JP5095161B2 - 暗色セラミックス焼結体の分離方法 - Google Patents

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本発明は、暗色セラミックス焼結体の分離方法に関し、特に、ガラスの表面上に、暗色セラミックス焼結体及び導電性セラミックス焼結体が夫々形成された暗色セラミックス焼結体付きガラスから、ガラス、暗色セラミックス焼結体、及び導電性セラミックス焼結体をそれぞれ分別回収するのに有用な暗色セラミックス焼結体の分離方法に関する。
自動車リアガラスのガラス板には、図2に示すように、各種のガラス板とは異質の物質が付着している。図2の自動車リアガラス50において、ガラス板52には、ガラス板52を車体に固着するための接着剤や、この接着剤を車外側から隠蔽するための暗色セラミックス焼結体53や、ガラス板52の曇りを除去したりアンテナ機能をガラス板52に付与したりするための導電性セラミックス焼結体51等のガラス板とは異質の物質が付着している。
このガラス板52をリサイクル可能な状態で回収するために、ガラス板52から暗色セラミックス焼結体53を除去する方法として、暗色セラミックス焼結体53に向けて微粒子を含む流体をノズルから噴出し、暗色セラミックス焼結体53に対し微粒子を含む流体を衝突させ、ガラス板52から暗色セラミックス焼結体53を削り取る方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−80461号公報
しかしながら、上記方法において、微粒子を含む流体を衝突させてガラス板52から暗色セラミックス焼結体53を削り取るので、削り取った暗色セラミックス焼結体53の粉塵が発生して作業環境が悪化する。また、暗色セラミックス焼結体53をガラス板52から完全に削り取るには長時間を要する。さらに、暗色セラミックス焼結体53を削り取る際に、発生した粉塵がガラス板52に付着したり、ガラス板52が破損したりすることにより、暗色セラミックス焼結体付きガラス板からガラス板をリサイクル可能な状態で回収することができない場合がある。さらには、暗色セラミックス焼結体の上に導電性セラミックス焼結体が形成された暗色セラミックス焼結体付きガラスの場合は、導電性セラミックス焼結体と暗色セラミックス焼結体を分別回収することができなかった。
本発明の目的は、ガラスの表面上に、暗色セラミックス焼結体及び導電性セラミックス焼結体が夫々形成された暗色セラミックス焼結体付きガラスから暗色セラミックス焼結体、導電性セラミックス焼結体及びガラスを分別回収することができる分離方法を提供することにある。
請求項記載の暗色セラミックス焼結体の分離方法は、ガラスの表面上に夫々形成された、暗色セラミックス焼結体及び導電性セラミックス焼結体を備える暗色セラミックス焼結体付きガラス全体をフッ化水素酸濃度が0.05〜0.75mol/lである分離用水溶液に浸漬することで前記暗色セラミックス焼結体を前記ガラスから分離する、前記暗色セラミックス焼結体の分離方法であって、前記暗色セラミックス焼結体付きガラス全体を、前記分離用水溶液に第1の分離時間の間浸漬し、前記導電性セラミックス焼結体全体を前記ガラスの表面上から分離する第1の分離ステップと、前記暗色セラミックス焼結体付きガラスを、前記分離用水溶液に前記第1の分離時間との時間差が1分以上である第2の分離時間の間浸漬し、前記暗色セラミックス焼結体を前記ガラスの表面上から分離する第2の分離ステップと、前記時間差を利用して、前記ガラス、前記暗色セラミックス焼結体、及び前記導電性セラミックス焼結体をそれぞれ分別回収することを特徴とする。
