対向配置し、フェースプレート2において各電子源1に対向する部位に蛍光体3を配置している。また、フェースプレート2には透明電極からなるアノード4を設けてあり、電子源1より高電位である加速電圧をアノード4に印加することによって、電子源1から放出された電子線を蛍光体3に導くようにしている。基板7とフェースプレート2との間の空間は通常は減圧され、実質的に真空とされる。
各蛍光体3に対向する電子源1のうち横方向に並ぶ電子源1は、それぞれ1本の走査電極Y1、Y2、……に共通接続され、縦方向に並ぶ電子源1は、それぞれ1本の輝度電極X11,X12,X13、X21,……に共通接続されている。したがって、走査電極Y1、Y2、……を順に選択し、1本の走査電極Y1、Y2、……が選択されている期間に輝度電極X11,X12,X13、X21,……を順に選択し、選択した走査電極Y1、Y2、……と輝度電極X11,X12,X13、X21,……との間に、電子源1を駆動するための駆動電圧を印加すれば、走査電極Y1、Y2、……と輝度電極X11,X12,X13、X21,……とが交差する位置の電子源1から電子線が放射される。
上述の構成によって、各電子源1から放射された電子線を各蛍光体3に異なるタイミングで個別に照射することができ、視知覚で分離できない程度の短時間内に各画素内の3色の蛍光体3に電子線を照射すれば、1画素を構成する領域の3個の蛍光体3の混色光が知覚され、各画素ごとに所望の色を得ることができるのである。
ところで、上述した構成では、加法混色の三原色である3色の蛍光体3を用いているから、各色ごとに無段階に輝度を調節すれば、人が知覚するほとんどの色を表現することが可能であるが、実際には各色ごとの輝度は無段階では調節することができず、輝度を調節できる範囲にも制限がある。
また、テレビカメラにおいて光学的に色を分離させ各色の画像を同時に撮像した高精細の画像を、上述した表示装置に表示すると、撮像時には各色が同時に得られているにもかかわらず、表示時には各色が異なるタイミングで表示されるから、撮像時と表示時との色に差異が生じるという問題がある。この種の色の差異には、表示装置のカラー特性を電気的に調節することで対応しているが、カラー特性を調節すると、表現できなくなる色が生じる可能性がある。
この種の問題を解決するには、多色の蛍光体を用いることが考えられる。色を調節できる範囲を広げるには、3色の中間の色を加えることが望ましい。つまり、加法混色の三原色に対して補色になるシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)を加えることが望ましい。したがって、6色の蛍光体を用いると、色の調節範囲を大幅に広げることができると考えられる。
特開平11−329213号公報
ところで、1画素を3色で構成する場合と占有面積を変えずに1画素を6色で構成しようとすれば、図7に示すように、蛍光体3の各色が占有する領域の幅が狭くなる。つまり、各蛍光体3に電子線を照射する電子源1を小さくし、かつ電子源1と接続される輝度電極X11,X12,X13,X14,X15,X16、X21,……の線幅を狭くする必要がある。電子源1に接続される走査電極Y1、Y2、……と輝度電極X11,X12,X13,X14,X15,X16、X21,……とは、立体的に交差しており、また基板7に電子源1を配置しているから、走査電極Y1、Y2、……と輝度電極X11,X12,X13,X14,X15,X16、X21,……とのいずれか一方は基板7の上に配線したとしても他方には凹凸が生じる。つまり、段差が生じ線幅の狭い配線が困難になるという問題が生じる。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、6色の蛍光体を用いながらも線幅を広くして製造が容易になる薄型表示装置を提供することにある。
請求項1の発明は、一面に沿って互いに交差する方向に規則的に配列された複数個の電界放射型の電子源と、各電子源に対向する部位に電子線で励起される蛍光体が配置されるとともに電子源から発生する電子線を蛍光体に導くように電子源より高電位である加速電圧が印加されるアノードを備えたフェースプレートと、電子源が配列された各方向に沿ってそれぞれ延長された複数本ずつの電極であって交差部位に配置した各電子源に駆動電圧を印加することにより電子源から電子線を発生させる走査電極および輝度電極と、電子源とフェースプレートとの間に配置され蛍光体への電子線の照射領域を制限するアパーチャが開口するとともにフェースプレートに沿って位置制御が可能な可動マスクとを備え、6色の蛍光体を走査電極の延長方向に一列に並べた領域を1画素として複数画素を配列し、走査電極の延長方向における可動マスクのアパーチャの幅を1個の蛍光体に電子線を照射する幅とし、電子源は1画素内で走査電極の延長方向に隣接する2個ずつの蛍光体に跨る領域に対応付けてあり、アノードを全画素で共用して一定の加速電圧を印加し、走査電極を順に選択するとともに1つの走査電極を選択している期間に輝度電極を順に選択するように走査電極の選択毎に輝度電極を循環的に選択し、かつ選択した走査電極と輝度電極との間に駆動電圧を印加し、1個の電子源に対応して走査電極の延長方向に隣接する2個の蛍光体に1個ずつ電子線が照射されるように可動マスクの位置を移動させることを特徴とする。
