JP2016034932A - 含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの製造方法 - Google Patents

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淳弥 清野
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Abstract

【課題】毒性が低く、耐水性が高く、反応後の分離回収が比較的容易なエステル交換反応触媒を使用して、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを高い反応選択率で製造する方法を提供する。【解決手段】硫酸チタンまたは硫酸鉄を触媒に用いて、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと含フッ素アルコールとをエステル交換反応させることを特徴とする含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの製造方法である。前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基は、炭素原子数4以下であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関する。
含フッ素(メタ)アクリル酸エステルは、撥水撥油剤、防汚剤、界面活性剤等を製造する際の原料モノマーとして有用な化合物である。
含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの製造方法としては、従来から、エステル交換反応が利用されている。このエステル交換反応を温和な条件下において促進させるための触媒として、有機スズ化合物や有機チタン化合物が知られている。これらの触媒は、低濃度で高い活性と高い選択性を示すものである。
有機スズ化合物は、生体蓄積性とそれに付随した毒性が高く、第一種および第二種特定化学物質に指定されている。そのため、安全性の観点からは、反応終了後の完全な除去が望まれる。ところが、有機スズ化合物触媒の完全な除去は困難であるため、低温において溶解性が低下する特殊な有機スズ化合物を調製し、使用するといった方法が考案されている(特許文献1)。
一方、有機チタン化合物は、有機スズ化合物よりも生体蓄積性と毒性が低いといった長所がある。ところが、有機スズ化合物に比べると、水に対して著しく不安定で、速やかにコロイド状化合物を生成するという欠点がある。有機チタン化合物は有機溶媒への溶解性が高いため、有機チタン化合物を反応系から回収する場合は、水を添加してろ過・分離する手法が一般的である。しかし、水の添加によってコロイド状化合物が生成するため、ろ過速度が低下して、反応後の分離回収が困難となっている。このため、有機チタン化合物およびその加水分解物のろ過において、カチオン性高分子凝集剤および硫酸マグネシウムを組み合わせるといった方法が考案されている(特許文献2)。
特開2010−126481号公報 特開2011−37762号公報
しかしながら、特許文献1に記載の有機スズ化合物は、特殊な化学構造を有するものであって、市販されていないものである。また、触媒の回収を行う場合は、エステル交換反応後の高温の反応混合物を冷却して析出させなければならず、非効率的である。
また、特許文献2に記載の有機チタン化合物を使用する製造方法は、工程が煩雑となり、廃棄物の増加も避けられないものである。
さらに、原料の含フッ素アルコールは一般に高価であるため、反応選択率が高くて、副生成物が少なく、未反応の含フッ素アルコールを再利用することが可能な含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの製造方法が求められていた。
本発明は、前記の状況に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の課題は、毒性が低く、耐水性が高く、反応後の分離回収が比較的容易なエステル交換反応触媒を使用して、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを高い反応選択率で製造する方法を提供することである。
本発明者は、有機スズ化合物や有機チタン化合物に代わり得るエステル交換反応の触媒について検討を進めた。その結果、硫酸チタンおよび硫酸鉄が、エステル交換反応の触媒として有用であり、前記課題を解消し得ることを見出した。すなわち、硫酸チタンおよび硫酸鉄は、有機スズ化合物よりも毒性が低く、有機チタン化合物よりも耐水性が高い。また、硫酸チタンおよび硫酸鉄は、有機溶媒に不溶性であるため、有機溶媒からの分離が容易である。さらに、硫酸鉄は、有機スズ化合物や有機チタン化合物よりも大幅に安価であり、ハロゲン化鉄や硝酸鉄に見られるような潮解性を示さないことから、保存および取扱いが容易であり、熱安定性にも優れている。そして、硫酸チタンおよび硫酸鉄を用いたエステル交換反応が、高い反応選択率で進行することを見出した。