請求項記載の暗色セラミックス焼結体の分離方法によれば、ガラスの表面上に夫々形成された、暗色セラミックス焼結体及び導電性セラミックス焼結体を備える暗色セラミックス焼結体付きガラス全体を、フッ化水素酸濃度が0.05〜0.75mol/lである分離用水溶液に浸漬した際の、導電性セラミックス焼結体がガラスから分離するまでの時間(導電性セラミックス分離時間)と暗色セラミックス焼結体がガラスから分離するまでの時間(暗色セラミックス分離時間)との差を十分に設けることができ、ガラス、暗色セラミックス焼結体、及び導電性セラミックス焼結体をそれぞれ分別回収するので、暗色セラミックス焼結体付きガラスをリサイクル可能な状態で確実に回収することができる。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、ガラスの表面上に夫々形成された、暗色セラミックス焼結体及び導電性セラミックス焼結体を備える暗色セラミックス焼結体付きガラスをフッ化水素酸濃度が0.05〜0.75mol/lである分離用水溶液に浸漬した際の、導電性セラミックス焼結体がガラスから分離するまでの時間(導電性セラミックス分離時間)と暗色セラミックス焼結体がガラスから分離するまでの時間(暗色セラミックス分離時間)との差を十分に設けることができるので、前記暗色セラミックス焼結体付きガラスから暗色セラミックス焼結体、導電性セラミックス焼結体及びガラスをそれぞれ分別回収することができることを見出した。
本発明は、上記研究の結果に基づいてなされたものである。
以下、本発明の実施の形態に係る暗色セラミックス焼結体の分離用水溶液及び分離方法を説明する。
本発明の実施の形態に係る暗色セラミックス焼結体の分離用水溶液として、フッ化水素酸(以下、「タイプA処理液」という)及びフッ化アンモニウムと酸の混合物(以下、「タイプB処理液」という)を作製した。分離用水溶液はこれらに限定されるものではなく、硫酸アンモニウムとフッ化水素酸の混合物、フッ化水素酸と酸の混合物、又は珪フッ化水素酸等を用いてもよい。これらの分離用水溶液はいずれもシロキサン結合を切断するイオン種であるHF を含む。フッ化水素酸と酸の混合物において、混合される酸としてスルファミン酸、リン酸、硝酸、硫酸、酢酸、蟻酸、塩酸、又は炭酸等を用いることができる。
フッ化水素酸(タイプA処理液)のHF濃度は、0.025mol/L(0.05wt%))以上、0.75mol/L(1.5wt%)以下であることが好ましい。HF濃度0.025mol/LのときのHF 濃度は0.0025mol/L、HF濃度0.75mol/LのときのHF 濃度は0.075mol/Lである。
タイプA処理液において、シロキサン結合を切断するイオン種、すなわちHF の濃度が0.005mol/L(HF濃度が0.05mol/L(0.10wt%))未満になると、暗色セラミックス焼結体とガラスの分離処理中にHF の濃度が低下し、ガラスや暗色セラミックス焼結体に対するエッチングレートの低下が顕著になる。そのため、短時間で分離するためには、HF の濃度が0.005mol/L(HF濃度が0.05mol/L(0.10wt%))以上であることが好ましい。但し、HF の濃度が必要以上に高いと、エッチング残渣としてフッ化物の沈殿が多量に発生し、操業上問題となる。
また、暗色セラミックス焼結体及び導電性セラミックス焼結体が形成されたガラスをリサイクルする際に、HF 濃度が高すぎると、暗色セラミックス焼結体の分離時間と導電性セラミックス焼結体の分離時間が近接するため、暗色セラミックス焼結体と導電性セラミックス焼結体の分別が困難になる。
ここで、タイプA処理液中に存在する主たる化学種はHF、H、F、HF であり、以下の平衡式(1)及び(2)で表される。
[HF]⇔[H]+[F]・・・(1)
[HF ]⇔[HF]+[F]・・・(2)
平衡式(1)及び(2)における平衡定数をそれぞれK、Kとする。K、Kは、電気化学的手法をはじめとする様々な手法で見積もられる。K、Kの値と、フッ化水素酸中の水素イオン濃度[H]とフッ化水素酸濃度[HF]から[HF ]濃度を算出することができる。
また、フッ化水素酸(タイプA処理液)にプロトン供給源として硫酸等の強酸を添加すると、シロキサン結合を切断するイオン種であるHF の濃度を高め、暗色セラミックス焼結体をエッチングすることができるので、より好ましい。
以上より、フッ化水素酸(タイプA処理液)、やフッ化水素酸に強酸を加えた処理液は、ガラス及び暗色セラミックス焼結体の界面へ浸透し易くすることができ、もってガラスと暗色セラミックス焼結体とを分離することができる。
フッ化アンモニウムと酸の混合物(タイプB処理液)においても、フッ化水素酸(タイプA処理液)と同様に、HF 濃度が0.005mol/L以上であることが好ましい。
ここで、タイプB処理液中に存在する主たる化学種はNHF、HF、H、F、HF 、NH であり、以下の平衡式(4)〜(6)で表される。