請求項2の発明は、一面に沿って互いに交差する方向に規則的に配列された複数個の電界放射型の電子源と、各電子源に対向する部位に電子線で励起される蛍光体が配置されるとともに電子源から発生する電子線を蛍光体に導くように電子源より高電位である加速電圧が印加されるアノードを備えたフェースプレートと、電子源が配列された各方向に沿ってそれぞれ延長された複数本ずつの電極であって交差部位に配置した各電子源に駆動電圧を印加することにより電子源から電子線を発生させる走査電極および輝度電極と、電子源とフェースプレートとの間に配置され蛍光体への電子線の照射領域を制限するアパーチャが開口するとともにフェースプレートに沿って位置制御が可能な可動マスクとを備え、6色の蛍光体を走査電極の延長方向に3色ずつ一列に並べかつ輝度電極の延長方向に隣接する2列で6色を隣接させて並べた領域を1画素として複数画素を配列し、輝度電極の延長方向における可動マスクのアパーチャの幅を1個の蛍光体に電子線を照射する幅とし、電子源は1画素内で輝度電極の延長方向に隣接する2個ずつの蛍光体に跨る領域に対応付けてあり、アノードを全画素で共用して一定の加速電圧を印加し、走査電極を順に選択するとともに1つの走査電極を選択している期間に輝度電極を順に選択するように走査電極の選択毎に輝度電極を循環的に選択し、かつ選択した走査電極と輝度電極との間に駆動電圧を印加し、1個の電子源に対応して輝度電極の延長方向に隣接する2個の蛍光体に1個ずつ電子線が照射されるように可動マスクの位置を移動させることを特徴とする。
請求項1ないし請求項2の各発明はいずれも6色の蛍光体を用いているから、3色の蛍光体では表現できなかった領域の色を表示することが可能になり、3色の蛍光体を用いるものに比較して色表現に優れているという利点がある。
請求項2の発明では、走査電極の延長方向に3色ずつ一列に配列し2列で6色の蛍光体を配列しているから、各蛍光体の占有面積を同面積として1列で6色の蛍光体を配列して各色ごとに輝度電極を設ける場合に比較すると、輝度電極の幅を広くすることができる。また、1列で6色の蛍光体を配列すると、1画素の中心から各蛍光体までの距離のばらつきが大きくなるから、両端の蛍光体の混色性と中央部の蛍光体の混色性との差異が大きくなるが、3色ずつ2列の6色で1画素を構成すると画素の中心から各蛍光体までの距離のばらつきを小さくすることができ、混色性の差異を低減することができる。
請求項1の発明では、1列で6色の蛍光体を配列しているが、画素内で隣接する一対の蛍光体に1個の電子源を対応付けているから、1列で6色の蛍光体を配列して各色ごとに輝度電極を設ける場合に比較すると、輝度電極の幅を約2倍に広げることができる。
上述のように、請求項1ないし請求項2の各発明のいずれもが輝度電極の幅を広くすることが可能であるから、電子源に接続する配線幅を大きくして断線の可能性を低減することができる。とくに、電子源に接続する走査電極と輝度電極とは立体的に交差しており、厚み方向に変位する箇所があるから、線幅が狭いと製造が困難になる上に断線の可能性が高くなるが、上述の構成を採用することにより、線幅が広くなり製造が容易になる上に断線の可能性が低減される。
請求項1、2の発明は、2個の蛍光体が1個の電子源を共用しているが、1個の電子源を共用する2個の蛍光体の一方のみへの電子線を通過させるようにアパーチャを形成した可動マスクを用い、2個の蛍光体のうちの一方にのみ電子線を選択的に照射するから、所望の蛍光体を発光させることができる。また、電子線がアパーチャを通過して蛍光体に照射されるから、電子線の照射領域がアパーチャにより制限され、隣接する蛍光体への電子線の照射を抑制することができる。その結果、色のにじみを低減することができる。
以下に説明する各実施形態は、6色の蛍光体を配置した領域を1画素とするものであって、蛍光体の配列の仕方としては、実施形態2、4で説明するように、1列に6色を配列する形態と、実施形態1、3、5で説明するように1列には3色ずつを配列し2列で6色を配列する形態とについて説明する。蛍光体には電子線により励起され可視光を放射するものを用いる。色の例としては、赤(R)、緑(G)、青(B)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の組み合わせを例示するが、他色を組み合わせてもよい。ただし、互いに補色関係になる2色を1組として3組の色を組み合わせるのが望ましく、補色関係の2色はできるだけ距離が離れるように配列する。以下に説明する実施形態では、青とイエローとの距離をもっとも大きくし、赤とシアン、緑とマゼンタはそれぞれ等距離になるように配置している。また、実施形態を説明する図中においては、上述の符号R,G,B,C,M,Yを用いて色を表記する。
また、平板状の基板を用いることにより電子源を配置する面を平面とし、蛍光体を担持するフェースプレートを基板に対して離間して対向するように配置し、かつフェースプレートにおける基板との対向面を平面として、電子源とフェースプレートとの距離を一定に保っている。基板とフェースプレートとの間の空間は減圧して実質的に真空にしてある。フェースプレートにはガラス板などの透明板を用いる。
フェースプレートは矩形状であって、蛍光体はフェースプレートの各辺に沿う方向にそれぞれ複数個ずつ配列され、マトリクス状の配列になっているものとする。以下では、フェースプレートの一辺に沿う方向を水平方向と呼び、この辺に直交する方向を垂直方向と呼ぶ。実施形態を説明する図においては、左右方向(長手方向)が水平方向になる。
電子源には、一例として従来構成において説明した構造の電界放射型の電子源を用いる。この電子源は、多孔質のポリシリコン層の両面に電極を設け、両電極間に電圧を印加することによって、ポリシリコン層の内部に強電界を発生させ、ポリシリコン層の内部をドリフトした電子が一方の電極をトンネルして空間に放射されるものである。この構造の電子源は、半導体製造プロセスによって製造することができ、また、1枚の半導体基板に対して複数箇所で電界を印加することができるように電極を適宜に設けることによって、1枚の半導体基板に複数個の電子源を形成することが可能になっている。
