JP5094378B2 - 固体撮像素子用カラーフィルタ及びその製造方法、並びに固体撮像素子 - Google Patents
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Description
ここでいうフォトリソ法は、基板上に着色硬化性組成物等の感放射線性組成物をスピンコータやロールコーター等により塗布し乾燥させて塗膜を形成し、該塗膜をパターン露光・現像・ベーキングすることによって着色画素を形成し、この操作を各色ごとに繰り返し行ってカラーフィルタを作製する方法である。
フォトリソ法は、位置精度が高く、大画面、高精細カラーディスプレイ用カラーフィルタを作製するのに好適な方法として広く利用されている。
図29−1に示すように、支持体10上に、例えばネガ型の着色硬化性組成物をスピンコーター等を用いて塗布して第1の着色層42を形成する。プリベークを介した後、図29−2に示すように、フォトマスク47を介して第1の着色層をパターン露光し(すなわち、第1の着色層中の第1の着色画素形成領域44を紫外線照射にて露光し)、その後、現像処理により第1の着色層中の不要領域46を除去し、さらにポストベーク処理を施して図29−3に示すように第1の着色画素48を形成する。
さらに、第1の着色画素形成における工程と同様の工程を繰り返すことで、図29−4に示す第2の着色画素50を、図29−5に示す第3の着色画素52を、それぞれ形成して、カラーフィルタが形成される。
また、第2の着色画素等を熱硬化時に熱流動(リフロー)させて埋め込む技術も知られている(例えば、特許文献5〜6参照)が、この技術は、第2の着色画素以降の形成に用いる着色硬化性組成物の性能やプロセス条件に左右されやすい技術であり、例えば、支持体の加熱分布がそのまま埋め込み性に反映されてしまう、等といった問題がある。
しかしながら、染料含有の硬化性組成物は、例えば、耐光性、薄膜化、透過分光特性の変更の容易性の性能につき、一般的に顔料に比べて劣る。また、特に固体撮像素子用カラーフィルタ作製用途の場合には1.0μm以下の膜厚が要求されるため、硬化性組成物中に多量の色素を添加しなければならず、これにより基板との密着が不充分となったり、十分な硬化が得られなかったり、露光部でも染料が抜けてしまうなどと、パターン形成性が著しく困難である、などの諸問題がある。
従って、フォトリソ法によりこれらの問題を解決するためには、露光、現像による溶解性のディスクリをつけつつ、着色剤濃度を高めなければならず、技術的なハードルが非常に高い。
以上で説明したように、従来のカラーフィルタの製造方法では、形成できるパターン寸法に限界(下限)があった。
即ち、本発明は、パターン形成限界が向上し、より微細なパターンの形成が可能となる固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、着色画素の矩形性に優れた固体撮像素子用カラーフィルタを提供することを目的とする。
また、本発明は、色再現性に優れた固体撮像素子を提供することを目的とする。
すなわち、前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<10> 前記密着性向上処理は、密着助剤を付与する処理及び/又はプラズマを用いたフッ素化処理であることを特徴とする<9>に記載の固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法である。
<11> 前記密着助剤が、後述する一般式(A)で表される化合物であることを特徴とする<10>に記載の固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法である。
<12> 前記着色層は、全固形分に対して有機シラン化合物を0.05〜1.2質量%含有する着色硬化性組成物を塗布して形成することを特徴とする<9>〜<11>のいずれか1つに記載の固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法である。
<15> 前記第1の着色パターン、前記第2の着色パターン、及び前記第3の着色パターンは、着色剤と熱硬化性化合物とを含み全固形分中における前記着色剤濃度が50質量%以上100質量%未満である非感光性の着色熱硬化性組成物を用いて形成することを特徴とする<1>〜<14>のいずれか1つに記載の固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法である。
<16> <1>〜<15>のいずれか1つに記載の固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法により製造された固体撮像素子用カラーフィルタである。
<17> <16>に記載の固体撮像素子用カラーフィルタを備えた固体撮像素子である。
また、本発明によれば、着色画素の矩形性に優れた固体撮像素子用カラーフィルタを提供することができる。
また、本発明は、色再現性に優れた固体撮像素子を提供することができる。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、(a)支持体上に、第1の着色パターンをストライプ状に形成する第1の着色パターン形成工程と、(b)前記支持体上の前記第1の着色パターンが形成されていない領域に、第2の着色パターンをストライプ状に形成する第2の着色パターン形成工程と、(c)前記第1の着色パターン及び/又は前記第2の着色パターンのうち、第3の着色パターンを形成する領域をドライエッチングにより除去する着色パターン除去工程と、(d)前記支持体上の、前記第1の着色パターン及び/又は前記第2の着色パターンが除去された領域に第3の着色パターンを形成する第3の着色パターン形成工程と、を有して構成される。
また、本発明のカラーフィルタは上記製造方法にて製造されたものである。
以下、上記の効果が得られることに関し、推定される原因の一つを説明する。
一般的に、フォトリソグラフィーにおけるパターン形成に関しては、孤立パターンと比べて、ストライプ状のパターン等の繰り返しパターンの方がエッジのコントラストが高く、パターンも断面がより矩形に近い形状となるように形成することが可能である。また、パターンをストライプ状に形成した場合には、パターンの長手方向についてのコントラストは一定であり、パターンの角が丸まるなどの症状が発生しない。
この特性により、フォトリソ法によりストライプ状の第1の着色パターン及び第2の着色パターンを形成することで、前記長手方向と直交する方向についてのコントラストを改善してパターン断面の矩形性を維持し、前記長手方向の光近接の影響を排除することができる。
なお、ストライプ状の第1の着色パターン及び第2の着色パターンを、ドライエッチングを用いて形成してもよく、この場合には、フォトリソ法により形成する場合以上に断面が矩形に近い形状に形成することが可能である。
また、本発明のカラーフィルタは上記本発明の製造方法にて製造されたものであるため、着色画素の矩形性に優れている。
さらに、本発明のカラーフィルタの製造方法においては、全色の着色パターン(例えば、第1〜第3の着色パターン全て)をドライエッチング及び/又は研磨処理により形成する形態も好適であり、この形態によれば、パターン形成性やパターン形成限界を更に向上させることができる。
全色の着色パターン(例えば、第1〜第3の着色パターン全て)をドライエッチング及び/又は研磨処理により形成した場合、又は、薄膜化が困難な層をドライエッチング及び/又は研磨処理により形成した場合においては、より薄膜化のなされたカラーフィルタを作製することができる。これにより色シェーデイングなどの性能の改善や、固体撮像素子の小型化も可能にすることができる。
ここでいう薄膜化が困難な層とは、単位体積あたりの色化(しきか)が低い層、もしくは目的の透過分光を実現するために複数の着色剤を含有しなければならない層など、より多くの着色剤を含有しなければならない層のことである。
また、前記着色パターンのうち、カラーフィルタアレイを構成する要素となっている着色パターン(例えば、正方形にパターン化された着色パターン、等)を「着色画素」という。
第1の着色パターン形成工程は、支持体上に第1の着色パターンをストライプ状に形成する工程である。
第1の着色パターンを形成する方法としては特に限定はないが、(1)支持体上に着色層を形成し、形成された着色層を露光し、現像する方法(本発明において、「フォトリソ法」ともいう)、又は、(2)支持体上に着色層を形成し、形成された着色層上にフォトレジストを用いてレジストパターンを形成し、形成されたレジストパターンをエッチングマスクとして、着色層をドライエッチングする方法(本発明において、「ドライエッチング法」ともいう)が好適である。
また、第3の着色パターン形成工程は、後述の着色パターン除去工程において、第1の着色パターン及び/又は第2の着色パターンが除去された領域に第3の着色パターンを形成する工程である。
平坦化処理の具体的な形態としては、着色パターンによって挟まれた(または囲まれた)支持体上の凹部に、着色樹脂組成物を埋めこむようにして着色層を形成し、形成された着色層の全露出面にエッチングや研磨等の処理を施すことにより、形成された着色層のうち、前記凹部からはみ出した余分な部分を除去する形態が好適である。
前記平坦化処理としては、製造工程の簡略化や製造コストの観点から、形成された第2、第3の着色層の全露出面をドライエッチングするエッチバック処理が好ましい。
なお、前記平坦化処理は、エッチバック処理に限定されることはなく、例えば、形成された第2、第3の着色層の全露出面を研磨する研磨処理も好ましい。研磨処理としては、例えば、化学的機械的に研磨する化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing;以下、「CMP」ともいう)処理が挙げられる。
また、前記平坦化処理として、前記エッチバック処理と前記CMP処理等の研磨処理とを併用する形態も好ましい。
例えば、ドライエッチング法により着色パターンを形成した後に、さらに、エッチバック処理を施すことで、ドライエッチング法のみで着色パターンを形成した場合と比較して、着色パターンの平坦性をより向上させることができる。
第3の着色パターンの幅としては、パターン形成限界をより向上させる観点等から、0.5〜2.0μmが好ましく、1.0〜1.7μmがより好ましく、1.2〜1.5μmが特に好ましい。また、後述する第3の実施形態及び第4の実施形態の場合、第3の着色パターンの幅は、0.5〜2.0μmが好ましく、0.7〜1.4μmがより好ましい。
例えば、まず、支持体上に直接または他の層を介して後述の着色光硬化性組成物を塗布し、これを乾燥させて(好ましくは更にプリベーク処理して)着色層を形成する。形成された着色層を放射線でパターン露光し、パターン露光された着色層を、現像して(好ましくは更にポストベーク処理して)着色パターンを得ることができる。現像後はポスト露光を行ってもよい。
前記放射線のうち、本発明による効果をより効果的に得る観点からは、g線、h線、及びi線が好ましく、中でもi線がより好ましい。
前記現像に用いることができる現像液としては、未硬化部を溶解するものであれば、いかなるものも用いることができる。具体的には、種々の有機溶剤の組み合わせやアルカリ性の水溶液を用いることができる。