[HF]⇔[H]+[F]・・・(4)
[NHF]⇔[NH ]+[F]・・・(5)
[HF ]⇔[HF]+[F]・・・(6)
平衡式(4)〜(6)における平衡定数をそれぞれK、K、Kとする。K、K、Kは、電気化学的手法をはじめとする様々な手法で見積もられる。K、K、Kの値と、水素イオン濃度[H]、フッ化アンモニウム濃度[NHF]から[HF ]濃度を算出することができる。
タイプA及びBの処理液に錯体形成成分を添加することにより、ガラスエッチング時にガラス成分をイオンの形で捕捉して、ガラスに対するエッチング力をより高めることができる。錯体形成成分としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)等のアミノカルボン酸及びその塩と、シュウ酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、マロン酸、コハク酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸及びその塩と、リン酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)と、トリポリリン酸(STPP)等のホスホン酸及びその塩等を適宜組み合わせて使用することができる。錯体形成成分としては、酸性水溶液中での安定性から、シュウ酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、マロン酸、コハク酸、グルコン酸、リン酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)、トリポリリン酸(STPP)及びそれらの塩がより好ましい。
タイプA及びBの処理液の温度は、高いほどガラスや暗色セラミックス焼結体に対するエッチングレートが高くなるので好ましい。但し、タイプA及びBの処理液の温度が必要以上に高すぎると処理液の蒸発速度が大きくなり液濃度管理が困難になる問題が生じる。また、エッチングレートが大きくなりすぎることにより、エッチング残渣としてフッ化物の沈殿が多量に発生するといった操業上問題が生じる。そのため、タイプA及びBの処理液の温度は、30〜60℃が好ましい。
本実施の形態によれば、ガラス及び暗色セラミックス焼結体の少なくとも一方に対するエッチング力を有するので、暗色セラミックス焼結体付きガラスからガラスをリサイクル可能な状態で容易に回収することができる。
本実施の形態では、ガラス又は暗色セラミックス焼結体の表面近傍(以下、「基板表面近傍」という)において、処理液を速やかに置換するために、処理液または暗色セラミックス焼結体付きガラスに物理的な力を作用させるとより好ましい。基板表面近傍において処理液の置換が速やかに行われると、消費されたエッチング種(HF 、錯体形成成分)を基板表面近傍に速やかに補充することができるので、エッチングレートの低下を抑制し、その結果、より短時間でガラスと暗色セラミックス焼結体を分離することができる。また、フッ化物の沈殿等のエッチング残渣が基板表面近傍に堆積すると、エッチングが阻害されるが、処理液または暗色セラミックス焼結体付きガラスに物理的な力を作用させることにより、エッチング残渣の堆積を防ぐことができる。処理液または暗色セラミックス焼結体付きガラスに作用させる物理的な力として、例えば超音波を印加すると、ガラスと暗色セラミックス焼結体との分離時間を約4分の1に短縮できる。また、上記物理的な力としては、これに限定されるものではなく、振動、揺動、又は水流等が挙げられる。
本発明における暗色セラミックス焼結体が形成されたガラスとしては、自動車窓用のガラス、建築窓用のガラス、プラズマディスプレイ用のガラス等の導電性セラミックス焼結体が形成されたガラスを例示できる。自動車窓は、フロントウインドウ、リヤウインドウ、サイドウインドウ等の各部位の窓を意味する。一方で、フロントウインドウは通常合わせガラスからなり、その他の部位の窓は強化ガラスからなる。合わせガラスは複数のガラスが中間膜を介して積層されたものである。したがって、フロントウインドウ用ガラスを回収し再生するためには、別途中間膜とガラスとを分離する。いずれにしても、暗色セラミックス焼結体が形成されたガラスから、本発明により暗色セラミックス焼結体を分離できる。
