JP5093103B2 - (メタ)アクリル酸エステルの製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸エステルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関する。
紫外線硬化型、あるいは電子線硬化型樹脂には、硬化性成分として種々の(メタ)アクリル酸エステルが使用されている。例えば、ポリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ポリプロピレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ポリオキシエチルトリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレ−ト、ポリオキシエチレン化ビスフェノ−ルAジ(メタ)アクリレ−ト等の(メタ)アクリル酸エステルが使用されている。
これら(メタ)アクリル酸エステルの製造方法としては、アルコール類と(メタ)アクリレ−トとをテトラアルコキシチタンの存在下にエステル交換反応により行う方法が知られている。かかるテトラアルコキシチタンは反応系に均一であり、反応後に系内から除去する方法としては種々報告がなされている。例えば、特開平1−258642号公報又は特開平4−66555号公報には、反応後、蒸留操作を行うことにより(メタ)アクリル酸エステルと触媒を分離する方法が開示されている。しかし、この方法は、(メタ)アクリル酸エステルが蒸留回収出来るものでなければならず、前述したポリオキシエチレン化ビスフェノ−ルAジ(メタ)アクリル酸エステルのような高沸点物には適さない。特開平11−140050号公報には、反応液に食塩水を添加してテトラアルコキシチタンを加水分解して不溶化し、比重差を利用して分離沈降させた後、釜内から除去する方法が開示されている。しかし、この方法では(メタ)アクリル酸エステルを製造する際に廃水が発生する上、その廃水を抜き出さなければならないため作業性に劣る。一方、この方法で不溶化させたテトラアルコキシチタンから水分を直接蒸留により除去する方法もあるが、食塩等が残存するためろ過工程時に負荷がかかる。さらには、不溶化したテトラアルコキシチタン加水分解物が非常に微細な粒子となり、ろ過による除去が困難となる等の問題がある。特開2000−169429号公報には、テトラアルコキシチタンを担持させた触媒を用い、ろ過により除去する方法が開示されているが、テトラアルコキシチタンを担体に担持する工程が複雑であること、微量の触媒成分が溶出するため結局水洗等が必要となり好ましくない。
本発明は、テトラアルコキシチタンを反応系から容易に除去し、廃水が出ない(メタ)アクリル酸エステルの製造方法を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、(1)アルコール類と(メタ)アクリレートをテトラアルコキシチタンの存在下にエステル交換反応をさせた後、50〜80℃下でテトラアルコキシチタンに対し4〜35倍重量の水を添加してテトラアルコキシチタンを加水分解して不溶化し、水と不溶成分を分離除去することを特徴とする(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関する。
また、本発明は、(2)前記アルコール類が、ポリオキシエチレン化ビスフェノ−ルAであることを特徴とする前記(1)に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関する。
また、本発明は、(3)水の分離除去は、蒸留して水を回収することにより行い、回収された水を再利用することを特徴とする前記(1)または(2)記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関する。
また、本発明は、(4)分離除去された不溶成分が、粒径が0.1〜3.0mmのテトラアルコキシチタン加水分解物であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関する。
さらに本発明は、(5)製造された(メタ)アクリル酸エステル中のチタン含有量が、1ppm以下であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関する。
本発明によれば、テトラアルコキシチタンを反応系から容易に除去し、廃水が出ない(メタ)アクリル酸エステルの製造方法を提供することができる。
本発明の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法は、アルコール類と(メタ)アクリレートをテトラアルコキシチタンの存在下にエステル交換反応をさせた後、50〜80℃下でテトラアルコキシチタンに対し4〜35倍重量の水を添加してテトラアルコキシチタンを加水分解して不溶化し、水と不溶成分を分離除去することを特徴とする。