例えば、まず、着色層上に後述のポジ又はネガ型の感光性樹脂組成物(フォトレジスト)を塗布し、これを乾燥させて(好ましくは更にプリベーク処理して)フォトレジスト層を形成する。
形成されたフォトレジスト層を放射線で露光し、現像して(好ましくは更にポストベーク処理して)レジストパターンを形成することができる。前記放射線のうち、フォトレジスト層を露光するものとしては、本発明の目的からは、g線、h線、及びi線が好ましく、中でもi線が好ましい。
前記現像に用いることができる現像液としては、着色剤を含む着色層には影響を与えず、未硬化部(ポジ型の場合は露光部、ネガ型の場合は未露光部)を溶解するものであればいかなるものも用いることができる。具体的には、種々の有機溶剤の組み合わせやアルカリ性の水溶液を用いることができる。
本発明における着色パターン除去工程は、前記第1の着色パターン及び/又は前記第2の着色パターンのうち、第3の着色パターンを形成する領域をドライエッチングにより除去する工程である。
第3の着色パターンを形成する領域としては特に限定はないが、第3の着色画素を形成する領域であることが好ましく、例えば、後述する図6中の、緑色画素を形成する領域20のような市松模様状の領域であることが好ましい。
また、第3の着色パターンを形成する領域としては、前記第1の着色パターン及び前記第2の着色パターンと交差する方向のストライプ状の領域(例えば、後述する図19中、緑色画素を形成する領域120)であることも好ましい。第3の着色パターンを形成する領域がストライプ状の領域であると、第1〜第3の着色パターンのいずれについてもパターンコーナーを有さずに形成できるため、より矩形に近いカラーフィルタアレイを形成できる。
前記第3の着色パターンを形成する領域をドライエッチングによる除去する具体的な方法としては、予め、第1の着色パターン及び/又は第2の着色パターン上に、公知のフォトリソグラフィーの技術を用いて、フォトレジストを用いてレジストパターン(即ち、第3の着色パターンを形成する領域が露出するようなレジストパターン)を形成しておき、該レジストパターンをエッチングマスクとして、ドライエッチング処理を行う方法が好適である。
ここで、第3の着色パターンを形成する領域の一辺の長さとしては、0.5〜2.0μmが好ましく、1.0〜1.7μmが好ましく、1.2〜1.5μmがより好ましい。また、後述する第3の実施形態及び第4の実施形態の場合は、第3の着色パターンを形成する領域の幅としては、0.5〜2.0μmが好ましく、0.7〜1.4μmがより好ましい。
着色パターン除去工程におけるドライエッチングの具体的な形態としては、特に限定はなく公知のドライエッチングの形態を適宜最適化して用いることができる。ドライエッチングの好ましい形態については後述する。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、ストッパー層形成工程(第1のストッパー層を形成する工程及び/又は第2のストッパー層を形成する工程)を含んでもよい。
本発明において、第2の着色パターンをドライエッチング(前述の「ドライエッチング法」で形成する場合と、前述の「エッチバック処理」で形成する場合との双方を含む。以下同じ。)及び/又は研磨処理により形成する場合には、第1の着色パターン形成工程は、支持体上に第1の着色層を形成する工程と、形成された第1の着色層上に、第1のストッパー層を形成する工程(第1のストッパー層形成工程)と、を含むことが好ましい。この場合、第1の着色パターン形成工程は、更に、形成された第1のストッパー層上にフォトレジストを用いてレジストパターンを形成し、形成されたレジストパターンをエッチングマスクとして、第1のストッパー層及び第1の着色層をドライエッチングする工程を含むことがより好ましい。
第1の着色パターンを上記構成とすることにより、形成された第1の着色パターン上面(着色パターンの、支持体に平行な2つの面のうち、支持体から遠い側の面。以下同じ。)は、第1のストッパー層で覆われるため、第2の着色パターンを形成するためのドライエッチングや研磨処理(CMP処理等)により、第1の着色パターンが膜減りしたり、ダメージを受けたりする現象を、より効果的に防止できる。この結果、カラーフィルタの着色画素の透過分光特性の制御がさらに容易となる。
本発明において、第3の着色パターンをドライエッチング(前述の「ドライエッチング法」で形成する場合と、前述の「エッチバック処理」で形成する場合との双方を含む。以下同じ。)及び/又は研磨処理により形成する場合には、前記第2の着色パターン形成工程後であって前記着色パターン除去工程の前に、前記第1の着色パターン上及び前記第2の着色パターン上に、第2のストッパー層を形成する工程を設けることが好ましい。
上記構成とすることにより、第1の着色パターン及び第2の着色パターンの上(着色パターンからみて支持体の方向とは反対側の方向。以下同じ。)には、第2のストッパー層が存在することとなるため、第3の着色パターンを形成するためのドライエッチングや研磨処理(CMP処理等)により、第1の着色パターン及び第2の着色パターンが膜減りしたり、ダメージを受けたりする現象を、より効果的に防止できる。この結果、カラーフィルタの着色画素の透過分光特性の制御がさらに容易となる。
本発明においては、レジストパターン除去後の着色層(着色パターン、着色画素を含む。)を、100℃以上220℃以下で加熱処理する加熱処理工程を更に含むことが好ましい。これにより、着色層(着色パターン、着色画素を含む。)が吸収した水分を蒸発することができ、その後に行う場合がある着色層形成工程における塗布不良等の不具合の発生をより効果的に抑制できる。
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、ドライエッチング処理された支持体表面に密着性向上処理を施し、密着性向上処理が施された支持体上に着色層を形成し、形成された着色層を露光し、現像して着色パターンを形成することが好ましい。
上記のように構成することで、着色層(着色パターン)と支持体との密着性をより向上させることができ、現像時の着色層(着色パターン)の剥がれをより効果的に抑制できる。例えば、ドライエッチング処理により支持体表面が親水性となった場合(例えば、支持体表面と水との接触角が40°未満となった場合)であっても、密着性向上のためのオーバー露光をする(露光量を上げる)必要はなく、正確なパターン寸法と密着性向上とをより効果的に両立できる。このため着色パターンのサイズが小さいときに、特に有効である。
この形態によれば、第3の着色パターンの剥がれをより効果的に抑制できる。
この形態によれば、第2の着色パターンの剥がれをより効果的に抑制できる。
また、前記密着性向上処理としては、密着助剤を付与する処理及び/又はプラズマを用いたフッ素化処理が好ましい。
密着助剤を付与する処理は、一般的なポジレジストプロセスで運用されるベーパー処理、塗布、インクジェット付与、印刷、蒸着などの方法により行なうことができる。
蒸着による場合、スプレーによる噴霧、気化による蒸着、ディッピング等が挙げられる。中でも、気化による蒸着が好ましく、その場合、減圧下で30〜600秒程度処理されることが好ましい。
プラズマを用いたフッ素化処理としては、フッ素系ガス(例えば、CF4等のフルオロカーボンガス)をプラズマ化してイオン照射する形態が好ましい。特に、疎水化の観点からは、酸素ガスを含まないフルオロカーボンガスをプラズマ化して表面をプラズマ処理する形態がより好ましい。
プラズマを用いたフッ素化処理は具体的には、本発明における他のドライエッチング処理と同様の手法により行うことができる。
〔式(B)中、nは、1〜6、mは、0〜13、lは、1〜14を表わす。〕
プラズマ処理の条件としては、RFパワー:300W以上で、5秒以下のプラズマ処理が好ましい。
また、本発明による効果を妨げない限り、上記工程以外の工程を含んでもよい。
第1の実施形態は、第3の着色パターンが市松模様状に配列されたベイヤー配列の場合の形態であって、第1〜第3の着色パターンの全てをフォトリソ法により形成する形態である。以下、第1の実施形態について、図1〜8を参照して説明する。
図1〜8において、(a)は、平面図であり、(b)は、(a)のA−A’線断面図である。また、図5〜8において、(c)は、(a)のB−B’線断面図である。
まず、図1に示すように、支持体10上に、例えば赤色パターン材料を塗布して、第1の着色層である赤着色層12を所定の膜厚で形成する。その後、パターン露光、現像し、ポストベーク処理を行い、第1の着色パターンとして、図2に示すようなストライプ状のパターンである赤色パターン14を形成する。
次に、図3に示すように、赤色パターン14が形成されている支持体上の該赤色パターン14が形成された側の面に、例えば青フィルタ材料を塗布して、第2の着色層である青着色層16を所定の膜厚で形成する。その後、青着色層16の、赤色パターン14で挟まれた領域をパターン露光、現像し、ポストベーク処理を行い、第2の着色パターンとして図4に示すようなストライプ状のパターンである青色パターン18を形成する。
以上により、赤色パターン14と青色パターン18とがストライプ状に隣接しているパターンが形成される。このとき、カラーフィルタアレイが正方形パターンの集合として設計されている場合は、赤色パターン14の幅:青色パターン18の幅は、1:1の比率となるように形成されることが望ましいが、デバイス設計によりその限りではない。
次に、図5に示すように、支持体上の赤色パターン14及び青色パターン18が形成された側の面に、フォトレジストを塗布し、第1の着色パターン及び/又は第2の着色パターンのうち、第3の着色パターンを形成すべき領域、例えば、緑色画素を形成する領域20を、露光、現像処理により除去し、その後ポストベーク処理を実施してレジストパターン22を形成する。
次に、図6に示すように、赤色パターン14及び青色パターン18のうち、緑色画素を形成する領域20をドライエッチングにより除去して、赤色画素28及び青色画素30を形成し、その後、レジストパターン22を除去する。
次に、図7に示すように、支持体上の赤色画素28及び青色画素30が形成された側の面に緑フィルタ材料を塗布し、第3の着色層である緑着色層24を形成する。
ここで、密着性の観点より、該緑フィルタ材料の塗布前には、前記加熱処理及び/又は前記密着性向上処理を行うことが好ましい。また、同様の観点より、緑フィルタ材料中には、後述の有機シラン化合物を含有することが好ましい。
形成された緑着色層24のうち、緑色画素を形成する領域を、露光、現像し、ポストベーク処理を行って、第3の着色パターンである緑色パターン26(すなわち、緑色画素32)を形成する。
以上により、図8に示すような赤色画素28、青色画素30、及び緑色画素32を有するカラーフィルタアレイが形成される。
前記第1〜第3の着色パターンは、フォトリソ法で形成する形態に限られず、ドライエッチングにより形成することもできる(前述の「ドライエッチング法」で形成する場合と、前述の「エッチバック処理」で形成する場合との双方を含む。以下同じ。)。
以下、第3の着色パターンが市松模様状に配列されたベイヤー配列の場合の形態であって、第1〜第3の着色パターンの全てをドライエッチングにより(必要に応じ、CMP処理を併用して)形成する第2の実施形態について、図9〜18を参照して説明する。
なお、図9〜18において、(a)は、平面図であり、(b)は、(a)のA−A’線断面図である。また、図14〜18において、(c)は、(a)のB−B’線断面図である。