電子源と蛍光体とは実施形態1では一対一に対応付けられているが、実施形態2〜5では1個の電子源に対して2個の蛍光体を対応付けてある。したがって、1個の電子源から放出された電子線を2個の蛍光体に同時に照射せずに、1個の蛍光体に選択的に照射するための構成を付加している。
(実施形態1)
図1に示すように、電子源1を配列した基板7と、蛍光体3を担持するフェースプレート2とを離間させて対向配置している。図は模式的に示したものであるから、各電子源1を個別に独立した形で記載しているが、この構成に限らず、1枚の半導体基板に複数個の電子源1を形成してもよい。1枚の半導体基板に形成する電子源1の個数は適宜に設定すればよく、たとえば1画素分の6個の電子源1を1枚の半導体基板に形成したり、規定した複数画素分の電子源1を1枚の半導体基板に形成したり、全画素分の電子源1を1枚の半導体基板に形成したりすることができる。
本実施形態では、3色の蛍光体を用いていた図6の従来構成において1色の蛍光体を配置していた各区画をそれぞれ垂直方向(図の上下方向)に2等分した区画を設け、各区画を1色の蛍光体3の領域にしている。つまり、3色の蛍光体を用いていた従来構成に比較すると、1色当たりの区画の面積は半分になっている。各区画は図示例では矩形状としている。
図に示すように、6色の蛍光体3を配列している領域の全体は矩形状の領域であって、この矩形状の領域が1画素Pxになる。つまり、1画素Pxの領域は、3色の蛍光体3を隣接させて一列に並べ2列で6色の蛍光体3を隣接させて並べた領域になる。1画素Pxの領域のうち一方の対角線上の両端の区画(右上角と左下角)には、補色関係である青(B)とイエロー(Y)とを配置している。残りの区画には、補色関係である赤(R)とシアン(C)、緑(G)とマゼンタ(M)が斜め位置になるように配置してある。さらに、赤、緑、青の重心位置と、シアン、マゼンタ、イエローの重心位置の距離を小さくするように色が配列されている。このような配列を採用することにより、混色により得られる白色の重心位置が画素Pxの中心付近に位置することになる。すべての画素Pxについて色の配列は同じであり、垂直方向においては同色の蛍光体3が2列毎に隣り合うことになる。
電子源1と蛍光体3とは一対一に対応付けられており、各電子源1に対向する部位に蛍光体3が配置される。フェースプレート2において基板7との対向面には透明電極からなるアノード4が形成される。アノード4はフェースプレート2において基板7との対向面の略全面に亘って形成される。蛍光体3はアノード4における基板7との対向面に形成される。つまり、フェースプレート2には、アノード4を介して蛍光体3が積層される。使用時には電子源1の印加電圧よりも高電位である加速電圧がアノード4に印加され、電子源1から放出された電子線を蛍光体3に導く。
ところで、電子源1には多孔質のポリシリコン層に電界を印加するために一対の電極が設けられており、両電極間に駆動電圧を印加することにより、電子源1から電子線が放射される。一方、この種の表示装置では、ラスタ走査を行うのが一般的であって、最上段の左端の画素Pxを最初に選択し、当該列の各画素Pxを水平方向に左から右へ順に選択し、右端まで選択し終えると、垂直方向における1つ下の列の左端を選択し、当該列の各画素を左から右へ順に選択するという動作を繰り返す。さらに、最下列の右端まで選択すると、再び最上列の左端を選択し、上述の動作を繰り返す。つまり、電子源1をこの順序で選択する必要がある。
そこで、各電子源1には垂直方向の位置を選択するための走査電極Y11,Y12,Y21,……と、水平方向の位置を選択するための輝度電極X11,X12,X13,X21,……とを接続してある。つまり、走査電極Y11,Y12,Y21,……の延長方向が画像における水平方向になり、輝度電極X11,X12,X13,X21,……の延長方向が画像における垂直方向になる。走査電極Y11,Y12,Y21,……は基板7上において水平方向の略全長に亘る帯状に形成され、輝度電極X11,X12,X13,X21,……は基板7上において垂直方向の略全長に亘る帯状に形成されている。走査電極Y11,Y12,Y21,……と輝度電極X11,X12,X13,X21,……とは、多孔質のポリシリコン層の表裏に形成してあり、電子源1の電極を兼ねている。ただし、電子源1の電極を兼ねることは必須ではない。
したがって、走査電極Y11,Y12,Y21,……と輝度電極X11,X12,X13,X21,……との組み合わせを選択し、走査電極Y11,Y12,Y21,……と輝度電極X11,X12,X13,X21,……との間に駆動電圧を印加すると、走査電極Y11,Y12,Y21,……と輝度電極X11,X12,X13,X21,……との交差部位において多孔質のポリシリコン層に電界が印加され、当該部位から電子線が放出される。言い換えると、走査電極Y11,Y12,Y21,……と輝度電極X11,X12,X13,X21,……との交差部位に電子源1が配列されていることになる。つまり、走査電極Y11,Y12,Y21,……は水平方向に配置された電子源1を列毎に共通接続しており、輝度電極X11,X12,X13,X21,……は異なる列で隣り合う複数個の電子源1を共通接続しているのである。