本発明において用いられるアルコール類は特に限定されないが、例示すると、1−ブタノール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサメチレンジオール、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の脂肪族炭化水素モノ及びまたは多価アルコール;トリシクロ[5.2.1.02,6]デセノール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカノール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセニルオキシエタノール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルオキシエタノール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセニルオキシプロパノール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルオキシプロパノール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセニルオキシエトキシエタノ−ル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルオキシエトキシエタノール等の脂環式モノ及びまたは多価アルコール;ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリテトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールモノメチルエーテル、ポリテトラメチレングリコールモノアルキルエーテル等のポリアルキレングリコールモノ及びまたは多価アルコール;ベンジルアルコール、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のポリオキシアルキレン化ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールS、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールS等のポリオキシアルキレン化ビスフェノールS等の芳香族モノ及びまたは多価アルコール;ヒドロキシピペリジン類、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の窒素含有アルコール類などがあげられる。これらの中でも、水を蒸留回収した際、回収した水に含まれるテトラアルコキシチタン加水分解物の粒径が0.1〜3.0mmになりやすい芳香族モノ及びまたは多価アルコールが好ましく、ポリオキシエチレン化ビスフェノールAがより好ましい。
本発明において用いられる(メタ)アクリレートは、エステル交換反応に適した(メタ)アクリル酸エステルであり、特に限定されないが、アルキル(メタ)アクリレートが好ましく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の低級アルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも、反応性、生産性の観点からメチル(メタ)アクリレートが好ましい。
(メタ)アクリレートの使用量は、アルコール類に含まれる水酸基のモル数よりも過剰であることが、反応を短時間に終わらせるためや、反応転化率を向上させるために好ましい。(メタ)アクリレートの使用量は、通常、アルコール類に含まれる水酸基のモル数1モルに対して、2〜20モルであることが好ましく、2.5〜10モルであることがより好ましい。前記(メタ)アクリレートの使用量が2.5モル未満である場合は、エステル交換反応が遅くなり未反応のアルコール類が残りやすくなる傾向にある。一方、前記(メタ)アクリレートの使用量が20モルを超える場合は、生産性が悪くなるとともに、反応終了後に過剰の(メタ)アクリレートを回収する工程に長時間を要する傾向にある。
本発明で用いられるテトラアルコキシチタンは、例えば、チタン酸テトラメトキシド、チタン酸テトラエトキシド、チタン酸テトラプロポキシド、チタン酸テトライソプロポキシド、チタン酸テトラブトキシドなどチタン酸テトラC〜Cアルコキシドをあげることができる。これらの中でも、チタン酸テトライソプロポキシドが取り扱いの点から好ましい。
テトラアルコキシチタンの使用量は適宜選択されるが、アルコール類と(メタ)アクリレートの合計量100重量部に対して、0.01〜5.0重量部であることが好ましく、0.02〜1.0重量部であることがより好ましい。前記テトラアルコキシチタンの使用量が0.01重量部未満である場合は、エステル交換反応の進行が遅くなる傾向にあり、逆に5.0重量部を超える場合は、特に利点はなく不経済となる傾向にある。
なお、テトラアルコキシチタンは、水分が多いと触媒活性を失いやすいので、テトラアルコキシチタンを反応系に添加するに先立って、反応原料の混合物を加熱還流して反応系内の水分を少なくしておくことが好ましく、また、反応中は反応系内への水分の混入を防ぐことが好ましい。