図9に示すように、支持体10上に、例えば赤フィルタ材料を塗布して第1の着色層である赤着色層12を形成し、形成された赤着色層12上に、さらに第1のストッパー層34を形成し、ベーキング処理を行う。
なお、図9(a)は、第1のストッパー層34が透明膜である場合の平面図を示しているため、上層の第1のストッパー層34を示す白地ではなく、下層の赤着色層12を示すドット模様を付している(以降の図においても同じ)。
その後、図10に示すように、第1のストッパー層34上にフォトレジストを塗布して塗布膜を形成し、パターン露光、現像し、ポストベーク処理を行って、赤パターンを形成する領域にレジストパターン22を形成する。次に、レジストパターン22をエッチングマスクとして第1のストッパー層34及び赤着色層12のドライエッチングを実施し、図11に示すように、第1の着色パターンとして赤色パターン14を形成する。その後、レジストパターン22を除去する。
この第2の実施形態では、図11に示すように、第1の着色パターンである赤色パターン14は、上層に第1のストッパー層34を有してストライプ状のパターンに形成される。
次に、図12に示すように、支持体上の第1のストッパー層34及び該赤色パターン14が形成された側の面に、例えば青フィルタ材料を塗布して、第2の着色層である青着色層16を所定の膜厚で形成する。
なお、前述の図12で青着色層16を形成した後は、前述のエッチバック処理及び/又はCMP処理する形態の代わりに、図13−2に示すように、フォトレジストを塗布してレジストパターン22を形成して青色パターンを形成する領域をカバーし、その後、第1のストッパー層34が露出するまでエッチングを実施し、引き続きレジストパターン22を除去する形態をとってもよい。エッチング後は赤色パターン14に対し青色パターンに段差が生じるが、再度エッチバック及び/又はCMP処理を実施し、図13−1に示す形態のように平坦化することが可能である。
次に、図14に示すように、支持体上の赤色パターン14、第1のストッパー層34及び青色パターン18が形成された側の面に、第2のストッパー層36を形成し、形成された第2のストッパー層36上にフォトレジストを塗布し、第3の着色層を形成すべき領域、例えば緑色画素を形成する領域20をパターン露光、現像処理により除去し、その後ポストベーク処理を実施して、レジストパターン22を形成する。
なお、図14(a)は、第1のストッパー層34及び第2のストッパー層36が透明膜である場合の平面図を示しているため、上層の第2のストッパー層36を示す白地ではなく、下層の模様(赤色パターン14を示すドット模様、及び、青色パターン18を示す斜線模様)を付している(以降の図においても同じ)。
なお、第2の実施形態では、図14〜16に示すように、赤色画素28上には、第1のストッパー層34及び第2のストッパー層36が積層され、青色画素30上には第2のストッパー層36が積層される。
次に、図17−1に示すように、支持体上の、赤色画素28、青色画素30、第1のストッパー層34、及び第2のストッパー層36が形成された側の面に緑フィルタ材料を塗布し、第3の着色層である緑着色層24を形成する。
その後、第2のストッパー層36が露出するまで削るようにエッチバック処理及び/又はCMP処理を行って、第3の着色パターンである緑色パターン26(すなわち、緑色画素32)を形成する。エッチバック処理及び/又はCMP処理後の状態を図18に示す。
第3の実施形態は、第3の着色パターンが第1の着色パターン及び第2の着色パターンに交差する方向のストライプ状パターンである形態であって、第1〜第3の着色パターンの全てをフォトリソ法により形成する形態である。以下、第3の実施形態について、図1〜図4及び図19〜22を参照して説明する。
なお、図1〜図4及び図19〜22において、(a)は、平面図であり、(b)は、(a)のA−A’線断面図である。また、図19〜22において、(c)は、(a)のB−B’線断面図である。
まず、第1の着色パターン形成工程及び第2の着色パターン形成工程の処理を、前記第1の実施形態と同様にして行う(図1〜図4)。
次に、図19に示すように、支持体上の赤色パターン14及び青色パターン18が形成された側の面に、フォトレジストを塗布し、第1の着色パターン及び/又は第2の着色パターンのうち、第3の着色パターンを形成すべき領域、例えば、緑色画素を形成する領域120を、露光、現像処理により除去し、その後ポストベーク処理を実施してレジストパターン122を形成する。
ここで、第3の着色パターンを形成すべき領域(例えば緑色画素を形成する領域120)及びレジストパターン122は、ストライプ状の赤色パターン14及び青色パターン18の方向に対し、交差する方向の(例えば、直交する方向の)ストライプ状の領域となっている。
次に、図20に示すように、赤色パターン14及び青色パターン18のうち、緑色画素を形成する領域120をドライエッチングにより除去して、赤色画素128及び青色画素130を形成し、その後、レジストパターン122を除去する。
次に、図21に示すように、支持体上の赤色画素128及び青色画素130が形成された側の面に緑フィルタ材料を塗布し、第3の着色層である緑着色層124を形成する。
ここで、密着性の観点より、該緑フィルタ材料の塗布前には、前記加熱処理及び/又は前記密着性向上処理を行うことが好ましい。また、同様の観点より、緑フィルタ材料中には、後述の有機シラン化合物を含有することが好ましい。
形成された緑着色層124のうち、緑色画素を形成する領域120を、露光、現像し、ポストベーク処理を行って、第3の着色パターンである緑色パターン126(すなわち、緑色画素132)を形成する。
図22に示すように、第3の着色パターンである緑色パターン126(すなわち、緑色画素132)は、ストライプ状のパターンとして形成される。
以上により、図22に示すような赤色画素128、青色画素130、及び緑色画素132を有するカラーフィルタアレイが形成される。
第4の実施形態は、第3の着色パターンが第1の着色パターン及び第2の着色パターンに交差する方向のストライプ状パターンである形態であって、第1〜第3の着色パターンの全てをドライエッチングにより(必要に応じ、CMP処理を併用して)形成する形態である。以下、第4の実施形態について、図9〜図13−2、及び図23〜27を参照して説明する。
なお、図9〜13−2及び図23〜27において、(a)は、平面図であり、(b)は、(a)のA−A’線断面図である。また、図23〜27において、(c)は、(a)のB−B’線断面図である。
まず、第1の着色パターン形成工程及び第2の着色パターン形成工程の処理を、前記第2の実施形態と同様にして行う(図9〜図13−2)。
次に、図23に示すように、支持体上の赤色パターン14、第1のストッパー層34及び青色パターン18が形成された側の面に、第2のストッパー層36を形成し、形成された第2のストッパー層36上にフォトレジストを塗布し、第3の着色パターンを形成すべき領域、例えば緑色画素を形成する領域120をパターン露光、現像処理により除去し、その後ポストベーク処理を実施して、レジストパターン122を形成する。
ここで、第3の着色パターンを形成すべき領域(例えば緑色画素を形成する領域120)及びレジストパターン122は、赤色パターン及び青色パターンの方向に対し、交差する方向の(例えば、直交する方向の)ストライプ状の領域となっている。
なお、第4の実施形態でも、図23〜27に示すように、赤色画素128上には、第1のストッパー層34及び第2のストッパー層36が積層され、青色画素130上には第2のストッパー層36が積層される。
次に、図26−1に示すように、支持体上の、赤色画素128、青色画素130、第1のストッパー層34、及び第2のストッパー層36が形成された側の面に緑フィルタ材料を塗布し、第3の着色層である緑着色層124を形成する。
その後、第2のストッパー層36が露出するまで削るようにCMP処理及び/又はエッチバック処理を行って、第3の着色パターンである緑色パターン126(すなわち、緑色画素132)を形成する。CMP処理及び/又はエッチバック処理を施した後の状態を図27に示す。
図27に示すように、第3の着色パターンである緑色パターン126(すなわち、緑色画素132)は、ストライプ状のパターンとして形成される。
このため、断面がより矩形に近い着色パターンを形成できる。また、支持体の法線方向から固体撮像素子の画素単位としてみたときには、第1〜第3の着色画素のいずれについても矩形に近い形状に形成できる。従って、第3の実施形態及び第4の実施形態では、特に微細なパターンを形成できる。
例えば、第3の着色パターンが第1の着色パターン及び第2の着色パターンに平行な方向のストライプ状パターンである配列や、第3の着色パターンが第1の着色パターン及び第2の着色パターンに対して傾斜する方向に並ぶ配列など、あらゆる配列に適用できる。
また、本発明のカラーフィルタの製造方法において、第1〜第3の着色パターンを形成する方法については、前記第1〜第4の実施形態に限定されることはなく、フォトリソ法、ドライエッチング法、及び平坦化法をどのように組み合わせて適用してもよい。例えば、R(赤色)、G(緑色)、及びB(青色)の3色の着色画素を有するカラーフィルタを形成する場合、フォトリソ法、ドライエッチング法、及び平坦化法のうちどの方法をどの色の画素に適用してもよい。
本発明のカラーフィルタの製造方法では、着色パターン除去工程においてドライエッチングを行う。また、着色パターンを前述の「ドライエッチング法」や「エッチバック処理」により行う場合にも、ドライエッチングを行う。
これらのドライエッチングの形態としては、特に限定はなく、公知の形態で行うことができる。
ドライエッチングの代表的な例としては、特開昭59−126506号、特開昭59−46628号、同58−9108号、同58−2809号、同57−148706号、同61−41102号などの公報に記載されているような方法が知られている。
本発明におけるドライエッチングは、パターン断面をより矩形に近く形成する観点や、支持体のダメージをより低減する観点からは、以下の形態で行うことが好ましい。
即ち、フッ素系ガスと酸素ガス(O2)との混合ガスを用い、支持体が露出しない領域(深さ)までエッチングを行う第1段階のエッチングと、前記第1段階のエッチングの後に、窒素ガス(N2)と酸素ガス(O2)との混合ガスを用い、好ましくは支持体が露出する領域(深さ)付近までエッチングを行う第2段階のエッチングと、支持体が露出した後に行うオーバーエッチングと、を含む形態が好ましい。
以下、前記ドライエッチングの好ましい形態における、エッチングの具体的手法、並びに、第1段階のエッチング、第2段階のエッチング、及びオーバーエッチングについて説明する。
前記好ましい形態におけるドライエッチングは、下記手法により事前にエッチング条件の構成を求めて行うことができる。
1. 第1段階のエッチングにおけるエッチングレート(nm/min)と、第2段階のエッチングにおけるエッチングレート(nm/min)と、をそれぞれ算出する。
2. 第1段階のエッチングで所望の厚さをエッチングする時間と、第2段階のエッチングで所望の厚さをエッチングする時間と、をそれぞれ算出する。
3. 上記「2.」で算出したエッチング時間に従って、第1段階のエッチングを実施する。
4. 上記「2.」で算出したエッチング時間に従って、第2段階のエッチングを実施する。または、エンドポイント検出でエッチング時間を決定し、決定したエッチング時間に従って第2段階のエッチングを実施してもよい。
