JP6350102B2 - (メタ)アクリル酸エステルの製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸エステルの製造方法 Download PDF

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本発明は、エステル交換法を適用した(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関する。
(メタ)アクリル酸エステルは、熱、光、過酸化物等によって重合しやすい性質を持っているため、それらの特徴を生かした幅広い用途で使用されている。このような用途としてはたとえば、電子材料分野ではドライフィルムレジストを始め、ディスプレイや光ディスク用の接着剤、電子材料用プラスチックハードコート剤などが挙げられ、塗料建材分野としては電子線硬化塗料、紫外線硬化印刷用の塗料、インク、また表面剤、成形材料成分、さらにはコンクリート混和剤および接着剤の成分などが挙げられる
これら(メタ)アクリル酸エステルの製造方法としては、アルコール類と(メタ)アクリレ−トを有機金属化合物等の触媒の存在下にエステル交換反応により行う方法が知られている。かかる有機金属化合物は反応系に均一に存在するものを用い、反応後に系内から除去する方法としては種々報告がなされている。例えば、反応後、蒸留操作を行うことにより(メタ)アクリル酸エステルと触媒を分離する方法が開示されているが(特許文献1、2参照)、この方法は、(メタ)アクリル酸エステルが蒸留回収できる低沸点の化合物でなければならず、高沸点の化合物には適さない。また、反応液に食塩水を添加してテトラアルコキシ金属化合物等の有機金属化合物を加水分解して不溶化し、比重差を利用して分離沈降させた後にそれを除去する方法が開示されている(特許文献3参照)が、この方法では(メタ)アクリル酸エステルを製造する際に廃水が発生する上、その廃水を抜き出さなければならないため作業性に劣る。一方、この方法で不溶化させた有機金属化合物から水分を直接蒸留により除去する方法もあるが、食塩等が残存してしまうためにろ過工程時に負荷がかかり、さらには、不溶化した有機金属加水分解物質が非常に微細な粒子となり、ろ過による除去が困難となる等の問題がある。有機金属化合物を担持させたエステル交換触媒を用い、ろ過により除去する方法では(特許文献4参照)、担持する工程が複雑であり、また微量の触媒成分が溶出することから水洗等が必要となるため好ましくない。これらを改良するために、反応後50〜80℃で水を添加し、不溶成分を分離除去する方法が開示されているが(特許文献5参照)、この方法では不溶成分の粒径をある程度制御して、生成物中の金属含有量を少なくすることができるが、本願発明者が検証した結果、不溶化した化合物がろ過工程の際に目詰りを起こし、ろ過速度が遅くなることが判明した。
特開平1−258642号公報 特開平4−66555号公報 特開平11−140050号公報 特開2000−169429号公報 国際公開第2007/122964号
本発明は、エステル交換法による(メタ)アクリル酸エステルの製造工程に使用する有機金属触媒を、容易に且つ短時間で除去することができる製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明は、アルコール類と低級(メタ)アクリル酸エステルを有機金属触媒存在下にエステル交換反応をさせたあと、さらに有機金属化合物を添加してから水を添加して有機金属化合物を加水分解して不溶化し、水および不溶成分を分離除去することを特徴とする(メタ)アクリル酸エステルの製造方法を提供するものである。
本発明によれば、(メタ)アクリル酸エステル製造工程におけるろ過速度を大幅に改善することができる。
本発明の(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法の実施の形態について詳細に説明する。