上述したラスタ走査を行うために、アノード4には一定の加速電圧を印加しておき、走査電極Y11,Y12,Y21,……を垂直方向において上から順に下に向かって選択する。また、1列の走査電極Y11,Y12,Y21,……を選択している期間に、輝度電極X11,X12,X13,X21,……を左から右に向かって順に選択する。輝度電極X11,X12,X13,X21,……は、水平方向の1列について右端まで選択されると再び左端が選択されるから循環的に選択されることになる。また、走査電極Y11,Y12,Y21,……についても下端まで選択されると再び上端を選択されることで循環的に選択される。選択された走査電極Y11,Y12,Y21,……と輝度電極X11,X12,X13,X21,……との間に駆動電圧を印加することによって、両者の交差部位の電子源1から電子線を放出させる。つまり、上述したラスタ走査の順で電子源1から電子が放出され、各蛍光体3に電子線が順に照射されることになる。
ここで、選択された走査電極Y11,Y12,Y21,……には一定電圧を印加し、選択された輝度電極X11,X12,X13,X21,……に印加する電圧は適宜に調節する。つまり、輝度電極X11,X12,X13,X21,……に印加する電圧の調節により電子源1に印加される駆動電圧が調節され、当該電子源1に対応する蛍光体3に照射される電子線の量が調節されることにより、当該蛍光体3の発光輝度が調節される。このように、各蛍光体3の発光輝度を調節することにより、各画素Pxごとに混色による色が決定され、画素Pxごとに所望の色を得ることができる。
以上説明したように、1画素Pxを6色の蛍光体3で構成しているから、3色の蛍光体を用いるものに比較すると混色により生成できる色の範囲が広くなる。また、上述のように、3色の蛍光体を用いる場合と画素Pxの面積が等しいとすれば、走査電極Y11,Y12,Y21,……の幅は3色の蛍光体を用いる場合の半分になるが、輝度電極X11,X12,X13,X21,……の幅は3色の蛍光体を用いる場合と変わらない。
ここに、1画素Pxを構成する蛍光体3は水平方向が3個であるのに対して垂直方向は2個であるから、仮に画素Pxが正方形であるとしても(実際には水平方向の寸法が垂直方向の寸法よりもやや長い)、輝度電極X11,X12,X13,X21,……のほうが広幅になるから、3色の蛍光体3を用いるものの最小の線幅よりも狭い線幅になる部分はなく、1画素Pxを6色で構成しても、より狭い線幅の部分が生じて製造が困難になるということはなく、断線の可能性が増加することもない。
また、輝度電極X11,X12,X13,X21,……は、上述のように駆動電圧の大きさを制御するために設けられ、多孔質のポリシリコン層において電子線を放出する側に設けられており、走査電極Y11,Y12,Y21,……は基板7側に設けられるものであって、走査電極Y11,Y12,Y21,……のほうが段差が少ないから、走査電極Y11,Y12,Y21,……の線幅を半分にしても製造が困難になることはない。
さらに、上述したように6色の蛍光体3を2列に配列しているから、画素Pxの占有面積を変えずに6色を1列で配列した場合に比較すると、蛍光体3の最大距離を小さくすることができ、各色間の色の混ざりやすさ(混色性)のばらつきを低減することができる。
なお、上述した動作では、1個の走査電極Y11,Y12,Y21,……を選択している期間に、1列分の輝度電極X11,X12,X13,X21,……を選択する動作を例示したが、1個の輝度電極X11,X12,X13,X21,……を選択している期間に1画素Pxを構成する垂直方向の2個の蛍光体3に電子線が照射されるように、2個の走査電極Y11,Y12,Y21,……を選択するという動作を繰り返すようにしてもよい。
いま、電子源1の位置を走査電極Y11,Y12,Y21,……と輝度電極X11,X12,X13,X21,……との組で(Y11,X11)と表記するとすれば、基本的な動作は、(Y11,X11)→(Y11,X12)→(Y11,X13)→(Y11,X21)……という動作である。これに対して、(Y11,X11)→(Y12,X11)→(Y11,X12)→(Y12,X12)→(Y11,X13)→(Y12,X13)→(Y11,X21)……という動作を採用してもよい。
前者の動作では、水平方向の蛍光体3を発光させる期間には、走査電極Y11,Y12,Y21,……を一定電位に保って輝度電極X11,X12,X13,X21,……のみを変化させるから、発光輝度の制御を正確に行うことができる。
また、後者の動作では、走査電極Y11,Y12,Y21,……と輝度電極X11,X12,X13,X21,……との電位が同時に変化するから、輝度電極X11,X12,X13,X21,……に印加する電圧だけではなく、走査電極Y11,Y12,Y21,……に印加する電圧も高速に切り換える必要があるが、前者の構成に比較すると、1画素Pxに含まれる各蛍光体3に電子線が照射されるタイミングの時間差が小さく、色の制御精度をより高めることができる。
(実施形態2)
本実施形態は、図2に示すように、3色の蛍光体を用いていた図6の構成において1色の蛍光体を配置していた区画をそれぞれ水平方向(図の左右方向)に2等分した区画を設け、各区画を1色の蛍光体3の領域にしたものである。1画素Pxは、6色の蛍光体3を一列に並べた領域になる。1画素Pxの領域のうち左右両端の区画には、補色関係である青(B)とイエロー(Y)とを配置している。残りの区画には、補色関係である赤(R)とシアン(C)、緑(G)とマゼンタ(M)がそれぞれ間に別の蛍光体3を挟むように配置してある。さらに、赤、緑、青の重心位置と、シアン、マゼンタ、イエローの重心位置の距離を小さくするように色が配列されている。すべての画素Pxについて色の配列は同じであり、垂直方向においては同色の蛍光体3が各列で隣り合っている。