5. 上記「3.」、「4.」の合計時間に対してオーバーエッチング時間を算出して、オーバーエッチングを実施する。
前記第1段階のエッチング工程で用いる混合ガスは、被エッチング膜である有機材料を矩形に加工する観点から、フッ素系ガス及び酸素ガス(O2)を含む。また第1段階のエッチング工程は、支持体が露出しない領域までエッチングする形態とすることにより、支持体のダメージを回避することができる。
前記第1段階のエッチング工程で、前記フッ素系ガスと酸素ガスとの混合ガスにより支持体まで露出しない領域までエッチングを実施した後、支持体のダメージ回避の観点から、窒素ガスと酸素ガスとの混合ガスを用い、第2段階のエッチング工程におけるエッチング処理、及びオーバーエッチング工程におけるエッチング処理をすることができる。
第1段階のエッチング工程におけるエッチング量と、第2段階のエッチング工程におけるエッチング量との比率は、第1段階のエッチング工程におけるエッチング処理による矩形性を損なうことなく決定する必要がある。
全エッチング量(第1段階のエッチング工程におけるエッチング量と第2段階のエッチング工程におけるエッチング量との総和)中の第2段階のエッチング工程におけるエッチング量の比率としては、0%より大きく50%以下である範囲が好ましく、10〜20%がより好ましい。ここでエッチング量とは、被エッチング膜がエッチングされた深さのことである。
本発明のカラーフィルタの製造方法では、平坦化処理としてCMP処理等の研磨処理を行う形態も好適である。
研磨処理に用いるスラリーとしては、粒径10〜100nmのSiO2砥粒を0.5〜20質量%含有させたpH9〜11の水溶液を用いることが好ましい。研磨パッドとしては、連続発砲ウレタン等の軟質タイプを好ましく用いることができる。
前述のスラリー及び研磨パッドを使用して、スラリー流量:100〜250ml/min、ウエハ圧:0.2〜5.0psi、リテーナーリング圧:1.0〜2.5psiの条件により研磨することができる。
研磨が終了した後、精密洗浄を行い、脱水ベーク(好ましくは、100〜200℃で1〜5分間)を行い終了することができる。
本発明における支持体としては、カラーフィルタに用いられるものであれば特に制限はないが、例えば、液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板、酸化膜、窒化シリコン等が挙げられる。また、これら支持体と着色パターンとの間には本発明を損なわない限り中間層などを設けても良い。
本発明における第1〜第3の着色パターン(第1〜第3の着色層)は、着色剤を含有する着色硬化性組成物によって形成されることが好ましい。前記着色硬化性組成物としては、着色光硬化性組成物と非感光性の着色熱硬化性組成物とを挙げることができる。
前記第1〜第3の着色パターンは、本発明におけるカラーフィルタの着色画素の少なくとも1種を構成することができる。
また、前記第1〜第3の着色パターンは、フォトリソ法で形成する場合には、着色光硬化性組成物を用いるが、ドライエッチングにより形成する場合は、光硬化性成分を含有しない非感光性の着色熱硬化性組成物を用いることができる。このためドライエッチングにより形成する場合は、組成物中の着色剤の濃度を上げることができ、より薄膜でカラーフィルタの分光特性を得ることができる。
前記着色光硬化性組成物は、着色剤、光硬化性成分を少なくとも含むものである。この内「光硬化性成分」としては、フォトリソ法に通常用いられる光硬化性組成物であり、バインダー樹脂(アルカリ可溶性樹脂等)、感光性重合成分(光重合性モノマー等)、光重合開始剤等を少なくとも含む組成物を用いることができる。
着色光硬化性組成物については、例えば特開2005−326453号公報の段落番号0017〜0064に記載の事項をそのまま適用することができる。
特に、着色光硬化性組成物を支持体上に塗布する前に、該支持体表面にドライエッチング処理が施されている場合において、着色光硬化性組成物中に有機シラン化合物を含有することがより好ましい。このように構成することで、着色層(着色パターン)と支持体との密着性をより向上させることができ、現像時の着色層(着色パターン)の剥がれをより効果的に抑制できる。これにより、例えば、ドライエッチング処理により支持体表面が親水性となった場合(例えば、支持体表面と水との接触角が40°未満となった場合)であっても、密着性向上のためのオーバー露光をする(露光量を上げる)必要はなく、正確なパターン寸法と密着性向上とをより効果的に両立できる。このため着色パターンのサイズが小さいときに特に有効である。
支持体に密着性向上処理を施し、着色光硬化性組成物を塗布する場合には、有機シラン化合物の含有量は、該着色光硬化性組成物の全固形分に対し、0.05〜1.2質量%が好ましく、0.1〜1.2質量%がより好ましく、0.2〜1.1質量%が特に好ましい。
一方、支持体に密着性向上処理を施すことなく、着色光硬化性組成物を塗布する場合には、有機シラン化合物の含有量は、該着色光硬化性組成物の全固形分に対し、0.3〜1.2質量%が好ましく、0.4〜1.2質量%がより好ましく、0.5〜1.1質量%が特に好ましい。
特定有機シラン化合物の含有量が上述の範囲内であると、着色光硬化性組成物の保存安定性や、現像除去しようとする領域での現像残渣を悪化させることなく、支持体表面と着色パターンとの密着性を更に向上させることができる。
この形態によれば、第3の着色パターンの剥がれをより効果的に抑制できる。
この形態によれば、第2の着色パターンの剥がれをより効果的に抑制できる。
中でも、以下に示す一般式(I)で表される有機シラン化合物(以下、「特定有機シラン化合物」ということがある。)が好ましい。
本発明における着色光硬化性組成物は、下記一般式(I)で表される有機シラン化合物(特定有機シラン化合物)の少なくとも一種を含有することが好ましい。この特定有機シラン化合物を含有することで、支持体との間の密着性を更に向上させることができる。しかも、着色光硬化性組成物が未露光状態のときには、現像良好であり、現像残渣を抑えることができる。
また、nは1〜3の整数を表し、安定性と密着性の観点から、好ましくは2〜3である。
R1及びR2は各々独立に炭化水素基を表し、一般式(I)のR1及びR2と同義であり、R1、R2で表される炭化水素基の詳細及びその好ましい態様については、一般式(I)における場合と同様である。
また、nは1〜3の整数を表し、安定性と密着性の観点から、好ましくは2〜3である。
1価の有機基L’に含まれる「親水性部位」とは、水に代表される高極性物質との親和性が高い有極性の原子団を表し、例えば酸素、窒素、硫黄、リンなどの原子を含む。このような親水性部位として、水に代表される高極性物質との双極子−双極子相互作用、双極子−イオン相互作用、イオン結合、水素結合等が可能な部位が挙げられる。
R3で表される2価の炭化水素基の詳細については後述する。
nは1〜3の整数を表し、安定性と密着性の観点から、好ましくは2〜3である。
R4〜R7で表される2価の炭化水素基の詳細については後述する。
pは0〜20の整数を表し、rは0〜3の整数を表す。nは1〜3の整数を表す。
また、この2価の炭化水素基に導入可能な置換基としては、例えば、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基、ヘテロ環オキシ基、親水性基が挙げられ、中でも、炭素数1〜12の脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、塩素原子、シアノ基、親水性基が好ましい。
炭素数1〜12の脂肪族基の好ましい例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基などが挙げられ、中でもメチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。
芳香族基の例としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセン基が挙げられ、フェニル基が好ましい。
ヘテロ環基の例としては、モルホリノ基、テトラヒドロフルフリル基、ピロリル基、フリル基、チオフェニル基、ベンゾピロリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ピラゾリル基、イソキサゾリル基、イソチアゾリル基、インダゾリル基、ベンゾイソキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ピリジル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、アクリジニル基、フェナンスリジニル基、フタラジニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、プリニル基、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基が挙げられ、モルホリノ基、テトラヒドロフルフリル基、ピリジル基が好ましい。
親水性基の例としては、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボニル基、チオカルボニル基、メルカプト基、カルバモイル基、カルバモイルオキシ基、カルバモイルアミノ基などが挙げられ、ヒドロキシ基、カルボニル基、アミノ基が好ましい。
前記一般式(IV)中のR4〜R7で表される「2価の炭化水素基」は、好ましくは炭素数1〜5のメチレン鎖、又は置換基を有していてもよく鎖中に酸素原子を含んでもよいメチレン鎖であり(より好ましくは、炭素数3のメチレン鎖)である。
また、前記一般式(IV)で表される化合物のうち、好ましくは、R11、R12がメチル基又はエチル基であって、R4、R5が炭素数1〜5のメチレン鎖(より好ましくは、炭素数2のメチレン鎖)であって、R6、R7が炭素数1〜5のメチレン鎖(より好ましくは、炭素数3のメチレン鎖)であって、X’がアミノ基であって、Y、Y’、Zがアミノ基であって、pが0であって、qが1であって、rが0であって、nが2〜3(より好ましくは2)である場合がより好ましい。
前記一般式(I)で表される有機シラン化合物としては、例えば、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビスアリルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、フェニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
前記非感光性の着色熱硬化性組成物は、着色剤と、熱硬化性化合物と、を含み、全固形分中の前記着色剤濃度が50質量%以上100質量%未満であることが好ましい。着色剤濃度を高めることにより、より薄膜のカラーフィルタを形成することができる。
本発明に用いることができる着色剤は、特に限定されず、従来公知の種々の染料や顔料を1種又は2種以上混合して用いることができる。
C.I.ピグメント・オレンジ36,71;
C.I.ピグメント・レッド122,150,171,175,177,209,224,242,254,255,264;
C.I.ピグメント・バイオレット19,23,32;
C.I.ピグメント・ブルー15:1,15:3,15:6,16,22,60,66;
C.I.ピグメント・ブラック1