本発明で使用することができるアルコール類は脂肪族鎖状化合物、脂肪族環状化合物、芳香族化合物等特に制限はない。アルコール類として具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリオキシエチレン化ポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレン化ポリエチレングリコール、メトキシポリオキシエチレングリコール、メトキシポリオキシエチレン化ポリプロピレングリコール、メトキシポリオキシプロピレン化ポリエチレングリコール、エトキシポリオキシエチレングリコール、エトキシポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンおよび/又はポリプロピレン化ビスフェノールA、ポリオキシエチレンおよび/又はポリプロピレン化ノニルフェノール、ポリオキシエチレンおよび/又はポリプロピレン化クミルフェノール、ポリオキシエチレンおよび/又はポリプロピレン化フェノール、ポリオキシエチレンおよび/又はポリプロピレン化トリメチロールプロパン、ポリオキシエチレンおよび/又はポリプロピレン化ペンタエリスリトール、ポリオキシエチレンおよび/又はポリプロピレン化ジペンタエリスリトール、ポリオキシエチレンおよび/又はポリプロピレン化イソシアヌル酸、ノニルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、エタンジオール、プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール、ドデカンジオール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジシクロペンテニルアルコール、トリシクロデシルアルコール、ジシクロペンテニルオキシエタノール等が挙げられる。
本発明の用いるエステル交換法は、原料アルコールと(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等の低級(メタ)アクリル酸エステルを触媒存在下にエステル化反応させる。反応に際しては短時間反応、高転換率、反応後の後処理の観点から低級(メタ)アクリル酸エステルをアルコールに対して過剰に使用することが好ましい。具体的には通常アルコールが含有する水酸基1モルに対して低級(メタ)アクリル酸エステルを2.0モル〜20モルの範囲で使用することがより好ましい。低級(メタ)アクリル酸エステルの使用量がアルコールの水酸基1モルに対して2モル未満であると反応が十分に進行せず、また20モルを超えると反応後の濃縮工程に長時間を要し、生産性が悪化する。
エステル交換反応に使用される有機金属触媒としては、チタンテトラメトキド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド等のチタンアルコキシド、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリプロポキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドが挙げられる。
エステル交換反応に使用される有機金属触媒は、水分によって触媒活性を失うため、有機金属化合物を反応系に添加するに先立って、反応原料の混合物を加熱還流して反応系内の水分を少なくしておくことが好ましく、また、反応中は反応系内への水分の混入を防ぐことが好ましい。
エステル交換反応に使用される有機金属触媒の使用量としては、低級(メタ)アクリル酸エステルと原料アルコールの合計量に対して通常0.01〜10.0重量%の範囲が好ましい。触媒量が0.01重量%未満であると反応が極端に遅くなり、10.0重量%を超えると、反応終了後に触媒を不活性化したときの不溶成分の量が多くなり、ろ過速度が極端に遅くなる。
エステル交換反応に際しては、反応に関与しないものであれば適宜溶媒を使用することもできる。使用できる溶媒としては例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン等の炭化水素類、ジオキサン等のエーテル類などを挙げることができる。
本発明中のエステル交換反応においては、公知の重合禁止剤を添加ないし併用することが好ましい。重合禁止剤としては例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のフェノール類、フェノチアジン、エチレンチオ尿素等の硫黄化合物、ジブチルジチオカルバミン酸銅等の銅塩、酢酸マンガン等のマンガン塩、ニトロ化合物、ニトロソ化合物、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル等のN−オキシル化合物が挙げられる。添加量は生成エステルに対して0.1重量%以下が好ましい。0.1重量%を超えると得られた液が経時で着色する傾向があり、また重合反応に供した際に反応速度が極端に遅くなる場合がある。