本発明の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法において、公知の重合防止剤を添加することが可能である。かかる公知の重合防止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のフェノール類;フェノチアジン、ジブチルジチオカルバミン酸銅等の銅塩;酢酸マンガン等のマンガン塩;ニトロ化合物;ニトロソ化合物;4−ヒドロキシ2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル等のN−オキシル化合物;等があげられる。重合防止剤の添加量は、生成する(メタ)アクリル酸エステルに対して5〜2000ppmであることが好ましく、10〜500ppmであることがより好ましい。前記防止剤の添加量が5ppm未満である場合は、重合防止効果が必ずしも十分でない傾向にある。一方、前記重合防止剤の添加量が2000ppmを超える場合は、(メタ)アクリル酸エステルを重合反応に使用する際に重合を阻害するなどの悪影響を及ぼす可能性がある。
また、本発明の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法において、反応中、反応液の重合防止のために、少量の分子状酸素を反応系内に吹き込むことが好ましい。分子状酸素としては、希釈された状態で使用することが好ましく、好適には空気が用いられ、乾燥空気が好適に用いられる。また、分子状酸素の吹き込みは、蒸発して蒸気として存在するので、反応器上部の釜壁等に凝縮した(メタ)アクリル酸エステルの重合を防止するためにも好ましい。分子状酸素の使用量は、反応器の形状や攪拌動力などにより適宜選択されるが、アルコール類1モルに対して5〜500ml/分(空気として25〜2500ml/分)の速度で吹き込むことが好ましい。前記分子状酸素の使用量が5ml/分未満である場合は、重合防止効果が充分でない可能性がある。前記分子状酸素の使用量が500ml/分を超える場合は、(メタ)アクリレートを反応系外に押し出してしまう可能性が大きく、(メタ)アクリレートのロスを招きやすい。
また、本発明ではエステル交換反応に際して、反応に関与しない不活性溶媒を使用することもできる。溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン等の炭化水素類や、ジオキサン等のエーテル類などを挙げることができる。
エステル交換反応は、常圧又は減圧下、反応温度60〜130℃で行うことが好ましい。前記反応温度が60℃未満である場合は、反応速度が遅くなる傾向にある。前記反応温度が130℃を超える場合は、(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸エステルの着色や重合などの副反応を引き起こす可能性がある。
エステル交換反応の装置としては、アルコール類と(メタ)アクリレートをエステル交換反応により(メタ)アクリル酸エステルを製造する通常の装置を採用することが出来る。エステル交換反応は平衡反応であるため、通常、アルコール類の転換率を高める目的で、副生するアルコールを原料の(メタ)アクリレート又は溶剤との共沸混合物として系外に留去しながらエステル交換反応を行うことが好ましい。このため、反応装置としては、精留搭の付いた回分式反応槽を使用することが好ましい。
本発明では、エステル交換反応が終了した後、水を添加してテトラアルコキシチタンを加水分解して不溶化する。不溶成分は触媒として用いたテトラアルコキシチタンの加水分解物である。テトラアルコキシチタンは反応系に均一であるが、水の添加により加水分解され容易に(メタ)アクリル酸エステルに対し不溶性となるため、ろ過などの方法により分離除去することができる。なお、使用される水は、蒸留水などの純水の他、加水分解でき、かつその水を再利用できる程度のものであれば食塩等を多少含むものでもよい。
水の添加量は、テトラアルコキシチタンに対し4〜35倍重量であり、好ましくは4〜30倍重量であり、より好ましくは5〜20倍重量である。前記水の添加量が4倍重量未満である場合は、テトラアルコキシチタンの不溶化が不十分となり(メタ)アクリル酸エステル中にテトラアルコキシチタンが大量に残存してしまう。前記水の添加量が35倍重量を超える場合は、水を蒸留回収する際の手間がかかり工業的に不利になる他、テトラアルコキシチタン加水分解物の粒径が細かくなり、ろ過による除去が難しくなる。
テトラアルコキシチタンを不溶化する際の液温は、50〜80℃であり、好ましくは60〜80℃である。前記液温が50℃未満である場合は、テトラアルコキシチタンの不溶化が不十分となり(メタ)アクリル酸エステル中にテトラアルコキシチタンが大量に残存してしまう。前記液温が80℃を超える場合は、(メタ)アクリル酸エステルの着色や重合などの副反応を引き起こすことがある他、水を蒸留回収した際、テトラアルコキシチタン加水分解物の粒径が細かくなり、ろ過による除去が難しくなる。