本発明における着色熱硬化性組成物の全固形分中の着色剤含有率は特に限定されるものではないが、好ましくは30〜60質量%である。30質量%以上とすることでカラーフィルタとして適度な色度を得ることができる。また、60質量%以下とすることで光硬化を充分に進めることができ、膜としての強度低下を抑制することができる。
本発明に使用可能な熱硬化性化合物としては、加熱により膜硬化を行えるものであれば特に限定はなく、例えば、熱硬化性官能基を有する化合物を用いることができる。前記熱硬化性化合物としては、例えば、エポキシ基、メチロール基、アルコキシメチル基およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの基を有するものが好ましい。
本発明における着色熱硬化性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、各種添加物、例えば、バインダー、硬化剤、硬化触媒、溶剤、充填剤、前記以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、分散剤、等を配合することができる。
前記バインダーは、顔料分散液調製時に添加する場合が多く、アルカリ可溶性を必要とせず、有機溶剤に可溶であればよい。
これらのバインダー中に前記着色剤を高濃度に分散させることで、下層等との密着性を付与でき、これらはスピンコート、スリットコート時の塗布面状にも寄与している。
本発明において、熱硬化性化合物として、エポキシ樹脂を使用する場合、硬化剤を添加することが好ましい。エポキシ樹脂の硬化剤は種類が非常に多く、性質、樹脂と硬化剤の混合物との可使時間、粘度、硬化温度、硬化時間、発熱などが使用する硬化剤の種類によって非常に異なるため、硬化剤の使用目的、使用条件、作業条件などによって適当な硬化剤を選ばねばならない。前記硬化剤に関しては垣内弘編「エポキシ樹脂(昇晃堂)」第5章に詳しく解説されている。前記硬化剤の例を挙げると以下のようになる。
触媒的に作用するものとしては、第三アミン類、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、エポキシ樹脂の官能基と化学量論的に反応するものとして、ポリアミン、酸無水物等;また、常温硬化のものとして、ジエチレントリアミン、ポリアミド樹脂、中温硬化のものの例としてジエチルアミノプロピルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール;高温硬化の例として、無水フタル酸、メタフェニレンジアミン等がある。また化学構造別に見るとアミン類では、脂肪族ポリアミンとしてはジエチレントリアミン;芳香族ポリアミンとしてはメタフェニレンジアミン;第三アミンとしてはトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール;酸無水物としては無水フタル酸、ポリアミド樹脂、ポリスルフィド樹脂、三フッ化ホウ素−モノエチルアミンコンプレックス;合成樹脂初期縮合物としてはフェノール樹脂、その他ジシアンジアミド等が挙げられる。
本発明において高い着色剤濃度を実現するためには、前記硬化剤との反応による硬化の他、主としてエポキシ基同士の反応による硬化が有効である。このため、硬化剤は用いず、硬化触媒を使用することもできる。前記硬化触媒の添加量としてはエポキシ当量が150〜200程度のエポキシ樹脂に対して、質量基準で1/10〜1/1000程度、好ましくは1/20〜1/500程度さらに好ましくは1/30〜1/250程度のわずかな量で硬化させることが可能である。
本発明における着色熱硬化性組成物は各種溶剤に溶解された溶液として用いることができる。本発明における着色熱硬化性組成物に用いられるそれぞれの溶剤は、各成分の溶解性や着色熱硬化性組成物の塗布性を満足すれば基本的に特に限定されない
また、前記分散剤は顔料の分散性を向上させるために添加することができる。前記分散剤としては、公知のものを適宜選定して用いることができ、例えば、カチオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、高分子分散剤等が挙げられる。
これらの分散剤としては、多くの種類の化合物が用いられるが、例えば、フタロシアニン誘導体(市販品EFKA−745(エフカ社製))、ソルスパース5000(日本ルーブリゾール社製);オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社油脂化学工業(株)製)、W001(裕商(株)製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(裕商(株)製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(以上森下産業(株)製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ(株)製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(日本ルーブリゾール社製);アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P−123(旭電化(株)製)およびイソネットS−20(三洋化成(株)製)が挙げられる
本発明における非感光性の着色硬化性組成物には、必要に応じて各種添加剤を更に添加することができる。各種添加物の具体例としては、例えば、上記の着色光硬化性組成物において説明した有機シラン化合物等を挙げることができる。有機シラン化合物の好ましい範囲も着色光硬化性組成物の場合と同様である。
前述のとおり、「ドライエッチング法」により第1〜第3の着色パターンを形成する場合には、フォトレジストを用いてレジストパターンを形成する。また、着色パターン除去工程においても、フォトレジストを用いてレジストパターンを形成することが好ましい。
前記第1〜第2のストッパー層は、前述の通り、硬化性組成物を用いて形成されることが好ましい。
前記硬化性組成物としては、熱によって硬化可能な高分子化合物を含む組成物を好ましく用いることができる。前記高分子化合物としては、例えば、ポリシロキサン系高分子及びポリスチレン系高分子を好ましいものとして挙げることができる。中でも、スピン・オン・グラス(SOG)材料として知られている材料、又はポリスチレン誘導体若しくはポリヒドロキシスチレン誘導体を主成分とする熱硬化性組成物をより好ましいものとして挙げることができる。
(C+O+H)/(C−O)=(33+6+25)/(33−6)=2.37
例2.ポリヒドロスチレン誘導体
(C+O+H)/(C−O)=(8+1+8)/(8−1)=2.42
中でも、着色画素の寸法が2.5μm以下の固体撮像素子に用いることがより好適であり、着色画素の寸法が2.0μm以下の固体撮像素子に用いることが特に好適である。
本発明の固体撮像素子は既述の本発明のカラーフィルタを備えて構成される。
本発明の固体撮像素子は、着色画素の矩形性に優れた本発明のカラーフィルタが備えられているため、色再現性に優れる。
本発明の固体撮像素子の構成としては、本発明のカラーフィルタが備えられた構成であり、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、以下のような構成が挙げられる。
支持体上に、固体撮像素子(CCDイメージセンサー、CMOSイメージセンサー、等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオード及びポリシリコン等からなる転送電極を有し、前記フォトダイオード及び前記転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口したタングステン等からなる遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面及びフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、前記デバイス保護膜上に、本発明のカラーフィルタを有する構成である。
更に、前記デバイス保護層上であってカラーフィルタの下(支持体に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、カラーフィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。
また、以下の各工程において、市販の処理液を用いた処理を行う場合、特記しない限り各処理液の製造メーカー指定の方法に従って処理を行った。
第3の着色パターンが市松模様状に配列されたベイヤー配列の場合の形態であって、第1〜第3の着色パターンの全てをフォトリソ法により形成する形態(第1の実施形態)にて、カラーフィルタを作製した。詳細な作製方法を以下に示す。
<第1の着色パターン形成工程>
シリコン基板上にスピンコーターにて、赤色(R)の光硬化性組成物「SR−5000L」(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)を膜厚0.8μmの塗布膜となるように塗布した後、ホットプレートを使用し、塗布膜の温度又は雰囲気温度が100℃となる温度で2分間のプリベーク処理を行って第1の着色層であるR着色層を得た。
ここで、Rパターンはストライプパターンとして形成した。RパターンのLINE&SPACEのサイズは、LINE1.5μm、SPACE1.5μmであり、ポストベーク後の膜厚は0.7μmであった。
なお、本実施例中において、「LINE」とはパターンの線幅を指し、「SPACE」とは2本のパターンによって挟まれた、パターンが形成されていない領域の幅を指す(以下同じ)。
次に、前記シリコン基板上のRパターンが形成された側の面に、青色(B)の光硬化性組成物「SB−5000L」(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)を膜厚0.7μmの塗布膜となるように塗布した後、ホットプレートを使用し、塗布膜の温度又は雰囲気温度が100℃となる温度で2分間のプリベーク処理を行って第2の着色層であるB着色層を得た。
ここで、Bパターンは、Rパターンと平行なストライプパターンとして、Rパターンが形成されていない領域に形成した。BパターンのLINE&SPACEのサイズは、LINE1.5μm、SPACE1.5μmであり、ポストベーク後の膜厚は0.7μmであった。
また、RパターンとBパターンとは、隣り合うパターンが互いに面で接するように形成した。Rパターン及びBパターンの表面は、平坦であった。即ち、Rパターン上面とBパターン上面は、シリコン基板に対し同じ高さであった。
次に、以下の条件でドライエッチング処理を行って、Rパターン及びBパターンの、Gパターン(G画素)を形成しようとする領域を除去した。
まず、ドライエッチング装置(日立ハイテクノロジーズ社製、U−621)にて、RFパワー:800W、アンテナバイアス:400W、ウエハバイアス:200W、チャンバーの内部圧力:4.0Pa、基板温度:50℃、混合ガスのガス種及び流量をCF4:80mL/min.、O2:40mL/min.、Ar:800mL/min.とし、90秒の第1段階のドライエッチング処理を実施した。
前記第1段階のドライエッチング処理の条件における、Bパターンの削れ量は525nmであり、Rパターンの削れ量は635nmであり、第1のエッチングではBパターン、Rパターンそれぞれ75%、91%のエッチング量となった。支持体上にはそれぞれ175nm、65nmの残膜がある状態である。