エステル交換反応の際には反応中の反応液の重合を防止するために少量の分子状酸素を吹き込むことが好ましい。分子状酸素としては、希釈された状態で使用することが好ましく、空気を用いることが好適である。また、分子状酸素の吹き込みは、蒸発して蒸気として存在したり、上部の釜壁面等に凝縮した(メタ)アクリル酸エステル類の重合を防止するためにも好ましい。分子状酸素の導入量としては、反応機の形状や攪拌動力によっても影響を受けるが、原料アルコール1モルに対して5〜500ml/min.(空気として25〜2500ml/min.)の速度で吹き込めば良い。分子状酸素導入量が5ml/min.未満の場合は重合禁止の効果が十分でなく、500ml/min.を超えると低級(メタ)アクリル酸エステルを系外に押し出してしまう効果が強くなり、低級(メタ)アクリル酸エステルのロスを招く。
本発明中のエステル交換反応は、常圧又は減圧下60℃〜130℃で行うことが好ましい。温度が60℃未満であると反応速度が極端に遅くなり、また130℃を超えると(メタ)アクリル酸エステルの重合と着色を引き起こしやすい。
なお、反応時間としては、一般に、2〜12時間程度である。
エステル交換反応の装置としては、当業者間で知られた一般的なエステル交換反応装置を使用することができる。エステル交換反応は平衡反応であるため、通常、アルコール類の転換率を高める目的で、副生するアルコールを原料の低級(メタ)アクリレート又は溶剤との共沸混合物として系外に留去しながらエステル交換反応を行うことが好ましい。このため、反応装置としては、精留搭の付いた回分式反応槽を使用することが好ましい。
本発明では、エステル交換反応が終了した後、有機金属化合物を添加してから水を添加して有機金属化合物を加水分解して不溶化する。このとき使用する有機金属化合物はエステル交換反応に使用できるものであれば特に制限はないが、反応に使用した化合物であることが好ましい。この時の有機金属化合物の添加量は反応に使用した有機金属触媒量に対して5重量%から200重量%の範囲が好ましく、より好ましくは10重量%から50重量%の範囲である。有機金属化合物の添加量が5重量%より少ない場合は、本発明の効果が十分に発揮されずにろ過速度が遅くなる傾向があり、200重量%を超える場合は加水分解後の不溶成分が多すぎてろ過の際に目詰りを起こし、ろ過速度が極端に遅くなる傾向がある。有機金属化合物を添加したあとは、液内を均一にしておく必要があるため、一定時間撹拌を継続することが好ましい。一方、時間を置き過ぎた場合、加水分解により有機金属化合物が分解する恐れがある。このため、撹拌時間の目安としては、有機金属化合物を添加したあと、30秒から30分間程度までが好ましい。
本発明で使用する水の量は使用した有機金属化合物の価数に対して1モル当量以上(例えばチタンアルコキサイドを使用した場合は4モル当量以上)であれば特に制限はない。ただし、ろ過速度を低下させないように効果的に不溶化させるために、使用した有機金属化合物の2〜50倍の重量を加えることがより好ましい。50倍を越えても本発明で期待できるろ過速度そのものには支障はないが、余分な水を除去するための濃縮回収に時間がかかってしまう。また、加水分解する際の温度は50℃から90℃の範囲であり、好ましくは60℃から80℃の範囲である。50℃以下であると加水分解が十分に進行せず、90℃以上であると生成した(メタ)アクリル酸エステルが加水分解して純度が低下する。
有機金属化合物を加水分解して不溶化したあとは、水を含む過剰の低沸成分を濃縮装置で除去する。濃縮による低沸成分の留去は、常圧または減圧下、液温を90℃以下に保持しながら行うことが好ましく、より好ましくは80℃以下であり、さらに好ましくは50〜70℃の範囲内である。液温が90℃を超えると(メタ)アクリル酸エステルの着色や重合を引き起こす可能性が高くなる。その後、ろ過器を使用してろ過することにより不溶成分が分離除去され、目的とする(メタ)アクリル酸エステルが得られる。ろ過方法としては加圧ろ過又は減圧ろ過等が挙げられ、また、珪藻土などのろ過助剤を用いることが好ましい。
得られる(メタ)アクリル酸エステルは、無色又は淡黄色透明の液体である。
次に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらにより制限されるものではない。
<ろ過速度判定方法等>