水を添加して不溶化したテトラアルコキシチタン加水分解物の粒径は、0.1〜3.0mmであることが好ましく、0.3〜2.0mmであることがより好ましい。前記テトラアルコキシチタン加水分解物の粒径が0.1mm未満である場合は、テトラアルコキシチタン加水分解物をろ過により除去し難くなる傾向がある。前記テトラアルコキシチタン加水分解物の粒径が3.0mmを超える場合は、水を蒸留操作により分離除去した後に、(メタ)アクリル酸エステルと不溶成分を、次の濾過工程の装置への移送する際に配管に詰まりを生じやすくなるなどの製造上の不具合が起こり易い可能性がある。テトラアルコキシチタン加水分解物の粒径は、例えば電子顕微鏡で写真をとり、写真に写る不溶成分を任意に30個選択してその粒径を測定し平均値をとることで求めることができる。なお、粒子が球状でない場合は、最も長い径をもって粒子径とする。
テトラアルコキシチタンを不溶化した後、反応液中の未反応の(メタ)アクリレートを減圧蒸留により留去し、残分を循環型ろ過機などによりろ過することによりテトラアルコキシチタン加水分解物が分離除去され、(メタ)アクリル酸エステルが得られる。ろ過は加圧ろ過でも減圧ろ過でもよく、またろ過の際、ろ過の負荷防止のためにケイ藻土をろ過助剤として使ってもよい。
本発明の方法により得られる(メタ)アクリル酸エステル中のチタンの含有量は、1ppm以下であることが好ましく、0.5ppm以下であることがより好ましく、0.1ppm以下であることがさらにより好ましい。前記(メタ)アクリル酸エステル中のチタン含有量が1ppmを超える場合は、(メタ)アクリル酸エステル)の品質上好ましくない傾向にある。(メタ)アクリル酸エステルのチタン含有量は、例えば、プラズマ発光分析法、原子吸光法などにより測定することができる。
本発明では、蒸留して回収した水は、チタン等の不溶成分が殆ど存在しないので、この製造設備周辺の用途に問題なく再利用することが可能である。例えば、再度(メタ)アクリル酸エステルの製造方法のテトラアルコキシチタンの不溶化工程に再利用してもよい。蒸留操作は減圧又は常圧下に行なわれる。蒸留して回収した水中にはチタンは殆ど存在しないが、微量残存しているとしても、そのチタン含有量は、1ppm以下であることが好ましく、0.5ppm以下であることがより好ましく、0.1ppm以下であることがさらにより好ましい。前記チタン含有量が1ppmを超える場合は、この水を再利用して製造した(メタ)アクリル酸エステルは品質上好ましくない傾向にある。
以下、実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
攪拌機、温度計、空気導入管、及び精留塔を備えている1リットル釜に、下記式(I)で示されるポリオキシエチレン化ビスフェノ−ルA(ポリオキシエチレンの繰り返し数;m+n≒10)250g(0.37モル)、メチルメタクリレート500g(5モル)、ヒドロキノンモノメチルエーテル0.09gを仕込み、減圧下、乾燥空気を1Nm/Hrの速度で吹き込んだ。
Figure 0005093103
引き続き、加熱還流し系内の水分を除去した。次に、チタン酸テトライソプロポキシド2.5gを加え、エステル交換反応させた。はじめ、反応混合物を加熱還流し、精留塔頂温度はメタクリル酸メチルの沸点である100℃付近であったが、反応の進行と共に、メタノールとメチルメタクリレートの共沸混合物の沸点に近づいたので、塔頂温度が64〜66℃の範囲になるように還流比を調節してメタノールをメタクリル酸メチルとの共沸物として留去しながら反応を行った。
チタン酸テトライソプロポキシドを加えてから、3時間経過した頃から塔頂温度が上昇し始め約90℃まで上昇したので、それに合わせて還流比を徐々に大きくし、最終的には還流比を15にして反応を続けた。反応開始後、4時間目の反応液を高速液体クラマトグラフィ(HLC)分析したところ、原料アルコールであるポリオキシエチレン化ビスフェノ−ルA(m+n≒10)は検出されず、中間生成物であるポリオキシエチレン化ビスフェノ−ルA(m+n≒10)モノメタクリレ−トが4%(HLC面積比)、目的化合物であるポリオキシエチレン化ビスフェノ−ルAジメタクリル酸エステルが96%(HLC面積比)となったので反応を終了し、冷却後常圧に戻した。
反応液を75℃まで冷却したところで、水を30g(チタン酸テトライソプロポキシドに対して12倍重量)加えて、チタン酸テトライソプロポキシドを加水分解し不溶化した。続いて釜内を再び減圧し、蒸留により水の回収、過剰のメタクリル酸メチルの留去を行った。釜内にはチタン酸テトライソプロポキシド加水分解物が沈降し、その粒径は0.3〜1.5mmに分布し、平均値は0.9mmであった。粒径の測定は、電子顕微鏡により写真をとり、30個の粒子を任意に選択して長径を測定し、平均値を算出することにより行なった。ついで、循環型ろ過機により釜内液をろ過し、目的物であるポリオキシエチレン化ビスフェノ−ルAジメタクリレ−ト(m+n≒10)286g(全収率95%)得た。ポリオキシエチレン化ビスフェノ−ルAジメタクリレ−ト中のチタン含有量は0.1ppm以下であった。