前記第2段階のドライエッチング処理の条件における、Bパターンのエッチングレート及びRパターンのエッチングレートは、いずれも600nm/min以上であって、Bパターン、Rパターンの残膜をエッチングするには約10秒〜20秒の時間を要した。第1のエッチング時間の90秒と第2のエッチング時間20秒を加算したものをエッチング時間と算出した。その結果、エッチング時間:90+20=110秒、オーバーエッチング時間:110×0.2=22秒となり、全エッチング時間は110+22=132秒と設定した。
次に、前記シリコン基板上のR画素及びB画素が形成された側の面に、Gパターンとなる光硬化性組成物「SG−5000L」(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)を膜厚0.6μmの塗布膜となるように塗布した後、ホットプレートを使用し、該塗布膜が100℃となる温度で2分間のプリベーク処理を行って、第3の着色層であるG着色層を得た。
Gパターン(G画素)は、先述のエッチングにより加工された領域に埋め込む形で市松状に形成され、1.5μm角の正方形に形成された。G画素の配列は市松状であった。
また、基板表面はフラットな状態となって形成できた。即ち、R画素上面、B画素上面、及びG画素上面は、いずれもシリコン基板に対し同じ高さであった。
得られたカラーフィルタアレイにおいては、各着色画素(R画素、G画素、及びB画素)の隅が集合する領域における、着色画素が形成されない領域の発生は抑制され、着色画素同士の境界線付近における、着色画素の膜厚が薄い箇所の発生も抑制されていた。
この結果は、上記のカラーフィルタの製造方法を用いることで、パターン形成限界が向上し、より微細なパターンの形成が可能となることを示す。
第3の着色パターンが市松模様状に配列されたベイヤー配列の場合の形態であって、第1〜第3の着色パターンの全てをドライエッチングにより形成する形態(第2の実施形態)にて、カラーフィルタを作製した。詳細な作製方法を以下に示す。
シリコン基板上にスピンコーターにて、赤色の光硬化性組成物「SR−5000L」(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)を膜厚0.8μmの塗布膜となるように塗布した後、ホットプレートを使用して、220℃で5分間の加熱を行い、塗布膜の硬化を行って第1の着色層であるR着色層を形成した。SR−5000Lにより形成されたR着色層の膜厚は0.65μmであった。
ここで、レジストパターンはストライプパターンとし、該ストライプパターンにおけるLINE&SPACEのサイズは、エッチング変換差(エッチングによるパターン幅の縮小)を考慮して、LINE:1.6μm、SPACE:1.4μmで形成した。
まず、ドライエッチング装置(日立ハイテクノロジーズ社製、U−621)にて、RFパワー:800W、アンテナバイアス:400W、ウエハバイアス:200W、チャンバーの内部圧力:4.0Pa、基板温度:50℃、混合ガスのガス種及び流量をCF4:80mL/min.、O2:40mL/min.、Ar:800mL/min.とし、90秒の第1のエッチング処理を実施した。
このエッチング条件でのR着色層の削れ量は635nmであり、第1のエッチングでの削れ量は91%のエッチング量となり、薄膜透明膜1のエッチング時間:約3秒が必要であったため、約68nmの残膜がある状態であった。
第2のエッチング条件でのR着色層のエッチングレートは600nm/min以上であって、R着色層の残膜をエッチングするには約10秒の時間を要した。第1のエッチング時間の90秒と第2のエッチング時間10秒を加算したものをエッチング時間と算出した。その結果、エッチング時間:90+10=100秒、オーバーエッチング時間:100×0.2=20秒となり、全エッチング時間は100+20=120秒と設定した。
ここで、Rパターンはストライプパターンとして形成された。LINE&SPACEのサイズは、LINE1.5μm、SPACE1.5μmであった。
次に、前記シリコン基板上の薄膜透明膜1及びRパターンが形成された側の面に、スピンコーターにて、青色の光硬化性組成物「SB−5000L」(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)を膜厚0.7μmの塗布膜となるように塗布した後、ホットプレートを使用して、220℃で5分間の加熱を行い、塗布膜の硬化を行なって、第2の着色層であるB着色層を形成した。
第2のエッチング条件でのB着色層のエッチングレートは150nm/min以上であって、Rパターン上の薄膜透明膜1のさらに上のB着色層は500nmの膜厚で形成されていたため、B着色層を除去し、Rパターン上の透明膜1を露出させるのに200秒の時間を要する計算となった。これに10秒間のオーバーエッチングを加算してエッチング時間とした。その結果、エッチング時間:200秒、オーバーエッチング時間:10秒となり、全エッチング時間は200+10=210秒と設定した。
上記の条件で全面エッチングを実施し、第2の着色パターンであるBパターンを得た。
得られたBパターンは、シリコン基板上のRパターン間に挟まれた凹部に埋め込まれるように形成された。従って、RパターンとBパターンとは、隣り合うパターンが面で接するように形成された。
また、Rパターン上の薄膜透明膜1上面とBパターン上面は、シリコン基板に対し同じ高さであった。
次に、前記シリコン基板上の、Rパターン、薄膜透明膜1、及びBパターンが形成された側の面に、熱硬化性組成物「1TS−54S−300A」(ラサ工業株式会社製)を、膜厚が30nmとなるようにスピンコーターで塗布し、220℃で5分の加熱処理を行って硬化させて、薄膜透明膜1及びBパターン上に、第2のストッパー層である薄膜透明膜2を形成した。
続いて、第1段階のエッチング時間を95秒に、第2段階のエッチング時間を20秒に、オーバーエッチング時間を23秒に、それぞれ変更することにより、総エッチング時間を138秒に変更した以外は実施例1の着色パターン除去工程と同様の条件でドライエッチング処理を実施して、薄膜透明膜1、薄膜透明膜2、Rパターン、及びBパターンのうち、Gパターン(G画素)を形成する領域をドライエッチングにより除去した。
次に、前記シリコン基板上のR画素、B画素、薄膜透明膜1、及び薄膜透明膜2が形成された側の面に、Gパターンとなる光硬化性組成物「SG−5000L」(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)を膜厚0.6μmの塗布膜となるように塗布した後、ホットプレートを使用し、220℃となる温度で5分間の加熱処理を行って、第3の着色層としてG着色層を得た。このときの薄膜透明膜2上のG着色層の膜厚は500nmであった。
このときのG着色層のエッチングレートは150nm/min以上であって、薄膜透明膜1及び薄膜透明膜2を露出させるには200秒の時間を要する計算となった。これに10秒間のオーバーエッチングを加算してエッチング時間とした。その結果、エッチング時間:200秒、オーバーエッチング時間:10秒となり、全エッチング時間は200+10=210秒と設定した。
Gパターン(G画素)は、先述のエッチングにより加工された領域に埋め込む形で市松状に形成され、1.5μm角の正方形に形成された。G画素の配列は市松状であった。
また、基板表面はフラットな状態となって形成できた。即ち、R画素上の薄膜透明膜2上面、B画素上の薄膜透明膜2上面、及びG画素上面は、いずれもシリコン基板に対し同じ高さであった。
得られたカラーフィルタアレイにおいては、各着色画素(R画素、G画素、及びB画素)の隅が集合する領域における、着色画素が形成されない領域の発生は抑制され、着色画素同士の境界線付近における、着色画素の膜厚が薄い箇所の発生も抑制されていた。
この結果は、上記のカラーフィルタの製造方法を用いることで、パターン形成限界が向上し、より微細なパターンの形成が可能となることを示す。
この結果、パターン形成性を向上させることができ、特に、フォトリソ法により着色パターンを形成する場合のパターン形成限界を向上させることができ、より微細なパターンの形成が可能となる。
<着色光硬化性組成物の調製>
まず、以下のようにして、Gパターンとなる着色光硬化性組成物P1を調製した。
(顔料分散液の調製)
顔料として、C.I.ピグメントグリーン36とC.Iピグメントグリーン7とC.I.ピグメントイエロー139とを80/20/35(質量比)の割合で混合した混合物15部、分散剤としてBYK2001(Disperbyk:ビックケミー(BYK)社製、固形分濃度45.0%)10部(固形分換算約4.5部)、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(モル比:70/30)共重合体5.5部、及び溶媒としてシクロヘキサノン69.5部を混合した混合液を、ビーズミルにより15時間混合、分散して、顔料分散液(P1)を調製した。
顔料分散液(P1)について、顔料の平均粒子径をマイクロトラック ナノトラクUPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により測定したところ、200nmであった。
上記の顔料分散液P1を用い、下記組成中の各成分を混合、撹拌して着色光硬化性組成物P1の溶液を調製した。着色光硬化性組成物P1の全固形分中における特定有機シラン化合物の含有量は、0.6質量%であった。
〜組成〜
・前記顔料分散液(P1) … 65部
・前記例示化合物(103)〔特定有機シラン化合物〕 … 0.15部
・オクタンジオン−O−ベンゾイルオキシム〔光重合開始剤〕 … 1.5部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔光重合性モノマー〕 … 6部
・アルカリ可溶性樹脂(バインダーポリマー) … 2部
〔ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(モル比:70/30)共重合体、Mw:30000〕
・PGMEA(溶媒) …25.35部
実施例1中、前記第3の着色パターン形成工程の前までは実施例1と同様にして、R画素及びB画素付きシリコン基板を得た。
即ち、この基板は、ストライプ状のRパターン及びBパターンのうち、Gパターン(G画素)を形成する領域がドライエッチングにより除去され、更に、フォトレジスト除去及び加熱処理が施された状態である。
上記加熱処理後のR画素及びB画素付きシリコン基板のR画素及びB画素側表面に、密着性向上処理として、減圧密着処理装置LPAH(スピン塗布用塗布装置SK−60BWに内蔵)(大日本スクリーン(株)製)を用いて下記条件で、HMDS(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製;ヘキサメチルジシラザン)を蒸気蒸着した。
その後、Si基板のHMDSを蒸着した側に、スピン塗布用塗布装置SK−60BW(大日本スクリーン(株)製)を用いて下記条件で、Gパターンとなる着色硬化性組成物P1の溶液をスピン塗布した後、100℃で120秒間のプリベーク(prebake)を施して第3の着色層であるG着色層を形成した。
・基板温度…110℃
・蒸着時間…45秒
〜スピン塗布条件〜
・滴下量…2g
・塗布速度…1000r.p.m.