基板7には、垂直方向において電子源1の位置を選択する走査電極Y1,Y2,……と、水平方向において電子源1の位置を選択する輝度電極X11,X12,X13,X21,……とを設けている。1画素Px当たりの占有面積を実施形態1の構成と等しいとすれば、走査電極Y1,Y2,……の線幅は実施形態1の約2倍になる。つまり、走査電極Y1,Y2,……の線幅は3色の蛍光体を用いる従来構成と同じになる。一方、輝度電極X11,X12,X13,X21,……は、実施形態1の構成と等しく設定してある。したがって、水平方向に隣接する2個の蛍光体2は1個の電子源1に対向する。水平方向に並ぶ電子源1は1本の走査電極Y1,Y2,……に共通接続され、垂直方向に並ぶ電子源1は1本の輝度電極X11,X12,X13,X21,……に共通接続される。
上述したように、水平方向に隣接する2個の蛍光体3で1個の電子源1を共用しているから、走査電極Y1,Y2,……と輝度電極X11,X12,X13,X21,……とを1本ずつ選択して駆動電圧を印加したとしても、2個の蛍光体3に同時に電子線が照射され、蛍光体3に個別に電子線を照射することができない。
そこで、本実施形態では、電子源1とフェースプレート2との間に導電材料からなる可動マスク5を配置している。可動マスク5には、電子源1からの電子線を水平方向において1個の蛍光体3に照射するように電子線を照射する領域を制限するアパーチャ6が開口する。アパーチャ6は、1個の電子源1に対向する2個の蛍光体3のうちの一方にのみ電子線を照射するように領域を制限するように水平方向の開口幅が設定されており、垂直方向における開口幅は1画素Pxの寸法に設定されている。つまり、水平方向におけるアパーチャ6のピッチ寸法は水平方向における電子源1のピッチ寸法と等しくなる。また、垂直方向において隣接する画素Pxは離間しており、画素Pxの隙間にアパーチャ6の境界が位置する。
可動マスク5は水平方向において可動であって、電歪素子を用いたアクチュエータあるいは静電気力を用いたアクチュエータなどによって図2(b)の矢印A方向(水平方向)に往復振動する。可動マスク5の移動距離は、1個の電子源2に対向する2個の蛍光体3のピッチ寸法に等しく設定されている。したがって、1個の電子源1に対向する2個の蛍光体3の各一方の位置にアパーチャ6が位置する2位置の間で可動マスク5を往復移動させることにより、各一方の蛍光体3に電子線を択一的に照射することが可能になる。
ラスタ走査にあたっては、アノード4に一定の加速電圧を印加しておき、走査電極Y1,Y2……を垂直方向において上から順に下に向かって選択する。また、1列の走査電極Y1,Y2,……を選択している期間に、輝度電極X11,X12,X13,X21,……を左から右に向かって順に選択する。走査電極Y1,Y2……と輝度電極X11,X12,X13,X21,……との選択はそれぞれ循環的に行い、選択した走査電極Y1,Y2……と輝度電極X11,X12,X13,X21,……との間に駆動電圧を印加することによって、両者の交差部位の電子源1から電子線を放出させる。
ところで、可動マスク5は、1つの輝度電極X11,X12,X13,X21,……が選択されて電子源1に駆動電圧が印加されている期間に移動させる。つまり、可動マスク5のアパーチャ6が、1つの輝度電極X11,X12,X13,X21,……に対応する各一方の蛍光体3にそれぞれ対応するように位置する期間が生じるように、可動マスク5を移動させる。この動作により、1つの電子源1から放出された電子線を2個の蛍光体3にそれぞれ択一的に照射することが可能になる。ここで、可動マスク5の移動に伴って輝度電極X11,X12,X13,X21,……の印加電圧を調節すれば、2個の蛍光体3の発光輝度が調節される。つまり、各画素Pxごとに混色による色が決定され、画素Pxごとに所望の色を得ることができる。他の構成は実施形態1と同様である。
以上説明したように、6色の蛍光体3を用いることにより実施形態1の構成と同様に、生成できる色の範囲が広くなる。また、本実施形態の構成では、画素Pxの中の2個ずつの蛍光体3がそれぞれ1個の電子源1を共用しているから、輝度電極X11,X12,X13,X21,……の幅は、図6に示した3色の蛍光体を用いる従来構成とほぼ等しくなり、また、走査電極Y1,Y2……の幅も従来構成と同じであるから、従来構成と同じ設計ルールで走査電極Y1,Y2……および輝度電極X11,X12,X13,X21,……を形成することができ、6色を用いながらも断線の可能性が増加するのを防止することができる。
本実施形態の構成ではアパーチャ6を形成した可動マスク5を用いており、アパーチャ6は1個の蛍光体3に対応する面積で開口するから、2個の蛍光体3で1個の電子源1を共用しながらも2個の蛍光体3の一方のみを択一的に発光させることができる。しかも、電子線の照射領域をアパーチャ6により制限しているから、隣接する蛍光体3への電子線の照射を抑制することができ、色のにじみを低減することができる。
(実施形態3)
本実施形態は、図3に示すように、蛍光体3の配列を実施形態1と同様にし、電子源1の配列は実施形態2と同様にしたものであって、実施形態2と同様に、アパーチャ6を形成した可動マスク5を用いている。ただし、実施形態2では可動マスク5を水平方向に移動させているのに対して、本実施形態では可動マスク5を矢印B方向(垂直方向)に移動させる。