本発明は、このような検討を重ねた結果、達成することができたものである。すなわち、本発明は以下のような構成を有するものである。
本発明の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの製造方法は、硫酸チタンまたは硫酸鉄を触媒に用いて、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと含フッ素アルコールとをエステル交換反応させることを特徴としている。
また、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基が、炭素原子数4以下であることが好ましい。
また、前記含フッ素アルコールが、一般式[I]
2a+1-(CHCF-(CFCF-(CH-OH [I]
(式[I]中、aは1〜4の整数であり、bは0〜4の整数であり、cは0〜6の整数であり、dは1〜12の整数である)で表されることが好ましい。
また、前記含フッ素アルコールが、一般式[II]
2a+1O-(C2bO)-(C2d)-(CH-OH [II]
(式[II]中、aは1〜3の整数であり、bは1〜3の整数であり、cは0〜50の整数であり、dは1〜3の整数であり、eは1〜12の整数である)で表されることが好ましい。
本発明の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの製造方法は、エステル交換反応触媒として硫酸チタンまたは硫酸鉄を使用し、高い反応選択率で含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを製造することができる。硫酸チタンおよび硫酸鉄は、毒性が低く、耐水性が高く、反応後の分離回収が比較的容易である。そのため、安全上や製造上の問題を解消することが可能である。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。ただし、本発明の範囲は、以下に説明する具体例に限定されるものではない。
本発明の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの製造方法は、硫酸チタンまたは硫酸鉄を触媒に用いて、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと含フッ素アルコールとをエステル交換反応させることを特徴としている。前記製造方法において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基を含フッ素アルコールが有する含フッ素基によって置き換えることによって、含フッ素基を有する(メタ)アクリル酸エステルを得ることができる。(メタ)アクリル酸エステルは一般に、重合体のモノマーとして種々の用途に使用されている。ここで、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」または「メタクリル酸」を意味する。
本発明において、硫酸チタンとは、化学式Ti(SOで表される4価のチタンの硫酸塩である。硫酸第二チタンともいうことができ、分子量は240である。また、有機スズ化合物よりも毒性が低い。硫酸チタンは市販のものを使用することができる。
硫酸チタンは、水に対して不溶性であり、耐水性に優れている。また、硫酸チタンは、n−ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン等の有機溶媒に不溶性である。そのため、有機溶媒を使用した反応の後、ろ過することによって、比較的容易に硫酸チタンを分離・回収することができる。
本発明において、硫酸鉄とは、化学式Fe(SOで表される3価の鉄の硫酸塩である。硫酸第二鉄ともいうことができ、分子量は400である。また、有機スズ化合物よりも毒性が低い。硫酸鉄は市販の安価なものを使用することができるため、製造コストを抑えることが可能である。
硫酸鉄は、水に対して可溶性であるが、コロイド状化合物を生成することはないため、耐水性に優れている。また、硫酸鉄は、n−ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン等の有機溶媒に不溶性である。そのため、有機溶媒を使用した反応の後、ろ過することによって、比較的容易に硫酸鉄を分離・回収することができる。
硫酸チタンまたは硫酸鉄は、本発明の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの製造方法において、エステル交換反応の触媒として使用する。硫酸チタンと硫酸鉄とを混合して使用することも可能である。エステル交換反応を行う際の硫酸チタンまたは硫酸鉄の使用量は、反応時間と製造コストの観点から、含フッ素アルコールに対して、1〜50mol%が好ましく、3〜8mol%がより好ましい。