・塗布厚(乾燥厚)…1.0μm
・塗布温度…23℃
上記より形成されたG着色層に対し、後述の方法で求めた最適露光量Eoptにてパターン露光を行った以外は実施例1の第3の着色パターン形成工程と同様の条件で、パターン露光、現像処理、リンス処理、乾燥処理、ポストベーク処理をこの順に施し、Gパターン(G画素)を形成しようとする所望のパターン領域に、第3の着色パターンであるGパターン(G画素)を形成した。
Gパターン(G画素)は、先述のエッチングにより加工された領域(RパターンとBパターンのうち、Gパターン(G画素)を形成する領域としてドライエッチングにより除去された領域)に埋め込む形で市松状に形成され、1.5μm角の正方形に形成された。G画素の配列は市松状であった。
また、基板表面はフラットな状態となって形成できた。即ち、R画素上面、B画素上面、及びG画素上面は、いずれもシリコン基板に対し同じ高さであった。
得られたカラーフィルタアレイにおいては、各着色画素(R画素、G画素、及びB画素)の隅が集合する領域における、着色画素が形成されない領域の発生は抑制され、着色画素同士の境界線付近における、着色画素の膜厚が薄い箇所の発生も抑制されていた。
この結果は、上記のカラーフィルタの製造方法を用いることで、パターン形成限界が向上し、より微細なパターンの形成が可能となることを示す。
(着色光硬化性組成物の保存安定性)
上記で調製した着色光硬化性組成物P1の溶液の保存安定性について、室温で1ヶ月保存する前と保存後の粘度をそれぞれE型粘度計(東機産業(株)製)を用いて測定し、下記判定基準にしたがって評価した。評価結果は下記表1に示す。
〜判定基準〜
A:粘度上昇は認められなかった。
B:5%以上10%未満の粘度上昇が認められた(実用上許容範囲内)。
C:10%以上20%未満の粘度上昇が認められた(実用上許容範囲内)。
D:粘度上昇が20%以上であり、実用上の許容範囲を超えていた。
接触角測定用基板としてシリコン基板を用意し、該シリコン基板に上記密着性向上処理を施し、Drop Master 500(協和界面科学(株)製)にて、該シリコン基板に対する水の接触角を測定した。測定結果を表1に示す。
上記G着色層のパターン露光において、10mJ/cm2刻みで露光量を変化させて露光を行い、各露光量におけるパターン幅をそれぞれ測長SEMにて測定した。該パターン幅が設計値である1.5μmとなる露光量を最適露光量Eoptとした。測定結果を表1に示す。
上記G着色層のパターン露光において、10mJ/cm2刻みで露光量を変化させて露光を行い、各露光量におけるパターンの剥がれをそれぞれ光学顕微鏡で観察した。パターンの剥がれが生じない最小の露光量を密着露光量とした。測定結果を表1に示す。
最適露光量Eoptから密着露光量を差し引いた値としてアンダー露光マージンを見積もることにより、密着性評価を行った。アンダー露光マージンが広い程、密着性に優れることを示す。評価結果を表1に示す。
A:アンダー露光マージンが充分に広く、密着性が非常に良い。
B:アンダー露光マージンがあり、密着性が良い。
C:アンダー露光マージンが狭いが実用上許容範囲内である。。
D:密着露光量が最適露光量Eoptを超えてしまっているが、マスクバイアス等を用いることにより、実用上許容範囲内である。
E:密着性が非常に悪く、マスクバイアス等の手段によっても実用上の許容範囲を超えている。
実施例3において、特定有機シラン化合物の種類及びその含有量を表1に示すように変更した以外は実施例3と同様にしてカラーフィルタを作製し、実施例3と同様にして評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例7において、密着性向上処理として、HMDS蒸気蒸着の代わりに下記条件でプラズマによるフッ化処理を行った以外は実施例7と同様にしてカラーフィルタを作製し、実施例7と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
ドライエッチング装置(日立ハイテクノロジーズ社製、U−621)にて、RFパワー:800W、アンテナバイアス:400W、ウエハバイアス:200W、チャンバー内部圧力2.0Pa、基板温度50℃、ガス種及び流量を、Ar:800mL/min、CF4:200mL/min、の条件でプラズマ処理を5秒間行った。
実施例3において、密着性向上処理として、HMDS蒸気蒸着の代わりに、実施例11と同様の条件でプラズマによるフッ化処理を行った以外は実施例3と同様にしてカラーフィルタを作製し、実施例3と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例10において、密着性向上処理として、HMDS蒸気蒸着の代わりに、実施例11と同様の条件でプラズマによるフッ化処理を行った以外は実施例10と同様にしてカラーフィルタを作製し、実施例10と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例11において、着色光硬化性組成物中に例示化合物(103)を加えなかった以外は実施例11と同様にしてカラーフィルタを作製し、実施例11と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例3において、例示化合物(103)の含有量を表1に示す量に変更し、かつ、密着性向上処理を行わなかった以外は実施例3と同様にしてカラーフィルタを作製し、実施例3と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例15において、例示化合物(103)の含有量を表1に示す量に変更した以外は実施例15と同様にしてカラーフィルタを作製し、実施例15と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例15において、着色光硬化性組成物中に例示化合物(103)を加えなかった以外は実施例15と同様にしてカラーフィルタを作製し、実施例15と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
以上、実施例1の第3の着色パターンの形成工程を変更した実施例3〜18について説明したが、実施例2の第3の着色パターンの形成工程を同様に変更しても同様の結果が得られることはもちろんである。
第3の着色パターンが第1の着色パターン及び第2の着色パターンに交差する方向のストライプ状パターンである形態であって、第1〜第3の着色パターンの全てをフォトリソ法により形成する形態(第3の実施形態)にて、カラーフィルタを作製した。詳細な作製方法を以下に示す。
まず、フォトマスクの変更により、RパターンのLINE&SPACEのサイズを、LINE1.0μm、SPACE1.0μmとし、かつ、BパターンのLINE&SPACEのサイズを、LINE1.0μm、SPACE1.0μmとした以外は実施例1と同様の条件でストライプ状のRパターン及びGパターンを形成した。
次に、パターン露光の領域(即ち、フォトマスクのパターン)を変えてレジストパターンを形成した以外は実施例1と同様にしてレジストパターン形成完了までの処理を行った。
前記レジストパターンは、Rパターン及びBパターンのストライプの方向と直交する方向のストライプ状のパターン(LINE1.0μm、SPACE1.0μmのLINE&SPACEパターン)として形成された。
即ち、形成されたレジストパターンにおいて、Gパターン(G画素)を形成しようとする領域は、幅1.0μmのRパターン及び幅1.0μmのBパターンとに交差する方向のストライプ状の開口領域(開口幅1.0μm)として形成された。
次に、実施例1と同様の条件で、RパターンとBパターンのうち、Gパターン(G画素)を形成しようとする領域(ストライプ状の開口領域)をドライエッチングにより除去してR画素及びB画素を得た後、実施例1と同様の条件で、フォトレジストを除去した。
次に、実施例1と同様の条件でG着色層を形成した。
次に、パターン露光の領域(即ち、フォトマスクのパターン)を変えた以外は実施例1と同様の条件でパターン露光、現像処理、乾燥処理、及びポストベーク処理を行い、Gパターン(G画素)を形成しようとするストライプ状の開口領域に、第3の着色パターンであるGパターン(G画素)をストライプ状に形成した。
Gパターン(G画素)は、先述のエッチングにより加工されたストライプ状の開口領域に埋め込む形でストライプ状に形成された。Gパターン(G画素)の幅は1.0μmであった。
また、基板表面はフラットな状態となって形成できた。即ち、R画素上面、B画素上面、及びG画素上面は、いずれもシリコン基板に対し同じ高さであった。
得られたカラーフィルタアレイにおいては、各着色画素(R画素、G画素、及びB画素)の隅が集合する領域における、着色画素が形成されない領域の発生は抑制され、着色画素同士の境界線付近における、着色画素の膜厚が薄い箇所の発生も抑制されていた。
この結果は、上記のカラーフィルタの製造方法を用いることで、パターン形成限界が向上し、より微細なパターンの形成が可能となることを示す。
第3の着色パターンが第1の着色パターン及び第2の着色パターンに交差する方向のストライプ状パターンである形態であって、第1〜第3の着色パターンの全てをドライエッチング及びCMP処理にて形成する形態(第4の実施形態)にてカラーフィルタを作製した。詳細な作製方法を以下に示す。
−顔料分散液の調製−
緑色(G)、青色(B)、赤色(R)の各色についてそれぞれ下記表2に示す各素材(溶剤以外の成分)をそれぞれニーダーで均一に混練した後に、混練物を二本ロールで乾式分散処理(混練分散処理)した。
次いで、乾式分散処理を施された分散物に、溶剤成分として表2に記載の量のプロピレングリコールモノメチルエチルアセテートを加えた。その後、ホモジナイザーにて2000rpmで30分間攪拌処理し、顔料が均一に分散した、緑色(G)、青色(B)、赤色(R)の各色の分散組成物を調製した。得られた分散組成物を、0.3mmジルコニアビーズを用いたビーズ分散機(商品名:ディスパーマット、GETZMANN社製)にて微分散処理を施した。
なお、顔料の粒子径の測定は、日機装(株)製のMICROTRAC UPA 150を用い、各着色樹脂組成物をプロピレングリコールモノメチルエチルアセテートで希釈したものをサンプルとして測定した。
得られた各色の顔料分散液について、顔料分散液(1)に対しては20質量部、顔料分散液(2)に対しては6質量部、顔料分散液(3)に対しては8質量部の多官能エポキシ樹脂「EHPE−3150」(ダイセル化学(株)製)を添加した。さらに、各顔料分散液に、硬化触媒として四国化成(株)製の「1B2PZ」を前記多官能エポキシ樹脂の1/50(質量)となるように添加した。溶解確認後、本組成物中の固形分が15質量%になるように、プロピレングリコールモノメチルエチルアセテートでピグメントショックが起こらないように注意しながら希釈した。前記手順により、顔料分散液(1)は72.0質量%、顔料分散液(2)は71.0質量%、顔料分散液(3)は75.1質量%といった高い顔料濃度の3色の着色熱硬化性組成物R,G,Bを調製した。
<第1の着色パターン形成工程>
まず、赤色の光硬化性組成物「SR−5000L」に変えて上記で調整した着色熱硬化性組成物Rを用いた以外は実施例2と同様にしてR着色層を形成した。熱硬化後の膜厚は0.4μmであった。
ここで、Rパターンはストライプパターンとして形成された。LINE&SPACEのサイズは、LINE1.0μm、SPACE1.0μmであった。
次に、青色の光硬化性組成物「SB−5000L」に変えて上記で調整した着色熱硬化性組成物Bを用いた以外は実施例2と同様にしてB着色層を形成した。熱硬化後の膜厚は0.7μmであった。
次に、パターン露光の領域(即ち、フォトマスクのパターン)を変えてレジストパターン(着色パターン除去工程におけるドライエッチングのエッチングマスクとなるレジストパターン)を形成した以外は実施例2と同様にしてレジストパターン形成完了までの処理を行った。
前記レジストパターンは、Rパターン及びBパターンのストライプの方向と直交する方向のストライプ状のパターン(LINE1.0μm、SPACE1.0μmのLINE&SPACEパターン)として形成された。
即ち、形成されたレジストパターンにおいて、Gパターン(G画素)を形成しようとする領域は、幅1.0μmのRパターン及び幅1.0μmのBパターンとに交差する方向のストライプ状の開口領域(開口幅1.0μm)として形成された。
次いで、実施例2と同様の条件にてドライエッチング処理を実施して、薄膜透明膜1、薄膜透明膜2、Rパターン、及びBパターンのうち、Gパターン(G画素)を形成する領域をドライエッチングにより除去した。
その後、実施例2と同様の条件で、レジストパターンを除去した。
次に、緑色の光硬化性組成物「SG−5000L」に変えて上記で調整した着色熱硬化性組成物Gを用いた以外は実施例2と同様にしてG着色層を形成した。熱硬化後の膜厚は0.6μmであった。
このとき、薄膜透明膜2上のG着色層の膜厚は500nmであった。
以上によりGパターン(G画素)を形成しようとするストライプ状の開口領域に、第3の着色パターンであるGパターン(G画素)をストライプ状に形成した。
Gパターン(G画素)は、先述のエッチングにより加工されたストライプ状の開口領域に埋め込む形でストライプ状に形成された。Gパターン(G画素)の幅は1.0μmであった。
また、基板表面はフラットな状態となって形成できた。即ち、R画素上の薄膜透明膜2上面、B画素上の薄膜透明膜2上面、及びG画素上面は、いずれもシリコン基板に対し同じ高さであった。
得られたカラーフィルタアレイにおいては、各着色画素(R画素、G画素、及びB画素)の隅が集合する領域における、着色画素が形成されない領域の発生は抑制され、着色画素同士の境界線付近における、着色画素の膜厚が薄い箇所の発生も抑制されていた。
この結果は、上記のカラーフィルタの製造方法を用いることで、パターン形成限界が向上し、より微細なパターンの形成が可能となることを示す。
<カラーフィルタの作製>