つまり、6色の蛍光体3を配列した領域を1画素Pxとし、1画素Px内では、3色ずつの蛍光体3を1列に配列し、2列で6色を配列している。また、各1個の電子源1は、画素Px内において垂直方向に隣接する2個の蛍光体3が共用するように配置される。つまり、実施形態1において垂直方向に隣接する2個の電子源1が本実施形態の1個の電子源1に相当する。したがって、実施形態2と同様に、走査電極Y1,Y2……および輝度電極X11,X12,X13,X21,……は、図6に示した3色の蛍光体3を用いる場合の従来構成とほぼ等しくなる。
可動マスク5は、垂直方向においては1個の蛍光体3に電子線を照射する幅であり、水平方向においては1画素Pxの幅を有している。したがって、各電子源1から電子線を放出すると、当該電子源1に対向する2個の蛍光体3に向かって電子線が飛翔するが、アパーチャ6が位置している一方の蛍光体3にのみ電子線が照射される。言い換えると、可動マスク5は、1画素Pxの中で垂直方向に隣接する2個の蛍光体3の各一方にアパーチャ6を対応させるように往復移動する。
ここで、アパーチャ6の動作は2種類から選択することができる。一方の動作は、実施形態2と同様に1個の電子源1を選択している期間に可動マスク3を移動させる動作であって、1つの走査電極Y1,Y2……を選択している期間に輝度電極X11,X12,X13,X21,……を順に選択するとともに、1つの輝度電極X11,X12,X13,X21,……を選択している期間に、アパーチャ6を垂直方向の2個の蛍光体3にそれぞれ対応させるように可動マスク5を移動させる。つまり、1個の電子源1から電子線を放出している期間に可動マスク5を垂直方向に移動させるから、電子源1が1個選択される期間が可動マスク5の移動の1周期になる。
他方の動作は、水平方向の1列の蛍光体3に順に電子線を照射している期間には可動マスク5を移動させず、1列のすべての蛍光体3に電子線が照射された後に可動マスク5を垂直方向に移動させて次列の蛍光体3に電子線を照射する動作である。この動作を採用すれば、1つの走査電極Y1,Y2……を選択している期間に輝度電極X11,X12,X13,X21,……を順に選択し、1列分のすべての輝度電極X11,X12,X13,X21,……を選択し終わると、可動マスク5を垂直方向に移動させることになる。つまり、水平方向の1列分の電子源1が選択されている期間には可動マスク5は移動せず、2列分の電子源1が選択される期間が可動マスク5の移動の1周期になる。
前者の構成では、1画素Pxに含まれる蛍光体3に電子線を照射するタイミングの時間差が小さいから色の制御が容易であり、後者の構成では、可動マスク5が移動する周期が長いから機械的可動部である可動マスク5の駆動が容易になる。他の構成は実施形態1と同様である。
以上説明したように、6色の蛍光体3を用いることにより実施形態1の構成と同様に、生成できる色の範囲が広くなる。また、本実施形態の構成では、蛍光体3の配列を実施形態1と同様にして混色性を高めながらも、画素Pxの中の2個ずつの蛍光体3がそれぞれ1個の電子源1を共用しているから、実施形態1の構成に比較すると、垂直方向における走査電極Y1,Y2……の幅を実施形態1の走査電極Y11,Y12,Y21……の幅の約2倍に形成することができる。つまり、走査電極Y1,Y2……の断線の可能性が低減され製造が容易になる。
また、実施形態2と同様に、アパーチャ6を形成した可動マスク5を用いており、アパーチャ6は垂直方向では1個の蛍光体3の幅寸法であるから、2個の蛍光体3で1個の電子源1を共用しながらも2個の蛍光体3の一方のみを択一的に発光させることができる。しかも、電子線の照射領域をアパーチャ6により制限しているから、隣接する蛍光体3への電子線の照射を抑制することができ、色のにじみを低減することができる。さらにまた、アパーチャ6は水平方向においては1画素Pxの幅を有しているから、実施形態2に示した可動マスク5に比較すると、アパーチャ6の開口面積が大きく加工が容易であって、しかも可動マスク5に形成するアパーチャ6の個数は、実施形態2では画面全体の画素Pxの個数の3倍であるのに対して、本実施形態では画素Pxの個数の2倍であるから、このことによって、可動マスク5の製造が容易になる。
(実施形態4)
本実施形態は、図4に示すように、電子源1および蛍光体3の配列を実施形態2と同様にしたものである。つまり、1画素Pxにおいて水平方向の1列に6色の蛍光体3を配列し、水平方向に並ぶ2個ずつの蛍光体3に1個の電子源1を対応付けたものである。本実施形態の構成と実施形態2の構成とは、実施形態2では、アノード4が全画素に跨って形成され1枚のフェースプレート2に1個だけ設け、かつ可動マスク5を用いているのに対して、本実施形態では、水平方向では各蛍光体3ごとにアノード4a,4bを分離し、マスク5を用いていない点で相違する。
本実施形態において、各アノード4a,4bは垂直方向においては、フェースプレート2の略全長に亘って延長してあり、複数の蛍光体3に跨って1個のアノード4a,4bが共用される。また、水平方向に並ぶアノード4a,4bは2個毎に共通接続される。つまり、1画素Px内において左から数えるとすれば、奇数番目のアノード4a同士を共通接続し、偶数番目のアノード4b同士を共通接続するのである。実際の配線パターンにおいては、奇数番目のアノード4aを上端で共通接続し、偶数番目のアノード4bを下端で共通接続するか、あるいはその逆とすればよい。
実施形態2において説明したように、2個の蛍光体3が1個の電子源1を共用しているから、1個の電子源1から電子線を照射している期間に2個の蛍光体3のうちのどちらに電子線を照射するかを選択しなければならない。そこで、本実施形態では、1個の電子源1を共用している2個の蛍光体3に、互いに電気的に接続されていないアノード4a,4bを対応付けておき、どちらのアノード4a,4bに加速電圧を印加するかに応じて一方の蛍光体3にのみ電子線を照射させる構成を採用している。