本発明の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの製造方法において、エステル交換反応の結果、原料である(メタ)アクリル酸アルキルエステルから、対応するアルキルアルコールが生成する。エステル交換反応は平衡反応であるため、生成するアルキルアルコールを系外に排出することが好ましい。そのため、アルキルアルコールは、比較的低温で揮発して、脱気によって除去することが容易な低級アルコールであることが好ましい。このような理由から、(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基は、炭素原子数4以下とすることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基である。
本発明に係る含フッ素アルコールは、エステル交換反応の結果、(メタ)アクリル酸とエステル結合を形成して、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルとなる。その結果、エステル化合物にフッ素基が導入される。本発明に係る含フッ素アルコールは、さらに大きく2つの種類の化合物群に分けることができる。
第1の種類の含フッ素アルコールは、下記一般式[I]で表される。
2a+1-(CHCF-(CFCF-(CH-OH [I]
式[I]中、aは1〜4の整数であり、bは0〜4の整数であり、cは0〜6の整数であり、dは1〜12の整数である。
第1の種類の含フッ素アルコールとしては、以下のような化合物を例示することができる:
2,2,2-トリフルオロエタノール、
2,2,3,3,3-ペンタフルオロ-1-プロパノール、
2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-1-ブタノール、
2,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロ-1-ペンタノール、
2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6-ウンデカフルオロ-1-ヘキサノール、
2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7-トリデカフルオロ-1-ヘプタノール、
3,3,3-トリフルオロ-1-プロパノール、
3,3,4,4,4-ペンタフルオロ-1-ブタノール、
3,3,4,4,5,5,5-ヘプタフルオロ-1-ペンタノール、
3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロ-1-ヘキサノール、
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7-ウンデカフルオロ-1-ヘプタノール、
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロ-1-オクタノール[2-(パーフルオロヘキシル)エタノール)]。
これらの中でも、反応性、沸点の観点から、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロ-1-ヘキサノール、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロ-1-オクタノール[2-(パーフルオロヘキシル)エタノール]等が好ましい。
第2の種類の含フッ素アルコールは、下記一般式[II]で表される。
2a+1O-(C2bO)-(C2d)-(CH-OH [II]
式[II]中、aは1〜3の整数であり、bは1〜3の整数であり、cは0〜50の整数であり、dは1〜3の整数であり、eは1〜12の整数である。また、式[II]中、『C2a+1O-』と『-(C2bO)-』と『-(C2d)-』で表される骨格部分は、直鎖状であってもよいし、分岐を含んでいてもよい。
第2の種類の含フッ素アルコールとしては、以下のような化合物を例示することができる:
2,4,4,4-テトラフルオロ-2-トリフルオロメチル-3-オキサ-1-ブタノール、
2,4,4,5,5,5-ヘキサフルオロ-2-トリフルオロメチル-3-オキサ-1-ペンタノール、
2,4,4,5,5,6,6,6-オクタフルオロ-2-トリフルオロメチル-3-オキサ-1-ヘキサノール、
2,4,4,5,7,7,7-ヘプタフルオロ-2,5-ビストリフルオロメチル-3,6-ジオキサ-1-ヘプタノール、
2,4,4,5,7,7,8,8,8-ノナフルオロ-2,5-ビストリフルオロメチル-3,6-ジオキサ-1-オクタノール、
2,4,4,5,7,7,8,8,9,9,9-ウンデカフルオロ-2,5-ビストリフルオロメチル-3,6-ジオキサ-1-ノナノール、
2,4,4,5,7,7,8,10,10,10-デカフルオロ-2,5,8-トリストリフルオロメチル-3,6,9-トリオキサ-1-デカノール、
2,4,4,5,7,7,8,10,10,11,11,11-ドデカフルオロ-2,5,8-トリストリフルオロメチル-3,6,9-トリオキサ-1-ウンデカノール、
2,4,4,5,7,7,8,10,10,11,11,12,12,12-テトラデカフルオロ-2,5,8-トリストリフルオロメチル-3,6,9-トリオキサ-1-ドデカノール、
2,4,4,5,7,7,8,10,10,11,13,13,13-トリデカフルオロ-2,5,8,11-テトラキストリフルオロメチル-3,6,9,12-テトラオキサ-1-トリデカノール、