実施例19中、前記第3の着色パターン形成工程の前までは実施例19と同様にして、R画素及びB画素付きシリコン基板を得た。
即ち、この基板は、ストライプ状のRパターン及びBパターンのうち、Gパターン(G画素)を形成するストライプ状の領域がドライエッチングにより除去され、更に、フォトレジスト除去及び加熱処理が施された状態である。
上記より形成されたG着色層に対し、実施例3で求めた最適露光量Eoptにてパターン露光を行った以外は実施例19の第3の着色パターン形成工程と同様の条件で、パターン露光、現像処理、リンス処理、乾燥処理、ポストベーク処理をこの順に施し、Gパターン(G画素)を形成しようとするストライプ状のパターン領域に、第3の着色パターンであるGパターン(G画素)をストライプ状に形成した。
Gパターン(G画素)は、ドライエッチングにより加工されたストライプ状の開口領域(RパターンとBパターンのうち、Gパターン(G画素)を形成する領域としてドライエッチングにより除去された領域)に埋め込む形でストライプ状に形成された。Gパターンの幅は1.0μmであった。
また、基板表面はフラットな状態となって形成できた。即ち、R画素上面、B画素上面、及びG画素上面は、いずれもシリコン基板に対し同じ高さであった。
得られたカラーフィルタアレイにおいては、各着色画素(R画素、G画素、及びB画素)の隅が集合する領域における、着色画素が形成されない領域の発生は抑制され、着色画素同士の境界線付近における、着色画素の膜厚が薄い箇所の発生も抑制されていた。
この結果は、上記のカラーフィルタの製造方法を用いることで、パターン形成限界が向上し、より微細なパターンの形成が可能となることを示す。
実施例3と同様の条件及び評価基準にて、着色光硬化性組成物の保存安定性の評価、密着性向上処理後の接触角測定、最適露光量Eoptの測定、密着露光量の測定、及び密着性評価を行った。評価結果を下記表3に示す。
実施例21において、特定有機シラン化合物の種類及びその含有量を表3に示すように変更した以外は実施例21と同様にしてカラーフィルタを作製し、実施例21と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例25において、密着性向上処理として、HMDS蒸気蒸着の代わりに下記条件でプラズマによるフッ化処理を行った以外は実施例25と同様にしてカラーフィルタを作製し、実施例25と同様の評価を行った。評価結果を表3に示す。
ドライエッチング装置(日立ハイテクノロジーズ社製、U−621)にて、RFパワー:800W、アンテナバイアス:400W、ウエハバイアス:200W、チャンバー内部圧力2.0Pa、基板温度50℃、ガス種及び流量を、Ar:800mL/min、CF4:200mL/min、の条件でプラズマ処理を5秒間行った。
実施例21において、密着性向上処理として、HMDS蒸気蒸着の代わりに、実施例29と同様の条件でプラズマによるフッ化処理を行った以外は実施例21と同様にしてカラーフィルタを作製し、実施例21と同様の評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例28において、密着性向上処理として、HMDS蒸気蒸着の代わりに、実施例29と同様の条件でプラズマによるフッ化処理を行った以外は実施例28と同様にしてカラーフィルタを作製し、実施例28と同様の評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例29において、着色光硬化性組成物中に例示化合物(103)を加えなかった以外は実施例29と同様にしてカラーフィルタを作製し、実施例29と同様の評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例21において、例示化合物(103)の含有量を表3に示す量に変更し、かつ、密着性向上処理を行わなかった以外は実施例21と同様にしてカラーフィルタを作製し、実施例21と同様の評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例33において、例示化合物(103)の含有量を表3に示す量に変更した以外は実施例33と同様にしてカラーフィルタを作製し、実施例33と同様の評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例33において、着色光硬化性組成物中に例示化合物(103)を加えなかった以外は実施例33と同様にしてカラーフィルタを作製し、実施例33と同様の評価を行った。評価結果を表3に示す。
以上、実施例19の第3の着色パターンの形成工程を変更した実施例21〜36について説明したが、実施例20の第3の着色パターンの形成工程を同様に変更しても同様の結果が得られることはもちろんである。
例えば、フォトダイオード及び転送電極が形成されたシリコン基板上に、フォトダイオードの受光部のみ開口したタングステンからなる遮光膜を形成し、形成された遮光膜全面及びフォトダイオード受光部(遮光膜中の開口部)を覆うようにして窒化シリコンからなるデバイス保護層を形成し、形成されたデバイス保護層上に、実施例1〜36と同様の方法によりカラーフィルタ(R、G、及びBの着色画素)を形成し、形成されたカラーフィルタ上に集光手段であるマイクロレンズを形成することにより、色再現性が良好な固体撮像素子(例えば、CCDイメージセンサー、CMOSイメージセンサー、等)を作製することができる。
12 赤着色層
14 赤色パターン
16 青着色層
18 青色パターン
20、120 緑色画素を形成する領域
22、122 レジストパターン
24、124 緑着色層
26、126 緑色パターン
28、128 赤色画素
30、130 青色画素
32、132 緑色画素
34 第1のストッパー層
36 第2のストッパー層
42 第1の着色層
44 第1の着色層中の第1の着色画素形成領域
46 第1の着色層中の不要領域
47 フォトマスク
48 第1の着色画素
50 第2の着色画素
52 第3の着色画素
54 着色画素が形成されない領域
56 着色画素の膜厚が薄い箇所
Claims (17)
- (a)支持体上に、第1の着色パターンをストライプ状に形成する第1の着色パターン形成工程と、
(b)前記支持体上の前記第1の着色パターンが形成されていない領域に、第2の着色パターンをストライプ状に形成する第2の着色パターン形成工程と、
(c)前記第1の着色パターン及び前記第2の着色パターンのうち、市松模様状の領域であるか、又は、前記第1の着色パターン及び前記第2の着色パターンと交差する方向のストライプ状の領域である、第3の着色パターンを形成する領域をドライエッチングにより除去する着色パターン除去工程と、
(d)前記支持体上の、前記第1の着色パターン及び前記第2の着色パターンが除去された領域に第3の着色パターンを形成する第3の着色パターン形成工程と、
を有する固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法。 - 前記第1の着色パターンの形成は、
(1)前記支持体上に第1の着色層を形成し、形成された第1の着色層を露光し、現像する方法により、
又は、
(2)前記支持体上に第1の着色層を形成し、形成された第1の着色層上にフォトレジストを用いてレジストパターンを形成し、形成されたレジストパターンをエッチングマスクとして、前記第1の着色層をドライエッチングする方法により、
行うことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法。 - 前記第2の着色パターンの形成は、
(1)前記第1の着色パターンが形成された支持体上に第2の着色層を形成し、形成された第2の着色層を露光し、現像する方法により、
又は、
(2)前記第1の着色パターンが形成された支持体上に第2の着色層を形成し、形成された第2の着色層上にフォトレジストを用いてレジストパターンを形成し、形成されたレジストパターンをエッチングマスクとして、前記第2の着色層をドライエッチングする方法、
及び/若しくは、
(3)前記第1の着色パターンが形成された支持体上に第2の着色層を形成し、少なくとも形成された第2の着色層を平坦化処理する方法により、
行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法。 - 前記第3の着色パターンの形成は、
(1)前記第1の着色パターン及び前記第2の着色パターンが形成された支持体上に第3の着色層を形成し、形成された第3の着色層を露光し、現像する方法により、
又は、
(2)前記第1の着色パターン及び前記第2の着色パターンが形成された支持体上に第3の着色層を形成し、形成された第3の着色層上にフォトレジストを用いてレジストパターンを形成し、形成されたレジストパターンをエッチングマスクとして、前記第3の着色層をドライエッチングする方法、
及び/若しくは、
(3)前記第1の着色パターン及び前記第2の着色パターンが形成された支持体上に、第3の着色層を形成し、少なくとも形成された第3の着色層を平坦化処理する方法により、
行うことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法。 - 前記平坦化処理は、形成された着色層の全露出面をエッチングするエッチバック処理、及び/又は、形成された着色層の全露出面を研磨する研磨処理であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法。
- 前記(b)第2の着色パターン形成工程後であって前記(c)着色パターン除去工程の前に、前記第1の着色パターン上及び前記第2の着色パターン上に、第2のストッパー層を形成する工程を更に有し、
前記(c)着色パターン除去工程は、第3の着色パターンを形成する領域の前記第1の着色パターン及び前記第2の着色パターンを、前記第3の着色パターンを形成する領域の前記第2のストッパー層と共に除去し、
前記(d)第3の着色パターン形成工程が、
前記第1の着色パターン、前記第2の着色パターン、及び、前記第2のストッパー層が形成された支持体上に第3の着色層を形成する工程と、形成された第3の着色層を前記第2のストッパー層が露出するまでドライエッチングする工程と、を含むことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法。 - 前記第1の着色パターン形成工程が、支持体上に、第1の着色層を形成する工程と、形成された第1の着色層上に第1のストッパー層を形成する工程と、を含み、
前記第2の着色パターン形成工程が、前記第1の着色パターンが形成された支持体上に第2の着色層を形成する工程と、形成された第2の着色層を前記第1のストッパー層が露出するまでドライエッチングする工程と、を含むことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法。 - 前記第1の着色パターン及び前記第2の着色パターンを、隣り合う着色パターン同士が面で接するように形成することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法。
- ドライエッチング処理後の支持体に密着性向上処理を施し、該密着性向上処理が施された支持体上に着色層を形成し、形成された着色層を露光し、現像して着色パターンを形成することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法。
- 前記密着性向上処理は、密着助剤を付与する処理及び/又はプラズマを用いたフッ素化処理であることを特徴とする請求項9に記載の固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法。
- 前記密着助剤が、下記一般式(A)で表される化合物であることを特徴とする請求項10に記載の固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法。
〔前記一般式(A)中、R 1 〜R 6 は、各々独立に炭素数1〜4の炭化水素基を表し、構造中に環構造及び/又は不飽和結合を有していてもよい。〕 - 前記着色層は、全固形分に対して有機シラン化合物を0.05〜1.2質量%含有する着色硬化性組成物を塗布して形成することを特徴とする請求項9〜請求項11のいずれか1項に記載の固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法。
- ドライエッチング処理後の支持体に密着性向上処理を施すことなく、全固形分に対して有機シラン化合物を0.3〜1.2質量%含有する着色硬化性組成物を塗布して着色層を形成し、形成された着色層を露光し、現像して着色パターンを形成することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法。
- 前記第1の着色パターンの幅、前記第2の着色パターンの幅、及び前記第3の着色パターンの幅が、0.5〜2.0μmであることを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法。
- 前記第1の着色パターン、前記第2の着色パターン、及び前記第3の着色パターンは、着色剤と熱硬化性化合物とを含み全固形分中における前記着色剤濃度が50質量%以上100質量%未満である非感光性の着色熱硬化性組成物を用いて形成することを特徴とする請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法。
- 請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載の固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法により製造された固体撮像素子用カラーフィルタ。
- 請求項16に記載の固体撮像素子用カラーフィルタを備えた固体撮像素子。
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