また、回収した水を用いて、上記と同様の操作を行い再度ポリオキシエチレン化ビスフェノ−ルAジメタクリレ−ト(m+n≒10)の合成に使用したところ、テトラアルコキシチタンは不溶化し、回収された水中に含まれるチタン酸テトライソプロポキシド加水分解物の粒径は0.4〜1.4mmであり、得られたポリオキシエチレン化ビスフェノ−ルAジメタクリレ−ト(m+n≒10)中のチタン含有量は0.1ppm以下であり、回収された水を再利用出来ることが確認出来た。なお、ポリオキシエチレン化ビスフェノ−ルAジメタクリレ−ト中のチタン含有量の測定は、原子吸光法により行った。
(比較例1)
実施例1と同様の装置、モル比、反応条件より、反応を行なった。反応終了後、反応液を90℃まで冷却したところで、水を30g(チタン酸テトライソプロポキシドに対して12倍重量)加えて、チタン酸テトライソプロポキシドを加水分解し不溶化した。釜内にはチタン酸テトライソプロポキシド加水分解物が分散し、その粒径は0.03〜0.2mmに分布し、平均値は0.1mmであり、ろ過により分離除去できず、ポリオキシエチレン化ビスフェノ−ルAジメタクリレ−トに濁りを生じてしまった。また、ポリオキシエチレン化ビスフェノ−ルAジメタクリレ−ト中のチタン含有量は3.5ppmであり、チタン酸テトライソプロポキシド加水分解物の除去が不充分であることが分った。
(比較例2)
実施例1と同様の装置、モル比、反応条件より、反応を行なった。反応終了後、反応液を40℃まで冷却したところで、水を30g(チタン酸テトライソプロポキシドに対して12倍重量)加えて、チタン酸テトライソプロポキシドを加水分解し不溶化した。釜内にはチタン酸テトライソプロポキシド加水分解物が沈降し、その粒径は0.5〜2.5mmに分布し、平均値は1.5mmであったが、ポリオキシエチレン化ビスフェノ−ルAジメタクリレ−ト中のチタン含有量は31.0ppmであり、チタン酸テトライソプロポキシドの不溶化が不充分であることが分った。
(比較例3)
実施例1と同様の装置、モル比、反応条件より、反応を行なった。反応終了後、反応液を75℃まで冷却したところで、水を100g(チタン酸テトライソプロポキシドに対して40倍重量)加えて、チタン酸テトライソプロポキシドを加水分解し不溶化した。続いて釜内を再び減圧し、蒸留により水の回収、過剰のメタクリル酸メチルの留去を行った。その結果、水を蒸留回収する時間が実施例1と比べて約3.5倍かかった。また、釜内にはチタン酸テトライソプロポキシド加水分解物が分散し、その粒径は0.05mm〜0.4mmに分布し、平均値は0.2mmであったが、ろ過により分離除去できず、ポリオキシエチレン化ビスフェノ−ルAジメタクリレ−トに濁りを生じてしまった。ポリオキシエチレン化ビスフェノ−ルAジメタクリレ−ト中のチタン含有量は2.1ppmであり、チタン酸テトライソプロポキシド加水分解物の除去が不充分であることが分った。
(比較例4)
実施例1と同様の装置、モル比、反応条件より、反応を行なった。反応終了後、反応液を75℃まで冷却したところで、水を7.5g(チタン酸テトライソプロポキシドに対して3倍重量)加えて、チタン酸テトライソプロポキシドを加水分解し不溶化した。続いて釜内を再び減圧し、蒸留により水の回収、過剰のメタクリル酸メチルの留去を行った。その結果、釜内にはチタン酸テトライソプロポキシド加水分解物が沈降し、その粒径は0.5mm〜2.4mmに分布し、平均値は1.5mmであったが、ポリオキシエチレン化ビスフェノ−ルAジメタクリレ−ト中のチタン含有量は25.5ppmであり、チタン酸テトライソプロポキシドの不溶化が不充分であることが分った。

Claims (5)

  1. アルコール類と(メタ)アクリレートをテトラアルコキシチタンの存在下にエステル交換反応をさせた後、50〜80℃下でテトラアルコキシチタンに対し4〜35倍重量の水を添加してテトラアルコキシチタンを加水分解して不溶化し、水と不溶成分を分離除去することを特徴とする(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
  2. 前記アルコール類が、ポリオキシエチレン化ビスフェノ−ルAであることを特徴とする請求項1に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
  3. 水の分離除去は、蒸留して水を回収することにより行い、回収された水を再利用することを特徴とする請求項1または2記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
  4. 分離除去された不溶成分が、粒径が0.1〜3.0mmのテトラアルコキシチタン加水分解物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
  5. 製造された(メタ)アクリル酸エステル中のチタン含有量が、1ppm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
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