ガラスから分離される暗色セラミックス焼結体としては、ガラスを自動車等に固着させる接着剤を車外から隠蔽する暗色セラミックス焼結体を例示できる。なお暗色セラミックス焼結体は、ガラス板の片面に形成されている場合も、ガラス板の両面に形成されている場合も、さらにはガラス板の両面の異なる部分に形成されている場合もある。暗色セラミックス焼結体の組成としては、酸化ケイ素及びその他種々の金属酸化物が含まれる。
分離した暗色セラミックスを分離回収する方法として、ろ過、遠心分離及び沈殿が例示できる。
分離した暗色セラミックスをそのまま処理液中に放置しておくと、その成分が液中に溶出し、エッチングレートを低下させる要因となる。ろ過装置あるいは遠心分離装置により連続して分離した暗色セラミックスを分別回収でき、焼結体付きガラスからガラスをリサイクル可能な状態で容易に回収することができる。または、暗色セラミックスを沈殿槽に沈殿させることによっても、容易に回収することができる。
実施例1において、所定の温度に昇温したフッ化水素酸(タイプA処理液)、フッ化アンモニウムと酸の混合物(タイプB処理液)に、暗色セラミックス焼結体上に導電性セラミックス焼結体が形成されたガラスを浸漬した。ガラスを浸漬する際には、周波数40kHzの超音波を印加した。
タイプA処理液として、HF濃度が0.025〜1.5mol/L(0.05〜3.0wt%))になるように、7種類のサンプル(サンプルA1〜A7)を調整した。サンプルA1〜A7のHF 濃度は0.0025〜0.15mol/Lと見積もられた。サンプルA1〜A7の組成は表1に示した。pHが2以下となるように硫酸を0.1〜2wt%添加した。
タイプB処理液は、フッ化アンモニウム、スルファミン酸、及びリン酸を含む混合液で、HF 濃度が0.01mol/L及び0.014mol/Lになるように、2種類のサンプル(サンプルB1及びB2)を調整した。処理液の組成は表2に示した。
図1は、本発明の実施の形態に係る暗色セラミックス焼結体の分離用水溶液にガラスを浸漬するために用いられる液槽の構成を概略的に示す断面図である。
図1において、液槽10は、暗色セラミックス焼結体の分離用水溶液20としてのタイプA及びBの処理液を蓄える容器11と、分離用水溶液20の温度を調整する温調装置12とを備える。容器11に分離用水溶液20を投入し、投入した分離用水溶液20を所定の温度に温調し、暗色セラミックス焼結体付きガラス30を容器11内に投入した。
上記分離用水溶液20に浸漬した暗色セラミックス焼結体付きガラス30において、暗色セラミックス焼結体がガラスから分離するまでの時間(分離時間)を計測した。上記分離用水溶液20としての処理液(タイプA,B)の組成、温度及び計測された分離時間を表1,2に示す。
サンプルA1への浸漬では1時間以上の分離時間が必要であり、リサイクル工程上、HF 濃度が0.005mol/L以上(サンプルA2のHF 濃度以上)であることが好ましい。
Figure 0005095161
Figure 0005095161
表1及び表2より、タイプA及びBの処理液に暗色セラミックス焼結体付きガラスを浸潰することによって、ガラスと暗色セラミックス焼結体を分離し、その処理液を遠心分離機(遠心半径=15cmの装置の場合には回転数2000rpm以上、遠心加速度168G以上)あるいはろ過装置(メッシュサイズ5μm以下)に連続的に通すことで、分離した暗色セラミックスを95%以上分離液から除去することができ、暗色セラミックス焼結体付きガラスからガラスをリサイクル可能な状態で容易に回収することができることが分かった。
実施例2において、タイプA処理液のサンプルA3に錯体形成成分として酒石酸0.1wt%を添加した処理液を作製し、サンプルA3´とした。サンプルA3´では、ガラスに対するエッチングレートが120nm/分であり、酒石酸添加しない場合(サンプルA3)のエッチングレート(60nm/分)の2倍の値を示した。
また、実施例1と同様の方法で、液温40℃にて暗色セラミックス焼結体付きガラスをサンプルA3´に浸漬し、周波数40kHzの超音波を印加した場合、分離時間は20分であり、酒石酸を添加しない場合(サンプルA3)の分離時間(40分)の約1/2に短縮された。