ラスタ走査にあたっては、上述した他の実施形態と同様に、走査電極Y1,Y2……を垂直方向において上から順に下に向かって選択する。また、1列の走査電極Y1,Y2,……を選択している期間に、輝度電極X11,X12,X13,X21,……を左から右に向かって順に選択する。走査電極Y1,Y2……と輝度電極X11,X12,X13,X21,……との選択はそれぞれ循環的に行い、選択した走査電極Y1,Y2……と輝度電極X11,X12,X13,X21,……との間に駆動電圧を印加することによって、両者の交差部位の電子源1から電子線を放出させる。
ここで、1個の電子源1から電子線を放出させている間に、当該電子源1に対応している2個の蛍光体3のうちのどちらを発光させるかを選択するために、各蛍光体3に対応する2個のアノード4a,4bのうちの各一方に択一的に加速電圧を印加する。この動作によって、2個の蛍光体3のうちの一方にのみ電子線を照射して発光させることが可能になる。このように、加速電圧を印加するアノード4a,4bを選択することにより、可動マスク5を移動させてアパーチャ6を所望の蛍光体3の位置に移動させることと同様に、電子線を照射する蛍光体3を選択することができる。アノード4a,4bに加速電圧を印加するのに伴って輝度電極X11,X12,X13,X21,……の印加電圧を調節すれば、2個の蛍光体3の発光輝度が調節され、各画素Pxごとに混色による色が決定され、画素Pxごとに所望の色を得ることができる。他の構成は実施形態1と同様である。
以上説明したように、基本的な構成は実施形態2と同様であるから同様の作用が期待できる。また、可動マスク5を用いないから機械的可動部がなく製造が容易である。しかも、電子線1から放出された電子線が蛍光体3に照射される経路に電子線を阻止する部材が存在しないから、放出した電子線の大部分を蛍光体3に照射することができ、注入エネルギの利用効率が高くなる。逆に言えば、実施形態2と同じ電子源1を用いるとすれば、同エネルギの注入に対する発光輝度が高くなり、輝度変化の範囲が広くなる。その結果、色の可変範囲も広くなる。
(実施形態5)
本実施形態は、図5に示すように、電子源1の配列を図3に示した実施形態3と同配列とし、蛍光体3についても水平方向に3個ずつの蛍光体3を一列に配列し2列で6個の蛍光体3からなる1画素Pxを構成している。つまり、電子源1と蛍光体3との配列は実施形態3と同じである。ただし、実施形態3ではフェースプレート1に略全面に亘って1個のアノード4を形成し、かつ可動マスク5を設けているのに対して、本実施形態では垂直方向において各列毎に分離されたアノード4a,4bをフェースプレート1に設け、可動マスク5を設けていない点が実施形態3とは相違する。
本実施形態において、各アノード4a,4bは水平方向においては、フェースプレート2の略全長に亘って延長してあり、複数の蛍光体3に跨って1個のアノード4a,4bが共用される。また、垂直方向に並ぶアノード4a,4bは2個毎に共通接続される。つまり、1画素Px内において上列のアノード4a同士を共通接続し、下列のアノード4b同士を共通接続する。実際の配線パターンにおいては、上列のアノード4aを左端で共通接続し、下列のアノード4bを右で共通接続するか、あるいはその逆とすればよい。
実施形態3と同様に、垂直方向において隣接する2個の蛍光体3が1個の電子源1を共用しているから、1個の電子源1から電子線を照射している期間に2個の蛍光体3のうちのどちらに電子線を照射するかを選択しなければならない。実施形態3では可動マスク5を用いることにより電子線を照射する蛍光体3を選択していたが、本実施形態では、実施形態4と同様に、1個の電子源1を共用している2個の蛍光体3に、互いに電気的に接続されていないアノード4a,4bを対応付け、どちらのアノード4a,4bに加速電圧を印加するかに応じて一方の蛍光体3にのみ電子線を択一的に照射させる構成を採用している。
ラスタ走査にあたっては、上述した他の実施形態と同様に、走査電極Y1,Y2……を垂直方向において上から順に下に向かって選択する。また、1列の走査電極Y1,Y2,……を選択している期間に、輝度電極X11,X12,X13,X21,……を左から右に向かって順に選択する。走査電極Y1,Y2……と輝度電極X11,X12,X13,X21,……との選択はそれぞれ循環的に行い、選択した走査電極Y1,Y2……と輝度電極X11,X12,X13,X21,……との間に駆動電圧を印加することによって、両者の交差部位の電子源1から電子線を放出させる。
1個の電子源1から電子線を放出させている間に、当該電子源1に対応している2個の蛍光体3のうちのどちらを発光させるかを選択するために、各蛍光体3に対応する2個のアノード4a,4bのうちの各一方に択一的に加速電圧を印加する。この動作によって、2個の蛍光体3のうちの一方にのみ電子線を照射して発光させることが可能になる。
つまり、加速電圧を印加するアノード4a,4bを選択することにより、実施形態3において可動マスク5を移動させて所望の蛍光体3に電子線を照射していたのと同様に、電子線を照射する蛍光体3を選択することができる。アノード4a,4bに加速電圧を印加するのに伴って輝度電極X11,X12,X13,X21,……の印加電圧を調節すれば、2個の蛍光体3の発光輝度が調節され、各画素Pxごとに混色による色が決定され、画素Pxごとに所望の色を得ることができる。他の構成は実施形態1と同様である。