実施例および比較例で作成した濃縮後のサンプル15gを使用して、40φ桐山漏斗および桐山ろ紙5A(有限会社桐山製作所製)とダイヤフラムポンプを用いた吸引ろ過装置を設置し、ろ過助剤として中央シリカ株式会社製「シリカ600H」5gを湿式充填させた後にろ過を実施した。このとき、ろ過開始からろ過助剤表面に液が無くなるまでの時間を測定することで、ろ過速度を判定した。作成したサンプルは最終的には全量ろ過を行い収量と収率を確認し、さらにサンプル中に金属成分が含まれないことを確認するためにICP発光分光分析法にて金属分分析を行った。
<実施例1>
攪拌機、温度計、空気導入管および精留塔を取り付けた1Lフラスコに、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA(エチレンオキサイド付加数約10)を400g(0.59モル)、メタクリル酸メチルを350g(3.50モル)、ハイドロキノンモノメチルエーテルを0.12g入れて圧力を28kPaに調節し、乾燥空気を100ml/分の速度で吹き込みながら加熱還流した。カールフィッシャー水分計を用いて系内の水分を分析し、水分量が500ppm以下になるまで水分を除去した。その後チタンテトライソプロポキシドを1.5g加えて反応を開始させた。反応時はフラスコ内液の温度が90〜100℃になるよう、系内の圧力を45〜50kPa程度に調節した。反応液を加熱還流し、精留塔上部の温度(塔頂温度)を監視し、生成するメタノールとメタクリル酸メチルの共沸点(52〜60℃)に近づいたので、塔頂温度が60℃になるように還流比を調節してメタノールをメタクリル酸メチルの共沸物として留去しながら反応を行った。反応開始2時間ほど経過したころから塔頂温度が上昇し始め、最終的には75℃まで上昇したので、還流比を徐々に大きくして反応を続けた。反応5時間目の反応液を液体クロマトグラフィーで分析したところ、生成物であるポリオキシエチレン化ビスフェノールAジメタクリレートの面積百分率が96%以上になっていたので反応終了とした。反応液を冷却し、反応液の温度が75℃となったところで、フラスコ系内圧力を常圧に戻し、チタンテトライソプロポキシド0.25gを入れ、2分間撹拌したあと、水20gを加えてチタンテトライソプロポキシドを加水分解して不溶化させた。続いてフラスコ内を再び減圧加熱し、80℃以下で、水と過剰のメタクリル酸メチルの濃縮回収を行った。フラスコ液中の水分が1000ppm以下およびメタクリル酸メチルが0.5%以下になったところで濃縮終了とした。得られた濃縮物を、15g量り取り前記ろ過速度判定試験を行った。残りを減圧ろ過によりろ過し、ポリオキシエチレン化ビスフェノールAジメタクリレート446gを得た。
<実施例2>
反応が終了してフラスコ系内圧力を常圧に戻した後に入れるチタンテトライソプロポキシドの量を0.1gとした以外は実施例1と同様の操作を行った。
<実施例3>
有機金属触媒および常圧に戻した後に加える有機金属化合物として用いたチタンテトライソプロポキシドに代えてチタンテトラブトキシドを使用すること以外は実施例1と同様の操作を行った。
<実施例4>
有機金属触媒および常圧に戻した後に加える有機金属化合物として用いたチタンテトライソプロポキシドに代えてアルミニウムトリイソプロポキシドを使用すること以外は実施例1と同様の操作を行った。
<実施例5>
攪拌機、温度計、空気導入管および精留塔を取り付けた1Lフラスコに、ジシクロペンテニルオキシエタノールを350g(1.80モル)、アクリル酸エチルを485g(4.86モル)、ハイドロキノンモノメチルエーテルを0.11g入れて圧力を25kPaに調節し、乾燥空気を100ml/分の速度で吹き込みながら加熱還流した。カールフィッシャー水分計を用いて系内の水分を分析し、水分量が500ppm以下になるまで水分を除去した。その後チタンテトライソプロポキシドを2.5g加えて反応を開始させた。反応時はフラスコ内液の温度が90〜100℃になるよう、系内の圧力を40〜50kPa程度に調節した。反応液を加熱還流し、精留塔上部の温度(塔頂温度)を監視し、生成するエタノールとアクリル酸エチルの共沸点(50〜55℃)に近づいたので、塔頂温度が55℃程度になるように還流比を調節してエタノールをアクリル酸エチルの共沸物として留去しながら反応を行った。反応開始2時間ほど経過したころから塔頂温度が上昇し始め、最終的には78℃程度まで上昇したので、還流比を徐々に大きくして反応を続けた。反応4時間目の反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、生成物であるジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートの面積百分率が98%以上になっていたので反応終了とした。