ここで、エッチングレートは、ソーダライムガラス表面の一部を耐酸テープでマスクし、50℃に液温を保持した所定濃度のフッ化水素酸に30分間浸漬し、耐酸テープをはがし、エッチングによって形成されたガラス表面の段差を表面粗さ計で測定することによって得られた。
フッ化水素酸に錯体形成成分を添加することで、ガラスに対するエッチングレートを向上させることができ、暗色セラミックス焼結体とガラスをより容易に分離することができた。
実施例3において、実施例1と同様の方法で上述したフッ化水素酸(サンプルA1〜A7)を作製して液温を40℃に保持し、同一のガラス上に暗色セラミックス焼結体と導電性セラミックス焼結体の両者が形成された(プリントされた)ガラスを浸漬し、周波数40kHzの超音波を印加した。
上記フッ化水素酸(サンプルA1〜A7)に浸漬した暗色セラミックス焼結体及び導電性セラミックス焼結体が形成されたガラスにおいて、導電性セラミックス焼結体がガラスから分離するまでの時間(導電性セラミックス分離時間)及び暗色セラミックス焼結体がガラスから分離するまでの時間(暗色セラミックス分離時間)をそれぞれ計測した。また、暗色セラミックス焼結体と導電性セラミックス焼結体を分別回収する際の分別し易さの指標として導電性セラミックス分離時間と暗色セラミックス分離時間の時間差を算出した。それらの結果を表3に示す。
Figure 0005095161
導電性セラミックス分離時間と暗色セラミックス分離時間との時間差が、サンプルA6への浸漬では約1分、サンプルA7への浸漬では2秒と短く、サンプルA7への浸漬では暗色セラミックス焼結体と導電性セラミックス焼結体の分別回収ができず、サンプルA6への浸漬では分別回収が困難だった。サンプルA1〜A5への浸漬では、上記時間差が6分以上あり、導電性セラミックス焼結体と暗色セラミックス焼結体とを分別してガラスから分離することができ、ガラスから分離された暗色セラミックス焼結体と暗色セラミックス焼結体から分離された導電性セラミックス焼結体をそれぞれ単独で回収することができることが分かった。
実施例4において、暗色セラミックス焼結体付きガラスを処理液に浸漬する際に、周波数40kHzの超音波を印加しなかったこと以外は実施例1と同様の方法で、液温40℃にて暗色セラミックス焼結体付きガラスを浸漬した。
実施例1の超音波を印加した場合(超音波有り)と、実施例4の超音波を印加しなかった場合(超音波無し)とで、暗色セラミックス分離時間を比較した。その結果を表4に示す。
Figure 0005095161
超音波を印加しなかった場合、超音波を印加した場合に比べて暗色セラミックス分離時間が大幅に長くなった(4倍以上)。
本発明の実施の形態に係る暗色セラミックス焼結体の分離用水溶液にガラスを浸漬するために用いられる液槽の構成を概略的に示す断面図である。 従来の自動車リアガラスの構成を概略的に示す図である。
符号の説明
10 液槽
11 容器
12 温調装置
20 分離用水溶被
30 暗色セラミックス焼結体付きガラス

Claims (1)

  1. ラスの表面上に夫々形成された、暗色セラミックス焼結体及び導電性セラミックス焼結体を備える暗色セラミックス焼結体付きガラス全体をフッ化水素酸濃度が0.05〜0.75mol/lである分離用水溶液に浸漬することで前記暗色セラミックス焼結体を前記ガラスから分離する、前記暗色セラミックス焼結体の分離方法であって
    前記暗色セラミックス焼結体付きガラス全体を、前記分離用水溶液に第1の分離時間の間浸漬し、前記導電性セラミックス焼結体を前記ガラスの表面上から分離する第1の分離ステップと、
    前記暗色セラミックス焼結体付きガラス全体を、前記分離用水溶液に前記第1の分離時間との時間差が1分以上である第2の分離時間の間浸漬し、前記暗色セラミックス焼結体を前記ガラスの表面上から分離する第2の分離ステップと、
    前記時間差を利用して、前記ガラス、前記暗色セラミックス焼結体、及び前記導電性セラミックス焼結体をそれぞれ分別回収することを特徴とする暗色セラミックス焼結体の分離方法。
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