2,4,4,5,7,7,8,10,10,11,13,13,14,14,14-ペンタデカフルオロ-2,5,8,11-テトラキストリフルオロメチル-3,6,9,12-テトラオキサ-1-テトラデカノール、
2,4,4,5,7,7,8,10,10,11,13,13,14,14,15,15,15-ヘプタデカフルオロ-2,5,8,11-テトラキストリフルオロメチル-3,6,9,12-テトラオキサ-1-ペンタデカノール、
3,5,5,5-テトラフルオロ-3-トリフルオロメチル-4-オキサ-1-ペンタノール、
3,5,5,6,6,6-ヘキサフルオロ-3-トリフルオロメチル-4-オキサ-1-ヘキサノール、
3,5,5,6,6,7,7,7-オクタフルオロ-3-トリフルオロメチル-4-オキサ-1-ヘプタノール、
3,5,5,6,8,8,8-ヘプタフルオロ-3,6-ビストリフルオロメチル-4,7-ジオキサ-1-オクタノール、
3,5,5,6,8,8,9,9,9-ノナフルオロ-3,6-ビストリフルオロメチル-4,7-ジオキサ-1-ノナノール、
3,5,5,6,8,8,9,9,10,10,10-ウンデカフルオロ-3,6-ビストリフルオロメチル-4,7-ジオキサ-1-デカノール、
3,5,5,6,8,8,9,11,11,11-デカフルオロ-3,6,9-トリストリフルオロメチル-4,7,10-トリオキサ-1-ウンデカノール、
3,5,5,6,8,8,9,11,11,12,12,12-ドデカフルオロ-3,6,9-トリストリフルオロメチル-4,7,10-トリオキサ-1-ドデカノール、
3,5,5,6,8,8,9,11,11,12,12,13,13,13-テトラデカフルオロ-3,6,9-トリストリフルオロメチル-4,7,10-トリオキサ-1-トリデカノール、
3,5,5,6,8,8,9,11,11,12,14,14,14-トリデカフルオロ-3,6,9,12-テトラキストリフルオロメチル-4,7,10,13-テトラオキサ-1-テトラデカノール、
3,5,5,6,8,8,9,11,11,12,14,14,15,15,15-ペンタデカフルオロ-3,6,9,12-テトラキストリフルオロメチル-4,7,10,13-テトラオキサ-1-ペンタデカノール、
3,5,5,6,8,8,9,11,11,12,14,14,15,15,16,16,16-ヘプタデカフルオロ-3,6,9,12-テトラキストリフルオロメチル-4,7,10,13-テトラオキサ-1-ヘキサデカノール、
4,6,6,6-テトラフルオロ-4-トリフルオロメチル-5-オキサ-1-ヘキサノール、
4,6,6,7,7,7-ヘキサフルオロ-4-トリフルオロメチル-5-オキサ-1-ヘプタノール、
4,6,6,7,7,8,8,8-オクタフルオロ-4-トリフルオロメチル-5-オキサ-1-オクタノール、
4,6,6,7,9,9,9-ヘプタフルオロ-4,7-ビストリフルオロメチル-5,8-ジオキサ-1-ノナノール、
4,6,6,7,9,9,10,10,10-ノナフルオロ-4,7-ビストリフルオロメチル-5,8-ジオキサ-1-デカノール、
4,6,6,7,9,9,10,10,11,11,11-ウンデカフルオロ-4,7-ビストリフルオロメチル-5,8-ジオキサ-1-ウンデカノール、
4,6,6,7,9,9,10,12,12,12-デカフルオロ-4,7,10-トリストリフルオロメチル-5,8,11-トリオキサ-1-ドデカノール、
4,6,6,7,9,9,10,12,12,13,13,13-ドデカフルオロ-4,7,10-トリストリフルオロメチル-5,8,11-トリオキサ-1-トリデカノール、
4,6,6,7,9,9,10,12,12,13,13,14,14,14-テトラデカフルオロ-4,7,10-トリストリフルオロメチル-5,8,11-トリオキサ-1-テトラデカノール、
4,6,6,7,9,9,10,12,12,13,15,15,15-トリデカフルオロ-4,7,10,13-テトラキストリフルオロメチル-5,8,11,14-テトラオキサ-1-ペンタデカノール、
4,6,6,7,9,9,10,12,12,13,15,15,16,16,16-ペンタデカフルオロ-4,7,10,13-テトラキストリフルオロメチル-5,8,11,14-テトラオキサ-1-ヘキサデカノール、
4,6,6,7,9,9,10,12,12,13,15,15,16,16,17,17,17-ヘプタデカフルオロ-4,7,10,13-テトラキストリフルオロメチル-5,8,11,14-テトラオキサ-1-ヘプタデカノール。
これらの中でも、反応性、沸点の観点から、2,4,4,5,5,6,6,6-オクタフルオロ-2-トリフルオロメチル-3-オキサ-1-ヘキサノール、2,4,4,5,7,7,8,8,9,9,9-ウンデカフルオロ-2,5-ビストリフルオロメチル-3,6-ジオキサ-1-ノナノール等が好ましい。
本発明において、エステル交換反応は、収率および製造コストの観点から、含フッ素アルコール1モル当量に対して、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを2〜10倍モル当量の範囲で使用することが好ましく、3〜8倍モル当量の範囲がより好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルを大過剰とすることによって、当初の(メタ)アクリル酸アルキルエステルのエステルを構成するアルコール部が含フッ素アルコールで置換される方向に平衡反応を進めることができる。