反応液を冷却し、反応液の温度が75℃となったところで、フラスコ系内圧力を常圧に戻し、チタンテトライソプロポキシド0.37gを入れ、2分間撹拌したあと、水35gを加えてチタンテトライソプロポキシドを加水分解して不溶化させた。続いてフラスコ内を再び減圧加熱し、80℃以下で、水と過剰のアクリル酸エチルの濃縮回収を行った。フラスコ液中の水分が1000ppm以下およびアクリル酸エチルが0.1%以下になったところで濃縮終了とした。得られた濃縮物を、15g量り取り前記ろ過速度判定試験を行った。残りを減圧ろ過によりろ過し、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート416gを得た。
<実施例6>
攪拌機、温度計、空気導入管および精留塔を取り付けた1Lフラスコに、1,9−ノナンジオールを200g(1.25モル)、メタクリル酸メチルを725g(7.25モル)、ハイドロキノンモノメチルエーテルを0.11g入れて圧力を32kPaに調節し、乾燥空気を100ml/分の速度で吹き込みながら加熱還流した。カールフィッシャー水分計を用いて系内の水分を分析し、水分量が500ppm以下になるまで水分を除去した。その後チタンテトライソプロポシドを1.4g加えて反応を開始させた。反応時はフラスコ内液の温度が90〜100℃になるよう、系内の圧力を45〜60kPa程度に調節した。反応液を加熱還流し、精留塔上部の温度(塔頂温度)を監視し、生成するメタノールとメタクリル酸メチルの共沸点(52〜63℃)に近づいたので、塔頂温度が60℃になるように還流比を調節してメタノールをメタクリル酸メチルの共沸物として留去しながら反応を行った。反応開始2時間ほど経過したころから塔頂温度が上昇し始め、最終的には75℃まで上昇したので、還流比を徐々に大きくして反応を続けた。反応5時間目の反応液を液体クロマトグラフィーで分析したところ、生成物である1,9−ノナンジオールジメタクリレートの面積百分率が96%以上になっていたので反応終了とした。反応液を冷却し、反応液の温度が75℃となったところで、フラスコ系内圧力を常圧に戻し、チタンテトライソプロポキシド0.21gを入れ、2分間撹拌したあと、水20gを加えてチタンテトライソプロポキシドを加水分解して不溶化させた。続いてフラスコ内を再び減圧加熱し、80℃以下で、水と過剰のメタクリル酸メチルの濃縮回収を行った。フラスコ液中の水分が1000ppm以下およびメタクリル酸メチルが0.2%以下になったところで濃縮終了とした。得られた濃縮物を、15g量り取り前記ろ過速度判定試験を行った。残りを減圧ろ過によりろ過し、1,9−ノナンジオールジメタクリレート333gを得た
<比較例1>
反応が終了してフラスコ系内圧力を常圧に戻した後、チタンテトライソプロポキシドを入れること無く、水20gを加えた以外は実施例1と同様の操作を行った。
前記実施例および比較例で得られたろ過時間および収率、金属分分析結果を表1に示した。
Figure 0006350102
比較例1は参考文献5とほぼ同じ方法であるが、これと比較して実施例に代表される本発明では、飛躍的にろ過速度が向上し、なおかつ金属成分も十分に除去できていることがわかる。

Claims (3)

  1. アルコール類と低級(メタ)アクリル酸エステルを有機金属触媒存在下にエステル交換反応をさせたあと、さらに有機金属化合物として前記エステル交換反応に使用した有機金属触媒と同じ化合物を添加してから水を添加して有機金属化合物を加水分解して不溶化し、水および不溶成分を分離除去することを特徴とする(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
  2. 記有機金属化合物が、チタンアルコキシドまたはアルミニウムアルコキシドのいずれか一つである請求項1記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
  3. エステル交換反応後に添加する前記有機金属化合物の添加量が、反応に用いた有機金属触媒の量に対して5重量%から200重量%の範囲である請求項1または2記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
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