以上説明したように、基本的な構成は実施形態3と同様であるから同様の作用が期待できる。また、実施形態4と同様に、可動マスク5を用いないから製造が容易であるとともに注入エネルギの利用効率が高くなる。つまり、実施形態3と同じ電子源1を用いると、輝度変化の範囲が広くなり、色の可変範囲も広くなる。
なお、上述の構成例では多孔質のポリシリコン層を用いた電界放射型の電子源1を基板7に配列する構成を例示したが、これに限定されず、その他電子源としてMIM型電子源やMIS型電子源を用いてもよい。また、電子源1は微細加工が可能な構造であれば、たとえばスピント型と称する構造の電子源なども用いることが可能である。スピント型の電子源は、円錐状のエミッタとエミッタに対応する部位に透孔を有したゲートとの間に電界を印加するものであり、この電界によりエミッタの先端部から電子が引き出され、透孔を通して電子線が放出されるものである。
また、基板7として電子源1を配列する面が平面であるものを用いているが、電子源1を配列する面は曲面であってもよい。このような形状の基板7を採用する場合には、基板7において電子源1を配列した面とフェースプレート2の対向面との距離が一定に保たれるように、フェースプレート2において電子源1と対向する面も曲面にする。
実施形態1を示し、(a)は電極と蛍光体との配置を示す概略平面図、(b)は概略横断面図、(c)は概略縦断面図である。 実施形態2を示し、(a)は電極と蛍光体との配置を示す概略平面図、(b)は概略横断面図、(c)は概略縦断面図である。 実施形態3を示し、(a)は電極と蛍光体との配置を示す概略平面図、(b)は概略横断面図、(c)は概略縦断面図である。 実施形態4を示し、(a)は電極と蛍光体との配置を示す概略平面図、(b)は概略横断面図、(c)は概略縦断面図である。 実施形態5を示し、(a)は電極と蛍光体との配置を示す概略平面図、(b)は概略横断面図、(c)は概略縦断面図である。 3色構成の従来例を示し、(a)は電極と蛍光体との配置を示す概略平面図、(b)は概略横断面図、(c)は概略縦断面図である。 6色構成の従来例を示し、(a)は電極と蛍光体との配置を示す概略平面図、(b)は概略横断面図、(c)は概略縦断面図である。
符号の説明
1 電子源
2 フェースプレート
3 蛍光体
4 アノード
4a,4b アノード
5 可動マスク
6 アパーチャ
7 基板
X11,X12,X13,X21…… 輝度電極
Y1,Y2…… 走査電極
Y11,Y12,Y21…… 走査電極

Claims (2)

  1. 一面に沿って互いに交差する方向に規則的に配列された複数個の電界放射型の電子源と、各電子源に対向する部位に電子線で励起される蛍光体が配置されるとともに電子源から発生する電子線を蛍光体に導くように電子源より高電位である加速電圧が印加されるアノードを備えたフェースプレートと、電子源が配列された各方向に沿ってそれぞれ延長された複数本ずつの電極であって交差部位に配置した各電子源に駆動電圧を印加することにより電子源から電子線を発生させる走査電極および輝度電極と、電子源とフェースプレートとの間に配置され蛍光体への電子線の照射領域を制限するアパーチャが開口するとともにフェースプレートに沿って位置制御が可能な可動マスクとを備え、6色の蛍光体を走査電極の延長方向に一列に並べた領域を1画素として複数画素を配列し、走査電極の延長方向における可動マスクのアパーチャの幅を1個の蛍光体に電子線を照射する幅とし、電子源は1画素内で走査電極の延長方向に隣接する2個ずつの蛍光体に跨る領域に対応付けてあり、アノードを全画素で共用して一定の加速電圧を印加し、走査電極を順に選択するとともに1つの走査電極を選択している期間に輝度電極を順に選択するように走査電極の選択毎に輝度電極を循環的に選択し、かつ選択した走査電極と輝度電極との間に駆動電圧を印加し、1個の電子源に対応して走査電極の延長方向に隣接する2個の蛍光体に1個ずつ電子線が照射されるように可動マスクの位置を移動させることを特徴とする薄型表示装置。
  2. 一面に沿って互いに交差する方向に規則的に配列された複数個の電界放射型の電子源と、各電子源に対向する部位に電子線で励起される蛍光体が配置されるとともに電子源から発生する電子線を蛍光体に導くように電子源より高電位である加速電圧が印加されるアノードを備えたフェースプレートと、電子源が配列された各方向に沿ってそれぞれ延長された複数本ずつの電極であって交差部位に配置した各電子源に駆動電圧を印加することにより電子源から電子線を発生させる走査電極および輝度電極と、電子源とフェースプレートとの間に配置され蛍光体への電子線の照射領域を制限するアパーチャが開口するとともにフェースプレートに沿って位置制御が可能な可動マスクとを備え、6色の蛍光体を走査電極の延長方向に3色ずつ一列に並べかつ輝度電極の延長方向に隣接する2列で6色を隣接させて並べた領域を1画素として複数画素を配列し、輝度電極の延長方向における可動マスクのアパーチャの幅を1個の蛍光体に電子線を照射する幅とし、電子源は1画素内で輝度電極の延長方向に隣接する2個ずつの蛍光体に跨る領域に対応付けてあり、アノードを全画素で共用して一定の加速電圧を印加し、走査電極を順に選択するとともに1つの走査電極を選択している期間に輝度電極を順に選択するように走査電極の選択毎に輝度電極を循環的に選択し、かつ選択した走査電極と輝度電極との間に駆動電圧を印加し、1個の電子源に対応して輝度電極の延長方向に隣接する2個の蛍光体に1個ずつ電子線が照射されるように可動マスクの位置を移動させることを特徴とする薄型表示装置。
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