本発明において、エステル交換反応の反応温度は、反応の結果生成する低級アルコールが揮発する温度であることが好ましい。常圧であれば、低級アルコールの沸点以上の温度が好ましい。具体的には80〜160℃で行うことが好ましい。また反応時間は、実用性の観点から、4〜12hrが好ましい。
本発明のエステル交換反応は、溶媒を使用してもよいし、溶媒を使用しなくともよい。溶媒としては、脂肪族または脂環式の炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒等を使用することができる。芳香族炭化水素系溶媒の具体例としては、トルエン、キシレン、ベンゼン等を挙げることができる。
溶媒を使用するときは、生成するアルキルアルコールと共沸可能な有機溶媒を用いることが好ましい。また、エステル交換反応終了後に触媒を回収し易いように、硫酸チタンまたは硫酸鉄が不溶の溶媒を用いることが好ましい。このような溶媒として、炭素原子数5〜10の脂肪族または脂環式の炭化水素系溶媒等を挙げることができる。具体的には、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロヘキサンなどが挙げられる。これらの溶媒の中でも、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサンなどが好ましい。
本発明において、エステル交換反応を行う際には、不飽和結合を有した化合物等が重合反応を引き起こすことがないように、重合禁止剤を添加してもよい。重合禁止剤としては、公知のものを適当量使用することができる。重合禁止剤を例示すると、ヒドロキノン、ベンゾキノン、クロロベンゾキノン、ジクロロベンゾキノン、ジメチルベンゾキノン、メチルヒドロキノン、ジニトロベンゼン、トリニトロベンゼン、ニトロフェノール等を挙げることができる。
エステル交換反応の終了後、触媒である硫酸チタンまたは硫酸鉄は、除去することが好ましい。前記したように、溶媒として硫酸チタンまたは硫酸鉄が不溶の溶媒を使用したときは、反応系をろ過することによって、容易に硫酸チタンまたは硫酸鉄を分離・回収することができる。
本発明の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの製造方法によれば、副生成物が少なく、高い反応選択率で含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを製造することができる。そのため、触媒を分離・回収した後、未反応の含フッ素アルコールを回収して、再度エステル交換反応に使用することができる。その結果、高価な含フッ素アルコールを有効に活用することが可能である。
本発明に係る含フッ素(メタ)アクリル酸エステルは、繊維や紙用の撥水撥油剤、防汚剤、界面活性剤、各種離型用コーティング剤、フッ素系表面改質剤、フッ素系樹脂等の原料モノマーや成分として用いることができる。
以下に実施例を示すが、本発明はこれら実施例によって制限されるものではない。反応選択率(%)は、100×([収率]/[転化率])から算出されるものである。
(実施例1)
コンデンサおよび温度計を備えた300mlナスフラスコに、溶媒としてシクロヘキサン200mlを投入し、2-(パーフルオロヘキシル)エタノール25g(70mmol)、アクリル酸メチル30g(350mmol)、触媒として硫酸チタン0.84g(3.5mmol)、重合禁止剤としてヒドロキノン38.5mg(0.35mmol)を加えた。120℃にて8時間加熱還流を行った後、GC−FID(水素炎イオン化検出器を用いるガスクロマトグラフィ)によって反応混合物の組成分析を行った。その結果、2-(パーフルオロヘキシル)エタノールの転化率は57%、2-(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレートの収率は53%、反応選択率は93%であった。
(実施例2)
コンデンサおよび温度計を備えた300mlナスフラスコに、溶媒としてシクロヘキサン200mlを投入し、2-(パーフルオロヘキシル)エタノール25g(70mmol)、アクリル酸メチル30g(350mmol)、触媒として硫酸鉄1.40g(3.5mmol)、重合禁止剤としてヒドロキノン38.5mg(0.35mmol)を加えた。120℃にて8時間加熱還流を行った後、GC−FID(水素炎イオン化検出器を用いるガスクロマトグラフィ)によって反応混合物の組成分析を行った。その結果、2-(パーフルオロヘキシル)エタノールの転化率は46%、2-(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレートの収率は42%、反応選択率は91%であった。
(比較例1)
コンデンサおよび温度計を備えた300mlナスフラスコに、溶媒としてシクロヘキサン200mlを投入し、2-(パーフルオロヘキシル)エタノール25g(70mmol)、アクリル酸メチル30g(350mmol)、触媒としてチタンテトライソプロポキシド1.0g(3.5mmol)、重合禁止剤としてヒドロキノン38.5mg(0.35mmol)を加えた。120℃にて8時間加熱還流を行った後、GC−FIDによって反応混合物の組成分析を行った。その結果、2-(パーフルオロヘキシル)エタノールの転化率は67%、2-(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレートの収率は51%、反応選択率は76%であった。
(比較例2)
コンデンサおよび温度計を備えた300mlナスフラスコに、溶媒としてシクロヘキサン200mlを投入し、2-(パーフルオロヘキシル)エタノール25g(70mmol)、アクリル酸メチル30g(350mmol)、触媒としてジブチルスズオキシド0.87g(3.5mmol)、重合禁止剤としてヒドロキノン38.5mg(0.35mmol)を加えた。120℃にて8時間加熱還流を行った後、GC−FIDによって反応混合物の組成分析を行った。その結果、2-(パーフルオロヘキシル)エタノールの転化率は43%、2-(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレートの収率は41%、反応選択率は95%であった。
(比較例3)
コンデンサおよび温度計を備えた300mlナスフラスコに、溶媒としてシクロヘキサン200mlを投入し、2-(パーフルオロヘキシル)エタノール25g(70mmol)、アクリル酸メチル30g(350mmol)、重合禁止剤としてヒドロキノン38.5mg(0.35mmol)を加えた。触媒を加えずに、120℃にて8時間加熱還流を行った後、GC−FIDによって反応混合物の組成分析を行った。その結果、2-(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレートは検出限界以下であった。
Figure 2016034932
表1に結果を示した。硫酸チタンを触媒に用いた実施例1、硫酸鉄を触媒に用いた実施例2およびジブチルスズオキシドを用いた比較例2では、2-(パーフルオロヘキシル)エタノールの転化率、2-(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレートの収率および反応選択率が近い値となった。これらのことから、毒性が低い硫酸チタンまたは硫酸鉄は、有機スズ化合物に匹敵する優れた触媒活性を有していた。
比較例1は、触媒に有機チタン化合物であるチタンテトライソプロポキシドを用いたものであるが、反応選択率に劣っていた。比較例3は、触媒を使用せずに反応を試みたものであるが、2-(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレートは検出されず、反応はほとんど進行していなかった。
実施例1および実施例2では、反応終了後、反応系をろ過することによって、触媒である硫酸チタンまたは硫酸鉄を容易に分離・回収することができた。また、未反応の含フッ素アルコールを回収して、再度エステル交換反応に使用することができた。一方、比較例1では、チタンテトライソプロポキシドを回収するために、反応終了後に水を添加して、ろ過・回収を試みたところ、コロイド状化合物が生成したため、ろ過に長時間を費やし、触媒の回収効率に劣っていた。

Claims (4)

  1. 硫酸チタンまたは硫酸鉄を触媒に用いて、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと含フッ素アルコールとをエステル交換反応させることを特徴とする含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
  2. 前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基が、炭素原子数4以下であることを特徴とする請求項1に記載の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
  3. 前記含フッ素アルコールが、一般式[I]
    2a+1-(CHCF-(CFCF-(CH-OH [I]
    (式[I]中、aは1〜4の整数であり、bは0〜4の整数であり、cは0〜6の整数であり、dは1〜12の整数である)
    で表されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
  4. 前記含フッ素アルコールが、一般式[II]
    2a+1O-(C2bO)-(C2d)-(CH-OH [II]
    (式[II]中、aは1〜3の整数であり、bは1〜3の整数であり、cは0〜50の整数であり、dは1〜3の整数であり、eは1〜12の整数である)
    で表されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
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